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特許拒絶査定不服審判

2017-007883

共有チャネルを介して測定レポートを送信する方法および装置

審判番号
2017-007883
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-209901外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年05月31日
審決日
2019年12月17日
公報発行日
2020年06月26日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .537-WZ (H04W) / P18 .121-WZ (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法36条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-209901「共有チャネルを介して測定レポートを送信する方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月 3日出願公開、特開2016- 29836〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2007年(平成19年)10月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2006年10月23日 米国、2007年2月5日 米国、2007年3月28日 米国)を国際出願日とする特願2009-534599号の一部を、平成24年6月15日に新たな特許出願とした特願2012-135919号の一部を、平成26年2月20日に新たな特許出願とした特願2014-30953号の一部を、平成27年10月26日に更に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成27年11月25日   手続補正書の提出 平成28年 9月28日付け 拒絶理由通知書 平成29年 1月11日   意見書、手続補正書の提出 平成29年 1月23日付け 拒絶査定 平成29年 5月31日   拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提               出 平成30年 7月26日付け 拒絶理由通知書(当審) 平成30年12月18日   意見書、手続補正書の提出 平成31年 2月 4日付け 拒絶理由通知書(当審) 令和 1年 8月13日   意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1~20に係る発明は、令和1年8月13日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~20に記載された事項により特定されるところ、その請求項6に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものと認める。 「無線送信/受信ユニット(WTRU)によって、第1のチャネル品質インジケータ(CQI)を周期的な間隔でアップリンクチャネル上で送信することと、 前記WTRUによって、前記WTRUの無線ネットワーク一時識別子(RNTI)に関連付けられたダウンリンク制御チャネルを復号することと、 前記WTRUによって、前記WTRUの前記RNTIに関連付けられた前記ダウンリンク制御チャネルの復号に応答して、第2のCQIを送信するように無線ネットワークが前記WTRUに要求していることを決定することと、 前記第2のCQIを送信するように前記無線ネットワークが前記ダウンリンク制御チャネル上で前記WTRUに要求していることの前記決定に応答して、前記WTRUが肯定応答/否定応答情報とともに前記アップリンクチャネル上で前記第2のCQIを前記無線ネットワークへ送信すること を含むことを特徴とする方法。」 第3 拒絶の理由 平成31年2月4日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。 「1.(サポート要件)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 (中略) 3.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」 そして、本願発明に対応する補正前の請求項7に関する理由1についての具体的内容(抜粋)は以下のとおりである。 「請求項1、3、4、6、7、9、10、12、13、16、17、19、22、23の「アップリンクチャネル」、「ダウンリンク制御チャネル」は、それぞれ、発明の詳細な説明(段落0035等)に記載された「ランダムアクセスチャネル(RACH)」、「高速共有制御チャネル(HS-SCCH)」以外のチャネルを含むが、出願時の技術常識に照らし、上記請求項に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化することができない。 (中略) したがって、請求項1~24に係る発明は、発明の詳細な説明に記載されたものとはいえない。(サポート要件)」 また、理由3について、補正前の請求項7に対し、以下の2.が引用されている。 2.3GPP TR25.899V0.2.0(2003-05)、R1-030634、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_34/Docs/Zips/R1-030634.zip>2003年10月8日アップロード 第4 当審の判断 1 理由1について (1) 請求項6には、「第1のチャネル品質インジケータ(CQI)」及び「第2のCQI」を送信するためのチャネルとして、「アップリンクチャネル」が、「前記第2のCQIを送信するように前記無線ネットワーク」が「前記WTRUに要求」するためのチャネルとして、「ダウンリンク制御チャネル」が、それぞれ記載されており、 「アップリンクチャネル」及び「ダウンリンク制御チャネル」に関する具体的な定義はされていない。 そして、請求項6に係る方法の発明には、無線送信/受信ユニット(WTRU)がどのような状態において行われるのか具体的に規定されておらず、請求項6に係る方法の発明が、Cell_FACH状態における動作であると解することはできない。 さらに、「アップリンクチャネル」及び「ダウンリンク制御チャネル」が、それぞれ「共有/共通チャネル」及び「専用チャネル」を含むことは当業者における技術常識であることからすれば、請求項6に記載された「アップリンクチャネル」及び「ダウンリンク制御チャネル」が、それぞれ、「共有/共通チャネル」及び「専用チャネル」の両者を含むことは明らかである。 一方、請求項6に記載された「アップリンクチャネル」及び「ダウンリンク制御チャネル」に関し、本願明細書には、以下の記載がある。(なお、下線は当審が付与。) 「【0004】 非特許文献1において規定されるとおり、Cell_FACH状態は、専用チャネルを使用せず、このため、より低いアップリンクスループットおよびダウンリンクスループットという犠牲を払って、より良好な電力消費を可能にする。Cell_FACH状態にある間、アップリンク通信は、RACH(ランダムアクセスチャネル)を介して達せられるのに対して、ダウンリンク通信は、S-CCPCH(2次共通制御物理チャネル)にマッピングされた共有トランスポートチャネル(例えば、FACH(順方向アクセスチャネル))を介して行われる。Cell_FACH状態は、シグナリング(信号)トラフィック(例えば、セル更新メッセージおよびURA(UTRAN登録エリア)更新メッセージの伝送)、および非常に低いアップリンクスループットしか要求しないアプリケーションに適している。 (中略) 【0007】 Cell_FACH状態においてHSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)を使用することが提案されている。HSDPAは、非特許文献2において導入されたフィーチャ(機能)である。HSDPAは、Cell_DCH状態において機能する。HSDPAは、以下の3つの重要な概念(キーコンセプト)、すなわち、AMC(適応変調-符号化)、HARQ(混成自動再送信要求)スキーム(基本構想)を使用した再送信、およびノードBスケジューリングを用いることによって、ダウンリンク共有容量を、よりうまく活用する。 (中略) 【0009】 HSDPA動作に関して、ノードBは、WTRUからのCQI(チャネル品質指標)、およびACK(肯定応答)/NACK(否定応答)フィードバックを必要とする。CQIは、WTRUがサポートすることができる最大MCSを与えるテーブル内のインデックスである。CQIは、UTRANによって決定された周期数(periodicity)で周期的に送信される。ACK/NACKフィードバックは、HARQプロセスに使われている。ACK/NACK情報は、パケットがダウンリンクで受信されることに応答するときだけ、提供される。 【0010】 非特許文献1において、CQIおよびACK/NACK情報は、HS-DPCCH(高速専用物理制御チャネル)を介して送信される。各WTRUには、別個のHS-DPCCHが割り当てられ、その結果、WTRUは、このフィードバック情報を容易に提供することができる。さらに、HS-DPCCHは、アップリンクDPCCH(専用物理制御チャネル)に対するオフセットを使用して電力制御され、この電力制御のために、閉ループ電力制御が実行される。HS-DPCCH上の情報は、検出を助けるために高度に符号化される。ますます多くのWTRUがHSDPAを使用するにつれ、フィードバック制御チャネルの数は、増加する。これらが電力制御される場合に、フィードバック情報は、アップリンク雑音上昇を生じさせ、その他のアップリンク伝送のために利用可能な容量を減らす。 (中略)) 【0012】 HSDPAが、Cell_FACH状態で使用される場合、主な問題は、CQIおよびACK/NACK情報を送信する専用のアップリンクチャネルが無いことである。CQIおよびACK/NACK情報が無いと、HSDPAの利点は、大幅に小さくなる。非特許文献1は、Cell_FACH状態におけるHS-DSCHに関する最適なMCS選択およびスケジューリングのサポートを提供していない。 【0013】 したがって、Cell_FACH状態において共有チャネルを介してCQI情報を提供するための方法および装置を提供することが望ましいであろう【0014】 WTRUに割り当てられた専用チャネルを有することなしに、WTRUがCell_FACH状態にある間に、共有チャネルまたは共通チャネルを介してCQIを送信するための方法および装置が、開示されている。WTRUが、少なくとも1つのパラメータの測定を実行し、この測定に基づいてCQIを生成する。次に、WTRUは、RACHを介してCQIを送信する。CQIは、RACHプリアンブルを使用して送信されることが可能である。複数のシグネチャ系列が、複数のグループに分割されることが可能である。WTRUは、CQIに基づいて1つのグループを選択し、この選択されたグループの中のシグネチャ系列のなかから、RACHプリアンブルを送信するための1つのシグネチャ系列をランダムに選択することができる。CQIは、RACHプリアンブルに付加されることが可能である。CQIは、RACHメッセージの制御部分またはデータ部分を介して送信されることが可能である。RACHメッセージは、CQI伝送を含むRRC測定レポートであることが可能である。CQI報告は、HS-SCCH伝送の復号が成功することによってトリガされることが可能である。 (中略) 【0017】 本実施形態は、3GPP HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)に関連して説明されるが、本発明は、チャネル品質フィードバック情報が、共有/共通チャネルを介して送信されることが要求される任意の無線通信システムに適用可能であることに留意されたい。 (中略) 【0024】 CQIが生成されると、トランシーバ106が、ノードBに、そのCQIを送信する。Cell_FACH状態におけるWTRU100に割り当てられた専用制御チャネルは全く存在しないので、トランシーバ106は、RACHを介して、あるいは、伝送を開始するのに、そのチャネルをまず獲得するようWTRUに要求する他の任意の競合ベースのチャネルを介して、CQI情報を送信する。 (中略) 【0032】 PRACH(物理RACH)の容量は、限られているので、CQIの送信がいつ行われるべきかを決定するための規則が、規定される。WTRUは、WTRUが、RACHを介して送信すべきMAC SDUを有する場合、CQIを送信することが可能である(すなわち、便宜主義的な送信)。CQIは、前述したとおり、RACHプリアンブル内、またはRACHメッセージ内で送信されることが可能である。 【0033】 便宜主義的な送信(opportunistic transmission)は、ダウンリンク伝送と必ずしも互いに関連付けられていないアップリンクで情報を送信する必要性に依存するので、十分でない可能性がある。RACH上のアップリンク伝送が無い状態でのCQI報告を可能にするため、WTRUは、WTRUが、MAC SDUを送信する必要がない場合でさえ、CQIを送信(すなわち、CQIスタンドアロン送信)することが可能である。TFCIフィールドが、RACH伝送がCQIスタンドアロン送信であることをノードBに信号で送るのに使用されることが可能である。CQIスタンドアロン送信に関して、CQIは、図2に示されるとおり、RACHプリアンブルに付加されてもよく、あるいはRACHメッセージの制御部分またはデータ部分の中で送信されてもよい。 (中略) 【0035】 CQIは、ノードBによってポーリングされることが可能である。例えば、WTRUは、ダウンリンクでデータを受信すると、CQIを送信することができる。ノードBは、ノードBが、到着したばかりのCQI情報を有さない場合、低いMCSを選択すること、または、この初期ダウンリンク伝送でデータを全く送信しない(これにより、干渉を低減する)ことができる。ダウンリンク伝送は、WTRUを宛先とするHS-SCCH上の伝送であることが可能である。この場合、WTRUは、そのHS-SCCHを監視し、WTRUが、ダウンリンクにおけるHS-SCCH伝送上でWTRUのアドレス(すなわち、H-RNTI(HSDPA無線ネットワーク一時ID))を復号することに成功すると、CQIの伝送をトリガする。 (中略) 【0042】 CQI報告は、HS-SCCH受信に基づいてトリガされることが可能である。WTRUが、HS-SCCH伝送を復号することに成功すると、WTRUは、関連するHS-PDSCH上でのデータ伝送を期待する。HS-SCCH伝送が正しく復号された後、WTRUが、HS-PDSCH伝送を回復することができない場合、CQI報告が、トリガされることが可能である。このトリガ機構は、CQI報告は、N回の観察のうちM回の発生があると、トリガされるというように、平均窓(averaging window)に基づくことが可能である。MおよびNは、ハードコード(変更できないコード)にされるか、またはネットワーク設定可能であるとすることが可能である。 (中略) 【0047】 CQI報告は、Cell_FACH状態においてダウンリンク制御シグナリングによって制御されることが可能である。ダウンリンク制御シグナリングは、ダウンリンクにおける、HS-SCCH、MAC-hsヘッダ、物理層シグナル、L2制御チャネルなどを介して送信されることが可能である。 (中略) 【0051】 本発明は、Cell_PCHおよびURA_PCH状態におけるWTRUに適用可能である。これらの状態で、CQI計算のために使用される測定は、絶えず更新される必要はないが、Cell_FACH状態への切り換えを予期してPICH(Paging Indicator Channel)が受信されると、監視されることが可能である。このことにより、WTRUが、電力節約状態に留まり、必要とされる際にだけ測定を行うことが可能になる。 (実施形態) 1.共有チャネルを介してCQIを送信するための方法。 (中略) 【0054】 4.競合ベースのアップリンク共有チャネルを介してCQIを送信するWTRUを含む実施形態3の方法。 【0055】 5.競合ベースのアップリンク共有チャネルが、RACHである実施形態4の方法。 (中略) 【0073】 23.WTRUが、HS-SCCH伝送を復号することにWTRUが成功すると、CQIを送信する実施形態4~22のいずれか1つの実施形態における通りの方法。 (中略) 【0078】 28.WTRUが、ノードBから受信された制御情報に基づいてCQIを送信する実施形態4~27のいずれか1つの実施形態における通りの方法。 【0079】 29.制御情報が、HS-SCCH、MACヘッダ、物理層シグナリング、層2制御シグナリング、接続セットアップメッセージ、およびBCCHの少なくとも1つを介してWTRUに送信される実施形態28の方法。 (中略) 【0098】 48.共有チャネルを介してCQIを送信するためのWTRU。 (中略) 【0101】 51.競合ベースのアップリンク共有チャネルを介してCQIを送信するためのトランシーバを含む実施形態50のWTRU。 【0102】 52.競合ベースのアップリンク共有チャネルが、RACHである実施形態51のWTRU。 (中略) 【0120】 70.WTRUが、HS-SCCH伝送を復号することにWTRUが成功すると、CQIを送信する実施形態51~69のいずれか1つの実施形態における通りのWTRU。 (中略) 【0125】 75.WTRUが、ノードBから受信された制御情報に基づいてCQIを送信する実施形態51~74のいずれか1つの実施形態における通りのWTRU。 【0126】 1.制御情報が、HS-SCCH、MACヘッダ、物理層シグナリング、層2制御シグナリング、接続セットアップメッセージ、およびBCCHの少なくとも1つを介してWTRUに送信される実施形態75のWTRU。」 上記記載から明らかなように、発明の詳細な説明には、専用チャネルを使用しないCell_FACH状態においてHSPDAを使用する場合、CQIおよびACK/NACK情報を送信する専用のアップリンクチャネルが無いという課題を解決するために、Cell_FACH状態において共有/共通チャネルを介してCQI情報を提供することが記載されているといえる。 しかし、請求項6に記載されたような、「第2のCQIを送信するように前記無線ネットワークが前記ダウンリンク制御チャネル上で前記WTRUに要求していることの前記決定に応答」して、「アップリンクチャネル上で前記第2のCQIを前記無線ネットワークへ送信する」動作において、専用チャネルを用いて行うことは記載されていない。 そして、Cell_FACH状態において専用チャネルを介してCQI情報を提供することは技術常識に反するから、課題を解決できると当業者が認識できる程度に記載されているとはいえない。 (2) 請求人は、令和1年8月13日に意見書にて、以下のとおり主張する。 「実際に、段落番号[0017]では、明示的に以下の記載があります。 (中略) したがって、「アップリンクチャネル」、「ダウンリンク制御チャネル」の意味するところは、HS-SCCHやRACHのような上述の具体的に記載されたチャネルよりもより広い概念を含むことが、本願の出願時における技術常識であると言えます。 さらには段落番号[0101]には、「競合ベースのアップリンク共有チャネルを介してCQIを送信するためのトランシーバを含む」とあり、段落番号[0102]には、「競合ベースのアップリンク共有チャネルが、RACHである」ことがより具体的に明示されています。同様に段落番号[0070]には、「WTRUが、ノードBからのダウンリンク伝送に応答してCQIを送信する」の記載のように、より一般的に広くダウンリンク伝送について開示する一方で、段落番号[0073]では、「WTRUが、HS-SCCH伝送を復号することにWTRUが成功すると、CQIを送信する」と、より具体的なチャネルについて記載をしています。 (中略) さらには、アップリンク通信については、段落番号[0033]のRACHの他に、段落番号[0054]、 [0055] 、[0101] および[0102] における「競合ベースのアップリンク共有チャネル」において、より広く開示されています。またダウンリンク送信については、段落番号[0019]、[0022]、[0026]、[0033]、段落番号[0035]において広い「ダウンリンク伝送」として 、段落番号[0047]の「ダウンリンク制御シグナリング」として 、段落番号[0070] でも「ダウンリンク伝送」として、より一般的に一貫して開示されています。 上述のように、請求項1における「アップリンクチャネル」、「ダウンリンク制御チャネル」の記載については、広く発明の詳細な説明にサポートされたものと考えます。」 しかし、「アップリンクチャンネル」に関して請求人が提示する段落0017、0101、0102、0033、0054、 0055には、「アップリンクチャンネル」が「共有チャネル」であることは明示されているものの、「アップリンクチャンネル」が「専用チャネル」を含むことは記載も示唆もない。また、「ダウンリンク制御チャネル」に関して請求人が提示する段落0047にも、「ダウンリンク制御チャンネル」が「専用チャネル」を含むことは記載も示唆も無い。 また、請求人は、段落0070、0019、0022、0026、0033、0035を挙げて、「ダウンリンク伝送」に関し主張しているが、請求項6の記載は、「ダウンリンク伝送」ではなく「ダウンリンク制御チャネル」であるから反論になっていない。 よって、請求人の上記主張は採用できない。 (3) 上記(1)~(2)からすれば、Cell_FACH状態であることが特定されておらず、「専用チャネル」を含む「アップリンク」及び「ダウン制御チャネル」を発明特定事項とする請求項6に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとはいえない。 よって、この出願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 2 理由3について (1) 本願発明 本願発明は、上記「第2 本願発明」にて認定したとおりのものである。 (2) 引用発明及び周知技術 [引用発明] 当審拒絶理由で引用された3GPP TR25.899 V0.2.0(2003-05)、R1-030634、インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_34/Docs/Zips/R1-030634.zip>2003年10月8日アップロード(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。) ア 「 」(7ページ5~23行) ([当審仮訳] 5.1 FDDモードのCQI拡張 リリース5では、固定CQI報告レートが使用され、報告されたCQIは、ある特定の3タイムスロット期間に所定のエラー確率で受信できる、HS-DSCHトランスポートブロックサイズ、コード数、変調の組み合わせに関連するように定義されている。HS-DPCCHでのCQI送信によるアップリンク干渉を最小限に抑えながら、HS-DSCHでの送信の効果的なスケジューリングとMCS選択を可能にするために、十分なCQI報告を送信することが望ましい。したがって、さまざまな機能強化が検討される場合がある。 ・ダウンリンクアクティビティの期間中は追加のCQI報告を使用し、そ れ以外の場合は定期的に報告する ・オンデマンドCQI更新を取得するためのレイヤー1メッセージを介して  トリガーされるCQI要求の導入 ・UEが定義された期間の派生CQI値を保存し、それらの値の平均を報告  できるようにする 以下のセクションで説明する技術については、個別に検討するとともに組み合わせて検討する。 編集者注:ここでは、拡張のために提案されている技術の概要を説明する。強化の動機も説明しなければならない。 編集者注:同じ技術分野で複数のスキームが提案されている場合、すべてのスキームをそれぞれ又はそれらの組み合わせとして説明するものとする。 5.1.1 可変レートCQI報告 「可変レートCQI報告」と呼ばれる機能強化は、ULシグナリングのオーバーヘッドを削減すると同時に、ダウンリンクアクティビティ時に効率的なスケジューリングとレート選択のために最新のCQI情報を利用できるようにすることを目的としている。これにより、ダウンリンクアクティビティの期間中にCQI報告が追加され、それ以外の場合は定期的な報告が少なくなる。) イ 「 (中略) 」(11ページ7行~12ページ) ([当審仮訳] 6.1 FDDモードのCQI拡張 6.1.1 可変レートCQI報告 (中略) 6.1.1.1 機能 可変レートCQI操作は、次の方法で実行できる。 1. アクティビティベースのCQIフィードバック この方式では、HS-PDSCHデータのすべてのACK又はNACKとともに、CQI情報が送信され、周期が上位層のシグナリングによって決定される定期的な報告に加えられる。データトラフィックのバースト性により、送信がUEに実行されると、同じUEに短時間でより多くの送信又はHARQ再送信が発生する可能性が高いことに注意されたい。したがって、このメソッドは、UEへの将来の送信のためにノードBが最新のCQI情報を利用できるようにする。 (図1は省略。) 図1:アクティビティベースのCQIフィードバックスキームを示す図。ダウンリンクアクティビティによってトリガーされる追加のCQIフィードバックは赤で表示される。 2.  NACKベースのCQIフィードバック この方式では、CQI情報は、周期が上位層シグナリングによって決定される定期的な報告に加えて、HS-PDSCHデータの否定応答(NACK)で送信される。図2にスキームの概要を示す。 (図2は省略。) 図2.NACKベースのCQIフォードバックスキームを示す図。HS-PDSCHデータのNACKとともに送信される追加のCQIフィードバックは赤で表示される。) ウ 「 」(12ページ1~14行) ([当審仮訳] 6.1.1.2.1 効果 このセクションでは、セクション6.1.1.1で説明した可変レートCQIスキームの利点について説明する。 可変レートCQIの主な利点は、次の範囲にあると予想される。 - システムパフォーマンスを低下させることなく、CQI報告によるU     Lシグナリングオーバーヘッドを削減する。 - MCSの選択とスケジューリングの改善。 DLアクティビティベースの報告スキームのULシグナリングオーバーヘッドの削減は、ダウンリンク送信が実際にモバイルにスケジュールされる時間の割合に依存する。MCS選択の改善は、バーストの最初のパケットの最初の送信を除くすべての送信に適用される。NACKベースの報告方式の場合、ULシグナリングオーバーヘッドの削減は、上記のDLアクティビティベースの報告よりも大きくなる。MCS選択の改善は、すべての再送信に適用される。ただし、ACKを含むCQIフィードバックがないことのシステムスループットへの影響を評価する必要がある。) エ 「 」(15ページ5~12行) ([当審仮訳] 6.1.2 オンデマンドCQIフィードバック 6.1.2.1 機能 このスキームにより、ノードBは必要に応じて追加のCQI送信を要求し、必要な場合(パケットコールの最初のパケットの送信前など)に最新のCQI値を保証できる。 この技術は、HS-SCCHのレイヤー1メッセージを介してCQI送信を要求する機能を追加する。HS-SCCHで通知される新しいレイヤー1メッセージは、チャネライゼーションコードセットマッピングの冗長領域を利用する。 表1は可能なソリューションを示し、図7はリリース5に定義されたHSDPAチャネライゼーションコードセットマッピングを示している。) 引用例1の上記記載及びこの分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。 a 上記ア、イの記載、及び、Figure1によれば、引用例1には、UEが、上位層シグナリングによって決定される周期に基づいて定期的にCQI情報を送信する「定期的なCQI報告」を行うことが記載されており、「定期的なCQI報告」が、HS-DPCCH上で行われることは、上記イの記載及び当業者の技術常識から明らかである。 b 上記ア、イの記載、及び、Figure1によれば、引用例1には、ダウンリンクアクティビティの期間中に、UEが、HS-PDSCHデータのすべてのACK又はNACKとともにCQI情報をNode-Bへ送信する「追加のCQI報告」を行うことが記載されており、「追加のCQI報告」が、HS-DPCCH上で行われることは、上記イの記載及び当業者の技術常識から明らかである。 ここで、上記イには、追加のCQIフィードバックは、ダウンリンクアクティビティによりトリガーされることが記載され、また、上記イの記載及び図1から、「ダウンリンクアクティビティ」が、「HS-PDSCHデータ」を「受信」したことを想定していることは明らかであるから、上記「追加のCQI報告」は、UEが、HS-PDSCHデータの受信によりトリガーされて、HS-PDSCHデータのすべてのACK又はNACKとともにCQI情報をNode-Bへ送信するものといえる。 c 上記a、b及び引用例1の各記載からすれば、引用例1には、UEがアクティビティベースのCQIフィードバックを実行する方法が記載されているといえる。 したがって、引用例1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認める。 「UEがアクティビティベースのCQIフィードバックを実行する方法において、 前記UEが、上位層シグナリングによって決定される周期に基づいて定期的にCQI情報を送信する定期的なCQI報告をHS-DPCCH上で行うことと、 前記UEが、HS-PDSCHデータの受信によりトリガーされて、HS-PDSCHデータのすべてのACK又はNACKとともにCQI情報をNode-Bへ送信する追加のCSI報告をHS-DPCCH上で行うこと を含む方法。」 [周知技術] 原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2006/088301号(以下、「引用例2」という。)の「BACKGROUND ART」の欄には、以下の事項が記載されている。 オ 「A transmission of HS-DSCH control information is needed to transfer user data via an HS-DSCH. The information is transmitted via a downlink high-speed shared control channel (HS-SCCH) and a downlink high speed dedicated physical control channel (HS-DPCCH).」(7ページ19行~8ページ1行) ([当審仮訳] HS-DSCH制御情報の転送は、HS-DSCHを通してユーザーデータを転送するのに必要である。前記情報は、下り回線高速共有制御チャネル(High-Speed Shared Control Channel;以下、‘HS-SCCH’と略す。)と下り回線高速専用物理制御チャネル(High-Speed Dedicated Physical Control CHannel;以下、‘HS-DPCCH’と略す。)を通して転送される。) カ 「A downlink HS-SCCH is a downlink physical channel transferred with a spreading factor set to 128 such that the data rate is 60 kbps. Information transferred over the downlink HS-SCCH can be classified into transport format and resource related information (hereinafter abbreviated TFRI) and HARQ related information. UE identity(H-RNTI) information, which indicates to which user the corresponding information belongs, is masked for transfer.」(8ページ13~18行) ([当審仮訳] 下り回線HS-SCCHは、データレートが60kbpsである拡散係数128をもって伝達される下り回線物理チャネルである。下り回線HS-SCCHを通して伝達される情報は、伝達フォーマット及び支援関連情報(Transport Format and Resource related Information;以下‘TFRI’という。)及びHARQ関連情報に分類されることができる。対応する情報がどのユーザーに属するかを指示するUE識別子(H-RNTI)情報は、伝達のためにマスキング(masking)される。) 上記オ、カにもあるように、 「ユーザーデータを転送するのに必要な制御情報の転送は、HS-SCCHを介して転送され、該HS-SCCHは、どのユーザーに属するかを指示するUE識別子(H-RNTI)に関連している。」ことは、技術常識ともいえる周知技術である。 また、本件の最先の優先日以前に利用可能となったMitsubishi Electric, Siemens, Philips、Timing for Enhanced CQI Procedures、3GPP TSG-RAN WG1#35 R1-031220、2003年11月19日アップロード(以下、「引用例3」という。)には、以下の事項が記載されている。 キ 「In addition to the Release 5 periodic scheme, the Node B receives and decodes the CQI information which is initiated by fast layer 1 requests. Furthermore some additional complexity needs to be added to the scheduler (vendor specific) e.g. a reference implementation may request an additional CQI value using fast signalling on the HS-SCCH only if the last CQI is older than some 10 TTIs and if the waiting data corresponds to more than 6 TTIs according to the current CQI. 」(5ページ24~28行) ([当審仮訳] リリース5の定期的なスキームに加えて、ノードBは高速レイヤー1要求によって開始されるCQI情報を受信してデコードする。 さらに、スケジューラーにいくつかの追加の複雑さを追加する必要がある(ベンダー固有)。 参照実装は、最後のCQIが約10 TTIよりも古い場合、および待機中のデータが現在のCQIに従って6 TTIを超える場合にのみ、HS-SCCHで高速シグナリングを使用して追加のCQI値を要求できる。) 上記キ、上記[引用発明]のエ、並びに当業者の技術常識を考慮すると、 「CQI送信の要求を、HS-SCCH上で行う。」ことは、常套手段(周知技術)である。 (3) 対比・判断 ア 本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「UE」は、「CQI情報を送信する定期的なCQI報告をHS-DPCCH上で行」い、「HS-PDSCHデータ」を「受信」することからすれば、本願発明の「無線送信/受信ユニット(WTRU)」に相当する。 また、引用発明では、「CQI情報をNode-Bへ送信する追加のCSI報告をHS-PDCCH上で行う」ことから、引用発明の「HS-PDCCH」は、本願発明の「アップリンクチャネル」に相当する。 さらに、引用発明において、「定期的なCQIレポート」により送信されるCQI情報を「第1のCQI」と称することは任意である。 よって、引用発明の「前記UEが、上位層シグナリングによって決定される周期に基づいて定期的にCQI情報を送信する定期的なCQIレポートをHS-DPCCH上で行うこと」は、本願発明の「無線送信/受信ユニット(WTRU)によって、第1のチャネル品質インジケータ(CQI)を周期的な間隔でアップリンクチャネル上で送信すること」に相当する。 イ 引用発明において、「追加のCQIレポート」により送信されるCQI情報を「第2のCQI」と称することは任意である。 また、引用発明の「ACK又はNACK」は、本願発明の「肯定応答/否定応答情報」に相当し、さらに、引用発明の「Node-B」は、本願発明の「無線ネットワーク」に含まれることは明らかである。 よって、本願発明の「前記第2のCQIを送信するように前記無線ネットワークが前記ダウンリンク制御チャネル上で前記WTRUに要求していることの前記決定に応答して、前記WTRUが肯定応答/否定応答情報とともに前記アップリンクチャネル上で前記第2のCQIを前記無線ネットワークへ送信すること」と、引用発明の「前記UEが、HS-PDSCHデータの受信によりトリガーされて、HS-PDSCHデータのすべてのACK又はNACKとともにCQI情報を送信する追加のCSIレポートをHS-DPCCH上で行うこと」とは、「WTRUが肯定応答/否定応答情報とともに前記アップリンクチャネル上で前記第2のCQIを前記無線ネットワークへ送信する」点で共通する。 以上を総合すると、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。 (一致点) 「無線送信/受信ユニット(WTRU)によって、第1のチャネル品質インジケータ(CQI)を周期的な間隔でアップリンクチャネル上で送信することと、 前記WTRUが肯定応答/否定応答情報とともに前記アップリンクチャネル上で前記第2のCQIを前記無線ネットワークへ送信すること を含む方法」 (相違点) 本願発明は、「前記WTRUによって、前記WTRUの無線ネットワーク一時識別子(RNTI)に関連付けられたダウンリンク制御チャネルを復号すること」を含むのに対し、引用発明は、UEによって、無線ネットワーク一時識別子(RNTI)に関連付けられたダウンリンク制御チャネルを復号することについて明示していない点(以下、「相違点1」という。)。 そして、引用発明には、ダウンリンク制御チャネルを復号することについて明示していないことに伴い、 本願発明は、「ダウンリンク制御チャネルの復号に応答して、第2のCQIを送信するように無線ネットワークが前記WTRUに要求していることを決定すること」を含むのに対し、引用発明は、ダウンリンク制御チャネルの復号に応答して、第2のCQIを送信するように無線ネットワークが前記WTRUに要求していることを決定することについて明示していない点。(以下、「相違点1-2」という。) さらに、引用発明は、ダウンリンク制御チャネルの復号に応答して、無線ネットワークがWTRUに要求していることを決定することについて明示していないことに伴い、 本願発明は、「第2のCQIを送信するように前記無線ネットワークが前記ダウンリンク制御チャネル上で前記WTRUに要求していることの前記決定に応答」して第2のCQIを送信するのに対し、引用発明は、「HS-PDSCHデータの受信によりトリガーされて、HS-PDSCHデータのすべてのACK又はNACKとともにCQI情報をNode-Bへ送信する」点(以下、「相違点1-3」という。) 以下、上記各相違点について検討する。 (相違点1について) 上記「(2) 引用発明及び周知技術」の[周知技術]のとおり、「ユーザデータを転送するのに必要な制御情報の転送は、HS-SCCHを介して転送され、該HS-SCCHは、どのユーザーに属するかを指示するUE識別子(H-RNTI)に関連している。」ことは、技術常識ともいえる周知技術である。 そして、引用発明では、「UE」が「HS-PDSCHデータ」によりトリガーされて、CQI情報をNode-Bへ送信するから、引用発明においても、ユーザーデータである「HS-PDSCHデータ」を受信するのに必要な制御情報を、UE識別子(H-RNTI)に関連するHS-SCCHを介して受信していると解することが相当であり、また、HS-SCCHを介して受信した情報を「復号」することも当然行われるべき事項に過ぎない。 したがって,上記相違点は,実質的な相違ではなく,また仮に相違するとしても当業者が容易になし得ることに過ぎない。 (相違点1-2及び相違点1-3について) 引用例1には、DLアクティビティベースのレポート方式は、NACKベースのレポート方式よりも、ULシグナリングオーバーヘッドの削減が小さいことが開示されている(上記(ii)エ参照。)ことからすれば、引用発明において、ULシグナリングオーバーヘッドをより削減するために、追加のCSIレポートを行う際、すべてのACK又はNACKとともにCQI情報を送信することに代えて、追加のCQI情報が必要と想定される場合にのみ、CQI情報を送信するようNode-BからUEに要求することは当業者が適宜なし得たことである。 そして、上記「(2) 引用発明及び周知技術」の[周知技術]のとおり、「CQI送信の要求を、HS-SCCH上で行う。」ことは、常套手段(周知技術)に過ぎない。 よって、引用発明において、追加のCQI情報が必要と想定される場合にのみ追加のCQI情報を送信するようにNode-BがHS-SCCH上でUEに要求していると決定し、該決定に応答して、追加のCQI情報を送信することは当業者が容易になし得ことである。 したがって,上記相違点1-2及び相違点1-3は,当業者が容易になし得ることである。 さらに、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術に基づいて当業者 が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 第5 むすび 以上のとおり、本願は、特許法第36条6項第1号に規定する要件を満たしていない。また、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-007883

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