特許異議申立
2016-701009
スロットマシン
- 審判番号
- 2016-701009
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2011-151143外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年10月21日
- 審決日
- 2017年05月31日
- 公報発行日
- 2017年08月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 分類
- P1651.121-YAA(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5911225号発明「スロットマシン」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5911225号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
特許第5911225号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件特許第5911225号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成28年4月8日にその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社より特許異議の申立てがなされたものであり、平成28年12月19日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年2月23日付けで特許権者である株式会社三共より意見書の提出及び訂正請求がなされ、これに対して、特許異議申立人である日本電動式遊技機特許株式会社より、平成29年4月6日付けで意見書が提出されたものである。
第2 訂正請求について
1 訂正の内容
本件訂正請求による本件特許の訂正(以下、「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「前記事前決定手段の決定結果及び前記導出操作手段の操作態様に応じて前記入賞用可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行う入賞用導出制御手段と、」とあるのを、
「前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段と、」に訂正する(下線部は訂正箇所を示す。以下同様。)。
(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に
「遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、」とあるのを、
「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、」に訂正する。
(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1の「有利価値を付与する有利価値付与手段、とを備え、」の後に、
「前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、」を加える。
(4) 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項1に、上記訂正事項3の「前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、」に続けて、
「前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、」を加える。
(5) 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項1に
「前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させるとともに、前記導出操作手段の操作に応じて該演出用可変表示領域に演出用表示結果を導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、」とあるのを、
「前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させるとともに、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、」に訂正する。
(6) 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項1に
「前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用表示結果を導出させることを許容する特定許容手段と、」とあるのを、
「前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、」に訂正する。
(7) 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項1に
「前記特定許容手段が特定演出用表示結果を導出させることを許容しているときに、該特定演出用表示結果を導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段と、」
とあるのを、
「前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段と、」に訂正する。
(8) 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項1の「複数の難易度から選択する難易度選択手段と、」の後に
「前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、」を加える。
(9) 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項1に
「前記演出用導出制御手段は、前記難易度選択手段により選択された難易度に従って前記演出用識別情報の変動表示及び前記演出用表示結果を導出させる制御を行い、」
とあるのを、
「前記演出用導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、
前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、
前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、」に訂正する。
(10) 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項1に
「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときよりも高い割合で選択する」とあるのを、
「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」に訂正する。
(11) 訂正事項11
願書に添付した明細書の段落【0008】に
「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の入賞用識別情報(図柄)を変動表示させることが可能な入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、該入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果及び前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作態様に応じて前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる制御を行う入賞用導出制御手段(メイン制御部41)と、
画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示器51)と、
前記画像表示装置(液晶表示器51)の表示制御を行う画像表示制御手段(サブ制御部91)と、
遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、
前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、
を備え、
前記画像表示制御手段は、
前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域(変動領域)において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動表示させるとともに、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)の操作に応じて該演出用可変表示領域(変動領域)に演出用表示結果を導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、
前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用表示結果を導出させることを許容する特定許容手段と、
前記特定許容手段が特定演出用表示結果を導出させることを許容しているときに、該特定演出用表示結果(「チェリー-ANY-ANY」、「スイカ-スイカ-スイカ」)を導出させる難易度(演出用リール)を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度(演出用リール1、演出用リール2)から選択する難易度選択手段(演出用リール選択抽選)と、
を含み、
前記演出用導出制御手段は、前記難易度選択手段(演出用リール選択抽選)により選択された難易度(演出用リール)に従って前記演出用識別情報(演出用図柄)の変動表示及び前記演出用表示結果を導出させる制御を行い、
前記難易度選択手段(演出用リール選択抽選)は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記第2の難易度(演出用リール2)を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときよりも高い割合で選択することを特徴としている。」とあるのを、
「上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の入賞用識別情報(図柄)を変動表示させることが可能な入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、該入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)の入賞用表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段(メイン制御部41)と、
画像を表示可能な画像表示装置(液晶表示器51)と、
前記画像表示装置(液晶表示器51)の表示制御を行う画像表示制御手段(サブ制御部91)と、
前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、
前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、
を備え、
前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、
前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、
前記画像表示制御手段は、
前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域(変動領域)において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動表示させるとともに、前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、
前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度(演出用リール)を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度(演出用リール1、演出用リール2)から選択する難易度選択手段(演出用リール選択抽選)と、
前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、
を含み、
前記演出用導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、
前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、
前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、
前記難易度選択手段(演出用リール選択抽選)は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度(演出用リール2)を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する
ことを特徴としている。」に訂正する。
(12) 訂正事項12
願書に添付した明細書の段落【0294】に
「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリ一-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」とあるのを、
「また、リール2L、2C、2Rの表示態様として、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」に訂正する。
2 訂正の適否について
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
上記訂正事項1の訂正は、「入賞用導出制御手段」について、訂正前の「前記事前決定手段の決定結果及び前記導出操作手段の操作態様に応じて前記入賞用可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行う」との構成をより具体的に限定して記載したものであり、「前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う」ものであることを明らかにし、減縮するものである。
したがって、上記訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項1は、訂正前の発明特定事項をより具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1の「前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段と、」とする訂正は、
願書に添付した明細書の段落【0109】の「また、本実施例では、滑りコマ数として0~4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。」との記載に基づくものである。すなわち、事前決定手段(内部抽選)の決定結果に応じて、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたときに引込範囲(最大5コマの範囲)内に位置する入賞用識別情報(図柄)を入賞用表示結果として入賞用可変表示装置(リール2L、2C、2R)に導出させる制御を行うことを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項1は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
上記訂正事項2の「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに」なる発明特定事項を付加する訂正は、「有利価値付与決定手段」の構成をより具体的に限定して記載したものであり、どういうときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定するのかを明らかにするために、「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに」を加え、減縮するものである。
したがって、上記訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項2は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項2の「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに」を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0265】の「サブ制御部91は、AT抽選処理を実行することにより、ATに制御するか否かのAT抽選を行う。AT抽選処理では、メイン制御部41からのコマンドに基づき、所定の抽選条件が成立したか否かを判定し、成立したときにAT抽選が実行される。AT抽選では、ナビストック数を付与するか否か、ナビストック数をいくら付与するかが決定される。本実施例では、1枚当選時、すなわち1枚当選を示す内部当選コマンドの受信を契機にAT抽選を実行する。」との記載に基づくものである。すなわち、事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否か(ATに制御するか否か)を決定することを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項2は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項2は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
上記訂正事項3の「前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、」なる発明特定事項を付加する訂正は、「前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段」の構成における「特定結果」についてより具体的に限定して記載したものであり、「特定結果」が「遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果」であることを新たに加え、減縮するものである。
したがって、上記訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求め範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項3は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項3の「前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、」を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0012】の「本発明の手段4に記載のスロットマシンは、請求項1、手段1または2のいずれかに記載のスロットマシンであって、前記特定結果(1枚)は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞(小役)のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞(1枚)の発生を許容する旨が決定される決定結果であることを特徴としている。この特徴によれば、事前決定手段の決定結果が特定結果となり、演出用可変表示領域において特定演出用表示結果を導出させることができなかった場合でも、その際の特定小役入賞の発生に伴い付与される遊技用価値が少なく、演出用可変表示領域にハズレ表示態様が導出されたにも関わらず、遊技用価値の付与が続いてしまうことによる不整合を極力回避できる。」との記載及び段落【0324】の「また、本実施例では、演出用リール1が適用された場合に取りこぼす可能性のある「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が、小役のうち最も払出枚数の低い1枚の当選時に揃えられるように制御されるようになっており、液晶表示器51の変動領域の結果として「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼした場合にリール2L、2C、2Rでは1枚が揃っても、メダルの払出に要する時間を極力短くすることが可能となり、液晶表示器51の変動領域の結果として入賞態様に対応する演出用表示結果が導出していないにも関わらず、長時間にわたりメダルの払出が行われることで、次ゲームへ移行できないことによる不整合を極力回避することができる。」との記載に基づくものである。すなわち、「特定結果」が、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞(1枚)の発生を許容する旨が決定される決定結果であることを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項3は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項3は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
上記訂正事項4の「前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、」なる発明特定事項を付加する訂正は、新たに「入賞用導出制御手段」の構成について加えるものであり、具体的には、事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに、導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行うことを新たに加え、減縮するものである。
したがって、上記訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項4は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項4の「前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する人賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、」を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0168】の「ここで、図3を参照すると、左リール2Lにおいて、スイカ、ベルのいずれかは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において1枚に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L~8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。」との記載に基づくものである。すなわち、入賞用導出制御手段が、事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)となったときに、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたタイミングに関わらず、特定小役入賞(1枚)が発生する入賞用識別情報(図柄)を入賞用表示結果として導出させる制御を行うことを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項4は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項4は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
上記訂正事項5の「前記導出操作手段の操作に応じて該演出用可変表示領域に演出用表示結果を導出させる制御を行う演出用導出制御手段」とあるのを、「前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段」とする訂正は、「演出用導出制御手段」について、訂正前の「前記導出操作手段の操作に応じて該演出用可変表示領域に演出用表示結果を導出させる制御を行う」との構成をより具体的に限定して記載したものであり、「前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う」ものであることを明らかにし、減縮するものである。
したがって、上記訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項5は、訂正前の発明特定事項をより具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項5の「前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させるとともに、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0286】の「また、リール演出では、リール2L、2C、2Rの表示結果として入賞態様が入賞ラインLに導出された際に、各変動領域に、図17に示すように、予め定められた演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに、リール2L、2C、2Rの入賞ラインLに導出された入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるとともに、リール2L、2C、2Rにおいていずれの入賞態様も入賞ラインLに導出されなかった際に、各変動領域には、演出用入賞ラインLs1~Ls5にいずれにも入賞態様に対応する演出入賞態様が導出されないようになっている。すなわち各変動領域に導出される演出用表示結果としてリール2L、2C、2Rに導出された表示態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるようになっている。ただし、必ずしもリール2L、2C、2Rに導出された表示態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるものではなく、本実施例では、リール2L、2C、2Rに入賞態様が導出されていても、後述のように演出用に設定された引込範囲内にその入賞態様に応じて定められた演出用図柄が位置しないタイミングで該当するストップスイッチの操作がなされた場合には、その入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されないこともあり、この場合には、リール2L、2C、2Rに導出された表示態様と、各変動領域に導出される演出用表示結果と、が一致しないこととなる。」との記載に基づくものである。すなわち、演出用導出制御手段が、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報(演出用図柄)を演出用表示結果として演出用可変表示領域(変動領域)に導出させる制御を行うことを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項5は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項5は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
上記訂正事項6の「特定結果」を「前記特定結果」とする訂正は、「特定結果」の語が前出の「特定結果」であることを明確にしたものであり、また、上記訂正事項6の「特定演出用表示結果を導出させる」とあるのを、「特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる」とする訂正は、「特定演出用表示結果」についてより具体的に限定して記載したものであり、減縮するものである。
したがって、上記訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び同項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項6は、訂正前の発明特定事項をより明確にし、より具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項6の「前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0294】の「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」との記載に基づくものである。すなわち、特定許容手段が、事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)であるときに、演出用可変表示領域(変動領域)に特定演出用識別情報(「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)を演出用表示結果として導出させることを許容するものであることを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項6は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項6は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(7)訂正事項7
ア 訂正の目的について
上記訂正事項7の「特定演出用表示結果を導出させる」とあるのを、「特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる」とする訂正は、「特定演出用表示結果」についてより具体的に限定して記載したものであり、減縮するものである。
したがって、上記訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項7は、訂正前の発明特定事項をより具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項7の「前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段と、」とする訂正は、上記訂正事項6と同様に、願書に添付した明細書の段落【0294】の記載に基づくものであり、演出用可変表示領域(変動領域)に特定演出用識別情報(「チェリ一-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)を演出用表示結果として導出させることを許容することを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項7は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項7は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(8)訂正事項8
ア 訂正の目的について
上記訂正事項8の「前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、」なる発明特定事項を付加する訂正は、新たに「難易度示唆手段」の構成について加えるものであり、具体的には、「難易度示唆手段」が「前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する」ものであることを新たに加え、減縮するものである。
したがって、上記訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項8は、新たに発明特定事項を直列的に付加するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項8の「前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、」を付加する訂正は、願書に添付した明細書の段落【0322】の「また、演出用リール1と演出用リール2は、「チェリ一-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を導出させる際の難易度が異なるだけでなく、演出用図柄の配列、演出用図柄の背景色も異なり、変動中の表示態様も異なるので、1枚当選時において「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」が演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに導出されやすくなったことを遊技者に対して認識させることも可能となり、「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」を揃えることができないことによる損失感を効果的に軽減できる。」との記載に基づくものである。すなわち、難易度示唆手段が第1の難易度(演出用リール1)が選択されたか、第2の難易度(演出用リール2)が選択されたか、に応じて演出用可変表示領域(変動領域)に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆するものであることを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項8は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項8は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(9)訂正事項9
ア 訂正の目的について
上記訂正事項9の「前記演出用導出制御手段は、前記難易度選択手段により選択された難易度に従って前記演出用識別情報の変動表示及び前記演出用表示結果を導出させる制御を行い、」とあるのを、
「前記演出用導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、
前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、
前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、」とする訂正は、
「演出用導出制御手段」について、訂正前の「前記難易度選択手段により選択された難易度に従って前記演出用識別情報の変動表示及び前記演出用表示結果を導出させる制御を行い、」との構成をより具体的に限定して記載したものであり、「前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行」うものであることを明らかにし、減縮するものである。
したがって、上記訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項9は、訂正前の発明特定事項をより具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項9の「前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報で変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0294】の「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」との記載、段落【0332】の「また、取りこぼしカウンタの値が5回以下の場合であっても、特別役またはATに当選している可能性のある1枚、ベルの当選時、ハズレ時には、演出用リール選択抽選を行い、図25に示す確率で演出用リール1か演出用リール2のいずれかを選択する。」との記載、段落【0286】の「ただし、必ずしもリール2L、2C、2Rに導出された表示態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されるものではなく、本実施例では、リール2L、2C、2Rに入賞態様が導出されていても、後述のように演出用に設定された引込範囲内にその入賞態様に応じて定められた演出用図柄が位置しないタイミングで該当するストップスイッチの操作がなされた場合には、その入賞態様に対応する演出用図柄の組み合わせが導出されないこともあり、この場合には、リール2L、2C、2Rに導出された表示態様と、各変動領域に導出される演出用表示結果と、が一致しないこととなる。」との記載、段落【0289】の「演出用リール1は、図柄の背景が白色で、かつ左変動領域において、「チェリー」を演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに停止可能な停止位置(「チェリー」が上段、中段または下段に停止する停止位置)が演出用引込範囲(リール2L、2C、2Rの引込範囲と同じ4コマ)を越えて配置された箇所が設けられ、さらに、全ての変動領域において「スイカ」が演出用引込範囲を越えて配置された箇所が設けられた配列となっている。」との記載及び段落【0290】の「演出用リール2は、図柄の背景が黒色で、かつ左変動領域において、「チェリー」を演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに停止可能な停止位置(「チェリー」が上段、中段または下段に停止する停止位置)が演出用引込範囲(リール2L、2C、2Rの引込範囲と同じ4コマ)内となるように配置され、さらに、全ての変動領域において「スイカ」が演出用引込範囲内に配置された配列となっている。すなわち後述する「チェリー-ANY-ANY」及び「スイカ-スイカ-スイカ」を取りこぼすことのない配列となっている。」との記載に基づくものである。
すなわち、「演出用導出制御手段」が、事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報(「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、難易度選択手段により第1の難易度(演出用リール1)が選択された場合には、特定演出用識別情報(「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記難易度選択手段により前記第2の難易度(演出用リール2)が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御(全ての変動領域において「スイカ」が演出用引込範囲内に配置された配列)を行うことを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項9は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項9は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(10)訂正事項10
ア 訂正の目的について
上記訂正事項10の「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときよりも高い割合で選択する」とあるのを、「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」とする訂正は、「難易度選択手段」について、訂正前の「特定結果であるとき」との構成をより具体的に限定して記載したものであり、「特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているとき」であることを明らかにし、減縮するものであり、また、「特定結果」を「前記特定結果」とする訂正は、「特定結果」の語を限定することで前出の「特定結果」であるように減縮したものである。
したがって、上記訂正事項10は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項10は、訂正前の発明特定事項をより明確にし、より具体的に限定して訂正するものであるから、カテゴリーや対象を変更するものではないので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項10の「前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」とする訂正は、願書に添付した明細書の段落【0294】の「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」との記載及び図24に基づくものである。
すなわち、難易度選択手段(演出用リール選択抽選)は、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段(内部抽選)の決定結果が特定結果(1枚当選)であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報(「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせ)を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、第2の難易度(演出用リール2)を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択することを明らかにしたものである。
よって、上記訂正事項10は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項10は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(11)訂正事項11
ア 訂正の目的について
上記訂正事項11は、上記訂正事項1~10に係る訂正により、本件訂正前の請求項1における特許請求の範囲の減縮の訂正を行った結果、記載表現が一致しなくなった願書に添付した明細書の段落【0008】の記載を、訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項11は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項11は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項11は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(12)訂正事項12
ア 訂正の目的について
上記訂正事項12は、願書に添付した明細書の段落【0294】において、訂正前の「リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、」との記載の「ベル」を削除するものであり、文脈から見て不必要である語について削除して記載を明瞭にするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記訂正事項12は、構成要件の削除、請求項の追加、実施例の追加ではなく、また、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項12の、段落【0294】に記載された「ベル」について、前後の記載をみると、「また、リール2L、2C、2Rの表示態様としてベル、1枚の組み合わせが入賞ラインLに揃って1枚が入賞した場合に液晶表示器51の変動領域には、演出用入賞ラインLs1~Ls5のいずれかに1枚の組み合わせに対応する「チェリ一-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせが揃い得る。」とあり、これに対応する図面として図21を参酌しても入賞役が「1枚」である組み合わせが「チェリー-ANY-ANY」または「スイカ-スイカ-スイカ」の組み合わせしかなく、「ベル」の記載が不必要なものであることは明らかである。
よって、上記訂正事項12は、本件特許明細書等に記載した事項または記載した事項から自明な事項の範囲内の訂正であり、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、上記訂正事項12は本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
3 まとめ
したがって、本件訂正の訂正事項1~10は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合し、訂正事項11、12は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するので、本件訂正請求にかかる訂正を認める。
第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
訂正後の本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。(記号は分節のため当審で付した)
「【請求項1】
A 遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の入賞用識別情報を変動表示させることが可能な入賞用可変表示装置の入賞用表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、該入賞用可変表示装置の入賞用表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
B 前記入賞用可変表示装置に表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
C 前記入賞用可変表示装置に表示結果を導出させる際に操作される導出操作手段と、
D 前記事前決定手段の決定結果に応じて、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する入賞用識別情報を入賞用表示結果として前記入賞用可変表示装置に導出させる制御を行う入賞用導出制御手段と、
E 画像を表示可能な画像表示装置と、
F 前記画像表示装置の表示制御を行う画像表示制御手段と、
G 前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、
H 前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、
を備え、
I 前記特定結果は、遊技用価値の付与を伴う複数種類の小役入賞のうち最も付与される遊技用価値の少ない特定小役入賞の発生を許容する旨が決定される決定結果であり、
J 前記入賞用導出制御手段は、前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果となったときに、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定小役入賞が発生する入賞用識別情報を入賞用表示結果として導出させる制御を行い、
K 前記画像表示制御手段は、
前記画像表示装置に画像として表示された演出用可変表示領域において、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させるとともに、前記導出操作手段が操作されたときに引込範囲内に位置する演出用識別情報を演出用表示結果として前記演出用可変表示領域に導出させる制御を行う演出用導出制御手段と、
L 前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であるときに、前記演出用可変表示領域に特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容する特定許容手段と、
M 前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段と、
N 前記第1の難易度が選択されたか、前記第2の難易度が選択されたか、に応じて前記演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段と、
を含み、
O 前記演出用導出制御手段は、
前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、
P 前記難易度選択手段により前記第1の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、前記導出操作手段が前記特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、前記特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、
Q 前記難易度選択手段により前記第2の難易度が選択された場合には、前記特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、前記導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、
R 前記難易度選択手段は、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が前記特定結果であることにより前記特定許容手段が前記特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する
S ことを特徴とするスロットマシン。」
2 特許異議申立の理由の概要
特許異議申立人は、特許異議申立書において、証拠方法として甲第1-2号証を提出し、訂正前の請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基づき当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきものである旨主張している。
(証拠方法)
甲第1号証:特開2007-75247号公報
甲第2号証:特開2005-66214号公報
3 取消理由の概要
訂正前の請求項1に係る特許に対して平成28年12月19日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
訂正前の請求項1に係る発明は、その出願日前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
甲第1号証:特開2007-75247号公報
甲第2号証:特開2005-66214号公報
本件特許発明と、甲第1号証記載の発明(以下、甲1発明という)とを特許異議申立書第33頁第20行~第42頁第12行を参照して対比すると、両者は以下の点で相違するものの、その余の点では一致する。
(相違点)
本件特許発明の難易度選択手段は、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であるときに、特定演出用表示結果を導出させる難易度が第1の難易度よりも低い第2の難易度を、前記有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ前記事前決定手段の決定結果が特定結果であるときよりも高い割合で選択するのに対して、
甲1発明の演出制御基板102のCPU121は、「ビッグボーナス(1)or(2)」及び「ベル」に当選しているときに、小役当選時の表示態様(「ベル-ベル-ベル」)を導出させる難易度に変更がない配列(ビッグボーナス+ベルの配列)を、「ベル」のみに当選しているときよりも高い割合で選択する点。
上記相違点について判断するに、甲1発明及び甲第2号証記載の事項の作用効果は共通しており、甲1発明に甲第2号証記載の事項を適用する動機づけが存在する(特許異議申立書第46頁第3行~第47頁第4行参照)。
そして、甲1発明に甲第2号証記載の事項を適用して、「ベル」の入賞の難易度が変更された仮想リールの配列を表示させて遊技者にとって有利な価値が付与させることが決定されている可能性を示唆することは、当業者であれば容易になしうるものである。
また、本件特許発明により得られる作用効果は、甲1発明に甲第2号証記載の事項を適用して得られる構成から予測し得る範囲のものであり、格別な作用効果を奏するものではない。
(特許異議申立書第47頁第10-16行参照)
したがって、本件特許発明は、甲1発明及び甲第2号証記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件請求項1に係る特許は特許法第29条第2項の規定により違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、その発明に係る特許は取り消すべきものである。
4 平成29年2月23日付け意見書(特許権者)の概要
特許権者は、平成29年2月23日付け意見書において、甲1発明に甲第2号証に記載の事項を適用しても、相違点1-6に係る構成に想到し得るものではなく、当業者が容易に発明できたものではない旨主張している。
5 平成29年4月6日付け特許異議申立人の意見書の概要
特許異議申立人は、平成29年4月6日付け意見書において、証拠方法として甲第3~6号証を提出し、
訂正事項1(本件発明の構成D)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるし、また甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することによっても容易に想到できるものであるとし、
訂正事項2(本件発明の構成G)については、甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することにより、容易に想到することができるものであるとし、
訂正事項3(本件発明の構成I)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるし、また甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することによっても容易に想到できるものであるとし、
訂正事項4(本件発明の構成J)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるとして、
訂正事項5(本件発明の構成K)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるとして、
訂正事項6(本件発明の構成L)については、甲1発明として既に甲第1号証に記載されたものであるし、また甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することによっても容易に想到できるものであるとし、
訂正事項7(本件発明の構成M)については、甲1発明に甲第2号証に記載された事項を適用することにより容易に想到することができたものであるとし、
訂正事項8(本件発明の構成N)については、甲第1号証及び甲第2号証における配列の変更の際に、甲第4号証及び甲第5号証に記載された周知技術を適用し、仮想リールの背景を変更して難易度を示唆することは、当業者であれば容易になしうるものであるとし、
訂正事項9については、本件発明の構成O及びPについては、甲1発明に甲第2号証及び甲第6号証に記載された事項を適用することにより、当業者であれば容易になしえたものであるとし、本件発明の構成O及びQについては、甲1発明として既に甲1号証に記載されたものであるとして、本件発明の構成Rについては、甲1発明に甲第2号証に記載された事項を適用することにより、当業者であれば容易になしえたものであるとして、
本件発明は出願当時において公知若しくは周知の事項に基づいて容易に想到できるものであり、特許法第29条第2項の規定に違反するものであるとしている。
(証拠方法)
甲第3号証:特開2005-296335号公報
甲第4号証:パチスロ必勝ガイド2007年5月号、第18巻第6号、株式会社白夜書房、平成19年5月1日、第16-17頁
甲第5号証:パチスロ必勝ガイド2007年6月号、第18巻第7号、株式会社白夜書房、平成19年6月1日、第46-47頁
甲第6号証:特開2004-167123号公報
6 刊行物の記載
(1)甲第1号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第1号証(特開2007-75247号公報)には以下の記載がある(下線は当審で付した。以下同じ。)。
(1-ア)「【0022】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点にかかるスロットマシンは、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置(可変表示装置2)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、前記可変表示装置とは別個に設けられ、該可変表示装置よりも視認容易に設けられるとともに、各々が識別可能な複数種類の演出用識別情報を変動表示させる演出用可変表示装置(液晶表示器4(仮想リール))と、
前記可変表示装置の表示結果が導出される以前に、遊技状態の移行を伴う特別表示結果(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2))を含む複数種類の入賞表示結果を導出させることを許容するか否かを抽選により決定する事前決定手段(ステップs102~s111)と、
遊技者の操作により、前記可変表示装置における識別情報の変動表示を停止させることを指示する停止操作手段(停止ボタン12L、12C、12R)と、
前記停止操作手段の操作を検出する停止操作検出手段(ストップスイッチ42L、42C、42R)と、
前記停止操作検出手段が前記停止操作手段の操作を検出したときに、該停止操作手段の操作手順と前記事前決定手段の決定結果に応じて前記識別情報の変動表示を停止させて、前記可変表示装置の表示結果を導出させる導出制御手段(ステップS305→S307、S310→S312、S315→S317)と、
前記停止操作検出手段が前記停止操作手段の操作を検出したときに、該操作の検出から予め定められた演出用最大遅延時間(190ミリ秒)の範囲内で前記演出用識別情報の変動表示を停止させて、前記可変表示装置の表示結果に対応した演出用表示結果を前記演出用可変表示装置に導出させる演出用導出制御手段(ステップS611~S613)と、
前記可変表示装置の表示結果として前記特別表示結果が導出されたときに、次のゲームから遊技状態を通常遊技状態とは異なる特別遊技状態(ビッグボーナス)に移行させる特別遊技状態制御手段(ステップS402、S404)とを備え、
・・・
前記事前決定手段により前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されているときに、前記演出用可変表示領域において同時に視認可能な演出用識別情報の数を減少させる視認可能数減少手段をさらに備え、
前記演出用導出制御手段は、前記可変表示装置に前記特別表示結果が導出されるときにおいて、少なくとも前記停止操作手段が操作された時点で視認可能に表示されている演出用識別情報と前記最大変動範囲に含まれる演出用識別情報の中に前記演出用特別識別情報が含まれていないときに、前記最大変動範囲に含まれる演出用識別情報を前記演出用特別識別情報に差し替えて該演出用特別識別情報を視認可能に導出表示させることで前記演出用特別表示結果を導出させる差し替え導出制御手段を備える
ことを特徴とする。」
(1-イ) 「【0079】
図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図である。スロットマシン1の前面扉は、施錠装置19にキーを差し込み、時計回り方向に回動操作することにより開放状態とすることができる。このスロットマシン1の上部前面側には、3つのリール3L、3C、3Rから構成される可変表示装置2が設けられている。リール3L、3C、3Rは、それぞれリールモータ3ML、3MC、3MR(図4参照)の駆動によって回転/停止させられる。
【0080】
リール3L、3C、3Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」、「白7」、「青7」、「JAC」、「ベル」、「チェリー」、「スイカ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リール3L、3C、3Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置2において上中下三段に表示される。可変表示装置2には、図3に示すように、リール3L、3C、3Rのそれぞれについて上段または下段を選択して構成される8本の有効ラインが設定される。この有効ラインの何れかに後述する役の表示態様が導出されたときに、当該役に入賞となる。
・・・
【0082】
可変表示装置2の下側であって スロットマシン1の前面側ほぼ中央位置には、演出手段としての液晶表示器4が設けられている。液晶表示器4は、大きさ的にも可変表示装置2よりも大きく、しかも遊技者(平均的な身長のものを想定)がスロットマシン1の前に座ったときに遊技者の目線の高さになる位置に設けられているので、可変表示装置2によりも視認容易になっている。
【0083】
液晶表示器4は、遊技状態や当選フラグの設定状況等に応じて様々な演出用の画像を表示する。液晶表示器4に表示される画像による演出としては、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rの回転/停止に合わせて演出用の図柄を変動/停止させる3つの仮想リールの表示がある。また、液晶表示器4には、遊技に直接的または間接的に関わる様々な情報を表示することが可能である。
・・・
【0088】
メダル投入口13は、遊技者がここからメダルを投入するものであり、投入指示表示部29が点灯しているときにメダルの投入が投入メダルセンサ44(図4参照)によって検出されると、賭け数が設定され、或いはクレジットがデータとして蓄積される。1枚BETボタン14及びMAXBETボタン15は、データとして蓄積されているクレジットから賭け数(それぞれ1、3)を設定する際に遊技者が操作するボタンであり、遊技者によって操作されたことが1枚BETスイッチ45(図4参照)またはMAXBETスイッチ46(図4参照)によって検出されると、クレジットからの賭け数の設定が行われる
【0089】
メダル投入口13からのメダルの投入、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15の操作により各ゲームで設定できる賭け数は、後述するレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)では1であり、それ以外の遊技状態では3である。レギュラーボーナス中は、MAXBETボタン15が操作されても、賭け数として1が設定される。遊技状態に応じた賭け数が設定されると、スタートレバー11が操作受付可能となり、ゲームを開始させることができる。精算ボタン16は、クレジットの払い出しを指示するためのボタンであり、精算スイッチ47(図4参照)によって操作が検出されると、データとして蓄積されたクレジットに応じたメダルが払い出される。
【0090】
その台状部分の垂直面には、スタートレバー11と、停止ボタン12L、12C、12Rと、メダルが詰まったときなどにおいてスロットマシン1に機械的に振動を与えるメダル詰まり解消ボタン18とが設けられている。スタートレバー11は、ゲームを開始する際に遊技者が操作するもので、その操作がスタートスイッチ41(図4参照)によって検出されると、リール駆動モータ3ML、3MC、3MRが駆動開始され、リール3L、3C、3Rが回転開始する。リール3L、3C、3Rが回転開始した後所定の条件が成立することにより停止ボタン12L、12C、12Rの操作が可能となると、その内部に備えられた操作有効ランプ63L、63C、63R(図4参照)が点灯状態となって、その旨が遊技者に示される。
【0091】
停止ボタン12L、12C、12Rは、それぞれ遊技者が所望のタイミングでリール3L、3C、3Rの回転を停止させるべく操作するボタンであり、その操作がストップスイッチ42L、42C、42R(図4参照)で検出されると、リール3L、3C、3Rの回転が停止される。停止ボタン12L、12C、12Rの操作から対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ミリ秒である。リール3L、3C、3Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190ミリ秒の間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、停止ボタン12L、12C、12Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。」
(1-ウ) 「【0098】
遊技制御基板101は、スロットマシン1における遊技の進行全体の流れを制御するメイン側の制御基板であり、CPU111、RAM112、ROM113及びI/Oポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる制御部110を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。また、乱数発生回路115、サンプリング回路116その他の回路を搭載している。」
(1-エ) 「【0106】
また、遊技制御基板101には、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRが接続されている。CPU111は、RAM112に設定された当選フラグを参照して、リール中継基板103を介してリールモータ3ML、3MC、3MRを制御して、リール3L、3C、3Rを停止させる。遊技制御基板101には、さらに演出中継基板106を介して演出制御基板102が接続されている。」
(1-オ) 「【0116】
図5(a)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、ROM113に予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。このスロットマシン1における役としては、特別役としてレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、JACINが、小役としてベル、チェリーが、再遊技役としてリプレイが定められている。
・・・
【0123】・・・チェリーは、・・・賭け数が3枚のときには1有効ラインにつき1枚、必ず4つの有効ラインでの導出となるので合計4枚のメダルが払い出される。」
(1-カ) 「【0125】
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートレバー11の操作時)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路115から内部抽選用の乱数(0~16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭け数と、設定スイッチ91により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。内部抽選における当選は、排他的なものであり、1ゲームにおいて複数が同時に当選することはない。
・・・
【0128】
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがRAM112に設定される。判定値数は、ROM113に予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。図5(b)は、役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1ワード分では記憶できないので、判定値数毎に2ワード分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。」
(1-キ) 「【0166】
リール3L、3C、3Rのいずれについても7コマ以内で図柄が配置されている役については、当選フラグが設定されていれば、取りこぼすことなく可変表示装置2に導出させることができる。図2の図柄配列に示す通り、ベル、チェリー、リプレイ、JACINは、このような取りこぼしのない役となるが、レギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)は、停止ボタン12L、12C、12Rの操作タイミングによっては取りこぼすことがある。」
(1-ク) 「【0175】
演出制御基板102のCPU121は、このように遊技制御基板101のCPU111から送られてくるコマンドに基づいて各種の演出を行うものとしている。CPU121の制御により実行される演出として、特に液晶表示器4において行われる演出としては、仮想リールの変動/停止により可変表示装置2に導出された図柄に対応した表示態様を導出させる演出がある。
・・・
【0177】
各仮想リール上に配列されている図柄としては、「BAR」、「7」、「JAC」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」の6種類がある。仮想リール上には、上段、中段、下段の横方向に3本の有効ラインと、対角線の2本の有効ラインが設定されている。可変表示装置2の表示結果によりいずれかの入賞が発生したときには、これら5本の有効ライン上のいずれかの有効ライン上に該入賞の種類に応じた図柄が揃えられる。
【0178】
各仮想リールの図柄は、当選状況通知コマンドを受信したとき(実質的にスタートレバー11を操作したときと同じ)に変動を開始させ、リール停止コマンドを受信したとき(実質的に停止ボタン12L、12C、12Rを操作したときと同じ)から190ミリ秒を経過するまでに変動を停止させる。従って、各仮想リールとも、停止ボタン12L、12C、12Rの操作からの図柄の引き込み数は、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rと同じ4コマとなっている。
【0179】
仮想リールにおける図柄の配列は、可変表示装置2を構成するリール3L、3C、3Rにおける図柄の配列と異なり、標準配列と標準配列以外の配列がある。いずれの配列が適用されるかは、遊技状態と当選状況に応じた抽選によって決定されるが、少なくともレギュラーボーナス、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)のいずれかに当選しているときには、標準以外の配列が適用される。
【0180】
図9(a)は、入賞役の種類に応じて液晶表示器4の仮想リールに導出される図柄を示す図である。図示するように、レギュラーボーナスに入賞したときには、いずれかの有効ライン上に「BAR-BAR-BAR」の表示態様が導出される。ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)に入賞したときには、「7-7-7」の表示態様が導出される。JACIN入賞したときとリプレイ入賞したときには、「JAC-JAC-JAC」の表示態様が導出される。ベルに入賞したときには、「ベル-ベル-ベル」または「スイカ-スイカ-スイカ」の表示態様が導出される。チェリーに入賞したときには、「チェリー-ANY-ANY」(ANYはいずれの図柄でもよいことを示す)の表示態様が導出される。
【0181】
図9(b)は、仮想リールの図柄配列の選択テーブルを示す図である。標準配列以外の配列としては、レギュラーボーナス+ベル、レギュラーボーナス+リプレイ、ビッグボーナス+ベル、ビッグボーナス+リプレイの4種類がある。このうちで、例えば、ビッグボーナス+ベルの配列とは、ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグが持ち越されている状態でベル当選フラグも設定された場合には必ず選択される配列のことである。
【0182】
レギュラーボーナス当選フラグのみが設定されているとき、またはレギュラーボーナス当選フラグとチェリー当選フラグとが設定されているときには、レギュラーボーナス+ベルの配列とレギュラーボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択される。レギュラーボーナス当選フラグとベル当選フラグが設定されているときには、レギュラーボーナス+ベルの配列が256/256の確率で選択される。レギュラーボーナス当選フラグとリプレイ当選フラグが設定されているときには、レギュラーボーナス+リプレイの配列が256/256の確率で選択される。
【0183】
ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグのみが設定されているとき、またはビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとチェリー当選フラグとが設定されているときには、ビッグボーナス+ベルの配列とビッグボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択される。ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとベル当選フラグが設定されているときには、ビッグボーナス+ベルの配列が256/256の確率で選択される。ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとリプレイ当選フラグが設定されているときには、ビッグボーナス+リプレイの配列が256/256の確率で選択される。
【0184】
上記以外の当選状況で遊技状態がビッグボーナスまたはレギュラーボーナスであるときには、標準配列が256/256の確率で選択される。上記以外の当選状況で遊技状態が通常またはRTであるときには、標準配列、レギュラーボーナス+ベルの配列、レギュラーボーナス+リプレイの配列、ビッグボーナス+ベルの配列、ビッグボーナス+リプレイの配列が、それぞれ252/256、1/256、1/256、1/256、1/256の確率で選択される。
【0185】
図10は、標準配列を示す図である。標準配列においては、可変表示装置2のリール3L、3C、3Rにそれぞれ対応した仮想リール4L、4C、4Rのいずれにおいても、「ベル」、「JAC」がそれぞれ5コマ以内の間隔で配置されている。また、左の仮想リール4Lについて「チェリー」が5コマ以内の間隔で配置されている。190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲では4コマの引き込みが可能であり、リール停止コマンドの受信時において表示されている図柄と引き込み範囲の4コマとを合わせた5コマの中で必ず「ベル」、「JAC」を上中下段の任意の位置に停止させることができるものとなっている。左の仮想リール4Lについては、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができるものとなっている。」
(1-ケ) 「【0196】
図12は、遊技制御基板101のCPU111が実行する1ゲーム分の処理を示すフローチャートである。この処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行った後、または設定スイッチ91の操作により設定変更を行った直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、RAM112の所定の領域をクリアする処理を含む初期処理が行われる(ステップS1)。
【0197】
次に、1枚BETボタン14またはMAXBETボタン15を操作することにより、或いはメダル投入口13からメダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行う(ステップS2)。ここで、遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、賭け数として1が設定されると(これより大きな賭け数は設定されない)、スタートレバー11が操作有効となる。それ以外の遊技状態にあるときには、賭け数として3が設定された後、スタートレバー11が操作有効となる。また、前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイフラグにより前のゲームと同じ賭け数(この実施の形態では3)が自動設定され(この段階でリプレイフラグが消去される)、そのままスタートレバー11が操作有効となる。
【0198】
BET処理により賭け数が設定され、スタートレバー11が操作されると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行う(ステップS3)。この抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM112に当選フラグが設定される。なお、抽選処理の詳細については後述する。
【0199】
抽選処理が終了すると、次にリール変動開始処理が行われる(ステップS4)。リール変動開始処理では、前回のゲームでのリール3L、3C、3Rの回転開始から1ゲームタイマが計時する時間が所定時間(例えば、4.1秒)が経過していることを条件に、リールモータ3ML、3MC、3MRを駆動させ、左、中、右の全てのリール3L、3C、3Rを回転開始させる。これにより、可変表示装置2において図柄が変動表示される。ここで、前回のゲームでの回転開始から所定時間が経過していない場合、回転開始待ちとなる。また、次回のゲームのための1ゲームタイマの計時を開始する。
【0200】
その後、リール変動停止処理が行われる(ステップS5)。リール変動停止処理では、リールの回転開始から所定の条件(回転速度が一定速度に達した後、リールセンサ3SL、3SC、3SRにより基準位置を検出すること)が成立した後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリールモータ3ML、3MC、3MRを駆動停止させ、リール3L、3C、3Rの回転を停止させる。なお、リール変動停止処理の詳細については後述する。
【0201】
リール3L、3C、3Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示態様において、ステップS2のBET処理で設定した賭け数に応じた有効ライン上に上記したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われる(ステップS6)。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板101において発生した入賞に応じた各種の処理が行われる。なお、入賞判定処理の詳細については後述する。
【0202】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる(ステップS7)。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけクレジットを増加させる。但し、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ82を駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払い出し口71から払い出させる。また、入賞に関わらない各種の処理(ビッグボーナス(1)当選フラグ、ビッグボーナス(2)当選フラグ、レギュラーボーナス当選フラグ以外の当選フラグの消去やビッグボーナス、レギュラーボーナスの終了に関する処理を含む)も行われる。なお、払出処理の詳細については後述する。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。」
(1-コ) 「【0215】
左の停止ボタン12Lが操作されていると判定した場合には、左の停止ボタン12Lを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Lを消灯する(ステップS304)。そして、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止ボタン12Lを操作したタイミングで左のリール3Lについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、左のリール3Lに導出すべき図柄を選択する(ステップS305)。
【0216】
次に、今回停止されるリールが左のリール3Lであること、及びステップS305で選択した左のリール3Lに導出すべき図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS306)。なお、左の停止ボタン12Lの操作の検出からリール停止コマンドの送信までの所要時間は、遊技者の知覚からすると無視できる程度の短い時間であり、実質的に停止ボタン12Lが操作されたタイミングで送信されるものとなる。リール停止コマンドの送信後、ステップS305で選択した図柄で左のリール3Lの回転を停止させる(ステップS307)。そして、ステップS308の処理に進む。
・・・
【0218】
中の停止ボタン12Cが操作されていると判定した場合には、中の停止ボタン12Cを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Cを消灯する(ステップS309)。そして、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止ボタン12Cを操作したタイミングで中のリール3Cについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、中のリール3Cに導出すべき図柄を選択する(ステップS310)。
【0219】
次に、今回停止されるリールが中のリール3Cであること、及びステップS310で選択した中のリール3Cに導出すべき図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS311)。なお、中の停止ボタン12Cの操作の検出からリール停止コマンドの送信までの所要時間も、遊技者の知覚からすると無視できる程度の短い時間であり、実質的に停止ボタン12Cが操作されたタイミングで送信されるものとなる。リール停止コマンドの送信後、ステップS310で選択した図柄で中のリール3Cの回転を停止させる(ステップS312)。そして、ステップS313の処理に進む。
・・・
【0221】
右の停止ボタン12Rが操作されていると判定した場合には、右の停止ボタン12Rを以後操作無効とし、操作有効ランプ63Rを消灯する(ステップS314)。そして、RAM112における各役の当選フラグの設定状況、及び遊技者が停止ボタン12Rを操作したタイミングで右のリール3Rについて可変表示装置2に表示されている図柄の種類に応じて、右のリール3Rに導出すべき図柄を選択する(ステップS315)。
【0222】
次に、今回停止されるリールが右のリール3Rであること、及びステップS315で選択した右のリール3Rに導出すべき図柄を特定可能なリール停止コマンドを生成して、演出制御基板102に送信する(ステップS316)。なお、右の停止ボタン12Rの操作の検出からリール停止コマンドの送信までの所要時間も、遊技者の知覚からすると無視できる程度の短い時間であり、実質的に停止ボタン12Rが操作されたタイミングで送信されるものとなる。リール停止コマンドの送信後、ステップS315で選択した図柄で右のリール3Rの回転を停止させる(ステップS317)。そして、ステップS318の処理に進む。」
(1-サ) 「【0232】
次に、上記したステップS7の払出処理について詳しく説明する。図17は、CPU111がステップS7で実行する払出処理を詳細に示すフローチャートである。まず、RAM112に設定された払い出し予定数が0となるまで、払い出し予定数を1ずつ減算していきながらホッパー80を制御してメダルを1枚ずつ排出させることで、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払い出す。但し、クレジットの数が50に達していなければ、メダルを1枚ずつ排出する代わりにクレジットの数を1ずつ加算していく(ステップS501)。」
(1-シ) 「【0241】
図18は、演出制御基板102のCPU121が実行する処理を示すフローチャートである。演出制御基板102側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定している(ステップS601)。何らかのコマンドを受信するまでは、ステップS601の処理を繰り返して行う。遊技制御基板101からいずれかのコマンドを受信すると、受信したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS602)。
・・・
【0243】
次に、ソフトウェア乱数機能により図柄配列選択用の乱数を抽出し、該抽出した乱数の値と、今回のゲームでの遊技状態及び各役の当選状況に基づいて液晶表示器4の仮想リールの配列を決定する(ステップS605)。その後、液晶表示器4の各仮想リールにおいて図柄の変動を開始させ(ステップS606)、仮想リールにおける図柄の変動が開始してから停止ボタン12L、12C、12Rの操作が有効になるまでの期間において、変動中の各仮想リールの配列をステップS605で決定した配列に差し替える(ステップS607)。この配列の変更は、仮想的に回転している仮想リールについて、液晶表示器4の表示面に現れていないときに行われ(差し替え開始時に表示面に現れている図柄は、差し替えが少し遅れることとなる)、配列の差し替えが遊技者に気付かれにくいようになっている。そして、ステップS601の処理に戻る。
・・・
【0246】
重複して当選していれば、当選している役の図柄が仮想リールの有効ライン上にダブルテンパイするように、今回受信したリール停止コマンドに対応した仮想リールにおける図柄の変動を停止させる。例えば、ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)とベルに重複して当選している場合には、ビッグボーナス+ベルの配列が選択されているが、左と右の仮想リール4L’、4R’については「7」を上段に、中の仮想リール4C’については「7」を上段または中段に停止させる(ステップS611)。そして、ステップS601の処理に戻る。
【0247】
重複して当選していなければ(いずれの役にも当選していない場合も含む)、当選している役の図柄が仮想リールのいずれかの有効ライン上にテンパイするように、今回受信したリール停止コマンドに対応した仮想リールにおける図柄の変動を停止させる。ここで、今回受信したリール停止コマンドが第1リールの停止を示すものであれば、当選している役に対応した図柄を上中下段のいずれかに停止させればよい。いずれの役にも当選していない場合には、何らかの役の図柄を有効ライン上にテンパイさせてもさせなくてもよい(ステップS612)。そして、ステップS601の処理に戻る。」
(1-ス) 「【0257】
・・・仮想リールの図柄の配列の変更によりビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの当選を遊技者に期待させることができるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。」
(1-セ) 【0181】には「図9(b)は、仮想リールの図柄配列の選択テーブルを示す図である。標準配列以外の配列としては、レギュラーボーナス+ベル、レギュラーボーナス+リプレイ、ビッグボーナス+ベル、ビッグボーナス+リプレイの4種類がある」、【0182】には「レギュラーボーナス当選フラグとチェリー当選フラグとが設定されているときには、レギュラーボーナス+ベルの配列とレギュラーボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択される」、【0183】には「ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとベル当選フラグが設定されているときには、ビッグボーナス+ベルの配列が256/256の確率で選択される」と記載されており、図9(b)には、当選状況という項目を行とし、配列という項目を列とするテーブルがあり、当選状況が「R.B(+チェリー)」からなる行において、配列が「R.B+ベル」からなる列に128、「R.B+リプレイ」からなる列に128という数字が記載され、当選状況が「B.B(1)orB.B(2)+ベル」からなる行において、配列が「B.B+ベル」からなる列に256という数字が記載されており、さらにテーブルの右下に(分母256)という記載がある。
そうすると、図9(b)において、当選状況が「R.B(+チェリー)」からなる行において、配列が「R.B+ベル」からなる列に128、「R.B+リプレイ」からなる列に128という数字が記載されていることは、【0182】の「レギュラーボーナス当選フラグとチェリー当選フラグとが設定されているときには、レギュラーボーナス+ベルの配列とレギュラーボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択される」ことを意味しているといえる。また、図9(b)において、当選状況が「B.B(1)orB.B(2)+ベル」からなる行において、配列が「B.B+ベル」からなる列に256という数字が記載されていることは、【0183】の「ビッグボーナス(1)当選フラグまたはビッグボーナス(2)当選フラグとベル当選フラグが設定されているときには、ビッグボーナス+ベルの配列が256/256の確率で選択される」ということを意味しているといえる。
そこで、図9(b)をみると、図9(b)の当選状況がB.B(1)orB.B(2)(+チェリー)からなる行に、配列がB.B+ベルからなる列に128、B.B+リプレイからなる列に128という数字が記載されていることから、「ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)」当選フラグと「チェリー」当選フラグが設定されているときにはビッグボーナス+ベルの配列とビッグボーナス+リプレイの配列が、それぞれ128/256、128/256の確率で選択されることがいえる。
また、図9(b)において、当選状況が「上記以外 非ボーナス時」からなる行において、配列が「B.B+ベル」からなる列に1という数字が記載されており、当選状況が「上記以外 ボーナス時」からなる行において、配列が「B.B+ベル」からなる列に0という数字が記載されており、当選状況が上記以外の例である、「ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)」のいずれの当選フラグも設定されていないが「チェリー」の当選フラグが設定されている場合、非ボーナス時ならばビッグボーナス+ベルの配列を1/256の確率で選択し、ボーナス時ならば0/256の確率で選択(すなわち、選択しない)ことがいえる。
さらに、【0175】において、演出制御基板102のCPU121が液晶表示器4において行われる演出として仮想リールの変動/停止により可変表示装置に導出された図柄に対応した表示態様を導出させる演出があり、仮想リールの選択を実行することは当該演出の1つのステップであることは明らかである。
以上のことから、甲第1号証には演出制御基板102のCPU121は、ビッグボーナス+ベルの配列を、「ビッグボーナス(1)または(2)」当選フラグと「チェリー」当選フラグが同時に設定されている場合は128/256の確率で選択し、「ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)」のいずれの当選フラグも設定されていないが「チェリー」当選フラグが設定されている場合は非ボーナス時ならば1/256の確率で選択し、ボーナス時ならば選択しないことが記載されているといえる。
(1-ソ) 図10の標準配列における左の仮想リール4Lと、図11のビッグボーナス+ベルの配列における左の仮想リール4L’は、図柄「チェリー」が同じ位置(数字「0」、「4」、「8」、「12」、「17」の位置)に配置されていることが認められる。また、【0185】の記載から、標準配列においては、左の仮想リール4Lについて「チェリー」が5個以内の間隔で配置されて、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができることが言えるから、ビッグボーナス+ベルの配列における左の仮想リール4L’においても「チェリー」が標準配置と同じ位置に配置されて、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができることが言える。
上記(1-ア)から(1-ス)の記載及び(1-セ)から(1-ソ)の認定事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。(記号a~sは、本件発明の記号A-Sに対応させて付した。)
「a メダルを投入することにより賭け数を設定し、スタートレバー11を操作することにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行い、抽選処理を行い、次にリール変動開始処理が行われ、リール3L、3C、3Rを回転開始させ、可変表示装置2において図柄が変動表示され(【0197】-【0199】)、
その後、停止ボタン12L、12C、12Rを操作有効とし、それぞれ遊技者によって操作されることにより、当選フラグの設定状況に応じてリール3L、3C、3Rの回転を停止させ(【0200】)、
リール3L、3C、3Rの停止時における表示態様において、有効ライン上に役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行われ(【0201】)、
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われ、入賞した役に対応した数のメダルを遊技者に払出し、1ゲーム分の処理が終了する(【0202】【0232】)、
CPU111を含む遊技制御基板101を備えたスロットマシン1(【0098】【0196】)であって、
b 可変表示装置2に表示結果が導出される以前に、各役への入賞を許容するかどうかを決定する内部抽選(【0125】【0198】)を行う遊技制御基板のCPU111(【0196】)と、
c 遊技者の操作により、可変表示装置2における識別情報の変動表示を停止させることを指示し、可変表示装置2に表示態様を導出させる停止ボタン12L、12C、12R(【0022】)と、
d 内部抽選の抽選結果によりRAM112に設定された当選フラグの設定状況、及び、遊技者が停止ボタン12L、12C、12Rを操作したタイミングで、リール3L、3C、3Rに導出すべき図柄を選択し、選択した図柄でリール3L、3C、3Rの回転を停止させる制御を行う遊技制御基板101のCPU111(【0098】【0106】【0128】【0215】【0216】【0218】【0219】【0221】【0222】)と、
e 可変表示装置2のリールの回転/停止に合わせて演出用の図柄を変動/停止させる仮想リールを表示する液晶表示器4(【0083】)と、
f 液晶表示器4において行われる演出として、仮想リールの変動/停止により可変表示装置2に導出された図柄に対応した表示態様を導出させる制御を行う演出制御基板102のCPU121(【0175】)と、
を備え、
j リール3L、3C、3Rのいずれについても7コマ以内で図柄が配置されている役については、当選フラグが配列設定されていれば、取りこぼすことなく可変表示装置2に導出させることができ、チェリーはこのような取りこぼしのない役となり(【0166】)、
k 演出制御基板102のCPU121は、各仮想リールの図柄(「BAR]、「7」、「JAC」、「ベル」「スイカ」「チェリー」の6種類)を変動を開始させ、リール停止コマンドを受信したとき(実質的に停止ボタン12L、12C、12Rを操作したときと同じ)から190ミリ秒を経過するまでに変動を停止させ、(【0175】【0177】【0178】【図10】)、
l 「チェリー」に当選しているときに、仮想リール4L、4C、4Rに「チェリー-ANY-ANY」の表示態様が導出され(【0180】【図9a】)、
m 演出制御基板102のCPU121は、「チェリー-ANY-ANY」の表示態様を導出させることを許容しているときに、仮想リール4L、4C、4Rの図柄配列を、「標準配列」及び「ビッグボーナス+ベルの配列」から選択し(【0175】【0179】【0181】~【0185】【図9b】【図10】【図11】)、
o 演出制御基板102のCPU121は、遊技状態及び各役の当選状況に基づいて液晶表示器4の仮想リール4L、4C、4Rの配列を決定し、その後、液晶表示器4の各仮想リール4L、4C、4Rにおいて図柄の変動を開始させ、変動中の各仮想リールの配列を決定した配列に差し替え、リール停止コマンドに対応した仮想リールにおける図柄の変動を停止させ(【0241】【0243】【0246】【0247】)、
p 標準配列においては、左の仮想リール4Lについて「チェリー」が5個以内の間隔で配置されて、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができ(【0185】)、
q ビッグボーナス+ベルの配列においても、左の仮想リール4L’においても「チェリー」が標準配列と同じ位置に配置されて、「チェリー」も上中下段の任意の位置に停止させることができ(認定事項1-ソ)、
r 演出制御基板102のCPU121は、ビッグボーナス+ベルの配列を、「ビッグボーナス(1)または(2)」当選フラグと「チェリー」当選フラグが同時に設定されている場合は128/256の確率で選択し、「ビッグボーナス(1)またはビッグボーナス(2)」のいずれの当選フラグも設定されていないが「チェリー」当選フラグが設定されている場合は非ボーナス時ならば1/256の確率で選択し、ボーナス時ならば選択しない(認定事項1-セ)
s スロットマシン1。」
(2)甲第2号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第2号証(特開2005-66214号公報)には、以下の記載がある。なお、各段落中の下線は、異議申立人が付したものである。
(2-ア)「【0062】
<<メイン制御手段60a>>
<役抽選手段61>
役抽選手段61は、予め設けられた役の抽選を行うものである。ここで、役には、特別役、小役、及びリプレイが挙げられる。
特別役とは、通常遊技から特別遊技(通常遊技以上にメダルの獲得が期待できる、遊技者にとって有利となる遊技)に移行させる役である。特別役としては一般に、BB(ビックボーナス)及びRB(レギュラーボーナス)が挙げられる。なお、BB及びRBは、それぞれ、特別遊技の1つであるBB遊技及びRB遊技に移行させる役である。
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役である。小役の種類に応じて、メダルの払出し枚数が異なるように設定されている。
さらに、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技でのメダルの投入枚数(ベット枚数)を維持した再遊技が行えるようにした役である。
【0063】
図9は、本実施形態における役の種類と払出し枚数等、及びリール図柄の組合せと図柄画像の組合せとを併せて示す図であり、これらの関係がテーブルとして予め記憶されている。図9の左列に示すように、本実施形態では、特別役としてBB及びRBが設けられている。また、小役として、スイカ、プラム、ベル及びチェリーの4種類が設けられている。さらに、再遊技を可能にする役であるリプレイも設けられている。図9のリール図柄の欄と図柄画像の欄とに示すように、これらの各役に対応するリール31の図柄の組合せが予め定められている。また、各役に対応する図柄画像の図柄の組合せもまた予め定められている。後述する役抽選手段61の抽選処理によって役が決まったときには、この図9に示したテーブルを参照することにより、リール図柄の組合せと図柄画像の組合せとの双方が定められる。例えば、抽選処理により役が「BB」と決まったときには、リール図柄の組合せは、「千両箱」-「千両箱」-「鯛」と定まり、図柄画像の組合せは、「7」-「7」-「7」と定まる。また、役が「プラム」と決まったときには、リール図柄の組合せは、「扇」-「鯛」-「鶴」又は「扇」-「鯛」-「鯛」と定まり、図柄画像の組合せは、「プラム」-「プラム」-「プラム」と定まる。このように1つの役に対して、リール図柄の組合せと図柄画像の組合せとが異なるように設定されている。さらに、抽選処理により役が決まったときには、「払出」に欄に示すようなメダルの払出枚数や、その後の遊技の種類が定まる。」
(2-イ)「【0072】
<抽選結果情報送信手段62>
抽選結果情報送信手段62は、毎遊技ごとに、役抽選手段61による役の抽選結果(当選役の種類)の情報(当選役に係る図柄を特定するための図柄ID等)をサブ制御手段60bに送信する。以下では、役抽選手段61に役の抽選結果を「当選役情報」と称する。」
(2-ウ)「【0106】
<制御用状態選択手段84a>
制御用状態選択手段84aは、抽選結果情報受信手段81により受信した当選役情報及び押し順IDに基づいて、演出制御用状態を選択する。
ここで、演出制御用状態は、今回行われている遊技がどのような遊技状態にあるのかを判別するために用いられ、毎遊技ごとに抽選結果情報受信手段81により受信した情報に基づいて選択される。
【0107】
本実施形態においては、演出制御用状態は、以下のものがある。
(1)通常遊技
(2)BB中
(3)RB中
(4)BB内部中
(5)RB内部中
(6)AT中
(7)AT内部中
【0108】
<演出概要選択手段84b、詳細演出選択手段84c>
演出概要選択手段84bは、演出概要(演出の大枠)を選択する。一方、詳細演出選択手段84cは、演出の詳細(より具体的な内容)を選択する。
本実施形態では、演出の選択にあたって、最初に演出概要選択手段84bにより、演出制御用状態及び当選役情報に基づいて演出概要が選択される。次に、その大枠に沿った詳細な演出が詳細演出選択手段84cによって選択される。
【0109】
本実施形態においては、演出概要は、以下のものがある。
(1)通常演出
(2)図柄画像の停止パターンの変更
(3)ストップスイッチの操作と矛盾した図柄画像の停止表示
(4)図柄画像を変化するような態様の表示
(5)所定の図柄によって連続した演出画像の表示
(6)図柄の配列を変更して図柄画像を表示
(7)重複入賞するような態様の表示
(8)リール入賞と矛盾した図柄画像の入賞態様の表示
(9)図柄画像表示領域の位置や大きさの変更
尚、これらの演出は、後述するフローチャートの処理に対応している。
(2-エ)「【0188】
<図柄の配列の変換による演出>
この演出は、変動表示又は停止表示される図柄画像の配列を通常用いているものから、他の配列へ変換して変動表示や停止表示する演出である。
【0189】
図33は、上述した図13のステップS134で呼び出されて実行される図柄の配列を変換して図柄画像を表示する演出の処理のサブルーチンである。
【0190】
最初に、図柄を変化させる演出の演出概要から、演出制御用状態と抽選結果情報とに基づき、詳細演出を選択する(ステップS271)。具体的には、詳細演出選択手段84cが、図柄を変化させる演出に対応する抽選テーブル(図示せず)を用いて演出パターンを選択する。この演出パターンは、画像表示装置50における画像の表示や、ランプ21の選択や点灯、点滅等の処理や、スピーカ22から発するための音声データの選択を定めるためのデータである。尚、通常演出において説明したようにこの演出パターンを定めたデータは、上述した抽選テーブルとして記憶手段130に予め記憶されている。
【0191】
次に、画像表示装置50に形成された9個の図柄画像表示領域の各々において図柄画像の変動表示を開始する(ステップS272)。
【0192】
次いで、図柄の配列の選択をする(ステップS273)。例えば、図34に示す例では、左側に示す図柄の配列(図34(a))が、図6に示した図柄の配列と同じもので、通常用いられる配列である。この図柄の配列が9個の図柄画像表示領域の各々に変動表示される。
【0193】
この図柄に配列に加えて、図34(b)や図34(c)に示す図柄の配列を記憶手段130に予め記憶させておく。図34(b)に示した図柄の配列の例は、図柄「7」と「星」と「BAR」との3種類の図柄のみからなる配列である。この図柄の配列を用いたときには、BBやRBに入賞しやすくなったと視認できる図柄画像を表示することにより、入賞への期待感を高くすることができる。また、図34(c)に示した図柄の配列の例は、図柄「7」と「チェリー」と「BAR」と「ギャンブル」と「チケット」の5種類の図柄のみからなる配列であり、特に、「チェリー」の図柄が1つおきに配置されている。このような図柄の配列を用いたときには、はずれがないように、即ち何らかの図柄の組合せが揃いやすいようにする可能性を高くすることができる。
【0194】
上述したステップS273の選択処理では、演出制御用状態と抽選結果情報とに基づいて、図34(b)に示した図柄の配列又は図34(c)に示した図柄の配列を選択する。この処理の後、図柄の配列の変更をし(ステップS274)、変更した図柄の配列の図柄画像を変動表示する(ステップS275)。この処理により、図34(a)に示した図柄の配列から、図34(b)や(c)に示した図柄の配列に変更されて、変更された配列の図柄画像が9個の図柄画像表示領域の各々で変動表示される。」
(2-オ) 【図9】には、役の種類と、払出枚数等、及びリール図柄、図柄画像の図柄の組み合わせが示されている。
【図33】には、図柄画像の配列を変更する演出を処理するサブルーチンを示すフローチャートが示されている。
【図34】には、複数種類の図柄画像の配列の例を示す図が示されている。
(2-カ) 図9には、役の種類と、リールユニット30の図柄の組合せと、画像表示装置50に表示される図柄画像との組合せが示されている。図9の左列に示すように、小役として、スイカ、プラム、ベル及びチェリーの4種類が設けられている。例えば、小役の「チェリー」の場合、「チェリー-ANY-ANY」の図柄の組合せが画像表示装置50に表示され得る。
(2-キ) また、【0188】~【0194】には、詳細演出選択手段84cが、演出制御用状態と抽選結果情報とに基づき、画像表示装置50に表示される図柄の配列を選択することが記載されているといえる。ここで、「演出制御用状態」には、【0107】に記載されている通り、(4)ビッグボーナス(BB)内部中(BBに当選したが、BBが未だ入賞していない遊技状態)、(7)AT内部中が含まれる。また、「抽選結果情報」は、【0072】に記載されている通り、役抽選手段61による役の抽選結果(当選役の種類)の情報であり、図9の左側に示される役の種類(チェリーなどの小役や、リプレイなど)の情報であるといえる。
すなわち、詳細演出選択手段84cは、演出制御用状態(例えば、ビッグボーナス(BB)内部中、AT中、AT内部中などの遊技状態)と抽選結果情報(例えば、当選役がチェリーなどの役の種類の情報)とに基づき、画像表示装置50に表示される図柄の配列を選択する。ここで、【0194】には、図34(a)に示した図柄の配列(通常用いられる配列)から、図34(b)や(c)に示した図柄の配列に変更されて、変更された配列の図柄画像が9個の図柄画像表示領域の各々で変動表示されることが記載されており、ここで、図34(c)の配列は、「チェリー」の図柄が1つおきに配置されている配列である。
上記(2-ア)~(2-オ)の記載事項、及び(2-カ)~(2-キ)の認定事項から、甲第2号証には以下の事項(以下、「甲第2号証記載事項」という。)が記載されているものと認められる。
「詳細演出選択手段84cは、演出制御用状態(例えば、ビッグボーナス(BB)内部中、AT内部中などの遊技状態)と抽選結果情報(例えば、チェリーなどの小役の種類)とに基づき、「チェリー」役に対応する図柄画像の図柄の組合せ「チェリー-ANY-ANY」を画像表示装置50に表示させることを許容しているときに、抽選テーブルを用いて、通常用いられる配列及び「チェリー」の図柄が1つおきに配置されている配列を含む複数の配列から図柄の配列を選択すること」
(3)甲第3号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第3号証(特開2005-296335号公報)には以下の記載がある。
(3-ア)「【0033】
(請求項1)
請求項1の発明によれば、遊技内容の異なる複数種類の遊技タイプを備えるとともに、この複数種類の遊技タイプの中から、遊技者により選択された遊技タイプを実行することができる。これにより、従来の演出のみの切り替え(選択)に加えて、遊技制御自体も切り替える(選択する)ことができるようになる。
さらに、選択された遊技タイプに応じて、画像表示装置に表示されるリール画像の表示図柄を変えることができる。
【0034】
(請求項2、請求項3)
請求項2の発明によれば、選択された遊技タイプに応じて、画像表示装置に表示されるリール画像の図柄配列を変えることができる。
また、請求項3の発明によれば、選択された遊技タイプに応じて、画像表示装置の表示画面上の画面デザインを変えることができる。」
(3-イ)「【0063】
続いて、スロットマシン10の制御について説明する。図4は、本実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。
(遊技制御手段、メイン制御手段、サブ制御手段)
スロットマシン10の遊技制御手段60は、スロットマシン10の遊技の進行や演出等を含むスロットマシン10全体を統括制御する手段であり、役の抽選、リール31の制御、及び入賞時のメダル払出し等の遊技の進行を制御するメイン制御手段60aと、演出の出力を制御するサブ制御手段60bとを備える。」
(3-ウ)「【0074】
(遊技タイプ)
本実施形態によるスロットマシン10は、遊技内容の異なる複数種類(本実施形態では3種類)の遊技タイプを備えている。そして、本実施形態によるスロットマシン10では、この複数種類の遊技タイプの中から、いずれかの遊技タイプを、遊技者の所定の操作により遊技者自身が選択できるようになっている。
・・・
【0104】
(遊技タイプ選択手段)
遊技タイプ選択手段63は、遊技者の所定の操作により、複数種類の遊技タイプの中からいずれかの遊技タイプを選択するものである。」
(3-エ)「【0172】
(演出制御手段)
演出制御手段83は、画像表示装置50による演出を制御するものであり、以下に示す表示図柄パターン記憶手段83a、表示図柄パターン選択手段83b、及びリール画像表示制御手段83cを備える。
【0173】
(表示図柄パターン記憶手段)
表示図柄パターン記憶手段83aは、リール画像に表示される複数種類の表示図柄パターンを記憶したものである。
・・・
【0175】
(表示図柄パターン選択手段)
表示図柄パターン選択手段83bは、遊技タイプ選択手段63により選択された遊技タイプに基づいて、表示図柄パターン記憶手段83aから表示図柄パターンを選択するものである。」
(3-オ)「【0228】
次に、図14のフローチャートに基づいて、サブ制御手段60bにおける演出の処理の流れについて説明する。
・・・
【0233】
ステップS72において、AT中でないと判別されたときには、ステップS77に進み、抽選結果及びセットされている役抽選テーブル62等に応じてATを実行するか否かの抽選を行う。
なお、ATを実行するか否かの抽選は、遊技タイプが遊技タイプBのときであって、役抽選手段61による役の抽選で小役2若しくは小役3に当選したとき、又はいずれの役にも当選しなかったときに、それぞれ小役2当選時の1/3、小役3当選時の1/10、又はいずれの役にも当選したかった時の1/1の確率で当選するように設定される。」
(3-カ) 図4には、スロットマシン10という記載の下に、上部に遊技制御手段60と記載された実線の矩形領域があり、その矩形領域は点線で二分されており、点線の上側の矩形領域の上部にはメイン制御手段60aという記載が、点線の下側の矩形領域の上部にはサブ制御手段60bという記載があるとともに、該下側の矩形領域内に演出制御手段83、表示図柄パターン記憶手段83a、表示図柄パターン選択手段83b、リール画像表示制御手段83cという記載がある実線の矩形領域があることが看取でき、(3-イ)~(3-エ)の記載を踏まえると、スロットマシン10は演出制御手段83、表示図柄パターン記憶手段83a、表示図柄パターン選択手段83b、リール画像表示制御手段83cを備え、遊技内容の異なる複数種類の遊技タイプの中から遊技者により選択された遊技タイプに基づいてリール画像に表示される表示図柄パターンを選択することとがいえる。
(3-キ) 図5(a)-(c)には、複数の小役入賞(小役1、小役2、小役3)のうち払出し枚数等が最も少ない小役3(1枚払出し)が、「チェリー」-「any」-「any」という図柄の組合せの時に記載されていることが看取できる。
上記(3-ア)~(3-キ)を総合すると、甲第3号証には次の技術的事項(以下、「甲第3号証の記載事項」という)が記載されているものと認められる。
「1枚払出しを行う小役3(「チェリー」-「any」-「any」という図柄の組合せの時)に当選したとき、ATを実行するか否かの抽選を行うサブ制御手段60bを備えるスロットマシン10であって、遊技内容の異なる複数種類の遊技タイプの中から遊技者により選択された遊技タイプに基づいてリール画像に表示される表示図柄パターンを選択するスロットマシン10」
(4)甲第4号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第4号証(パチスロ必勝ガイド2007年5月号、第18巻第6号、株式会社白夜書房、平成19年5月1日、第16-17頁)には以下の記載がある。
(4-ア)「変幻自在の液晶リールは小役ナビとチャンス予告、双方の役割を担うものが多く、その種類が何であれ他演出に発展する可能性を秘めている。詳細は上に掲載したカコミに譲るが、ミニキャラが登場、絵柄が変化、キャラがカットイン、リールを破壊して三号生登場など、そのアクション数は膨大。強ベルや強スイカの成立を機に演出が発展すれば、ボーナスの期待はグンと増すことになる。」(第16頁中段第2パラグラフ)
(4-イ)第16頁上段の「破天荒な液晶リールアクション!!」という枠内の左上の3つの図柄の下に、それぞれ「リールが消灯」、「カラーリールで小役をナビ」、「リールが炎に包まれる」という記載があり、3つの図柄から、液晶リールの背景を消灯していること、液晶リールの背景をカラーにして小役をナビゲートしていること、液晶リールの背景に炎を表示することが看取できる。
上記(4-ア)~(4-イ)の記載を総合すると、甲第4号証には、次の技術的事項(以下、「甲第4号証の記載事項」という)が記載されているものと認められる。
「小役ナビとチャンス予告において、液晶リールの背景を変化させること」
(5)甲第5号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第5号証(パチスロ必勝ガイド2007年6月号、第18巻第7号、株式会社白夜書房、平成19年6月1日、第46-47頁)には以下の記載がある。
(5-ア)「本機の液晶演出は小役ナビにチャンス予告と様々な役割を担っているわけだが、いずれのシチュエーションでも歴代のロデオキャラが登場したなら実戦上、その時点でボーナスが確定。スノーキングのナップルやギンギン丸の銀ちゃんから、野獣Rの絵柄配列までその種類は豊富であるため、まずはこれを覚えておきたい。」(第46頁右最下段第7-15行)
(5-イ)第47頁上段の「液晶リールおよび液晶上部で発生する演出の灼熱パターン」という記載の下の枠内の左下の「リールがレインボーカラーに」という記載、及び当該のある箇所のリール図柄から、液晶リールの背景をレインボーに演出することが看取できる。
上記(5-ア)~(5-イ)の記載を総合すると、甲第5号証には次の技術的事項(以下、「甲第5号証記載の事項」という)が記載されているものと認められる。
「小役ナビとチャンス予告において、液晶リールの背景を変化させること」
(6)甲第6号証
本件特許の出願前に頒布された刊行物である甲第6号証(特開2004-167123号公報)には以下の記載がある。
(6-ア) 「【0156】
本実施例のスロットマシン1では、前述した演出用リール301L、301C、301Rによるサブゲームが実行可能とされている。尚、以下の説明においては、リール51L、リール51C、リール51Rをメインリール、演出用リール301L、301C、301Rをサブリールと略して説明する。・・・
【0160】
この際、各サブリールに導出表示させることが可能な図柄の組合せは、サブゲームの開始時に実行される後述の停止図柄決定処理により決定されており、この停止図柄決定処理により所定の図柄の組合せを導出表示させることが許容された場合のみ、許容された図柄の組合せを各サブリールに導出表示させることが可能に制御される。更に、本実施例では、停止図柄決定処理により所定の図柄の組合せを導出表示させることが許容された場合であっても、予め定められた引込範囲(本実施例では6図柄)内で該当するサブリールの停止操作がなされなければ、許容された図柄の組合せが揃わないように制御される。すなわちサブリールもメインリールと同様に遊技者による所定の図柄を狙ったタイミングでの停止操作、いわゆる目押しを行ったか否かにより表示結果が異なるものとなりうる。」
(6-イ) 「【0215】
・・・例えば、演出用可変表示装置として液晶表示器等の表示装置を適用し、所定の図柄を一定の周期で連続的に」
上記(6-ア)~(6-イ)の記載を総合すると、甲第6号証には次の技術的事項(以下、「甲第6号証記載の事項」という)が記載されているものと認められる。
「演出用可変表示装置として適用された液晶表示器に表示される演出用リールであるサブリールは、所定の図柄の組合せを導出表示させることが許容された場合であっても予め定められた引込範囲内で停止操作がなされなければ、許容された図柄の組合せが揃わないように制御されること」
7 対比
本件発明と甲1発明とを対比すると、本件発明と甲1発明は少なくとも以下の点で相違する(G、H、M、N、O、P、Q、Rの記号は、分節のため上記1 本件発明の記載に合わせて当審で付した)。
(相違点1)
本件発明は、
「G 事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段と、
H 前記有利価値付与決定手段の決定に応じて有利価値を付与する有利価値付与手段と、を備え、
M 特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、該特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する難易度選択手段とを含み、
R 前記難易度選択手段は、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、前記第2の難易度を、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」構成を備えるのに対して、甲1発明はそのような発明特定事項を有さない点。
(相違点2)
本件発明は、
「N 第1の難易度が選択されたか、第2の難易度が選択されたか、に応じて演出用可変表示領域に異なる背景を表示させることにより難易度を示唆する難易度示唆手段を含」む構成を備えるのに対して、甲1発明はそのような発明特定事項を有さない点。
(相違点3)
本件発明は、
「O 演出用導出制御手段は、事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、
P 難易度選択手段により第1の難易度が選択された場合には、特定演出用識別情報が引込範囲を超えて配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、導出操作手段が特定演出用識別情報の引込範囲内で操作された場合に、特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、導出操作手段が特定演出用識別情報の引込範囲外で操作された場合に、特定演出用識別情報以外の演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行い、
Q 難易度選択手段により第2の難易度が選択された場合には、特定演出用識別情報がいずれも引込範囲内に配置された複数種類の演出用識別情報を変動させることにより、導出操作手段が操作されたタイミングに関わらず、特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる制御を行」うのに対して、甲1発明はそのような発明特定事項を有さない点。
8 判断
そこで、まず相違点1について検討する。
(1) 特許異議申立人の意見について
特許異議申立人は平成29年4月7日付け意見書第6頁第8行~第7頁第9行、第10頁第1行~第12頁第10行、第15頁第20行~第17頁第7行において、相違点1に関連する本件発明の構成G、M、Rについて、以下の主張をしている。
(1-1) 本件発明の構成Gについて
本件発明の構成Gでは、事前決定手段で特定結果となったときに、有利価値を付与するか否かを決定することが規定されている。ここで、訂正請求書の第12頁を参酌すると、「特定結果」は実施形態における「1枚当選」に相当し、「有利価値」は実施形態における「AT」に相当する。
これに対して、甲第3号証の【0233】には、役抽選結果が「小役3」であるときにAT抽選が行われ、所定の確率(小役3当選時の1/10)でATに当選することが記載されている。ここで、甲第3号証の「小役3」は、後述する通り、メダル(遊技用価値)の付与を伴う複数の小役入賞のうち最もメダルの払出しが小さい小役である(1枚払出し)。
従って、甲第3号証には、複数の小役入賞のうち最もメダルの払出しが小さい小役に当選したときにATに制御するか否かの抽選が行われることが記載されており、すなわち、「事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに遊技者にとって有利な有利価値を付与するか否かを決定する」ことが記載されていると言える。
甲第3号証の【0033】には「従来の演出のみの切り替え(選択)に加えて、遊技制御自体も切り替える(選択する)ことができるようになる。さらに、選択された遊技タイプに応じて 画像表示装置に表示されるリール画像の表示図柄を変えることができる。」と記載され、【0034】には「請求項2の発明によれば、、選択された遊技タイプに応じて、画像表示装置に表示されるリール画像の図柄配置を変えることができる。」と記載されている。
甲第3号証の構成は、遊技タイプを遊技者自身の操作により選択するものであるが、遊技タイプに応じて画像表示装置に表示されるリール画像の図柄配列が変更されるという点で甲1発明と共通しており、甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用する動機づけが存在する。
よって、本件発明の構成Gは、甲第3号証に記載された事項を甲1発明に適用することにより容易に想到できるものである。
(1-2) 本件発明の構成Mについて
本件発明の構成Mでは、要するに、構成Lの「特定演出用識別情報」を導出させることを許容しているときに、特定演出用識別情報を導出させる難易度を複数の難易度から選択することが規定されている。
甲第1号証には、「チェリー-ANY-ANY」を導出させることを許容しているときに、仮想リール4L、4C、4Rの図柄配列を、「標準配列」及び「ビッグボーナス+ベルの配列」を含む複数の配列から選択することが記載されている。
一方、甲第1号証の【図10】及び【図11】を参照すると、「ビッグボーナス+ベルの配列」における左リール4Lの「チェリー」の図柄の数は、「標準配列」に比べて変わっておらず、「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを導出する難易度は変わっていない。
すなわち、甲1発明は、「標準配列」及び「ビッグボーナス+ベルの配列」の間で「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを導出する難易度に変更がない点で本件発明の構成Mと相違する。
しかし、当該相違点は、異議申立書で既に説明している通り、甲第2号証に記載された事項を適用することにより容易に想到することができる。
甲第2号証には、小役当選時の図柄の組合せ「チェリー-ANY-ANY」を導出させることを許容しているときに、演出制御用状態(例えば、ビッグボーナスなどの特別役)と抽選結果情報(例えば、チェリーなどの小役)とに基づき、「チェリー-ANY-ANY」を導出させる難易度が異なる複数の配列から、演出用の配列を選択する技術的思想が記載されている。
また、異議申立書で既に説明している通り、甲第2号証に記載された事項を甲1発明に適用する動機づけも存在する。
よって、甲1発明に甲第2号証に記載された事項を適用して、「チェリー-ANY-ANY」を導出させることを許容しているときに、「チェリー-ANY-ANY」を導出させる難易度が異なる複数の配列から、演出用の配列を選択することは、当業者であれば容易になしうるものである。
(1-3) 本件発明の構成Rについて
本件発明の構成Rでは、今回の訂正において、「特定結果」が構成Iの「特定結果」である点、及び、前記特定結果であるときに構成Lの「特定演出用識別情報」の導出が許容される点が追加されている。
甲第1号証の【図9(b)】を示す。「B.B(1)orB.B(2)(+チェリー)」の場合、「ビッグボーナス+ベルの配列」が128/256の確率で選択される。一方、「上記以外非ボーナス時」の場合、「ビッグボーナス+ベルの配列」が1/256の確率で選択される。
従って、甲1発明は、「ビッグボーナス+ベルの配列」を、「ビッグボーナス(1)or(2)」に当選しており、かつ、小役「チェリー」に当選して「チェリー一ANY-ANY」の導出が許容されているときに、小役「チェリー」のみに当選して「チェリー-ANY-ANY」の導出が許容されているときよりも高い割合で選択する。
甲1発明は、「標準配列」及び「ビッグボーナス+ベルの配列」の間で「チェリー-ANY-ANY」の組み合わせを導出する難易度に変更がない点で本件発明の構成Rと相違する。しかし、当該相違点は、「本件発明の構成Mについて」で既に説明した通り、甲第2号証に記載された事項を適用することにより容易に想到することができる。
よって、甲1発明に甲第2号証に記載された事項を適用することにより、「ビッグボーナス(1)or(2)」に当選しており、かつ、小役「チェリー」に当選して「チェリー一ANY-ANY」の導出が許容されているときに、第1の難易度よりも低い第2の難易度を、小役「チェリー」のみに当選して「チェリー-ANY-ANY」の導出が許容されているときよりも高い割合で選択することは、当業者であれば容易になしうるものである。
(2) 当審の判断
そこで、甲第2号証について検討すると、甲第2号証記載事項の「詳細演出選択手段84cは、演出制御用状態(例えば、ビッグボーナス(BB)内部中、AT内部中などの遊技状態)と抽選結果情報(例えば、チェリーなどの小役の種類)とに基づき、「チェリー」役に対応する図柄画像の図柄の組合せ「チェリー-ANY-ANY」を画像表示装置50に表示させることを許容しているときに、抽選テーブルを用いて、通常用いられる配列及び「チェリー」の図柄が1つおきに配置されている配列を含む複数の配列から図柄の配列を選択すること」からは、「ビッグボーナス内部中やAT内部中等の遊技状態時に、チェリーが当選しチェリー役に対応する図柄画像の図柄の組合せを画像表示装置に表示させることを許容しているときに、通常用いられる配列及びチェリーの図柄を停止し易い配列を含む複数の配列から図柄の配列を選択する」ことがいえるにすぎず、上記相違点1について開示するものではない。
また、甲第3号証の記載事項の「1枚払出しを行う小役3(「チェリー」-「any」-「any」という図柄の組合せの時)に当選したとき、ATを実行するか否かの抽選を行うスロットマシン10であって、遊技内容の異なる複数種類の遊技タイプの中から遊技者により選択された遊技タイプに基づいてリール画像に表示される表示図柄パターンを選択するスロットマシン10」からは、「1枚払出しを行うチェリーに当選したとき、ATを実行するか否かの抽選を行うスロットマシン」について読み取れることから、上記相違点1のうち「有利価値付与決定手段」についての記載を有するものの、上記相違点1のうち「特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する」難易度選択手段であって、「事前決定手段の決定結果が、有利価値が付与され得る特定結果となったときに遊技者にとって有利な価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、第2の難易度を、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」難易度選択手段についての記載や示唆を有するものではなく、上記相違点1について開示するものではない。
そして、甲1発明に甲第2、3号証の記載事項を適用したとしても、
「ビッグボーナスとチェリーに同時当選している時に、通常配列とチェリーの図柄を停止し易い配列を含む複数の配列から図柄の配列を選択することができ、チェリーの図柄を停止し易い配列を標準配列よりも高い確率で選択する手段」と「チェリーの当選時にAT抽選を行う手段」の両方を含む構成を想到することができるにすぎず、上記相違点1に関する構成、とりわけ、「特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させる難易度を第1の難易度及び該第1の難易度よりも難易度が低い第2の難易度を含む複数の難易度から選択する」難易度選択手段であって、「事前決定手段の決定結果が、有利価値が付与され得る特定結果となったときに遊技者にとって有利な価値を付与するか否かを決定する有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されており、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときに、第2の難易度を、有利価値付与決定手段により有利価値の付与が決定されておらず、かつ事前決定手段の決定結果が特定結果であることにより特定許容手段が特定演出用識別情報を演出用表示結果として導出させることを許容しているときよりも高い割合で選択する」難易度選択手段、を想到することはできない。
以上のとおり、甲1発明及び甲第2-3号証記載の事項から前記相違点1に係る本件発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得たこととはいえない。
次に、甲第4、5号証の記載事項の「小役ナビとチャンス予告において、液晶リールの背景を変化させること」は、上記「有利価値決定手段」「有利価値付与手段」「難易度選択手段」についての記載や示唆を有するものではなく、上記相違点1に関連するものではなく、上記相違点1について開示するものではない。
さらに、甲第6号証の記載事項の「演出用可変表示装置として適用された液晶表示器に表示される演出用リールであるサブリールは、所定の図柄の組合せを導出表示させることが許容された場合であっても予め定められた引込範囲内で停止操作がなされなければ、許容された図柄の組合せが揃わないように制御されること」も、上記「有利価値決定手段」「有利価値付与手段」「難易度選択手段」についての記載や示唆を有するものではなく、上記相違点1に関連するものではなく、上記相違点1について開示するものではない。
したがって、甲1発明及び甲第2-6号証の記載事項に基づいて、上記相違点1に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものであるとはいえない。
よって、上記相違点2-3について検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明及び甲第2-6号証の記載に基づいて当業者が容易になし得たものであるとはいえない。
(3) まとめ
以上のとおり、本件発明は、特許異議申立人が提出した甲第1-6号証に記載される、甲1発明及び甲第2-6号証の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載された特許異議申立理由(取消理由通知に記載した取消理由)及び特許異議申立人提出した証拠である甲第1-6号証によっては、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-701009