特許異議申立
2016-700210
表示装置
- 審判番号
- 2016-700210
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2012-223129外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年03月10日
- 審決日
- 2017年01月26日
- 公報発行日
- 2017年04月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社デンソー
- 【権利者代理人】中村 広希
- 【権利者代理人】碓氷 裕彦
- 【権利者代理人】大庭 弘貴
- 【権利者代理人】名古屋国際特許業務法人
- 【異議申立人】特許業務法人 にじいろ特許事務所
- 分類
- P1651.121-YAA(G08G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第7項、特許法第126条第5項、特許法第120条の5第2項第1号、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5783155号発明「表示装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5783155号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~8〕について訂正することを認める。
特許第5783155号の請求項2、5ないし8に係る特許を維持する。
特許第5783155号の請求項1、3、4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本件特許第5783155号に係る出願は、平成24年10月5日の出願であって、平成27年7月31日に特許の設定登録がなされた。
これに対して、特許異議申立人より平成28年3月10日に、本件請求項1ないし8に係る発明の特許について特許異議の申立がなされ、平成28年5月19日付で取消理由が通知され(発送日:平成28年5月25日)、これに対し特許権者より平成28年7月21日付で意見書及び訂正請求書が提出され、平成28年8月29日付で訂正拒絶理由が通知され(発送日:平成28年9月1日)、これに対し特許権者より平成28年9月29日付で意見書及び手続補正書が提出され、平成28年10月12日付で訂正請求があった旨が通知され(発送日:平成28年10月18日)、これに対し特許異議申立人より平成28年11月14日付で意見書が提出されれたものである。
2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
平成28年9月29日付の手続補正により、平成28年7月21日付の訂正請求による訂正事項1~15のうち訂正事項9~15が削除された。訂正事項を削除する補正は訂正請求書の要旨を変更するものには該当しないので、当該補正は認められる。
平成28年7月21日付の訂正請求による訂正のうち訂正事項1~8による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。
(ア)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
(イ)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記画像は水平方向に延びる線分(25)であり、前記画像制御手段は、前記線分を移動させるとき、前記線分の長さを縮小させることを特徴とする請求頃1記載の表示装置。」とあるものについて、独立形式に改め、「画像を表示する光を、ウインドシールド(105)又はコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物又は前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、を備え、前記画像は水平方向に延びる線分(25)であり、前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、前記線分を移動させるとき、前記線分の長さを縮小させることを特徴とする表示装置(1)。」に訂正する。
(ウ)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
(工)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
(オ)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5に「前記車両前方の道路を認識する道路認識手段(5)を備え、前記画像制御手段は、ドライバの目から見て、前記画像を前記道路に沿って移動させることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の表示装置。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「画像を表示する光を、ウインドシールド(105)又はコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物または前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、前記車両前方の道路を認識する道路認識手段(5)と、を備え、前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、ドライバの目から見て、前記画像を前記道路に沿って移動させることを特徴とする表示装置(1)。」に訂正する。
(カ)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6に「前記画像制御手段は、前記画像が前記障害物又は前記交差点に対応する位置に来たとき、前記画像の輝度を高めることを特徴とする請求頃1~5のいずれか1項に記載の表示装置。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「画像を表示する光を、ウインドシールド(105)又はコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物又は前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、を備え、前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、前記画像が前記障害物又は前記交差点に対応する位置に来たとき、前記画像の輝度を高めることを特徴とする表示装置(1)。」に訂正する。
(キ)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7に「車両前方の路面の色を検出する路面色検出手段(5)を備え、前記画像制御手段は、前記路面の色に応じて前記画像の色を変化させることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の表示装置。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「画像を表示する光を、ウインドシールド(105)又はコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物又は前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、車両前方の路面の色を検出する路面色検出手段(5)と、を備え、前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、前記路面の色に応じて前記画像の色を変化させることを特徴とする表示装置(1)。」に訂正する。
(ク)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8に「前記画像制御手段は、前記画像の大きさを、所定の下限値以上の範囲内で、前記障害物又は前記交差点に近づくほど小さくすることを特徴とする請求頃1~7のいずれか1項に記載の表示装置。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「画像を表示する光を、ウインドシールド(105)又はコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物又は前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、を備え、前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、前記画像の大きさを、所定の下限値以上の範囲内で、前記障害物又は前記交差点に近づくほど小さくすることを特徴とする表示装置(1)。」に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.一群の請求項について
訂正前の請求項1~8において、訂正前の請求項2、5~8は、訂正前の請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって訂正前の請求項1が削除されることに伴い訂正されるものであるから、これらの訂正は一群の請求項ごとに請求されたものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第4項に適合するものである。
イ.訂正の適否
(ア)訂正事項1
a 訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、当該訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 上記aの理由から明らかなように、訂正事項1は、請求項1を削除するというものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1~8について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(イ)訂正事項2
a 訂正事項2は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項1を引用するものについて、独立形式請求項へ改める訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とした訂正である。
b 訂正事項2は何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるので、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 本件は、訂正前の全ての請求項1~8について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項2に係る訂正事項2に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(ウ)訂正事項3
a 訂正事項3は、請求項3を削除するというものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項3は、請求項3を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 上記aの理由から明らかなように、訂正事項3は、請求項3を削除するというものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1~8について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項3に係る訂正事項3に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(エ)訂正事項4
a 訂正事項4は、請求項4を削除するというものであるから、当該訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 上記aに記載したとおり、訂正事項4は、請求項4を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
c 上記aの理由から明らかなように、訂正事項4は、請求項4を削除するというものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
d 本件は、訂正前の全ての請求項1~8について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項4に係る訂正事項4に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(オ)訂正事項5
a 訂正事項5は、訂正前の請求項5が請求項1~4のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項2~4を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて、独立形式請求項へ改める訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とした訂正である。
b 訂正事項5は何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるので、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 本件は、訂正前の全ての請求項1~8について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項5に係る訂正事項5に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(ヵ)訂正事項6
a 訂正事項6は、訂正前の請求項6が請求項1~5のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項2~5を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて、独立形式請求項へ改める訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とした訂正である。
b 訂正事項6は何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるので、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 本件は、訂正前の全ての請求項1~8について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項6に係る訂正事項6に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(キ)訂正事項7
a 訂正事項7は、訂正前の請求項7が請求項1~6のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項2~6を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて、独立形式請求項へ改める訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とした訂正である。
b 訂正事項7は何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるので、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 本件は、訂正前の全ての請求項1~8について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項7に係る訂正事項7に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(ク)訂正事項8
a 訂正事項8は、訂正前の請求項8が請求項1~7のいずれか1項の記載を引用する記載であるところ、請求項2~7を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて、独立形式請求項へ改める訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とした訂正である。
b 訂正事項8は何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるので、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 本件は、訂正前の全ての請求項1~8について特許異議申立がされているので、訂正前の請求項8に係る訂正事項8に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(3)むすび
したがって、本件訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第4項~第6項の規定に適合するので、本件訂正を認める。
3.特許異議の申立について
(1)本件発明
本件訂正により訂正された請求項2、5ないし8に係る発明(以下、請求項順に「本件発明2」、「本件発明5」等という。)は、特許請求の範囲の請求項2、5ないし8に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】(削除)
【請求項2】
画像を表示する光を、ウインドシールド(105)又はコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、
障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、
前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物又は前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、
車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、
を備え、
前記画像は水平方向に延びる線分(25)であり、
前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、前記線分を移動させるとき、前記線分の長さを縮小させることを特徴とする表示装置(1)。
【請求頃3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
画像を表示する光を、ウインドシールド(105)又はコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、
障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、
前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物又は前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、
車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、
前記車両前方の道路を認識する道路認識手段(5)と、
を備え、
前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、ドライバの目から見て、前記画像を前記道路に沿って移動させることを特徴とする表示装置(1)。
【請求項6】
画像を表示する光を、ウインドシールド(105)又はコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、
障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、
前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物又は前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、
車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、
を備え、
前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、前記画像が前記障害物又は前記交差点に対応する位置に来たとき、前記画像の輝度を高めることを特徴とする表示装置(1)。
【請求項7】
画像を表示する光を、ウインドシールド(105)ヌはコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、
障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、
前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物又は前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、
車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、
車両前方の路面の色を検出する路面色検出手段(5)と、
を備え、
前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、前記路面の色に応じて前記画像の色を変化させることを特徴とする表示装置(1)。
【請求項8】
画像を表示する光を、ウインドシールド(105)又はコンバイナにて反射させ、ドライバ(107)の目に
出力し、車両(101)前方に前記画像を虚像(111)として表示する虚像表示手段(19)と、
障害物(113、115)又は交差点を検知する検知手段(3、5、11、13)と、
前記虚像表示手段の表示可能エリア(23)のうち、前記障害物又は前記交差点よりも下側に前記画像を表示してから、前記画像の少なくとも幅を縮小させながら、前記画像を前記障害物又は前記交差点に対応する位置まで移動させる画像制御手段(17)と、
車両の速度を検出する車両速度検出手段(9)と、
を備え、
前記画像制御手段は、前記車両の速度が高いほど、前記画像の移動速度を高くし、前記画像の大きさを、所定の下限値以上の範囲内で、前記障害物又は前記交差点に近づくほど小さくすることを特徴とする表示装置(1)。」
(2)取消理由
訂正前の請求項1、3、4に係る特許に対して平成28年5月19日付で通知した取消理由の概要は以下のとおりである。
「請求項1、3、4に係る発明は、特開2011-253097号公報(以下、「甲第1号証」という。)に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、又、請求項1、3、4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」
(3)甲第1号証
甲第1号証には、図面と共に、以下の事項が記載されている。
a「乗り物に搭載される表示装置であって、観視者に知覚させる指標のCG画像を、前記観視者の視点位置からみた風景に対応させた座標系を持つCG空間内において生成する生成部と、前記CG画像を前記観視者の眼に提示する提示部と、を備え、前記生成部は、前記CG空間内において前記指標を進め、かつ、所定座標から前記乗り物の速度に応じて後退させる前記CG画像の群を生成することにより、前記指標が、前記風景上において、前記乗り物側から遠方へと進み、さらに所定位置で一定時間静止するように前記観視者に知覚させることを特徴とする表示装置。」(【請求項1】)
b「表示装置1は、ここでは車両20のナビゲーションシステムとともに用いられる車載用のヘッドアップディスプレイであり、指標10のCG画像を含んだ光束5を、観視者(ドライバー)100の眼101に提示する(片眼でも両眼でもよい)。指標10とは、車両20の進行方向や、観視者100に指示したい位置を矢印等で表したものである。これにより、観視者100は、指標10のCG画像をフロントガラス21より前方の風景に重畳された像として知覚する。
表示装置1は、車両20が、最終的に到達すべき目的地(最終目的地)までの経路上にある一時的な目的地(一時目的地)に接近した時点で、指標10のCG画像の表示を開始する。一時目的地とは、最終目的地までの経路上で、観視者100に案内や注意を促す場面、例えば、右折や左折する必要がある交差点をいう。」(【0012】-【0013】)
c「所定位置決定部112は、経路決定部111が決定した経路中において、一又は複数の一時目的地を決定して、記憶部12に記憶させる。
位置判定部113は、車両情報を用いて、車両20がいずれか一の一時目的地に接近したか否かを判定する。車両情報は、車両20の現在位置及び速度の情報を含む。車両情報は、車両20の現在位置を測定する図示しない位置測定手段(例えば、GPS)や、車両20の速度を測定する速度測定手段25(例えば、スピードメータ等)から獲得される。」(【0018】-【0019】)
d「まず、位置判定部113は、位置測定手段を用いて、車両20の現在位置Pc=(Xc,Yc)を割り出す。次に位置判定部113は、車両20の現在位置Pcから一時目的地Ppまでの距離Dを求める。距離Dが、所定値以内となったか否かを判定する。」(【0033】)
e「該判定がYESとなった場合、CG画像生成部114は、開始位置P0から一時目的地Ppまで進み、一時目的地Ppで一定時間静止して観視者100に知覚されるような指標10のCG画像を生成する。(S204)。開始位置P0とは、指標10が初めに示す経路上の位置をいう。」(【0035】)
f「これにより、CG画像生成部114は、指標10がフロントガラス21前方の風景上に重畳しているように、観視者100に知覚させることができる。」(【0042】)
g「Vckは、k番目の指標10のCG画像の提示時における車両20の速度(ベクトル)を表す。CG画像生成部114は、速度測定手段25からVckを獲得すればよい。vkは、k番目の指標10の速度(ベクトル)を表す。このvkを用いて(k+1)番目の指標10が示す経路上の位置を決定することができる。Vc0は、開始位置P0を示す指標10のCG画像の提示時における車両20の速度(ベクトル)である。v0は、開始位置P0を示す指標10の速度(ベクトル)である。なお、vkの大きさ(|vk|)は、固定値(例えば|v0|)であっても構わないが、車両20の速度の大きさよりも大きいほうが好ましい。
また、CG画像生成部114は、指標10が車両20に追い抜かれないように、Vckの大きさ(|Vck|)に応じて|vk|の値を変更しても構わない。例えば、常に|vk|>|Vck|となるように、|Vck|に応じて|vk|の値を変更しても構わない。」(【0049】-【0050】)
h「図5は、指標10が、一時目的地まで進む様子を観視者100の視点から見た図である。図5中の括弧書きの記号は、CG座標系における座標qk´を示す。上述したように、CG画像生成部114は、開始位置から一時目的地に向かって指標10が進むように、CG座標系における座標qk´の位置に指標10のCG画像を生成し、提示部13は、CG画像を動画的に観視者100に提示する。これにより、観視者100は、指標10が経路上を進むように知覚する。」(【0054】)
図面(特に図5参照)及び上記記載を参照すると、フロントガラスのうち、交差点よりも下側に指標を表示してから、前記指標の少なくとも幅を縮小させながら、前記指標を前記交差点に対応する位置まで移動させるCG画像生成部が示されている。
上記g「常に|vk|>|Vck|となるように、|Vck|に応じて|vk|の値を変更しても構わない。」の記載から、CG画像生成部は、車両の速度が高いほど(車両の速度に応じて)、指標の移動速度を高くしているものと解せる。
上記記載事項からみて、甲第1号証には、
「指標のCG画像を含んだ光束を、前記指標がフロントガラス前方の風景上に重畳しているように、観視者(ドライバー)の眼に提示させ、前記指標のCG画像を前記フロントガラスより前方の風景に重畳された像として表示するヘッドアップディスプレイと、
車両情報を用いて、いずれか一の右折や左折する必要がある交差点に接近したか否かを判定する位置判定部と、
前記フロントガラスのうち、前記交差点よりも下側に指標を表示してから、前記指標の少なくとも幅を縮小させながら、前記指標を前記交差点に対応する位置まで移動させるCG画像生成部と、
車両の速度を測定する速度測定手段と、
を備え、
前記CG画像生成部は、前記車両の速度が高いほど、前記指標の移動速度を高くする表示装置。」
との発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
(4)対比・判断
本件発明2と甲1発明とを対比すると、甲1発明には、画像が水平方向に延びる線分であって、前記線分を移動させるとき、前記線分の長さを縮小させる構成が無く、本件発明2は、視認し易い線分を用いることによって、ドライバが障害物又は交差点までの距離感を得やすいという顕著な効果を奏するものであるから、本件発明2は、甲1発明から当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
本件発明5と甲1発明とを対比すると、甲1発明には、車両前方の道路を認識する道路認識手段を備え、ドライバの目から見て、画像を前記道路に沿って移動させる構成が無く、本件発明5は、道路認識手段を備えることにより、確実に画像をドライバの目から見て道路に沿って移動させるという顕著な効果を奏するものであるから、本件発明5は、甲1発明から当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
本件発明6と甲1発明とを対比すると、甲1発明には、画像が障害物又は交差点に対応する位置に来たとき、前記画像の輝度を高める構成が無く、当該事項により、本件発明6は、画像の輝度を高めることによって、ドライバは障害物又は交差点を容易に認識するという顕著な効果を奏するものであるから、本件発明6は、甲1発明から当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
本件発明7と甲1発明とを対比すると、甲1発明には、車両前方の路面の色を検出する路面色検出手段を備え、前記路面の色に応じて画像の色を変化させる構成が無く、本件発明7は、路面色検出手段を備えることにより、路面の色が道路の色と異なりドライバが画像を認識しやすくなるという顕著な効果を奏するものであるから、本件発明7は、甲1発明から当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
本件発明8と甲1発明とを対比すると、甲1発明には、画像の大きさを、所定の下限値以上の範囲内で、障害物又は交差点に近づくほど小さくする構成が無く、本件発明8は、画像が上方に移動しても下限値以下にはならないので、ドライバが画像を認識しにくくなってしまうようなことがないという顕著な効果を奏するものであるから、本件発明8は、甲1発明から当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
(5)採用しなかった特許異議申立理由
特許異議申立人が提出した甲第1号証及び甲第2号証(特開2006-69522号公報)には、画像が水平方向に延びる線分であって、前記線分を移動させるとき、前記線分の長さを縮小させて前記画像を障害物又は交差点に対応する位置まで移動させる点の開示が無く、視認し易い線分を用いることによってドライバが障害物又は交差点までの距離感を得やすいという作用効果を奏するものであるから、本件発明2が甲1発明及び甲第2号証に記載のものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
特許異議申立人が提出した甲第1号証及び甲第2号証には、車両前方の道路を認識する道路認識手段を備え、ドライバの目から見て画像を道路に沿って移動させる点の開示が無く、道路認識手段を備えることにより、確実に画像をドライバの目から見て道路に沿って移動させるという作用効果を奏するものであるから、本件発明5が甲1発明及び甲第2号証に記載のものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
特許異議申立人が提出した甲第1号証、甲第2号証及び甲第3号証(特開2007-272350号公報)には、画像が障害物又は交差点に対応する位置に来たとき前記画像の輝度を高める点の開示が無く、画像の輝度を高めることによってドライバが障害物又は交差点を容易に認識し易くなるという作用効果を奏するものであるから、本件発明6が甲1発明、甲第2号証に記載のもの及び甲第3号証に記載のものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
特許異議申立人が提出した甲第1号証、甲第2号証及び甲第4号証(特開2006-350617号公報)には、車両前方の路面の色を検出する路面色検出手段を備え、前記路面の色に応じて画像の色を変化させる点の開示が無く、路面色検出手段を備えることにより、路面の色が道路の色と異なりドライバが画像を認識し易くなるという作用効果を奏するものであるから、本件発明7が甲1発明、甲第2号証に記載のもの及び甲第4号証に記載のものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
特許異議申立人が提出した甲第1号証、甲第2号証には、画像の大きさを、所定の下限値以上の範囲内で、障害物又は交差点に近づくほど小さくする点の開示が無く、画像が上方に移動しても下限値以下にはならないので、ドライバが画像を認識しにくくなることはないという作用効果を奏するものであるから、本件発明8が甲1発明、甲第2号証に記載のものに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
(6)むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件請求項2、5ないし8に係る特許を取り消すことはできない。
さらに、他に本件請求項2、5ないし8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件請求項1、3、4に係る特許は、訂正により削除されたため、本件請求項1、3、4に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2016-700210