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特許異議申立

2023-700437

雑草防除装置

審判番号
2023-700437
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-572594
登録番号
7166300
請求日
2023年04月27日
審決日
2025年03月27日
公報発行日
2025年07月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】バイエル、アクチエンゲゼルシャフト
  • 【権利者代理人】宮嶋 学
  • 【権利者代理人】柏 延之
  • 【権利者代理人】反町 洋
  • 【権利者代理人】山ノ井 傑
  • 【異議申立人】山本 美智子
審判長/審判官
  • 審判長 居島 一仁
  • 審判官 西田 秀彦
  • 審判官 古屋野 浩志
分類
P1651.113-YAA(E01H) / P1651.121-YAA(E01H) / P1651.537-YAA(E01H)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第4項、特許法第113条第2号、特許法第120条の5第5項、特許法第113条第4号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7166300号発明「雑草防除装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7166300号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。 特許第7166300号の請求項〔1-3〕に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7166300号の請求項1~3に係る特許についての出願(以下「本願」という。)は、2018年(平成30年)7月2日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年7月6日(以下「優先日1」という。)、2017年7月17日(以下「優先日2」という。)、2017年8月16日(以下「優先日3」という。)、及び、2017年8月22日(以下「優先日4」という。)(EP) 欧州特許庁)を国際出願日とする外国語国際特許出願がなされ、令和4年10月27日にその特許権の設定登録がされ、同年11月7日に特許掲載公報が発行されたものである。 その後、その特許に対し、令和5年4月27日に特許異議申立人山本美智子(以下「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は令和5年9月29日付けで特許権者に対して取消理由通知書を送付し、それに対して特許権者はその指定期間内である同年12月15日に、意見書及び訂正請求書を提出し、令和6年1月18日付けで特許法第120条の5第5項に基づく訂正請求があった旨の通知書を異議申立人に対して行ったところ、同年2月19日に異議申立人から意見書が提出されたものである。 第2 訂正請求の適否 1 訂正請求の趣旨 本件訂正請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおりに訂正することを求めるものである。 2 訂正の内容 本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は次のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「 1つ以上のカメラ(110)と、 入力部(20)と、 植生管理技術(120)と、 処理部(30)と、 出力部(40)と、 を含み、」 「 前記入力部は、前記処理部に前記1枚以上の画像を提供するように構成され、 前記植生管理技術は、複数の動作モードで動作するように構成され、」 と記載されているのを、 「 1つ以上のカメラ(110)と、 入力部(20)と、 植生管理技術(120)と、 処理部(30)と、 出力部(40)と、 を含む雑草防除装置(10)であって、」 「 前記入力部は、前記処理部に前記環境の1枚以上の画像を提供するように構成され、 前記植生管理技術は、高電圧ベースのシステムであり、複数の動作モードで動作するように構成され、 前記処理部は、異なる雑草種類と、各雑草種類を管理するのに使用される植生管理技術の最適なモードとを含むデータベースにアクセスするように構成され、前記植生管理技術の最適なモードは、前記高電圧ベースのシステムの時間および/または電力レベルを含み、」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1に、 「 前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して、前記植生管理技術の前記複数の動作モードから前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される、前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定するように構成され、」 「 前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第1部分において前記第1種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第1動作モードを決定するように構成され、前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定するように構成され、」 と記載されているのを、 「 前記植生管理技術は、複数のユニットを含み、各ユニットは、前記植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成され、前記複数のユニットは、1つのユニットが、車両である前記装置の進行方向で他のユニットの前方に設置されるように設置され、前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して、前記植生管理技術の前記複数の動作モードから前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される、前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定するように構成され、」 「 前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第1部分において前記第1種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第1動作モードを決定するように構成され、前記植生管理技術の前記第1動作モードは、前記データベースから選択された最適なモードであり、前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定するように構成され、前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記装置の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの前に設置されるか、または、前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記装置の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置され、」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項2に、 「 (a)処理部に、1つ以上のカメラにより取得された、環境の1枚以上の画像を提供すること(210)と、 (c)前記処理部により前記1枚以上の画像を分析して、植生管理技術の複数の動作モードから、前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定し(220)、前記環境の前記少なくとも第1部分において第1種類の雑草を判定し(290)、前記環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草を判定し(300)、前記環境の前記少なくとも第1部分において前記第1種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第1動作モードを決定し(310)、前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定する(320)ことと、 (e)出力部により前記植生管理技術を前記1つ以上の動作モードで作動させるのに使うことができる情報を出力すること(230)と、 を含む雑草防除方法(200)。」 と記載されているのを、 「 (a)車両の処理部に、前記車両の1つ以上のカメラにより取得された、環境の1枚以上の画像を提供すること(210)であって、前記処理部は、異なる雑草種類と、各雑草種類を管理するのに使用される植生管理技術の最適なモードとを含むデ―タベースにアクセスするように構成され、前記植生管理技術の最適なモードは、前記高電圧ベースのシステムの時間および/または電力レベルを含む、提供すること(210)と、 (c)前記処理部により前記1枚以上の画像を分析して、前記車両の植生管理技術の複数の動作モードから、前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定し(220)、前記環境の前記少なくとも第1部分において第1種類の雑草を判定し(290)、前記環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草を判定し(300)、前記環境の前記少なくとも第1部分において前記第1種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第1動作モードを決定し(310)、前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定する(320)ことであって、前記植生管理技術の前記第1動作モードは、前記データベースから選択された最適なモードであり、前記植生管理技術は、高電圧ベースのシステムである、決定する(320)ことと、 (e)前記車両の出力部により前記植生管理技術を前記1つ以上の動作モードで作動させるのに使うことができる情報を出力すること(230)であって、前記植生管理技術は、複数のユニットのユニットを含み、各ユニットは、前記植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成され、前記複数のユニットは、1つのユニットが、前記車両の進行方向で他のユニットの前方に設置されるように設置される、出力すること(230)と、 を含み、 前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記車両の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの前に設置されるか、または、前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記車両の進行方向で管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置される、 雑草防除方法(200)。」に訂正する。 3 訂正単位について 訂正前の請求項1~3は、請求項3が請求項1および2を引用しており、訂正事項1および2によって記載が訂正される請求項1と、訂正事項3により記載が訂正される請求項2とに連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1~3に対応する訂正後の請求項1~3は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 4 訂正の適否 (1) 訂正の目的について ア 訂正事項1 (ア)訂正事項1-1 上記訂正事項1のうち、訂正前の、 「 1つ以上のカメラ(110)と、 入力部(20)と、 植生管理技術(120)と、 処理部(30)と、 出力部(40)と、 を含み、」 との記載における「含み」を、訂正後の「含む雑草防除装置(10)であって」へと変更する訂正事項(以下「訂正事項1-1」という。)は、上記「1つ以上のカメラ(110)と、」「入力部(20)と、」「植生管理技術(120)と、」「処理部(30)と、」「出力部(40)」とが、これらを構成要素とする「雑草防除装置(10)」に含まれることを限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)訂正事項1-2 上記訂正事項1のうち、訂正前の、 「 前記入力部は、前記処理部に前記1枚以上の画像を提供するように構成され、」 との記載における「前記1枚以上の画像を」を、「前記環境の1枚以上の画像を」へと変更する訂正事項(以下「訂正事項1-2」という。)は、上記「1枚以上の画像」が、「環境の」画像であることを限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (ウ)訂正事項1-3 上記訂正事項1のうち、訂正前の、 「 前記植生管理技術は、複数の動作モードで動作するように構成され、」 との記載における、「前記植生管理技術は、」と「複数の動作モードで動作するように構成され、」との記載の間に、「高電圧ベースのシステムであり、」との記載を加える訂正事項(以下「訂正事項1-3」という。)は、上記「植生管理技術」が、「高電圧ベースのシステムであ」ることを限定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (エ)訂正事項1-4 上記訂正事項1のうち、訂正前の、 「 前記植生管理技術は、複数の動作モードで動作するように構成され、」との記載の直後に、「 前記処理部は、異なる雑草種類と、各雑草種類を管理するのに使用される植生管理技術の最適なモードとを含むデータベースにアクセスするように構成され、前記植生管理技術の最適なモードは、前記高電圧ベースのシステムの時間および/または電力レベルを含み、」との記載を追加する訂正事項(以下「訂正事項1-4」という。)は、訂正前の「雑草防除装置(10)」における「処理部」に係る記載と並列的に、当該「処理部」に係る限定を追加するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (オ)上記(ア)~(エ)で論じた事項からみて、上記「訂正事項1-1」~「訂正事項1-4」を全て備えるものである訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項2 (ア)上記訂正事項2のうち、訂正前の、 「 前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して、前記植生管理技術の前記複数の動作モードから前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される、前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定するように構成され、」との記載における、「 前記処理部は、」の直前に、 「 前記植生管理技術は、複数のユニットを含み、各ユニットは、前記植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成され、前記複数のユニットは、1つのユニットが、車両である前記装置の進行方向で他のユニットの前方に設置されるように設置され、」との記載を追加する訂正事項(以下「訂正事項2-1」という。)は、訂正前の「植生管理技術」に係り限定を追加するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)上記訂正事項2のうち、訂正前の、 「 前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第1部分において前記第1種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第1動作モードを決定するように構成され、」との記載の直後に、「前記植生管理技術の前記第1動作モードは、前記データベースから選択された最適なモードであり、」との記載を追加する訂正事項(以下「訂正事項2-2」という。)は、訂正前の「植生管理技術の第1動作モード」に係る限定をするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (ウ)上記訂正事項2のうち、訂正前の、 「前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定するように構成され、」との記載の直後に、「前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記装置の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの前に設置されるか、または、前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記装置の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置され、」との記載を追加する訂正事項(以下「訂正事項2-3」という。)は、訂正前の「植生管理技術」と、訂正事項2-1において追加された、当該「植生管理技術」に係る「複数のユニット」との発明特定事項に対して、さらに「動作モード」と当該「複数のユニット」に含まれる「ユニット」の配置に係り限定をするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (エ)上記(ア)~(ウ)で論じた事項からみて、上記「訂正事項2-1」~「訂正事項2-3」を全て備えるものである訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 ウ 訂正事項3 (ア)上記訂正事項3のうち、訂正前の、 「処理部に、1つ以上のカメラにより取得された、」との記載を、「車両の処理部に、前記車両の1つ以上のカメラにより取得された、」との記載に変更する訂正事項(以下「訂正事項3-1」という。)は、訂正前の「処理部」及び「1つ以上のカメラ」との発明特定事項に対して、それぞれ「車両の」との限定を追加するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)上記訂正事項3のうち、訂正前の、 「環境の1枚以上の画像を提供すること(210)」との記載の直後に、「であって、前記処理部は、異なる雑草種類と、各雑草種類を管理するのに使用される植生管理技術の最適なモードとを含むデ―タベースにアクセスするように構成され、前記植生管理技術の最適なモードは、前記高電圧ベースのシステムの時間および/または電力レベルを含む、提供すること(210)」との記載を追加する訂正事項(以下「訂正事項3-2」という。)は、訂正前の「処理部」との発明特定事項に対して当該「処理部」の行う処理に係る限定をするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (ウ)上記訂正事項3のうち、訂正前の、 「前記処理部により前記1枚以上の画像を分析して、植生管理技術の複数の動作モードから、前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定し(220)、」との記載における、「植生管理技術の複数の動作モードから、」の直前に「前記車両の」との記載を追加する訂正事項(以下「訂正事項3-3」という。)は、訂正前の「植生管理技術の複数の動作モードから、」との発明特定事項に対して、「前記車両」との限定をするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (エ)上記訂正事項3のうち、訂正前の、 「前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定する(320)こと」との記載の直後に、「であって、前記植生管理技術の前記第1動作モードは、前記データベースから選択された最適なモードであり、前記植生管理技術は、高電圧ベースのシステムである、」及び「決定する(320)こと」との記載を追加する訂正事項(以下「訂正事項3-4」という。)は、前者が「植生管理技術の第1動作モードを決定する(310)し、」「植生管理技術の第2動作モードを決定する(320)」との発明特定事項に対して限定をするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (カ)上記訂正事項3のうち、訂正前の、 「出力部により」との記載の直前に、「前記車両の」との記載を追加する訂正事項(以下「訂正事項3-5」という。)は、訂正前の「出力部より」との発明特定事項に対して、「前記車両」との限定をするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (キ)上記訂正事項3のうち、訂正前の、 「前記植生管理技術を前記1つ以上の動作モードで作動させるのに使うことができる情報を出力すること(230)」との記載の直後に、「であって、前記植生管理技術は、複数のユニットのユニットを含み、各ユニットは、前記植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成され、前記複数のユニットは、1つのユニットが、前記車両の進行方向で他のユニットの前方に設置されるように設置される、」及び「出力すること(230)」との記載を追加する訂正事項(以下「訂正事項3-6」という。)は、訂正前の「植生管理技術」との発明特定事項に対して限定をするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (ク)上記訂正事項のうち、訂正前の、 「を含む雑草防除方法(200)。」との記載を、「を含む、」「 前記植生管術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記車両の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの前に設置されるか、または、前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記車両の進行方向で管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置される、」「 雑草防除方法(200)。」との記載に変更する訂正事項(以下「訂正事項3-7」という。)は、訂正前の「植生管理技術」と、訂正事項3-6において追加された、当該「植生管理技術」に係る「複数のユニット」との発明特定事項に対して、さらに「動作モード」と当該「複数のユニット」に含まれる「ユニット」の配置に係り限定をするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (コ)上記(ア)~(ク)で論じた事項からみて、上記「訂正事項3-1」~「訂正事項3-7」を全て備えるものである訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記訂正事項1~3は、上記(1)において論じたとおり、訂正前の請求項1及び請求項2の発明特定事項を限定する訂正事項からなるものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 (3)本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること ア 本件特許明細書等の記載事項 訂正事項1~3について、訂正前の本件特許明細書等には、以下の記載がある。 (ア)「【請求項1】 1つ以上のカメラ(110)と、 入力部(20)と、 植生管理技術(120)と、 処理部(30)と、 出力部(40)と、 を含み、 ・・・ 前記1つ以上のカメラは、環境の1枚以上の画像を取得するように構成され、 ・・・ように構成される、雑草防除装置(10)。」 (イ)「【0021】 一例では、1枚以上の画像を分析して植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定することは、環境の少なくとも第1部分において第1種類の雑草を判定すること、および、環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草を判定することを含む。したがって、植生管理技術の最も適切な動作モードは、環境内の異なる複数の雑草種類に基づいて決定することができる。 【0022】 一例では、処理部は1枚以上の画像を分析して、環境の少なくとも第1部分において第1種類の雑草の雑草防除に使用される植生管理技術の第1動作モードを決定するように構成される。また、処理部は1枚以上の画像を分析して、環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草の雑草防除に使用される植生管理技術の第2動作モードを決定するように構成される。 (ウ)「【0034】 図1は雑草防除装置10の例を示す。装置10は入力部20、処理部30、および出力部40を含む。入力部20は、処理部30に環境の1枚以上の画像を提供するように構成される。これは有線通信または無線通信を介して行うことができる。処理部30は1枚以上の画像を分析して、植生管理技術の複数の動作モードから、環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定するように構成される。出力部40は、植生管理技術を1つ以上の動作モードで作動させるのに使うことができる情報を出力するように構成される。」 (エ)「【0052】 図2は雑草防除システム100の例を示す。システム100は、1つ以上のカメラ110、および、図1と関連付けられた例のいずれかに対して上述された雑草防御装置10を含む。また、システム100は植生管理技術120も含む。1つ以上のカメラ110は、環境の1枚以上の画像を取得するように構成される。植生管理技術120は車両130に搭載される。植生管理技術120は複数の動作モードで動作するように構成される。雑草防除装置10は、植生管理技術120を環境の少なくとも第1部分に対して1つ以上の動作モードで作動させるように構成される。」 (オ)「【0059】 一例では、各ユニットは植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成される。一例では、複数のユニットが搭載され、1つのユニットが車両の進行方向で他のユニットの前方に設置される。このようにして、ユニットの植生管理技術の特定の動作モードが、可変長の時間にわたって動作する1つのユニットを使って可変時間動作することができる。しかし、1つのユニットによる最大散布時間は、作動可能なサブユニットを持ちうる塗布器の大きさおよび車両の速度に依存する。しかし、1つのユニットは、地面の特定の場所において、その大きさおよび車両の速度に依存する最大時間にわたって動作することができる。この特定の場所における散布時間は、やはりその場所で植生管理技術を適用するユニットの後方に置かれたユニットを使って、このユニットが車両と共に前方へ動くのに伴って増加させることができる。したがって、植生管理技術の複数の動作モードは、その植生管理技術を異なる時間適用しうる植生管理技術に関連することがあり、処理部はある場所で植生管理技術を適用すべき時間を決定する。この時間はユニット自体において多様とすることができて、特定の場所の上を移動してその場所で植生管理技術を適用する多数のユニットによりさらに増加させることができる。また、互いの前方に設置される複数のユニットを有することで、各ユニットは異なる動作モードで動作することが可能であり、例えば、高電圧雑草防除技術を異なる電力レベルで適用することができる。そして、複数のユニットが車両と共に前方へ動くのに伴い、必要な高圧電力を特定の場所で印加することができる。ユニット自体は可変高圧電力の能力を持つことが可能であり、これによりスペースを節約できるが、ユニット内により複雑な雑草防除技術が必要とされる。 【0060】 一例では、植生管理技術の第1モードで動作するように構成されているユニットが、車両の進行方向で植生管理技術の第2モードで動作するように構成されているユニットの前に設置される、または、植生管理技術の第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、車両の進行方向で植生管理技術の第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置される。」 (カ)「【0068】 一例では、環境の少なくとも第2部分は、環境の少なくとも第1部分とは異なる。一例では、環境の少なくとも第2部分は、環境の少なくとも第1部分により部分的に囲まれている。一例では、環境の少なくとも第2部分は、環境の少なくとも第1部分の少なくとも1つの部分集合である。一例では、ステップc)は機械学習アルゴリズムを利用すること350を含む。一例では、方法は車両を使うことを含み、方法は、1つ以上のカメラにより環境の1枚以上の画像を取得すること、および車両に搭載される植生管理技術を環境の少なくとも第1部分に対して1つ以上の動作モードで作動させることを含む。 【0069】 一例では、方法は処理部、出力部、および1つ以上のカメラを車両に設置することを含む。」 (キ)「【0073】 装置10の入力部20は取得された画像を処理部30へ渡す。画像分析ソフトウェアはプロセッサ30上で動作する。画像分析ソフトウェアはエッジ検出などの特徴抽出、および、例えば鉄道線路、枕木、木、踏切、駅のプラットフォームなどの構造物を識別することができる物体検出分析を使用することができる。したがって、環境内の建物の場所などの、物体の既知の場所に基づいて、また枕木の間の距離や鉄道線路の間の距離などの既知の構造情報に基づいて、処理部は取得された画像を継ぎ合わせて、環境の地理的地図上に事実上重ね合わせることができる環境の合成表現を事実上作成することができる。したがって、各画像の地理的位置を判定することが可能であり、取得された画像と関連付けられた、関連するGPSベースの情報および/または慣性航行ベースの情報は必要ない。しかし、利用可能なGPS情報および/または慣性航行情報があれば、画像のみに基づいて特定の画像を特定の地理的位置に配置することができるそのような画像分析は必要ではない。しかし、GPSベースの情報および/または慣性航行ベースの情報が利用可能であれば、そのよう画像分析を使って、画像と関連付けられた地理的位置を増強することができる。したがって、例えば、GPSベースの情報および/または慣性航行ベースの情報に基づいて、取得された画像の中心が、鉄道の一区間の特定の鉄道枕木の側端部から22cmで終端部から67cmに位置すると判断され、一方で実際の取得画像から上記の画像分析を使用して、画像の中心が枕木の側端部から25cm、終端部から64cmに位置すると判定された場合、GPS/慣性航行ベースで導かれた場所を、必要に応じて場所を一方向に3cm、別の方向に3cm移動させることで増強することができる。」 (ク)「【0076】 プロセッサ30は、異なる雑草種類および、実験的に求めたデータからまとめられた、その雑草種類を防除するのに使用すべき雑草防除技術の最適なモードを含むデータベースへアクセスすることができる。例えば、多数の利用可能な化学薬品の中から雑草に噴霧されるべき特定の種類の化学薬品、特定の場所で特定の種類の雑草に対して印加されるべき高電圧(または、レーザー放射もしくはマイクロ波放射、もしくは、水噴射もしくは水蒸気噴射もしくは火炎噴射)の時間、および/または高電圧(またはレーザー放射もしくはマイクロ波放射など)の電力レベル。また、地面上での雑草または雑草の塊の大きさも、雑草防除技術(植生管理技術とも呼ばれる)のいずれのモードが使用されるかを判断する際に考慮されることがある。例えば、薬品スプレーで使用される特定の種類の化学薬品は、特定の種類の雑草に対して最適な雑草防除技術でありうる。そして、プロセッサは、環境内の特定の場所にある単一の雑草またはその小さな塊に対して、その雑草を特定の化学薬品で防除するのに薬品スプレー雑草防除技術がその特定の場所で作動されるべきであると判断することができる。しかし、環境内に存在していて特定された特定の種類の雑草の大きな塊がある場合、プロセッサは、環境に対する化学薬品の影響を軽減するために、雑草防除技術の異なるモード、例えばその領域でのより弱い化学薬品の噴霧が使用されるべきであると判断することができる。同じことが火炎ベースの雑草防除、高電圧ベースの雑草防除、蒸気もしくは高圧水ベースの雑草防除技術、またはマイクロ波ベースの雑草防除技術の異なるモードに対しても、これらの特定の雑草防除技術の動作モードが例えば異なる種類の雑草または異なる土壌種類が見られる特定の場所に適合可能である場合に当てはまる。プロセッサにより、防除する必要があるすべての雑草に対して使用される雑草防除技術の1つ以上のモードが確実に割り当てられる。特定の種類の雑草を最もうまく防除するためには、雑草防除技術の2つの異なるモード、例えば、より長い時間のマイクロ波放射を電力レベルを高めたマイクロ波放射と組み合わせる場合がありうる。同じことが高電圧、レーザー放射などに当てはまる。そして、プロセッサは雑草防除技術の1つまたは複数のいずれのモードがどこに適用されるべきかを詳しく示す適切な雑草防除マップを作成する。 ・・・ 【0078】 引き続き図4を参照すると、雑草防除列車130は鉄道線路に沿って進む。雑草防除列車は多数の貨物車を有し、各貨物車は異なるモードで動作可能な雑草防除技術を収納している。具体的な例では、第1貨物車は化学薬品「a」を噴霧する薬品スプレーベースの雑草防除技術120aを有する。第2貨物車は化学薬品「b」を噴霧する薬品スプレーベースの雑草防除技術120bを有し、貨物車120c、120d、および120eはそれぞれ化学薬品「c」、「d」、「e」を噴霧する。異なる複数の貨物車が連結された異なる列車または同じ列車は、高電圧ベースの雑草防除技術、レーザーベースの雑草防除技術、マイクロ波ベースの雑草防除技術、蒸気ベースの雑草防除技術などの異なる雑草防除技術を収納可能であり、火炎ベースの雑草防除技術、固形(泡状)薬品堆積、およびさらに機械ベースの雑草防除技術などの他の雑草防除技術が利用可能である。高電圧ベースの雑草防除技術を例にとると、貨物車のそれぞれが異なる電力レベルで動作する高電圧システムを有することが可能であり、数台の貨物車は同じ電力レベルで動作することができる。したがって、ユニット120a、120b、120cを有する貨物車は、「AA」の高圧電力レベルで動作することができる。ユニット120dを有する貨物車は「10×AA」の高圧電力レベルで動作することができて、ユニット120eを有する貨物車は「100×AA」の高圧電力レベルで動作することができる。電力レベル「10AA」で動作する貨物車が2台以上存在することがあり、電力レベル「100AA」で動作する貨物車が2台以上存在することがある。雑草防除列車は、上記の雑草マップまたは雑草防除マップを使用するプロセッサ(図示せず)を有する。雑草防除列車は自身の地理的位置を判定する手段を有し、この手段は雑草防除列車の位置および雑草防除技術ユニットの具体的な場所を特定するためにGPS、慣性航行、または画像分析の1つまたは複数をベースとすることができる。これは、雑草防除列車が環境を通過する場合に、雑草のこの場所で作動される雑草防除技術の特定のモードがこの作業に最適であると判断されている場合に異なる雑草防除技術ユニットを雑草の特定の場所で作動させることができることを意味する。上述したように、雑草防除列車はカメラを持つことができて、画像を取得することができる。取得された画像を雑草防除列車のプロセッサで処理し、枕木の場所および周囲の特徴を判定することで、列車自体の場所を判定することができる。また、雑草防除列車がGPSシステムおよび/または慣性システムを有する場合、雑草防除技術の正しいモードを特定の雑草の場所で作動させることができるように、GPSシステムおよび/または慣性航行システムを使って列車の場所を判定することができる。しかし、列車が周囲の画像を取得するカメラも有している場合、雑草防除技術が雑草の正確な場所で作動できるように、枕木の位置などの特徴抽出を使ってGPSおよび/または慣性航行により判定された位置を増強し、例えばGPSシステムから得た位置を考慮して位置の補正を行うことができる。したがって、枕木の位置を判定するのに必要な画像処理は、鉄道枕木などの特徴を特定する際の画像処理のコンプレクシティは比較的大きくないため、場所の更新が迅速に行われている状態で迅速に動作することができる。高電圧雑草防除技術を例にとると、高電圧が印加される時間およびどれだけの電力レベルで雑草が駆除されるかのデータベースがプロセッサにより使用されて、環境内の特定の場所で適用されるべき高電圧システムの特定のモードが決定される。類似のデータベースが噴霧可能な化学薬品に対して、また特定の雑草を駆除するのに必要なマイクロ波電力レベルや時間などに対して使用される。」 (ケ)「【0083】 図7は図4~5に示される雑草防除列車130の貨物車を示し、この貨物車は高電圧ベースの雑草防除技術120a~eを有する。図7は列車のこの貨物車の背面図を示し、鉄道線路に沿った図である。高電圧ベースの雑草防除技術120a、120b、120c、120d、および120eの異なるモードは印加可能な高電圧の異なる電力に関連する、および/または、例えば120a~bの数台のユニットは、電力が延長した時間にわたって印加できるように同じ電力で動作することができる。異なる雑草に対して簡単な実験を行って、異なる雑草種類を駆除するために必要な、異なる電圧および電力レベルならびに適用時間を決定することが可能であり、これによりデータベースが作成できて、このデータベースから高電圧技術の動作モードを選択することができる。類似のデータベースを異なる雑草防除技術に対して作成することが可能であり、このデータベースから特定の雑草で要求される動作モードを決定することができる。したがって、高電圧を異なる電力で、および/または高電圧を異なる時間で、特定の種類の植生種類を対象に使用することができて、以前の実験成果から高電圧の電力/時間のいずれの動作モードが異なる種類の雑草に対して最適であるかが判断される。雑草防除技術の多数の別々の電極対が列車の下方で横方向に、および列車の両側へと延びており、図9にこれがより詳細に示されている。また、電極は前進方向へ延びることもできる。これらの電極対のうちの1つがこの高電圧ベースの雑草防除によって防除されるべきものとして識別された雑草の上を通る場合、プロセッサ30は、その高圧電力によって防除の必要がある雑草の特定の場所で1つまたは複数の特定の電極対を作動させる。図7ではそのような雑草が2つの特定の場所に存在し、線路の右側にも延びている大きな塊が線路の間に見つけられ、小さな塊が線路の左に見つけられて、そのため、左側で一対の電極対が作動され、列車の下方で右側へ延びている多数が作動された。示されている特定のユニットが120bである場合は既に高電圧雑草防除技術120c~eの他のモードのうちの1つが適用されている可能性がある雑草がこの貨物車の下を通りうること、および、ユニット120aの雑草防除技術の高電圧モードによって対処されるべきと判断された場合には雑草が未処理の状態でこの貨物車の下を通りうることに留意されたい。」 イ 訂正事項1について (イ)訂正事項1-1 a 上記「ア(ウ)」には、「雑草防除装置10」が「入力部20、処理部30、および出力部40を含む」ことが記載され、上記「ア(エ)」には、「システム100」が「1つ以上のカメラ110」、「雑草防御装置10」、及び、「植生管理技術120」を含むことが記載され、かつ、上記「ア(ア)」には、「雑草防除装置(10)」が「1つ以上のカメラ(110)」、「入力部(20)」、「植生管理技術(120)」、「処理部(30)」、及び、「出力部(40)」を含むことが記載されている。 b 以上のことからみて、訂正事項1-1は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (ウ)訂正事項1-2について a 上記訂正事項1-2は、訂正前の請求項1における「前記1枚以上の画像」との記載を、上記「ア(ア)」における「環境の1枚以上の画像」との記載に整合させたものであると認められる。 b したがって、訂正事項1-2は当然に、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (エ)訂正事項1-3について a 上記「ア(ク)」における【0076】の「雑草防除技術(植生管理技術とも呼ばれる)」との記載、【0078】の「高電圧ベースの雑草防除技術」、「高電圧システム」との記載、及び、上記「ア(ケ)」における【0083】の「高電圧ベースの雑草防除技術」との記載からみて、「高電圧ベースの雑草防除技術」は「高電圧ベースの植生管理技術」であって、「高電圧システム」からなることが記載されていると解されるから、訂正事項1-3の植生管理技術が、「高電圧ベースのシステム」からなることが、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項1-3は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (オ)訂正事項1-4 a 上記「ア(ク)」における【0076】には、「プロセッサ30は、異なる雑草種類および、」「その雑草種類を防除するのに使用すべき雑草防除技術の最適なモードを含むデータベースへアクセスする」ことが記載されているところ、上記「ア(キ)」の【0073】には「処理部30」と「プロセッサ30」との記載があり、上記「ア(ク)」の【0076】には「雑草防除技術(植生管理技術とも呼ばれる)」と記載されており、「処理部」及び「プロセッサ」と「雑草防除」及び「植生管理」との用語がそれぞれ同じものとして記載されているものであるから、訂正事項1-4のうちの、「前記処理部は、異なる雑草種類と、各雑草種類を管理するのに使用される植生管理技術の最適なモードとを含むデータベースにアクセスするように構成され、」との事項は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b また、上記「ア(ク)」における【0078】には、「高電圧ベースの雑草防除技術」、「高電圧雑草防除技術を例にとると、高電圧が印加される時間およびどれだけの電力レベルで雑草が駆除されるかのデータベースがプロセッサにより使用されて」と記載され、上記(エ)及び上記「a」で論じた事項、および、上記「ア(ケ)」における【0083】の「高電圧を異なる電力で、および/または高電圧を異なる時間で、特定の種類の植生種類を対象に使用することができて、以前の実験成果から高電圧の電力/時間のいずれの動作モードが異なる種類の雑草に対して最適であるかが判断される。」との記載も総合すると、訂正事項1-4のうちの、「前記植生管理技術の最適なモードは、前記高電圧ベースのシステムの時間および/または電力レベルを含み、」との事項は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 c したがって、訂正事項1-4は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (カ)以上のとおり、訂正事項1-1~訂正事項1-4からなるものである訂正事項1は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 ウ 訂正事項2について (ア)訂正事項2-1 a 上記「ア(オ)」における【0059】には、「各ユニットは植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成される。」、「複数のユニットが搭載され、1つのユニットが車両の進行方向で他のユニットの前方に設置される。」と記載されているから、訂正事項2-1の「 前記植生管理技術は、複数のユニットを含み、各ユニットは、前記植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成され、前記複数のユニットは、1つのユニットが、車両である前記装置の進行方向で他のユニットの前方に設置されるように設置され、」との事項は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項2-1は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (イ)訂正事項2-2 a 上記「ア(イ)」における【0021】に、「植生管理技術の最も適切な動作モードは、環境内の異なる複数の雑草種類に基づいて決定することができる。」、【0022】に、「環境の少なくとも第1部分において第1種類の雑草の雑草防除に使用される植生管理技術の第1動作モードを決定するように構成される。」と記載されているから、「第1動作モード」が「第1種類の雑草」との雑草種類に対して、「植生管理技術の最も適切な動作モード」に該当することは明らかであるから、「第1部分において」「第1種類の雑草の雑草防除に使用される」ものである、訂正事項2-2の「植生管理技術の」「第1動作モード」が、「データベースから選択された最適なモードであ」るとの事項は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項2-2は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (ウ)訂正事項2-3 a 上記「ア(オ)」の【0060】には、「植生管理技術の第1モードで動作するように構成されているユニットが、車両の進行方向で植生管理技術の第2モードで動作するように構成されているユニットの前に設置される、または、植生管理技術の第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、車両の進行方向で植生管理技術の第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置される。」と記載されているから、訂正事項2-3は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項2-3は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (エ)以上のとおり、訂正事項2-1~訂正事項2-3からなるものである訂正事項2は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 エ 訂正事項3について (ア)訂正事項3-1 a 上記「ア(カ)」の【0069】には、「方法は処理部、出力部、および1つ以上のカメラを車両に設置することを含む。」と記載されているから、上記訂正事項3-1は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項3-1は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (イ)訂正事項3-2 a 上記「イ(オ)」で訂正事項1-4について論じたのと同様に、訂正事項3-2は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項3-2は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (ウ)訂正事項3-3 a 上記「ア(カ)」の【0068】には、「車両に搭載される植生管理技術を環境の少なくとも第1部分に対して1つ以上の動作モードで作動させることを含む。」と記載されているから、訂正事項3-3は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項3-3は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (エ)訂正事項3-4 a 上記「ウ(イ)2-2」及び「イ(エ)1-3」で論じたのと同様に、訂正事項3-4は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項3-4は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (オ)訂正事項3-5 a 上記「ア(カ)」の【0069】には、「方法は処理部、出力部、および1つ以上のカメラを車両に設置することを含む。」と記載されているから、上記訂正事項3-5は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項3-5は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (カ)訂正事項3-6 a 上記「ア(オ)」の【0059】には、「各ユニットは植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成される。」、「複数のユニットが搭載され、1つのユニットが車両の進行方向で他のユニットの前方に設置される。」と記載されているから、訂正事項3-6は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項3-6は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (キ)訂正事項3-7 a 上記「ア(オ)」の【0060】には、「植生管理技術の第1モードで動作するように構成されているユニットが、車両の進行方向で植生管理技術の第2モードで動作するように構成されているユニットの前に設置される、または、植生管理技術の第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、車両の進行方向で植生管理技術の第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置される。」と記載されているから、訂正事項3-7は、本件特許明細書等に記載されていると認められる。 b したがって、訂正事項3-7は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (ク)以上のとおり、訂正事項3-1~訂正事項3-7からなるものである訂正事項3は、本件特許明細書等の記載に基づくものであって、本件特許明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (4)訂正単位について 訂正前の請求項1~3は、請求項3が請求項1および2を引用しており、訂正事項1および2によって記載が訂正される請求項1と、訂正事項3により記載が訂正される請求項2とに連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1~3に対応する訂正後の請求項1~3は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 したがって、訂正事項1~3に係る訂正は、一群の請求項〔1~3〕について請求されたものである。 (5)独立特許要件 本件特許異議の申立ては、訂正前の全ての請求項である請求項1~3が申立ての対象であるから、本件訂正に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定の独立特許要件は課されない。 (6)まとめ 上記(1)~(5)で示したとおり、訂正事項1~3よる訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって,本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~3について訂正することを認める。 第3 本件訂正発明 上記「第2 訂正請求の適否」に記したように、本件訂正は認められることとなったので、訂正後の本件特許の請求項1~3に係る発明(以下、それぞれの特許発明を、「本件訂正発明1」~「本件訂正発明3」と、これらをまとめて「本件訂正発明」という。)は、次のとおりのものであると認める。 「【請求項1】 1つ以上のカメラ(110)と、 入力部(20)と、 植生管理技術(120)と、 処理部(30)と、 出力部(40)と、 を含む雑草防除装置(10)であって、 前記1つ以上のカメラは、 環境の1枚以上の画像を取得するように構成され、前記入力部は、 前記処理部に前記環境の1枚以上の画像を提供するように構成され、 前記植生管理技術は、高電圧ベースのシステムであり、複数の動作モードで動作するように構成され、 前記処理部は、異なる雑草種類と、各雑草種類を管理するのに使用される植生管理技術の最適なモードとを含むデータベースにアクセスするように構成され、前記植生管理技術の最適なモードは、前記高電圧ベースのシステムの時間および/または電力レベルを含み、 前記植生管理技術は、複数のユニットを含み、各ユニットは、前記植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成され、 前記複数のユニットは、1つのユニットが、車両である前記装置の進行方向で他のユニットの前方に設置されるように設置され、 前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して、前記植生管理技術の前記複数の動作モードから前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される、前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定するように構成され、 前記1枚以上の画像を分析して前記植生管理技術の前記1つ以上の動作モードを決定することは、前記環境の前記少なくとも第1部分において第1種類の雑草を判定すること、および、前記環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草を判定することを含み、 前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第1部分において前記第1種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第1動作モードを決定するように構成され、前記植生管理技術の前記第1動作モードは、前記データベースから選択された最適なモードであり、前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定するように構成され、 前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記装置の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの前に設置されるか、または、前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作るように構成されているユニットが、前記装置の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置され、 前記出力部は、前記植生管理技術を前記1つ以上の動作モードで作動させるのに使うことができる情報を出力するように構成される、雑草防除装置(10)。 【請求項2】 (a)車両の処理部に、前記車両の1つ以上のカメラにより取得された、環境の1枚以上の画像を提供すること(210)であって、前記処理部は、異なる雑草種類と、各雑草種類を管理するのに使用される植生管理技術の最適なモードとを含むデータベースにアクセスするように構成され、前記植生管理技術の最適なモードは、前記高電圧ベースのシステムの時間および/または電力レベルを含む、提供すること(210)と、 (c)前記処理部により前記1枚以上の画像を分析して、前記車両の植生管理技術の複数の動作モードから、前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定し(220)、前記環境の前記少なくとも第1部分において第1種類の雑草を判定し(290)、前記環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草を判定し(300)、前記環境の前記少なくとも第1部分において前記第1種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第1動作モードを決定し(310)、前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定する(320)ことであって、前記植生管理技術の前記第1動作モードは、前記データベースから選択された最適なモードであり、前記植生管理技術は、高電圧ベースのシステムである、決定する(320)ことと、 (e)前記車両の出力部により前記植生管理技術を前記1つ以上の動作モードで作動させるのに使うことができる情報を出力すること(230)であって、前記植生管理技術は、複数のユニットを含み、各ユニットは、前記植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成され、前記複数のユニットは、1つのユニットが、前記車両の進行方向で他のユニットの前方に設置されるように設置される、出力すること(230)と、 を含み、 前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記車両の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの前に設置されるか、または、前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記車両の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置される、 雑草防除方法(200)。 【請求項3】 プロセッサにより実行された場合に請求項2に記載の方法を実行するように構成される、請求項1に記載の装置を制御するためのコンピュータプログラムエレメント。」 第4 特許異議の申立て及び取消理由通知について 1 特許異議の申立ての概要 特許異議申立人は、概略次の理由に基づき、本件訂正前の請求項1~3に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。 (1)申立理由1(新規性) 本件特許発明1~3は、甲第1号証に記載された発明と同一または実質同一であり、新規性がなく、特許法第29条第1項第3号の規定に違反して特許がされたものである(特許法第113条第2号)。 (2)申立理由2(進歩性) 本件特許発明1は、甲第1号証に記載された発明に、周知技術(甲2ないし甲11)を適用することにより、進歩性がなく、特許法第29条第2項の規定に違反して特許がされたものである(特許法第113条第2号)。 (3)申立理由3(明確性) 本件特許発明1~3は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号の規定に違反して特許がされたものである(特許法第113条第4号)。 <証拠方法> 異議申立人は、上記「(1)申立理由1(新規性)」及び「(2)申立理由2(進歩性)」の主張を裏付ける証拠として、次のとおり、甲第1号証を主たる証拠とし、従たる証拠として甲第2号証~甲第11号証を提出した。 甲第1号証:特表2008-539459号公報(以下「甲1」という。) 甲第2号証:特開2017-93330号公報(以下「甲2」という。) 甲第3号証:実願平4-48653号(実開平6-3088号公報)のC D-ROM(以下「甲3」という。) 甲第4号証:特開2017-158533号公報(以下「甲4」という。) 甲第5号証:国際公開第2016/009688(以下「甲5」という。) 甲第6号証:特開2011-205962号公報(以下「甲6」という。) 甲第7号証:特開2016-49102号公報(以下「甲7」という。) 甲第8号証:特開2016-73299号公報(以下「甲8」という。) 甲第9号証:特開2016-73230号公報(以下「甲9」という。) 甲第10号証:特開2015-53941号公報(以下「甲10」という。) 甲第11号証:特開2015-53942号公報(以下「甲11」という。) 2 令和5年10月2日付け取消理由通知の概要 本件特許に対して令和5年9月29日付けで特許権者に通知した取消理由(以下、当該通知を「取消理由通知」という。)は、概略、次のとおりである。 1)本件特許の請求項1~3に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 2)本件特許の請求項1~3に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、その発明に係る特許は取り消すべきものである。 第5 各甲号証の記載、記載された発明 1 甲1、甲1発明 (1)記載事項 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲1には、以下の記載がある(当審にて下線を付与した。以下同様。) 「【技術分野】 【0001】 本発明の主題は、ビデオカメラと待避トラックレーザカメラを有する画像記録ユニット、画像処理及び評価ユニット、後者に接続されたデータ格納ユニット、並びに雑草データベースを具備する雑草地図を構築するための機構である。」 (イ)「【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 本発明及びその好ましい実施例は、添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。 【0009】 図1に概略的に示された雑草地図を形成するための機構100は、画像記録ユニット110、画像処理及び評価ユニット120、データ格納ユニット130、雑草データベース135、位置検出ユニット150、及び光源160を具備している。また、雑草地図を構築するための機構100には、好ましくは輝度センサ170が設けられており、そして必要であればディスプレイユニット180に接続される。さらに、雑草地図を構築するための機構100は、分かれている別の雑草除去装置の制御ユニット190に接続可能に構成されている。 【0010】 画像記録ユニット110は、搬送車両(例えば、鉄道車両、又は好適な自動車)に装着することができる。この装着は、搬送車両の移動中において画像記録ユニット110の防振位置を保証するショックアブソーバを備えたブラケットにより達成される。ショックアブソーバを備えたブラケットによる装着は、画像記録ユニット110がその動作中に動かないことを保証するものであり、そしてそれにより常に鮮明な画像が記録できる。 【0011】 画像記録ユニット110の課題は、雑草地図を構築するための機構100が前進している間の移動径路の連続的な画像を記録することであり、一番目は移動径路の雑草について、2番目は移動径路上に存在する雑草の種類について、そして3番目は移動径路の地形状態について(即ち、その傾斜部分又は凸凹部分について)の明確な視覚情報を提供することである。従って、図1に表した画像記録ユニット110はビデオカメラ112と待避トラックレーザカメラ114を含むものである。ビデオカメラ112は、高い解像度のカラーカメラであり、光効果に対する各種妨害を取り除くための好適な光学素子(例えば、カラーフィルタ、又は文献から公知の偏光子)が備えられている。また、待避トラックレーザカメラ114は、ディジタルカメラ(高い解像度)であり、その画像処理は、特定の波長帯域において、レーザ光を出射する光源(図示なし)によりアシストされている。この光源は、好ましくはレーザカメラ114の一部を構成するが、しかしながら、これは必要なものではない。ビデオカメラ112とレーザカメラ114は、それらにより記録された画像を、有線(好適なデータケーブルにより)、又は無線(例えば、赤外線又は「ブルーツース」)のデータ通信を介して画像処理及び評価ユニット120に送信する。図1に示された実施例において、雑草状態の範囲の計算及び雑草の種類の識別が、ビデオカメラ112により記録された画像に基づいて行われ、一方待避トラックレーザカメラ114は地形状態を決定するために機能する。 ・・・ 【0015】 優先的には、位置較正素子154は変換器であり、好ましくは、例えば、画像記録ユニット110の移動に作用する搬送車両の車輪に装着された角変位感知変換器である。さらに、位置較正素子154は、他のいかなる種類の変換器によっても提供されうるものであり、例えば高い精度で搬送車両の速度を感知する速度変換器である。位置較正素子154の課題は、その移動中に画像記録ユニット110の実際の位置に関して、位置検知素子152により(必要に応じて、GPSユニットにより)提供された立体座標を較正することである。したがって、雑草地図の精度は、位置検知素子152により供給された情報によっては基本的には決定されず、画像記録ユニット110の位置を感知/算出する変換器により決定され、それにより数センチメートルの精度が達成される。雑草地図上の画像記録ユニット110の現在の位置を正確に算出するために、使用された変換器及び位置検知素子152、好ましくは、GPSユニットは、画像記録ユニット110が動かないときに、互いに同期している。 【0016】 位置検知素子152及び位置較正素子154により供給された座標は、位置検出ユニット150により、有線(好適なデータケーブルにより)又は無線(例えば、赤外線又は「ブルーツース」)のデータ通信を介して画像処理及び評価ユニット120に送信される。 【0017】 ビデオカメラ112及びレーザカメラ114からのビデオ情報のピース、並びに位置検出ユニット150により供給された情報の位置形式は、データ格納ユニット130に記憶される。優先的には、データ格納ユニット130は、高速アクセス記憶装置であるが、データを記憶するために好適な他の如何なる手段でも同様に使用することができる。雑草データベース135は、データ格納ユニット130の一部を構成するが(即ち、そこに格納される)、しかしながら、そのような構成の必要はなく、雑草データベース135を、分かれた別のユニットとして雑草地図を構築するための機構100に接続(例えば、ファームウェアの形式で)することもできる。 【0018】 基本的に、図1に示した機構100の画像処理及び評価ユニット120の課題は、ビデオカメラ112とレーザカメラ114の画像を処理することに基づいて、雑草状態の範囲及び雑草状態の原因となる雑草の種類、並びに地形状態を決定することであり、そしてそこで位置検出ユニット150により提供された立体座標に従った雑草地図として取得された情報のピースを記憶することである。画像処理及び評価ユニット120は、予めプログラミングされた好適なソフトウェアにより取得された情報のピースの処理を実行し、そのそれぞれのステップは画像処理及び評価ユニット120の一部を構成するプロセッサ(図示なし)により実行される。移動径路の雑草に侵された地域は、ビデオカメラ112により記録された画像の緑色の影部分を考慮するソフトウェアの雑草状態報告アルゴリズムにより決定される。本発明に係る雑草地図を構築するための機構100により雑草スポットとして識別されうる最小部分は、機構100の解像度を考慮して、10×10センチメートル四方の領域により示される。雑草の種類の識別は、スペクトル分析、及び雑草データベース135内に含まれる雑草に関する情報の特定の種類のピースを比較することによる形状認識を介して行われる。さらに、本発明に係る雑草地図を構築するための機構100の形状を小型にするために、画像処理及び評価ユニット120、データ格納ユニット130、及び雑草データベース135は、全てパーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップPC)の一部として形成されている。 【0019】 また、画像処理及び評価ユニット120には、少なくとも2つの制御出力122,124が設けられている。制御出力の1つ122は、画像処理及び評価ユニット120がそれを介してディスプレイユニット180に接続することができるように構成されている。雑草地図及び画像処理及び評価ユニット120に入る情報のピースの実時間の視覚化のために、ディスプレイユニット180はスクリーンのようなもので形成され、好ましくはタッチスクリーンで形成される。当該情報のピースを印刷できるように、ディスプレイユニット180はまた印刷装置の形式で提供することもできる。 【0020】 別の制御出力124は、データ通信接続状態を画像処理及び評価ユニット120と、分かれている別の雑草除去装置の制御ユニット190との間にそれを通して確立するよう構成されている。これは、雑草の除去を達成するために要求されたパラメータ(除草剤の形式、その要求された投与量、配達の場所と期間)を決定するために、雑草除去装置に準備された雑草地図を直接ダウンロードできることを意図したものである。このデータ通信は有線通信又は無線通信のいずれかで再び行うことができる。 【0021】 図2に示された雑草地図を構築するための機構100’は、各種の雑草の種類をより高い精度で識別できる能力を確保するために、その画像記録ユニット110’がビデオカメラ112と待避トラックレーザカメラ114の他に、種類較正レーザカメラ115を含んでいる点で、図1に示した機構100と異なっている。種類較正レーザカメラ115は、高い解像度のディジタルカメラであり、その画像処理は、特定の波長帯域において、高い強度のレーザ光放射光源(図示なし)によりアシストされている。優先的には、このレーザ光放射光源は、電磁スペクトルの赤外線-可視光線の範囲において、雑草に対して特徴的な狭い波長帯域で放射する1個以上のレーザダイオードにより提供される。優先的には、レーザ光放射光源は、種類較正レーザカメラ115の一部を構成しているが、このような構成は必要なものではなく、レーザ光放射光源を光源160の一部として提供することもできる。照射スポットに放射されたコヒーレント光の強さを極めて大きくする、好ましくは対象のスポットの自然光(及びまた必要であれば光源160により放射された光)において測定された強さより10倍大きくするという手段を用いて、レーザ光放射光源の出力は調整される。ここで、前記レーザ光源が、基本的には、通常のフラッシュの役目を果たすものであることに注意すべきである。ビデオカメラ112を妨害(例えば、光/影の影響を急に変更する、記録された画像の色スペクトルにおける日の出/日の入り時に出現する大きな変位)するかもしれない自然照射の影響、及び/又は雑草地図を構築するための機構100’の画像記録ユニット110’の急激な動きのための影響(例えば、ぼやけた画像)は、レーザ光による瞬間的な照射を提供することにより除去することができる。レーザ光による照射により、太陽の影響は好適な光学手段(図示なし)により照射されたスポットに影響を与えるものではなく、比較的に異なった光の状態下であっても、それにより一定の輝度の画像はレーザカメラ115により記録されうる。短いパルスによる照射において記録された画像は、高速度でさえ静的に残っており、そしてビデオカメラ112により記録された同じ領域からのものより極めて鮮明である。このため、雑草データベース135に基づき、適切な形状認識アルゴリズムを使用して、種類較正レーザカメラ115により記録された画像を考慮し、そして、ビデオカメラ112により記録された画像とそれらの画像とを比較することにより、雑草の種類の識別が、図1に示された機構100の場合に比べて画像処理及び評価ユニット120により更なる正確さで達成することが可能となり、それにより、構築された雑草地図の信頼性が強化されることになる。 【0022】 次に、雑草地図の構築のために本発明に係る機構100,100’の適用について詳細に述べる。 【0023】 画像記録ユニット110,110’を搬送車両上に装着した後、そしてまだ画像記録ユニット110,110’の静止位置において、位置検知素子152と位置較正素子154は互いに同期している。この方法において、位置較正素子154の信号に基づき、画像記録ユニット110,110’の位置は、画像記録ユニット110,110’と搬送車両の連結した動作中いつでも正確に知られるであろう。同期した後、搬送車両は動作を開始し、同時に画像記録ユニット110,110’はその動作を始める、即ちそれは移動径路及びその径路を覆う雑草植物の画像を記録する。その画像は、高精度のカラービデオカメラ112と待避トラックレーザカメラ114により、必要であれば光源160により均一な照射と協動して、記録される。このため、取得されたビデオ情報は、有線又は無線のデータ通信により画像処理及び評価ユニット120に送信される。要求される光源160のオンオフの切替えは、輝度センサ170の入力信号に基づき画像処理及び評価ユニット120により制御される。もし画像記録ユニット110’が使用されるのであれば、レーザ光放射光源は、即ち種類較正レーザカメラ115と協動して、そして通常のフラッシュとして機能し、搬送車両の移動と同時の動作を開始して、そしてレーザ光による瞬間的な照射とともに、レーザカメラ115は移動径路の画像を記録する。また、これらの画像は、有線又は無線のデータ通信により画像処理及び評価ユニット120に送信される。 【0024】 そこで、ビデオ情報の入力されたピースに基づき、雑草状態の範囲が算出され、雑草状態の原因となっている雑草の種類の識別が実行され、そして移動径路の地形状態が画像処理及び評価ユニット120により決定される。この目的のため、画像における雑草の色及び特色を分析するスペクトル検査アルゴリズムが実行され、及び/又はビデオカメラ112から-必要であればレーザカメラ115から-受け取ったフレーム及び静止画が形状認識アルゴリズムにかけられる。各種の雑草からの光の放出は、放射している雑草において特徴的であるため、形状認識アルゴリズムが適用されるが、しかしながら、それらは互いに非常に近い波長である。雑草の認識は、予め記憶された雑草データベース135のデータに基づいて行われる。 【0025】 ビデオ情報の入力ピースの分析を終了した後、その後の使用のために、検討した現在の領域の雑草については、その雑草状態の原因となっている雑草の種類、及び地形状態、並びに位置検出ユニット150により供給された正確な座標が、データ格納ユニット130における雑草地図として記憶され、及び/又はディスプレイユニット180に送られる。雑草の除去をもたらすために、このように構築された雑草地図は分かれている別の雑草除去装置の制御ユニット190にも同時に送信することができる。 【0026】 本発明に係る雑草地図を構築するための機構100,100’により構成された雑草地図は、出発及び到着座標の両方、移動径路、メートル単位の表現で示された距離、移動径路の座標(好ましくは、例えば、変換器により較正されたそのGPS座標)、%単位及び領域単位の雑草状態の範囲、並びに検出された雑草の種類、を含んでいる。 【0027】 本発明に係る雑草地図を構築するための機構100,100’は、以下の特徴を有する。 - 如何なる環境においても基本的に雑草除去装置から、物理的に分離され、独立的に動作することが可能であるが、雑草除去を実行するために、機構100,100’により構築された雑草地図は、機構100,100’が雑草除去装置に接続された後、その雑草除去装置に容易にダウンロードすることができ、 - 高精度で、雑草状態の他に雑草の種類を含む雑草地図は、一日のいつでも、及び/又は自然照射状態が不十分であっても、機構100,100’により構築することができ、 - 雑草地図に描かれた雑草の種類の識別は、光/影の影響が比較的に急に変化する時でさえ、非常に正確に実行することができ、これは、雑草除去処理が雑草地図に基づいて行われるとき、特定の地域を覆う雑草を除去する最も効果的である特定の種類の除草剤が、除草されるべき地域に確実に散布されることを保証するものである。」 (2)甲1発明、甲1方法発明 上記(1)より、甲第1号証には、次の2つの発明(以下、それぞれ「甲1発明」及び「甲1方法発明」という。)が記載されていると認める。 (甲1発明) 「領域単位の雑草状態の範囲、並びに検出された雑草の種類を含む雑草地図を構築するための機構、及び、機構100,100’に接続され、機構100,100’により構築された雑草地図がダウンロードされる、雑草除去装置であって、(【0026】、【0027】) 機構100,100’は、画像記録ユニット110,110’、画像処理及び評価ユニット120、データ格納ユニット130、雑草データベース135、位置検出ユニット150を具備し、(【0009】) 画像記録ユニット110,110’は、 搬送車両(例えば、鉄道車両、又は好適な自動車)に装着することができ、(【0010】) 移動径路及びその径路を覆う雑草植物の画像を記録するものであり、一番目は移動径路の雑草について、2番目は移動径路上に存在する雑草の種類について、そして3番目は移動径路の地形状態について(即ち、その傾斜部分又は凸凹部分について)の明確な視覚情報を提供するものであり、(【0011】、【0023】) ビデオカメラ112と、ディジタルカメラ(高い解像度)である待避トラックレーザカメラ114を含み、(【0011】) さらに、各種の雑草の種類をより高い精度で識別できる能力を確保するために、きわめて鮮明な、静的に記録された画像を記録する、種類較正レーザカメラ115も含み、(【0021】) これらの画像は、有線又は無線のデータ通信により画像処理及び評価ユニット120に送信され、(【0023】) 画像処理及び評価ユニット120は、画像を処理することに基づいて、雑草状態の範囲及び雑草状態の原因となる雑草の種類、並びに地形状態を決定し、(【0018】) 雑草の認識は、予め記憶された雑草データベース135のデータに基づいて行われ、(【0024】) また、画像処理及び評価ユニット120には、制御出力124が設けられ、(【0019】) 制御出力124は、データ通信接続状態を画像処理及び評価ユニット120と、雑草除去装置の制御ユニット190との間にそれを通して確立するよう構成され、雑草の除去を達成するために要求されたパラメータ(除草剤の形式、その要求された投与量、配達の場所と期間)を決定するために、雑草除去装置に準備された雑草地図を直接ダウンロードでき、(【0020】) 雑草除去処理が雑草地図に基づいて行われ、特定の地域を覆う雑草を除去する最も効果的である特定の種類の除草剤が、除草されるべき地域に確実に散布される、(【0027】) 雑草地図を構築するための機構100,100’、及び、雑草除去装置(【0027】)。」 (甲1方法発明) 「甲1発明の、雑草地図を構築するための機構100,100’、及び、雑草除去装置を用いる、雑草地図構築及び雑草除去の方法。」 2 甲2 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲2には、以下の記載がある。 「【0039】 散布条件データ記憶部44は、法面の構造やその他の道路関係データに応じた散布範囲に除草剤を散布するための散布条件データを記憶するものである。本第1実施形態において、散布条件データは、図7(a)に示すように、法面の構造や道路構造物に応じて使用する(電磁弁13をONにする)散布ノズルと、図7(b)に示すように、雑草の種別ごとに適した除草剤の種別とを有している。」 3 甲3 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲3には、以下の記載がある。 「【0006】 【考案の作用】 枯死すべき雑草の種類、大きさなどに応じて、放電回路の火花ギャップの間隔を調整する。即ち、雑草が比較的大きい場合には、前記火花ギャップの間隔を大きくすると、この火花ギャップの部分において、放電回路を構成しているコンデンサに充電された電荷が放電されにくくなって、コンデンサに蓄積されるエネルギーが大きくなり、この結果一回の放電によってコンデンサから放出されるエネルギーが大きくなる。このため、放電極と雑草との間の放電のためのエネルギーが大きくなって、大きな雑草の放電による枯死が可能となる。また、雑草が比較的小さい場合には、前記火花ギャップの間隔を上記よりも小さくすると、コンデンサに充電された電荷が放電され易くなって、一回の放電によってコンデンサから放出されるエネルギーが上記に比較して小さくなる。この結果、放電極と雑草との間の放電エネルギーも小さくなる。」 4 甲4 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲4には、以下の記載がある。 「【0111】 判定部1211は、画像解析部1210から渡された、植物の葉や花らしき部分のエッジ情報と、植物DB1212に登録される各エッジ情報とを比較し、画像解析部1210から渡されたエッジ情報と、植物DB1212に登録される各エッジ情報との類似度を求める。そして、植物DB1212に登録される各エッジ情報のうち、類似度の最も高いエッジ情報に関連付けられた特徴(硬度、密集度など)を抽出して、解析部121の解析結果として全体制御部200に渡す。全体制御部200は、判定部1211から渡された解析部121の解析結果に基づき、モータドライバ215Lおよび215Rや、誘電加熱制御部210に対して指示を出す。 【0112】 例えば、全体制御部200は、解析部121から渡された解析結果に基づき、電極部100の前方の植物の密集度または当該植物の硬度が高いと判定した場合に、高周波電圧発生部211がより高い電圧値の高周波電圧を発生させるように、誘電加熱制御部210を制御する。これに限らず、全体制御部200は、解析部121から渡された解析結果に基づき電極部100の前方の植物の密集度または当該植物の硬度が高いと判定した場合に、モータ12Lおよび12Rの回転速度を遅くするようにモータドライバ215Lおよび215Rに指示を出してもよい。」 5 甲5 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲5には、以下の記載がある。 「[0266] 情報を受信したサーバー704は、その情報を分析し、作業に必要な情報を生成し、農業機械100に送信する(S353)。この情報分析も行う作業に応じて変わる。たとえば、肥料散布の作業であれば、サーバー704は図35AのS208の工程で説明した場合と同様に画像認識を行い、認識した葉ごとにNDVI(植物の活性度)を調べたり、土壌のスペクトル分布を調査したりする。その結果、肥料を散布する必要があるかどうか判断する。雑草を除草する作業の場合にはサーバーは画像認識(S208の工程と同様)を行い、対象物が雑草であるか否かの判断を行い、雑草であると判断するときには、除草剤散布またはピックアップ用のアームをその位置まで持っていくためにその雑草までの距離を求める。果実を収穫する作業の場合には、果実の大きさや色、糖度などを分析し、収穫するか否かを判断する。収穫すると判断する場合には、果実切断保持のロボットアームがその果実周辺の所定位置まで到達できるよう、所定位置までの距離を算出する。さらには、植物活性度や降水予想量から散水作業の要否を判断する。なお、このS353の工程は、農業機械100で行ってもよい。」 6 甲6 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲6には、以下の記載がある。 (1)「【0026】 なお、波長200~280nmの範囲内にピーク波長を持つ紫外線と波長280~315nmの範囲内にピーク波長を持つ紫外線は、波長315~380nmの範囲内にピーク波長を持つ紫外線に比べて防草効果が高かった。また、紫外線の照射強度は、ランプからの紫外線出力で0.5W~20Wの範囲内のものを好ましく用いることができるが、それより大きい紫外線出力を持つ紫外線ランプであってもよい。また、紫外線強度で表せば、0.4mW/cm2~18mW/cm2の範囲内のものを好ましく適用できるが、それより大きい紫外線強度で照射してもよい。こうした紫外線出力や紫外線強度で表される紫外線は、地表に届く太陽光線に含まれる紫外線に比べてかなり強い紫外線であり、それ故、本発明で適用する紫外線は防草効果を示すことができる。」 (2)「【0049】 また、紫外線による防草効果を確実なものにするために、対象雑草の種類と生育ステージに合わせて、最適な紫外線の種類(波長)、照射強度、照射時間を設定することも可能である。」 7 甲7 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲7には、以下の記載がある。 「【0167】 例えば、肥料散布の作業であれば、サーバー11は画像認識を行うことで作物の葉ごとにNDVI(植物の活性度)を調べ、土壌のスペクトル分布を調査する。その結果、肥料を散布する必要があるか否かを判断する。雑草を除草する作業の場合、サーバーは画像認識を行うことで対象物が雑草であるか否かの判断を行い、雑草であると判断するときには、除草剤を散布する。また、移動体17が具備するピックアップ用のアームをその位置まで持っていくために雑草までの距離を算出する。」 8 甲8 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲8には、以下の記載がある。 「【0016】 紫外線照射装置10は、紫外光光源(ランプ)11と、コントローラ12とを備える。 ランプ11は、雑草の侵入防止現象が得られる波長の紫外線を放射する。ここで、ランプ11が放射する紫外線は、例えば、200nm~280nmの波長を有する紫外線(UV-C)とする。 例えば、ランプ11としては、図2に示すように、発光強度が最大となる波長(ピーク波長)が230nmであり、波長200nm~280nmの範囲に連続したスペクトルを有する希ガス蛍光ランプを用いることができる。図2において、横軸は波長λ[nm]、縦軸は発光強度I(任意単位)である。この図2に示すスペクトルを有する希ガス蛍光ランプは、石英ガラスからなり、内部にキセノンを含む放電ガスが封入された発光管と、該発光管の外部に配置された一対の電極と、発光管の内面に形成された蛍光体層とを備える蛍光ランプである。 【0017】 希ガス蛍光ランプは、蛍光体の組成を適宜調整することにより、放射される光の波長を調整することができる。したがって、侵入回避対象の雑草の種類等に応じて、当該雑草の侵入防止現象を発現できる最適波長を実験等により予め求めておき、その最適波長の光を放射できるようにランプを調整することが好ましい。 コントローラ12は、ランプ11から雑草侵入回避空間Sに対して照射する紫外線の照射タイミング、照射時間[min]、照射強度[μW/cm2]、照射量[J/cm2]等の照射条件を制御する。 なお、紫外線の照射条件は、侵入回避対象の雑草の種類等に応じて適宜設定する。特に、UV-C照射は人体に対して悪影響を及ぼすおそれがあるため、コントローラ12は、雑草侵入回避空間S内に作業者等が立ち入らない時間帯にUV-C照射するようにランプ11を制御するものとする。」 9 甲9 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲9には、以下の記載がある。 「【0017】 紫外線照射装置10は、紫外光光源(ランプ)11と、コントローラ12とを備える。 ランプ11は、難防除雑草を枯殺又は生長制御可能な紫外線を放射する。ここで、ランプ11が放射する紫外線は、例えば、200nm~280nmの波長を有する紫外線(UV-C)である。 例えば、ランプ11としては、図2に示すように、発光強度が最大となる波長(ピーク波長)が230nmであり、波長200nm~280nmの範囲に連続したスペクトルを有する希ガス蛍光ランプを用いることができる。図2において、横軸は波長λ[nm]、縦軸は発光強度I(任意単位)である。ここで、上記希ガス蛍光ランプは、石英ガラスからなり、内部にキセノンを含む放電ガスが封入された発光管と、該発光管の外部に配置された一対の電極と、発光管の内面に形成された蛍光体層とを備える蛍光ランプである。 【0018】 コントローラ12は、ランプ11から難防除雑草21aに対して照射する紫外線の照射タイミング、照射時間、照射強度[μW/cm2]、照射量[J/cm2]等の照射条件を制御する。 なお、紫外線の照射条件は、防草対象の難防除雑草の種類等に応じて適宜設定する。特に、UV-C照射は人体に対して悪影響を及ぼすおそれがあるため、コントローラ12は、紫外線照射空間S内に作業者等が立ち入らない時間帯にUV-C照射するようにランプ11を制御するものとする。」 10 甲10 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲10には、以下の記載がある。 (1)「【0016】 本明細書に開示するデバイスおよび方法は、不要な植物を位置決めして識別するための三次元イメージャと、不要な植物に損傷を与えて枯らす上で有用なレーザデバイスと、レーザデバイスからビームを不要な植物へと方向づけるための誘導システムとを用いる。三次元イメージャ、レーザデバイスおよび誘導システムは、農圃または芝生等のエリアに渡って移動されるように構成され得るシャーシによって支持されることが可能である。高度な画像形成システムを含む不要な植物の除去システムは、本出願と同日に提出された同時出願および共同所有たる米国特許出願第14/027,116号に開示されている。安定化システムを含む不要な植物の除去システムは、本出願と同日に提出された、代理人整理番号第20130143US03号により識別される同時出願および共同所有たる米国特許出願第14/027,120号に開示されている。これらの2出願は、本参照により全体が開示に含まれる。」 (2)「【0036】 装置の実施形態の中には、不要な植物を除去する、または不要な植物に損傷を与えるための除去デバイスを含むものがある。除去デバイスは、除草剤散布機、火炎除草用トーチヘッドまたはレーザデバイスを含むことが可能である。ある実施形態では、除去デバイスは、不要な植物に損傷を与えるに足るパワーを有するレーザビームを放射するように構成されるレーザデバイスを含むことが可能である。不要な植物に致命的な損傷を与えるに足るパワーの量は、衝突する放射線の波長、不要な植物へ送達されるこの放射線の分量、不要な植物の成長段階および衝突する放射線へ暴露される不要な植物の部分(標的または標的に近い部位)に依存する。」 (3)「【0042】 装置の実施形態の中には、少なくとも1つのレーザビームを不要な植物上の標的へと方向づけるように構成される誘導システムを含むものがある。さらに、誘導システムは、少なくとも1つのレーザデバイスの光学系を、不要な植物を除去するために具現される装置コンポーネントの精確かつ効率的な使用をもたらすべく適合化するように構成されることが可能である。実施形態によっては、誘導システムは、被写界深度、被写界幅または焦点距離のうちの少なくとも1つを変更するように、三次元画像形成システムへフィードバックを提供することができる。レーザ1120A~1120Cの各々は、互いに関係なく方向づけられ、かつ/または、ポジション、角度、スポットサイズおよび/または焦点距離、他を制御されることが可能である。実装によっては、各レーザのパワー、波長および/またはビームタイプ(連続波(CW)またはパルス式)は、標的植物のタイプを基礎として独立制御されることが可能である。実施形態によっては、レーザビームのスポットサイズは約100μm未満である可能性があり、かつビームのコリメーション直径は約1mm未満である可能性がある。 【0043】 大きい動眼視野のレーザ走査(例えば、xおよびy両方向に+/-30度)は、MEMSベースのミラースキャナおよび/または適応光学エレメントによって、可変長焦点制御と共に達成されることが可能である。実装の中には、異なる高さの雑草をオンザフライで標的にするために、焦点位置をオンザフライで可変式にリプログラムすることを含むものがある。 ・・・ 【0046】 装置の幾つかの実施形態は、農場または芝地等の広範囲エリアを走査することができ、かつ誘導システムを用いて、必要な植物と不要な植物とを区別し、不要な植物を位置決めし、不要な植物上の標的を位置決めし、少なくとも1つのレーザデバイスから放射される レーザビームを選択し、レーザビームの光学特性を調整し、特性が調整されたレーザビームを不要な植物の標的へ方向づけ、かつ不要な植物の標的をレーザビームで損傷することができる。レーザデバイスが複数のレーザダイオードを含んでいれば、誘導システムは、植物に致命的損傷を与えるに足る精度およびエネルギーで不要な植物上の標的に当たるレーザビームの能力を高めるように、複数のレーザダイオードのうちの1つまたは複数のレーザダイオードを選択することができる。」 11 甲11 本件特許に係る出願の全ての優先日前に発行された甲11には、以下の記載がある。 (1)「【0016】 本明細書に開示するデバイスおよび方法は、不要な植物を位置決めして識別するための三次元イメージャと、不要な植物に損傷を与えて枯らす上で有用なレーザデバイスと、レーザデバイスからビームを不要な植物へと方向づけるための誘導システムとを用いる。三次元イメージャ、レーザデバイスおよび誘導システムは、農圃または芝地等のエリアに渡って移動されるように構成され得るシャーシによって支持されることが可能である。 ・・・ 【0018】 除去デバイスの幾つかの実施形態は、除草剤散布機、火炎除草用トーチヘッド、自動耕運機またはレーザデバイスを含むことが可能であるが、この限りではない。除草剤散布機および火炎除草用トーチヘッド(火炎放射器)ならびに耕運機は、不要な植物を損傷する、または除去する、農業および園芸に関わる一般的な当業者には周知の方法である。実施形態によっては、除草剤散布機は、その各々が不要な植物上の標的へ誘導され得る1つまたは複数のノズルを含むことが可能である。同様に、火炎除草も、その各々が誘導システムによって不要な植物上の標的へと方向づけられ得る複数の火炎トーチヘッドを用いて実行されることが可能である。実施形態によっては、除去デバイスは、不要な植物に損傷を与えるに足るパワーを有するレーザビームを放射するように構成されるレーザデバイスを含むことが可能である。不要な植物に致命的な損傷を与えるに足るパワーの量は、衝突する放射線の波長、不要な植物へ送達されるこの放射線の分量、不要な植物の成長段階および衝突する放射線へ暴露される不要な植物の部分(標的または標的に近い部位)に依存する。」 (2)「【0047】 実施形態によっては、装置は、農圃または芝地等の広範囲エリアを走査することができ、かつ誘導システムを用いて、必要な植物と不要な植物とを区別し、不要な植物を位置決めし、不要な植物上の標的を位置決めし、少なくとも1つのレーザデバイスから放射されるレーザビームを選択し、レーザビームの光学特性を調整し、特性が調整されたレーザビームを不要な植物の標的へ方向づけ、かつ不要な植物の標的をレーザビームで損傷することができる。レーザデバイスが複数のレーザダイオードを含んでいれば、誘導システムは、植物に致命的損傷を与えるに足る精度およびエネルギーで不要な植物上の標的に当たるレーザビームの能力を高めるように、複数のレーザダイオードのうちの1つまたは複数のレーザダイオードを選択することができる。実施形態によっては、レーザデバイスは、まず標的ロケーションへと方向づけられることが可能であり、次に、標的に命中するように発射されることが可能である。」 第6 当審合議体の判断 1 取消理由通知に記載した取消理由について 令和5年9月29日付取消理由通知書においては、申立理由のうち申立理由1(新規性)及び申立理由2(進歩性)について、本件特許の請求項1~3に係る発明に対する取消理由が記載され通知されたので、以下において、上記「本件訂正」に係る訂正事項を踏まえ、これらの理由について検討する。 (1)本件訂正発明1について ア 対比 (ア)甲1発明の、「画像記録ユニット110,110」は、「ビデオカメラ112」、「待避トラックレーザカメラ114」及び「種類較正レーザカメラ115」を含み、「移動径路及びその径路を覆う雑草植物の画像を記録する」ものであるから、本件訂正発明1の、「環境の1枚以上の画像を取得するように構成され」た「1つ以上のカメラ(110)」に相当する。 (イ)甲1発明における、「これらの画像は、有線又は無線のデータ通信により画像処理及び評価ユニット120に送信され」る構成は、本件訂正発明1の、「前記処理部に前記環境の1枚以上の画像を提供するように構成され」た「入力部(20)」に相当する。 また、甲1発明の「雑草除去装置」は、本件訂正発明1の「雑草防除装置(10)」に相当する。 (ウ)甲1発明の「除草剤」は、本件訂正発明1の「植生管理技術(120)」に相当し、甲1発明における「除草剤の形式、その要求された投与量」あるいは「特定の種類の除草剤」は、本件訂正発明1における「植生管理技術(120)」の「動作モード」に相当する。 また、甲1発明における「特定の地域」あるいは「除草されるべき地域」は、画像が「移動経路」上のものであることから、複数存在するものであることを踏まえると、甲1発明が、「雑草の除去を達成するために要求されたパラメータ(除草剤の形式、その要求された投与量、配達の場所と期間)」に応じ、「特定の地域を覆う雑草を除去する最も効果的である特定の種類の除草剤が、除草されるべき地域に確実に散布される」よう構成されていることは、本件訂正発明1において、「植生管理技術(120)」は、「複数の動作モードで動作するように構成され」ることに相当する。 したがって、本件訂正発明1と甲1発明とは、「前記植生管理技術は、」「複数の動作モードで動作するように構成され」る点において共通する。 (エ)甲1発明の「画像処理及び評価ユニット120」は、「画像を処理することに基づいて、」「雑草状態の原因となる雑草の種類」「を決定」するものであるから、本件訂正発明1の「処理部(30)」に相当し、甲1発明の「雑草データベース135」は、本件訂正発明1の「異なる雑草種類」「を含むデータベース」に相当し、甲1発明において、「雑草の認識は、」「雑草データベース135のデータに基づいて行われ」るから、本件訂正発明1と甲1発明とは、「前記処理部は、異なる雑草種類」「を含むデータベースにアクセスするように構成され」る点において一致する。 また、甲1発明の「制御ユニット190」は、「雑草除去装置に準備された雑草地図を直接ダウンロード」し、「雑草の除去を達成するために要求されたパラメータ(除草剤の形式、その要求された投与量、配達の場所と期間)を決定する」と解されるから、上記「画像処理及び評価ユニット120」とともに、本件訂正発明1の「処理部30」に相当し、かつ、「制御ユニット190」において当該「パラメータ」を決定する」にあたって、予め雑草の種類等に応じて好適な値が定められ記憶されるようになすことは明らかであるから、本件訂正発明1と甲1発明とは、「前記処理部は、異なる雑草種類と、各雑草種類を管理するのに使用される植生管理技術の最適なモードとを含むデータベースにアクセスするように構成され」るものである点において一致する。 (オ)甲1発明は、「画像処理及び評価ユニット120」において、「移動径路及びその径路を覆う雑草植物の画像」である「画像を処理することに基づいて、雑草状態の範囲及び雑草状態の原因となる雑草の種類、並びに地形状態を決定し」、それにより構築される「領域単位の雑草状態の範囲、並びに検出された雑草の種類を含む雑草地図」を「雑草除去装置の制御ユニット190」にダウンロードして、「雑草の除去を達成するために要求されたパラメータ(除草剤の形式、その要求された投与量、配達の場所と期間)を決定」し、「特定の地域を覆う雑草を除去する最も効果的である特定の種類の除草剤が、除草されるべき地域に確実に散布される」ものである。 すると、甲1発明における、「画像を処理すること」は、本件訂正発明1の「処理部(30)」における、「画像を分析」することに相当し、 甲1発明の、「パラメータ(除草剤の形式、その要求された投与量、配達の場所と期間)」は、本件訂正発明1の「植生管理技術の前記複数の動作モード」に相当し、 甲1発明における、「特定の地域」あるいは「除草されるべき地域」は、画像が「移動経路」上のものであることを踏まえれば、複数存在するものであることは自明であるから、本件訂正発明1の、「前記環境の少なくとも第1部分」及び「前記環境の少なくとも第2部分」に相当し、 甲1発明における、「特定の地域」あるいは「除草されるべき地域」は、画像が「移動経路」上のものであることを踏まえれば、複数存在するものであることは自明であるから、本件訂正発明1の、「前記環境の少なくとも第1部分」及び「前記環境の少なくとも第2部分」に相当し、 甲1発明における、「雑草状態の原因となる雑草の種類」を決定していることは、本件訂正発明1において、「第1種類の雑草を判定すること」及び「第2種類の雑草を判定すること」に相当し、 そして、上記(エ)で論じた事項も踏まえると、甲1発明における、「雑草の除去を達成するために要求されたパラメータ(除草剤の形式、その要求された投与量、配達の場所と期間)」の決定は、本件訂正発明1における、「処理部(30)」による、「前記植生管理技術の前記複数の動作モードから前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される、前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定」すること、及び、「前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第1部分において前記第1種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第1動作モードを決定するように構成され、前記植生管理技術の前記第1動作モードは、前記データベースから選択された最適なモードであり、前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定するように構成され」ることに相当する。 以上より、甲1発明の「機構100,100’」の「画像処理及び評価ユニット120」、及び、「雑草除去装置」の「制御ユニット190」は、本件訂正発明1の、「処理部(30)」に相当する。 オ 前記アないしエから、本件訂正発明1と甲1発明とは、 [一致点] 「 1つ以上のカメラ(110)と、 入力部(20)と、 植生管理技術(120)と、 処理部(30)と、 を含む雑草防除装置(10)であって、 前記1つ以上のカメラは、環境の1枚以上の画像を取得するように構成され、 前記入力部は、前記処理部に前記環境の1枚以上の画像を提供するように構成され、 前記植生管理技術は、複数の動作モードで動作するように構成され、 前記処理部は、異なる雑草種類と、各雑草種類を管理するのに各雑草種類を管理するのに使用される植生管理技術の最適なモードとを含むデータベースにアクセスするように構成され、 前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して、前記植生管理技術の前記複数の動作モードから前記環境の少なくとも第1部分での雑草防除に使用される、前記植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定するように構成され、 前記1枚以上の画像を分析して前記植生管理技術の前記1つ以上の動作モードを決定することは、前記環境の前記少なくとも第1部分において第1種類の雑草を判定すること、および、前記環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草を判定することを含み、 前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第1部分において前記第1種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第1動作モードを決定するように構成され、前記植生管理技術の前記第1動作モードは、前記データベースから選択された最適なモードであり、前記処理部は、前記1枚以上の画像を分析して前記環境の前記少なくとも第2部分において前記第2種類の雑草の雑草防除に使用される前記植生管理技術の第2動作モードを決定するように構成される、 雑草防除装置(10)。」 の点で一致し、下記相違点1で一応相違する。 [相違点1] 本件訂正発明1では、「前記出力部は、前記植生管理技術を前記1つ以上の動作モードで作動させるのに使うことができる情報を出力するように構成される」、「出力部(40)」を有するのに対し、 甲1発明では、本件訂正発明1の「前記植生管理技術を前記1つ以上の動作モードで作動させるのに使うことができる情報」に相当する、「雑草の除去を達成するために要求されたパラメータ(除草剤の形式、その要求された投与量、配達の場所と期間)」は決定するが、その「パラメータ」を出力する構成についての明示的特定は有しない点。 [相違点2] 本件訂正発明1では、植生管理技術は、「高電圧ベースのシステムであり、」「植生管理技術の最適なモードは、前記高電圧ベースのシステムの時間および/または電力レベルを含」むのに対して、 甲1発明では、「雑草除去」すなわち「植生管理」が「除草剤」によりなされ、「除草剤の形式、その要求された投与量」あるいは「特定の種類の除草剤」を決定してなされる点。 [相違点3] 本件訂正発明1では、植生管理技術が、「複数のユニットを含み、各ユニットは、前記植生管理技術の異なる動作モードで動作するように構成され、」「前記複数のユニットは、1つのユニットが、車両である前記装置の進行方向で他のユニットの前方に設置されるように設置され、」るとともに、「前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記装置の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの前に設置されるか、または、前記植生管理技術の前記第1動作モードで動作するように構成されているユニットが、前記装置の進行方向で前記植生管理技術の前記第2動作モードで動作するように構成されているユニットの後ろに設置され、」るものであるのに対して、 甲1発明では、「搬送車両(例えば、鉄道車両、又は好適な自動車)に装着」されるものの、複数のユニットからなるかどうか、及び、複数の各ユニットが異なる動作モードで動作することが明らかではなく、異なる動作モードのユニットの配置についても特定されていない点。 (2)判断 事案に鑑み、上記相違点3について検討する。 上記相違点3に係る本件訂正発明1の構成については、甲2~甲11のいずれにおいても記載も示唆もされていないし、本件の最先の優先日における周知技術や技術常識であるといえる証拠もない。 してみると、相違点3に係る本件訂正発明1の構成は、甲1発明との実質的な相違点であり、甲1~11に基づいて当業者が容易に相当し得るものではない。 (3)小括 すると、本件訂正発明1は、他の相違点について検討するまでもなく、甲1発明でなく、また甲1~11に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 よって、本件訂正発明1は、特許法第29条第1項第3号に該当せず、また特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないとはいえないから、本件訂正発明1に係る特許は、取り消されるべきものではない。 (2)本件訂正発明2について 本件訂正発明2は、本件特許発明1の雑草防除装置の構成を用いての雑草防除方法の発明であるところ、本件訂正発明2と甲1方法発明とを対比すると、少なくとも、本件訂正発明1と甲1発明との間の相違点3において相違する。 してみると、本件訂正発明1において検討したのと同様に、当該相違点3に係る本件訂正発明2の構成は、甲1発明との実質的な相違点であり、甲1~11に基づいて当業者が容易に相当し得るものではない。 すると、本件訂正発明2は、他の相違点について検討するまでもなく、甲1発明でなく、また甲1~11に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 よって、本件訂正発明2は、特許法第29条第1項第3号に該当せず、また特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないとはいえないから、本件訂正発明2に係る特許は、取り消されるべきものではない。 (3)本件訂正発明3について 本件訂正発明3は、本件訂正発明1あるいは本件訂正発明2のいずれかを引用するものであり、上記相違点3に係る本件訂正発明1あるいは本件訂正発明2の構成を備えるものである。 してみると、本件訂正発明1及び2において検討したのと同様に、当該相違点3に係る本件訂正発明3の構成は、甲1発明との実質的な相違点であり、甲1~11に基づいて当業者が容易に相当し得るものではない。 すると、本件訂正発明3は、他の相違点について検討するまでもなく、甲1発明でなく、また甲1~11に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。 よって、本件訂正発明3は、特許法第29条第1項第3号に該当せず、また特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないとはいえないから、本件訂正発明3に係る特許は、取り消されるべきものではない。 (4)異議申立人の主張について ア 異議申立人は、令和6年2月19日付け意見書において、申立理由1及び2に関し概略次の主張をしている。 (ア)甲1発明において、動作モードを決定するために、雑草の種類とモードとを含むデータベースを用意し、除草時にこれを参照されることは、当業者にとって自明な事項である。 (イ)訂正後の本件特許発明1の「高電圧ベース」が「複数の動作モードで動作すること」を意味するのであれば、甲1発明も「高電圧ベースのシステム」に該当し、さらに、甲第3号証には、「高電圧ベース」の技術が開示されているから、甲1発明が「高電圧ベースのシステム」でないとしても、そのようになすことに技術的な困難性はない。 (ウ)甲第1号証の段落0010には、画像記録ユニットが搬送車両に装着されていることが開示されているため、甲1発明の機構全体を車両化することに技術的な困難性は存在せず、甲第1号証の段落0027には、甲1発明の機構に雑草除去装置が接続されていることが記載されているため、甲1発明の機構に雑草除去を実施するユニットを複数設け、これらのユニットを機構の進行方向において異なる動作モードで動作させることは、当業者にとって格別困難なく想到し得る事項である。 イ 上記主張のうちまず(ア)及び(イ)について検討すると、いずれの主張も、(2)において判断した相違点3に関連するものではないから、これらによって当該判断は左右されるものではない。 ウ 次に、上記主張(ウ)について検討すると、甲1に「画像記録ユニットが搬送車両に装着されていること」、及び、「甲1発明の機構に雑草除去装置が接続されていること」が記載されていたとしても、甲1には、複数のユニット個々における動作モードとの関係について記載も示唆もされていない以上、当該主張を採用することはできない。 (5)小括 以上において検討したとおり、本件訂正発明1~3は、特許法第29条第1項第3号に該当せず、また特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないとはいえないから、本件訂正発明1~3に係る特許は、取り消されるべきものではない。 第7 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 申立理由3(明確性)について (1)申立理由3の概要 ア 申立人は、申立理由3に係り、概略本件特許発明1及び本件特許発明2における「第1部分」及び「第2部分」、「第1種類」及び「第2種類」並びに「第1モード」及び「第2動作モード」との用語の関係について、次のとおりに主張している。 イ 「第1部分」及び「第2部分」それぞれに対し、代表的に「1種類の雑草」を判定するのか、「第1部分」及び「第2部分」それぞれに含まれるすべての雑草の種類を判定するのか、発明の詳細な説明を参照しても不明である。 さらに、そのため、「第1の動作モード」及び「第2の動作モード」についても、それぞれ複数の動作モードが含まれるのか否か不明である。 したがって、本件特許発明1及び本件特許発明2における「第1部分における第1種類の雑草の判定」および「第2部分における第2種類の雑草の判定」、並びに「第1種類に対応する第1モードの決定」及び「第2種類に対応する第2動作モードの決定」は不明確である。 (2)当審の判断 ア 本件特許明細書には、下記のとおりの記載がある。 (ア)「【0021】 一例では、1枚以上の画像を分析して植生管理技術の1つ以上の動作モードを決定することは、環境の少なくとも第1部分において第1種類の雑草を判定すること、および、環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草を判定することを含む。したがって、植生管理技術の最も適切な動作モードは、環境内の異なる複数の雑草種類に基づいて決定することができる。 【0022】 一例では、処理部は1枚以上の画像を分析して、環境の少なくとも第1部分において第1種類の雑草の雑草防除に使用される植生管理技術の第1動作モードを決定するように構成される。また、処理部は1枚以上の画像を分析して、環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草の雑草防除に使用される植生管理技術の第2動作モードを決定するように構成される。 (イ)「【0068】 一例では、環境の少なくとも第2部分は、環境の少なくとも第1部分とは異なる。一例では、環境の少なくとも第2部分は、環境の少なくとも第1部分により部分的に囲まれている。一例では、環境の少なくとも第2部分は、環境の少なくとも第1部分の少なくとも1つの部分集合である。一例では、ステップc)は機械学習アルゴリズムを利用すること350を含む。一例では、方法は車両を使うことを含み、方法は、1つ以上のカメラにより環境の1枚以上の画像を取得すること、および車両に搭載される植生管理技術を環境の少なくとも第1部分に対して1つ以上の動作モードで作動させることを含む。」 (ウ)「【0074】 プロセッサ30は更なる画像処理ソフトウェアを実行する。このソフトウェアは、画像を分析して画像内で植物が見つかる領域を判定する。植物は取得された画像内の特徴の形状に基づいて検出することが可能であり、例えば、物体の外周および物体自体の外周の中の特徴の外周を描くのにエッジ検出ソフトウェアが使用される。植物画像のデータベースを使用して、例えば人工神経ネットワークや決定木分析などの訓練された機械学習アルゴリズムを使って画像内の特徴が植物に関連するかどうかを判定するのを助けることができる。カメラは画像内の色に関する情報を有する画像であるマルチスペクトル画像を取得することができて、この画像を単独で、または特徴検出と組み合わせて使って、画像内で植物が見つかる場所を判定することができる。上述したように、画像の地理的位置を地面上での画像の大きさの知識から判定することができるため、画像内で見つかる1つまたは複数の植生場所を地面上の植物の正確な位置へマップすることができる。 【0075】 その後プロセッサ30は、使用された場合には特徴抽出に基づいて植生場所を判定する画像処理の一部となりうる、更なる画像処理ソフトウェアを実行する。このソフトウェアは機械学習分析器を含む。特定の雑草の画像が、使用されている雑草の大きさにも関連する情報とともに取得される。世界においてそのような雑草が見つかる地理的位置に関連する情報、および、花が満開となっている時期などを含む、この雑草が見つかる時季に関連する情報を、この画像にタグ付けすることができる。また、雑草の名前も雑草の画像にタグ付けすることができる。そして、人工神経ネットワークまたは決定木分析器をベースにすることもできる機械学習分析器は、地上検証された取得画像で訓練される。このように、植物の新しい画像が分析器へ渡され、そのような画像に時季などの関連するタイムスタンプ、および、ドイツや南アフリカなどの地理的位置がタグ付けされている場合、分析器は新しい画像内で見つかる雑草の画像と訓練で使われた異なる雑草の画像との比較から画像内にある特定の種類の雑草を判定し、その雑草の大きさ、およびその雑草がどこでいつ生長するかも考慮されうる。それゆえ、環境内でのその雑草種類の地面上の特定の場所およびその大きさを判定することができる。 【0076】 プロセッサ30は、異なる雑草種類および、実験的に求めたデータからまとめられた、その雑草種類を防除するのに使用すべき雑草防除技術の最適なモードを含むデータベースへアクセスすることができる。例えば、多数の利用可能な化学薬品の中から雑草に噴霧されるべき特定の種類の化学薬品、特定の場所で特定の種類の雑草に対して印加されるべき高電圧(または、レーザー放射もしくはマイクロ波放射、もしくは、水噴射もしくは水蒸気噴射もしくは火炎噴射)の時間、および/または高電圧(またはレーザー放射もしくはマイクロ波放射など)の電力レベル。また、地面上での雑草または雑草の塊の大きさも、雑草防除技術(植生管理技術とも呼ばれる)のいずれのモードが使用されるかを判断する際に考慮されることがある。例えば、薬品スプレーで使用される特定の種類の化学薬品は、特定の種類の雑草に対して最適な雑草防除技術でありうる。そして、プロセッサは、環境内の特定の場所にある単一の雑草またはその小さな塊に対して、その雑草を特定の化学薬品で防除するのに薬品スプレー雑草防除技術がその特定の場所で作動されるべきであると判断することができる。しかし、環境内に存在していて特定された特定の種類の雑草の大きな塊がある場合、プロセッサは、環境に対する化学薬品の影響を軽減するために、雑草防除技術の異なるモード、例えばその領域でのより弱い化学薬品の噴霧が使用されるべきであると判断することができる。同じことが火炎ベースの雑草防除、高電圧ベースの雑草防除、蒸気もしくは高圧水ベースの雑草防除技術、またはマイクロ波ベースの雑草防除技術の異なるモードに対しても、これらの特定の雑草防除技術の動作モードが例えば異なる種類の雑草または異なる土壌種類が見られる特定の場所に適合可能である場合に当てはまる。プロセッサにより、防除する必要があるすべての雑草に対して使用される雑草防除技術の1つ以上のモードが確実に割り当てられる。特定の種類の雑草を最もうまく防除するためには、雑草防除技術の2つの異なるモード、例えば、より長い時間のマイクロ波放射を電力レベルを高めたマイクロ波放射と組み合わせる場合がありうる。同じことが高電圧、レーザー放射などに当てはまる。そして、プロセッサは雑草防除技術の1つまたは複数のいずれのモードがどこに適用されるべきかを詳しく示す適切な雑草防除マップを作成する。」 イ 上記記載(ア)によれば、「第1部分において第1種類の雑草を判定すること」及び「第2部分において第2種類の雑草を判定すること」により、それぞれ「環境の少なくとも第1部分において第1種類の雑草の雑草防除に使用される植生管理技術の第1動作モードを決定する」こと、及び、「環境の少なくとも第2部分において第2種類の雑草の雑草防除に使用される植生管理技術の第2動作モードを決定する」ように構成されていることが記載されている。 また、上記記載(イ)によれば、「環境の」「第2部分」が、「環境の」「第1部分とは異なる」ことが示されている。 ウ 一方、上記(ウ)によれば、「プロセッサ30」が実行する「画像処理ソフトウェア」において、1の画像を分析した際に、「植物」を「取得された画像内の特徴の形状に基づいて検出する」ことにより「画像内で植物が見つかる領域を判定」し、「画像内で見つかる1つまたは複数の植生場所を地面上の植物の正確な位置へマップする」とともに、その後「プロセッサ30」は「特徴抽出に基づいて植生場所を判定する画像処理の一部となりうる、更なる画像処理ソフトウェアを実行」し、「特定の種類の雑草を判定」し「環境内でのその雑草種類の地面上の特定の場所およびその大きさを判定する」こと、さらに、「その雑草種類を防除するのに使用すべき雑草防除技術の最適なモードを含むデータベースへアクセス」し「防除する必要があるすべての雑草に対して使用される雑草防除技術の1つ以上のモードが確実に割り当てられる」ことが記載されている。 エ してみると、「植物」を「取得された画像内の特徴の形状に基づいて検出」し、「画像内で植物が見つかる領域」がまず判定され、当該植物に係る「植生場所」について「雑草の種類」を含む判定を行った後に、さらに、「その雑草種類を防除するのに使用すべき雑草防除技術の最適なモード」を「割り当て」るとの処理を「プロセッサ30」が実行することとなるが、上記「領域」の判定が「画像内の特徴の形状に基づいて」行われるに際して、「植物」に備わる「形状」に基づくと解されることからみて、異なる「特徴の形状」を備えるものである異なる種類の雑草は、異なる「領域」として判定されると認められる。 オ そうすると、本件特許明細書には、上記「イ」の「第1部分」あるいは「第2部分」が、「第1種類の雑草」あるいは「第2種類の雑草」にそれぞれ対応するような「領域」として判定され、その後にそれぞれの「雑草の種類」が「第1種類の雑草」あるいは「第2種類の雑草」として判定され、さらに、「第1種類の雑草」あるいは「第2種類の雑草」それぞれの「雑草防除技術の」「モードが」「割り当てられる」ことが記載されているといえるから、上記「ア(ア)」と同様の記載を含むものである、本件特許の請求項1及び2の記載は、異議申立人主張のとおりに不明確なものであるとは認められず、特許法第36条第6項第2号の規定を満たすものである。 (3)小括 以上のとおり、本件訂正発明1~3は、特許法第36条第6項第2号の規定により、特許を受けることができないとはいえないから、本件訂正発明1~3に係る特許は、取り消されるべきものではない。 第8 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件訂正後の請求項1~3に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700437

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