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特許異議申立

2024-700155

照明器具

審判番号
2024-700155
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-119623
登録番号
7329987
請求日
2024年02月21日
審決日
2025年03月25日
公報発行日
2025年06月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】コイズミ照明株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
  • 【異議申立人】秋山 良文
審判長/審判官
  • 審判長 一ノ瀬 覚
  • 審判官 草野 顕子
  • 審判官 澤崎 雅彦
分類
P1651.537-YAA(F21S) / P1651.113-YAA(F21S) / P1651.121-YAA(F21S)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第5項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7329987号発明「照明器具」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7329987号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正することを認める。 特許第7329987号の請求項1、2に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7329987号(以下「本件特許」という。)の請求項1、2に係る特許についての出願は、令和1年6月27日の出願であって、令和5年8月10日にその特許権の設定登録がされ、同年8月21日に特許掲載公報が発行された。 本件特許についての特許異議申立人秋山良文(以下「申立人」という。)による本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和6年 2月21日 特許異議の申立て(全請求項) 同年 5月 9日付け 取消理由通知書 同年 7月12日 特許権者より意見書・訂正請求書の提出 同年 9月19日付け 訂正拒絶理由通知書 同年10月18日 特許権者より意見書・令和6年7月12日付け訂正請求書の手続補正書の提出 同年11月26日付け 取消理由通知書(決定の予告) 令和7年 1月21日 特許権者より意見書・訂正請求書の提出 同年 3月 6日 申立人より意見書の提出 第2 本件訂正の適否 1 訂正の内容 令和7年1月21日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 (1) 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の 「光を出射する光源と、 前記光源に電力を供給する電源装置と、 前記電源装置と接続するコネクタと、 前記光源が配置される光源基板と、 通信モジュールと を備え、」 との記載を、 「光を出射する光源と、 前記光源に電力を供給する電源装置と、 前記電源装置と接続するコネクタと、 前記光源が配置される光源基板と、 通信モジュールと を備え、 前記光源基板は、前記光源が配置される第1基板面と、前記第1基板面とは反対側の第2基板面とを有し、 前記電源装置は、前記光源基板の前記第2基板面側で前記光源基板に重ねられるように設けられる電源基板を含み、前記電源基板に前記コネクタが配置されており、」 に訂正し、さらに、請求項1の 「前記光源基板には、前記通信モジュールが通過可能である貫通孔が形成されており、 前記通信モジュールは、電波を受信するアンテナを有し、 前記アンテナは、前記光源基板から突出している、照明器具。」 との記載を、 「前記コネクタと前記通信モジュールは、前記通信モジュールを前記第1基板面側から前記第2基板面側へ向かう方向に移動させることによって前記通信モジュールが前記コネクタに取り付けられるように構成されており、 前記光源基板には、前記通信モジュールが通過可能である貫通孔が形成されており、 前記通信モジュールは、電波を受信するアンテナを有し、 前記アンテナは、前記光源基板から突出している、照明器具。」 に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。 (2) 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1の 「前記コネクタは、通信モジュールが着脱可能に設けられる、前記光源基板と重なる位置に配置され、」 との記載を、 「前記コネクタは、通信モジュールが着脱可能に設けられるとともに、前記光源基板と重なる位置に配置され、」 に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正の目的について ア 訂正事項1 訂正事項1は、請求項1において、光源基板の両面をそれぞれ「前記光源が配置される第1基板面」及び「前記第1基板面とは反対側の第2基板面」と規定した上で、電源装置に関して「前記電源装置は、前記光源基板の前記第2基板面側で前記光源基板に重ねられるように設けられる電源基板を含み、前記電源基板に前記コネクタが配置されており、」との構成を追加することで、光源、光源基板、電源基板、コネクタの配置関係を特定しつつ、さらに、「前記コネクタと前記通信モジュールは、前記通信モジュールを前記第1基板面側から前記第2基板面側へ向かう方向に移動させることによって前記通信モジュールが前記コネクタに取り付けられるように構成されており、」との構成を追加することで、通信モジュールのコネクタへの取付け態様をより具体的に特定し、限定するものである。 したがって、訂正事項1は特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項2 訂正事項2は、請求項1の「前記コネクタは、通信モジュールが着脱可能に設けられる、前記光源基板と重なる位置に配置され、」との記載が、コネクタの配置される位置が「通信モジュールが着脱可能に設けられる」位置であることを意味しているのか、それとも、単にコネクタ自体の特徴として「通信モジュールが着脱可能に設けられる」ことを意味しているのか、明確でないところ、後者のみを意味するように上記記載を明確にするものである。 したがって、訂正事項2は明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項について ア 訂正事項1 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項との関係を検討すると、まず、段落【0033】の「各光源基板70は、第1基板面70aおよび第1基板面70aとは反対側の第2基板面70bを有する。」との記載、段落【0037】の「複数の光源73は、第1光源基板71の第1基板面70aおよび第2光源基板72の第1基板面70aに分散して配置される。」との記載、から、本件明細書等には、「前記光源基板は、前記光源が配置される第1基板面と、前記第1基板面とは反対側の第2基板面とを有」することが記載されていると認められる。 また、以上を踏まえて、段落【0054】の「図5(a)に示すように、電源装置31は、・・・・さらに電源基板313を含む。・・・電源基板313には、コネクタ5と、・・・とが配置される。」との記載、図2、3、5、6に示される光源基板70,電源装置31、電源基板313及びコネクタ5等の態様から、本件明細書等には、「前記電源装置は、前記光源基板の前記第2基板面側で前記光源基板に重ねられるように設けられる電源基板を含み、前記電源基板に前記コネクタが配置されて」いることが記載されていると認められる。 また、以上を踏まえて、段落【0056】の「図5(b)に示す状態から、無線通信部4を上方向に移動させ、無線通信部4を差込口52に差し込むことによって、図5(c)に示すように、無線通信部4がコネクタ5に取り付けられる。」との記載、段落【0016】の「以下では、照明器具100のうち、本体カバー1が設けられる側を「照明器具100の上側」とし、その反対側を「照明器具100の下側」として本実施形態を説明する。」との記載、段落【0033】の「本実施形態において、第1基板面70aは、光源基板70の下面を構成し、第2基板面70bは、光源基板70の上面を構成する。」との記載、から、本件明細書等には、「前記コネクタと前記通信モジュールは、前記通信モジュールを前記第1基板面側から前記第2基板面側へ向かう方向に移動させることによって前記通信モジュールが前記コネクタに取り付けられるように構成されて」いることが記載されていると認められる。 以上を踏まえると、訂正事項1は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 イ 訂正事項2 本件明細書等に記載した事項との関係を検討すると、段落【0058】の「照明器具100では、コネクタ5は、無線通信部4(通信モジュール)が着脱可能に設けられる。」との記載、及び、図2、3、5、6に示される光源基板70、無線通信部4及びコネクタ5等の態様から、本件明細書等には、「前記コネクタは、通信モジュールが着脱可能に設けられるとともに、前記光源基板と重なる位置に配置され」ることが記載されていると認められる。 したがって、訂正事項2は、本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものである。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項1は特許請求の範囲の減縮を行うものであり、訂正事項2は明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、いずれも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 (4)申立人の主張について 申立人は、令和7年3月6日に提出された意見書において、本件訂正について、 「しかし、段落[0016]、[0020]、[0033]、[0056]には、無線通信部4を上方向に移動させることは記載があるものの、無線通信部4を第1基板面70a側から第2基板面70b側へ向かう方向に移動させるとの記載はない。 また、段落[0016]、[0020]、[0033]、[0056]には、無線通信部4を上方向に移動させて、無線通信部4をコネクタ5に取り付けられる態様のみが記載されているのに対し、構成要件1Mには、無線通信部4を第1基板面70a側から第2基板面70b側へ斜めに向かう方向に移動させる構成まで含まれている。 したがって、訂正事項は、訂正前の明細書等にサポートされていない新たな技術的事項を導入する訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合せず、拒絶されるべきものである。」(第3~4ページ、3(2)参照。) と主張している。 しかしながら、本件明細書の段落【0016】には、照明器具100のうち、本体カバー1が設けられる側を「照明器具100の上側」とすること、及び、その反対側を「照明器具100の下側」として実施形態を説明することが記載されており、さらに、段落【0033】には、同実施形態において、第1基板面70aが光源基板70の下面を構成し、第2基板面70bが光源基板70の上面を構成することが記載されているから、照明器具の「上」方向が第2基板面70b側であり、照明器具の「下」方向が第1基板面70a側であることは明らかである。 そして、この点を踏まえれば、段落【0056】の「図5(b)に示す状態から、無線通信部4を上方向に移動させ、無線通信部4を差込口52に差し込むことによって、図5(c)に示すように、無線通信部4がコネクタ5に取り付けられる。」との記載が、無線通信部4(通信モジュール)を上方向、すなわち、下(第1基板面側)から上(第2基板面側)へ向かう方向に移動させることによってコネクタ5に取り付けることを意味していることは明らかである。 また、上記主張のように、本件訂正が「無線通信部4を第1基板面70a側から第2基板面70b側へ斜めに向かう方向に移動させる構成まで含」むとしても、それによって本件明細書等の記載により導かれる事項との関係において新たな技術的事項が導入されると理解すべき事情もない。 したがって、上記(2)アで示すように、訂正事項1は本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、申立人の上記主張を採用することはできない。 3 一群の請求項について 訂正前の請求項1、2は、請求項2が請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は一群の請求項〔1、2〕について請求されたものである。 4 訂正についてのむすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり本件訂正は認められたから、本件訂正後の本件特許の請求項1、2に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明2」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される、以下のとおりのものであると認められる。 「【請求項1】 光を出射する光源と、 前記光源に電力を供給する電源装置と、 前記電源装置と接続するコネクタと、 前記光源が配置される光源基板と、 通信モジュールと を備え、 前記光源基板は、前記光源が配置される第1基板面と、前記第1基板面とは反対側の第2基板面とを有し、 前記電源装置は、前記光源基板の前記第2基板面側で前記光源基板に重ねられるように設けられる電源基板を含み、前記電源基板に前記コネクタが配置されており、 前記コネクタは、通信モジュールが着脱可能に設けられるとともに、前記光源基板と重なる位置に配置され、 前記コネクタと前記通信モジュールは、前記通信モジュールを前記第1基板面側から前記第2基板面側へ向かう方向に移動させることによって前記通信モジュールが前記コネクタに取り付けられるように構成されており、 前記光源基板には、前記通信モジュールが通過可能である貫通孔が形成されており、 前記通信モジュールは、電波を受信するアンテナを有し、 前記アンテナは、前記光源基板から突出している、照明器具。 【請求項2】 前記光源は出射面を有し、 前記コネクタは、前記出射面側から前記通信モジュールが着脱可能に設けられる、請求項1に記載の照明器具。」 第4 取消理由の概要 本件訂正前の請求項1、2に係る特許に対して令和6年11月26日付け取消理由通知(決定の予告)で当審において通知した取消理由の要旨は次のとおりである。 [理由1](明確性要件)本件特許は、明細書又は特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 [理由2](新規性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、当該請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 [理由3](進歩性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、当該請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 記 <甲号証> 申立人の提出した甲第1号証~甲第3号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲3」という。)は以下のとおり。 ・甲1:特開2018-107028号公報 ・甲2:特開2018-120730号公報 ・甲3:特開2018-163866号公報 <取消理由、請求項、刊行物等の関係等> ・理由 1 ・請求項 1、2 請求項1の「前記コネクタは、通信モジュールが着脱可能に設けられる、前記光源基板と重なる位置に配置され、」との記載は、コネクタの配置位置を意味しているのか、コネクタ自体の特徴を意味しているのか不明確であるから、請求項1及び請求項1を引用する請求項2に記載された発明は明確でない。 ・理由 2、3 ・請求項 1 ・刊行物等 甲1 ・理由 3 ・請求項 2 ・刊行物等 甲1~甲3 第5 取消理由1~3についての当審の判断 1 理由1(明確性要件)について 本件訂正後の、請求項1の「前記コネクタは、通信モジュールが着脱可能に設けられるとともに、前記光源基板と重なる位置に配置され、」との記載は、単にコネクタ自体の特徴として「通信モジュールが着脱可能に設けられる」ことが明確である。 よって、請求項1に記載された発明、及び請求項1を引用する請求項2に記載された発明は明確である。 2 理由2(新規性)、理由3(進歩性)について (1)各甲号証の記載等 (1-1) 甲1 ア 記載事項 甲1には、以下の記載がある(下線は当審において付与した。以下同様。)。 (ア)段落【0015】 「図1~図4に示すように、照明器具1は、器具本体10と、発光モジュール(発光部)20と、光源カバー30と、電源ユニット40と、導光板50と、反射部材60と、外郭カバー70と、化粧カバー80と、器具取付部材90と、無線通信モジュール100とを備える。」 (イ)段落【0018】 「なお、各図において、z軸の負側が天井側であり、z軸の正側が床面側を表している。また、説明の都合上、図2を除く残りの各図において、照明器具1を通常の使用時の姿勢とは上下逆の姿勢で図示している。」 (ウ)段落【0035】 「[発光モジュール(発光部)] 発光モジュール20は、照明器具1の器具本体10に取り付けられた発光部の一例であり、白色などの所定の色(波長)の光を発する。発光モジュール20は、主に前方(床面に向けて)に光を出射する。発光モジュール20は、第1の器具本体11の載置面13に載置されている。」 (エ)段落【0037】 「図4及び図7に示すように、複数の発光モジュール20はそれぞれ、光源基板21と、複数の第1の発光素子22と、複数の第2の発光素子23とを有する。」 (オ)段落【0038】 「光源基板21は、複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23を実装するための実装基板である。光源基板21は、例えば、プリント配線基板であり、光源基板21の一方の面には、金属配線が所定形状でパターン形成されている。図6及び図7に示すように、光源基板21は、第1の発光素子22及び第2の発光素子23が床面側を向くようにして、第1の器具本体11の載置面13に載置されている。光源基板21の平面視形状は、例えば、所定幅のドーナツ形状を周方向に3等分した形状である。光源基板21は、第1の器具本体11の載置面13に、取付ネジを用いて固定されている。」 (カ)段落【0042】 「このように、第1の発光素子22及び第2の発光素子23の各々は、青色LEDチップと黄色蛍光体とによって構成されたB-Yタイプの白色LED素子である。具体的には、封止部材に含有される黄色蛍光体は、青色LEDチップからの青色光の一部を吸収することにより励起されて黄色光を放出する。この放出された黄色光と黄色蛍光体に吸収されなかった青色光とが混ざることにより、白色光が生成される。このようにして第1の発光素子22及び第2の発光素子23の各々から白色光が出射される。」 (キ)段落【0045】 「複数の第1の発光素子22は、光源基板21の主面上の内周領域に実装されている。具体的には、複数の第1の発光素子22は、光源基板21の内周領域において、径方向に見て3列配置されている。各列において、複数の第1の発光素子22は、光源基板21の周方向に間隔を空けて配置されている。より具体的には、図7に示すように、発光部の全体として、複数の第1の発光素子22は、同心円状に並んだ3本の円環状の仮想線L11~L13上に配置されている。複数の第1の発光素子22から出射される光は、光源カバー30と、外郭カバー70の第1のカバー71とを透過して照明器具1の外部に出射される。」 (ク)段落【0046】 「複数の第2の発光素子23は、光源基板21の主面上の外周領域に実装されている。なお、外周領域は、内周領域より外側の領域である。複数の第2の発光素子23は、光源基板21の外周領域において、例えば、光源基板21の周方向に間隔を空けて1列のみ配置されている。より具体的には、図7に示すように、発光部の全体として、複数の第2の発光素子23は、1本の円環状の仮想線L20上に配置されている。複数の第2の発光素子23から出射される光は、導光板50の入射部53に入射され、導光板50を導光されて照明器具1の外部に出射される。」 (ケ)段落【0047】 「発光モジュール20の各々は、コネクタ及びリード線(図示せず)によって互いに接続される。複数のリード線の1つは、電源ユニット40の回路基板41に接続されており、複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23を点灯させるための電力を回路基板41から光源基板21に供給する。」 (コ)段落【0057】 「[電源ユニット] 電源ユニット40は、発光モジュール20を点灯させるための電力を生成するための電源装置である。電源ユニット40は、例えば、系統電源又は蓄電池などの外部の電源から引掛シーリングボディ及び器具取付部材90を介して供給される交流電力を直流電力に変換して発光モジュール20に供給する。」 (サ)段落【0060】 「図4及び図5に示すように、電源ユニット40は、例えば、回路基板41と、複数の回路素子42と、絶縁ケース43とを備える。」 (シ)段落【0062】 「図示しないが、回路基板41には、器具取付部材90と回路基板41とを電気的に接続するためのコネクタ及びリード線が設けられている。また、回路基板41には、無線通信モジュール100と回路基板41とを電気的に接続するためのコネクタ及びリード線が設けられている。」 (ス)段落【0103】 「無線通信モジュール100は、図8及び図9に示すように、基板110と、送受信部120と、樹脂ケース130と、取付ネジ140とを備える。」 (セ)段落【0106】 「本実施の形態では、図6及び図9に示すように、基板110は、露出部111と、非露出部112とを有する。露出部111は、基板110の一部であり、載置面13の光出射側(z軸の正側)に露出した部分である。非露出部112は、基板110の他の一部であり、載置面13の光出射側の反対側に位置する部分である。」 (ソ)段落【0108】 「非露出部112は、基板110の長手方向の他方端側(z軸の負方向)の部分であり、基板110の器具本体10内に収納されている部分である。非露出部112には、コネクタ150が接続されている(図8を参照)。コネクタ150は、無線通信モジュール100の送受信部120と電源ユニット40との電気的な接続を行うための回路素子である。」 (タ)段落【0110】 「送受信部120は、無線信号の受信を行う受信部の一例である。本実施の形態では、送受信部120は、例えば、チップアンテナ又はパターンアンテナと制御IC(IntegratedCircuit)とで構成され、無線信号の送受信を行う。具体的には、送受信部120は、操作端末などから送信された制御信号を受信する。また、送受信部120は、受信した制御信号を送信してもよい。」 (チ)段落【0111】 「本実施の形態では、送受信部120は、基板110の露出部111に設けられている。つまり、図6に示すように、送受信部120は、載置面13より光出射側であって、第1の器具本体11(載置面13)と外郭カバー70との間に位置している。」 (ツ)段落【0131】 「[無線通信モジュールの取り付け位置] 図11は、本実施の形態に係る無線通信モジュール100の器具本体10への取り付けを説明するための斜視図である。」 (テ)段落【0132】 「図11に示すように、無線通信モジュール100は、器具本体10(第1の器具本体11)に設けられた開口14に挿入される。例えば、第1の器具本体11の開口14の近傍には、図11に示すように、ネジ穴19が設けられている。ネジ穴19に、無線通信モジュール100の樹脂ケース130を固定するための取付ネジ140がネジ入れられることで、樹脂ケース130が器具本体10に固定される。」 (ト)図6 「 [図:0001423466000001.jpg] 」 (ナ)図7 「 [図:0001423466000002.jpg] 」 (ニ)図8 「 [図:0001423466000003.jpg] 」 (ヌ)図9 「 [図:0001423466000004.jpg] 」 (ネ)図11 「 [図:0001423466000005.jpg] 」 イ 認定事項 甲1の上記記載事項から、以下のことが認められる。 (ア)光源基板21について 段落【0018】の「z軸の負側が天井側であり、z軸の正側が床面側を表している。」との記載、段落【0038】の「光源基板21は、第1の発光素子22及び第2の発光素子23が床面側を向くようにして、第1の器具本体11の載置面13に載置されている」との記載、及び、図6に示された光源基板21の態様から、光源基板21は、前記第1、第2の発光素子22、23が配置される床面側の面と、前記床面側の面とは反対側の天井側の面とを有することが記載されていると認められる。 (イ)コネクタ150の着脱可能性について コネクタの技術常識を踏まえると、図8、9、11には、下記参考図1(図9の抜粋に当審において部材名等を追記)で示すように、着脱用のロックレバーを備えたコネクタ150が記載されている。 したがって、前記コネクタ150は、無線通信モジュール100の非露出部112に対して着脱可能なものと認められる。 [参考図1] [図:0001423466000006.jpg] (ウ)コネクタ150の配置位置について 図7、11には、コネクタ150と接続された無線通信モジュール100が、図7の平面視で、光源基板21によって形成されるドーナツ形状の領域内、すなわち光源基板21と重なる位置に配置されていることが記載されている。 したがって、前記コネクタ150は、光源基板21と重なる位置に配置されていると認められる。 (エ)送受信部120と光源基板21との位置関係について 図6には、光源基板21と当該光源基板21が載置された載置面13とは略同一平面上に位置していることが記載されている。 また、段落【0111】には、送受信部120が当該載置面13より光出射側に位置していることが記載されており、上述のとおり、光源基板21及び載置面13が略同一平面上に位置していることを踏まえれば、当該送受信部120は、当該光源基板21より光出射側に位置していると認められる。 ウ 甲1発明 上記ア、イを踏まえると、甲1には次の(ア)、(イ)の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。なお、括弧書きは主な参照箇所を示す。 [甲1発明] 「白色光を発する複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23と、(段落【0038】、【0042】) 前記複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23を点灯させるための電力を供給する電源ユニット40と、(段落【0047】) 前記電源ユニット40との電気的な接続を行うコネクタ150と、(段落【0108】) 前記複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23を実装する光源基板21と、(段落【0045】、【0046】) 無線通信モジュール100と(段落【0015】) を備え、 光源基板21は、前記第1、第2の発光素子22、23が配置される床面側の面と、前記床面側の面とは反対側の天井側の面とを有し、(認定事項(ア)) 電源ユニット40は、回路基板41を備え、(段落【0060】) 回路基板41には、無線通信モジュール100と回路基板41とを電気的に接続するためのコネクタ及びリード線が設けられており、(段落【0062】) 前記コネクタ150は、前記無線通信モジュール100が備える基板110の非露出部112に着脱可能に接続され、前記光源基板21と重なる位置に配置され、(認定事項(イ)、(ウ)、段落【0103】、【0106】、【0108】) 前記無線通信モジュール100は、無線信号の送受信を行う送受信部120を構成するパターンアンテナを備え、(段落【0110】) 前記送受信部120は、前記光源基板21より光出射側に位置している、照明器具1。(認定事項(エ)、段落【0015】)」 (1-2)甲2 甲2には、以下の記載がある。 ア 記載事項 (ア)段落【0018】 「図1及び図2に示すように、実施形態に係る照明装置10は、筐体2と、光源3と、蓄電池4と、電源5と、接続用端子51と、蓋7と、を具備する。そして、照明装置10には、少なくとも外部装置と無線通信を行う多機能モジュール6が、照明装置10の内部に後付け可能である。なお、照明装置10は、外部電源(不図示)による電力供給が停止した場合に点灯する非常用照明装置、或いは、避難経路への誘導のために常時点灯する誘導用照明装置であってもよい。」 (イ)段落【0025】 「接続用端子51は、多機能モジュール6が筐体2の内部空間に挿入された場合に、多機能モジュール6を電源5に接続する。接続用端子51は、多機能モジュール6が開口から筐体2の内部空間に挿入された場合に、多機能モジュール6を電源5に接続するコネクタである。接続用端子51は、多機能モジュール6の接続規格に応じた規格のコネクタであれば足りる。例えば、多機能モジュール6の接続規格がUSBである場合には、接続用端子51は、USBポートである。」 (ウ)段落【0033】 「図3及び図4は、実施形態に係る照明装置10の構成を示す図である。図3に示すように、照明装置10は、外部電源100と、電源5とが接続する。電源5は、光源3、蓄電池4、多機能モジュール6及びモニタ8と接続する。電源5は、蓄電池4に対する充電動作及び放電動作を制御する充電回路/放電回路53、光源3の点灯動作を制御する光源回路54、及び、多機能モジュール6とモニタ8との動作処理を制御する多機能回路55を有する。」 (エ)段落【0037】 「図5に示すように、本組み立て例では、筐体2内部に、光源3及び電源5が予め組み付けられている。続いて、図6の矢印Yaに示すように、筐体2内部のうち電源5が配置されていない右側の領域に、筐体2の開口21を介して下方から蓄電池4が装着される。そして、図7の矢印Ybに示すように、多機能モジュール6が、筐体2の開口21を介して下方から電源5の収容スペース52に挿入され、接続用端子51に接続する。続いて、図7の矢印Ycに示すように、筐体2の開口21を、蓋7で塞ぎ、照明装置10の組み立てを完了する。」 (オ)図3 「 [図:0001423466000007.jpg] 」 イ 認定事項 (ア)多機能モジュール6の設置態様について 図7には、下記参考図2(図7の抜粋に当審において部材名等を追記)で示すように接続用端子51が、収容スペース52の開口の外側から多機能モジュール6が着脱可能となるよう設けられていることが記載されている。 [参考図2] [図:0001423466000008.jpg] (1-3)甲3 甲3には、以下の記載がある。 ア 記載事項 (ア)段落【0034】 「接続端子156は、モジュール20を照明装置10に接続するための外部機器接続用のコネクタである。接続端子156は、点灯ユニット15の蓋16と対向する側(発光方向側)の面に配置されている。接続端子156は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子である。接続端子156の発光方向側の端面は、蓋16の内側(Z軸プラス方向側)、或いは、蓋16の発光方向側の面の延長上に位置している。そのため、接続端子156は、照明装置10をX軸、Y軸方向(本実施形態の場合、水平方向)から見て、蓋16から突出しておらず、照明装置10の内部に隠れた状態となっている。」 (イ)段落【0037】 「モジュール20は、赤外センサ(人感センサ)等の照明装置10の周囲の状態を検知するセンサモジュールである。モジュール20は、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信規格に従って外部の装置と通信する通信モジュールであってもよい。モジュール20は、ドングルと呼ばれる小型モジュールであってもよい。モジュール20は、接続端子156に接続されて使用される。図6は、接続端子156にモジュール20を接続した様子を示す図である。モジュール20は、蓋16の外側(発光方向側)から貫通孔162を通って接続端子156に挿入される。モジュール20の形状は略長方形である。モジュール20の挿入方向(Z軸方向)の長さLは、照明装置10の製造者或いは規格等により予め定められた長さとなっている。例えば、長さLは、1cm~10cmである。モジュール20は、接続端子156に接続されたときに、その一部が蓋16の外側(Z軸マイナス方向側)に突出した状態となる。一部が突出しているので、ユーザは、モジュール20を接続端子156から抜く際に、モジュール20を容易に掴むことができる。」 (ウ)段落【0043】 「点灯ユニット15は、光源13の点灯動作及び電池14への充放電動作を行う電源装置である。点灯ユニット15は、電源回路151と、制御部152と、記憶部153と、操作部154と、出力部155と、接続端子156と、を備える。」 (エ)図7 「 [図:0001423466000009.jpg] 」 (2)当審の判断(新規性;進歩性) ア 本件発明1 (ア)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 a 後者の「複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23」は前者の「光源」に相当し、以下同様に、「電源ユニット40」は「電源装置」に、「コネクタ150」は「コネクタ」に、「光源基板21」は「光源基板」に、「無線通信モジュール100」は「通信モジュール」に、「床面側の面」は「第1基板面」に、「天井側の面」は「第2基板面」に、「回路基板41」は「電源基板」に、「パターンアンテナ」は「アンテナ」に、「照明器具1」は「照明器具」に、それぞれ相当する。以上の相当関係から、更に以下のことがいえる。 b 後者の複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23が「白色光を発する」構成は、前者の光源が「光を出射する」構成に相当する。 c 後者の電源ユニット40が「前記複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23を点灯させるための電力を供給する」構成は、前者の電源装置が「前記光源に電力を供給する」構成に相当する。 d 後者のコネクタ150が「前記電源ユニット40との電気的な接続を行う」構成は、前者のコネクタが「前記電源装置と接続する」構成に相当する。 e 後者の光源基板21に「前記複数の第1の発光素子22及び複数の第2の発光素子23を実装する」構成は、前者の光源基板に「前記光源が配置される」構成に相当する。 f 後者の光源基板21が「前記第1、第2の発光素子22、23が配置される床面側の面と、前記床面側の面とは反対側の天井側の面とを有」する構成は、前者の光源基板が「前記光源が配置される第1基板面と、前記第1基板面とは反対側の第2基板面とを有」する構成に相当する。 g 後者の電源ユニット40が「回路基板41を備え」る構成は、前者の電源装置が「前記光源基板の前記第2基板面側で前記光源基板に重ねられるように設けられる電源基板を含」む構成と、「電源基板を含」む構成で共通する。 h 後者の非露出部112は無線通信モジュール100の一部であるから、後者のコネクタ150が「前記無線通信モジュール100が備える基板110の非露出部112に着脱可能に接続され、前記光源基板21と重なる位置に配置され」る構成は、前者のコネクタが「通信モジュールが着脱可能に設けられる、前記光源基板と重なる位置に配置され」る構成に相当する。 i 後者のコネクタ150と無線通信モジュール100に関する「前記コネクタ150は、前記無線通信モジュール100が備える基板110の非露出部112に着脱可能に接続され」る構成は、前者のコネクタと通信モジュールに関する「前記コネクタと前記通信モジュールは、前記通信モジュールを前記第1基板面側から前記第2基板面側へ向かう方向に移動させることによって前記通信モジュールが前記コネクタに取り付けられるように構成されて」いる構成と、「前記コネクタと前記通信モジュールは、前記通信モジュールが前記コネクタに取り付けられるように構成されて」いる構成で共通する。 j 後者のパターンアンテナが「無線信号の送受信を行う送受信部120を構成する」構成は、前者のアンテナが「電波を受信する」構成に相当する。 k 後者の送受信部120はその構成としてパターンアンテナを備えているから、後者の送受信部120が「前記光源基板21より光出射側に位置している」構成は、前者のアンテナが「前記光源基板から突出している」構成に相当する。 l そうすると、本件発明1と甲1発明とは以下の点で一致する。 <一致点1> 「光を出射する光源と、 前記光源に電力を供給する電源装置と、 前記電源装置と接続するコネクタと、 前記光源が配置される光源基板と、 通信モジュールと を備え、 前記光源基板は、前記光源が配置される第1基板面と、前記第1基板面とは反対側の第2基板面とを有し、 前記電源装置は、電源基板を含み、 前記コネクタは、通信モジュールが着脱可能に設けられる、前記光源基板と重なる位置に配置され、 前記コネクタと前記通信モジュールは、前記通信モジュールが前記コネクタに取り付けられるように構成されており、 前記通信モジュールは、電波を受信するアンテナを有し、 前記アンテナは、前記光源基板から突出している、照明器具。」 そして、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で相違する。 <相違点1> 本件発明1では、コネクタを、「前記光源基板の前記第2基板面側で前記光源基板に重ねられるように設けられ」た「前記電源基板に」配置して、当該コネクタに対して、「前記通信モジュールを前記第1基板面側から前記第2基板面側へ向かう方向に移動させることによって」取り付けるのに対し、甲1発明では、そのような構成が特定されていない点。 <相違点2> 本件発明1では「前記光源基板には、前記通信モジュールが通過可能である貫通孔が形成されて」いるのに対し、甲1発明では対応する構成が特定されていない点。 (イ)判断 相違点1について検討する。 甲1では、図4を参酌すると、回路基板41が光源基板21の天井側で光源基板21と重なるか否かが判然としないし、図5を参酌すると、回路基板41は少なくとも発光モジュール20(光源基板21を含む構成。段落【0037】参照。)と重なっていない。また、仮に両者に重なる部分があったとしても、図4,5から明らかなように、無線通信モジュール100と回路基板41とは、平面視で照明器具1の中心を挟んでほぼ真逆の位置に配置されているから、無線通信モジュール100に接続されるコネクタ150が回路基板41に設けられることはない。 そうすると、相違点1は実質的な相違点であり、本件発明1は甲1発明ではない。 また、甲1発明のような、電源基板と光源基板とが重なっていることが特定できず且つコネクタと電源基板とが、照明器具の中心を挟んでほぼ真逆の位置に配置されているものにおいて、コネクタを「前記光源基板の前記第2基板面側で前記光源基板に重ねられるように設けられ」た「前記電源基板に」配置した上で、当該コネクタに対して「前記通信モジュールを前記第1基板面側から前記第2基板面側へ向かう方向に移動させることによって」取り付けるようにすること(相違点1に係る本件発明1の構成)は、甲1~3のいずれの証拠にも記載も示唆もされていない。 したがって、相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明、及び、甲2又は甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 イ 本件発明2 本件発明2は、本件発明1の構成を全て含み、さらに限定したものであるから、上記ア(イ)と同様の理由により、甲1発明、及び、甲2又は甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3) 申立人の主張について 申立人は、令和7年3月6日に提出された意見書において、本件訂正について、 「甲第1号証には、発光モジュール20が配置される載置面13と、載置面13とは反対側の対向面とを有する第1の器具本体11(本件訂正発明1の構成要件1Kに相当)と、第1の器具本体11の対向面側で第1の器具本体11に重ねられるように設けられる第2の器具本体12(本件訂正発明1の構成要件1Lの一部に相当)とが開示されている。」(第5~9ページ、3(3)、特に第7ページの第2段落参照。) とした上で、本件発明1、2が、甲1発明、及び、甲2又は甲3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張している。 しかしながら、上記主張では、光源基板21、回路基板41及びコネクタ150の配置関係が特定されていない。 そして、上記(2)ア(ア)で示すように、甲1発明は本件発明1と相違点1において相違している。 以上のとおり、申立人の上記主張は、本件発明1の「光源基板」、「電源基板」及び「コネクタ」にそれぞれ相当する甲1発明の「光源基板21」、「回路基板41」及び「コネクタ150」の配置関係を特定することなく、本件発明1、2を容易と結論づけるものであるから、採用することができない。 (4)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲1発明ではなく、また、甲1発明、及び、甲2又は甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 また、本件発明2は、甲1発明、及び、甲2又は甲3に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由及び令和7年3月6日に提出された意見書の主張について 1 特許異議申立理由 申立人は、特許異議申立書において、以下の特許異議申立理由を主張している。 [申立理由] 本件訂正前の請求項2に係る発明は甲1発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、当該請求項に係る特許は、同法第29条第1項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである(同法113条第2号)。 2 申立理由についての検討 本件発明2は、本件発明1の構成を全て含み、さらに限定したものであるから、上記第5の(2)ア(イ)と同様の理由により、本件発明2は甲1発明ではない。 よって、上記申立理由は、理由がない。 3 意見書における主張について 申立人は、令和7年3月6日に提出された意見書において、 「具体的には、構成要件1L及び構成要件1Mにおいて、電源基板に配置されたコネクタに通信モジュールが取り付けられた状態で、光源基板に電源基板が重ねられるのか、光源基板に電源基板が重ねられた状態で、コネクタに通信モジュールが取り付けられるのかが明確でない。ここで、照明器具の使用者の利便性を考慮すると、光源基板に電源基板が重ねられた状態で、コネクタに通信モジュールが取り付けられると推定されるが、コネクタへ通信モジュールが取り付けられる際の光源基板及び電源基板の状態は明確に限定すべきである。 したがって、本件訂正発明1及び本件訂正発明1を引用する本件訂正発明2は、明確でない。」(第9~10ページ、3(4)参照。) と主張している。 しかしながら、請求項1の記載から、物の発明として、「照明器具」が、通信モジュールを第1基板面側から第2基板面側へ向かう方向に移動させることによって通信モジュールがコネクタに取り付けられるように構成されていればよいことは明らかである。 したがって、申立人の上記主張を採用することはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1、2に係る特許を取り消すことはできない。 そして、他に本件特許の請求項1、2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700155

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