特許異議申立
2016-701174
遊技機
- 審判番号
- 2016-701174
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2011-181804外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年12月26日
- 審決日
- 2017年11月07日
- 公報発行日
- 2018年02月23日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社三共
- 【権利者代理人】特許業務法人深見特許事務所
- 【異議申立人】日本電動式遊技機特許株式会社
- 【異議申立人代理人】特許業務法人 武和国際特許事務所
- 分類
- P1651.121-YAA(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条、特許法第29条第1項第3号、特許法第126条第5項、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5940264号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5940264号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
特許第5940264号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
【目次】
第1 手続の経緯
第2 訂正請求について
1 訂正の内容
2 訂正の適否
3 まとめ
第3 特許異議の申立について
1 本件訂正発明
2 特許異議申立理由の概要
3 取消理由の概要
4 甲第1号証の記載
5 当審の判断
(1)取消理由について
ア 対比
イ 判断
(2)特許異議申立人が意見書において主張する意見について
(3)特許異議申立理由について
第4 むすび
第1 手続の経緯
本件特許第5940264号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成23年8月23日に特許出願(特願2011-181804号)したものであって、平成28年5月27日に特許の設定登録がされ、同年12月26日にその特許に対し、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがなされ、当審により平成29年5月19日付けで取消理由が通知され、特許権者である株式会社三共より同年7月24日付けで意見書及び訂正請求書が提出され、これに対して、特許異議申立人より同年9月19日付けで意見書が提出されたものである。
第2 訂正請求について
1 訂正の内容
平成29年7月24日付け訂正請求書による本件特許の訂正の内容は、次のとおりである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる操作手段と、」と記載されているのを、
「前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる電源スイッチと、
前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる設定キースイッチと、」に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御するために前記操作手段が特定操作されたことを検出する特定操作検出手段」と記載されているのを、
「複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御するために、前記電源スイッチがオン状態となる前に前記設定キースイッチをオン状態として前記電源スイッチをオン状態とする設定変更開始操作を検出する設定変更開始操作検出手段」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に「前記設定値を確認する設定確認状態に制御するために前記操作手段が所定操作されたことを検出する所定操作検出手段」と記載されているのを、
「前記設定値を確認する設定確認状態に制御するために、前記電源スイッチがオン状態であるときに前記設定キースイッチをオン状態とする設定確認開始操作を検出する設定確認開始操作検出手段」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に「前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記特定操作検出手段により前記特定操作されたことが検出されたときには、前記設定変更状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定変更状態に制御しない変更状態制御手段」と記載されているのを、
「前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記設定変更開始操作検出手段により前記設定変更開始操作が検出されたときには、前記設定変更状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定変更状態に制御しない変更状態制御手段」に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項1に「前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記所定操作検出手段により前記所定操作されたことが検出されたときには、前記設定確認状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定確認状態に制御しない確認状態制御手段」と記載されているのを、
「前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記設定確認開始操作検出手段により前記設定確認開始操作が検出されたときには、前記設定確認状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定確認状態に制御しない確認状態制御手段」に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項1に「前記変更状態制御手段は、前記設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、前記設定変更状態を終了させる設定終了条件が成立するまで当該設定変更状態を維持し、」と記載されているのを、
「前記変更状態制御手段は、前記設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、当該開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときであっても、前記設定キースイッチをオフ状態とする設定変更終了操作が検出されて前記設定変更状態を終了させる設定変更終了条件が成立するまで当該設定変更状態を維持し、」に訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項1に「前記設定変更状態は、前記変更操作が前記変更操作検出手段により検出されたときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず設定値を同じ変更態様で変更する状態である」と記載されているのを、
「前記設定変更状態は、前記変更操作が前記変更操作検出手段により検出されたときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず設定値を同じ変更態様で変更する状態であり、」に訂正する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項1に「前記確認状態制御手段は、
前記設定確認状態においては、前記設定キースイッチをオフ状態とする設定確認終了操作が検出されたときに当該設定確認状態を終了させ、」を加える。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項1に「前記設定確認状態においては、前記設定確認終了操作が検出されなくても前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには当該設定確認状態を終了させる」を加える。
(10)訂正事項10
願書に添付した明細書の段落【0009】に
「遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、
遊技機の前面に設けられた開閉可能な開閉体と、
前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる操作手段と、
前記開閉体の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御するために前記操作手段が特定操作されたことを検出する特定操作検出手段と、
前記設定値を確認する設定確認状態に制御するために前記操作手段が所定操作されたことを検出する所定操作検出手段と、
前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記特定操作検出手段により前記特定操作されたことが検出されたときには、前記設定変更状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定変更状態に制御しない変更状態制御手段と、
前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記所定操作検出手段により前記所定操作されたことが検出されたときには、前記設定確認状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定確認状態に制御しない確認状態制御手段と、
前記設定変更状態において、前記設定値を変更するための変更操作を検出可能な変更操作検出手段とを備え、
前記変更状態制御手段は、前記設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、前記設定変更状態を終了させる設定終了条件が成立するまで当該設定変更状態を維持し、
前記変更操作検出手段は、前記設定変更状態においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、前記変更操作検出手段が前記変更操作されたか否かを検出し、
前記設定変更状態は、前記変更操作が前記変更操作検出手段により検出されたときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず設定値を同じ変更態様で変更する状態である。
なお、遊技機は、以下のような構成を備えるものであってもよい。
(1) 遊技者に対する有利度(たとえば設定値)を変更可能な遊技機(スロットマシン、パチンコ機など)であって、
開閉可能に設けられた開閉体(前面扉1b、本体枠914)と、
前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる操作手段(電源スイッチ39、設定キースイッチ37)と、
前記開閉体の開閉状態を検出する開閉状態検出手段(ドア開放検出スイッチ25、本体枠開放検出スイッチ925)、
所定条件下(たとえば、電源投入時)において、前記操作手段の状態を特定するための信号が所定状態(電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)に設定キースイッチ37がON状態)であるときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に基づく前記開閉体の開閉状態が、開放状態であるときには複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御し(Sa28に移行)、閉鎖状態であるときには前記設定変更状態に制御しない(Sa27dに移行)状態制御手段(Sa27b、Sa27d、Sa28、Sa29、図7など)と、
前記所定条件と異なる条件下(たとえば、BET処理実行時)において、前記操作手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であるときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に基づく前記開閉体の開閉状態が、開放状態であるときには選択されている設定値を報知可能な設定値報知状態に制御し(Se21に移行)、閉鎖状態であるときには前記設定値報知状態に制御しない(Se18cに移行)報知制御手段(Se18、Se18a~Se18c、Se19~Se21)とを備え、
前記状態制御手段は、前記設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、所定の設定終了条件が成立(図7のSc11においてYES)するまで当該設定変更状態を維持する(図7参照)。」とあるのを
「遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、
遊技機の前面に設けられた開閉可能な開閉体と、
前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる電源スイッチと、
前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる設定キースイッチと、
前記開閉体の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御するために、前記電源スイッチがオン状態となる前に前記設定キースイッチをオン状態として前記電源スイッチをオン状態とする設定変更開始操作を検出する設定変更開始操作検出手段と、
前記設定値を確認する設定確認状態に制御するために、前記電源スイッチがオン状態であるときに前記設定キースイッチをオン状態とする設定確認開始操作を検出する設定確認開始操作検出手段と、
前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記設定変更開始操作検出手段により前記設定変更開始操作が検出されたときには、前記設定変更状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定変更状態に制御しない変更状態制御手段と、
前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記設定確認開始操作検出手段により前記設定確認開始操作が検出されたときには、前記設定確認状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定確認状態に制御しない確認状態制御手段と、
前記設定変更状態において、前記設定値を変更するための変更操作を検出可能な変更操作検出手段とを備え、
前記変更状態制御手段は、前記設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、当該開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときであっても、前記設定キースイッチをオフ状態とする設定変更終了操作が検出されて前記設定変更状態を終了させる設定変更終了条件が成立するまで当該設定変更状態を維持し、
前記変更操作検出手段は、前記設定変更状態においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、前記変更操作検出手段が前記変更操作されたか否かを検出し、
前記設定変更状態は、前記変更操作が前記変更操作検出手段により検出されたときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず設定値を同じ変更態様で変更する状態であり、
前記確認状態制御手段は、
前記設定確認状態においては、前記設定キースイッチをオフ状態とする設定確認終了操作が検出されたときに当該設定確認状態を終了させ、
前記設定確認状態においては、前記設定確認終了操作が検出されなくても前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには当該設定確認状態を終了させる。
なお、遊技機は、以下のような構成を備えるものであってもよい。
(1) 遊技者に対する有利度(たとえば設定値)を変更可能な遊技機(スロットマシン、パチンコ機など)であって、
開閉可能に設けられた開閉体(前面扉1b、本体枠914)と、
前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる操作手段(電源スイッチ39、設定キースイッチ37)と、
前記開閉体の開閉状態を検出する開閉状態検出手段(ドア開放検出スイッチ25、本体枠開放検出スイッチ925)、
所定条件下(たとえば、電源投入時)において、前記操作手段の状態を特定するための信号が所定状態(電源スイッチ39がOFFからONとなったとき(電源投入時)に設定キースイッチ37がON状態)であるときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に基づく前記開閉体の開閉状態が、開放状態であるときには複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御し(Sa28に移行)、閉鎖状態であるときには前記設定変更状態に制御しない(Sa27dに移行)状態制御手段(Sa27b、Sa27d、Sa28、Sa29、図7など)と、
前記所定条件と異なる条件下(たとえば、BET処理実行時)において、前記操作手段の状態を特定するための信号が前記所定状態であるときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に基づく前記開閉体の開閉状態が、開放状態であるときには選択されている設定値を報知可能な設定値報知状態に制御し(Se21に移行)、閉鎖状態であるときには前記設定値報知状態に制御しない(Se18cに移行)報知制御手段(Se18、Se18a~Se18c、Se19~Se21)とを備え、
前記状態制御手段は、前記設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、所定の設定終了条件が成立(図7のSc11においてYES)するまで当該設定変更状態を維持する(図7参照)。」に訂正する。
2 訂正の適否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
上記訂正事項1は、「操作手段」を、「電源スイッチ」と「設定キースイッチ」に限定することで、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、上記訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項1は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1は、願書に添付した明細書の【0009】の「…前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる操作手段(電源スイッチ39、設定キースイッチ37)…」との記載、
【0084】の「設定値を変更するためには、前面扉1bを開放させ、筐体1a内に設けられている電源ボックス100の電源スイッチ39および設定キースイッチ37を操作して…」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項1は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項1は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
上記訂正事項2は、設定変更状態に制御するための「特定操作」、及び、「特定操作検出手段」を限定することで、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、上記訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項2は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項2は、願書に添付した明細書の【0084】の「設定値を変更するためには、前面扉1bを開放させ、筐体1a内に設けられている電源ボックス100の電源スイッチ39および設定キースイッチ37を操作して、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。…なお、電源スイッチ39を一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態として電源スイッチ39をONさせる操作を行なうことにより、設定変更状態に移行されるため、当該操作をまとめて設定変更操作ともいう。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項2は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
上記訂正事項3は、設定確認状態に制御するための「所定操作」を限定することで、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、上記訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項3は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項3は、願書に添付した明細書の【0086】の「また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をON状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をON状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。…」との記載、
【0164】の「…このため、起動処理(メイン)は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時およびメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理である。」との記載、及び、【図6】~【図9】の図示内容に基づくものである。
したがって、上記訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項3は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
上記訂正事項4は、訂正事項2により「特定操作」を「設定変更開始操作」と訂正したことに整合させて「特定操作」を「設定変更開始操作」と訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項4は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項4は、訂正事項2と同様に、願書に添付した明細書の【0084】の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項4は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
上記訂正事項5は、訂正事項3により「所定操作」を「設定確認開始操作」と訂正したことに整合させて「所定操作」を「設定確認開始操作」と訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項5は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項5は、訂正事項3と同様に、願書に添付した明細書の【0086】、【0164】の記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項5は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
上記訂正事項6は、「設定変更終了条件」について限定することにより、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、上記訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項6は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項6は、願書に添付した明細書の【0176】の「…一旦設定変更処理に移行されてから、設定キースイッチ37がOFFされて設定終了条件が成立するまで、前面扉1bの開閉状態に関わらず、当該設定変更処理が維持される。このため、不正行為ではなく正規に電源スイッチ39や設定キースイッチ37の操作が行なわれて設定変更状態に制御された後においては、設定変更途中において、たとえばドア開放検出スイッチに誤って手が触れるなどして前面扉1bが閉鎖状態であると誤検出されたとしても、当該設定変更状態を維持させて、確実に設定変更を行なうことができる。」との記載、
【0257】の「また、設定変更処理への制御は、前面扉1bの開閉状態に関わらず、設定キースイッチ37がOFFされるまで継続される。すなわち、一旦設定変更処理に移行されてから、設定キースイッチ37がOFFされて設定終了条件が成立するまで、前面扉1bの開閉状態に関わらず、当該設定変更処理が維持される。このため、不正行為ではなく正規に電源スイッチ39や設定キースイッチ37の操作が行なわれて設定変更状態に制御された後においては、設定変更途中において、たとえばドア開放検出スイッチに誤って手が触れるなどして前面扉1bが閉鎖状態であると誤検出されたとしても、当該設定変更状態を維持させて、確実に設定変更を行なうことができる。このため、誤操作によって再度、電源を落として最初から設定変更状態としなければならないといった煩わしさを遊技場管理者に抱かせてしまうことがない。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項6は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(7)訂正事項7
ア 訂正の目的について
上記訂正事項7は、後ろに文章が追加されたことを示すための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項7は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項7は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(8)訂正事項8
ア 訂正の目的について
上記訂正事項8は、「設定確認状態」の終了について限定することにより、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、上記訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項8は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリ ーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項8は、願書に添付した明細書の【0086】の「…設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をOFF状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。」との記載、
【0218】の「設定確認処理では、まず、ペイアウト表示器13の表示値を待避し、RAM41cの設定値ワークから現在設定されている設定値を取得し、取得した設定値をペイアウト表示器13に表示する。その後、設定キースイッチ37がoffになるまで待機し、設定キースイッチ37がoffになると先に待避させていたペイアウト表示器13の表示値を復帰させた後、確認終了コマンドを通常コマンド送信用バッファに設定し、設定確認処理を終了する。…」との記載、
【0248】の「…設定確認状態は、設定キースイッチ37がOFFの状態とすることで設定確認状態は終了し、サブ制御部91に対して確認終了コマンドを送信して設定確認状態の終了を通知する。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項8は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(9)訂正事項9
ア 訂正の目的について
上記訂正事項9は、「設定確認状態」の終了について、訂正事項8と異なる面から限定することにより、特許請求の範囲を減縮するものである。
したがって、上記訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項9は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項9は、願書に添付した明細書の【0009】の「…選択されている設定値を報知可能な設定値報知状態…」との記載、
【0017】の「当該設定値報知状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に基づいて前記開閉体が開放状態でないと判定されたときに当該設定値報知状態を終了するものであってもよい。」との記載、
【0268】の「(3) 前述した実施の形態においては、一旦設定確認処理に移行されると、設定キースイッチ37がOFFされるまで、前面扉1bの開閉状態に関わらず、当該設定確認処理が維持される例について説明したが、これに限らず、前面扉1bの開閉状態に応じて、たとえば前面扉1bが閉状態となることにより当該設定確認処理を終了させるようにしてもよい。」との記載に基づくものである。
したがって、上記訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項9は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(10)訂正事項10
ア 訂正の目的について
上記訂正事項10は、上記訂正事項1~9に係る訂正により、本件訂正前の請求項1における特許請求の範囲の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった願書に添付した明細書の段落【0009】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項10は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
よって、上記訂正事項10本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(11)小括
訂正事項1~3、6、8、9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5~6項の規定に適合するものである。
また、訂正事項4,5、7、10は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5~6項の規定に適合するものである。
3 まとめ
上記1、2において検討したとおりであるから、本件特許の明細書及び特許請求の範囲についての訂正を認める。
第3 特許異議の申立について
1 本件訂正発明
本件特許の訂正後の請求項1に係る発明(以下「本件訂正発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(当審にて請求項1をA~Pに分説した。)。
(本件訂正発明)
「【請求項1】
A 遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、
B 遊技機の前面に設けられた開閉可能な開閉体と、
C 前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる電源スイッチと、
D 前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる設定キースイッチと、
E 前記開閉体の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
F 複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御するために、前記電源スイッチがオン状態となる前に前記設定キースイッチをオン状態として前記電源スイッチをオン状態とする設定変更開始操作を検出する設定変更開始操作検出手段と、
G 前記設定値を確認する設定確認状態に制御するために、前記電源スイッチがオン状態であるときに前記設定キースイッチをオン状態とする設定確認開始操作を検出する設定確認開始操作検出手段と、
H 前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記設定変更開始操作検出手段により前記設定変更開始操作が検出されたときには、前記設定変更状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定変更状態に制御しない変更状態制御手段と、
I 前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記設定確認開始操作検出手段により前記設定確認開始操作が検出されたときには、前記設定確認状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定確認状態に制御しない確認状態制御手段と、
J 前記設定変更状態において、前記設定値を変更するための変更操作を検出可能な変更操作検出手段とを備え、
K 前記変更状態制御手段は、前記設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、当該開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときであっても、前記設定キースイッチをオフ状態とする設定変更終了操作が検出されて前記設定変更状態を終了させる設定変更終了条件が成立するまで当該設定変更状態を維持し、
L 前記変更操作検出手段は、前記設定変更状態においては、当該設定変更状態における前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、前記変更操作検出手段が前記変更操作されたか否かを検出し、
M 前記設定変更状態は、前記変更操作が前記変更操作検出手段により検出されたときに、前記開閉状態検出手段の検出結果に関わらず設定値を同じ変更態様で変更する状態であり、
N 前記確認状態制御手段は、
O 前記設定確認状態においては、前記設定キースイッチをオフ状態とする設定確認終了操作が検出されたときに当該設定確認状態を終了させ、
P 前記設定確認状態においては、前記設定確認終了操作が検出されなくても前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには当該設定確認状態を終了させることを特徴とする、遊技機。」
2 特許異議申立理由の概要
異議申立人は、本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件特許発明」という。)に対して、証拠として甲第1号証を提示し、本件特許発明は、甲1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであるから、取り消すべきものである旨、主張する。
<証拠方法>
甲第1号証:特開2008-142126号公報
3 取消理由の概要
特許異議申立人による、特許異議の申立書の提出を受け、当審により、平成29年5月19日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は次のとおりである。
本件特許明は、甲1発明に一致するものであるから、本件特許発明は、甲1発明と同一のものであり、甲第1号証に記載された発明であるから、本件特許発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきである。
4 甲第1号証の記載
甲第1号証(特開2008-142126号公報)には、図面と共に次の事項が記載されている。
ア 「【請求項1】
前方に開口を有する筐体と、
前記筐体に対して回動可能に取り付けられることで前記開口を開閉可能な状態で閉塞させる前扉と、
所定の第1の遊技操作を契機に乱数値を取得し、取得した当該乱数値に基づいて入賞役を抽選する抽選手段と、
前記抽選手段が抽選した入賞役及び所定の第2の遊技操作に基づいて、遊技媒体を前記前扉の内側から外側に向けて払い出す遊技媒体払い出し手段と、
前記筐体の壁面に形成された貫通孔を介しての筐体の外部から電力が供給され、供給された電力から所定の電圧値の電力を生成して前記抽選手段及び前記遊技媒体払い出し手段に供給する電源ユニットと、
前記抽選手段による入賞役の抽選確率の設定の変更を行う設定変更手段とを備えた遊技機であって、
前記前扉に設けられ、筒状に形成された前扉用シリンダ錠本体と、
前扉キーと嵌合する前扉キー嵌合部を有し、前記前扉用シリンダ錠本体の筒内に挿入され、当該筒内で係止固定状態及び回転可能な状態の何れか一方の状態にあり、前記前扉キー嵌合部が前記前扉キーと嵌合することで前記筒内での係止固定状態を解除する前扉用シリンダ錠ロータと、
前記前扉用シリンダ錠本体から前記前扉の内側に突出した前記前扉用シリンダ錠ロータに固定して取り付けられたカム板と、
前記前扉を前記筐体に固定するとともに前記カム板の回動に連動して当該固定の解除を行う前扉ロック機構部と、
前記カム板の回動位置が前記前扉の固定の解除を行う位置にあるかを検出するカム板回動位置検出手段と、
前記前扉または前記筐体の内側に設けられ、前記前扉の開放を検出する前扉開放検出スイッチと、
前記電源ユニットに設けられ、筒状に形成された設定用シリンダ錠本体と、
設定キーと嵌合する設定キー嵌合部を有し、前記設定用シリンダ錠本体の筒内に挿入され、当該筒内で係止固定状態及び回転可能な状態の何れか一方の状態にあり、前記設定キー嵌合部が前記設定キーと嵌合することで前記筒内での係止固定状態を解除する設定用シリンダ錠ロータと、
前記設定用シリンダ錠ロータの回動角が第1乃至第3の回動範囲の何れにあるかを検出する設定用シリンダ錠ロータ回動角検出手段と、
前記設定用シリンダ錠ロータ回動角検出手段の検出結果が第1乃至第3の回動範囲を順番に連続して示した場合に、設定キーに対して設定表示が操作を行われたと判別する設定表示操作判別手段と、
前記設定表示操作判別手段の判別結果に基づいて前記入賞役の抽選確率の設定を表示する設定表示手段と、
前記カム板回動位置検出手段の検出結果が前記筐体に対する前記前扉の固定の解除を示さずに、前記前扉開放検出スイッチの検出結果が前記前扉の開放を示した場合に、異常が発生したと見なすとともに、前記前扉開放検出スイッチの検出結果が前扉の閉塞を示した状態で前記設定用シリンダ錠ロータ回動角検出手段の検出結果に変化が生じた場合、異常が発生したと見なす異常判別手段と、
前記異常判別手段が異常の発生を示した場合に、設定表示操作判別手段による設定表示操作を無効とする制御手段と、
前記異常判別手段が異常の発生を示した場合に、警報を発報する警報発報手段とを備えることを特徴とする遊技機。」
イ 「【0001】
本発明は、筐体の開口を閉塞する前扉に対して施錠が可能な遊技機に関する。」
ウ 「【0011】
図1において、スロットマシン1は、前方に開口を有する略矩形状の箱体である筐体2と、当該筐体2に対して蝶番機構により回動可能に取り付けられることで前記開口を開閉可能な状態で閉塞させる前扉3とを備えている。」
エ 「【0032】
リールユニット100の下方には、ホッパ装置21と、ホッパ装置21から溢れたメダルを収容するための補助貯留部22と、主電源装置23が設けられている。主電源装置23の内部の右側には、いわゆる配電盤に相当する電源装置基板24が設けられている。主電源装置23の前面には電源スイッチ81、リセット釦82、設定錠83等が設けられている。主電源装置23の前面は、通常時、透明な扉84により覆われている。
・・・
【0034】
更に、筐体2の上部右側の内壁に、遊技場に設置されている「ホールコンピュータ」と呼ばれる管理用コンピュータと接続可能な外部集中端子基板25が取り付けられている。筐体2の内壁の外部集中端子基板25より下側の位置には、前記前扉3の開放を検出する前扉開放検出スイッチ85が設けられている。」
オ 「【0184】
ここで、作業者が設定錠83の鍵穴836に設定キー800を挿入し、設定用シリンダ錠ロータ812と設定用シリンダ錠本体811とのロックを解除し、設定キー800を右回りに回転させると、設定キー動作検出スイッチ92は、期間A→B→Cの状態となる。この場合、図23(a)に示すリード線902からの出力a1は、期間Aと期間Bの境界のタイミングT1でハイレベルHからローレベルLに立ち下がり、図23(b)に示すリード線903からの出力a2は、期間Bと期間Cの境界のタイミングT2でローレベルLからハイレベルHに立ち上がり、図23(c)に示す主制御基板20により出力a1と出力a2を1/2に減衰した出力を加算した加算出力a3は、期間Aと期間Bの境界のタイミングT1でハイレベルHからローレベルLに立ち下がり、期間Bと期間Cの境界のタイミングT2でローレベルLからハイレベルHの1/2のミドルレベルMに立ち上がる。本実施例では、加算出力a3においてハイレベルHからローレベルLに立ち下がった後ミドルレベルMに立ち上がった出力を設定キー回転信号としている。」
カ 「【0191】
一方、ステップS3において、CPU200は、前扉開放検出スイッチ85がオン状態であるか否かを検出する。ここで、筐体2に対して前扉3が閉じられた状態では、ステップS3の判定がNOとなり、CPU200はステップS4の処理に移行する。また、筐体2に対して前扉3が開かれ、押圧部712から支持板部331が離れた状態では、ステップS3の判定がYESとなり、CPU200はステップS5の処理に移行する。
【0192】
ステップS4において、CPU200は、加算出力a3(図23参照)に対して設定キー回転信号(図23参照)の検出処理を行いうことで、設定キー回転信号を受け付けたか否かの判別を行う。ここで、設定錠83が操作されない状態では、ステップS4の判定がNOとなり、CPU200は、ステップS3の処理に戻る。また、作業者が設定錠83の鍵穴836に設定キー800を挿入し、設定キー800を右回りに回転させた場合、加算出力a3は、期間A→B→Cの状態となり、CPU200は、設定キー回転信号を受け付け、ステップS4の判定がYESとなり、ステップS10の処理に移行する。
【0193】
ステップS5において、CPU200は、加算出力a3に基づいて、設定キー回転信号を受け付けたか否かの判別を行う。ここで、設定錠83が操作されない状態では、ステップS5の判定がNOとなり、CPU200は、ステップS5の処理を繰り返す。作業者が設定錠83の鍵穴836に設定キー800を挿入し、設定キー800を右回りに回転させた場合、加算出力a3は、期間A→B→Cの状態となり、CPU200は、設定キー回転信号を受け付け、ステップS5の判定がYESとなり、ステップS6の処理に移行する。
【0194】
ステップS6において、CPU200は、数値情報表示部400に入賞役の抽選確率の設定を1から6までの数字で数値表示する制御を行い処理を終了する。
【0195】
ここで、正規の作業で筐体2に対して前扉3を開き設定錠83の鍵穴836に設定キー800を挿入して設定表示を行う場合を考える。
【0196】
この場合、作業者は、前扉キー600を用いて前扉用シリンダ錠78に対して解錠操作を行い、次に筐体2に対して前扉3を開くことで前扉開放検出スイッチ85をオン状態とし、この後設定錠83の鍵穴836に設定キー800を挿入し、設定表示操作を行った場合、CPU200は、処理がステップS1→S3→S5→S6の流れとなり、数値情報表示部400に入賞役の抽選確率の設定を1から6までの数字で数値表示する。」
キ 「【0212】
ステップS19において、CPU200は、設定変更釦86がオン操作されたか否かを検出する。ここで、設定変更釦86がオン操作された場合には、ステップS19の判定がYESとなって、CPU200は、ステップS20の処理に移行する。また、設定変更釦86がオン操作されなかった場合には、ステップS20の判定がNOとなって、CPU200は、ステップS21の処理に移行する。
・・・
【0216】
ここで、正規の作業で筐体2に対して前扉3を開き設定錠83の鍵穴836に設定キー800を挿入して設定変更を行う場合を考える。
【0217】
この場合、作業者は、前扉キー600を用いて前扉用シリンダ錠78に対して解錠操作を行い、次に筐体2に対して前扉3を開くことで前扉開放検出スイッチ85をオン状態とし、電源スイッチ81をオフし、この後設定錠83の鍵穴836に設定キー800を挿入し、設定キー800を右回りに回して設定キー800の幅方向をオン方向にし、電源スイッチ81をオンし、設定変更釦86をn回押すことで、設定候補値をn回変更し、レバー75をオン操作することで、設定候補値を実際の設定値として主制御基板20の記憶部201に記憶させる。この場合、主制御基板20のCPU200は、処理がステップS11→S12→S15→S16→S17→S18→(S19→S20→S21のn回ループ)→S22の流れとなり、入賞役の抽選確率の設定が正常に変更される。この後、設定錠83に差し込まれた設定キー800を左回りに回して設定キー800の幅方向をオフ方向にし、設定錠83から設定キー800を引き抜き、電源スイッチ81をオンし、次に筐体2に対して前扉3を閉塞することでスロットマシン1が遊技可能になる。」
ク 上記ア~キの記載事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。a~nは、本件訂正発明の分説(A~N)に対応させて、当審にて付与。)が開示されていると認められる。
「a 抽選手段による入賞役の抽選確率の設定の変更を行う設定変更手段を備えた遊技機であって(【請求項1】)、
b 前方に開口を有する筐体2に回動可能に取り付けられ、開口を開閉可能な状態で閉塞させる前扉3(【0011】)と、
c 筐体2に対して前扉3を開くことでオン、オフ可能な電源スイッチ81(【0217】)と、
d 前扉3が開かれることで設定キー800が挿入可能となる設定錠83(【0196】)と、
e 前扉3の開放を検出する前扉開放検出スイッチ85(【0034】)と、
f 電源スイッチ81をオフし、設定キー800をオン方向にし、電源スイッチ81をオンすることで、入賞役の抽選確率の設定を変更可能とするCPU200(【0217】)と、
g 作業者が設定キー800を右回りに回転させた場合、数値情報表示部400に入賞役の抽選確率の設定を1から6までの数字で数値表示する制御を実行可能とするCPU200(【0193】、【0194】)と、
h 前扉3を開くことで前扉開放検出スイッチ85をオン状態とし、電源スイッチ81をオフし、設定キー800をオン方向にし、電源スイッチ81をオンすることで、入賞役の抽選確率の設定を変更するCPU200(【0217】)と、
i 前扉3が開かれ、作業者が設定キー800を右回りに回転させた場合、数値情報表示部400に入賞役の抽選確率の設定を1から6までの数字で数値表示する制御を行うCPU200(【0191】、【0193】、【0194】)と、
j 設定変更釦86がオン操作されたか否かを検出するCPU200(【0217】)と
を備え、
k CPU200は、設定候補値をn回変更し、レバー75をオン操作することで、設定候補値を実際の設定値として主制御基板20の記憶部201に記憶させ、設定キー800をオフ方向にし、遊技可能にし(【0217】)、
l、m CPU200は、設定変更釦86をn回押すことで、設定候補値をn回変更する(【0217】)
遊技機。」
5 当審の判断
(1)取消理由について
ア 対比
本件訂正発明と甲1発明とを対比する。
甲1発明の構成a~jは、それぞれ、本件訂正発明の構成A~Jに相当する。
したがって、本件訂正発明と甲1発明とは、
「【請求項1】
A 遊技者に対する有利度を変更可能な遊技機であって、
B 遊技機の前面に設けられた開閉可能な開閉体と、
C 前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる電源スイッチと、
D 前記開閉体が開放状態であるときに操作可能となる設定キースイッチと、
E 前記開閉体の開閉状態を検出する開閉状態検出手段と、
F 複数種類の設定値のうちからいずれかの設定値を選択することで前記有利度を変更可能な設定変更状態に制御するために、前記電源スイッチがオン状態となる前に前記設定キースイッチをオン状態として前記電源スイッチをオン状態とする設定変更開始操作を検出する設定変更開始操作検出手段と、
G 前記設定値を確認する設定確認状態に制御するために、前記電源スイッチがオン状態であるときに前記設定キースイッチをオン状態とする設定確認開始操作を検出する設定確認開始操作検出手段と、
H 前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記設定変更開始操作検出手段により前記設定変更開始操作が検出されたときには、前記設定変更状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定変更状態に制御しない変更状態制御手段と、
I 前記開閉状態検出手段により前記開閉体が開放状態であることが検出され、かつ前記設定確認開始操作検出手段により前記設定確認開始操作が検出されたときには、前記設定確認状態に制御し、前記開閉体が開放状態でないことが検出されたときには、前記設定確認状態に制御しない確認状態制御手段と、
J 前記設定変更状態において、前記設定値を変更するための変更操作を検出可能な変更操作検出手段とを備える遊技機。」(構成A~Jを備える)の点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1](構成K)
本件訂正発明は、変更状態制御手段は、設定変更状態に制御した後においては、当該設定変更状態における開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、当該開閉状態検出手段により開閉体が開放状態でないことが検出されたときであっても、設定キースイッチをオフ状態とする設定変更終了操作が検出されて設定変更状態を終了させる設定終了条件が成立するまで当該設定変更状態を維持するのに対して、
甲1発明は、CPU200は、設定候補値をn回変更し、レバー75をオン操作することで、設定候補値を実際の設定値として主制御基板20の記憶部201に記憶させ、設定キー800をオフ方向にし、遊技可能にするが、本件訂正発明の上記構成Kを備えるか否か不明である点で一応相違する。
[相違点2](構成L、M)
本件訂正発明は、変更操作検出手段は、設定変更状態においては、当該設定変更状態における開閉状態検出手段の検出結果に関わらず、変更操作検出手段が変更操作されたか否かを検出し、設定変更状態は、変更操作が変更操作検出手段により検出されたときに、開閉状態検出手段の検出結果に関わらず設定値を同じ変更態様で変更する状態であるのに対して、
甲1発明は、CPU200は、設定変更釦86をn回押すことで、設定候補値をn回変更するが、設定変更が、本件訂正発明の上記構成L、Mの「開閉状態検出手段の検出結果に関わらず」なる条件を満たすものであるか否か不明である点で一応相違する。
[相違点3](構成N~P)
本件訂正発明は、確認状態制御手段は、設定確認状態においては、設定キースイッチをオフ状態とする設定確認終了操作が検出されたときに当該設定確認状態を終了させ、設定確認状態においては、設定確認終了操作が検出されなくても開閉状態検出手段により開閉体が開放状態でないことが検出されたときには当該設定確認状態を終了させるのに対して、
甲1発明は、本件訂正発明の上記構成N~Pを備えない点。
イ 判断
事案の性質に鑑み、相違点3から検討する。
甲第1号証には、本件訂正発明の構成N~Pに関して、記載も示唆もされていない。
そして、本件訂正発明は、上記構成N~Pのうち、特に、構成Pを有することにより、「不正者により設定値が確認されるという不正をさせ難くできつつ、特段、遊技場管理者に煩雑さを感じさせない」という有利な効果を奏します。」(特許権者により提出された平成29年7月24日付け意見書の第13頁第1~3行)という効果を奏するものである。
したがって、甲1発明に本件訂正発明の上記相違点3に係る構成は記載されていないので、本件訂正発明は、甲1発明と同一のものであるとすることはできない。
よって、相違点1、2について検討するまでもなく、特許異議申立人が提出した証拠によっては、本件訂正発明についての特許を取り消すことができない。
(2)特許異議申立人が意見書において主張する意見について
特許異議申立人は、平成29年9月19日付け意見書において、同年7月24日付けの訂正請求に対し、訂正請求された訂正事項3は、「訂正の根拠として示されている本件特許明細書の【0086】には、設定確認状態とするためには、設定キースイッチをオン状態とするタイミングが記載されており、そのタイミングは、ゲーム終了後かつ賭数が設定されていないタイミングとする旨記載されているところ、前記以外に電源スイッチがオン状態であれば前記タイミングに係わらず設定キースイッチをオン状態とすることにより設定確認状態になることは記載されていない。」(第2頁第32~36行)ことから、明細書、特許請求の範囲、図面に記載された事項の範囲内の訂正ではなく、特許法第126条第5項の規定に違反するものであり、認められるべきものではない旨、主張する。
そこで、上記主張について検討する。
まず、訂正事項3の「前記電源スイッチがオン状態であるときに設定キースイッチをオン状態とする」なる条件について検討する。
本件特許明細書の【0164】の「…このため、起動処理(メイン)は、電源投入に伴うメイン制御部41の起動時およびメイン制御部41の不具合に伴う再起動時に行なわれる処理である。」との記載から、本件特許明細書には、起動処理(メイン)が電源投入状態で行われることが示されている。
そして、本件特許の【図9】には、「設定キースイッチon?」で「yes」であることに基づいて実行される「設定確認処理」(Se21)は、「BET処理」において行われることが図示され、【図8】には、当該「BET処理」が「ゲーム処理」において行われることが図示され、【図7】には、当該「ゲーム処理」が「設定変更処理」において行われることが図示され、さらに、【図6】には、当該「設定変更処理」が「起動処理(メイン)」において行われることが図示されている。
これらの記載、及び、図示内容からみて、「設定キースイッチon?」で「yes」であることに基づいて実行される「設定確認処理」(Se21)は、結局、電源投入に伴う起動処理(メイン)に関連して実行されるものであるといえる。
したがって、件特許の【図9】の「設定キースイッチon?」の判断は、電源が投入された状態で行われるといえ、「電源スイッチがオン状態であるときに設定キースイッチをオン状態とする」ことは、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
次に、設定キースイッチが操作されるタイミングについて検討する。
本件特許明細書の【0086】に記載された「ゲーム終了後」、「賭数が設定されていない状態」であることは、「設定値を確認する設定確認状態」に制御するための条件の1つであって、同じく、「設定値を確認する設定確認状態」に制御するための条件の1つである「設定キースイッチをオン状態とする」との条件と一体不可分な条件ではないことから、これら複数の条件の中から「設定キースイッチをオン状態とする」条件のみを「設定値を確認する設定確認状態」に制御するための条件として特定することも、また、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
したがって、本件訂正発明に係る訂正事項3は、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
よって、特許異議申立人の意見書における主張を採用することはできない。
(3)特許異議申立理由について
当審による平成29年5月19日付け取消理由通知は、前記第3 2及び3において検討したように、特許異議申立の理由と同じものであることから、特許異議申立理由は、「5 当審の判断(1)取消理由について」において検討済みである。
第4 むすび
以上のことから、上記取消理由、並びに、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、訂正後の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に訂正後の請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-701174