特許異議申立
2025-700475
照明器具
- 審判番号
- 2025-700475
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2023-118051
- 登録番号
- 7579927
- 請求日
- 2025年04月25日
- 審決日
- 2025年07月29日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】コイズミ照明株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
- 【権利者】コイズミライティング株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
- 【異議申立人】日高 裕太郎
- 審判長/審判官
- 審判長 田村 耕作
- 審判官 横溝 顕範
- 審判官 倉橋 紀夫
- 分類
- P1651.121-Y (F21S)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7579927号発明「照明器具」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7579927号の請求項1~7に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7579927号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~7に係る出願は、平成29年6月9日に出願した特願2017-114308号の一部を令和4年4月1日に新たな特許出願とした特願2022-61511号の一部を令和5年7月20日に新たな特許出願としたものであって、令和6年10月30日にその特許権の設定登録がされ、同年11月8日に特許掲載公報が発行された。
その後、令和7年4月25日に特許異議申立人日高裕太郎(以下、「申立人」という。)は、本件の請求項1~7に係る特許について特許異議の申立てを行った。
第2 本件発明
本件特許の請求項1~7に係る発明(以下、それぞれの請求項に係る発明に対応して「本件発明1」等という。)は、特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
取付体に取り付けられるベース部材と、
前記ベース部材に着脱可能な光源ユニットと
を備え、
前記光源ユニットは、
光を出射する光源と、
前記光が透過する光カバー部と、
前記光源が実装される実装部材と、
前記実装部材を保持する保持部材と
を有し、
前記光源が、前記光カバー部の内部に対向し、
前記光カバー部は、第1カバー部と、前記第1カバー部に対向する第2カバー部と、前記第1カバー部と前記第2カバー部との間で前記第1カバー部および前記第2カバー部を介在する第3カバー部とを有し、
前記ベース部材は、第1ベース部と、前記第1ベース部に対向する第2ベース部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間で前記第1ベース部および前記第2ベース部を介在する第3ベース部とを有し、
前記光カバー部の内部には、前記光カバー部の前記第1カバー部、前記第2カバー部および前記第3カバー部に囲まれた空洞があり、
前記光カバー部の前記第1カバー部、前記第2カバー部および前記第3カバー部のそれぞれは、前記空洞を介して前記光源に対向し、
前記第1カバー部および前記第2カバー部は、略平板状であり、
前記第1ベース部および前記第2ベース部は、略平板状であり、
前記保持部材には、前記実装部材の短手方向の両端部のうちの少なくとも一方端部に沿った形状を有する断面視コ字状の保持体が形成されており、
前記保持体は、前記実装部材の前記短手方向の側面に対向する側部と、前記実装部材の前記短手方向の端部と着脱方向に沿って重なる前記実装部材との重なり部とを有し、
前記重なり部は、前記光カバー部の前記第3カバー部に対向する対向部を有し、
前記着脱方向は、前記光源ユニットが前記ベース部材に対して着脱される方向であり、
前記ベース部材および前記光カバー部は、第1方向に沿って延び、
前記短手方向は、前記第1方向と前記着脱方向とに垂直な方向であり、
前記光源ユニットは、前記光カバー部に連結され、前記保持部材に保持される進入部を有し、
前記進入部は、先端部を有する進入体を有し、
前記先端部は、第2方向に突出して前記保持部材に嵌め込まれ、前記着脱方向において、前記保持体の前記実装部材との重なり部と重なり、
前記第2方向は、前記着脱方向と前記第1方向とに垂直な方向である、照明器具。
【請求項2】
前記進入部は、前記ベース部材の内部に配置される、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記第1カバー部および前記第2カバー部は、互いに略平行に配置され、
前記第1ベース部および前記第2ベース部は、互いに略平行に配置される、請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記第1カバー部の外面と前記第1ベース部の外面とは、略面一に配置され、
前記第2カバー部の外面と前記第2ベース部の外面とは、略面一に配置される、請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記ベース部材が前記取付体に取り付けられた状態で、
前記ベース部材および前記光カバー部は、上下方向に並んで配置され、
前記光カバー部の上下方向の長さは、前記ベース部材の上下方向の長さと略等しい、請求項3または4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記光カバー部の前記第2方向の長さは、前記ベース部材の前記第2方向の長さと略等しい、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記進入部は、互いに間隔を空けて配置される第1進入体および第2進入体を有し、
前記第1進入体は、前記第1カバー部に連結されるとともに、第1先端部を有し、
前記第2進入体は、前記第2カバー部に連結されるとともに、第2先端部を有し、
前記保持部材は、前記第1先端部が嵌め込まれる第1保持体と、前記第2先端部が嵌め込まれる第2保持体とを有し、
前記第1進入体、前記第2進入体、前記第1保持体及び前記第2保持体は、前記第1方向に沿って延び、
前記第1保持体は、前記第1進入体の前記第1先端部を前記第2方向に挟むように配置され、
前記第2保持体は、前記第2進入体の前記第2先端部を前記第2方向に挟むように配置される、請求項2に記載の照明器具。」
第3 申立理由の概要
申立人は、証拠として以下の甲第1号証~甲第3号証(以下、各甲号証に付された数字に対応して「甲1」等という。)を提出し、本件特許を取り消すべき理由として、次の申立理由1を主張する。
甲1:特開2016-6787号公報
甲2:特開2015-88452号公報
甲3:国際公開第2016/117905号
申立理由1
本件発明1~7は、甲1に記載された発明及び甲2~3に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反するものであるから、それらの特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。
第4 当審の判断
1 各甲号証について
(1)甲1に記載された発明
甲1(特に、【0009】、【0018】~【0020】、【0022】、【0037】~【0040】、【0055】、図1~5参照。)には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
「天井面8に取り付けられる器具本体1と、
前記器具本体1にV字ばね30を用いて装着される発光ユニット2と
を備え、
前記発光ユニット2は、
LED素子26と、
透光性カバー21と、
前記LED素子26が実装されるLED基板24と、
前記LED基板24が固定される放熱板23と
を有し、
前記透光性カバー21は、前記LED基板24を覆うように配置され、
前記透光性カバー21は、断面が略ロ字形状に成形され、
前記器具本体1は、直方体で一方が開口された形状で、
前記器具本体1の両側面及び前記透光性カバー21の両側面は、それぞれ略平板状であり、
前記放熱板23の下方には、ネジ29を挿入する溝部23dが設けられることによって、前記LED基板24が放熱板23の下方に短手方向略全面にわたって配置されて、前記ネジ29により固定され、
前記放熱板23の短手方向の中央部上方には、電源回路28を搭載する電源台23bが設けられるとともに、前記電源台23bに近接してカバー挿入部23cが設けられ、
前記発光ユニット2は、前記器具本体1に対して上下方向に着脱され、
前記器具本体1及び前記透光性カバー21は、長手方向に沿って延び、
前記発光ユニット2は、前記透光性カバー21の端部を、前記放熱板23の前記カバー挿入部23cに挿入し、
前記端部は、先端を有する板状体であり、
前記先端は、短手方向内側に突出して前記放熱板23のカバー挿入部23cに挿入される、照明器具10。」
(2)甲2に記載された事項
甲2(特に、【0011】~【0012】、【0018】、【0026】~【0027】、【0032】、図1~4参照)には、以下の事項(以下、「甲2記載事項」という。)が記載されている。
「プラスチックベース100と、光源200と、プラスチックランプシェード300を備え、
前記光源200は、発光ダイオード220と、前記発光ダイオード220が配置された回路基板210を備え、
前記プラスチックベース100は、装着部110と、冷却部120を備え、
前記発光ダイオード220が、前記プラスチックランプシェード300の内部に対向し、
前記装着部110は、前記回路基板210の短手方向の両端部のうちの少なくとも一方端部に合致し、支持面111から延びるL字型部材である結合構造115を有し、
前記結合構造115は、前記回路基板210の前記短手方向の側面に対向する側部と、前記回路基板210の前記短手方向の端部と前記支持面111に対して垂直な方向に沿って重なる部分とを有し、
前記重なる部分は、前記プラスチックランプシェード300側に向く部分を有し、
前記プラスチックランプシェード300は、前記プラスチックランプシェード300のカバー部310の2つの相対する端部につながっている2つのスナップ部320を有し、
前記スナップ部320は、先端を有する板状体であり、
前記先端は、短手方向に突出して前記装着部110の2つのスロット113に装着され、前記支持面111に対して垂直な方向において、前記結合構造115の前記重なる部分と近接して配置される、ランプ構造。」
(3)甲3に記載された事項
甲3(特に、[35]、[41]、[56]、[59]、[61]~[67]、図2~3参照。)には、以下の事項(以下、「甲3記載事項」という。)が記載されている。
「下部カバー210と、光源モジュール100と、光を拡散させる上部カバー230を含み、
前記光源モジュール100は、発光パッケージ120と、前記発光パッケージ120を実装する基板110を含み、
前記発光パッケージ120が、前記上部カバー230の内面に対向し、
前記下部カバー210は、前記基板110の短手方向の両端部のうちの少なくとも一方端部が挿入される第2係止溝213を含み、
前記第2係止溝213は、前記基板110の前記短手方向の側面に対向する前記下部カバー210の側壁の一部と、前記基板110の前記短手方向の端部と上下方向に沿って重なる第2突起214により形成され、
前記第2突起214は、前記上部カバー230に対向する部分を有し、
前記上部カバー230は、短手方向外側に両端部を有し、
前記両端部は、短手方向外側に突出して前記下部カバー210の前記側壁に設けられた第1係止溝211に挿入され、前記上下方向において、前記下部カバー210の前記第2突起214と重なる、照明装置200。」
2 申立理由1について
(1)本件発明1
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると、後者の「天井面8」は前者の「取付体」に相当し、以下同様に、「器具本体1」は「ベース部材」に、「前記器具本体1にV字ばね30を用いて装着される」態様は「前記ベース部材に着脱可能な」態様に、「発光ユニット2」は「光源ユニット」に、「LED素子26」は「光を出射する光源」に、「透光性カバー21」は「前記光が透過する光カバー部」に、「LED基板24」は「実装部材」に、「前記LED基板24が固定される」態様は「前記実装部材を保持する」態様に、「放熱板23」は「保持部材」に、それぞれ相当する。
後者の「前記透光性カバー21は、前記LED基板24を覆うように配置され」る態様は、それによってLED基板24に実装されるLED素子26が透光性カバー21の内部に対向するから、前者の「前記光源が、前記光カバー部の内部に対向」する態様に相当し、後者の「前記透光性カバー21は、断面が略ロ字形状に成形され、」「前記透光性カバー21の両側面は、それぞれ略平板状であ」る態様は前者の「前記光カバー部は、第1カバー部と、前記第1カバー部に対向する第2カバー部と、前記第1カバー部と前記第2カバー部との間で前記第1カバー部および前記第2カバー部を介在する第3カバー部とを有し、」「前記光カバー部の内部には、前記光カバー部の前記第1カバー部、前記第2カバー部および前記第3カバー部に囲まれた空洞があり、」「前記第1カバー部および前記第2カバー部は、略平板状であ」る態様に相当し、以上を踏まえると、後者の「前記透光性カバー21は、前記LED基板24を覆うように配置され、」「前記透光性カバー21は、断面が略ロ字形状に成形され、」「前記透光性カバー21の両側面は、それぞれ略平板状であ」る態様は前者の「前記光カバー部の前記第1カバー部、前記第2カバー部および前記第3カバー部のそれぞれは、前記空洞を介して前記光源に対向」する態様に相当する。
後者の「前記器具本体1は、直方体で一方が開口された形状で、前記器具本体1の両側面」「は、それぞれ略平板状であ」る態様は前者の「前記ベース部材は、第1ベース部と、前記第1ベース部に対向する第2ベース部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間で前記第1ベース部および前記第2ベース部を介在する第3ベース部とを有し、」「前記第1ベース部および前記第2ベース部は、略平板状であ」る態様に相当する。
後者の「前記放熱板23の下方には、ネジ29を挿入する溝部23dが設けられることによって、前記LED基板24が放熱板23の下方に短手方向略全面にわたって配置されて、前記ネジ29により固定され」る態様と前者の「前記保持部材には、前記実装部材の短手方向の両端部のうちの少なくとも一方端部に沿った形状を有する断面視コ字状の保持体が形成されており」という態様とは、「前記保持部材には、実装部材の保持手段が形成されており」という態様の限りにおいて一致する。
後者の「前記発光ユニット2は、前記器具本体1に対して上下方向に着脱され」る態様は後者の「前記着脱方向は、前記光源ユニットが前記ベース部材に対して着脱される方向であ」る態様に相当し、後者の「長手方向」は前者の「第1方向」に相当する。後者の「短手方向」は、長手方向及び上下方向と垂直な方向であるから、前者の「前記第1方向と前記着脱方向とに垂直な方向であ」る「短手方向」及び「前記着脱方向と前記第1方向とに垂直な方向である」「第2方向」に相当する。
後者の「透光性カバー21の端部」は前者の「進入部」に相当し、後者の「前記発光ユニット2は、前記透光性カバー21の端部を、前記放熱板23の前記カバー挿入部23cに挿入し、前記端部は、先端を有する板状体であり、前記先端は、短手方向に突出して前記放熱板23のカバー挿入部23cに挿入される」態様は前者の「前記光源ユニットは、前記光カバー部に連結され、前記保持部材に保持される進入部を有し、前記進入部は、先端部を有する進入体を有し、前記先端部は、第2方向に突出して前記保持部材に嵌め込まれ」る態様に相当する。
したがって、両者は、
「取付体に取り付けられるベース部材と、
前記ベース部材に着脱可能な光源ユニットと
を備え、
前記光源ユニットは、
光を出射する光源と、
前記光が透過する光カバー部と、
前記光源が実装される実装部材と、
前記実装部材を保持する保持部材と
を有し、
前記光源が、前記光カバー部の内部に対向し、
前記光カバー部は、第1カバー部と、前記第1カバー部に対向する第2カバー部と、前記第1カバー部と前記第2カバー部との間で前記第1カバー部および前記第2カバー部を介在する第3カバー部とを有し、
前記ベース部材は、第1ベース部と、前記第1ベース部に対向する第2ベース部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間で前記第1ベース部および前記第2ベース部を介在する第3ベース部とを有し、
前記光カバー部の内部には、前記光カバー部の前記第1カバー部、前記第2カバー部および前記第3カバー部に囲まれた空洞があり、
前記光カバー部の前記第1カバー部、前記第2カバー部および前記第3カバー部のそれぞれは、前記空洞を介して前記光源に対向し、
前記第1カバー部および前記第2カバー部は、略平板状であり、
前記第1ベース部および前記第2ベース部は、略平板状であり、
前記保持部材には、実装部材の保持手段が形成されており、
着脱方向は、前記光源ユニットが前記ベース部材に対して着脱される方向であり、
前記ベース部材および前記光カバー部は、第1方向に沿って延び、
短手方向は、前記第1方向と前記着脱方向とに垂直な方向であり、
前記光源ユニットは、前記光カバー部に連結され、前記保持部材に保持される進入部を有し、
前記進入部は、先端部を有する進入体を有し、
前記先端部は、第2方向に突出して前記保持部材に嵌め込まれ、
前記第2方向は、前記着脱方向と前記第1方向とに垂直な方向である、照明器具。」
という点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
実装部材の保持手段に関し、本件発明1は、「前記実装部材の短手方向の両端部のうちの少なくとも一方端部に沿った形状を有する断面視コ字状の保持体」であって、「前記保持体は、前記実装部材の前記短手方向の側面に対向する側部と、前記実装部材の前記短手方向の端部と着脱方向に沿って重なる前記実装部材との重なり部とを有し、前記重なり部は、前記光カバー部の前記第3カバー部に対向する対向部を有」するのに対し、甲1発明は、ネジ29を挿入する溝部23dである点。
[相違点2]
先端部に関し、本件発明1は、「前記着脱方向において、前記保持体の前記実装部材との重なり部と重な」るのに対し、甲1発明は、そのように構成されていない点。
イ 判断
事案に鑑み、上記相違点2について、まず検討する。
甲2記載事項のスナップ部320の先端は、「前記支持面111に対して垂直な方向において、前記結合構造115の前記重なる部分と近接して配置される」ものの、垂直な方向において、前記結合構造115の前記重なる部分と重なるものではない。
甲3記載事項の上部カバー230の両端部は、「前記上下方向において、前記下部カバー210の前記第2突起214と重なる」ものである。しかしながら、甲1発明と甲3記載事項とは、例えば、保持部材に保持される透光性のカバー部材の端部が、甲1発明は短手方向内側に突出するのに対し、甲3記載事項は同外側に突出し、また、当該端部が保持される上下方向の位置が、甲1発明は放熱板23のLED基板24が固定される側とは反対側であるのに対し、甲3事項は下部カバー210の基板110が配置される側と同じ側である等、甲1発明と甲3記載事項とは、透光性のカバー部材の取付のための形状、構造が異なるから、甲1発明に甲3記載事項を採用することが容易とはいえない。
さらに、仮に、甲1発明の、LED基板24の短手方向の端部と上下方向に沿って重なる重なり部を有する保持体を放熱板23に設けることが容易であるとしても、放熱板23の短手方向の中央部上方の電源台23bに近接して設けられたカバー挿入部23cに挿入される透光性カバー21の先端と前記重なり部とが重ならないことは明らかである。また、電源台23bに近接して設けられたカバー挿入部23cをLED基板24の短手方向の端部と上下方向に沿って重なる位置に配置することによって、前記先端と前記重なり部とを重ならせる理由はなく、LED基板24の短手方向を短くしてその端部をカバー挿入部23cと上下方向に沿って重なる位置に配置することによって、前記先端と前記重なり部とを重ならせる理由もない。
したがって、相違点2に係る本件発明1の発明特定事項は、甲1発明、甲2記載事項及び甲3記載事項に基いて容易になし得たものではなく、また、甲1発明に基いて当業者が適宜なし得る設計的事項であるともいえない。
よって、当業者が相違点2に係る本件発明1の発明特定事項に容易に想到し得るという理由は見いだせないから、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、当業者が甲1発明、甲2記載事項及び甲3記載事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~7
本件発明2~7は、いずれも本件発明1の全ての発明特定事項を含んだ上で、さらに発明特定事項を追加したものであり、上記(1)に示した理由と同様の理由により、本件発明2~7は、当業者が甲1発明、甲2記載事項及び甲3記載事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(3)申立人の主張について
申立人は、特許異議申立書の3頁において、相違点2に係る本件発明1の発明特定事項が甲3に記載されていることを示唆している。
これに対し、確かに甲3には、相違点2に係る本件発明1の発明特定事項が記載されているものの、上記(1)イで説示したとおり、甲1発明に甲3記載事項を採用することが容易とはいえない。
よって、申立人の主張は根拠を有するものではなく、採用できない。
(4)小括
以上のとおり、本件の請求項1~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたことではなく、申立理由1によって取り消すことはできない。
第5 むすび
したがって、申立人がした特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件の請求項1~7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件の請求項1~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-700475