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特許拒絶査定不服審判

2016-000893

二次電池パック

審判番号
2016-000893
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-525921外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2016年01月20日
審決日
2017年04月14日
公報発行日
2017年10月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (H01M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-525921「二次電池パック」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 2月21日国際公開、WO2013/024990、平成26年10月 2日国内公表、特表2014-526129〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2012年8月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年8月12日、韓国(KR)、2012年2月14日、韓国(KR))を国際出願日とする出願であって、平成27年1月27日付けの拒絶理由に対して、平成27年3月26日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成27年9月17日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成28年1月20日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の各請求項に係る発明は、平成28年1月20日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし21に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項16に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりである。 なお、請求項16については、上記手続補正による補正はされていない。 [本願発明] 「電池セルの負極端子及び正極端子とそれぞれ接続される負極端子接続部及び正極端子接続部を有する保護回路基板と、 保護回路基板及び電池セルの外周面を包むフレームと、 を備え、 前記保護回路基板は、前記負極端子接続部及び正極端子接続部を介して前記電池セルの負極端子及び正極端子と接続し、前記電池セルの一面に形成された密封剰余部上に搭載される、保護回路モジュール。」 第3 引用例について 1.引用例記載事項 本願の優先日前に日本国内において頒布され、原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2010-182598号公報(以下、「引用例」という。)には、「電池パック」(発明の名称)に関して、次の技術事項が記載されている。なお、下線部は当審により付与したものである。 「【0023】 1.第1の実施の形態 <電池パックの構成> 図1および図2を参照して、この発明の第1の実施の形態による電池パックの構成について説明する。図1は、この発明の第1の実施の形態による電池パックの構成を示す分解斜視図である。図2は、この発明の第1の実施の形態による電池パックの外観を示す斜視図である。 【0024】 図1に示すように、この発明の第1の実施の形態による電池パックは、電池セル11と、回路基板12と、安全保護素子13と、タブ14と、回路基板12に接続されるコネクタ付きリード15と、ホルダ16とを有する。 【0025】 電池セル11と回路基板12とが安全保護素子13および/またはタブ14を介して接続され、さらに回路基板12に対して、コネクタ付きリード15が接続されている。そして、電池セル11と、回路基板12とコネクタ付きリード15等とが接続され一体とされた部品が、ホルダ16によって外装されて図2に外観を示す電池パックとされる。なお、以下では、説明の便宜上、電池セル11と、回路基板12と、コネクタ付きリード15等の部品とが接続され一体とされた部品をセルアッシーと称する。 【0026】 図2に示すように、この電池パックは、セルアッシーがホルダ16によって外装されている。セルアッシーがホルダ16によって外装された状態では、電池セル11の上面および下面の一部が露出した状態とされている。この電池パックは、例えば、電子機器等の内部の所定箇所に組み込まれたソフトパック型の電池パックである。 【0027】 ホルダ16の前側には、電子機器に接続される導通部材であるコネクタ付きリード15が延出されている。このコネクタ付きリード15は、ホルダ16に設けられた孔31eに挿通されている。この孔31eは、高い位置精度でコネクタ付きリード15の出し位置を定めるために設けられたものである。 【0028】 また、ホルダ16の前側には、コネクタ付きリード15に接続された回路基板12、および回路基板12に接続された安全保護素子13等の部品が、ホルダ16に外装された状態で固定されている。詳細は後述するが、回路基板12は、ホルダ16の回路基板ホルダに収容され、この回路基板ホルダによって外装された状態で、ホルダ16の前側に配置されている。 【0029】 以下、電池パックの構成について詳細に説明する。 <電池セル> 図3に示すように、電池セル11は、電池素子20と、電池素子20を外装するラミネートフィルム22と、電池素子20に接続された正極リード25aおよび負極リード25bとから構成される。 【0030】 図3Bに示すように、ラミネートフィルム22に設けられた収容部22aに電池素子20が収容された後、折り返し辺を除く3辺を熱融着等によって封止して、図3Aに示す外観の電池セル11とされる。 【0031】 なお、電池素子20がラミネートフィルム22に収容され、回路基板12に接続されていない状態のものを電池セル11と称する。また、図3Aの斜線に示す、正極リード25aおよび負極リード25bを介して、ラミネートフィルム22が封止される部分を、テラス部22bと称する。」 「【0043】 <回路基板> 回路基板12には、充放電FET(Field Effect Transistor)や電池セル11の監視と充放電制御FETの制御を行うIC(Integrated Circuit)を含む保護回路、電池パックを識別するためのID抵抗、外部と接続するためのコネクタ等がマウントされている。」 「【0046】 <ホルダ> ホルダ16は、セルアッシーを外装することによって、セルアッシーを固定および保持する外装部材である。図5に示すように、ホルダ16は電池セル11を固定および保持するセルホルダ31と、回路基板12を固定および保持する回路基板ホルダ32とを有する。また、回路基板ホルダ32は、回路基板12が載置され収められる回路基板載置部33と、回路基板載置部33に上方から組み合わされるホルダカバー34とを有する。セルホルダ31と、回路基板ホルダ32とは一体的に成形された樹脂成形品である。」 「【0048】 <セルホルダ31> セルホルダ31の上面および下面と、3つ側面とで、電池セル11を収容することができる程度の空間を形成している。セルホルダ31の上面は、例えば図3に示す電池セル11の収容部22aの上面とほぼ同じ形状および面積を有する長方形が、この長方形を縮小した相似形によって、中抜きされた形状とされ、枠形の面31aを形成している。 【0049】 また、セルホルダ31の下面は、例えば電池セル11の下面とほぼ同じ形状および面積を有する長方形が、電池セル11の収容部22aの上面の長方形を縮小した相似形によって、中抜きされた形状とされ、枠形の面31bを形成している。」 「【0077】 <リード等接続工程> 電池セル11の正極リード25aおよび負極リード25bを、タブ14および/または安全保護素子13を介して回路基板12に接続する。また、さらにコネクタ付きリード15を回路基板12の所定箇所に接続する。これにより、電池セル11と、回路基板12等との部品が接続されて一体となったセルアッシー得られる。なお、各部品同士の接続は、例えば熱溶接、超音波溶接などによって行う。 【0078】 <セルアッシー組み入れ工程> 次に、セルアッシーをホルダ16に組み入れる。セルアッシー組み入れ工程の説明では、まず、セルアッシー組み入れ工程の簡単な流れを、図8A~図8Cを参照して説明する。次に、セルアッシー組み入れ工程のより詳細な説明を、図9および図10を参照して説明する。 【0079】 まず、図8Aに示すように、セルホルダ31に電池セル11が収容され、回路基板ホルダ32の回路基板載置部33に回路基板12が載置された状態とされる。次に、図8Bに示すように、図8Aに示す状態のホルダカバー34を矢印Pに示すように折り曲げ、ホルダカバー34を、回路基板載置部33の上方から回路基板載置部33に組み合わせる。 【0080】 このとき、上述のように、ホルダカバー34に設けられた突起部34f~34iと、それぞれ回路基板載置部33に設けられた孔33f~33iとが係合する。このスナップフィット構造によって、回路基板載置部33とホルダカバー34との組み合わせ状態が固定および保持される。 【0081】 なお、後述するが、ホルダカバー34には、所定の位置にヒンジ部(図8では図示省略)が設けられており、ホルダカバー34の折り曲げを円滑且つ正確に行うことができる。 【0082】 次に、図8Cに示すように、図8Bに示す状態の回路基板ホルダ32を矢印Qに示すように折り曲げることによって、図8に示す状態の回路基板ホルダ32をセルホルダ31の前側の端部の空間に配置する。 【0083】 このセルホルダ31の端部の前側の空間は、電池セル11のテラス部22bの上方の空間である。より具体的には、セルホルダ31の端部の空間は、電池セル11がセルホルダ31に組み入れられた状態において、電池セル11のテラス部22bの面と、電池セル11の収容部22aの端面と、電池セル11の2つの側面とで形成された空間である。 【0084】 このとき、回路基板載置部33に設けられた突起部33j~33kと、ホルダ16に設けられた孔33c~33dとがそれぞれ係合し、スナップフィット構造によって、図8Cに示す配置状態が固定および保持される。以上により、ホルダ16にセルアッシーが組み入れられ、この発明の第1の実施の形態による電池パックが得られる。 【0085】 <セルアッシー組み入れ工程の詳細> 図9および図10を参照して、セルアッシー組み入れ工程の詳細を説明する。図9A~図9C、および図10A~図10Cは、セルアッシー組み入れ工程の各工程を説明するための断面図である。 【0086】 なお、図9Aは図8Aに示す状態に対応する。図9Cは図8Bに示す状態に対応する。図10Cは図8Cに示す状態に対応する。図9Bは、図9Aに示す状態から、図9Cに示す状態の途中の状態を新たに示す。図10Aおよび図10Bは、図9Cに示す状態から図10Cに示す状態の途中の状態を新たに示す。 【0087】 図9Aに示すように、ホルダ16には、所定の折り曲げ位置に対応した位置にヒンジ部41a~41dが設けられている。なお、以下では、ヒンジ部41a~41dを総称する場合は、ヒンジ部41と称する。 【0088】 ヒンジ部41は、図11に示すように、ホルダ16の幅方向に沿って設けられた断面V字状の溝であり、溝の底からホルダ16の内面までの厚さtは、例えば0.2mm程度に選ばれる。このヒンジ部41によって、ホルダ16の折り曲げを円滑且つ正確に行うことができる。 【0089】 まず、図9Aに示す状態において、ヒンジ部41bを折り曲げることによって、図9Bに示す状態とされる。次に、図9Bに示す状態において、ヒンジ部41aを折り曲げることによって、図9Cに示す状態とされる。図9Cに示す状態は、図8Bに示す状態に対応する。 【0090】 次に、図9Cに示す状態において、ヒンジ部41dを折り曲げることによって、図10Aに示す状態とされる。次に、図10Aに示す状態において、ヒンジ部41eを折り曲げることによって、図10Bに示す状態とされる。図10Bに示す状態において、上方に延びたコネクタ付き付きリード15を矢印Rに示す方向に、折り曲げることによって、図10Cに示す状態とされる。以上により、セルアッシーがホルダ16に組み入れられ、この発明の第1の実施の形態による電池パックが得られる。」 「【0099】 <電池パックの効果> この発明の第1の実施の形態による電池パックでは、電池セル11のテラス部22b上方に配置される回路基板ホルダ32によって、高い位置精度で回路基板12を所定の位置に配置することができる。さらに、回路基板ホルダ32はスナップフィット構造でセルホルダ31に固定されるため、回路基板12の配置を安定して保持することができる。」 「 」 「 」 「 」 「 」 「 」 「 」 「 」 2.引用発明 引用例の上記記載事項から、次のことがいえる。 電池セル11の正極リード25aおよび負極リード25bは、タブ14および/または安全保護素子13を介して回路基板12に接続される(【0077】)から、回路基板12が、電池セル11の正極リード、負極リードと接続するための接続部と称すべき部分(これらの接続部を、その機能によって、以下、それぞれ、「正極リード接続部」、「負極リード接続部」という。)を有していることは自明である。 また、回路基板12には、充放電制御等を行う保護回路がマウントされている(【0043】)。 したがって、引用例には、「電池セル11の負極リード25b及び正極リード25aとそれぞれ接続される負極リード接続部及び正極リード接続部を有する、保護回路がマウントされた回路基板12」が記載されているといえる。 また、「前記回路基板12は、前記負極リード接続部及び正極リード接続部を介して前記電池セル11の負極リード25b及び正極リード25aと接続」されているといえる。 引用例では、電池セル11と、回路基板12と、コネクタ付きリード15等の部品とが接続され一体とされた部品をセルアッシーと称し(【0025】)、セルアッシーがホルダ16によって外装されている(【0026】)。すなわち、セルアッシーに含まれる回路基板12及び電池セル11は、ホルダ16により外周面を包まれているといえる。この「回路基板12及び電池セル11が、ホルダ16により外周面を包まれていること」は、【図8】~【図10】、【0078】~【0090】に記載されたセルアッシー組み入れ工程により、最終的に、【図8】C、【図10】Cのように、回路基板12及び電池セル11が、ホルダ16により外装されることとなることからも明らかである。そして、上記ホルダ16は、【0048】、【0049】によれば、上面と下面が中抜きされており、その3つの側面と中抜きされた当該上面と下面によって、電池セル11の外周面を包んでいるものであるから、【図1】及び【図5】も参照すると、ホルダ16は枠形形状であるといえる。 したがって、引用例には、「回路基板12及び電池セル11の外周面を包む枠形形状のホルダ16」が記載されているといえる。 回路基板ホルダ32は、回路基板12を固定および保持するもの(【0046】)であって、電池セル11のテラス部22b上方に配置されるもの(【0099】)であるから、回路基板12は、テラス部22b上に搭載されるといえる。また、テラス部22bは、【図3】を参照すると、Aの斜線に示す、正極リード25aおよび負極リード25bを介してラミネートフィルム22が封止される部分(【0031】)であって、電池セル11の一面に形成されたものといえる。 したがって、「回路基板12」は、「前記電池セル11の一面に形成された、正極リード25aおよび負極リード25bを介してラミネートフィルム22が封止される部分である、テラス部22b上に搭載される」といえる。 以上のことから、引用例に記載された発明を、本願発明の記載振りに則して整理して記載すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されているものと認められる。 [引用発明] 「電池セル11の負極リード25b及び正極リード25aとそれぞれ接続される負極リード接続部及び正極リード接続部を有する、保護回路がマウントされた回路基板12と、 前記回路基板12及び電池セル11の外周面を包む枠形形状のホルダ16と、 を備え、 前記回路基板12は、前記負極リード接続部及び正極リード接続部を介して前記電池セル11の負極リード25b及び正極リード25aと接続し、前記電池セル11の一面に形成された、正極リード25aおよび負極リード25bを介してラミネートフィルム22が封止される部分である、テラス部22b上に搭載される、回路基板12とホルダ16。」 第4 対比・判断 本願発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「負極リード25b」、「正極リード25a」、「負極リード接続部」、「正極リード接続部」、「保護回路がマウントされた回路基板12」は、それぞれ、本願発明の「負極端子」、「正極端子」、「負極端子接続部」、「正極端子接続部」、「保護回路基板」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明とは、「電池セルの負極端子及び正極端子とそれぞれ接続される負極端子接続部及び正極端子接続部を有する保護回路基板」を備える点で一致する。 引用発明の「ホルダ16」は、回路基板12及び電池セル11の外周面を包むもので枠形形状であり、「フレーム」といい得るものであるから、本願発明の「フレーム」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明とは、「保護回路基板及び電池セルの外周面を包むフレーム」を備える点で一致する。 引用発明の「テラス部22b」は、回路基板12が搭載され、正極リード25aおよび負極リード25bを介してラミネートフィルム22が封止される部分であるから、本願発明の「密封剰余部」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明とは、「前記保護回路基板は、前記負極端子接続部及び正極端子接続部を介して前記電池セルの負極端子及び正極端子と接続し、前記電池セルの一面に形成された密封剰余部上に搭載される」点で一致する。 本願発明の「保護回路モジュール」は、「(複数の部品の複合体である)負極端子接続部及び正極端子接続部を有する保護回路基板」と、「フレーム」とを備えるものである。 引用発明の「回路基板12とホルダ16」は、「(複数の部品の複合体である)負極リード接続部及び正極リード接続部を有する、保護回路がマウントされた回路基板12」と、「ホルダ16」である。 したがって、引用発明の「回路基板12とホルダ16」と、本願発明の「保護回路モジュール」は、いずれも「保護回路モジュール」である点で一致する。 よって、本願発明と引用発明とは、全ての発明特定事項で一致し、両者に相違点は存在しないから、本願発明は、引用例に記載された発明である。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2016-000893

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