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特許異議申立

2015-700142

遊技機

審判番号
2015-700142
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2012-236100外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2015年11月04日
審決日
2017年01月30日
公報発行日
2017年04月28日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条、特許法第29条第2項、特許法第126条第3項、特許法第126条第4項、特許法第113条第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第5715106号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第5715106号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正することを認める。 特許第5715106号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 【目次】 第1 手続の経緯 第2 訂正請求について 1 訂正の内容 2 訂正の適否 3 まとめ 第3 特許異議の申立について 1 本件訂正発明 2 特許異議申立理由の概要 (1)特許異議申立書の概要 (2)特許異議申立人の意見書の概要 3 取消理由(決定の予告)の概要 4 甲各号証の記載 (1)甲第1号証 (2)甲第2号証 (3)甲第3号証 5 当審の判断 (1)取消理由について ア 本件特許発明1について (ア)対比 (イ)判断 (ウ)まとめ イ 本件特許発明2について (ア)対比 (イ)判断 (ウ)まとめ ウ 特許異議申立人の意見について (2)特許異議申立理由について 第4 むすび 第1 手続の経緯 本件特許第5715106号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成24年10月25日に特許出願され、平成27年3月20日に特許の設定登録がされ、同年11月4日にその特許に対し、特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社により特許異議の申立てがなされ、平成28年1月20日付けで取消理由が通知され、特許権者である株式会社三共より同年3月11日付けで意見書及び訂正請求がなされ、これに対して、特許異議申立人より同年4月28日付けで意見書が提出され、同年7月4日付けで取消理由が通知され、特許権者より同年8月29日付けで意見書が提出され、これに対して、さらに、同年10月13日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、特許権者より同年12月14日付けで意見書及び訂正請求書がなされたものである。 第2 訂正請求について 1 訂正の内容 平成28年12月4日付け訂正請求による本件特許の訂正の内容は、次のとおりである。 (1)訂正事項1 請求項1の「遊技を行うことが可能な遊技機」という記載を、「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機」に訂正する(下線部は訂正箇所を示す。以下同様。)。 (2)訂正事項2 請求項1の「前記特定の制御命令を含むプログラムに従って判定処理を実行する」との記載を、「前記特定の制御命令を含むプログラムに従って判定処理を実行し、」に訂正するとともに、その記載の後に「前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と」という記載を追加する。 (3)訂正事項3 請求項1に「前記決定手段による決定前に、前記有利状態に制御されるか否かを判定する事前判定手段と」という記載、「前記事前判定手段の判定結果にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が開始される前に複数の可変表示において予告演出を実行する予告演出実行手段とを備え」という記載を追加する。 (4)訂正事項4 請求項1に「第1予告演出を実行するパターンと、当該第1予告演出よりも前記有利状態に制御される割合が高い第2予告演出を実行するパターンと、前記第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において前記第2予告演出を実行するパターンとのいずれかのパターンにより前記予告演出を実行可能であるとともに」という記載を追加する。 (5)訂正事項5 請求項1に「前記第1予告演出の演出態様は複数種類あり」という記載、及び、「該複数種類の演出態様のそれぞれによる前記第1予告演出は、同じ可変表示において実行可能であり」という記載を追加する。 (6)訂正事項6 請求項1に「前記第1予告演出の演出態様に応じて、前記第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において前記第2予告演出を実行するパターンにより前記予告演出が実行される割合が異なる」という記載を追加する。 (7)訂正事項7 願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の段落【0010】の「遊技を行うことが可能な遊技機」という記載を、「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機」に訂正する。 (8)訂正事項8 本件特許明細書の段落【0010】の「前記特定の制御命令を含むプログラムに従って判定処理を実行する」という記載を、前記特定の制御命令を含むプログラムに従って判定処理を実行し、」に訂正するとともに、その記載の後に「前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と」という記載を追加する。 (9)訂正事項9 本件特許明細書の段落【0010】に「決定手段による決定前に、有利状態に制御されるか否かを判定する事前判定手段と」という記載、「事前判定手段の判定結果にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が開始される前に複数の可変表示において予告演出を実行する予告演出実行手段とを備え」という記載を追加する。 (10)訂正事項10 本件特許明細書の段落【0010】に「第1予告演出を実行するパターンと、当該第1予告演出よりも有利状態に制御される割合が高い第2予告演出を実行するパターンと、第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において第2予告演出を実行するパターンとのいずれかのパターンにより予告演出を実行可能であるとともに」という記載を追加する。 (11)訂正事項11 本件特許明細書の段落【0010】に「第1予告演出の演出態様は複数種類あり」という記載、及び、「該複数種類の演出態様のそれぞれによる第1予告演出は、同じ可変表示において実行可能であり」という記載を追加する。 (12)訂正事項12 本件特許明細書の段落【0010】に「第1予告演出の演出態様に応じて、第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において第2予告演出を実行するパターンにより予告演出が実行される割合が異なる」という記載を追加する。 2 訂正の目的の適否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、遊技機により行われる遊技の内容が、「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御」することであることに特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に該当する。 そして、本件特許明細書において、遊技機が可変表示を行うことは、【0027】に記載され、遊技機が遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態)に制御されることは、【0043】、【0003】に記載されている。したがって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 さらに、訂正事項1により、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項2~6について 訂正事項2~6は、遊技機が、決定手段、事前判定手段、及び、予告演出実行手段とを備えることを特定するとともに、予告演出を実行するパターンについて特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 したがって、訂正事項2~6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に該当する。 そして、本件特許明細書において、遊技機が訂正事項2に係る決定手段を備えることは、【0372】に記載され、遊技機が訂正事項3に係る事前判定手段及び予告演出実行手段を備えることは、【0423】、【0438】に記載され、訂正事項4~6に係る予告演出を実行するパターンについては、【0438】、【0440】、【0441】、【0445】、【0448】、【0449】、【0454】、【0455】に記載されている。したがって、訂正事項2~6は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項2~6は、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 さらに、訂正事項2~6により、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項7~12について 訂正事項7~12は、訂正事項1~6に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るために、本件特許明細書の【0010】の記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 したがって、訂正事項7~12は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に該当する。 そして、訂正事項1~6は、上記(1)、(2)において検討したように、本件特許明細書等の記載に基づくものであり、本件特許明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項7~12も本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 したがって、訂正事項7~12は、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第5項の規定に適合する。 また、訂正事項7~12により、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、訂正事項7~12は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないから、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第6項の規定に適合する。 (4)一群の請求項について 訂正事項1~6は、請求項1を訂正するものである。そして、当該訂正後の請求項1の記載を、請求項2が直接的に引用しているから、当該訂正後の請求項1、2は、特許法施行規則第46条の2第2号に規定する関係を有する一群の請求項である。 したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第3項の規定に適合する。 そして、訂正事項7~12は、訂正事項1~6に伴って本件特許明細書の段落【0010】に記載されている請求項1に対応する部分について訂正するものであるから、当該訂正後の請求項1の記載を直接的に引用する請求項2を含めた一群の請求項1、2の全てに関係する。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第4項の規定に適合する。 (5)小括 訂正事項1~6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第3~6項の規定に適合するものである。 また、訂正事項7~12は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、特許法第120条の5第9項において準用する特許法第126条第3~6項の規定に適合するものである。 3 まとめ 上記1、2において検討したとおりであるから、訂正後の請求項〔1、2〕についての訂正を認める。 第3 特許異議の申立について 1 本件訂正発明 本件特許の訂正後の請求項1、2に係る発明(以下「本件訂正発明1、2」という。)は、その請求項1、2に記載された事項により特定される次のとおりのものである(当審にて請求項1を1A~1Pに分説し、請求項2を2A~2Dに分説した。)。 「【請求項1】 1A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 1B 遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータと、 1C 所定事象が発生したことにもとづいて第1リセットを発生させるか第2リセットを発生させるかを設定可能な設定手段と、 1D 固定値が設定される第1レジスタと、 1E データが設定される第2レジスタとを備え、 1F 前記第1リセットの発生後にはセキュリティチェックを実行する一 方、前記第2リセットの発生後にはセキュリティチェックを実行せず、 1G 前記遊技制御用マイクロコンピュータは、 1G1 制御命令に従って遊技の進行を制御する制御用CPUを含むとともに、 1G2 遊技機への電力供給が停止していても、遊技に関する制御を行う際に発生する制御情報を所定期間保持可能な記憶手段と、 1G3 所定の処理を実行可能な所定処理実行手段と、 1G4 前記所定の処理の実行中に前記所定事象が発生したときに前記記憶手段の記憶内容を初期化する初期化手段とを含み、 1H 前記制御用CPUは、 1H1 前記記憶手段によって保持される前記制御情報が記憶される記憶領域の先頭アドレスの上位バイトと同じ値が前記第1レジスタに固定値として設定されているときに、前記記憶領域から読み出したデータを前記第2レジスタに設定するための特定の制御命令を実行し、 1H2 前記特定の制御命令を含むプログラムに従って判定処理を実行し、 1J 前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、 1K 前記決定手段による決定前に、前記有利状態に制御されるか否かを判定する事前判定手段と、 1L 前記事前判定手段の判定結果にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が開始される前に複数の可変表示において予告演出を実行する予告演出実行手段とを備え、 1M 第1予告演出を実行するパターンと、当該第1予告演出よりも前記有利状態に制御される割合が高い第2予告演出を実行するパターンと、前記第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において前記第2予告演出を実行するパターンとのいずれかのパターンにより前記予告演出を実行可能であるとともに、 1N 前記第1予告演出の演出態様は複数種類あり、該複数種類の演出態様のそれぞれによる前記第1予告演出は、同じ可変表示において実行可能であり、 1O 前記第1予告演出の演出態様に応じて、前記第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において前記第2予告演出を実行するパターンにより前記予告演出が実行される割合が異なる 1P ことを特徴とする遊技機。 【請求項2】 2A 遊技制御用マイクロコンピュータは、ウオッチドッグタイマを含み、 2B 所定事象の発生には、前記ウオッチドッグタイマのタイムアウトが含まれ、 2C 設定手段は、 2C1 前記ウオッチドッグタイマを起動させるか否かを設定可能であり、 2C2 前記ウオッチドッグタイマを起動させないと設定する場合であっても、前記所定事象が発生したことにもとづいて第1リセットを発生させるか第2リセットを発生させるかを設定可能である 2D 請求項1記載の遊技機。」 2 特許異議申立理由の概要 (1)特許異議申立書の概要 異議申立人により、本件特許の請求項1、2に係る発明に対して、証拠として甲第1、2号証を提示し、特許法第29条第2項に係る特許異議の申立てがなされた。 (2)特許異議申立人の意見書の概要 特許異議申立人は、平成28年4月28日付け意見書において、平成28年3月11日付けで訂正請求に対し、証拠として甲第3号証を追加提示した。 3 取消理由(決定の予告)の概要 特許異議申立人による、上記平成28年4月28日付け意見書の提出を受け、当審により、平成28年10月13日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は次のとおりである。 請求項1、2に係る発明は、甲第1号証~甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、特許法第113条第2項に該当し、取り消されるべきものである。 4 甲各号証の記載 (1)甲第1号証 取消理由で通知した甲第1号証(特許第5024843号公報)の【0013】、【0030】、【0055】、【0056】、【0072】、【0074】~【0077】、【0080】、【0082】、【0084】、【0089】、【0099】、【0106】、【0107】、【0121】~【0128】、【0197】~【0199】、【0213】~【0217】、【0222】、【0251】、【0267】~【0279】、【0297】~【0301】、【0358】、【0410】~【0414】、【0436】、【0439】、【0493】、【0494】、【図3】、【図5】、【図9】、【図21】、【図24】、【図26】、【図27】、【図38】及び【図60】等には、次の発明(以下、「甲1発明」という。1a~1iは、本件特許の請求項1の分説(A~I)に対応させて、当審にて付与。以下同様。)が開示されていると認められる。 「1a 変動表示を行い、大当たり遊技状態に制御可能なパチンコ機100であって、 1b 主制御部メイン処理、かつ、主制御部タイマ割込み処理遊技からなる遊技の進行を制御する主制御部300と、 1c WDT3141がタイムアウトになった場合や、CPU304が所定の範囲以外のアドレスを参照(指定エリア外走行)した場合に、ユーザリセット動作を行わせるか、あるいはシステムリセット動作を行わせるかを、割込み制御回路3100の内部レジスタ3101に用意された第3内部情報レジスタに設定するROM306内のプログラム管理エリアと、 1de 内蔵レジスタとを備え、 1f システムリセット動作を実行する場合にはセキュリティチェック処理を実行し、ユーザリセット動作を実行する場合にはセキュリティチェック処理を実行せず、 1g 主制御部300は、 1g1 ROM306に予め記憶している制御プログラムに従って主制御部メイン処理を実行するの基本回路302のCPU304と、 1g2 特図1の保留数、特図1当選乱数、大当り用特図1乱数、小当り用特図1乱数、ハズレ用特図1乱数、特図1当否判定結果、特図1決定結果、特図1変動時間、およびこれらの、保留数や乱数や結果の特図2用のものがそれぞれが記憶され、外部からの電源が断たれた後も所定の期間(例えば10日間)電源が供給されるRAM308とを備え、 1g3 CPU304は、主制御部メイン処理及び主制御部タイマ割込み処理を実行し、 1g4 主制御部300のCPU304は、WDT3141がタイムアウトになった場合や、CPU304が所定の範囲以外のアドレスを参照(指定エリア外走行)した場合で、システムリセットまたはユーザーリセットがかかった場合に、主制御部メイン処理が実行され、主制御部メイン処理におけるステップS107では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(例えば、電源の遮断を検知した場合にサスペンドを示す情報に更新される電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合)には、RAM308の全ての記憶領域の初期化するRWMクリア処理を行う、 1j CPU304は、 停止図柄抽選処理を実行し、 1k  停止図柄抽選処理の前に、特図大当りに制御するか否かを抽選する処理を実行し、 1l  特図大当たりの判定結果と同じ結果を用いて先読み予告の実行可否抽選を行い、 1i 遊技機。」 (2)甲第2号証 取消理由で通知した甲第2号証(特許第4976569号公報)の段落【0001】、【0008】、【0040】、【0042】、【0056】、【0070】、【0086】、【0087】、【0256】、【0259】、【0263】、【0265】、【0268】、【0270】、【図6】、【図34】及び【図36】には、次の発明(以下、「甲2発明」という。2a、2b、2d、2e、2g、2g2、2h、2h1~2h2、2iは、本件特許の請求項1の分説(A~I)に対応させて、当審にて付与。以下同様。)が開示されていると認められる。 「2a 回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技機であって、 2b 遊技の進行(例えば、遊技者による操作の検出、遊技状態の遷移、遊技媒体の払出制御、当否判定など)を制御する主制御部300によって構成され、主制御部300が備える基本回路302が搭載するCPU304は、 2d RAMエリア(RWM領域)の先頭アドレス7E00Hの上位バイトである7EHを記憶するTレジスタ(特殊レジスタ)と、 2e データを記憶するAレジスタとを備え、 2g CPU304は、 2g2 一時的にデータを記憶するためのRAM308を搭載しており、外部からの電源が断たれた後もRAM308に所定の期間(例えば10日間)電源が供給され、 2h CPU304は、 2h1 特別図柄変動時間抽選処理において、「LDT A、(n:イミディエイト値)」命令(Tレジスタを上位、イミディエイト値を下位で示すアドレスのデータをAレジスタにロードする命令)により、RAMエリア(RWM領域)のアドレスに記憶された保留数を、Aレジスタに転送するものであり、Tレジスタに7EHを記憶しているため、「LDT A,(40H)」命令を実行した場合、Tレジスタ(7EH)を上位、イミディエイト値(40H)を下位で示すアドレス(7E40H)のデータ、すなわち保留数記憶領域に記憶された保留数がAレジスタにロード(転送)され、 2h2 Aレジスタの値に基づいて、キャリーが発生したか否か、すなわち減算の結果が負の値になったかどうかを判定する、 2i 遊技機。」 (3)甲第3号証 取消理由で通知した甲第3号証(特開2011-50616号公報)の【0078】~【0082】、【0106】、【0115】、【0116】、【図2】、【図5】には、次の発明(以下、「甲3発明」という。3h2は、本件特許の請求項1の分説(H)に対応させて、当審にて付与。以下同様。)が開示されていると認められる。 「3h2 大当たりとするか否かを決定(【0078】~【0082】、【図2】)するとともに、始動入賞口14a、14bに遊技球が入賞したときに表示制御用CPUに先読み予告の態様を決定するためのコマンドを送信(【0106】、【図2】)するCPU56と、先読み予告を実行する表示制御用CPU(【0106】、【図2】)とを備え、 保留記憶数が2以上の場合に選択され得るアイコンの表示態様には、「?」、「→?」、「!」、「→!」、「?→!」、「→?→!」があり(【0115】、【0116】、【図5】)、 アイコンの表示態様の「?」、「!」は、始動入賞時から?または!が表示され、 アイコンの表示態様の「→?」、「→!」は、始動入賞時は通常の表示がされるが同じ始動入賞口についての先の始動入賞に対応した保留記憶に基づいて新たな変動表示が開始されるときに?または!の表示に変化するものであり、 アイコンの表示態様の「?→!」は、始動入賞時は?の表示がされるが当該始動入賞の保留記憶に対応したアイコンが最も左側に表示されるときに!の表示に変化し、 アイコンの表示態様の「→?→!」は、始動入賞時は通常の表示がされるが同じ始動入賞口についての先の始動入賞に対応した保留記憶に基づいて新たな変動表示が開始されるときに?の表示に変化し、さらに当該始動入賞の保留記憶に対応したアイコンが最も左側に表示されるときに!の表示に変化するものであり、 アイコンの表示態様の「?」、「→?」、「!」、「→!」、「?→!」、「→?→!」の選択割合は、それぞれが、A1、A3、A4、A6、A7、A8であり、 最終的に?が表示されるときよりも!が表示されるときのアイコンの表示態様の方が、大当たりとなることに対する予告の信頼度が高い(【0123】)遊技機。」 5 判断 (1)取消理由について ア 本件特許発明1について (ア)対比 本件訂正発明1と甲1発明とを対比する。 (1-a)甲1発明の「1a 変動表示を行い、大当たり遊技状態に制御可能なパチンコ機100」は、可変表示を行うと共に、遊技者に有利な大当り遊技状態に制御可能であるものであるから、本件訂正発明1の「1A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機」に相当する。 (1-b)甲1発明の「1b 主制御部メイン処理、かつ、主制御部タイマ割込み処理遊技からなる遊技の進行を制御する主制御部300」は、本件訂正発明1の「1B 遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ」に相当する。 (1-c)甲1発明の「WDT3141がタイムアウトになった場合や、CPU304が所定の範囲以外のアドレスを参照(指定エリア外走行)した場合」、「ユーザリセット動作」及び「システムリセット動作」は、それぞれ、本件訂正発明1の「所定の事象」、「第1リセット」及び「第2リセット」に相当する。 そうすると、甲1発明の「1c WDT3141がタイムアウトになった場合や、CPU304が所定の範囲以外のアドレスを参照(指定エリア外走行)した場合に、ユーザリセット動作を行わせるか、あるいはシステムリセット動作を行わせるかを割込み制御回路3100の内部レジスタ3101に用意された第3内部情報レジスタに設定するROM306内のプログラム管理エリア」は、本件訂正発明1の「所定事象が発生したことにもとづいて第1リセットを発生させるか第2リセットを発生させるかを設定可能な設定手段」に相当する。 (1-de)甲1発明の「1de 内蔵レジスタ」は、なんらかの情報を記憶するレジスタであるから、本件訂正発明1と「情報が設定されるレジスタ」に相当する構成を有する点で共通する。 (1-f)甲1発明の「セキュリティチェック処理」は、本件訂正発明1の「セキュリティチェック」に相当する。 そして、(1-c)で検討した事項も併せて考慮すると、甲1発明の「1f システムリセット動作を実行する場合にはセキュリティチェック処理を実行し、ユーザリセット動作を実行する場合にはセキュリティチェック処理を実行」しないことは、本件訂正発明1の「1F 前記第1リセットの発生後にはセキュリティチェックを実行する一方、前記第2リセットの発生後にはセキュリティチェックを実行」しないことに相当する。 (1-g)(1-b)で検討したように、甲1発明の「1g 主制御部300」は、本件訂正発明1の「1G 前記遊技制御用マイクロコンピュータ」に相当する。 (1-g1)(1-b)で検討したように、甲1発明において、「主制御部メイン処理」は、遊技の進行を制御するものであるから、甲1発明の「1g1 ROM306に予め記憶している制御プログラムに従って主制御部メイン処理を実行するの基本回路302のCPU304」は、本件訂正発明1の「1G1 制御命令に従って遊技の進行を制御する制御用CPU」に相当する。 (1-g2)甲1発明の「特図1の保留数、特図1当選乱数、大当り用特図1乱数、小当り用特図1乱数、ハズレ用特図1乱数、特図1当否判定結果、特図1決定結果、特図1変動時間、およびこれらの、保留数や乱数や結果の特図2用のもの」は、パチンコ遊技に関する抽選処理の制御を行う際に発生する情報であるから、甲1発明の「1g2 特図1の保留数、特図1当選乱数、大当り用特図1乱数、小当り用特図1乱数、ハズレ用特図1乱数、特図1当否判定結果、特図1決定結果、特図1変動時間、およびこれらの、保留数や乱数や結果の特図2用のものがそれぞれが記憶され、外部からの電源が断たれた後も所定の期間(例えば10日間)電源が供給されるRAM308」は、本件訂正発明1の「1G2 遊技機への電力供給が停止していても、遊技に関する制御を行う際に発生する制御情報を所定期間保持可能な記憶手段」に相当する。 (1-g3)甲1発明の1g3における「主制御部メイン処理及び主制御部タイマ割込み処理」は、本件訂正発明1の「所定の処理」に相当する。 そうすると、甲1発明の「主制御部メイン処理及び主制御部タイマ割込み処理」を実行する「主制御部300のCPU304」は、本件訂正発明1の「所定の処理を実行可能な所定処理実行手段」に相当する。 (1-g4)甲1発明の1g4における「WDT3141がタイムアウトになった場合や、CPU304が所定の範囲以外のアドレスを参照(指定エリア外走行)した場合で、システムリセットまたはユーザーリセットがかかった場合に、主制御部メイン処理が実行され、主制御部メイン処理におけるステップS107では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(例えば、電源の遮断を検知した場合にサスペンドを示す情報に更新される電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合)には、RAM308の全ての記憶領域の初期化するRWMクリア処理を行う」ことについて、検討する。 甲1発明において、「WDT3141がタイムアウトになった場合や、CPU304が所定の範囲以外のアドレスを参照(指定エリア外走行)した場合」が、「主制御部メイン処理及び主制御部タイマ割込み処理」中に発生したときは、電源の遮断を検知した場合には当たらないので、電源ステータス情報がサスペンドを示す情報でなく、電断前の状態に復帰しない場合となり、「RAM308の全ての記憶領域の初期化するRWMクリア処理」が行われるものといえる。 そうすると、甲1発明は、本件訂正発明1の「1G4 前記所定の処理の実行中に前記所定事象が発生したときに前記記憶手段の記憶内容を初期化する初期化手段」に相当する構成を備えているといえる。 (1-j)甲1発明の1jにおける「停止図柄抽選処理を実行」する「CPU304」は、本件訂正発明1の「有利状態に制御するか否かを決定する決定手段」としての機能を有するものである。 (1-k)甲1発明の1kにおける「停止図柄抽選処理の前に、特図大当りに制御するか否かを抽選する処理を実行」する「CPU304」は、本件訂正発明1の「決定手段による決定前に、有利状態に制御されるか否かを判定する事前判定手段」としての機能を有するものである。 (1-l)甲1発明の1lにおける「特図大当たりの判定結果と同じ結果を用いて先読み予告の実行可否抽選を行」う「CPU304」は、本件訂正発明1の「事前判定手段の判定結果にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が開始される前に予告演出を実行する予告演出実行手段」としての機能を有するものである。 上記(1-a)~(1-l)から、本件訂正発明1と甲1発明とを比較すると、両者は、 [一致点] 「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータと、 所定事象が発生したことにもとづいて第1リセットを発生させるか第2リセットを発生させるかを設定可能な設定手段と、 情報が設定されるレジスタと 前記第1リセットの発生後にはセキュリティチェックを実行する一方、前記第2リセットの発生後にはセキュリティチェックを実行せず、 前記遊技制御用マイクロコンピュータは、 制御命令に従って遊技の進行を制御する制御用CPUを含むとともに、  遊技機への電力供給が停止していても、遊技に関する制御を行う際に発生する制御情報を所定期間保持可能な記憶手段と、 所定の処理を実行可能な所定処理実行手段と、 前記所定の処理の実行中に前記所定事象が発生したときに前記記憶手段の記憶内容を初期化する初期化手段とを含み、 前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、 前記決定手段による決定前に、前記有利状態に制御されるか否かを判定する事前判定手段と、 前記事前判定手段の判定結果にもとづいて、当該判定の対象となった可変表示が開始される前に予告演出を実行する予告演出実行手段とを備え、 た遊技機。」 である点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点1] 情報が設定されるレジスタが、本件訂正発明1では、「1D 固定値が設定される第1レジスタ」及び「1E データが設定される第2レジスタ」によって構成されるのに対して、甲1発明では、そのような特定がなされていない点。 [相違点2] 本件訂正発明1では、「1H 前記制御用CPU」は、「1H1 前記記憶手段によって保持される前記制御情報が記憶される記憶領域の先頭アドレスの上位バイトと同じ値が前記第1レジスタに固定値として設定されているときに、前記記憶領域から読み出したデータを前記第2レジスタに設定するための特定の制御命令を実行」するのに対して、甲1発明では、そのような構成を備えていない点。 [相違点3] 本件訂正発明1では、「1H 前記制御用CPU」は、「1H2 前記特定の制御命令を含むプログラムに従って判定処理を実行し」、「1M 第1予告演出を実行するパターンと、当該第1予告演出よりも前記有利状態に制御される割合が高い第2予告演出を実行するパターンと、前記第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において前記第2予告演出を実行するパターンとのいずれかのパターンにより前記予告演出を実行可能であるとともに」、「1N 前記第1予告演出の演出態様は複数種類あり、該複数種類の演出態様のそれぞれによる前記第1予告演出は、同じ可変表示において実行可能であり」、「1O 前記第1予告演出の演出態様に応じて、前記第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において前記第2予告演出を実行するパターンにより前記予告演出が実行される割合が異なる」のに対して、甲1発明では、そのような構成を備えていない点。 (イ)判断 a 相違点1、2について 相違点1、2は、いずれも、制御用CPUが、記憶領域から読み出したデータを第2レジスタに設定する処理を行う際の無駄を削除するための技術として関連するものなので、まとめて検討する。 甲2発明は、「2d RAMエリア(RWM領域)の先頭アドレス7E00Hの上位バイトである7EHを記憶するTレジスタ(特殊レジスタ)」と、「2e データを記憶するAレジスタ」とを備えており、「RAMエリア(RWM領域)の先頭アドレス7E00Hの上位バイトである7EH」は、特定の固定値である。そうすると、甲2発明は、本件特許発明1の構成1D及び1Eと同様に、「1D 固定値が設定される第1レジスタ」と「1E データが設定される第2レジスタ」という構成を備えるものといえる。 また、甲2発明は、外部からの電源が断たれた後もRAM308に所定の期間(例えば10日間)電源が供給される「2g2 一時的にデータを記憶するためのRAM308」を備え、「2h CPU304」が、「2h1 特別図柄変動時間抽選処理において、「LDT A、(n:イミディエイト値)」命令(Tレジスタを上位、イミディエイト値を下位で示すアドレスのデータをAレジスタにロードする命令)により、RAMエリア(RWM領域)のアドレスに記憶された保留数を、Aレジスタに転送するものであり、Tレジスタに7EHを記憶しているため、「LDT A,(40H)」命令を実行した場合、Tレジスタ(7EH)を上位、イミディエイト値(40H)を下位で示すアドレス(7E40H)のデータ、すなわち保留数記憶領域に記憶された保留数がAレジスタにロード(転送)され」るものである。そして、(1-g2)で検討したように、「RAMエリア(RWM領域)のアドレスに記憶された保留数」は、パチンコ遊技に関する抽選処理の制御を行う際に発生する情報であり、上述したように、「Tレジスタ」と「Aレジスタ」とは、それぞれ、「第1レジスタ」と「第2レジスタ」に相当する。そうすると、甲2発明は、本件特許発明1の構成1H及び1H1と同様に、「1H 前記制御用CPU」が、「1H1 前記記憶手段によって保持される前記制御情報が記憶される記憶領域の先頭アドレスの上位バイトと同じ値が前記第1レジスタに固定値として設定されているときに、前記記憶領域から読み出したデータを前記第2レジスタに設定するための特定の制御命令を実行」する構成を備えるものといえる。 そして、甲1、2発明は、パチンコ機等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機である遊技機という同一の技術分野に属し、安定した遊技制御をおこなうことができる遊技台を提供するという同一の課題を解決するものであるから、甲1発明に甲2発明を適用する動機付けはあるといえる。 したがって、甲1発明の「情報が設定されるレジスタ」に甲2発明の「Tレジスタ」と「Aレジスタ」を適用し、上記相違点1、2に係る本件訂正発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。 b 相違点3について 本件訂正発明1は、構成1Lの「予告演出実行手段」を備えることにより、「複数の可変表示において予告演出を実行する」ものであり、そして、構成1Mを備えることにより、「第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において第2予告演出を実行するパターン」「により予告演出を実行可能」であり、また、構成1Nを備えることにより、「第1予告演出の演出態様は複数種類あり、該複数種類の演出態様のそれぞれによる第1予告演出は、同じ可変表示において実行可能」であり、さらに、構成1Oを備えることにより、「第1予告演出の演出態様に応じて、第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において第2予告演出を実行するパターンにより予告演出が実行される割合が異なる」ものである。 b1 本件訂正発明1の構成1H、1H2について 甲2発明は、「2h CPU304」が、「2h2 Aレジスタの値に基づいて、キャリーが発生したか否か、すなわち減算の結果が負の値になったかどうかを判定する」ものであり、当該判定処理を含む様々な判定処理は「特別図柄変動時間抽選処理」を行う一連のプログラムに従って実行されることは明らかである。そうすると、甲2発明は、本件訂正発明1の「1H 前記制御用CPU」が、「1H2 前記特定の制御命令を含むプログラムに従って判定処理を実行」する構成を備えるものといえる。 b2 本件訂正発明1の構成1Mについて 甲3発明のアイコンの表示態様の「?」は、始動入賞時から?が表示され、アイコンの表示態様の「→?」は、始動入賞時は通常の表示がされるが同じ始動入賞口についての先の始動入賞に対応した保留記憶に基づいて新たな変動表示が開始されるときに?の表示に変化するものである。 また、甲3発明のアイコンの表示態様の「!」は、始動入賞時から!が表示され、アイコンの表示態様の「→!」は、始動入賞時は通常の表示がされるが同じ始動入賞口についての先の始動入賞に対応した保留記憶に基づいて新たな変動表示が開始されるときに!の表示に変化するものである。 さらに、甲3発明において、「最終的に?が表示されるときよりも!が表示されるときのアイコンの表示態様の方が、大当たりとなることに対する予告の信頼度が高い」いものである。 そして、甲3発明の(アイコンの表示態様の「?」、「→?」)、(アイコンの表示態様の「!」、「→!」)、(アイコンの表示態様の「?→!」、「→?→!」)は、それぞれ、別の表示態様であり、本件訂正発明1の「第1予告演出を実行するパターン」、「第1予告演出よりも有利状態に制御される割合が高い第2予告演出を実行するパターン」、「第1予告演出を実行した後に前記第2予告演出を実行するパターン」に相当する。 したがって、甲3発明の「保留記憶数が2以上の場合に選択され得るアイコンの表示態様」を「「?」、「→?」、「!」、「→!」、「?→!」、「→?→!」」とする構成は、本件訂正発明1の構成1Mに相当する。 b3 本件訂正発明1の構成1N、1Oについて 甲第3号証には、アイコンの表示態様の「?→!」についての大当たり時の選択割合A7、ハズレ時の選択割合B7と、アイコンの表示態様の「→?→!」についての大当たり時の選択割合A8、ハズレ時の選択割合B8とに関して、【0119】に「A5=A6+A7+A8」であり、「B5=B6+B7+B8」であることが記載されているのみで、A7とA8の値、B7とB8の値が、それぞれ、同じ値であるとも、異なる値であるとも記載されていない。 そして、異なる記号のものは同じ値であることを説明する旨の記載がない限り、異なる値であると考えられるから、A7、A8、若しくは、B7、B8と記号が異なる場合には、それぞれ、その記号に対応する選択割合は、通常は異なるものと解するのが自然である。 そうすると、甲3発明の第2予告演出!に変化する前の?、→?は、異なる演出態様であること、かつ、「第1予告演出を実行した後に第2予告演出を実行するパターン」である「?→!」と「→?→!」とは、異なる選択割合で実行されるものであるといえる。 しかしながら、甲3発明の、本件訂正発明1の「第1予告演出を実行するパターン」に相当する「?」、「→?」は、「?」において?は、始動入賞時から表示されるのに対し、「→?」において?は、始動入賞時による変動表示後に新たな変動表示が開始されるときから表示されるものである。そうすると、「?」と「→?」とは、「?」が同じ変動表示において実行されるものではないと共に、同じ変動表示において実行されるのは、「?」の1種類の態様しか存在しないことになる。 したがって、甲3発明の「?」と「→?」は、本件訂正発明1の構成1Nの「第1予告演出の演出態様は複数種類あり、該複数種類の演出態様のそれぞれによる第1予告演出は、同じ可変表示において実行可能であ」る点を満たすものではない。 さらに、本件訂正発明1の構成1Oは、「第1予告演出の演出態様に応じて、第1予告演出を実行し該第1予告演出を実行した後の可変表示において第2予告演出を実行するパターンにより予告演出が実行される割合が異なる」と特定されているように、第1予告演出に演出態様が複数種類あることを特定する本件訂正発明1の構成1Nを有することを前提とするものであるから、甲3発明は、本件訂正発明1の構成1Oを満たさない。 そして、本件訂正発明1は、構成1N、1Oを備えることにより、「信頼度が低い第1予告演出が実行されても、第1予告演出の演出態様によっては、その後に信頼度が高い第2予告演出が実行されることを遊技者に期待させることができるという」という本件特許明細書に記載された格別の効果を奏するものである。 b4 小括 上記b1~b4において検討したことからみて、甲1発明に甲3発明を適用してみても、上記相違点3に係る本件訂正発明1の構成に到達することはできない。 (ウ)まとめ 上記(イ)において検討したように、本件訂正発明1は、甲1発明~甲3発明に基づいて当業者が容易になし得たものではない。 よって、特許異議申立人が提出した証拠によっては、本件訂正発明1についての特許を取り消すことができない。 イ 本件特許発明2について (ア)対比 甲第1号証の【0090】、【0099】、【0106】、【0216】、【0218】、【0410】~【0414】、【0571】、【図38】には、既に示した甲1発明の構成に加えて、次の構成(21a~21dは、本件訂正の請求項2の分説(A~D)に対応させて、当審にて付与。以下同様。)が開示されていると認められる。 「21a 主制御部300の基本回路302が備えるリセット制御回路314は、ウォッチドッグタイマ(WDT)3141を備えており、 21b WDT3141がタイムアウトした場合に、ユーザリセット動作を行わせるか、あるいはシステムリセット動作を行わせるかを設定され、 21c ROM306内のプログラム管理エリアには、 21c1 WDT3141の動作設定が格納されており、主制御部メイン処理におけるS111、S115で、WDT3141を起動させる処理を行うにあたり、WDT3141の起動許可及び初期値の設定等が行われ、 21c2 割込み制御回路3100の内部レジスタ3101に用意された第3内部情報レジスタの0ビット目は、CPU304の指定エリア外走行が生じた場合に、ユーザリセット動作を行わせるか、あるいはシステムリセット動作を行わせるかを設定するためのビットであり、ここに設定される値は、内蔵ROM306のプログラム管理エリアに記憶され、主制御部メイン処理における初期設定2(ステップS105)において、プログラム管理エリアから呼び出され、0ビット目に設定される、 21d 遊技機。」 本件訂正発明2と甲1発明の構成21a~21c2とを対比する。 甲1発明の「21a 主制御部300の基本回路302が備えるリセット制御回路314は、ウォッチドッグタイマ(WDT)3141を備えて」いることは、本件訂正発明2の「2A 遊技制御用マイクロコンピュータは、ウオッチドッグタイマを含」んでいることに相当する。 そして、甲1発明の「WDT3141がタイムアウトになった場合や、CPU304が所定の範囲以外のアドレスを参照(指定エリア外走行)した場合」が、本件訂正発明2の「所定の事象の発生」に相当する。 そうすると、「21b WDT3141がタイムアウトした場合に、ユーザリセット動作を行わせるか、あるいはシステムリセット動作を行わせるかを設定され」る甲1発明は、本件訂正発明2の「2B 所定事象の発生には、前記ウオッチドッグタイマのタイムアウトが含まれ」ることに相当する構成を備えているといえる。 また、甲1発明の「21c ROM306内のプログラム管理エリア」は、本件訂正発明2の「設定手段」に相当する。 また、甲1発明は、「21c ROM306内のプログラム管理エリア」に、「21c1 WDT3141の動作設定が格納」されており、「主制御部メイン処理におけるS111、S115で、WDT3141を起動させる処理を行うにあたり、WDT3141の起動許可及び初期値の設定等が行われ」ることから、WDT3141の動作設定の中には、WDT3141の起動許可に関する設定が含まれることは明らかである。 そうすると、甲1発明は、本件訂正発明2の「2C 設定手段」が、「2C1 前記ウオッチドッグタイマを起動させるか否かを設定可能であ」ることに相当する構成を備えているといえる。 さらに、甲1発明は、「21c2 割込み制御回路3100の内部レジスタ3101に用意された第3内部情報レジスタの0ビット目は、CPU304の指定エリア外走行が生じた場合に、ユーザリセット動作を行わせるか、あるいはシステムリセット動作を行わせるかを設定するためのビットであり、ここに設定される値は、内蔵ROM306のプログラム管理エリアに記憶され、主制御部メイン処理における初期設定2(ステップS105)において、プログラム管理エリアから呼び出され、0ビット目に設定される」から、所定事象の発生にあたる「CPU304の指定エリア外走行が生じた場合」に、「ユーザリセット動作を行わせるか、あるいはシステムリセット動作を行わせるか」の設定は、WDT3141の動作設定(起動許可)とは別に独立して行われるものといえる。 そうすると、甲1発明は、本件訂正発明2の「2C2 前記ウオッチドッグタイマを起動させないと設定する場合であっても、前記所定事象が発生したことにもとづいて第1リセットを発生させるか第2リセットを発生させるかを設定可能である」ことに相当する構成を備えているといえる。 (イ)判断 上記(ア)において検討したように、本件訂正発明2と甲1発明とを比較すると、両者は、既に検討した相違点1~3を除いて、一致している。 (ウ)まとめ 本件訂正発明2は、本件訂正発明1の構成を具備するものである。 しかしながら、上記アにおいて検討したように、本件訂正発明1は、甲1発明~甲3発明に基づいて当業者が容易になし得たものではない。 したがって、本件訂正発明1と同様に、本件訂正発明2も甲1発明~甲3発明に基づいて当業者が容易になし得たものではない。 よって、特許異議申立人が提出した証拠によっては、本件訂正発明2についての特許を取り消すことができない。 ウ 特許異議申立人の意見について 当審においては、特許異議申立人が、平成28年4月28日付け意見書において追加提示した甲第3号証を用いて、平成28年10月13日付けで取消理由(決定の予告)を通知した。 しかしながら、特許権者より平成28年12月14日付けでなされた訂正正請求により、甲第3号証に記載されていない事項が訂正されたため、本件訂正発明1、2は、上記ア、イにおいて検討したように進歩性を有するものとなった。 また、特許異議申立人は、平成28年4月28日付け意見書において、訂正明細書の【0549】、【0551】における、本件訂正発明1、2に係る遊技機は、「パチンコ遊技機」だけでなく、「スロット機」を含むことに関して、次の点を主張する。 a 実施可能要件 訂正明細書には、当業者が本件訂正発明1、2に係る遊技機のうち、スロット機についての発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていないため、訂正明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。 b サポート要件 aに関連し、本件訂正発明1、2に係る遊技機のうち、スロット機についての発明は、訂正明細書の発明の詳細な説明に記載されたものではないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 そこで、まず、上記主張aについて検討する。 本件訂正発明1、2は、遊技機の遊技の制御や、予告演出の実行等に関するものである。 そして、訂正明細書の発明の詳細な説明には、パチンコ遊技機に関して、遊技の制御や、予告演出の実行等がなされることが実施の形態として、当業者が発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されている。 また、訂正明細書の発明の詳細な説明には、スロット機に関して、「上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。」(【0549】)こと、すなわち、スロット機に関して、図柄の変動に係る遊技の制御が行われることが記載されている。 ところで、スロット機の技術分野においても、パチンコ遊技機と同様に、有利状態に制御することを含む遊技の制御が行われ、予告演出の実行等が行われることは、当業者にとっての技術常識である。 さらに、有利状態に制御され、予告演出等が実行されるための条件は、適宜設定すればよいこともまた当業者にとっての技術常識である。 そうすると、これらの技術常識を考慮すれば、発明の詳細な説明に記載されたパチンコ遊技機に関する、遊技の制御や、予告演出の実行等に関する記載事項を、スロット機に適用して実施することは、当業者であれば十分に可能であるといえる。 したがって、訂正明細書の発明の詳細な説明は、当業者が本件訂正発明1、2に係る遊技機のうち、スロット機についての発明も実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものといえる。 よって、上記請求人の主張aを採用することはできない。 また、本件訂正発明1、2に係る遊技機のうち、スロット機についての発明は、訂正明細書の発明の詳細のパチンコ遊技機の実施の形態に関する記載、及び、スロット機に関する記載(【0549】)、及び、上記技術常識からみて、訂正明細書の詳細な説明に実質的に記載されているものといえる。 したがって、上記請求人の主張bを採用することはできない。 (2)特許異議申立理由について 当審による平成28年10月13日付けで取消理由通知(決定の予告)は、前記第3 2及び3において検討したように、特許異議申立の理由を包含するものであることから、特許異議申立理由は、「5 判断(1)取消理由について」において検討済みである。 第6 むすび 以上のことから、上記取消理由、並びに、特許異議申立ての理由及び証拠方法によっては、請求項1、2に係る特許を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり決定する。

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2015-700142

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  • 2025-700736異議申立 / 2026-06-26 / 訂正認容情報処理プログラム、情報処理方法およびゲームシステム
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-700737異議申立 / 2026-06-26 / 訂正認容情報処理プログラム、情報処理方法およびゲームシステム
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2025-701006異議申立 / 2026-06-11 / 請求成立(取消)管理システム
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2026-700262異議申立 / 2026-06-04 / 維持遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F
  • 2026-700236異議申立 / 2026-05-14 / 維持遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F

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