特許異議申立
2022-701186
車種判別システム及び車種判別プログラム
- 審判番号
- 2022-701186
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-038679
- 登録番号
- 7077439
- 請求日
- 2022年11月30日
- 審決日
- 2023年11月21日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】高速道路トールテクノロジー株式会社
- 【権利者代理人】狩野 芳正
- 【異議申立人】笹井 栄治
- 審判長/審判官
- 審判長 河端 賢
- 審判官 倉橋 紀夫
- 審判官 中尾 麗
- 分類
- P1651.113-YAA(G08G) / P1651.121-YAA(G08G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7077439号発明「車種判別システム及び車種判別プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7077439号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~8〕、9について訂正することを認める。
特許第7077439号の請求項1~4及び6~9に係る特許を維持する。
特許第7077439号の請求項5に係る特許についての特許異議申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7077439号(以下「本件特許」という。)の請求項1~9に係る特許についての出願は、令和3年3月10日に出願され、令和4年5月20日にその特許権の設定登録がされ、令和4年5月30日に特許掲載公報が発行された。
そして、令和4年11月30日付けで特許異議申立人笹井栄治(以下「申立人」という。)より請求項1~9に係る特許に対して特許異議の申立てがされ、令和5年3月30日付けで取消理由通知書が通知され、令和5年5月25日に特許権者より意見書及び訂正請求書が提出され、令和5年6月15日及び同年同月23日に特許権者より当該訂正請求書についての手続補正書が提出され、令和5年7月20日付けで申立人に対して訂正請求があった旨の通知書(特許法第120条の5第5項)を通知し期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、申立人からは意見書の提出がなかった。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和5年6月15日及び同年同月23日に特許権者より提出された手続補正書により補正された令和5年5月25日に特許権者より提出された訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示すために当審にて付与したものである。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記進入車両の車種区分を判別する車種区分判別部と、を備え、前記車種区分は、」と記載されているのを、「前記進入車両の車種区分を判別する車種区分判別部と、を備え、前記カテゴリー判定部は、前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定し、2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定し、前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定し、前記車種区分判別部は、前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別し、前記車種区分は、」に訂正する。請求項1の記載を引用する請求項2~4、6~8も同様に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5は、削除する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6に「請求項5に記載の車種判別システム。」と記載されているのを、「請求項1から4のいずれか1項に記載の車種判別システム。」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項7に「請求項1から6のいずれか1項に記載の車種判別システム。」と記載されているのを、「請求項1から4および6のいずれか1項に記載の車種判別システム。」に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項9に「を演算装置に実行させ、前記車種区分は、」と記載されているのを「を演算装置に実行させ、前記カテゴリーを判定することは、前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定することと、2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定することと、前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定することと、を含み、前記進入車両の車種区分を判別することは、前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別すること、を含み、前記車種区分は、」に訂正する。
2 一群の請求項についての説明
訂正前の請求項1~8について、請求項2~8は、請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~8に対応する訂正後の請求項1~8は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
3 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、請求項1に記載されているカテゴリー判定部を、「前記カテゴリー判定部は、前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定し、2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定し、前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定し」ている構成に減縮するものであり、また、請求項1に記載されている車種区分判別部を、「前記車種区分判別部は、前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別し」ている構成に減縮するものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
願書に添付した特許請求の範囲の【請求項5】には、以下のように記載されている(下線は、当審で付与した。以下同様。)。
「【請求項5】
前記カテゴリー判定部は、前記側面撮像画像に基づき、前記進入車両が被牽引車を牽引する連結車両であるかを判定し、前記車種区分判別部は、前記進入車両が前記連結車両であるとき、牽引車の前記車種区分と、被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判定する請求項1から4のいずれか1項に記載の車種判別システム。」
さらに願書に添付した明細書の段落【0026】、【0030】及び【0039】に、以下のように記載されている。
「【0026】
ステップS120において、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像に撮像された進入車両が連結車両であるか否かを判定する。連結車両は、他の車両を牽引している車両を表す。例えば、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像から進入車両の領域として、牽引車と被牽引車との両方を異なる進入車両の領域として検出する。2つの進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、カテゴリー判定部250は連結車両であると判定する。カテゴリー判定部250は、進入車両が連結車両でないとき、ステップS150の処理を実行する。進入車両が連結車両であるとき、カテゴリー判定部250は、ステップS130の処理を実行する。」
「【0030】
ステップS150において、カテゴリー判定部250は、側面撮像画像に基づき、進入車両、例えば連結車両の牽引車のカテゴリーを判定する。カテゴリー判定部250は、検出された進入車両の車両領域を抽出して、側面撮像画像のうち抽出された車両領域に基づき、進入車両のカテゴリーを判定する。カテゴリー判定部250は、進入車両が連結車両であるとき、牽引車を進入車両として、牽引車のカテゴリーを判定する。例えば、カテゴリー判定部250は、牽引車の領域を抽出して、側面撮像画像のうち抽出された領域に基づき、牽引車のカテゴリーを判定する。」
「【0039】
ステップS190において、車種区分判別部290は、判定された各情報、具体的には進入車両のカテゴリー、車長、車軸数などに基づき、進入車両の車種区分を判別する。車種区分判別部290は、例えば、図5A~Fに示す処理を実行して、進入車両の車種区分を決定する。進入車両が連結車両であるとき、最初に、車種区分判別部290は、図5A~Fに示す処理を実行して、牽引車の車種区分を決定する。次に、被牽引車の車軸数と、牽引車の車種区分とに基づき、車種区分判別部290は、進入車両の車種区分を決定する。」
よって、訂正事項1は、願書に添付した特許請求の範囲の【請求項5】、並びに、願書に添付した明細書の段落【0026】、【0030】及び【0039】の記載に基づくものである。
したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項5を削除するものである。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項2を削除するものである。
したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項5を削除するものであるから、特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的について
上記訂正事項1は、訂正前の「請求項1から4のいずれか1項」を引用する訂正前の請求項5に記載された「前記カテゴリー判定部は、前記側面撮像画像に基づき、前記進入車両が被牽引車を牽引する連結車両であるかを判定し、前記車種区分判別部は、前記進入車両が前記連結車両であるとき、牽引車の前記車種区分と、被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判定する」という事項を訂正前の請求項1に追加し、さらに、前記「前記カテゴリー判定部は、前記側面撮像画像に基づき、前記進入車両が被牽引車を牽引する連結車両であるかを判定し」ている構成を「前記カテゴリー判定部は、前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定し、2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定し、前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定し」ている構成に減縮するものといえる。なお、「前記進入車両が被牽引車を牽引する連結車両であるかを判定し」という態様が「前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定し」という態様に訂正され、「被牽引車を牽引する」という語が一応削除されているが、訂正後の「前記2つの進入車両」が「牽引車」と「被牽引車」を指すことは明らかであり、牽引車がこれに連結された被牽引車を牽引することも自明であるから、「被牽引車を牽引する」が削除されても、その内容に実質的な差異はなく、これをもって減縮でないとはいえない。
すると、訂正事項3は、請求項1に関し訂正前の請求項5に記載された事項を全て含みさらに減縮する訂正事項1、及び、訂正前の請求項5を削除する訂正事項2に伴い引用請求項を「請求項1から4のいずれか1項」とする訂正であり、減縮を目的としているといえる、
したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
したがって、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項3は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正事項1、及び、訂正前の請求項5を削除する訂正事項2に伴い引用請求項を「請求項1から4のいずれか1項」とする訂正であり、訂正事項1が上記(1)ウのとおり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることから、特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、請求項7が引用している請求項を「請求項1から6のいずれか1項」から「請求項1から4および6のいずれか1項」に減縮するものである。
したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、請求項7が引用している請求項を「請求項1から6のいずれか1項」から「請求項1から4および6のいずれか1項」に減縮するというものである。
したがって、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項4は、請求項7が引用している請求項を「請求項1から6のいずれか1項」から「請求項1から4および6のいずれか1項」に減縮するというものであるから、明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。
したがって、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
(5)訂正事項5について
ア 訂正の目的について
訂正事項5は、請求項9に記載されているカテゴリーを判定することを、「前記カテゴリーを判定することは、前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定することと、2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定することと、前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定することと、を含」む構成に減縮するものであり、また、請求項9に記載されている進入車両の車種区分を判別することを、「前記進入車両の車種区分を判別することは、前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別すること、を含」む構成に減縮するものである。
したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項5は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
したがって、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
願書に添付した特許請求の範囲の【請求項5】、並びに、願書に添付した明細書の段落【0026】、【0030】及び【0039】には、上記(1)ウのように記載されている。
よって、訂正事項5は、願書に添付した特許請求の範囲の【請求項5】、並びに、願書に添付した明細書の段落【0026】、【0030】及び【0039】の記載に基づくものである。
したがって、訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。
4 小括
本件訂正による訂正事項1~5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項の規定に適合すると共に、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、訂正後の請求項〔1~8〕、9について訂正を認める。
第3 本件発明
上記のとおり、請求項1~9についての訂正は認められるから、本件の請求項1~9に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明9」という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定するカテゴリー判定部と、
前記カテゴリーに基づき、前記進入車両の車種区分を判別する車種区分判別部と、
を備え、
前記カテゴリー判定部は、
前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定し、
2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定し、
前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定し、
前記車種区分判別部は、前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別し、
前記車種区分は、前記有料道路の通行料を決定するための分類を表し、
前記カテゴリーは、前記車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された
車種判別システム。
【請求項2】
前記カテゴリー判定部は、人工知能プログラムを備え、
前記人工知能プログラムは、前記カテゴリーのうち、少なくとも1つのカテゴリーに含まれる複数の車種を区別して判定するように学習されている
請求項1に記載の車種判別システム。
【請求項3】
前記側面撮像画像に基づき、前記進入車両の車軸数を判定する車軸数判定部を備え、
前記車種区分判別部は、前記進入車両の車軸数と、前記カテゴリーとに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別する
請求項1または2に記載の車種判別システム。
【請求項4】
前記車軸数判定部は、
前記側面撮像画像における前記進入車両の車軸の位置に基づき、前記車軸がリフトアクスルであるかを判定し、
前記車軸がリフトアクスルであるとき、前記車軸を数えずに前記車軸数を判定する
請求項3に記載の車種判別システム。
【請求項5】 (削除)
【請求項6】
前記側面撮像画像に基づき、前記被牽引車の車軸数を判定する車軸数判定部を備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の車種判別システム。
【請求項7】
前記進入車両を側面から撮像して前記側面撮像画像を取得する車側面撮像機を備え、
前記車側面撮像機は、前記進入車両の進行方向において、180度の範囲を撮像する
請求項1から4および6のいずれか1項に記載の車種判別システム。
【請求項8】
前記カテゴリー判定部は、
前記進入車両の進行方向において、前記側面撮像画像のうち前記車側面撮像機の光軸から所定の角度内の判定領域を抽出し、
抽出された前記判定領域において、前記進入車両の前記カテゴリーを判定する
請求項7に記載の車種判別システム。
【請求項9】
有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定することと、
前記カテゴリーに基づき、前記進入車両の車種区分を判別することと、
を演算装置に実行させ、
前記カテゴリーを判定することは、
前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定することと、
2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定することと、
前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定することと、
を含み、
前記進入車両の車種区分を判別することは、
前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別すること、
を含み、
前記車種区分は、前記有料道路の通行料を決定するための分類を表し、
前記カテゴリーは、前記車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された
車種判別プログラム。」
第4 取消理由通知に記載した取消理由の概要
1 取消理由の概要
当審が令和5年3月30日付けで通知した取消理由通知に記載した取消理由の概要は、次のとおりである。
(1)取消理由1(新規性)
本件特許の請求項1及び9に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1及び9に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。
(2)取消理由2(進歩性)
本件特許の請求項1及び7~9に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の甲第1号証に記載された発明並びに甲第5号証に記載された事項及び周知事項に基いて、並びに、本件特許の請求項1~9に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の甲第2号証に記載された発明並びに甲第1号証~甲第5号証に記載された事項、周知技術1、周知技術2及び周知事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
<引用文献等一覧>
甲第1号証:特開2017-220076号公報
甲第2号証:特開2017-45137号公報
甲第3号証:特開2020-30574号公報
甲第4号証:国際公開第2021/038991号
甲第5号証:特開2019-197314号公報
甲第6号証:特開2019-29978号公報
(以下、「甲第1号証」~「甲第6号証」を、「甲1」~「甲6」という。)
第5 取消理由に対する判断
1 各甲号証について
(1)甲1に記載された発明
甲1(特に、段落【0002】、【0009】、【0014】、【0045】、【0064】~【0070】、【0073】~【0094】及び【0195】~【0196】並びに図18を参照。)には、次の発明(以下「甲1-1発明」及び「甲1-2発明」という。)が記載されている。
[甲1-1発明]
「高速道路の料金所等に進入する車両10の側面から撮像された画像から車両10の車軸の数および車軸間の距離を計測する車軸検出部95と、
前記車両10の車軸の数および車軸間の距離に基づき、前記車両10の車種区分を判別する判別部96と、
を備え、
前記車種区分は、前記高速道路の料金を決定するための分類を表す、
車種判別装置。」
[甲1-2発明]
「高速道路の料金所等に進入する車両10の側面から撮像された画像から車両10の車軸の数および車軸間の距離を計測することと、
前記車両10の車軸の数および車軸間の距離に基づき、前記車両10の車種区分を判別することと、
を車種判別装置103~3103で実行させ、
前記車種区分は、前記高速道路の料金を決定するための分類を表す、
車種判別プログラム。」
(2)甲2に記載された発明
甲2(特に、段落【0010】、【0014】、【0023】、【0060】~【0087】及び【0108】~【0111】並びに図1、8、10~12及び16を参照。)には、次の発明(以下「甲2-1発明」及び「甲2-2発明」という。)が記載されている。
[甲2-1発明]
「高速道路に進入する車両60を横方向から撮影した画像に基づき、車種を判別する車種判別部313、
を備え、
前記車種判別部313は、
トラクタ後部空間計測部310が、車両60の先頭部分と車両60の後続部分との間の隙間に相当する空間が所定の閾値以上である場合には、車両の先頭部分をトラクタ部として、車両の後続部分をトレーラ部や貨物部分として分離し、
マッチング部312が、前記トラクタ後部空間計測部310により分離された前記トレーラ部の先端から後端までの領域を部分画像DB501に登録された構成パターンとのマッチングを行い、
前記マッチング部312によるマッチング結果に基づいて車種を判別する、
車種判別装置31。」
[甲2-2発明]
「高速道路に進入する車両60を横方向から撮影した画像に基づき、車種を判別すること、
を車種判別装置30に実行させ、
前記車種を判別することは、
車両60の先頭部分と車両60の後続部分との間の隙間に相当する空間が所定の閾値以上である場合に、車両の先頭部分をトラクタ部として、車両の後続部分をトレーラ部や貨物部分として分離し、
分離された前記トレーラ部の先端から後端までの領域を部分画像DB501に登録された構成パターンとのマッチングを行い、
前記マッチング結果に基づいて車種を判別する、
車種判別プログラム。」
(3)甲3に記載された事項
ア 「【0065】
[車両区分判別システム]
図7は、実施形態に係る車両区分判別システム100の機能構成例を示すブロック図である。車両区分判別システム100は、レーンLを通過する車両Tの車両区分、さらには料金区分を判別するためのシステムであり、特に、車両Tが被牽引車TLを牽引しているか否かを判定し、その結果に応じて車両区分を調整する機能を有している。
【0066】
車両区分判別システム100は、上述の牽引判定システム1と重複する構成を含んでいる。上述の牽引判定システム1と重複する構成については、同番号を付すことで詳細な説明を省略する。
【0067】
車両区分判別システム100の制御装置10は、プレート検出部11、通過検出部12及び牽引判定部13に加え、区分情報取得部14、車軸数検出部15、区分決定部16及び料金特定部17を備えている。これらの機能部も、CPUがROM又は不揮発性メモリからRAMにロードされたプログラムに従って情報処理を実行することによって実現する。
【0068】
区分情報取得部14は、レーンLを通過する車両Tの車両区分を取得する。車両区分は、例えば軽自動車、普通車、中型車、大型車及び特大車などである。車両Tが被牽引車TLを牽引している場合には、牽引車TCの車両区分が取得される。区分情報取得部14は、例えばレーンLに設けられたETC路側機(不図示)を利用して車両Tに搭載されたETC車載器(不図示)から車両区分を取得してもよいし、前側カメラ31(図1参照)からの画像に含まれる車両Tの前向きのナンバープレートN1の文字や色を認識することで車両区分を判別してもよい。
【0069】
車軸数検出部15は、車軸検知センサ5からの検出信号に基づいて、レーンLを通過する車両Tの車軸数を検出する。具体的には、車軸数検出部15は、踏板式の車軸検知センサ5からの荷重を表す検出信号の極大値の数を、車軸の数としてカウントする。
【0070】
区分決定部16は、区分情報取得部14から車両Tの車両区分を取得するとともに、牽引判定部13により車両Tが被牽引車TLを牽引していると判定された場合に、区分情報取得部14から取得した車両Tの車両区分をアップグレードして、最終的な車両区分を決定(区分決定)する。
【0071】
すなわち、車両Tの車両区分は被牽引車TLを牽引しているか否かによって変化することから、区分決定部16は、牽引判定部13により車両Tが被牽引車TLを牽引していると判定された場合に、区分情報取得部14から取得した車両Tの車両区分(すなわち、牽引車TCの車両区分)をそれよりも上の車両区分にアップグレードする。
【0072】
また、区分決定部16は、車軸数検出部15により検出された車軸数に基づいて、アップグレードする車両区分のグレード数を選択する。これについては詳細を後述する。
【0073】
料金特定部17は、区分決定部16から車両Tの車両区分を取得すると、予め定められた車両区分と料金との関係に基づいて、車両Tの車両区分に対応する料金を特定する。車両区分と料金との関係が記述されたテーブルデータは、制御装置10のメモリ等に格納され、料金特定部17によって参照される。
【0074】
図8は、車両区分判別システム100の制御装置10により実現される、実施形態に係る車両区分判別方法の手順例を示すフロー図である。上記図4又は図5のフロー図と重複するステップについては、同番号を付すことで詳細な説明を省略する。図9は、車両区分を説明するための図である。
【0075】
制御装置10は、S14において最初の後向きのナンバープレートN2が検出されるまでに車軸検知センサ5により検出される車軸数をカウントする(S23)。これは、最初の後向きのナンバープレートN2よりも前方に位置する車軸数、すなわち牽引車TCの車軸数を検出するためのステップである。
【0076】
最初の後向きのナンバープレートN2が検出される前に検出された車軸数が2つである場合(S23:n=2)、軽自動車、普通車両、又は中/大型車両(2車軸)に相当する(図9参照)。一方、最初の後向きのナンバープレートN2が検出された前に検出される車軸数が3以上である場合(S23:n≧3)、中/大型車両(3車軸)又は特大車に相当する(図9参照)。
【0077】
次に、制御装置10は、最初の後向きのナンバープレートN2を検出すると(S14)、最初の後向きのナンバープレートN2を検出してから車両Tの退出を検出するまでの時間が閾値以上であるか否かを判定する(S22)。
【0078】
最初の後向きのナンバープレートN2が検出される前に検出された車軸数が2つであり(S23:n=2)、且つ最初の後向きのナンバープレートN2を検出してから車両Tの退出を検出するまでの時間が閾値以上である場合(S22:YES)、制御装置10は、最初の後向きのナンバープレートN2が検出された後に車軸検知センサ5により検出される車軸数をカウントする(S24)。これは、最初の後向きのナンバープレートN2よりも後方に存在する車軸数、すなわち被牽引車TLの車軸数を検出するためのステップである。
【0079】
被牽引車TLの車軸数が1つである場合、例えば軽自動車(牽引車車両区分)→普通車両(最終車両区分)、普通車両(牽引車車両区分)→中型車両(最終車両区分)というように、車両区分は1グレード分のアップグレードが必要となる(図9参照)。一方、被牽引車TLの車軸数が2以上である場合、例えば軽自動車(牽引車車両区分)→中型車両(最終車両区分)、普通車(牽引車車両区分)→大型車(最終車両区分)というように、車両区分は2グレード分のアップグレードが必要となる(図9参照)。」
イ 「【図8】
[図:0001406686000001.jpg]
【図9】
[図:0001406686000002.jpg]
」
(4)甲4に記載された事項
ア 「[0048] 第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、道路50を走行する車両40を車両40の側方から撮像する。第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、例えば、同じ領域を撮像するように道路50(又は、道路脇)に設置される。第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、例えば、同じ画角で車両40を撮像してもよい。また、第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、例えば、近接して設置されてもよい。本実施の形態では、第1撮像装置10と第2撮像装置20とは、車両40が走行する道路50に沿って隣接して設置される。」
イ 「[0068] [1-2.動作]
次に、上記の車軸数計測システム1の動作について、図3~図7を参照しながら説明する。図3は、本実施の形態に係る車軸数計測システム1の動作を示すシーケンス図である。
[0069] 図3に示すように、第1撮像装置10は、車両40を撮像し(S11)、撮像により得られた撮像画像を車軸数計測装置30に出力する(S12)。また、第2撮像装置20は、車両40を撮像し(S21)、撮像により得られた距離画像を車軸数計測装置30に出力する(S22)。ステップS21において、第2撮像装置20の発光素子は、パルス光を照射し、第2撮像装置20の受光素子は、当該パルス光が対象物で反射された反射光を受光する。第2撮像装置20の演算部は、パルス光を照射してから反射光を受光するまでの時間差を距離に換算する演算を実行する。これにより、距離画像が得られる。
[0070] なお、ステップS11で撮像される領域とステップS21で撮像される領域とは、車両40の1以上のタイヤを含む領域であり、例えば、同一の領域であってもよい。ステップS11で撮像される領域、及び、ステップS21で撮像される領域はそれぞれ、図1Aに示す破線領域IVであってもよい。
[0071] なお、ステップS12で出力される撮像画像と、ステップS22で出力される距離画像とは、同時刻に撮像された画像であってもよい。同時刻に撮像された画像は、第1撮像装置10及び第2撮像装置20の撮像タイミングが同期しており、同一のタイミングで撮像動作が実行されたことにより得られた画像であってもよい。また、第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、常時撮像を実行しており、同時刻に撮像された画像は、同時刻に撮像された画像を切り出して得られた画像であってもよい。
[0072] 次に、車軸数計測装置30は、第1撮像装置10から撮像画像を取得し、第2撮像装置20から距離画像を取得する(S31)。具体的には、車軸数計測装置30の第1通信部31は、第1撮像装置10から撮像画像を取得し、かつ、車軸数計測装置30の第2通信部32は、第2撮像装置20から距離画像を取得する。撮像画像及び距離画像の取得タイミングは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ステップS31は、第1取得ステップ及び第2取得ステップの一例である。
[0073] ここで、撮像画像及び距離画像について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係る撮像画像P1の一例を示す図である。図5は、本実施の形態に係る距離画像P2の一例を示す図である。なお、図4及び図5のそれぞれは、図1Aに示す破線領域IVを撮像した画像である。また、図5では、第2撮像装置20からの距離をグレースケールで示しており、近いほど白く、遠いほど黒くなるように示している。
[0074] 図4及び図5に示すように、車軸数計測装置30は、車両40における後方側車軸の後輪タイヤ41及び42を含む撮像画像P1及び距離画像P2を取得する。撮像画像P1は、第1撮像画像の一例である。また、距離画像P2は、所定の位置から計測された距離により形成される。所定の位置は、例えば、第2撮像装置20が設置されている位置であるが、これに限定されない。所定の位置は、例えば、第1撮像装置10が設置されている位置であってもよい。この場合、第2撮像装置20が撮像した距離画像に対して、第1撮像装置10と第2撮像装置20との設置位置の違いに応じた距離の補正が行われる。
[0075] なお、ステップS31において、第1通信部31は、車両40における前方側車軸の前輪タイヤ43と、車両40における後方側車軸の後輪タイヤ41及び42とを含む撮像画像P1を第1撮像装置10から取得してもよい。また、ステップS31において、第2通信部32は、車両40における前方側車軸の前輪タイヤ43と、車両40における後方側車軸の後輪タイヤ41及び42とを含む距離画像P2を第2撮像装置20から取得してもよい。
[0076] 第1通信部31は、取得された撮像画像P1を検出部33に出力する。また、第2通信部32は、取得された距離画像P2を計測部34に出力する。
[0077] 図3を再び参照して、検出部33は、取得された撮像画像P1から1以上のタイヤを検出する(S32)。図4の例では、検出部33は、後輪タイヤ41及び42を検出する。検出部33は、例えば、後輪タイヤ41の位置を示すタイヤ領域R1と、後輪タイヤ42の位置を示すタイヤ領域R2とを検出する。また、検出部33は、取得された撮像画像P1から1以上のタイヤのそれぞれのホイールの位置を検出してもよい。後輪タイヤ41及び42は、1以上のタイヤの一例である。ステップS32は、検出ステップの一例である。
[0078] なお、夜間等のノイズの影響が大きくなる環境下で撮像された撮像画像P1であっても、タイヤの検出は可能である。例えば、道路灯などの明かりにより道路50周辺が照らされているので、第1撮像装置10は、タイヤの検出が可能な程度の画質の撮像画像P1を撮像することができる。
[0079] 検出部33は、検出された1以上のタイヤの位置を示す位置情報を計測部34に出力する。図4の例では、検出部33は、タイヤ領域R1及びR2を示す情報を位置情報として計測部34に出力する。
[0080] 計測部34は、距離画像P2に基づいて車軸数を計測する(S33)。具体的には、計測部34は、検出部33から取得した位置情報に基づいて、距離画像P2内における1以上のタイヤの位置を特定し、特定された1以上のタイヤのそれぞれにおいて、道路50と接触しているか否かの判定を行い、判定結果に基づいて、接地タイヤの車軸数を計測する。なお、タイヤと道路50とが接触しているか否かの判定方法については、後述する。ステップS33は、計測ステップの一例である。」
ウ 「
[図:0001406686000003.jpg]
」
(5)甲5に記載された事項
ア 「【0017】
図3に示すように、車両が走行する車線の両サイドには、車線に沿って延びるアイランド40が対向して配置されている。車両は、これら二つのアイランド40の間の車線を上流から下流に向かって走行する。また、アイランド40には、車線の上流から下流に向けて順に、広角レンズ搭載カメラ421と画像処理装置422、第1の車両検知器S1、第2の車両検知器S2、ブース424、路側表示器423、発進制御機425と発進制御バー4251、車両検知器S4、及び車線監視カメラ426が設けられる。或いは、広角レンズ搭載カメラ421と第1の車両検知器S1の位置が逆転してもよい。つまり、車線の上流から下流に向けて順に、第1の車両検知器S1、広角レンズ搭載カメラ421と画像処理装置422、第2の車両検知器S2、ブース424、路側表示器423、発進制御機425と発進制御バー4251、車両検知器S4、及び車線監視カメラ426が設けられてもよい。」
イ 「【0025】
広角レンズ搭載カメラ421は、標準レンズより画角の広い広角レンズ(焦点距離が短いレンズ)を搭載し、車線の所定範囲を撮影する。撮影対象となる車線の所定範囲は、第1の車両検知器S1により車両の到達が検知される第1の地点、及び第2の車両検知器S2により車両の到達が検知される第2の地点を含む。例えば、広角レンズ搭載カメラ421は、広角レンズ搭載カメラ421の設置位置を基準として、車線上流側方向及び下流側方向に15m程度(合計30m程度)の所定範囲を撮影する。広角レンズは、車線を走行する様々な車種(軽自動車、普通車、中型車、大型車、及び特大車など)の車両側面の全体が撮影できることが望ましく、設置環境によるが180°程度の範囲を撮影できるレンズ(魚眼レンズ)であることが望ましい。また、広角レンズ搭載カメラ421は、動画を撮影するカメラであってもよいし、静止画を撮影するカメラであってもよいし、動画と静止画の両方を撮影するカメラであってもよい。」
ウ 「【0028】
画像処理装置422は、広角レンズ搭載カメラ421からの動画又は静止画から車両の画像(車両側面の画像)を検出し、検出された車両の画像(車軸含む)を出力する。車両の画像は、インタフェース集約部401を介して、車線サーバ3へ送信される。上記したように、車線サーバ3は、車両の画像から車軸の画像を検出し車軸数を計測し、また車両の画像から車長を計測し、車軸検出結果及び車長検出結果から車種を判別し、車種判別結果(車種情報)を生成し出力する。」
エ 「【図3】
[図:0001406686000004.jpg]
」
(6)甲6に記載された事項
ア 「【0032】
画像劣化が大きくなる部分とは、例えば図3において、斜線で示す部分にあたる。第1の撮像手段12は魚眼レンズを採用し、全周囲画像のデータを取得する構成としている。このため、取得した画像データは、図2に示すように、撮影範囲が円形となり、斜線で示す外周側ほど像の歪みが大きくなる。なお、図2において、黒く塗りつぶしている部分は、表示範囲を四角とした場合に生ずることとなる、いわゆるケラレ部分である。DSP16aでは、例えばCPU16cを介して、あるいは直接内部メモリ18cにアクセスすることで展開される変換プログラムに従い、取得した画像データをメルカトル図法の様式で展開し、平面表示可能な画像データを生成する。本実施形態では、図2において画像の頂点となる点Pを基点として、半径方向に示す垂線Lで画像をカットして展開する。このため、図3において画像の縁辺となる部分、特に斜線で示す部分には、像の引き伸ばしや圧縮といった補正が施されることとなり、画像劣化が大きくなる。
【0033】
本実施形態では、このように歪み補正による画像劣化が大きくなる部分のうち、例えば図3中に四角の破線枠Dで囲った部分に、第2画像データを合成する処理を行う。なお、第1画像データに対する第2画像データの合成処理には、両者の歪み量の違いや画角、撮影角度の違い等を考慮した各種補正処理を行う。」
イ 「【0036】
このような構成のカメラ10により、合成画像データを作成することによれば、魚眼レンズを採用した第1の撮像手段12による撮影により取得した第1画像データでは細部表示が困難となる部分を、標準レンズを採用した第2の撮像手段14により撮影した第2画像データで補完し、細部表示することが可能となる。これにより、例えば実施形態に係るカメラ10をドライブレコーダとして使用した場合に、先行車のナンバーや、道路標識の記載などを記録画像から確認することができるようになる。」
ウ 「
[図:0001406686000005.jpg]
[図:0001406686000006.jpg]
」
2 取消理由1(新規性)について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1-1発明とを対比すると、甲1-1発明における「高速道路」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件発明1の「有料道路」に相当し、以下同様に、「高速道路の料金所等に進入する」は「有料道路に進入する」に、「車両10」は「進入車両」に、「側面から撮像された画像」は「側面から撮像した側面撮像画像」に、「判別部96」は「車種区分判別部」に、「料金」は「通行料」に、「車種判別装置」は「車種判別システム」に、それぞれ相当する。
甲1-1発明における「車軸の数および車軸間の距離」は、それによって車両が分類されるのであるから、「カテゴリー」と表現できる。そうすると、甲1-1発明における「車軸の数および車軸間の距離を計測する車軸検出部95」は「カテゴリーを判定するカテゴリー判定部」と表現できる。
甲1-1発明における「車軸の数および車軸間の距離」は、甲1の段落【0070】等の記載から把握できるように、全景画像A1における形状から認識されるものであり、図18において「イメージ図」として示されていることから「形状」の要素を含んでいる。そして、「車軸の数および車軸間の距離」は、段落【0082】~【0086】及び図18から把握できるように、車種区分に属している。そうすると、甲1-1発明における「車軸の数および車軸間の距離」は「車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された」ものといえる。よって、「車軸の数および車軸間の距離」が「カテゴリー」と表現できることを踏まえれば、甲1-1発明は「カテゴリーは、前記車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された」との事項を含む。
ところで、甲1の段落【0117】には、「本実施形態にかかる車種判別装置103によれば、判別部96は、車種判別情報20に定義された車軸の数および車軸間の距離の閾値の条件によって車種判別処理を行うため、車体の形状に基づいて車種判別を行う場合と比較して、車種判別処理において車種が判定不能の結果となる場合が少ない。また、車種判別情報20は車軸の数および車軸間の距離の数値データ、車種区分および車種によって構成されるため、各車種の車体形状等を記憶する場合と比較して、記憶部90が記憶するデータ量を少なく抑えることができる。」(下線は、当審が付与した。)と記載されているものの、ここで言及されているものは「車体」の「形状」であるから、段落【0117】の記載は、「形状」と表現できるものに基づいて車種判別を行うものを全て排除するものではない。
そうすると、本件発明1と甲1-1発明とは、以下の点で一致する。
[一致点]
「有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定するカテゴリー判定部と、
前記カテゴリーに基づき、前記進入車両の車種区分を判別する車種区分判別部と、
を備え、
前記車種区分は、前記有料道路の通行料を決定するための分類を表し、
前記カテゴリーは、前記車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された
車種判別システム。」
そして、本件発明1と甲1-1発明とは、以下の点で相違する。
[相違点1]
カテゴリー判定部に関し、本件発明1は、「前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定し、2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定し、前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定し」ているのに対し、甲1-1発明は、そのようなものではない点。
[相違点2]
車種区分判別部に関し、本件発明1は、「前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別し」ているのに対し、甲1-1発明は、そのようなものではない点。
イ 判断
(ア)相違点1について
甲1の全文、全図をみても、相違点1に係る本件発明1の構成は、甲1に記載されている事項ではなく、また、甲1に記載されている事項から本件特許の出願時における技術常識を参酌することにより当業者が導き出せる事項でもない。
よって、相違点1は、実質的な相違点である。
(イ)まとめ
上記(ア)のとおり、本件発明1の相違点1は、実質的な相違点であるから、相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は甲1-1発明ではない。
(2)本件発明9について
ア 対比
本件発明9と甲1-2発明とを対比すると、甲1-2発明における「高速道路」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件発明9の「有料道路」に相当し、以下同様に、「高速道路の料金所等に進入する」は「有料道路に進入する」に、「車両10」は「進入車両」に、「側面から撮像された画像」は「側面から撮像した側面撮像画像」に、「料金」は「通行料」に、「車種判別装置103~3103」は「演算装置」に、それぞれ相当する。
甲1-2発明における「車軸の数および車軸間の距離」は、それによって車両が分類されるのであるから、「カテゴリー」と表現できる。そうすると、甲1-2発明における「車軸の数および車軸間の距離を計測すること」は「カテゴリーを判定すること」と表現できる。
甲1-2発明における「車軸の数および車軸間の距離」は、甲1の段落【0070】等の記載から把握できるように、全景画像A1における形状から認識されるものであり、図18において「イメージ図」として示されていることから「形状」の要素を含んでいる。そして、「車軸の数および車軸間の距離」は、段落【0082】~【0086】及び図18から把握できるように、車種区分に属している。そうすると、甲1-2発明における「車軸の数および車軸間の距離」は「車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された」ものといえる。よって、「車軸の数および車軸間の距離」が「カテゴリー」と表現できることを踏まえれば、甲1-2発明は「カテゴリーは、前記車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された」との事項を含む。
ところで、甲1の段落【0117】には、「本実施形態にかかる車種判別装置103によれば、判別部96は、車種判別情報20に定義された車軸の数および車軸間の距離の閾値の条件によって車種判別処理を行うため、車体の形状に基づいて車種判別を行う場合と比較して、車種判別処理において車種が判定不能の結果となる場合が少ない。また、車種判別情報20は車軸の数および車軸間の距離の数値データ、車種区分および車種によって構成されるため、各車種の車体形状等を記憶する場合と比較して、記憶部90が記憶するデータ量を少なく抑えることができる。」(下線は、当審が付与した。)と記載されているものの、ここで言及されているものは「車体」の「形状」であるから、段落【0117】の記載は、「形状」と表現できるものに基づいて車種判別を行うものを全て排除するものではない。
そうすると、本件発明9と甲1-2発明とは、以下の点で一致する。
[一致点]
「有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定することと、
前記カテゴリーに基づき、前記進入車両の車種区分を判別することと、
を演算装置に実行させ、
前記車種区分は、前記有料道路の通行料を決定するための分類を表し、
前記カテゴリーは、前記車種区分と、前記車種区分に属する車両の形状とに応じて決定された
車種判別プログラム。」
そして、本件発明9と甲1-2発明とは、以下の点で相違する。
[相違点3]
カテゴリーを判定することに関し、本件発明9は、「前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定することと、2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定することと、前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定することと」を含んでいるのに対し、甲1-2発明は、そのようなことを含んでいない点。
[相違点4]
進入車両の車種区分を判別することに関し、本件発明9は、「前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別すること」を含んでいるのに対し、甲1-2発明は、そのようなことを含んでいない点。
イ 判断
(ア)相違点3について
甲1の全文、全図をみても、相違点3に係る本件発明9の構成は、甲1に記載されている事項ではなく、また、甲1に記載されている事項から本件特許の出願時における技術常識を参酌することにより当業者が導き出せる事項でもない。
よって、相違点3は、実質的な相違点である。
(イ)まとめ
上記(ア)のとおり、本件発明9の相違点3は、実質的な相違点であるから、相違点4について検討するまでもなく、本件発明9は甲1-2発明ではない。
(3)小括
以上のとおり、本件発明1及び9に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものではなく、上記取消理由1(新規性)によっては、本件発明1及び9に係る特許を取り消すことはできない。
3 取消理由2(進歩性)について
3-1 甲1-1発明又は甲1-2発明を主発明とした場合
(1)本件発明1について
本件発明1と甲1-1発明との対比、一致点、相違点は、上記2(1)アに記載のとおりである。
上記相違点1について、以下検討する。
上記2(1)イ(ア)に記載とおり、相違点1は、実質的な相違点である。
そして、相違点1に係る本件発明1の構成は、甲5に記載されておらず、また、当業者が適宜なし得る設計的事項であるとも、周知技術であるともいえない。
よって、相違点1に係る本件発明1の発明特定事項が容易に想到し得るという理由は見いだせないから、相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、当業者が甲1-1発明に基いて容易に発明をすることができたものではなく、また、甲1-1発明及び甲5に記載された事項に基いても容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明7及び8について
本件発明7及び8は、いずれも本件発明1の全ての発明特定事項を含んだ上で、新たに発明特定事項を追加したものであり、上記(1)に示した理由と同様の理由により、本件発明7及び8は、当業者が甲1-1発明に基いて容易に発明をすることができたものではなく、また、甲1-1発明及び甲5に記載された事項に基いても容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件発明9
本件発明9と甲1-2発明との対比、一致点、相違点は、上記2(2)アに記載のとおりである。
上記相違点3について、以下検討する。
上記2(2)イ(ア)に記載とおり、相違点3は、実質的な相違点である。
そして、相違点3に係る本件発明9の構成は、甲5に記載されておらず、また、当業者が適宜なし得る設計的事項であるとも、周知技術であるともいえない。
よって、相違点3に係る本件発明9の発明特定事項が容易に想到し得るという理由は見いだせないから、相違点4について検討するまでもなく、本件発明9は、当業者が甲1-2発明に基いて容易に発明をすることができたものではなく、また、甲1-2発明及び甲5に記載された事項に基いても容易に発明をすることができたものではない。
3-2 甲2-1発明又は甲2-2発明を主発明とした場合
(1)本件発明1
ア 対比
本件発明1と甲2-1発明とを対比すると、甲2-1発明における「高速道路」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件発明1の「有料道路」に相当し、以下同様に、「車両60」は「進入車両」に、「横方向から撮影した画像」は「側面から撮像した側面撮像画像」に、「車種判別装置31」は「車種判別システム」に、それぞれ相当する。
甲2-1発明における「車種」は「カテゴリー」と表現できる。そうすると、甲2-1発明における、「車種を判別する車種判別部313」は「カテゴリーを判定するカテゴリー判定部」と表現できる。
よって、本件発明1と甲2-1発明とは、以下の点で一致する。
[一致点]
「有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定するカテゴリー判定部、
を備えた、
車種判別システム。」
そして、本件発明1と甲2-1発明とは、以下の点で相違する。
[相違点5]
カテゴリー判定部に関し、本件発明1は、「前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定し、2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定し、前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定し」ているのに対し、甲2-1発明は、そのようなものではない点。
[相違点6]
車種区分判別部に関し、本件発明1は、「前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別し」ているのに対し、甲2-1発明は、そのようなものではない点。
イ 判断
(ア)相違点5について
甲2の全文、全図をみても、相違点5に係る本件発明1の構成は、甲2に記載されている事項ではなく、また、甲2に記載されている事項から本件特許の出願時における技術常識を参酌することにより当業者が導き出せる事項でもない。
また、相違点5に係る本件発明1の構成は、甲1及び3~5のいずれにも記載されておらず、当業者が適宜なし得る設計的事項であるとも、周知技術であるともいえない。
よって、相違点5に係る本件発明1の発明特定事項が容易に想到し得るという理由は見いだせないから、相違点6について検討するまでもなく、本件発明1は、当業者が甲2-1発明及び甲1~5に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~4及び6~8について
本件発明2~4及び6~8は、いずれも本件発明1の全ての発明特定事項を含んだ上で、新たに発明特定事項を追加したものであり、上記(1)に示した理由と同様の理由により、本件発明2~4及び6~8は、当業者が甲2-1発明及び甲1~5に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件発明9について
ア 対比
本件発明9と甲2-2発明とを対比すると、甲2-2発明における「高速道路」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、本件発明1の「有料道路」に相当し、以下同様に、「車両60」は「進入車両」に、「横方向から撮影した画像」は「側面から撮像した側面撮像画像」に、「車種判別装置30」は「演算装置」に、それぞれ相当する。
甲2-2発明における「車種」は「カテゴリー」と表現できる。そうすると、甲2-2発明における、「車種を判別すること」は「カテゴリーを判定すること」と表現できる。
よって、本件発明9と甲2-2発明とは、以下の点で一致する。
[一致点]
「有料道路に進入する進入車両を側面から撮像した側面撮像画像に基づき、カテゴリーを判定すること、
を演算装置に実行させる、
車種判別プログラム。」
そして、本件発明9と甲2-2発明とは、以下の点で相違する。
[相違点7]
カテゴリーを判定することに関し、本件発明9は、「前記側面撮像画像に基づき、牽引車と、被牽引車との両方を異なる前記進入車両として判定することと、2つの前記進入車両の領域の間の距離が所定の距離より短いとき、前記2つの進入車両が連結された連結車両であると判定することと、前記進入車両が連結車両であるとき、前記牽引車のカテゴリーを判定することと」を含んでいるのに対し、甲2-2発明は、そのようなことを含んでいない点。
[相違点8]
進入車両の車種区分を判別することに関し、本件発明9は、「前記進入車両が前記連結車両であるとき、前記牽引車の前記車種区分と、前記被牽引車の車軸数とに基づき、前記進入車両の前記車種区分を判別すること」を含んでいるのに対し、甲2-2発明は、そのようなことを含んでいない点。
イ 判断
(ア)相違点7について
甲2の全文、全図をみても、相違点7に係る本件発明9の構成は、甲2に記載されている事項ではなく、また、甲2に記載されている事項から本件特許の出願時における技術常識を参酌することにより当業者が導き出せる事項でもない。
また、相違点7に係る本件発明9の構成は、甲1及び3~5のいずれにも記載されておらず、当業者が適宜なし得る設計的事項であるとも、周知技術であるともいえない。
よって、相違点7に係る本件発明9の発明特定事項が容易に想到し得るという理由は見いだせないから、相違点8について検討するまでもなく、本件発明9は、当業者が甲2-2発明及び甲1~5に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。
3-3 小括
以上のとおり、本件発明1~4及び6~9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではなく、上記取消理由2(進歩性)によっては、本件発明1~4及び6~9に係る特許を取り消すことはできない。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要
(1)理由1(新規性)
本件特許の請求項3及び4に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項3及び4に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。
(2)理由2(進歩性1)
本件特許の請求項2、5及び6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲1に記載された発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、並びに、本件特許の請求項8に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲1に記載された発明及び甲5~6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2、5、6及び8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(3)理由3(進歩性2)
本件特許の請求項8に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲2に記載された発明並びに甲1、5及び6に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
2 理由1(新規性)について
上記第5の2(1)イに記載したとおり、本件発明1は甲1-1発明ではない。
そして、本件発明3及び4は、いずれも本件発明1の全ての発明特定事項を含んだ上で、新たに発明特定事項を追加したものであるから、甲1-1発明ではない。
したがって、本件発明3及び4に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものではなく、上記理由1(新規性)によっては、本件発明3及び4に係る特許を取り消すことはできない。
3 理由2(進歩性1)について
上記第5の2(1)アに記載したとおり、本件発明1と甲1-1発明とは、相違点1及び2で相違する。
そして、相違点1に係る本件発明1の構成は、甲2~6に記載されておらず、また、当業者が適宜なし得る設計的事項であるとも、周知技術であるともいえない。
よって、相違点1に係る本件発明1の発明特定事項が容易に想到し得るという理由は見いだせないから、相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、当業者が甲1-1発明に基いて容易に発明をすることができたものではなく、また、甲1-1発明及び甲2~6に記載された事項に基いても容易に発明をすることができたものではない。
そして、 本件発明2、6及び8は、いずれも本件発明1の全ての発明特定事項を含んだ上で、新たに発明特定事項を追加したものであるから、当業者が甲1-1発明及び甲2~6に記載された事項に基いても容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明2、6及び8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではなく、上記理由2(進歩性1)によっては、本件発明2、6及び8に係る特許を取り消すことはできない。
4 理由3(進歩性2)について
上記第5の3-2(1)アに記載したとおり、本件発明1と甲2-1発明とは、相違点5及び6で相違する。
そして、相違点5に係る本件発明1の構成は、甲5及び6に記載されておらず、また、当業者が適宜なし得る設計的事項であるとも、周知技術であるともいえない。
よって、相違点5に係る本件発明1の発明特定事項が容易に想到し得るという理由は見いだせないから、相違点6について検討するまでもなく、本件発明1は、当業者が甲2-1発明並びに甲5及び6に記載された事項に基いても容易に発明をすることができたものではない。
そして、 本件発明8は、本件発明1の全ての発明特定事項を含んだ上で、新たに発明特定事項を追加したものであるから、当業者が甲2-1発明並びに甲5及び6に記載された事項に基いても容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではなく、上記理由3(進歩性2)によっては、本件発明8に係る特許を取り消すことはできない。
第7 むすび
以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1~4及び6~9に係る特許を取り消すことはできない。また、他に本件発明1~4及び6~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、本件の請求項5に係る特許については、本件訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による申立てのうち、請求項5に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-701186