特許拒絶査定不服審判
2023-016365
電解液用添加剤、電解液、及びリチウム電池
- 審判番号
- 2023-016365
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-133521
- 請求日
- 2023年09月28日
- 審決日
- 2024年07月08日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】奥野製薬工業株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 【請求人】国立大学法人京都大学
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 【請求人】国立大学法人大阪大学
- 【請求人代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 岩間 直純
- 審判官 井上 信一
- 審判官 須原 宏光
- 分類
- P18 .113-Z (H01M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 行政事件訴訟法46条特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-133521「電解液用添加剤、電解液、及びリチウム電池」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 2月15日出願公開、特開2021- 18911〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1.手続の経緯
本願は、令和1年7月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年1月26日付け:拒絶理由通知
令和5年3月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年6月26日付け:拒絶査定(原査定)
令和5年9月28日 :審判請求書の提出
2.本願発明
本願の請求項1ないし11に係る発明は、令和5年3月30日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明及び請求項6に係る発明は、それぞれ次のとおりである。
「【請求項1】
一般式(1):
【化1】
[図:0001414005000001.jpg]
[式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物、及び一般式(2):
【化2】
[図:0001414005000002.jpg]
[式中、R3は同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1~3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物を含有する、リチウム電池用である電解液用添加剤。」
「【請求項6】
リチウム塩と、溶媒と、請求項1~3のいずれかに記載の電解液用添加剤、又は請求項4に記載の電解液用添加剤及び請求項5に記載の電解液用添加剤とを含有する、電解液。」
ここで、請求項6において、請求項1を引用する場合の発明(以下、「本願発明6」という。)について、これを独立形式の記載に書き下すと以下のとおりとなる。
「リチウム塩と、
溶媒と、
一般式(1):
【化1】
[図:0001414005000003.jpg]
[式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物、及び一般式(2):
【化2】
[図:0001414005000004.jpg]
[式中、R3は同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1~3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物を含有する、リチウム電池用である電解液用添加剤
とを含有する、電解液。」
3.原査定の拒絶の理由の概要
本願の請求項6(出願当初の請求項7)に対する原査定(令和5年6月26日付け拒絶査定)の拒絶の理由のうちの理由1(新規性)の概要は以下のとおりである。
この出願の請求項6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
記
引用文献1:特開2018-111860号公報
4.引用文献の記載及び引用発明
上記引用文献1(特開2018-111860号公報)には、「リチウムめっき液」について、以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
(1)「【請求項1】
リチウム含有電解質、ベース剤、レベリング剤及び溶媒を含有するリチウムめっき液であって、
前記ベース剤は、下記式(1)~(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種であり、
【化1】
[図:0001414005000005.jpg]
(式中、R1はH又はOHを示し、R2は炭素数0~7のアルキル基またはプロパギル基を示す。)
【化2】
[図:0001414005000006.jpg]
【化3】
[図:0001414005000007.jpg]
(式中、R3は、H、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
前記レベリング剤は、下記式(4)~(6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種である、
【化4】
[図:0001414005000008.jpg]
(式中、R4は、S、SO2又はC=Oを示し、R5は、H、OH、Cl、Br、I、CH3、又はNH2を示す。)
【化5】
[図:0001414005000009.jpg]
(式中、R6は、OH又はCH3を示し、nは、1又は2の整数を示す。)【化6】
[図:0001414005000010.jpg]
(式中、R7は、C又はNを示し、R8は、H、OH、CH3又はNH2を示す。)
ことを特徴とするリチウムめっき液。
・・・・(中 略)・・・・
【請求項3】
前記ベース剤は、2-プロピン-1-オール、1,4-ブチンジオール、アクリロニトリル及びダイアセトンアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載のリチウムめっき液。
【請求項4】
前記レベリング剤は、1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン、サッカリン、フタルイミド、2-ナフトール、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1-メチル-2-ナフトール、ベンズアミド及びニコチンアミドからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~3のいずれかに記載のリチウムめっき液。」
(2)「【0014】
1.リチウムめっき液
本発明のリチウムめっき液は、リチウム含有電解質、ベース剤、レベリング剤及び溶媒を含有するリチウムめっき液であって、上記ベース剤は、上記式(1)~(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記レベリング剤は、上記式(4)~(6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種である。本発明のリチウムめっき液は、ベース剤及びレベリング剤として特定の化合物を用いるので、リチウムめっき析出時にこれらの化合物がリチウムめっきの表面に吸着し、均一な皮膜を形成することができる。特に、ベース剤として上記特定の化合物を用いることにより析出するリチウムめっき皮膜を均一化することができ、レベリング剤として上記特定の化合物を用いることによりリチウムめっきの核が微細化されると推測される。したがって、本発明のめっき液を用いることにより、複雑な形状の素材にも均一にリチウムめっき皮膜を形成することができ、様々な素材形状に対応が可能である。
【0015】
(リチウム含有電解質)
リチウム含有電解質としては特に限定されず、従来公知の電解質を用いることができる。本発明のリチウムめっき液で用いられるリチウム含有電解質としては、本発明のリチウムめっき液が含有する溶媒に十分な溶解性を示し、好適な電導性を付与することができるリチウム含有電解質を好適に用いることができる。具体的には、塩化リチウム、フッ化リチウム等のハロゲン化リチウム;酸化リチウム;テトラフルオロホウ酸リチウム等のホウ素錯体のリチウム塩;ヘキサフルオロリン酸リチウム等のリン錯体のリチウム塩;ヘキサフルオロヒ酸リチウム等のヒ素錯体のリチウム塩;過塩素酸リチウム;リチウムトリフレート;リチウムイミド;リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[TFSI]);及び、それらの誘導体が挙げられる。これらの中でも、リチウムの樹枝状の結晶物の析出をより一層抑制することができる点で、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドがより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
・・・・(中 略)・・・・
【0017】
(ベース剤)
本発明のリチウムめっき液が含有するベース剤は、下記式(1)~(3)で表される化合物である。
・・・・(中 略)・・・・
【0024】
また、式(3)で表される化合物は、以下の化合物である。
【化9】
[図:0001414005000011.jpg]
【0025】
式(3)中、R3は、H、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。
【0026】
式(3)で表される化合物としては、具体的には、アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N’-エチレンビスアクリルアミド、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、N-ドデシルアクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド等が挙げられる。これらの中でも、リチウムの樹枝状の結晶物の析出をより一層抑制することができる点で、ダイアセトンアクリルアミドが好ましい。
・・・・(中 略)・・・・
【0031】
(レベリング剤)
本発明のリチウムめっき液が含有するレベリング剤は、下記式(4)~(6)で表される化合物である。
・・・・(中 略)・・・・
【0036】
式(5)で表される化合物は、以下の化合物である。
【0037】
【化11】
[図:0001414005000012.jpg]
【0038】
式(5)中、R6は、OH又はCH3を示す。また、式(5)中、nは、1又は2の整数を示す。
【0039】
式(5)で表される化合物としては、具体的には、1-ナフトール、2-ナフトール、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1-メチルナフタレン、2-メチルナフタレン、1,2-ジメチルナフタレン、1,3-ジメチルナフタレン、1,4-ジメチルナフタレン、1,5-ジメチルナフタレン、2,3-ジメチルナフタレン、2,6-ジメチルナフタレン、2,7-ジメチルナフタレン、2-メチル-1-ナフトール、3-メチル-1-ナフトール、4-メチル-1-ナフトール、5-メチル-1-ナフトール、6-メチル-1-ナフトール、7-メチル-1-ナフトール、1-メチル-2-ナフトール、1-メチル-3-ナフトール、1-メチル-6-ナフトール、1-メチル-7-ナフトール等が挙げられる。これらの中でも、リチウムの樹枝状の結晶物の析出をより一層抑制することができる点で、2-ナフトール、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1-メチル-2-ナフトールが好ましい。」
(3)「【0070】
4.電解質溶液
上記説明した組成の本発明のリチウムめっき液は、金属リチウム二次電池等の金属リチウム電池に用いられる電解質溶液としても使用することができる。通常、金属リチウム二次電池において、リチウムを電析させる際には電解質として非水電解液、固体電解質等が用いられる。金属リチウム二次電池では、電解質溶液に含まれる金属リチウムは負極表面にデンドライトとして析出する。金属リチウム二次電池では、析出したデンドライトは充放電を繰り返すことによって体積が膨張し、極間短絡を引き起こし電池機能喪失の原因となる。そこで、上記説明した組成の本発明のリチウムめっき液を電解質溶液として用いることにより、金属リチウム二次電池の負極表面への金属リチウムのデンドライトの析出が抑制され、充放電サイクル中のリチウムデンドライトの形成および核の成長を抑制することができる。このような電解質溶液は、金属リチウム二次電池用電解質溶液として好適である。」
(4)「【実施例】
【0071】
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
【0072】
(リチウムめっき液の調製)
表1~3に示す溶媒30mlに、リチウム含有電解質としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[TASI])を溶解させた。
【0073】
次いで、表1~3に示す配合によりベース剤及びレベリング剤を添加し、リチウムめっき液を調製した。
・・・・(中 略)・・・・
【0078】
【表1】
[図:0001414005000013.jpg]
」
上記(1)ないし(4)から以下のことがいえる。
・上記(3)の記載によれば、引用文献1に記載の「リチウムめっき液」は、充放電サイクル中のリチウムデンドライトの形成および核の成長を抑制することができることから、金属リチウム二次電池用の電解質溶液として好適であり、当該電解質溶液として使用することができるものである。
・そして、上記引用文献1に記載の「リチウムめっき液」は、上記(1)、(2)の記載によれば、リチウム含有電解質、式(1)~(3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種であるベース剤、式(4)~(6)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種であるレベリング剤及び溶媒を含有するものである。リチウム含有電解質としてはリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[TFSI])がより好ましく、ベース剤としては、特に式(3)で表される化合物ではダイアセトンアクリルアミドが好ましく、レベリング剤としては、特に式(5)で表される化合物では2-ナフトールなどが好ましいものである。
ここで、式(3)は、
[図:0001414005000014.jpg]
(式中、R3は、H、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)であり、
式(5)は、
[図:0001414005000015.jpg]
(式中、R6は、OH又はCH3を示し、nは、1又は2の整数を示す。)である。
・上記(4)の記載によれば、上記引用文献1に記載の「リチウムめっき液」は、実施例では、溶媒に、リチウム含有電解質としてリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[TFSI])を溶解させ、特に表1にれば、例えば実施例24ではベース剤として1,4-ブチンジオール(式(1)で表される化合物に該当)とダイアセトンアクリルアミド(式(3)で表される化合物)が添加され、レベリング剤として2-ナフトール(式(5)で表される化合物に該当)が添加されてなるものである。
以上のことから、「リチウムめっき液」を金属リチウム二次電池用の電解質溶液として使用する場合において、「リチウムめっき液」として実施例24に係るものに着目すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「リチウム含有電解質、ベース剤、レベリング剤及び溶媒を含有し、
前記リチウム含有電解質は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[TFSI])であり、
前記ベース剤として、1,4-ブチンジオールと下記式(3)で表される化合物であるダイアセトンアクリルアミドが添加され、
[図:0001414005000016.jpg]
(式中、R3は、H、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)
前記レベリング剤として、下記式(5)で表される化合物である2-ナフトールが添加されてなる、
[図:0001414005000017.jpg]
(式中、R6は、OH又はCH3を示し、nは、1又は2の整数を示す。)
リチウムめっき液を使用した金属リチウム二次電池用の電解質溶液。」
5.対比・判断
本願発明6と引用発明とを対比する。
(1)引用発明における「リチウム含有電解質」は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(Li[TFSI])であり、本願発明6でいう「リチウム塩」に相当する。
したがって、本願発明6と引用発明とは、「リチウム塩」を含有するものである点で一致する。
(2)引用発明における「溶媒」は、本願発明6でいう「溶媒」に相当する。
したがって、本願発明6と引用発明とは、「溶媒」を含有するものである点で一致する。
(3)引用発明における「ベース剤」としては、1,4-ブチンジオールと下記式(3)で表される化合物であるダイアセトンアクリルアミドが添加されてなるものであるところ、このうちの「下記式(3)
[図:0001414005000018.jpg]
(式中、R3は、H、又は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)で表される化合物であるダイアセトンアクリルアミド」は、本願発明6でいう「一般式(1):
[図:0001414005000019.jpg]
[式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]で表されるアミド化合物」に相当するものである。
また、引用発明における「レベリング剤」は、下記式(5)で表される化合物である2-ナフトールが添加されてなるものであり、かかる「下記式(5)
[図:0001414005000020.jpg]
(式中、R6は、OH又はCH3を示し、nは、1又は2の整数を示す。)で表される化合物である2-ナフトール」は、本願発明6でいう「一般式(2):
[図:0001414005000021.jpg]
[式中、R3は同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1~3の整数を示す。]で表される芳香族化合物」に相当するものである。
そして、これら「ベース剤」及び「レベリング剤」は、金属リチウム二次電池用の電解質溶液に使用するリチウムめっき液に添加されてなるものであることから、本願発明6でいう「リチウム電池用である電解液用添加剤」に相当するといえるものである。
したがって、本願発明6と引用発明とは、「一般式(1):
[図:0001414005000022.jpg]
[式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]で表されるアミド化合物、及び一般式(2):
[図:0001414005000023.jpg]
[式中、R3は同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1~3の整数を示す。]で表される芳香族化合物を含有する、リチウム電池用である電解液用添加剤」を含有するものである点で一致するといえる。
(4)そして、引用発明におけるリチウムめっき液を使用した金属リチウム二次電池用の「電解質溶液」は、上記(1)ないし(3)に記載したとおり、本願発明6でいうリチウム塩と、溶媒と、一般式(1)で表されるアミド化合物及び一般式(2)で表される芳香族化合物を含有するリチウム電池用である電解液用添加剤とを含有するといえるものであることから、本願発明6でいう「電解液」に相当するものである。
よって、本願発明6と引用発明とは、
「リチウム塩と、
溶媒と、
一般式(1):
[図:0001414005000024.jpg]
[式中、R1及びR2は同一又は異なって、水素原子又は置換されていてもよい炭化水素基を示す。]
で表されるアミド化合物、及び一般式(2):
[図:0001414005000025.jpg]
[式中、R3は同一又は異なって、ヒドロキシ基又はアルキル基を示す。nは1~3の整数を示す。]
で表される芳香族化合物を含有する、リチウム電池用である電解液用添加剤
とを含有する、電解液。」
である点で一致し、相違するところがない。
したがって、本願発明6は、引用文献1に記載された発明である。
6.審判請求人の主張について
審判請求人は審判請求書において上記理由1(新規性)に関して、次のように主張している。
引用文献1の実施例24~27の電解液は、「リチウムめっき液」であって、「リチウム電池用」電解液ではなく、段落0070に「上記説明した組成の本発明のリチウムめっき液は、金属リチウム二次電池等の金属リチウム電池に用いられる電解質溶液としても使用することができる。」と記載されているにしても、引用文献1のリチウムめっき液=リチウム電池用電解液と捉えることは妥当ではない(すなわち、新規性ではなく進歩性の問題として捉えることが自然である)旨主張している。
しかしながら、上記「4.」に記載したとおり、引用文献1に記載の「リチウムめっき液」は、引用文献1の段落【0070】に記載のように金属リチウム二次電池用の電解質溶液として好適であり、当該電解質溶液として使用することができるものであるところ、実施例24はそのような「リチウムめっき液」の一例といえるものであり、したがって、引用文献1には、実施例24に係る「リチウムめっき液」を使用した「金属リチウム二次電池用の電解質溶液」に係る発明が記載されているということができるものであるから、審判請求人の上記主張を採用することはできない。
7.むすび
以上のとおり、本願の請求項6に係る発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について検討するまでもなく拒絶すべきものである。
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2023-016365