特許異議申立
2024-701184
サーバ装置、情報処理方法及びプログラム
- 審判番号
- 2024-701184
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-193843
- 登録番号
- 7497876
- 請求日
- 2024年12月11日
- 審決日
- 2025年02月10日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社GMW
- 【権利者代理人】弁理士法人IPX
- 【異議申立人】原田 和也
- 審判長/審判官
- 審判長 松田 直也
- 審判官 月野 洋一郎
- 審判官 下林 義明
- 分類
- P1651.113-Y (G06Q) / P1651.121-Y (G06Q) / P1651.537-Y (G06Q) / 標準データ:手続:異議 / 標準データ:651・113-Y (G06Q) / 標準データ:651・121 / 標準データ:651・537
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第36条
- データ出所
- 審決公報(XML)、特許情報標準データ(審判)
事件の表示
特許第7497876号発明「サーバ装置、情報処理方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7497876号の請求項1~13に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7497876号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~13に係る特許についての出願は、令和2年11月20日に出願され、令和6年6月3日にその特許権の設定登録がされ、同年6月11日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対し、同年12月11日に特許異議申立人 原田和也(以下「異議申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
第2 本件発明
特許第7497876号の請求項1~13に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明13」という。)は、特許請求の範囲の請求項1~13に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
第1ユーザから、電子ショッピングモールの生成要求を受信し、
前記生成要求に基づいて、前記電子ショッピングモールを生成し、
第2ユーザから、生成された前記電子ショッピングモールへの出店要求を受信し、
前記出店要求に基づいて、前記電子ショッピングモールに前記第2ユーザの店舗を出店し、
前記電子ショッピングモール内では、第3ユーザの操作に基づいて、前記第3ユーザのキャラクターを動作させ、
前記第3ユーザのキャラクターの動作に基づいて、前記第2ユーザの店舗の商品の購入を受け付け、
前記生成要求には前記電子ショッピングモールの開催に関する情報が含まれる、
サーバ装置。
【請求項2】
前記電子ショッピングモールは、前記第1ユーザから受信した開催期間に開催される、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第2ユーザからの前記出店要求は、前記電子ショッピングモールが生成された後、かつ、前記開催期間より前に受信可能に構成される、
請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記第2ユーザの操作に基づき前記第3ユーザのキャラクターの前記第2ユーザの店舗内への入店を制限する、
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記第1ユーザの操作に基づき前記第3ユーザの前記電子ショッピングモールへの入場を制限する、
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記第1ユーザによる前記第3ユーザの前記電子ショッピングモールへの入場の制限は、
第1入場制限と、
第2入場制限と、
を含み、
前記第1入場制限は、前記第1ユーザが設定するパスワードによる前記電子ショッピングモールへの入場制限であり、
前記第2入場制限は、前記第1ユーザの指定する前記第3ユーザの前記電子ショッピングモールへの入場制限である、
請求項5に記載のサーバ装置。
【請求項7】
前記第1ユーザの操作に基づき、前記第2ユーザ及び前記第3ユーザの少なくとも一方の前記電子ショッピングモールへ参加するための参加費用に関する情報を設定し、
前記サーバ装置の管理者の操作に基づき、前記第1ユーザの前記電子ショッピングモールの生成費用に関する情報を設定する、
請求項1から請求項6までの何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項8】
前記電子ショッピングモールに出店する前記第2ユーザの店舗の配置を自動にするか、前記第1ユーザの手動にするかを選択可能に構成される、
請求項1から請求項7までの何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項9】
前記電子ショッピングモール内の店舗の配置を示す第1マップと、
前記電子ショッピングモール内を前記第3ユーザのキャラクターが歩き回る際に表示される第2マップと、
において、前記店舗を異なる態様で表示させる、
請求項1から請求項8までの何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項10】
前記電子ショッピングモール内では、
前記第2ユーザの操作に基づいて、前記第2ユーザのキャラクターを動作させ、
前記第2ユーザのキャラクターが、前記第2ユーザが出店した店舗内にいる場合と、
前記第2ユーザのキャラクターが、前記第2ユーザが出店した店舗内にいない場合とで、
前記第2ユーザのキャラクターを異なる態様で表示させる、
請求項1から請求項9までの何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項11】
前記第2ユーザのキャラクターが前記第2ユーザの店舗にいなくても、前記第3ユーザのキャラクターを介して前記店舗で商品を購入可能に構成される、
請求項10に記載のサーバ装置。
【請求項12】
サーバ装置が実行する情報処理方法であって、
第1ユーザの第1クライアント装置から、電子ショッピングモールの生成要求を受信するステップと、
前記生成要求に基づいて、前記電子ショッピングモールを生成するステップと、
第2ユーザの第2クライアント装置から、生成された前記電子ショッピングモールへの出店要求を受信するステップと、
前記出店要求に基づいて、前記電子ショッピングモールに前記第2ユーザの店舗を配置するステップと、
前記電子ショッピングモール内では、第3ユーザの第3クライアント装置からのユーザ操作に基づいて、第1キャラクターを動作させるステップと、
前記第1キャラクターの動作に基づいて、前記第2ユーザの店舗の商品の購入を受け付けるステップと、
を含み、
前記生成要求には前記電子ショッピングモールの開催に関する情報が含まれる、情報処理方法。
【請求項13】
プログラムであって、
コンピュータに、
第1ユーザの第1クライアント装置から、電子ショッピングモールの生成要求を受信する機能と、
前記生成要求に基づいて、前記電子ショッピングモールを生成する機能と、
第2ユーザの第2クライアント装置から、生成された前記電子ショッピングモールへの出店要求を受信する機能と、
前記出店要求に基づいて、前記電子ショッピングモールに前記第2ユーザの店舗を配置する機能と、
前記電子ショッピングモール内では、第3ユーザの第3クライアント装置からのユーザ操作に基づいて、第1キャラクターを動作させる機能と、
前記第1キャラクターの動作に基づいて、前記第2ユーザの店舗の商品の購入を受け付ける機能と、
を実現させるためのものであって、
前記生成要求には前記電子ショッピングモールの開催に関する情報が含まれる、プログラム。」
第3 申立理由の概要
1 異議申立人の提出した証拠
異議申立人は、次の甲第1号証~甲第4号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲4」という。)を証拠として提出している。
甲第1号証(甲1):ほおぷちゃん【株式会社ホープツーワン公式】によるXへの投稿、[online]、2020年11月18日、[2024年12月10日検索]、インターネット<URL:https://x.com/hopechan21/status/1328980146989260800>
甲第2号証(甲2):VRオンライン即売会VOiCEによるXへの投稿、[online]、2020年11月9日午後4:41、[2024年12月10日検索]、インターネット<URL:https://x.com/voice_d_space21/status/1325705149243797504>
甲第3号証(甲3):VRオンライン即売会VOiCEによるXへの投稿、[online]、2020年11月9日午後7:40、[2024年12月10日検索]、インターネット<URL:https://x.com/voice_d_space21/status/1325749978367602688>
甲第4号証(甲4):VRオンライン即売会VOiCEによるXへの投稿、[online]、2020年11月13日、[2024年12月10日検索]、インターネット<URL:https://x.com/voice_d_space21/status/1327246167755747329>
2 特許異議の申立理由
異議申立人の主張は、概略、以下のとおりである。
(1)特許法29条1項(同法113条2号)
本件発明1、12、13は、甲1により特許法29条1項に該当するから、本件発明1、12、13についての特許は、特許法29条1項の規定に違反してされたものである。
(2)特許法29条2項(同法113条2号)
本件発明1~13は、甲1~甲4に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~13についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
(3)特許法36条6項2号(同法113条4号)
本件特許の特許請求の範囲の記載は不明確であるから、本件発明1~13についての特許は、特許法36条6項2号の規定に違反してされたものである。
第4 甲号証の記載
1 甲1の記載
本件特許の出願前である2020年11月18日にX(旧ツイッター)に投稿され公開された甲1は以下のとおりである。
「
[図:0001420373000001.jpg]
」
すなわち、甲1には、以下の記載がある。
「ほおぷちゃん【株式会社ホープツーワン公式】
@hopechan21
ホープツーワンも参加しているカンドウエイト主催のイベントKAN-DO!Fesの告知動画です!ホープツーワンが夜なべして作ったオンライン即売会システム「VOiCE」での開催ですよ!ぜひご参加よろしくお願いします!#カンドウエイト#関西同人#ホープツーワン#VOiCE
UP!KAN-D08@Do8Up ・ 2020年11月18日
「KAN-DO!Fes.~浪花ミステリーツアー」の告知動画をつくりました!
オンライン即売会なんです!よろしくお願いします!
午後5:35 ・ 2020年11月18日」
2 甲2の記載
本件特許の出願前である2020年11月9日午後4時41分にX(旧ツイッター)に投稿され公開された甲2は以下のとおりである。
「
[図:0001420373000002.jpg]
」
すなわち、甲2には、以下の記載がある。
「VRオンライン即売会VOiCE
@voice_d_space21
使い方は各リンク先をご参考下さい。
□マニュアル
voice-doujin.space/manual
□イベントを開催したい
voice-doujin.space/guide/open
□作った本を頒布したい
・VOiCE委託を利用→voice-doujin.space/ma nual/itementrust
・外部サービスを利用→voice-doujin.space/manual/portallink
□イベントに参加したい
voice-doujin.space/guide/join
午後4:41 ・ 2020年11月9日」
3 甲3の記載
本件特許の出願前である2020年11月9日午後7時40分にX(旧ツイッター)に投稿され公開された甲3は以下のとおりである。
「
[図:0001420373000003.jpg]
」
すなわち、甲3には、以下の記載がある。
「VRオンライン即売会VOiCE
@voice_d_space21
【VOiCE機能紹介】クローズドイベントについて
イベント登録時にシークレットイベントとして登録するにチェックを入れて頂くと、非公開urlでイベントページが生成されます。デリケートなジャンルや身内だけのイベント開催などにおすすめの機能です。
詳しくはこちら→voice-doujin.space/use-case/case04
午後7:40 ・ 2020年11月9日」
4 甲4の記載
本件特許の出願前である2020年11月13日にX(旧ツイッター)に投稿され公開された甲4は以下のとおりである。
「
[図:0001420373000004.jpg]
」
すなわち、甲4には、以下の記載がある。
「VRオンライン即売会VOiCE
@voice_d_space21
【ご利用料金について】
期間限定でリリースからしばらくの間はイベント登録、サークル参加はすべて無料となっております。お試し作成もお気軽にどうぞ!
イベントの削除は主催者様の方では不可能となっておりますので、テスト作成はシークレットイベントとして作っていただくのがおすすめです。
午後10:45 ・ 2020年11月13日」
第5 当審における判断
異議申立人は、特許異議申立書(以下、「申立書」という。)において、甲1に基づく特許法29条1項に関する主張に関して、請求項1、12、13についての特許が、同法同項1号~3号のうち、いずれの号の規定に違反するのか説明していない。
しかしながら、申立書の「3.(1)申立ての理由の要約」の「証拠」の欄には、「(甲第1号証)a オンライン即売会システムVOiCEのユーザであるカンドウエイトが、VOiCEに対し、主催イベントとしてのオンライン即売会会場の生成を要求したものと読み取れる。・・・」(申立書1~2頁の「請求項1」についての記載参照。下線は当審において付与した。以下、同様。)などと記載され、「理由の要点」の欄には、「本件特許の請求項1の構成要件と、先行技術(甲第1号証)の構成要件とを比較すると、本件特許の請求項1の構成要件は、甲第1号証により開示されている。」(申立書4頁)と記載され、
申立書の「3.(4)具体的理由」の「イ.(イー1)」には、「甲第1号証には、以下の記載がある。・・・これらの記載によれば、甲第1号証には以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。」(申立書9頁)と記載され、「ウ.」には、「本件特許発明と証拠に記載された発明との対比」(申立書10頁)と記載され、「(ウー1)」には、「甲第1号証の、「・・・」との記載から、甲1発明に係るサーバは、・・・と読み取れる。」(申立書10頁)などと記載されている。
申立書の上記各記載に鑑みると、異議申立人は、甲1には、本件発明1は甲1に記載された甲1発明であって、特許法29条1項3号の規定に違反する旨の主張していると解されるから、当審においても、異議申立人はそのような主張をしているものとして以下検討する。
1 甲1に記載された発明
甲1には上記第4の1に示したとおりの記載があり、特に、甲1における「ホープツーワンが夜なべして作ったオンライン即売会システム「VOiCE」での開催ですよ!」との記載によれば、甲1には「オンライン即売会システム「VOiCE」」が記載されているといえる。
そして、「オンライン即売会」は、オンライン上で開催される仮想空間における即売会であることから、オンライン即売会システム「VOiCE」のサーバコンピュータで実行されることは明らかであるといえる。
そうすると、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。
「「電子ショッピングモール」を実行する
オンライン即売会システム「VOiCE」のサーバコンピュータ。」
2 特許法29条1項3号について
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「オンライン即売会システム「VOiCE」のサーバコンピュータ」は、下記の相違点を除いて、本件発明1の「サーバ装置」に相当する。
一方、甲1発明の前記「オンライン即売会システム「VOiCE」」は、どのような機能を有しているのか、どのような手順によって実行されるのかについては一切特定されていない。
なお、甲1に記載されるURLに基づいてX(旧ツイッター)において表示すると、「「KAN-DO!Fes. ~浪花ミステリーツアー」の「告知動画」が表示されるが、かかる告知動画を参照しても、前記「オンライン即売会システム「VOiCE」」が、どのような機能を有しているのか、どのような手順によって実行されるのかについては明らかではない。
そうすると、本件発明1と甲1発明とは、以下の一致点と相違点を有する。
[一致点]
電子ショッピングモールを実行するサーバ装置。
[相違点]
本件発明1の「サーバ装置」は、「第1ユーザから、電子ショッピングモールの生成要求を受信し、前記生成要求に基づいて、前記電子ショッピングモールを生成し、第2ユーザから、生成された前記電子ショッピングモールへの出店要求を受信し、前記出店要求に基づいて、前記電子ショッピングモールに前記第2ユーザの店舗を出店し、前記電子ショッピングモール内では、第3ユーザの操作に基づいて、前記第3ユーザのキャラクターを動作させ、前記第3ユーザのキャラクターの動作に基づいて、前記第2ユーザの店舗の商品の購入を受け付け、前記生成要求には前記電子ショッピングモールの開催に関する情報が含まれる」ものであるのに対して、甲1発明の「オンライン即売会システム「VOiCE」のサーバコンピュータ」は、そのような構成を有しているのか明らかではない点。
イ 判断
上記アのとおり、甲1発明の「オンライン即売会システムのサーバコンピュータ」は、本件発明1と対比すると上記相違点を有するものであって、上記相違点の構成は、本件特許の出願時の技術常識に鑑みて当業者であれば自明であるということもできず、当該相違点は実質的な相違点であるから、本件発明1の発明特定事項とは、甲1発明の発明特定事項との間に差違はある。
ウ 異議申立人の主張について
(ア)主張1
異議申立人は、甲1には、以下の構成要件a~hを有する発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている旨主張する(申立書9~10頁)。
「a オンライン即売会システムVOiCEのユーザであるカンドウエイトが、VOiCEに対し、主催イベントとしてのオンライン即売会会場の生成を要求する。
b 前記要求から、オンライン即売会会場を生成する。
c オンライン即売会に参加を希望するサークル参加者から、前記オンライン即売会会場への出店希望を受信する。
d 前記出店希望に基づいて、前記オンライン即売会会場に前記サークル参加者のブースを設ける。
e 前記オンライン即売会会場では、いわゆる一般参加者の操作に基づいて、一般参加者のアバターがVR空間を移動する。
f 前記一般参加者のアバターがブースに位置することで、サークル参加者のブースの本を購入できる。
g 前記要求には前記オンライン即売会会場の開催日時が含まれる。
h オンラインシステムを実現させるサーバ。」
しかしながら、甲1の記載は、上記第4の1に示したとおりのものであって、カンドウエイトが、ホープツーワンが作成したオンライン即売会システム「VOiCE」を用いてイベントKAN-DO!Fesを開催することを記載したものにすぎず、「オンライン即売会システムのサーバコンピュータ」が記載されているといえるものの、かかる「オンライン即売会システムのサーバコンピュータ」が備えるサーバが、異議申立人が主張する上記甲1発明の構成要件a~gを備えることまでは認定できない。
よって、甲1には甲1発明が記載されているとする異議申立人の上記主張1に理由はない。
(イ)主張2
また、異議申立人は、甲1の記載から上記主張1の甲1発明が読み取れることは、甲2の記載からも明らかである旨主張する(申立書9~10頁)。
しかしながら、甲2の記載は、上記第4の2に示したとおりのものであって、「マニュアル」、「イベントを開催したい」、「作った本を頒布したい」、「イベントに参加したい」等の各項目が記載されているが、上記甲1発明の構成要件a~gに関する記載は無い。
よって、甲2の記載を参照しても、甲1に異議申立人が主張する上記甲1発明が記載されているとは認められない。
なお、甲2には、上記各項目についてURLがリンク先として記載されているが、上記各項目のうち、「イベントを開催したい」、「作った本を頒布したい」、「イベントに参加したい」についてはリンク先が参照できず、また、「マニュアル」についてはリンク先は参照できるものの、リンク先に公知日が記載されておらず、現時点で参照できるリンク先の記載内容が、本件特許の出願時において参照できた記載内容と同一であることの証拠も提出されていないから、これらの各項目についてのURLのリンク先の記載内容に基づいて、甲1発明を認定することはできない。
よって、異議申立人の上記主張2に理由はない。
(ウ)主張3
さらに、異議申立人は、甲1をX(旧ツイッター)で表示した際に表示される告知動画では、「2020年12月6,7日」と表示されるから(再生時間 0:30)、異議申立人が主張する上記甲1発明における要求(構成要件a)にはオンライン即売会会場の開催日時が含まれる(構成要件g)旨主張する。
しかしながら、上記告知動画で表示される「2020年12月6,7日」はオンライン即売会の開催日時を示すものにすぎず、サーバが主催者からオンライン即売会の開催日時を含む生成要求を受信することまで示すものではない。
よって、上記告知動画における開催日時の表示によって、甲1には、サーバが開催日時を含むオンライン即売会の生成要求を受信すること(構成要件a,g)が記載されているとはいえない。
なお、上記告知動画は「告知」にすぎず、かかるオンライン即売会が「2020年12月6,7日」に開催されたことを示すものではない。
よって、上記告知動画に伴う異議申立人の上記主張3に理由はない。
エ 小括
以上のとおりであるから、本件発明1は、甲1発明であるとはいえない。
(2)本件発明12、13について
上記(1)で検討したとおり、本件発明1は、甲1発明であるとはいえないから、本件発明1とカテゴリーの異なる本件発明12、13についても、同様に、甲1発明をそれぞれ「情報処理方法」、「プログラム」に書き換えた発明であるとはいえない。
3 特許法29条2項について
(1)本件発明1、12、13について
本件発明1と甲1発明とを対比すると、上記2(1)アで示した上記一致点、相違点を有するものである。
一方、甲2~甲4には、上記第4の2~4に示したとおりの記載があるのみで、上記相違点に係る構成は甲2~甲4のいずれにも記載されていないため、甲1発明に甲2~甲4に記載された技術的事項を適用しても上記相違点の構成に至らないことは明らかであり、また、上記相違点に係る構成は本件特許の出願時において周知技術であったということもできない。
なお、甲1発明、甲2~4に記載された技術的事項には、上記相違点の構成は記載されていないため、甲2~4のいずれを主引用発明であるとして、甲1発明、甲2~4に記載された技術的事項を組み合わせたとしても、上記相違点の構成に至らないことは明らかである。
したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲2~甲4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
本件発明1とカテゴリーの異なる本件発明12、13についても、同様に、甲1発明をそれぞれ「情報処理方法」、「プログラム」に書き換えた発明、甲2~甲4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(2)本件発明2~11について
本件発明2~11は、本件発明1の上記相違点と同じ構成を含むものであって、さらに構成を付加し、本件発明1を限定したものであって、その相違点の判断は上記(1)のとおり、当業者が容易に想到することができたものではなく、本件発明1は甲1発明、甲2~甲4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、本件発明2~11についても、同様に、甲1発明、甲2~甲4に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 特許法36条6項2号について
異議申立人は、請求項1には「前記第3ユーザのキャラクターの動作に基づいて、前記第2ユーザの店舗の商品の購入を受け付け」と記載されているところ、「キャラクターの動作」と「店舗の商品の購入を受け付け」との関係が不明であり、「外部のWebサイトに接続する機能」や「ショッピング機能」まで請求項1の技術的範囲に含まれるか明確ではない旨主張する。
しかしながら、請求項1は、その記載のとおり、「前記第3ユーザのキャラクターの動作」に基づいて、「前記第2ユーザの店舗の商品の購入を受け付け」ることが特定されており文言上明確である。
また、本件特許発明の詳細な説明には、「第3クライアント装置130は、参加者135の店舗内における商品の購入操作に応じた参加者135のキャラクターの動作に基づいて、商品の表示要求をサーバ装置100に送信する。参加者135のキャラクターの動作とは、例えば、店舗内の特定のオブジェクトにキャラクターが近付く操作である。」(【0051】)、「サーバ装置100の購入処理部909は、第3クライアント装置130の入出力部304を介した参加者135の購入操作に基づいて、外部のWebサイトに接続する。外部のWebサイトに接続する機能が、サーバ装置100の出店者125の店舗の商品の購入を受け付ける機能の一例に該当する。」(【0053】)には、具体的な実施形態も記載されている。
してみると、請求項1における「前記第3ユーザのキャラクターの動作に基づいて、前記第2ユーザの店舗の商品の購入を受け付け」なる記載が示す技術事項は明確であり、請求項1に「外部のWebサイトに接続する機能」や「ショッピング機能」について限定しなければならない理由はなく、請求項1の記載が、第三者に不測の不利益をもたらすほどに不明確であるということはできない。
よって、異議申立人の明確性についての上記主張に理由はない。
また、異議申立人は、請求項12、13にも請求項1の上記記載と同様な記載があり、請求項2~11は請求項1を直接的又は間接的に引用するものであるから、請求項2~13についても請求項1と同様に明確ではない旨主張するが、前述したとおり、請求項1の上記記載は明確ではないとはいえないから、請求項2~13についても同様に明確ではないとはいえない。
第6 むすび
以上によれば、特許異議の申立ての理由(特許法29条1項、同法同条2項、同法36条6項2号)及び異議申立人の提出した証拠によっては、本件特許の請求項1~13に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1~13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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