特許異議申立
2025-700713
業務支援システム
- 審判番号
- 2025-700713
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2024-050802
- 登録番号
- 7613783
- 請求日
- 2025年07月10日
- 審決日
- 2025年11月28日
- 公報発行日
- 2025年12月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】Venture Lab.株式会社
- 【権利者代理人】岩池 満
- 【権利者代理人】菅沼 和弘
- 【異議申立人】塩田 将司
- 審判長/審判官
- 審判長 松田 直也
- 審判官 田川 泰宏
- 審判官 田付 徳雄
- 分類
- P1652.121-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7613783号発明「業務支援システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7613783号の請求項1、2、7~13、18~21に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7613783号の請求項1、2、7~13、18~21に係る特許についての出願は、令和6年3月27日の出願であって、令和7年1月6日にその特許権の設定登録がされ、同年1月15日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、同年7月10日に異議申立人 塩田将司(以下、「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。また、同年9月16日に申立人より手続補正書が提出された。
第2 本件発明
特許第7613783号の請求項1、2、7~13、18~21の特許に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1、2、7~13、18~21に記載された事項により特定される次のとおりのものである。(以下、それぞれ、「本件発明1」~「本件発明21」という。)
「【請求項1】
施設側担当者及び施設内のスペースに出店可能な出店者を含むユーザと、管理者と、がアクセス可能な業務支援システムであって、制御部及び記憶部を含むサーバと、ユーザが前記サーバにアクセスするために使用するユーザ端末と、を有し、
前記記憶部は、前記ユーザ、前記施設及び前記出店者の情報を含み、
前記制御部は、
前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記記憶部の情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末に表示するための表示データを作成する表示データ作成手段と、
前記表示データを前記ユーザ端末に出力する表示データ出力手段と、
を有し、
前記表示データ作成手段は、
レイアウト設定と、表示すべき情報及び表示すべき位置と、を対応付ける表示データ作成テーブルを有しており、前記ユーザ端末より入力されたレイアウト設定に基づいて、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末の表示すべき位置に表示する表示データを作成し、かつ
前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記施設の所属するグループ全体の情報を一括して閲覧及び編集するための表示データを作成する、
業務支援システム。
【請求項2】
施設側担当者及び施設内のスペースに出店可能な出店者を含むユーザと、管理者と、がアクセス可能な業務支援システムであって、制御部及び記憶部を含むサーバと、ユーザが前記サーバにアクセスするために使用するユーザ端末と、を有し、
前記記憶部は、前記ユーザ、前記施設及び前記出店者の情報を含み、
前記制御部は、
前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記記憶部の情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末に表示するための表示データを作成する表示データ作成手段と、
前記表示データを前記ユーザ端末に出力する表示データ出力手段と、
を有し、
前記表示データ作成手段は、レイアウト設定と、表示すべき情報及び表示すべき位置と、を対応付ける表示データ作成テーブルを有しており、前記ユーザ端末より入力されたレイアウト設定に基づいて、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末の表示すべき位置に表示する表示データを作成し、
前記ユーザは、前記施設の所属するグループ内の複数の施設側担当者を含み、
前記表示データは、前記複数の施設側担当者の一部の情報抽出の要求に基づき作成され、グループ内の他の担当者が利用できる、
業務支援システム。
【請求項7】
さらに前記抽出手段により抽出された情報に基づき分析データを作成する分析情報作成手段を有する、
請求項1又は2の業務支援システム。
【請求項8】
前記制御部は、
複数の検索項目から選択された選択項目について、前記ユーザ端末より入力された検索条件を取得する検索条件取得手段を有し、
前記抽出手段は、取得した前記検索条件に基づいて、前記記憶部に記憶されたスペースの情報を抽出し、
前記表示データ作成手段は、抽出された前記スペースの情報をユーザ端末に表示するための表示データを作成する、
請求項1又は2の業務支援システム。
【請求項9】
前記表示データ作成手段は、前記スペースの属する施設内における前記スペースの位置及び外観、並びにそれらの周辺環境に関する視覚可能な情報を表示する地図情報を含む表示データを作成する、
請求項8の業務支援システム。
【請求項10】
前記周辺環境には、前記スペースと周囲の店舗との位置関係、前記スペースと前記施設への来場者の動線との位置関係、前記スペースにおけるブースの設置方向及び/又は通行者からの見え方を含む、
請求項9の業務支援システム。
【請求項11】
前記記憶部は、前記表示データを記憶し、
前記抽出手段は、前記ユーザの閲覧履歴の要求に基づき、前記記憶部に記憶されている前記表示データを抽出し、
前記表示データ出力手段は、抽出された前記表示データを前記ユーザ端末に出力する、
請求項8の業務支援システム。
【請求項12】
前記制御部は、
前記ユーザによるイベント開催又はテナント出店のオファーを受信するオファー受信手段を有し、
前記記憶部は、前記オファーに対するステータスを含む情報をオファー申請進捗状況として記憶し、
前記抽出手段は、前記ユーザ端末より入力されたオファー申請進捗状況表示の要求に基づき前記オファーに対するステータスを含む情報を抽出し、
前記表示データ出力手段は、抽出された前記オファーに対するステータスを含む情報を前記ユーザ端末に出力する、
請求項8の業務支援システム。
【請求項13】
施設側担当者及び施設内のスペースに出店可能な出店者を含むユーザと、管理者と、がアクセス可能な業務支援システムであって、制御部及び記憶部を含むサーバと、ユーザが前記サーバにアクセスするために使用するユーザ端末と、を有し、
前記記憶部は、前記ユーザ、前記施設及び前記出店者の情報を含み、
前記制御部は、
前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記記憶部の情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末に表示するための表示データを作成する表示データ作成手段と、
前記表示データを前記ユーザ端末に出力する表示データ出力手段と、
を有し、
前記表示データ作成手段は、
レイアウト設定と、表示すべき情報及び表示すべき位置と、を対応付ける表示データ作成テーブルを有しており、前記ユーザ端末より入力されたレイアウト設定に基づいて、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末の表示すべき位置に表示する表示データを作成し、
前記制御部は、
複数の検索項目から選択された選択項目について、前記ユーザ端末より入力された検索条件を取得する検索条件取得手段を有し、
前記抽出手段は、取得した前記検索条件に基づいて、前記記憶部に記憶されたスペースの情報を抽出し、
前記表示データ作成手段は、抽出された前記スペースの情報を前記ユーザ端末に表示するための表示データを作成し、
さらに前記ユーザによるイベント開催又はテナント出店のオファーを受信するオファー受信手段を有し、
前記記憶部は、前記オファーに対するステータスを含む情報をオファー申請進捗状況として記憶し、
前記抽出手段は、前記ユーザ端末より入力されたオファー申請進捗状況表示の要求に基づき前記オファーに対するステータスを含む情報を抽出し、
前記表示データ出力手段は、抽出された前記オファーに対するステータスを含む情報を前記ユーザ端末に出力する、
前記業務支援システム。
【請求項18】
前記表示データ作成手段は、前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記施設の所属するグループ全体の情報を一括して閲覧及び編集するための表示データを作成し、
さらに前記抽出手段により抽出された情報に基づき分析データを作成する分析情報作成手段を有する、
請求項13の業務支援システム。
【請求項19】
前記表示データ作成手段は、前記スペースの属する施設内における前記スペースの位置及び外観、並びにそれらの周辺環境に関する視覚可能な情報を表示する地図情報を含む表示データを作成する、
請求項13の業務支援システム。
【請求項20】
前記周辺環境には、前記スペースと周囲の店舗との位置関係、前記スペースと前記施設への来場者の動線との位置関係、前記スペースにおけるブースの設置方向及び/又は通行者からの見え方を含む、
請求項19の業務支援システム。
【請求項21】
前記記憶部は、前記表示データを記憶し、
前記抽出手段は、前記ユーザの閲覧履歴の要求に基づき、前記記憶部に記憶されている前記表示データを抽出し
前記表示データ出力手段は、抽出された前記表示データを前記ユーザ端末に出力する、
請求項13の業務支援システム。」
第3 申立理由の概要
1 異議申立人の提出した証拠
異議申立人は、次の甲第1号証~甲第4号証、甲第6号証~甲第18号証(以下、それぞれ「甲1」、「甲2」・・・「甲18」という。)を証拠として提出している。なお、甲第5号証は、令和7年9月16日に申立人より提出された手続補正書による補正により削除されている。
甲1:「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム「ショップカウンターエンタープライズ」提供開始。」、株式会社COUNTER WORKS、令和4年1月20日、<URL: https://web.archive.org/web/20220120045409/https://counterworks.co.jp/news/3214/>
甲2:「施設の表示順を設定する」、株式会社COUNTER WORKS、令和4年6月21日及び令和4年6月22日、<URL: https://web.archive.org/web/20220120045409/https://counterworks.co.jp/news/3214/>
甲3:「[スペース検索]施設一覧APIで並び順を返すようにした#648、株式会社COUNTER WORKS、令和4年6月29日(甲第2号証の公知日を証明する証拠)
甲4:「場所とる.comとは(機能について)」、株式会社アイフィールド、令和5年12月9日、<URL: https://web.archive.org/web/20220120045409/https://counterworks.co.jp/news/3214/>
甲6:「アップデート情報・リリースノート」、株式会社COUNTER WORKS、令和5年6月12日、令和5年4月18日及び同年4月12日、<URL: https://support.bysc.io/ja/articles/6954724-%E3%82%A2%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%88%E6%83%85%E5%A0%B1-%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88>
甲7:「契約を登録・管理する」、株式会社COUNTER WORKS、令和5年4月28日
甲8:「SHOPCOUNTER、出店場所探しの検索機能をアップデート]、株式会社PR TIMES、令和5年5月18日
甲9:「SHOP FOR EVERYONE」、株式会社COUNTER WORKS、令和2年4月21日
甲10:「会員時と非会員時それぞれスペース閲覧履歴を表示するように修正#12655」、株式会社COUNTER WORKS、令和2年4月21日(甲第9号証の公知日を証明する証拠)
甲11:「もう場所に困らない instabase」、株式会社Rebase、令和6年1月30日
甲12:「スペースに問い合わせる方法」、株式会社COUNTER WORKS、令和3年10月21日
甲13:「問い合わせを確認する」、株式会社COUNTER WORKS、令和5年2月2日
甲14:「問い合わせを確認する」、株式会社COUNTER WORKS、令和5年2月2日
甲15:「問い合わせを確認する」、株式会社COUNTER WORKS、令和5年2月2日
甲16:「問い合わせを確認する」、株式会社COUNTER WORKS、令和5年2月2日(甲第13-15号証の公知日を証明する証拠)
甲17:「マーケティングプラットフォーム アナリスティクス」、グーグル合同会社、令和元年5月16日
甲18:「問い合わせを確認する」、株式会社COUNTER WORKS、令和5年9月21日
2 異議申立人の主張は、概略、以下のとおりである。
(1)申立理由1(特許法第29条第2項)
本件発明1は、甲1が主たる引用例、及び甲2~4が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明2は、甲1が主たる引用例、及び甲2~3、6、7が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明7は、甲1が主たる引用例、及び甲2~4、6、7、17が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明8は、甲1が主たる引用例、及び甲2~4、6、7~8が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明9~10は、甲1が主たる引用例、及び甲2~4、6~8、18が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明11は、甲1が主たる引用例、及び甲2~4、6~11が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明12は、甲1が主たる引用例、及び甲2~4、6~8、12~15が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明13は、甲1が主たる引用例、及び甲2~3、8、12~15が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明18は、甲1が主たる引用例、及び甲2~3、8、12~15、17が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明19~20は、甲1が主たる引用例、及び甲2~3、8、12~15、18が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
本件発明21は、甲1が主たる引用例、及び甲2~3、8~15が従たる引用例に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 甲号証
各甲号証の記載事項については、削除された甲5、他の証拠の公知日を特定することを目的とする甲3、甲10、甲16を除いて記載事項を認定する。
また、甲13~甲15は、同じURLに記載されたものであることから、1つの刊行物等として記載事項を認定する。
1 甲1について
(1)甲1の記載
甲1には、以下の記載がある。(下線は当審において加筆した。以下同じ。)
ア 「第一号として株式会社丸井が導入
ポップアップストアの出店支援サービス「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を提供する株式会社COUNTERWORKS(以下、「カウンターワークス」)は、2022 年 1 月 20 日に商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム「SHOPCOUNTER Enterprise」(読み:ショップカウンターエンタープライズ)を正式リリースしました。「SHOPCOUNTER Enterprise」を導入いただく商業施設では、自社のテナント募集サイトを持ちオンラインでの効果的なテナント誘致が可能になります。同時に、スケジュール管理や申込手続、契約、請求など従来アナログにおこなわれていたものを電子化することが可能になり、テナント誘致から請求まで効率的なオペレーションを構築することができるようになります。」
イ 「■リアル店舗の利用者変化をDXで解決
日本の消費市場では、2020年のEC化率が8.1%(※1)まで拡大するとともにリアル店舗での消費額が徐々に減少しつつあり、さらにコロナ禍を契機にこれまで商業施設に長期出店していたテナントの店舗縮小が進みました。一方で、オンラインで簡単に場所の貸し借りができる「ショップカウンター」では既にコロナ禍以前の水準を大きく上回る取引量となっており、短期出店であるポップアップストアの開催需要は加速しております。
しかし、多くの商業施設では依然としてオンラインでのテナント募集に必要な情報開示や、オンラインでの申し込みに最適化されたユーザーインターフェースを準備できずにいるほか、テナント募集に関わる工数の増加や出店にむけたコミュニケーションや契約・請求などの事務作業の増加が負担となっており、ポップアップストアの開催需要の増加の波をうまく捉えられずにいます。「ショップカウンターエンタープライズ」は、このような業務負担を軽減しオンラインで効果的なテナント募集をおこなうことを支援する SaaS型サービスです。」
ウ 「■ショップカウンターエンタープライズ概要
1. 自社のオンラインリーシングプラットフォームを開発不要で立ち上げ
多額の開発費と期間が必要になるオンラインリーシングプラットフォーム(自社のテナント募集ウェブサイトからスペース情報・契約・請求管理まで)を短期間で初期コストを抑えて立ち上げられます。
2. オンラインリーシングを組み込んだ最適なオペレーションの実現
ショップカウンターの知見を活用して、テナントが応募しやすいオンライン上の仕組作り、オンライン上で出店契約に至るまでの効果的・効率的な UI/UX の構築をおこないます。また、ショップカウンターと連携することで今まで取引の少なかった多くのテナントにリーチする機会を創出します。
3. オンラインでのスペース管理、契約手続、請求・入金管理で附帯業務コストを削減
従業員の作業負荷の上がりやすい附帯業務をデジタル化し、効率を改善します。テナントがワンクリックで出店を申し込めることで、出店の負荷を下げスムーズな申込・契約を実現するとともに、商業施設の管理方法をクラウドベースに変更し、人的なミスを減少させ対応・管理・法務コストを削減します。」
エ 「
[図:0001430034000001.jpg]
」
オ 「■カウンターワークスの強み
カウンターワークスは、ポップアップストアのオンラインプラットフォーム「ショップカウンター」にて国内最大規模の約18,000ものユーザーを有しており、「ショップカウンターエンタープライズ」と「ショップカウンター」をサービス連携することで多くのテナントに商業施設のスペースをご利用いただける機会を提供します。また、「ショップカウンター」で実現しているオンラインを通じたスムーズなテナントの申込オペレーション/システム/ノウハウをご提供します。」
(2)甲1に記載されているといえる事項
ア 上記(1)アの記載、上記イの「「ショップカウンターエンタープライズ」は、このような業務負担を軽減しオンラインで効果的なテナント募集をおこなうことを支援する SaaS型サービスです。」の記載から、SaaS型システムを管理するための管理者がいること、サーバによってサービスが実行されること、サーバが制御部及び記憶部とを含むことは当然の事項であることを踏まえると、甲1には、SaaS型サービスを提供する「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」は、管理者により管理され商業施設が自社のテナント募集サイトを持ちテナント誘致を可能とし、制御部及び記憶部とを含むサーバを備えることが記載されているといえる。
イ 上記(1)ア、イの「ショップカウンター」に関する記載、上記オの記載から、甲1には、「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」は、オンラインで簡単に場所の貸し借りができるポップアップストアの出店支援サービス「ショップカウンター」とサービス連携されることが記載されているといえる。
ウ 上記(1)イ、ウの作業員の作業負担の軽減に関する記載から、上記ア、イを踏まえると、甲1の「作業員」は、「商業施設の作業員」であることは明らかであり、甲1には、「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」は、商業施設の作業員が使用する端末を備えることが記載されているといえる。
エ 上記(1)ウの「2.」の記載から、上記ア、イを踏まえると、甲1には、「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」は、テナントの担当者が使用する端末を備えることが記載されているといえる。
オ 上記(1)ウの記載から、甲1には、「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」は、スケジュール管理や申込手続、契約、請求などを電子化する機能を有することが記載されているといえ、上記(1)イの記載から、甲1には、「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」は、商業施設のために、オンラインでのテナント募集に必要な情報開示や、オンラインでの申し込みに最適化されたユーザーインターフェースを準備し、テナント募集に関わる工数の増加や出店にむけたコミュニケーションや契約・請求などの事務作業の負担を軽減することが記載されているといえる。
また上記(1)オから、テナントであるECブランド、地場ブランド、シンクブランドがテナント募集サイトにおいて出店の問い合わせをすることが看取され、当該上記(1)オから看取される事項と上記ロを踏まえると、上記(1)ウの「3.」の記載から、甲1には、「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」は、テナントがテナント募集サイトにおいてワンクリックで出店を申し込めることが記載されているといえる。
(3)甲1発明
上記(2)を踏まえると、甲1には、
「管理者により管理され商業施設が自社のテナント募集サイトを持ちテナント誘致を可能とすし、制御部及び記憶部とを含むサーバ、商業施設の作業員が使用する端末、テナントの担当者が使用する端末を備える商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システムであって、
オンラインで簡単に場所の貸し借りができるポップアップストアの出店支援サービス「ショップカウンター」とサービス連携され、
スケジュール管理や申込手続、契約、請求などを電子化し、
商業施設のために、オンラインでのテナント募集に必要な情報開示や、オンラインでの申し込みに最適化されたユーザーインターフェースを準備し、テナント募集に関わる工数の増加や出店にむけたコミュニケーションや契約・請求などの事務作業の負担を軽減し、
テナントがテナント募集サイトにおいてワンクリックで出店を申し込め、
商業施設の管理方法をクラウドベースに変更し、人的なミスを減少させ対応・管理・法務コストを削減する
商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム。
」の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。
2 甲2について
甲2には、以下の記載がある。
ア 「
[図:0001430034000002.jpg]
」
イ 「施設の表示順を設定する
対応車:サポート担当
11か月以上前に更新
管理画面や募集サイトで表示される施設の並び順を設定することができます。
設定した並び順は管理画面・募集サイトで共通となります。
施設表示順の設定を行うことができるのは、特権管理者・管理者の方のみです。」
ウ 「表示順設定
設定>施設表示順を開き、[並び替えする]をクリックします。」
エ 「=アイコンをドラッグ&ドロップして、任意の順番に並べ替えます。
並べ替えが終わったら[並び替えを反映する]をクリックして保存します。」
オ 「
[図:0001430034000003.jpg]
」
3 甲4について
甲4には、以下の記載がある。
ア 「場所とる.comとは(機能について)
HOME>機能
場所とる.comは、
最適なプロモーション成果を上げる為に開発されました。
自社で様々な商材の催事プロモーションを10年以上行い、数々の販売実績No1の経験を持つアイフィールドが、その催事ノウハウと施設情報をWEBシステム上に公開し、経験豊富な専任スタッフがお客様が納得いくまで、何度でも無料にて催事開催のご提案させて頂きます。
催事における面倒な手続き、施設との交渉は全てお任せください。
販売戦略のみに集中して頂けるよう、催事プロモーション拡大のサポートをさせて頂きます。」
イ 「催事場所に悩むときは弊社から提案します
催事運営管理における最低限必要な機能から、
より便利に、より結果にインパクトするお得な情報や機能を取り揃えております。」
ウ 「期間限定や割安なスペースを
おススメするPick Up機能
施設から特別に依頼された限定スペースや、ディスカウント提案、また期間限定のフェス情報など、ホットでお得な催事スペースをレコメンドする機能です。普段とは違うここだけのスペース情報が毎日更新されます。」
エ 「希望に合った施設を担当者からご提案。
お探ししている条件をお伝え頂ければお客様の希望に合った施設を担当からご紹介致します。」
オ 「臨場感あふれる現場写真より
事前に様々な想定が可能
弊社スタッフが現場にて撮影してきた360度カメラによる臨場感あふれる写真を始め、視覚でスペースを検索することが可能です。360度カメラでの撮影はご要望を承り、随時掲載数を増やしております。」
カ 「お気に入り機能
気になる施設、検討施設の管理が可能
気になる施設をお気に入りに登録して一覧で確認したり、お客様にマッチするようなおススメ催事スペースを自動的に表示してくれます。」
キ 「進捗管理機能
お申込みから開催確定まで
お客様からお申込み頂いた催事日程が開催確定になるまでの経過ステータスがカレンダーや一覧にて分かりやすく確認することが出来ます。ステータスごとで検索やCSVダウンロードも可能です。また、お申込み催事スペース毎に、弊社スタッフとチャットにて質問などのやり取りが可能です。」
キ 「拠点別管理(本部)
バラバラだった拠点催事を 一つの画面から管理可能
各拠点のお申し込み状況を本部様が拠点毎で、管理することが出来ます。今まで煩雑だった拠点ごとの会場費管理や進捗管理が大幅にしやすくなります。」
4 甲6について
甲6には、以下の記載がある。
ア 「2023年4月18日
・スタッフ登録完了メールが新しくなりました
・テナント向け利用登録完了メールが新しくなりました」
イ 「2024年6月12日
・権限機能のリニューアルを行いました
スタッフごとに担当施設を設定し、担当施設に対する操作範囲を設定できるようになりました。また、カレンダーのみを閲覧可能な「カレンダーゲスト」権限が追加されました。
詳しい変更内容や、設定方法はこちらの記事をご確認ください
https://support.bysc.io/ja/articles/9266613」
5 甲7について
甲7には、以下の記載がある。
ア 「契約を登録・管理する
テナント様との出店交渉を経て、利用が確定した案件は「商談」から「契約」に切り替えます。
契約では、出店条件の提示・管理や、オンライン同意書のやりとりができます。
契約一覧をレントロールのように利用することもできます。」
イ 「管理情報
・社内管理番号(任意):社内システム等で契約管理番号がある場合に入力します
・担当部署・チーム(任意):入力すると、契約を担当する部署・チームで検索できるようになります。
・主担当スタッフ:操作しているご自身のアカウントは「主担当スタッフ」にセットされますので、ご自身が主担当でない場合は適宜変更をしてください。
・副担当スタッフ(任意):副担当スタッフを複数名登録できます。
・新規・既存:初回契約か、リピートテナントの契約かを登録できます。
・想定日販(任意):テナントの想定日販がある場合に管理項目として登録します。
・契約締結日(任意):契約締結日を管理項目として登録します。
・賃料発生日(任意):賃料発生日を管理項目として登録します。
・解約日(任意):解約日を管理項目として登録します。
・備考・申し送り(任意):備考や申し送りがある場合、社内共有のため登録します。」
ウ 「契約一覧の検索
契約状況のタブと、「詳細条件を絞り込む」から条件を絞り込めます。
[図:0001430034000004.jpg]
」
6 甲8について
甲8には、以下の記載がある。
ア 「株式会社COUNTER WORKS(東京都目黒区、代表取締役CEO:三瓶直樹)が運営するポップアップストアや催事などの出店場所探しのプラットフォーム「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」は、5月10日に検索機能をアップデートしました。お取り扱い商材や利用用途を軸に場所探しができるようになったことで、よりカンタンに求めている場所を探すことができます。」
イ 「新機能の特徴
(1) ご自身にあった幅広い利用用途の検索が可能
[図:0001430034000005.jpg]
(2) ご自身が取り扱う商材別の検索が可能
[図:0001430034000006.jpg]
(3) 20種類以上のスペースタイプから検索が可能
[図:0001430034000007.jpg]
」
7 甲9について
甲9には、以下の記載がある。
「
[図:0001430034000008.jpg]
」
8 甲10について
甲10には、以下の記載がある。
「
[図:0001430034000009.jpg]
」
9 甲11について
甲11には、以下の記載がある。
ア 「あなたならここで何する?
1時間から使える、多彩なレンタルスペース」
イ 「
[図:0001430034000010.jpg]
」
ウ 上記イから、「閲覧履歴」のボタン、
「スペースを掲載する」とのボタンが表示されることが看取される。
10 甲12について
甲12には、以下の記載がある。
ア 「利用したいスペースを見つけたら、スペースオーナーに利用の問い合わせをしてみましょう。」
イ 「問い合わせの手順
■パソコンでのお問い合わせ手順
1.スペースの詳細ページで利用条件などを確認する
2.カレンダーで利用希望日を選択する
3.「このスペースに問い合わせ」ボタンを押す
4. 問い合わせリストページにて「問い合わせ内容を入力」ボタンを押す
5. 問い合わせ内容を入力・送信し、スペースオーナーへ問い合わせ完了
■スマートフォンでのお問い合わせ手順
1.スペースの詳細ページで利用条件などを確認する
2.「空き状況を確認」ボタンをクリック
3.カレンダーより利用希望日を選択する
4.問い合わせリストページにて「問い合わせ内容を入力」ボタンを押す
5.問い合わせ内容を入力・送信し、スペースオーナーへ問い合わせ完了」
11 甲13~16について
(1)甲13~15の記載
ア 甲13には、以下の記載がある。
「
[図:0001430034000011.jpg]
」
イ 甲14には、以下の記載がある。
「
[図:0001430034000012.jpg]
」
ウ 甲15には以下の記載がある。
「
[図:0001430034000013.jpg]
」
(2)甲16について
甲13が、本件特許の出願前に公知であったことを説明することを目的とする文献。
12 甲17について
甲17には、以下の記載がある。
ア 「ユーザー像を把握。
ユーザー像を詳しく分析して理解を深めましょう。Google アナリティクスなら、ビジネスのデータ分析に必要なさまざまなツールを無料でご利用いただけます。」
イ 「サービスの概要をご紹介。
ユーザー像を詳しく分析。
サイトやアプリのユーザー像を詳しく分析し、ご自身のマーケティングやコンテンツ、商品などの成果を的確に評価できます。
Google 独自のインサイトを取得。
Google 独自のインサイトと機械学習機能によって、お客様のデータを最大限に活用できます。
インサイトを成果に。
Google のさまざまな広告サービスやパブリッシャー サービスと連携できるため、分析で得たインサイトを活用して適切なユーザーにリーチできます。
データを活用。
使いやすい管理画面を通じて、データを迅速に処理し、生成したレポートを共有できます。」
ウ 「データを詳しく分析。
アナリティクス インテリジェンスや詳細レポートなどの機能を使って、データを最大限に活用できます。」
エ 「サービス間の連携も万全。
アナリティクスの管理画面から他の Google ソリューションのデータに簡単にアクセスできるため、シームレスなワークフローによって時間を節約し、効率を向上できます。
Google 広告
Google 広告キャンペーンの広告経由でサイトを訪れたユーザーが、サイトをどのように利用しているかを詳しく分析できます。
データポータル
アナリティクスとデータポータルをリンクすると、パフォーマンス ダッシュボードを簡単に作成し、カスタマイズしたレポートを作成できます。
オプティマイズ
アナリティクスで作成したユーザーリストを使用して、サイトの利便性をカスタマイズできます。」
13 甲18について
甲18には、以下の記載がある。
「
[図:0001430034000014.jpg]
」
第5 申立理由1についての当審の判断
1 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と、甲1発明とを対比する。
ア 「施設側担当者及び施設内のスペースに出店可能な出店者を含むユーザと、管理者と、がアクセス可能な業務支援システムであって、制御部及び記憶部を含むサーバと、ユーザが前記サーバにアクセスするために使用するユーザ端末と、を有し、」について
(ア)甲1発明の「商業施設の作業員」、「テナントの担当者」及び「管理者」は、それぞれ、本件発明1の「施設側担当者」、「施設内のスペースに出店可能な出店者」及び「管理者」に相当する。
そうすると、引用発明1の「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」は、後述する相違点は別にして、本件発明1の「施設側担当者及び施設内のスペースに出店可能な出店者を含むユーザと、管理者と、がアクセス可能な業務支援システム」に相当する。
(イ)甲1発明の「商業施設が自社のテナント募集サイトを持ちテナント誘致を可能とするサーバ」は、制御部及び記憶部を含むことは技術常識であることから、本件発明1の「制御部及び記憶部を含むサーバ」に相当し、甲1発明の「商業施設の作業員が使用する端末」及び「テナントの担当者が使用する端末」は、本件発明1の「施設側担当者及び施設内のスペースに出店可能な出店者を含む」「ユーザが前記サーバにアクセスするために使用するユーザ端末」に相当する。
(ウ)そうすると、甲1発明の「管理者により管理され商業施設が自社のテナント募集サイトを持ちテナント誘致を可能とするサーバ、商業施設の作業員が使用する端末、テナントの担当者が使用する端末を備える商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」は、後述する相違点は別にして、本件発明1の「施設側担当者及び施設内のスペースに出店可能な出店者を含むユーザと、管理者と、がアクセス可能な業務支援システムであって、制御部及び記憶部を含むサーバと、ユーザが前記サーバにアクセスするために使用するユーザ端末」とを有することに相当する。
イ 「前記記憶部は、前記ユーザ、前記施設及び前記出店者の情報を含み、」について
甲1発明は、「テナントがテナント募集サイトにおいてワンクリックで出店を申し込め」るものである。そして、この、ワンクリックでの出店の申し込みは、テナントの担当者が使用する端末を用いて行われ、テナントの担当者が、テナント募集サイトで検索をし、検索結果に対して、ワンクリックで出店を申し込むことは明らかである。
そうすると、甲1発明の検索結果は、サーバの記憶部に記憶されることは明らかであるから、本件発明1の「前記記憶部」に含まれる「前記施設」の情報に相当する。
そして、甲1発明は、記憶部が、ユーザ及び出店者の情報を含んでいない点で相違する。
ウ 「前記制御部は、前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記記憶部の情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末に表示するための表示データを作成する表示データ作成手段と、前記表示データを前記ユーザ端末に出力する表示データ出力手段と、を有し、」について
甲1発明は、「テナントがテナント募集サイトにおいてワンクリックで出店を申し込め」るものである。そして、この、ワンクリックでの出店の申し込みは、テナントの担当者が使用する端末を用いて行われ、テナントの担当者が、テナント募集サイトで検索をし、検索結果に対して、ワンクリックで出店を申し込むことは明らかである。
そうすると、甲1発明のテナント担当者によるテナント募集サイトでの検索は、本件発明1の「前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求」に相当し、甲1発明において、検索結果を抽出は、サーバによって実行されることから、甲1の当該検索結果を抽出するための手段は、本件発明1の「前記記憶部の情報を抽出する抽出手段」に相当し、甲1の、サーバが、サーバの検索結果をテナントの担当者が使用する端末に表示させる手段を有することは、この手段によって検索結果を所定の体裁で表示されることは明らかであるから、本件発明1の「前記制御部」が「前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末に表示するための表示データを作成する表示データ作成手段」及び「前記表示データを前記ユーザ端末に出力する表示データ出力手段」を有することに相当する。
エ 「前記表示データ作成手段は、レイアウト設定と、表示すべき情報及び表示すべき位置と、を対応付ける表示データ作成テーブルを有しており、前記ユーザ端末より入力されたレイアウト設定に基づいて、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末の表示すべき位置に表示する表示データを作成し、かつ前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記施設の所属するグループ全体の情報を一括して閲覧及び編集するための表示データを作成する、」について
甲1発明は、サーバが、「レイアウト設定と、表示すべき情報及び表示すべき位置と、を対応付ける表示データ作成テーブルを有しており、前記ユーザ端末より入力されたレイアウト設定に基づいて、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末の表示すべき位置に表示する表示データを作成し、かつ前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記施設の所属するグループ全体の情報を一括して閲覧及び編集するための表示データを作成する」機能を実行することも特定されていない点で、本件発明1と相違する。
オ そうすると、本件発明1と甲1発明との間の一致点及び相違点は以下のとおりである。
[一致点]
「施設側担当者及び施設内のスペースに出店可能な出店者を含むユーザと、管理者と、がアクセス可能な業務支援システムであって、制御部及び記憶部を含むサーバと、ユーザが前記サーバにアクセスするために使用するユーザ端末と、を有し、
前記制御部は、
前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末に表示するための表示データを作成する表示データ作成手段と、
前記表示データを前記ユーザ端末に出力する表示データ出力手段と、
を有する
業務支援システム。」
[相違点]
(相違点1)
本件発明1は、サーバの「記憶部」が、「前記ユーザ」及び「前記出店者」の情報を含んでいるとあるのに対して、甲1発明は、サーバの記憶部がユーザ情報、出店者情報を有することは特定されていない点。
(相違点2)
本件発明1の「表示データ作成手段」が、「レイアウト設定と、表示すべき情報及び表示すべき位置と、を対応付ける表示データ作成テーブルを有しており、前記ユーザ端末より入力されたレイアウト設定に基づいて、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末の表示すべき位置に表示する表示データを作成」するものであるのに対して、甲1発明は、サーバがそのような機能を実行するものではない点。
(相違点3)
本件発明1の「表示データ作成手段」が、さらに、「前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記施設の所属するグループ全体の情報を一括して閲覧及び編集するための表示データを作成する」ものであるのに対して、甲1発明は、サーバがそのような機能を実行するものではない点。
(2)相違点の判断
事案に鑑み、相違点2について検討を行う。
甲2には、上記第4の2のとおり、「ショップカウンターエンタープライズ」、すなわち、甲1発明の「商業施設のオンラインリーシング・クラウド管理システム」の施設の表示順の設定が記載されているものの、甲2に記載されている「施設表示順の設定を行うことができるのは、特権管理者・管理者の方のみです。」の「特権管理者・管理者」が、本件発明1の「ユーザ」に想到するといえるか判然とせず、さらに、甲2に記載された表示順設定は、「=アイコンをドラッグ&ドロップして、任意の順番に並べ替えます。並べ替えが終わったら[並び替えを反映する]をクリックして保存します。」とするものであって、レイアウト設定を入力するものではない。
したがって、甲1発明に、甲2に記載された事項を適用しても、本件発明1の相違点2に係る構成には至らない。
また、甲4には、場所とる.comの運営者が、催事ノウハウと施設情報をWEBシステム上に公開し、催事開催を提案し、上記第4の3のとおり、催事における面倒な手続き、施設との交渉を行うものであって、お客様の希望に合った施設を担当から紹介すること、お客様は気になる施設をお気に入りに登録して一覧で確認したり、お客様にマッチするようなおススメ催事スペースを自動的に表示したりすること記載されているものの、お客様であるユーザがレイアウト設定を入力することは記載されていない。
なお、甲1発明は、テナントの担当者が施設の検索を行うものであるのに対して、甲4は、場所とる.comの運営者が、お客様の希望に合った施設を担当から紹介することから、甲1発明に甲4に記載された事項を適用することには阻害要因がある。
したがって、甲1発明に、甲4に記載された事項を適用することができたとしても、本件発明1の相違点2に係る構成とすることは、当業者であっても容易に想到することはできない。
また、甲2又は甲4のいずれかを主引用発明であるとして、甲1発明の構成を適用したとしても、本件発明1の相違点2に係る構成に至らないことは明らかである。
なお、甲6~甲15、甲17、甲18にも、「表示データ作成手段」が、「レイアウト設定と、表示すべき情報及び表示すべき位置と、を対応付ける表示データ作成テーブルを有しており、前記ユーザ端末より入力されたレイアウト設定に基づいて、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末の表示すべき位置に表示する表示データを作成」することは記載されていないため、甲1発明に、これらの証拠に記載された事項を適用したとしても、本件発明1の相違点2に係る構成には至らない。
そして、本件発明1は、当該相違点2の構成を採用することで、「本発明のシステムによれば、イベント開催において施設側担当者と出店者との信頼関係を形成させつつ、施設又はグループ全体の情報管理の利便性を向上させることができる。」(本件明細書【0016】)という、格別顕著な効果を奏するものである。
(3)小括
以上のとおりであるから、本件発明1は、他の相違点について検討するまでもなく、甲1発明、甲2に記載された事項、甲4に記載された事項、及び、甲6~甲15、甲17、甲18に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
なお、甲3は、甲2の日付を特定するための証拠である。
2 本件発明2について
本件発明2は、「前記表示データ作成手段」が「前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記施設の所属するグループ全体の情報を一括して閲覧及び編集するための表示データを作成する」ことを含まず、「前記ユーザは、前記施設の所属するグループ内の複数の施設側担当者を含み、前記表示データは、前記複数の施設側担当者の一部の情報抽出の要求に基づき作成され、グループ内の他の担当者が利用できる」ことを含む点で、本件発明1と異なるものであるものの、本件発明2は、本件発明1と同様に「前記表示データ作成手段は、レイアウト設定と、表示すべき情報及び表示すべき位置と、を対応付ける表示データ作成テーブルを有しており、前記ユーザ端末より入力されたレイアウト設定に基づいて、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末の表示すべき位置に表示する表示データを作成し」との構成を有するものである。
そうすると、本件発明2と甲1発明との間には、少なくとも、上記1(1)オの相違点2と同じ相違点があることにある。
そして、当該相違点の判断は、上記1(2)のとおりであるから、甲1発明に、甲2、甲4、甲6~甲15、甲17、甲18に記載された事項を適用しても、当該相違点に係る構成に至らないことは明らかである。
よって、本件発明2は、甲1発明、甲2に記載された事項、甲4に記載された事項、及び、甲6~甲15、甲17、甲18に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 本件発明3~12について
本件発明3~12は、何れも本件発明1又は本件発明2を引用する発明であり、甲1発明と対比すると、少なくとも、上記1(1)オの相違点1~3と同様の相違点を有することになる。
そして、相違点2については、上記1(2)のとおりで、当業者が容易に想到することができたものではない。
よって、本件発明3~12は、甲1発明、甲2に記載された事項、甲4に記載された事項、及び、甲6~甲15、甲17、甲18に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本件発明13について
本件発明13は、「前記表示データ作成手段」が「前記ユーザ端末より入力された情報抽出の要求に基づき、前記施設の所属するグループ全体の情報を一括して閲覧及び編集するための表示データを作成する」ことを含まず、「前記制御部は、複数の検索項目から選択された選択項目について、前記ユーザ端末より入力された検索条件を取得する検索条件取得手段を有し」、「前記抽出手段は、取得した前記検索条件に基づいて、前記記憶部に記憶されたスペースの情報を抽出し」、「前記表示データ作成手段は、抽出された前記スペースの情報を前記ユーザ端末に表示するための表示データを作成し」、「さらに前記ユーザによるイベント開催又はテナント出店のオファーを受信するオファー受信手段を有し」、「前記記憶部は、前記オファーに対するステータスを含む情報をオファー申請進捗状況として記憶し」、「前記抽出手段は、前記ユーザ端末より入力されたオファー申請進捗状況表示の要求に基づき前記オファーに対するステータスを含む情報を抽出し」、「前記表示データ出力手段は、抽出された前記オファーに対するステータスを含む情報を前記ユーザ端末に出力する」ことを含む点で、本件発明1と異なるものであるものの、本件発明13は、本件発明1と同様に「前記表示データ作成手段は、レイアウト設定と、表示すべき情報及び表示すべき位置と、を対応付ける表示データ作成テーブルを有しており、前記ユーザ端末より入力されたレイアウト設定に基づいて、前記抽出手段により抽出された情報を、前記ユーザ端末の表示すべき位置に表示する表示データを作成し」との構成を有するものである。
そうすると、本件発明13と甲1発明との間には、少なくとも、上記1(1)オの相違点2と同じ相違点があることにある。
そして、当該相違点の判断は、上記1(2)のとおりであるから、甲1発明に、甲2、甲4、甲6~甲15、甲17、甲18に記載された事項を適用しても、当該相違点に係る構成に至らないことは明らかである。
よって、本件発明13は、甲1発明、甲2に記載された事項、甲4に記載された事項、及び、甲6~甲15、甲17、甲18に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
5 本件発明14~21について
本件発明14~21は、何れも本件発明13を引用する発明であり、甲1発明と対比すると、少なくとも上記1(1)オの相違点2と同様の相違点を有することになる。
そして、相違点2については、上記1(2)のとおりで、当業者が容易に想到することができたものではない。
よって、本件発明14~21は、甲1発明、甲2に記載された事項、甲4に記載された事項、及び、甲6~甲15、甲17、甲18に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
第6 申立人の主張について
1 申立人の主張の概要
申立人は、特許異議申立書で次のとおり主張する。
すなわち、甲2発明の構成(甲2A)における「施設の表示順」は、「施設」のレイアウト設定の一態様といえると主張する。(特許異議申立書28頁)
2 申立人の主張についての検討
甲2発明における「施設の表示順」の変更は、リスト表示された「施設」の並び順を変更するものであって「レイアウト設定」をするものとはいえない。
よって、申立人の主張に理由はなく、主張1を採用することはできない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び異議申立人の提出した証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2025-700713