特許異議申立
2025-700206
プログラム、画像処理装置及び画像処理方法
- 審判番号
- 2025-700206
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-125346
- 登録番号
- 7542869
- 請求日
- 2025年02月18日
- 審決日
- 2025年05月19日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】PDRファーマ株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人ウィルフォート国際特許事務所
- 【異議申立人】藤本 歩
- 審判長/審判官
- 審判長 加々美 一恵
- 審判官 三崎 仁
- 審判官 萩田 裕介
- 分類
- P1651.121-Y (G01T)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第113条第2号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7542869号発明「プログラム、画像処理装置及び画像処理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7542869号の請求項1~6に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7542869号の請求項1~6に係る特許についての出願は、令和3年2月19日(以下「遡及日」という。)に出願した特願2021-24897号の一部を令和4年8月5日に新たな特許出願としたものであって、令和6年8月23日にその特許権の設定登録がされ、同年9月2日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和7年2月18日に特許異議申立人藤本歩(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされた。
第2 本件発明及び本件明細書等
1 本件発明について
特許第7542869号の請求項1~6の特許に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明6」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
心筋SPECT検査又は心筋PET検査に用いられる放射性医薬品の分布を示す断層画像に対して、心筋に集積した前記放射性医薬品の分布である心筋分布を写した領域を設定し、
前記断層画像上に設定されている前記心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む心筋断層画像を抽出し、
前記心筋断層画像に対してスムージング処理を行う、画像処理方法。
【請求項2】
前記心筋分布を写した領域の設定では、ユーザにて指定された領域を、前記心筋分布を写した領域として設定する、請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記断層画像は、スムージング処理が行われる前の断層画像である、請求項1又は2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記スムージング処理は、画像上の画素値の変化を滑らかにする処理である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理方法。
【請求項5】
心筋SPECT検査又は心筋PET検査に用いられる放射性医薬品の分布を示す断層画像に対して、心筋に集積した前記放射性医薬品の分布である心筋分布を写した領域を設定する設定部と、
前記断層画像上に設定されている前記心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む心筋断層画像を抽出する抽出部と、
前記心筋断層画像に対してスムージング処理を行うスムージング部と、をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項6】
心筋SPECT検査又は心筋PET検査に用いられる放射性医薬品の分布を示す断層画像に対して、心筋に集積した前記放射性医薬品の分布である心筋分布を写した領域を設定する設定部と、
前記断層画像上に設定されている前記心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む心筋断層画像を抽出する抽出部と、
前記心筋断層画像に対してスムージング処理を行うスムージング部と、を有する画像処理装置。」
2 本件明細書等について
願書に添付した明細書及び図面(以下「本件明細書等」という。)には、以下の事項が記載されている。下線は当審が付与した(以下同様)。
(本ア)「【0003】
心臓核医学検査では、心筋に集積した放射性医薬品からの放射線に応じた核医学画像が取得され、その核医学画像に基づいて、心臓の検査が行われる。しかしながら、放射性医薬品は、生理的に肝臓にも集積され、消化管を介して排出されるため、肝臓及び消化管などの横隔膜下の臓器である横隔膜下臓器に集積した放射性医薬品からの放射線による虚像(アーチファクト)が核医学画像に生じてしまい、心筋、特に横隔膜下臓器に隣接する心筋下壁の画像に影響が生じるという問題がある。
【0004】
例えば、横隔膜下臓器からの放射線と心筋下壁からの放射線とが部分容積効果の影響を受けて、心筋下壁の放射線カウント値が増加してしまうことがある。この場合、心筋下壁における欠陥が覆い隠されたり、心筋下壁以外の領域で放射線カウント値が低下しているように認識されたりする恐れがある。また、フィルタ補正逆投影法(Filtered Back-projection:FBP)による画像再構成が行われると、心筋下壁の放射線カウント値が低下してしまうこともある(非特許文献1参照)
【0005】
非特許文献2には、心筋の核医学画像における放射性医薬品の横隔膜下臓器の集積による影響を除去するための方法が記載されている。具体的には、放射性医薬品の横隔膜下臓器の集積が減少又は移動するまで撮影を繰り返す方法と、通常の仰臥位撮像に加えて、腹臥位撮像を追加する方法とが記載されている。腹臥位撮像では、心臓と横隔膜下臓器との距離が離れるため、横隔膜下臓器の集積による虚像を低減することができる。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、非特許文献1及び2に記載の方法では、心筋の核医学画像における放射性医薬品の横隔膜下臓器の集積による影響を必ずしも低減できるとは限らず、却って診断精度が低下する恐れがある。また、撮影を複数回行う必要があるため、検査時間が長くなり、被験者の負担が大きいという問題もある。
【0008】
本開示は、上記問題を鑑みてなされたものであり、被験者の負担を軽減しつつ診断精度を向上させることが可能なプログラム、画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。」
(本イ)「【0028】
再構成部2は、取得部1にて取得された投影データに基づいて、断層画像データを生成する。具体的には、再構成部2は、投影データに対して画像再構成処理を行い、心筋の水平断層像(体軸横断層像)を示す水平断層画像データを生成し、その水平断層画像データに対して断面変換処理を行うことで、断面の向きが異なる複数の断層画像データを生成する。断層画像データは、本実施形態では、心筋の水平長軸断層像を示す水平長軸断層画像データと、心筋の垂直長軸断層像を示す垂直長軸断層画像データと、心筋の短軸像を示す短軸断層画像データを断層画像データとを含む。
【0029】
各断層画像データには、心筋に集積した放射性医薬品の分布だけでなく、心臓に隣接する肝臓や消化管のような横隔膜下臓器に集積した放射性医薬品の分布が反映されている。また、各断層画像データは、心臓の中心(より具体的には、心臓の左室の中心)が画像の中心に配置されるように生成される。なお、各断層画像データは、複数のスライス画像の集合である。」 「【0031】
なお、特に心筋SPECT検査用の断層画像データは、情報量が比較的少なく、統計ノイズが比較的多いため、通常、視認性を向上させるために、画像再構成処理の前又は後に、画像上の画素値の変化を滑らかにするスムージング処理が行われる。しかしながら、スムージング処理が行われると、放射性医薬品の横隔膜下臓器の集積による心筋下壁への影響が強調されてしまう。このため、本実施形態では、再構成部2は、スムージング処理を行わない。」
(本ウ)「【0071】
図6の説明に戻る。横隔膜下臓器の集積の画素値を推定すると、抽出部4は、断層画像データの画素値から、各外周画素に対応する横隔膜下臓器の集積の画素値を差し引いて、心筋画像データを抽出し(ステップS304)、処理を終了する。図7の例では、画素値の変化Fで表される画素値からガウス関数Gで表される横隔膜下臓器の集積の画素値を差し引いた曲線Hで表される画素値が心筋画像データの画素値となる。
【0072】
なお、ステップS304では、抽出部4は、断層画像データの画素値から横隔膜下臓器の集積の画素値を差し引いた値が負となる画素が存在する場合、その画素の画素値を零とする。また、抽出部4は、外側集積画素よりも外側、又は、外周画素から外向き線に沿って特定距離離れた位置よりも外側を零とする。」
「【0080】
また、本実施形態では、抽出部4は、外周画素ごとに、外側集積画素が存在する場合、外向き線に沿った外側集積画素よりも外側の領域の画素値を全て零にし、外側集積画素が存在しない場合、断層画像データの外周画素から外側に向かって特定距離離れた位置よりも外側の領域の画素値を全て零にする。このため、心筋に集積した放射性医薬品の分布である心筋分布を適切に抽出することが可能となる。」
「【0074】
以上説明したように本実施形態によれば、設定部3は、スムージング処理が行われる前の断層画像データにおける心臓の中心よりも上側に対応する領域の最大の画素値である基準画素値に基づいて、断層画像データに対して、心筋に集積した放射性医薬品の分布である心筋分布を写した領域を関心領域として設定する。抽出部4は、関心領域に基づいて、断層画像データから心筋分布を示す心筋断層画像データを抽出する。画像処理部5は、心筋断層画像データに対してスムージング処理を行う。したがって、断層画像データから心筋分布を示す心筋断層画像データが抽出された後にスムージング処理が行われる。したがって、被験者に対する撮影を複数回行わなくても、断層画像データにおける放射性医薬品の横隔膜下臓器の集積の影響を除去しつつ、視認性の高い画像データを生成することが可能になるため、被験者の負担を軽減しつつ診断精度を向上させることが可能となる。」
(本エ)「【実施例1】
【0082】
ここでは、心筋断層画像データに対する放射性医薬品の横隔膜下臓器の集積による影響を評価するために、本開示の画像処理方法による心筋断層画像データと、参考例の画像処理方法による心筋断層画像データを比較した。
【0083】
図8は、本開示の画像処理方法と参考例の画像処理方法とを示す図である。具体的には、図8(a)は、参考例の画像処理方法を示し、図8(b)は、本開示の画像処理方法を示す。
【0084】
図8(a)に示す参考例の画像処理方法では、再構成処理により生成した断層画像データに対してスムージング処理を行った後に、断面変換処理と心筋抽出処理とを行っている。一方、図8(b)に示す本開示の画像処理方法では、実施形態で説明したように、再構成処理により生成した断層画像データに対して断面変換処理と心筋抽出処理とを行った後に、スムージング処理を行っている。なお、心筋抽出処理では、放射性医薬品の横隔膜下臓器の集積の関心領域への影響を除去する推定除去を行わずに、各断層画像データの関心領域以外の領域の画素値を全て零に設定している。」
「【図8】
[図:0001423542000001.jpg]
」
第3 特許異議申立書における申立理由の概要
申立人は、特許異議申立書(以下「申立書」という。)で証拠方法として以下の甲第1号証~甲第6号証を提示し、要すれば、以下の申立理由により、本件発明1~6に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものであることを主張している。
(申立理由)
本件発明1~6は、甲第1号証に記載された発明に基づいて、又は、甲第1号証に記載された発明、並びに甲第2号証に記載された事項及び甲第4号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
ここで、甲第3号証は、以下の証拠方法で記載するとおり、令和5年6月30日に発行された異議2023-700168に対する特許決定公報であり、また、甲第5号証及び甲第6号証は、公知日が直接記載されておらず、申立書において「(iv)付言」(14頁11行~15頁16行)として記載されるものであり、これらについては上記申立理由の直接的な証拠として提示されているものとはいえないが、以下の第5の1(2)エにおいて、これらについての検討も加えておくこととする。
<証拠方法>
甲第1号証:シーメンス旭メディテック株式会社「Syngo MIワークプレイスクィックリファレンスガイド」、2005年8月
甲第2号証:特開2013-223620号公報
甲第3号証:異議2023-700168の特許決定公報(令和5年6月30日発行)
甲第4号証:特開平11-19066号公報
甲第5号証:シーメンス・ジャパン株式会社「Syngo MIワークプレイスクイックリファレンスガイド」
甲第6号証:シーメンス・ジャパン株式会社「MI Applicationsの基本操作 簡易取扱説明書」
(以下「甲第○号証」は「甲○」という。)
第4 甲号証の記載
1 甲1について
(1)記載事項
甲1には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審において付与した(以下同様)。
(甲1ア)「本書の使用方法
本書の対象ユーザー
このe.soft Quick Reference Guide(QRG)では、e.softTMアプリケーションを使用して核医学(NM)データを収集、処理、表示するための全般的な手順を説明しています。」(1.1|1頁1~5行)
(甲1イ)「ワークフロー
1つのワークフローは、アクティビティと呼ばれる一連のタスクで構成されます。アクティビティは臨床診断法を自動化するシーケンスに組み込まれています。ワークフロー内の各アクティビティは、ワークフロー内での位置と同じ順序で実行されます。標準的なワークフローには、撮像、処理、表示、ハードコピーなどのアクティビティが含まれます。これらのアクティビティの設定は、保存して他のワークフローで使用することもできます。
1つのワークフローテンプレートは、ワークステーションに保存されている、アクティビティのシーケンスです。ワークフローを実行するために、被検者データとともに立ち上げられます。テンプレートは何度でも使用でき、他の設定ファイルを選択したり、パラメーターを変更することも可能です。各ワークステーションには標準ワークフロー一式が搭載されており、これを利用してさまざまな手順を自動化することができます。さらに、各ワークステーションで独自のワークフローテンプレートを作成し、ネットワークで接続されている複数のワークステーションと共有することも可能です。」(2.1|9頁6~22行)
(甲1ウ)「Series Filterアクティビティ
目的
Series Filterアクティビティは、シリーズに空間や周波数のフィルタを適用する場合に使用します。新たにアウトプットとして生成されるシリーズには、更新内容が適用されています。
・・・
以下の手順にしたがって、Series Filter Processingを実行します。
ステップ1. e.soft Patient Browserからシリーズを1つ選択します。1
ステップ2. Workflow Template BrowserのCategoryメニューから、Processing Activitiesを選択します。
ステップ3. Series Fi1ter Generic Procワークフローテンプレートをダブルクリックします。
(図省略)
ステップ4. ワークフローが、Series FilterアクティビティのSeries Filterタブ画面で開きます。
ステップ5. ツールバーで、Spatial FilterボタンまたはFrequency Filterボタンをクリックします。2
(図省略)
ステップ6. Select Filterプルダウンメニューをクリックしてフィルターを選択し、パラメータを設定します。フィルタを適用した結果が、Test Specified FilterエリアのAfterフィルタ シネディスプレイに表示されます。
ステップ7. さまざまなフィルタの効果を比較するには、Select Filterプルダウンメニューからフィルタを選択して、Trial Filterボタンをクリックします。
ステップ8. Trial Viewsエリアの画像の下にあるフィルタのラベルをクリックしてからOKボタンをクリックすると、選択したフィルタがデータセット全体に適用されます。
(図省略)
ワークフローがSeries Filterアクティビティページに戻り、新しいフィルタがFilter Appliedエリアに表示されます。3
(図省略)
ステップ9. 保存画面やハードコピーが必要な場合は、Hard Copyアクティビティをクリックして、適宜選択を行います。
ステップ10. Setupボタンをクリックして、設定を確認します。4
ステップ11. OKボタンをクリックして、設定を確認します。
(図省略)
ステップ12. Completeボタンをクリックすると、ワークフローが完了します。
Series Filterアクティビティが完了します。」(5.8|1頁1行~6頁末行)
(甲1エ)「Cardiac Tomo Reconstruction
(心臓断層画像再構成)
・・・
処理
心血流データを使用して心断層画像を再構成する一例として、工場出荷時に設定されているワークフローテンプレートCardiac Perfusion Procを以下に示します。
・・・
心血流再構成は、以下の手順で行います。
ステップ1. e.soft被検者ブラウザからスタディを選択します。
ステップ2. ワークフローテンプレートブラウザのCategoryメニューから、Cardiacを選択します。
ステップ3. Cardiac Perfusion Procワークフローテンプレートをダブルクリックします。1
(図省略)
ステップ4. ワークフローではFlexible DisplayアクティビティのComprehensiveタブが開きます。
(図省略)
ステップ5. Quality Controlアクティビティをクリックしてスタディデータを解析します。2
ステップ6. Autocardiacアクティビティをクリックします。
ステップ7. Settingsタブをクリックします。3
(図省略)
ステップ8. 必要に応じて、Change Filterボタンをクリックしてフィルターを調整します。4,5,6
ステップ9. Reconstructionタブをクリックします。
ステップ10. 再構成範囲と方向角度が自動的に設定されています。これらの範囲と角度を検証し、必要に応じて調整します。7,8,9
[図:0001423542000002.jpg]
ステップ11. Masking/Centeringタブをクリックします。
ステップ12. 各シリーズ上の十字線が心臓の中心で交差するように、十字線を調整します。10
ステップ13. 黄色いハンドルをクリック&ドラッグしてマスクのサイズと位置を調整します。11
ステップ14. Flexible Displayアクティビティをクリックして各画像を表示します。
[図:0001423542000003.jpg]
ステップ15. 保存画面やハードコピーが必要であれば、Hard Copyアクティビティをクリックしてから目的のメニュー項目を選択します。
ステップ16. 設定を確認するには、Setupボタンをクリックします。
ステップ17. ワークフローを完了するには、Completeボタンをクリックします。
心断層画像の再構成が完了します。」(6.4|1頁1行~6頁末行)
(甲1オ)「11 再構成画像をマスキングしない場合は、Apply Maskチェックボックスのチェックを外します。」(6.4|6頁の脚注)
(2)甲1の記載から看取される事項
ア 上記(甲1エ)のステップ9.及び10.並びに図6.4-4.の記載から、Reconstructionタブにおいて、設定された再構成範囲と方向角度に従って、周辺臓器を含む心臓の断層画像が生成されて表示されることが理解できる。
イ 上記(甲1エ)のステップ11.ないし14.及び図6.4-5.の記載から、Masking/Centeringタブにおいて、各シリーズの断層画像上でマスクの位置及びサイズを調整し、Flexible Displayアクティビティにおける各断層画像の表示において、マスクされた部分が黒く表示されることが理解できる。
(3)甲1に記載された発明
上記(2)ア及びイを踏まえると、上記(甲1ア)~(甲1オ)の記載から、甲1には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。
(甲1発明)
「e.softTMアプリケーションを使用して核医学データを処理する方法であって、
心臓断層画像再構成の心血流再構成において、
Settingsタブをクリックし、
必要に応じて、Change Filterボタンをクリックしてフィルターを調整し、
Reconstructionタブをクリックし、
設定された再構成範囲と方向角度に従って、周辺臓器を含む心臓の断層画像が生成されて表示され、
Masking/Centeringタブをクリックし、
各シリーズの断層画像上の十字線が心臓の中心で交差するように、十字線を調整し、
黄色いハンドルをクリック&ドラッグしてマスクのサイズと位置を調整し、
Flexible Displayアクティビティをクリックして、各断層画像を表示し、ここで、表示される各断層画像は、マスクされた部分が黒く表示される、
方法。」
2 甲2について
甲2には、以下の事項が記載されている。
(甲2ア)「【0002】
CTやMRIなどにより得られる医用画像は、一般に、臓器の各部位の形態情報(形態画像)を表わすことができる。その一方で、造影剤を使用してCT画像を撮像したり、血液中に放射性物質を投与し、その動態や臓器集積を調べる手法であるSPECTやPETを利用して、所望の部位を撮像することにより、各部位の所望とする機能情報(機能画像)を得ることができる。
【0008】
しかし、CTやMRI等の形態画像とSPECTやPET等の機能画像を重ね合せてレジストレーションする場合、機能画像は、一般に、対象となる部位のみの信号値が高く表示されるという特徴を有しているのに対して、形態画像は、そのような特徴を有していない。
【0009】
したがって、上述した従来技術においては、形態画像と機能画像を重ね合せてそのままレジストレーションを行った場合には、誤差の大小が、必ずしも画像の一致度を表す指標とはならず、レジストレーションを良好に行うことが難しかった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、形態画像と機能画像のレジストレーション処理を良好に行うことができる医用画像のレジストレーション処理装置、方法およびプログラムを提供することを目的とするものである。」
(甲2イ)「【0042】
そこで本実施形態においては、形態画像の中から対象の臓器(ここでは肝臓)を抽出し、臓器内領域を所定の信号値で置き換え、臓器外領域の信号値を0に置き換えることで、形態画像の信号値分布を機能画像の信号値分布に類似(疑似化)させる処理を行う。このような2値化処理を施すことにより、2つの画像間でのレジストレーション処理を、前述の差分誤差を指標にした画像統合の調整を行う手法によっても良好な結果を得ることができる。」
3 甲4について
甲4には、以下の事項が記載されている
(甲4ア)「【0002】
【従来の技術】X線像や、X線CT像あるいはMR像などの医用画像は、マスク処理の施された画像データとして得られていることが多い。すなわち、医用画像では、画像マトリクスの全画素に元々データがない場合などがあり、このデータのない画素では一定のマスク値が代入されている。また、ノイズに埋もれていると判断される画素にマスク値を代入したり、特定の領域を際立たせるために他の領域を無視するようその領域にマスク値を入れたりすることもある。従来では、このようなマスク処理画像についても、通常の画像と同様に、空間フィルタ処理や、倍マトリクス再構成補間などの各種の画像処理が施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のようにマスク処理画像についても、通常の画像と同様に画像処理を行なうと、種々の不都合が生じる。すなわち、従来では、マスク領域のマスク値も画像領域のデータと同様に扱うため、マスク領域と画像領域との間の画素値の大きな段差のために、たとえば倍マトリクス再構成補間処理ではトランケーションアーティファクトが発生するし、空間フィルタ(たとえば平滑化フィルタ)処理を施す場合にはマスク領域に隣接する画像領域の画素値の処理のためにマスク領域の値(マスク値)が参照されることから画像領域の画素値が予想外に変化してしまうとともにマスク領域も画像領域の影響を受けて一定でなければならないマスク値が変化してしまう。
【0004】この発明は、上記に鑑み、マスク処理された医用画像について不都合が生じないようにして画像処理を行なうことができるように改善した、医用画像処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、この発明による医用画像処理装置においては、画像データの中からマスク値をとる画素を求めてマスク領域を抽出する手段と、そのマスク値をとる画素についての情報を記憶する手段と、上記画素の部分をマスク領域として除去する手段と、除去された部分の画素を補間する手段と、補間後の画像データに対して所定の画像処理を施す手段と、画像処理後の画像データに対して、上記記憶手段に記憶されていた情報に基づいて元のマスク領域を再生させる手段とが備えられることが特徴となっている。」
第5 当審の判断
1 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
ア(ア)甲1発明の「核医学データを処理」した「断層画像」は、一般に「核医学データを処理」する検査にSPECT検査又はPET検査があることから、SPECT検査又はPET検査に用いられる放射性医薬品の分布を示しているといえる。
(イ)甲1発明の「断層画像」は、「周辺臓器を含む心臓」を表示するものであるから、心筋及び横隔膜下の臓器を表示範囲に含んでいるといえる。
(ウ)甲1発明は「心血流再構成」を行うものであるから、マスクのサイズと位置を調整する際、心筋部分がマスクされないように調整することを想定しているといえる。
(エ)甲1発明の「マスク」は、Flexible Displayアクティビティで表示される領域を特定するものであるから、甲1発明において「マスクのサイズと位置を調整」することは、「心血流再構成」を行う際の関心領域である「心筋分布を写した領域」を設定することといえる。
(オ)上記(ア)~(エ)を踏まえると、甲1発明の「各シリーズの断層画像上の十字線が心臓の中心で交差するように、十字線を調整し、黄色いハンドルをクリック&ドラッグしてマスクのサイズと位置を調整」することは、本件発明1の「心筋SPECT検査又は心筋PET検査に用いられる放射性医薬品の分布を示す断層画像に対して、心筋に集積した前記放射性医薬品の分布である心筋分布を写した領域を設定」することといえる。
イ(ア)甲1発明の「Flexible Displayアクティビティ」における「各断層画像」の表示は、「マスクされた部分が黒く表示される」から、表示前の「各断層画像」のデータに対して、「マスクされた部分」とそれ以外の部分とを区別されるものである。
(イ)上記(ア)及び上記ア(オ)を踏まえると、甲1発明の「Flexible Displayアクティビティをクリックして、各断層画像を表示し、ここで、表示される各断層画像は、マスクされた部分が黒く表示される」ことと、本件発明1の「前記断層画像上に設定されている前記心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む心筋断層画像を抽出」することとは、「前記断層画像上に設定されている前記心筋分布を写した領域とそれ以外の領域とを区別し、前記心筋分布を写した領域を含む心筋断層画像を抽出」する点で共通するといえる。
ウ 甲1発明の「e.softTMアプリケーションを使用して核医学データを処理する方法」は、「心臓断層画像再構成」を行うことを含んでいるから、本件発明1の「画像処理方法」に相当する。
エ 一致点・相違点
そうすると、本件発明1と甲1発明とは、
(一致点)
「心筋SPECT検査又は心筋PET検査に用いられる放射性医薬品の分布を示す断層画像に対して、心筋に集積した前記放射性医薬品の分布である心筋分布を写した領域を設定し、
前記断層画像上に設定されている前記心筋分布を写した領域とそれ以外の領域とを区別し、前記心筋分布を写した領域を含む心筋断層画像を抽出する、
画像処理方法。」の点で一致し、以下の点で相違する。
(相違点1)
心筋分布を写した領域を含む心筋断層画像の抽出について、本件発明1では、「心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む」心筋断層画像を抽出しているのに対し、甲1発明では、「マスク」はするものの、「心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む」心筋断層画像を抽出するとは特定されていない点。
(相違点2)
抽出した心筋断層画像に対して、本件発明1では、「スムージング処理を行う」のに対し、甲1発明では、マスクされた部分が「黒く表示される」ものの、スムージング処理を行っていない点。
(2)相違点の判断
上記相違点2は、抽出した心筋断層画像に対するもので、相違点1を踏まえたうえでのさらなる相違点であり、仮に、相違点1が当業者が容易になし得たことでないなら、相違点2について判断するまでもなく、本件発明1は当業者が容易に発明することはできたものとはいえないところではあるが、ここでは事案に鑑み、相違点2について判断することとする。
ア まず、本件発明1は、上記第2の2(本イ)で摘記したように「心筋SPECT検査用の断層画像データは、情報量が比較的少なく、統計ノイズが比較的多いため、通常、視認性を向上させるために、画像再構成処理の前又は後に、画像上の画素値の変化を滑らかにするスムージング処理が行われる。しかしながら、スムージング処理が行われると、放射性医薬品の横隔膜下臓器の集積による心筋下壁への影響が強調されてしまう。」ことを把握したうえで、再構成により断層画像を生成する際にスムージング処理をするのではなく、「断層画像上に設定されている前記心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む心筋断層画像を抽出し、前記心筋断層画像に対してスムージング処理を行う」ことにより、上記第2の2(本ア)で摘記した課題を解決したものである。そして、それは、上記記第2の2(本エ)で摘記した実施例の記載において摘記した「再構成処理により生成した断層画像データに対してスムージング処理を行った後に、断面変換処理と心筋抽出処理とを行っている」図8(a)、「再構成処理により生成した断層画像データに対して断面変換処理と心筋抽出処理とを行った後に、スムージング処理を行っている」図8(b)の結果により、格別な技術的意義があることが理解できるものである。
イ それに対し、甲1発明は「心臓断層画像再構成の心血流再構成において、Settingsタブをクリックし、必要に応じて、Change Filterボタンをクリックしてフィルターを調整し、Reconstructionタブをクリックし、設定された再構成範囲と方向角度に従って、周辺臓器を含む心臓の断層画像が生成されて表示」されるもので、ここで「フィルターを調整」することが本件発明1の「スムージング処理」に相当するものとしても、再構成により断層画像を生成する際に必要に応じてフィルター調整(スムージング処理)をするのであり、再構成により断層画像を生成した後、断層画像を抽出し、その抽出された断層画像に対してスムージング処理を行うものではない。
そして、甲1には、甲1発明の「Masking/Centeringタブをクリックし、各シリーズの断層画像上の十字線が心臓の中心で交差するように、十字線を調整し、黄色いハンドルをクリック&ドラッグしてマスクのサイズと位置を調整し、Flexible Displayアクティビティをクリックして、各断層画像を表示し、ここで、表示される各断層画像は、マスクされた部分が黒く表示される」際に、スムージング処理を行うことを示唆する記載は全くなく、かつ、甲1発明において、上記際に「マスクされた部分が黒く表示される」「各断層画像」に対してスムージング処理を行う動機もない。
ウ この点、上記甲2の記載事項を鑑みても、再構成により断層画像を生成した後、断層画像を抽出し、その抽出された断層画像に対してスムージング処理を行うことは記載されていない。
また、甲4は、従来技術として「このようなマスク処理画像についても、通常の画像と同様に、空間フィルタ処理や、倍マトリクス再構成補間などの各種の画像処理が施されている」と一般的なことが記載されているのみで、ここで「空間フィルタ処理」が本件発明1の「スムージング処理」に相当するとしても、対象画像は「X線像や、X線CT像あるいはMR像」などのいわゆる「形態画像」といわれるもので、本件発明1の「SPECT」や「PET」などのいわゆる「機能画像」とは異なるもの(例えば、上記甲2参照)であり、そして、上記アで述べた本件発明1の技術的意義の点においても全く異なるものである。
そうすると、甲2及び甲4の記載を参照しても、甲1発明の「Masking/Centeringタブをクリックし、各シリーズの断層画像上の十字線が心臓の中心で交差するように、十字線を調整し、黄色いハンドルをクリック&ドラッグしてマスクのサイズと位置を調整し、Flexible Displayアクティビティをクリックして、各断層画像を表示し、ここで、表示される各断層画像は、マスクされた部分が黒く表示される」際に、スムージング処理を行うことにはならない。
エ 甲3、5及び6について
甲3、5及び6については、上記第3で述べたように、申立理由を構成する直接的な証拠とはいえないものの、一応検討する。
甲3は、特許決定公報で異議2023-700168に対する合議体の審理結果を示したもので、遡及日後に発行されたものであるから、当該特許決定公報に記載されている技術内容を公知技術として採用できない。さらに、当該特許決定公報には、再構成により断層画像を生成した後、断層画像を抽出し、その抽出された断層画像に対してスムージング処理を行うことは記載されていない。
また、甲5及び6については、申立書(iv)付言の「甲第5号証には発行日の記載はないが、発行者であるシーメンス・ジャパン株式会社は、2010年8月1日から2015年12月31日の期間に存続していた法人であることから(必要があれば、「シーメンス会社案内」2024年4月改訂21頁htts://(略)を参照されたい。)、甲第5号証は、本件特許の出願前に頒布された刊行物である。」、「甲第5号証と一体不可分の関係にある(※)甲第6号証」との主張を受け入れ、それらの公知日が遡及日前としても、甲5及び6には、再構成により断層画像を生成した後、断層画像を抽出し、その抽出された断層画像に対してスムージング処理を行うことは記載されていない。
(3)小括
以上のことから、相違点2は当業者が容易になし得たことではないのであるから、相違点1について判断するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基づいて、又は、甲1発明、並びに甲2に記載された事項及び甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)申立人の主張について
ア 上記相違点2に対する申立人の主張をまとめると、おおむね以下のとおりである。なお、下線は当審で付与した。
「以上まとめると、甲第1号証には以下の構成が記載されている。
a 心筋SPECT検査に用いられる放射性医薬品の分布を示す心臓断層画像の再構成処理の機能として、スムージング処理を行わない設定が選択可能であること、その結果、スムージング処理をしない心臓断層画像において関心領域を設定すること
b 関心領域に基づいて心筋を示す画像と心筋を示す画像以外をマスキングした心臓断層画像を抽出すること
c 心臓断層画像に対して、スムージング処理を行うこと」(10頁2~8行)
「(c)構成要件C
「前記心筋断層画像に対してスムージング処理を行う、画像処理方法。」(なお、「」は、申立書では四角囲いである)
甲第1号証に、心臓断層画像に対して、スムージング処理を行うこと(構成C)が記載されている。
したがって、構成要件Cは、甲第1号証に記載されている。」(12頁16~20行)
イ 上記主張について検討するに、甲第1号証の構成として「・・・b 関心領域に基づいて心筋を示す画像と心筋を示す画像以外をマスキングした心臓断層画像を抽出すること c 心臓断層画像に対して、スムージング処理を行うこと」と認定し、スムージング処理を行う「心臓断層画像」が、「関心領域に基づいて心筋を示す画像と心筋を示す画像以外をマスキングし」て「抽出」した「心臓断層画像」であることは認定していない(すなわちcとして、「前記」心臓断層画像に対して、スムージング処理を行うとは記載していない)。
それにもかかわらず、「(c)構成要件C 「前記心筋断層画像に対してスムージング処理を行う、画像処理方法。」 甲第1号証に、心臓断層画像に対して、スムージング処理を行うこと(構成C)が記載されている。したがって、構成要件Cは、甲第1号証に記載されている。」と申立人が判断したことは、「前記」すなわち「前記断層画像上に設定されている前記心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む心筋断層画像を抽出し」た「心筋断層画像」にスムージング処理を行うという構成を無視して判断しており、失当である。
したがって、上記申立人の主張によって、上記(1)~(3)において判断したことが覆ることはない。
2 本件発明2~4について
本件発明2~4は、本件発明1を直接的又は間接的に引用する発明であるから、本件発明1と同様に、甲1発明に基づいて、又は、甲1発明、並びに甲2に記載された事項及び甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 本件発明5、6について
(1)本件発明5は、本件発明1の「・・・設定し、・・・抽出し、・・・スムージング処理を行う」の発明特定事項を「・・・設定する設定部、・・・抽出する抽出部、・・・スムージング処理を行うスムージング部」とし、「方法」の発明を「コンピュータに実現させるためのプログラム」の発明としたものであり、本件発明6は、同様に、本件発明1の「・・・設定し、・・・抽出し、・・・スムージング処理を行う」の発明特定事項を「・・・設定する設定部、・・・抽出する抽出部、・・・スムージング処理を行うスムージング部」とし、「方法」の発明を「装置」の発明としたものである。
(2)そうすると、「方法」の発明である甲1発明を、そのカテゴリーを変えて「コンピュータに実現させるためのプログラム」の発明又は「装置」の発明とすると(両者をあわせて「甲1発明’」という。)、本件発明5及び6と甲1発明’との相違点は、上記1(1)を踏まえると、以下のとおりである。
(相違点3)
本件発明5及び6では、「心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む」心筋断層画像を抽出しているのに対し、甲1発明’では、「マスク」はするものの、「心筋分布を写した領域以外の領域の画素値を零にすることで、前記心筋分布を写した領域と前記画素値を零にした領域とを含む」心筋断層画像を抽出するとは特定されていない点。
(相違点4)
抽出した心筋断層画像に対して、本件発明5及び6では、「スムージング処理を行う」のに対し、甲1発明’では、マスクされた部分が「黒く表示される」ものの、スムージング処理を行っていない点。
(3)ここで、上記相違点3及び4は、上記1(1)エによれば、上記相違点1及び2と同じことから、本件発明5及び6は、本件発明1と同様に、相違点3について判断するまでもなく、相違点4の点で、甲1発明’に基づいて、又は、甲1発明’、並びに甲2に記載された事項及び甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 まとめ
上記1~3で述べたとおり、本件発明1~6は、甲1発明(甲1発明’)に基づいて、又は、甲1発明(甲1発明’)、並びに甲2に記載された事項及び甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではないことから、申立理由によって、本件発明1~6に係る特許を取り消すことはできない。
第6 むすび
以上のとおり、特許異議の申立ての理由によって、本件発明1~6に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1~6係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-700206