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特許異議申立

2025-700049

プログラム、情報処理装置及び情報処理方法

審判番号
2025-700049
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2023-148393
登録番号
7523175
請求日
2025年01月08日
審決日
2025年10月16日
公報発行日
2026年02月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ブルーモ証券株式会社
  • 【権利者代理人】酒谷 誠一
  • 【異議申立人】松井証券株式会社
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人一色国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 相崎 裕恒
  • 審判官 間野 裕一
  • 審判官 佐藤 智康
分類
P1652.121-YAA(G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7523175号発明「プログラム、情報処理装置及び情報処理方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7523175号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4、9、12、13〕、〔5、6〕、7、8、10、11について訂正することを認める。 特許第7523175号の請求項1~4、9~13に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7523175号(以下「本件特許」という。)の請求項1~13に係る特許についての出願は、令和5年9月13日に出願され、令和6年7月18日にその特許権の設定登録がされ、同年7月26日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和 7年 1月 8日 : 特許異議申立人松井証券株式会社(以下、「申立人」という。)による請求項1~4、9~13に係る特許に対する特許異議の申立て 同年 5月 1日付け: 取消理由通知書 同年 7月 4日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年 8月 8日 : 特許権者による上記意見書を補正対象とする手続補正書(方式)及び上記訂正請求書を補正対象とする手続補正書(方式)の提出 なお、申立人に対し、期間を指定して訂正請求書の副本を送付して意見書提出の機会を与えたが、申立人は指定期間内に意見書を提出しなかった。 第2 訂正の適否について 1 請求の趣旨 令和7年7月4日提出の訂正請求書(同年8月8日提出の手続補正書による補正後のもの)による訂正の請求における請求の趣旨は、「特許第7523175号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~13について訂正することを求める。」というものである。 2 訂正の内容 上記訂正請求書による訂正の請求による訂正の内容は、以下のとおりである(下線は、本件特許の設定登録時の特許請求の範囲の記載から訂正した箇所を示す。)。 なお、本件訂正請求のうち、訂正事項1~4に係る訂正前の請求項1~9、12、13について、訂正前の請求項2~9、12、13はそれぞれ請求項1を引用しているから、訂正前の請求項1~9、12、13に対応する訂正後の請求項1~9、12、13は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。しかるところ、特許権者は、訂正後の請求項5~8について、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求めている。 (1)一群の請求項1~9、12、13に係る訂正について ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 を実行させるためのプログラム。」と記載されているのを、 「コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、当該他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、前記ユーザの目標ポートフォリオと当該他のユーザのポートフォリオを比較可能に提示するための情報を出力する手順、 を実行させるためのプログラム。」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2、3、4、9、12、13も同様に訂正する。) イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5に、 「他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、当該他のユーザのポートフォリオを閲覧可能に提示するための情報を出力する手順、 当該他のユーザのポートフォリオをコピーするユーザの操作に応じて、当該他のユーザのポートフォリオに含まれる銘柄及びその構成比を当該ユーザの前記目標ポートフォリオとして提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるための請求項1に記載のプログラム。」と記載されているのを、 「コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 を実行させるためのプログラムであって、 他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、当該他のユーザのポートフォリオを閲覧可能に提示するための情報を出力する手順、 当該他のユーザのポートフォリオをコピーするユーザの操作に応じて、当該他のユーザのポートフォリオに含まれる銘柄及びその構成比を当該ユーザの前記目標ポートフォリオとして提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるためのプログラム。」に訂正する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項7に、 「前記目標ポートフォリオを受け付ける手順において、 特定の銘柄の指定を当該ユーザから受け付ける手順、 前記特定の銘柄の指定を受け付けた場合、当該特定の銘柄に投資中の複数のユーザを、目標ポートフォリオ内での構成比順、もしくは当該特定の銘柄を追加もしくは当該特定の銘柄の構成比を変更した日付が近い順で、提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるための請求項1から6のいずれか一項に記載のプログラム。」と記載されているのを、 「コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 を実行させるためのプログラムであって、 前記目標ポートフォリオを受け付ける手順において、 特定の銘柄の指定を当該ユーザから受け付ける手順、 前記特定の銘柄の指定を受け付けた場合、当該特定の銘柄に投資中の複数のユーザを、目標ポートフォリオ内での構成比順、もしくは当該特定の銘柄を追加もしくは当該特定の銘柄の構成比を変更した日付が近い順で、提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるためのプログラム。」に訂正する。 エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項8に 「他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴の要求をユーザから受け付ける手順、 前記要求をユーザから受け付けた場合、前記他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴が記憶されている記憶装置を参照して、他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴を表示する際に、銘柄のロゴと変更の分類の組を用いて変更履歴を表すように変更履歴を提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるためのプログラムであって、 前記変更の分類は、追加、削除、編集のうちのいずれかであり、 前記追加は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれていなかった銘柄を新たに追加することであり、 前記削除は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれている特定銘柄の構成比率を0に指定することであり、 前記編集は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれている特定銘柄の構成比率を0以外の比率に変更することである請求項1に記載のプログラム。」と記載されているのを、 「コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 を実行させるためのプログラムであって、 他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴の要求をユーザから受け付ける手順、 前記要求をユーザから受け付けた場合、前記他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴が記憶されている記憶装置を参照して、他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴を表示する際に、銘柄のロゴと変更の分類の組を用いて変更履歴を表すように変更履歴を提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるためのプログラムであって、 前記変更の分類は、追加、削除、編集のうちのいずれかであり、 前記追加は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれていなかった銘柄を新たに追加することであり、 前記削除は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれている特定銘柄の構成比率を0に指定することであり、 前記編集は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれている特定銘柄の構成比率を0以外の比率に変更することであるプログラム。」に訂正する。 (2)請求項10に係る訂正について ア 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項10に、 「少なくとも一つのプロセッサを備え、 前記少なくとも一つのプロセッサは、目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 を実行する情報処理装置。」と記載されているのを、 「少なくとも一つのプロセッサを備え、 前記少なくとも一つのプロセッサは、目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、当該他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、前記ユーザの目標ポートフォリオと当該他のユーザのポートフォリオを比較可能に提示するための情報を出力する手順、 を実行する情報処理装置。」に訂正する。 (6)請求項11に係る訂正について ア 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項11に、 「第1受付手段が、目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 第2受付手段が、リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 決定手段が、前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順 を有する情報処理方法。」と記載されているのを、 「第1受付手段が、目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 第2受付手段が、リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 決定手段が、前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 要求手段が、他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、当該他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 受信手段が、前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 出力手段が、前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、前記ユーザの目標ポートフォリオと当該他のユーザのポートフォリオを比較可能に提示するための情報を出力する手順、 を有する情報処理方法。」に訂正する。 3 訂正の適否についての判断 (1)一群の請求項1~9、12、13に係る訂正について ア 訂正事項1 (ア)訂正の目的 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「プログラム」に実行させる手順として、「他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、当該他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順」、「前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順」、「前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、前記ユーザの目標ポートフォリオと当該他のユーザのポートフォリオを比較可能に提示するための情報を出力する手順」を追加するものであるから、当該訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項1は、上記(ア)のとおり、訂正前の請求項1の「プログラム」に実行させる手順を追加するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 (ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項1について、請求項1に追加した構成は、願書に添付した明細書又は図面の段落【0068】及び【図12】の「G53」等の記載に基づくものであり、訂正事項1は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (エ)特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか 本件においては、訂正前の請求項1~4、9、12、13に対して特許異議申立てがされているから、訂正前の請求項1に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。 イ 訂正事項2 (ア)訂正の目的 訂正事項2は、訂正前の請求項5が請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改める訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 (イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項2は、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 (ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項2は、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (エ)特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか 訂正後の請求項5に含まれる「他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、当該他のユーザのポートフォリオを閲覧可能に提示するための情報を出力する手順、 当該他のユーザのポートフォリオをコピーするユーザの操作に応じて、当該他のユーザのポートフォリオに含まれる銘柄及びその構成比を当該ユーザの前記目標ポートフォリオとして提示するための情報を出力する手順、」については、本件特許異議の申立てにおいて提出されたいずれの甲号証にも記載も示唆もされていない。したがって、当業者が、本件特許出願前に、訂正後の請求項5に係る発明に想到することは容易でなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものには該当しないことは明らかである。上記詳述のとおり、訂正後の請求項5に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであり、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件を満たす。 ウ 訂正事項3 (ア)訂正の目的 訂正事項3は、訂正前の請求項7が請求項1~6の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用する請求項7を独立形式請求項へ改める訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること及び同項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項3は、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるとともに特許請求の範囲を減縮する訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 (ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項3は、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるとともに特許請求の範囲を減縮する訂正であり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (エ)特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか 訂正後の請求項7に含まれる「前記目標ポートフォリオを受け付ける手順において、 特定の銘柄の指定を当該ユーザから受け付ける手順、 前記特定の銘柄の指定を受け付けた場合、当該特定の銘柄に投資中の複数のユーザを、目標ポートフォリオ内での構成比順、もしくは当該特定の銘柄を追加もしくは当該特定の銘柄の構成比を変更した日付が近い順で、提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させる」については、本件特許異議の申立てにおいて提出されたいずれの甲号証にも記載も示唆もされていない。したがって、当業者が、本件特許出願前に、訂正後の請求項7に係る発明に想到することは容易でなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものには該当しないことは明らかである。上記詳述のとおり、訂正後の請求項7に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであり、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件を満たす。 エ 訂正事項4 (ア)訂正の目的 訂正事項4は、訂正前の請求項8が請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改める訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 (イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項4は、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 (ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項4は、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正であり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (エ)特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか 訂正後の請求項8に含まれる「他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴の要求をユーザから受け付ける手順、 前記要求をユーザから受け付けた場合、前記他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴が記憶されている記憶装置を参照して、他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴を表示する際に、銘柄のロゴと変更の分類の組を用いて変更履歴を表すように変更履歴を提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるためのプログラムであって、 前記変更の分類は、追加、削除、編集のうちのいずれかであり、 前記追加は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれていなかった銘柄を新たに追加することであり、 前記削除は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれている特定銘柄の構成比率を0に指定することであり、 前記編集は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれている特定銘柄の構成比率を0以外の比率に変更することである」については、本件特許異議の申立てにおいて提出されたいずれの甲号証にも記載も示唆もされていない。したがって、当業者が、本件特許出願前に、訂正後の請求項8に係る発明に想到することは容易でなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものには該当しないことは明らかである。上記詳述のとおり、訂正後の請求項8に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであり、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件を満たす。 オ 別の訂正単位とする求めについて 訂正後の請求項5~8について、特許権者は、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別の訂正単位とすることを求めているところ、上記のとおり本件訂正は認められるので、当該別の訂正単位とする求めを認める。 (2)請求項10に係る訂正について ア 訂正事項5 (ア)訂正の目的 訂正事項5は、訂正前の請求項10に更に構成要件を追加するものであるから、当該訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項5は、上記(ア)のとおり、訂正前の請求項10に更に構成要件を追加するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 (ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項5について、請求項10に追加した構成は、願書に添付した明細書又は図面の段落【0068】及び【図12】の「G53」等の記載に基づくものであり、訂正事項5は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (エ)特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか 本件においては、訂正前の請求項10に対して特許異議申立てがされているから、訂正前の請求項10に係る訂正事項5に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。 (6)請求項11に係る訂正について ア 訂正事項6 (ア)訂正の目的 訂正事項6は、訂正前の請求項11に更に構成要件を追加するものであるから、当該訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正であるか 訂正事項6は、上記(ア)のとおり、訂正前の請求項11に更に構成要件を追加するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合する。 (ウ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか 訂正事項6について、請求項11に追加した構成は、願書に添付した明細書又は図面の段落【0068】及び【図12】の「G53」等の記載に基づくものであり、訂正事項6は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項に適合する。 (エ)特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか 本件においては、訂正前の請求項11に対して特許異議申立てがされているから、訂正前の請求項11に係る訂正事項6に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される独立特許要件は課されない。 4 小括 以上のとおり、本件訂正請求による訂正は適法にされたものであるから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4、9、12、13〕、〔5、6〕、7、8、10、11について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 本件訂正請求による訂正は、上記第2のとおり認められたので、本件特許の請求項1~13に係る発明(以下、それぞれ、「本件発明1」、「本件発明2」・・・「本件発明13」といい、これらをまとめて「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~13に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。なお、下線は、訂正箇所である。 【請求項1】 コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、当該他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、前記ユーザの目標ポートフォリオと当該他のユーザのポートフォリオを比較可能に提示するための情報を出力する手順、 を実行させるためのプログラム。 【請求項2】 前記現在の保有金額に基づく金額は、リバランスの指示の場合現在の保有金額に応じた金額であり、 前記現在の保有金額に基づく金額は、入金指示の場合現在の保有金額に入金額を加算した金額に応じた金額であり、 前記現在の保有金額に基づく金額は、出金指示の場合現在の保有金額から出金額を減算した金額に応じた金額である 請求項1に記載のプログラム。 【請求項3】 前記入金の指示は入金が実行されることであり、 入金があった場合に前記売買金額または前記売買数量を決定する手順が実行される 請求項1に記載のプログラム。 【請求項4】 リバランス指示画面において各銘柄の現在の保有比率、目標比率、必要な比率修正幅の情報を提示するための情報を出力する手順、 リバランス注文画面において各銘柄の売買金額または売買数量、見込み損益を提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるための請求項1に記載のプログラム。 【請求項5】 コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 を実行させるためのプログラムであって、 他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、当該他のユーザのポートフォリオを閲覧可能に提示するための情報を出力する手順、 当該他のユーザのポートフォリオをコピーするユーザの操作に応じて、当該他のユーザのポートフォリオに含まれる銘柄及びその構成比を当該ユーザの前記目標ポートフォリオとして提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるためのプログラム。 【請求項6】 前記ユーザの目標ポートフォリオとして提示するための情報を出力する手順の後に、ユーザの操作に応じて、当該目標ポートフォリオに対して構成比を調整するか、及び/または銘柄を追加もしくは削除する処理を実行する手順、 を更に実行させるための請求項5に記載のプログラム。 【請求項7】 コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 を実行させるためのプログラムであって、 前記目標ポートフォリオを受け付ける手順において、 特定の銘柄の指定を当該ユーザから受け付ける手順、 前記特定の銘柄の指定を受け付けた場合、当該特定の銘柄に投資中の複数のユーザを、目標ポートフォリオ内での構成比順、もしくは当該特定の銘柄を追加もしくは当該特定の銘柄の構成比を変更した日付が近い順で、提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるためのプログラム。 【請求項8】 コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 を実行させるためのプログラムであって、 他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴の要求をユーザから受け付ける手順、 前記要求をユーザから受け付けた場合、前記他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴が記憶されている記憶装置を参照して、他のユーザの目標ポートフォリオの変更履歴を表示する際に、銘柄のロゴと変更の分類の組を用いて変更履歴を表すように変更履歴を提示するための情報を出力する手順、 を更に実行させるためのプログラムであって、 前記変更の分類は、追加、削除、編集のうちのいずれかであり、 前記追加は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれていなかった銘柄を新たに追加することであり、 前記削除は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれている特定銘柄の構成比率を0に指定することであり、 前記編集は、目標ポートフォリオを変更する時点で、目標ポートフォリオに含まれている特定銘柄の構成比率を0以外の比率に変更することであるプログラム。 【請求項9】 前記銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順において、前記銘柄毎にリバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受けた時点の当該銘柄の価格に基づいて、当該銘柄の売買金額または売買数量を決定する 請求項1に記載のプログラム。 【請求項10】 少なくとも一つのプロセッサを備え、 前記少なくとも一つのプロセッサは、目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、当該他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、前記ユーザの目標ポートフォリオと当該他のユーザのポートフォリオを比較可能に提示するための情報を出力する手順、 を実行する情報処理装置。 【請求項11】 第1受付手段が、目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順、 第2受付手段が、リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 決定手段が、前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 要求手段が、他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、当該他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順、 受信手段が、前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順、 出力手段が、前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、前記ユーザの目標ポートフォリオと当該他のユーザのポートフォリオを比較可能に提示するための情報を出力する手順、 を有する情報処理方法。 【請求項12】 前記複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順には、一の銘柄とその構成比率を指定する入力をユーザから受け付ける手順が含まれており、 前記一の銘柄とその構成比率を指定する入力を受け付ける毎に前記目標ポートフォリオの表示を更新する手順 を更に実行させるための請求項1に記載のプログラム。 【請求項13】 前記一の銘柄とその構成比率を指定する入力を受け付ける毎に前記目標ポートフォリオの表示を更新する手順において、前記一の銘柄とその構成比率を指定する入力を受け付ける毎に合計の構成比率を算出し、当該合計の構成比率の表示を更新する 請求項12に記載のプログラム。 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1~4、9~13に係る特許に対して、当審において、令和7年5月1日に特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 (1)請求項1~3、9~13に係る発明は、下記の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~3、9~13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (2)請求項4に係る発明は、下記の引用文献1~3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 <引用文献等一覧> 引用文献1.特開2018-37058公報 (甲第9号証) 引用文献2.ぬくぬく,「『松井証券』で投資信託の完全ガイド!画像70枚で徹底解説!」,令和4年9月26日保存 (甲第5号証) <https://web.archive.org/web/20220926193715/https:/nukunukusas.com/matsui-perfect-guide> 引用文献3.ぬくぬく,「松井証券の『リバランス機能』を解説!他社も搭載すべきサービス!」,令和4年5月22日保存 (甲第6号証) <https://web.archive.org/web/20220522174329/https://nukunukusas.com/matsuisyouken-rebalance#toc6> 2 引用文献の記載 (1)引用文献1に記載されている事項 本件特許出願前の平成30年3月8日に出願公開された引用文献1(甲第9号証)には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、当審で付与した(以下、同様。)。 「【0011】 1.一実施形態に係る有価証券の売買システム 一実施形態に係る有価証券の売買システムは、あるユーザ(ユーザ甲)が金融機関に開設した口座において保有する複数の銘柄(これら複数の銘柄によってポートフォリオが構築される)の各々の時価総額が複数の銘柄全体の時価総額に対して特定の比率を占めるように、少なくとも1つの銘柄を適切な数量売却又は購入するリバランス処理を実行することが可能なものである。このリバランス処理を実行することによって、ポートフォリオは、各銘柄の時価総額が複数の銘柄全体の時価総額に対して特定の比率を占める状態(以下便宜上「適正状態」という。)となるが、その後、時間の経過によって、いずれかの銘柄の時価総額が変動する等の結果として、ポートフォリオは、いずれかの銘柄の時価総額が複数の銘柄全体の時価総額に対して占める比率が上記特定の比率と異なる状態(以下便宜上「非適正状態」という。)となる可能性がある。このような非適正状態において、ユーザ甲が、ポートフォリオに対して新たな資金を追加で投資していずれかの銘柄を購入する局面が考えられる。かかる局面において、本実施形態に係る有価証券の売買システムは、別途のリバランス処理を行うことなく、ポートフォリオが適正状態となるように(又は適正状態に近づくように)購入対象銘柄を決定して購入する処理を実行するものである。」 「【0013】 ここでは、説明の簡略化のために、ユーザ甲が金融機関に開設した口座において銘柄A、B、Cを保有するとともに、銘柄A、B、Cがこれらの銘柄全体の時価総額に対して占める目標比率が、それぞれ、50%、25%、25%である場合について説明する。 【0014】 図1には、「適正状態」にあるポートフォリオの一例が示されている。具体的には、図1(a)には、銘柄A~Cのそれぞれの時価単価が示されている。図1(b)には、顧客IDとして「0001」が割り振られたユーザ甲が保有するポートフォリオについて、銘柄A~Cのそれぞれに対応付けて、保有数量(口数、株数、額面金額等。以下同様とする。)、評価額(時価総額)、現在の比率、目標配分額及び目標からの乖離額が示されている。 【0015】 ここで、評価額(時価総額)(円)は、各銘柄の時価単価×保有数量により算出される。現在の比率(%)は、銘柄A~C全体の時価総額(40,000円)に対して各銘柄の評価額(時価総額)が占める比率であって、100×評価額/銘柄A~C全体の時価総額により算出される。目標配分額(円)は、各銘柄が目標比率を占めるために有すべき評価額である。目標からの乖離額(円)は、各銘柄の評価額と目標配分額との差額であって、評価額-目標配分額により算出される。」 「【0027】 1-2.売買サーバ10の構成 売買サーバ10を構成する計算サーバ12、ウェブサーバ14、データベースサーバ16及び証券サーバ18が共通して有する構成について図7を参照して説明する。図7は、図6に示した有価証券の売買システムに用いられる売買サーバ10(を構成する各サーバ)の構成の一例を示すブロック図である。 【0028】 図7に示すように、各サーバは、CPU101と、メインメモリ102と、ユーザインターフェイス(I/F)103と、通信インターフェイス(I/F)104と、外部メモリ105と、ディスクドライブ106と、を含み、これらの各構成要素がバス107を介して互いに電気的に接続されている。 【0029】 CPU101は、外部メモリ105からオペレーティングシステム、及び、様々な機能を実現するためのプログラム等をメインメモリ102にロードし、ロードしたプログラムに含まれる命令を実行する。メインメモリ102は、CPU101が実行するプログラムを格納するために用いられ、例えばDRAMによって構成される。 なお、計算サーバ14に搭載されたCPU101は、ウェブサーバ14及びデータベースサーバ16の各々から受信した情報に基づいて、様々な処理及び演算を実行する。また、ウェブサーバ14に搭載されたCPU101は、端末装置30から受信した情報に応じて、計算サーバ12及びデータベースサーバ16から受信した様々な情報を用いてウェブページを表示するためのHTMLデータを生成する。」 「【0039】 端末装置30においてHTML形式のファイル(HTMLデータ)が解釈されると、例えば、このファイルにおいて指定されたアニメーションや操作用アイコンが端末装置30の画面に表示される。ユーザは、端末装置30の入力インターフェイス(例えば、タッチスクリーンやボタン)を用いて有価証券売買サービスを進行させるための指示を入力することができる。ユーザから入力された指示は、端末装置30のブラウザ等のプラットフォームの機能を通じて売買サーバ10に伝達される。」 「【0042】 入力部120は、いずれかの銘柄を購入すべく新たに投資される投資額を、通信網20を介して各ユーザ(の端末装置30から)入力する。これに代えて又はこれに加えて、入力部120は、一定周期(例えば毎日、毎週、毎月、毎四半期、半年毎、毎年等の任意の周期)毎に所定の金額を積み立てる契約が成立しているユーザについては、積立額(これも投資額の一種である)を例えば記憶部110(記憶部がそのようなユーザに対応付けて金額及び周期を記憶することができる)から入力することもできる。 【0043】 算出部130は、リバランス処理に関して、各ユーザについて、購入対象銘柄及び/又は売却対象銘柄を決定するとともに、購入対象銘柄(又は売却対象銘柄)を何数量購入(又は売却)するのかを決定することができる。 また、算出部130は、追加投資に関して、各ユーザについて、そのユーザがWN社に開設した口座において保有する各銘柄の数量及び時価単価に基づいて、各銘柄の時価総額及び銘柄全体の時価総額を算出し、投資額と銘柄全体の時価総額との和である全時価総額に対する各銘柄の時価総額の比率である仮想比率を算出し、各銘柄の仮想比率と目標比率との差に基づいて購入対象銘柄を決定する。さらに、算出部130は、このように決定された購入対象銘柄の購入のために配分すべき金額を算出する。 【0044】 売買処理部140は、リバランス処理に関して、各ユーザについて、算出部130により決定された購入対象銘柄(又は売却対象銘柄)を購入する購入処理(又は売却する売却処理)を実行する。 また、売買処理部140は、追加投資に関して、各ユーザについて、算出部130により決定された購入対象銘柄を購入する購入処理を実行する。」 「【0046】 1-5.有価証券の売買システム1の動作 上記構成を有する有価証券の売買システム1において有価証券売買サービスを提供するために行われる動作の一例について説明する。 まず、有価証券の売買システム1において行われる動作の概要について図10を参照して簡単に説明する。図10は、図6に示した有価証券の売買システム1において行われる動作の一例を示すフロー図である。なお、ユーザ(ここでは「ユーザ甲」)は、端末装置30を利用して、売買サーバ10のウェブサーバ14により提供されている有価証券売買サービスを提供するための所定のサイトにアクセスして様々な情報を入力すること等によって、売買サーバ10が、ユーザ甲に対して複数の銘柄により構築されたポートフォリオを既に提供しているものとする。 【0047】 まず、ステップ(以下「ST」という。)40において、売買サーバ10(の計算サーバ12)は、必要に応じて、ユーザ甲のポートフォリオに対してリバランス処理を実行する。これにより、ユーザ甲のポートフォリオは適正状態に移行する。なお、このリバランス処理は、例えば、いずれかの銘柄の資産が全体の資産に対して占める割合がこの銘柄について設定されている割合と相違している場合にのみ、実行されるようにしてもよいし、及び/又は、所定の周期(例えば、1週間、2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月等の任意の周期)毎に実行されるようにしてもよいし、及び/又は、ユーザ甲の端末装置30から所定の信号(リバランス処理を実行する旨を売買サーバ10に対して指示する信号等)を受信した時点において実行されるようにしてもよいし、及び/又は、売買サーバ10(計算サーバ12、ウェブサーバ14、データベースサーバ16及び証券サーバ18のうちのいずれであってもよい)に設けられたユーザインターフェイス(I/F)103を介してこの売買サーバ10を操作するオペレータにより入力された所定の信号が上記売買サーバ10のCPU101に検出された時点(例えば、オペレータが、ユーザ甲について、リバランス処理を実行すべく、所定のアイコン等をクリックしたり、キーボードから所定の情報を入力した時点)において実行されるようにしてもよい。 このリバランス処理を実現するための計算ロジックの具体例については後述する。」 「【0053】 1-6.リバランス処理を実現するための計算ロジック(ST40) ST40において実行されるリバランス処理を実現するための計算ロジックの具体例について説明する。 【0054】 (設定) ユーザ毎に次のデータが利用される(時価単価は全ユーザで共通である)。 銘柄ID i(i∈I,I={1,2,...,n}) 保有数量 Qi(>0) 時価単価 Vi(>0) 目標配分比率 Ri [図:0001432064000001.jpg] 【0055】 (計算方法) 売買サーバ10(の計算サーバ12)の算出部130は、ユーザ毎に次の各ステップを実行する。 ステップ1 算出部130は、以下に示す式に従い、当該ユーザの銘柄全体の時価総額(TA)、及び、銘柄全体の時価総額(TA)に対する各銘柄の時価総額の比率(CRi)を計算し、さらにその比率(CRi)と目標配分比率との乖離(Di)を計算する。 [図:0001432064000002.jpg] 【0056】 ステップ2 算出部130は、各銘柄の売買額IAi及び売買数量IQiを計算する。但し、これらの値は、正であれば購入、負であれば売却を意味するものとする。Diが正の場合には、IAi及びIQiは負となるため、目標配分比率を超えて保有している銘柄を売却し、Diが負の場合には、IAi及びIQiは正となるため、目標配分比率に満たない銘柄を購入することになる。 IAi=-TA×Di IQi=IAi÷Vi なお、銘柄を購入する購入処理及び銘柄を売却する売却処理の具体例については、後述する。・・・」 「【0084】 2.別の実施形態に係る有価証券の売買システム 別の実施形態に係る有価証券の売買システムについて、上記「1」において説明した一実施形態に係る有価証券の売買システムと異なる点のみに着目して説明する。 ユーザ甲のポートフォリオが非適正状態にあるときに、ユーザ甲が、ポートフォリオを構築する資産(ポートフォリオに含まれる少なくとも1つの銘柄)を売却する局面が考えられる。かかる局面において、本実施形態に係る有価証券の売買システムは、別途のリバランス処理を行うことなく、ポートフォリオが適正状態となるように(又は適正状態に近づくように)売却対象銘柄を決定して売却する処理を実行するものである。」 「【0089】 入力部120は、各ユーザが保有する複数の銘柄のうちの少なくとも1つの売却対象銘柄を売却すべく当該売却対象銘柄全体の売却額を、通信網20を介して各ユーザ(の端末装置30)から入力する。 【0090】 算出部130は、一部売却に関して、各ユーザについて、そのユーザがWN社に開設した口座において保有する各銘柄の数量及び時価単価に基づいて、各銘柄の時価総額及び銘柄全体の時価総額を算出し、銘柄全体の時価総額から売却額を減じた全時価総額(第2全時価総額)に対する各銘柄の時価総額の比率である仮想比率(第2仮想比率)を算出し、各銘柄の仮想比率と目標比率との差に基づいて売却対象銘柄を決定する。さらに、算出部130は、このように決定された売却対象銘柄の売却のために配分すべき金額を算出する。」 「【0122】 上述した実施形態に係るリバランス機能を備えた追加投資機能、及び、リバランス機能を備えた一部売却機能は、いずれか一方の機能のみが単独で実行されるものであってもよいし、両方の機能が組み合わせられて実行されるものであってもよい。」 「【図1】 [図:0001432064000003.jpg] 」 (2)引用文献1に記載された発明 上記(1)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「ユーザが金融機関に開設した口座において保有する複数の銘柄(ポートフォリオ)の各々の時価総額が複数の銘柄全体の時価総額に対して特定の比率を占めるように、銘柄を適切な数量売却又は購入するリバランス処理を実行することが可能な有価証券の売買システムであって、 前記有価証券の売買システムは、ユーザが、ポートフォリオに対して新たな資金を追加で投資していずれかの銘柄を購入する局面において、別途のリバランス処理を行うことなく、ポートフォリオが適正状態となるように購入対象銘柄を決定して購入する処理を実行するものであり、(【0011】) ユーザが金融機関に開設した口座において銘柄A、B、Cを保有するとともに、銘柄A、B、Cがこれらの銘柄全体の時価総額に対して占める目標比率が、それぞれ、50%、25%、25%である場合について、これが「適正状態」にあるポートフォリオの一例であり、ユーザが保有するポートフォリオについて、銘柄A~Cのそれぞれに対応付けて、保有数量、評価額(時価総額)(各銘柄の時価単価×保有数量)、現在の比率(銘柄全体の時価総額に対して各銘柄の評価額(時価総額)が占める比率)、目標配分額(各銘柄が目標比率を占めるために有すべき評価額)及び目標からの乖離額が示されており、(【0013】~【0015】) ユーザは、端末装置30の入力インターフェイスを用いて有価証券売買サービスを進行させるための指示を入力し、ユーザから入力された指示は、端末装置30のブラウザ等のプラットフォームの機能を通じて売買サーバ10に伝達され、(【0039】) (売買サーバ10の)入力部120は、いずれかの銘柄を購入すべく新たに投資される投資額を、通信網20を介して各ユーザ(の端末装置30から)入力し、(【0042】) (売買サーバ10の)算出部130は、リバランス処理に関して、各ユーザについて、購入対象銘柄及び/又は売却対象銘柄を決定するとともに、購入対象銘柄(又は売却対象銘柄)を何数量購入(又は売却)するのかを決定し、追加投資に関して、各ユーザについて、そのユーザが開設した口座において保有する各銘柄の数量及び時価単価に基づいて、各銘柄の時価総額及び銘柄全体の時価総額を算出し、投資額と銘柄全体の時価総額との和である全時価総額に対する各銘柄の時価総額の比率である仮想比率を算出し、各銘柄の仮想比率と目標比率との差に基づいて購入対象銘柄を決定し、このように決定された購入対象銘柄の購入のために配分すべき金額を算出し、(【0043】) (売買サーバ10の)売買処理部140は、リバランス処理に関して、各ユーザについて、算出部130により決定された購入対象銘柄(又は売却対象銘柄)を購入する購入処理(又は売却する売却処理)を実行し、追加投資に関して、各ユーザについて、算出部130により決定された購入対象銘柄を購入する購入処理を実行し、(【0044】) ユーザは、端末装置30を利用して、売買サーバ10のウェブサーバ14により提供されている有価証券売買サービスを提供するための所定のサイトにアクセスして様々な情報を入力すること等によって、売買サーバ10が、ユーザに対して複数の銘柄により構築されたポートフォリオを既に提供しており、(【0046】) リバランス処理は、ユーザの端末装置30から所定の信号(リバランス処理を実行する旨を売買サーバ10に対して指示する信号等)を受信した時点において実行されるようにしてもよく、(【0047】) リバランス処理を実現するための計算ロジックとして、ユーザ毎に、銘柄ID(i)、保有数量(Qi)、時価単価(Vi)、目標配分比率(Ri)のデータが利用され、売買サーバ10の算出部130は、ユーザ毎に、所定の式に従い、当該ユーザの銘柄全体の時価総額(TA)、及び、銘柄全体の時価総額(TA)に対する各銘柄の時価総額の比率(CRi)を計算し、さらにその比率(CRi)と目標配分比率との乖離(Di)を計算し、各銘柄の売買額IAi(=-TA×Di)及び売買数量IQi(=IAi÷Vi)を計算し、(【0053】~【0056】) ユーザのポートフォリオが非適正状態にあるときに、ユーザが、ポートフォリオを構築する資産(ポートフォリオに含まれる少なくとも1つの銘柄)を売却する局面において、有価証券の売買システムは、別途のリバランス処理を行うことなく、ポートフォリオが適正状態となるように売却対象銘柄を決定して売却する処理を実行するものであり、(【0084】) (売買サーバ10の)入力部120は、各ユーザが保有する複数の銘柄のうちの少なくとも1つの売却対象銘柄を売却すべく当該売却対象銘柄全体の売却額を、通信網20を介して各ユーザ(の端末装置30)から入力し、(【0089】) (売買サーバ10の)算出部130は、一部売却に関して、各ユーザについて、そのユーザが開設した口座において保有する各銘柄の数量及び時価単価に基づいて、各銘柄の時価総額及び銘柄全体の時価総額を算出し、銘柄全体の時価総額から売却額を減じた全時価総額に対する各銘柄の時価総額の比率である仮想比率を算出し、各銘柄の仮想比率と目標比率との差に基づいて売却対象銘柄を決定し、決定された売却対象銘柄の売却のために配分すべき金額を算出する、(【0090】) 有価証券の売買システムに用いられる売買サーバ10を構成する各サーバが含むCPU101に実行させる命令を含む、様々な機能を実現するためのプログラム(【0027】~【0029】)。」 (3)引用文献2に記載されている事項 本件特許出願前の令和4年9月26日までに電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献2(甲第5号証)には、次の事項が記載されている。 ア 第3頁 「松井証券のメリット8つ 松井証券のメリットは8つを紹介します。 特に、ロボアドバイザー「投信工房」については勘違いされている方も多いと思いますので、重点的に紹介しますね。 松井証券のメリット8つ 1 無料でロボアドバイザー「投信工房」利用可能 2 ポートフォリオのリスク&リターンを見える化 3 ノーセルリバランス・セルリバランスに対応 4 ポートフォリオを維持したままの売却が可能 5 手数料はネット証券最低水準 6 投資信託の定番商品がラインナップ 7 無条件に米国株のリアルタイム株価情報を見れる 8 創業103年、国内初のネット証券で安心の実績」 イ 第3頁~第4頁 「 [図:0001432064000004.jpg] 」 ウ 第4頁 「実際の投信工房は次のとおりです。 ・松井証券の投信工房は、無料で投資信託の提案までを行う ・松井証券の投信工房は、購入する投資信託を自分で選択できる ・松井証券の投信工房は、利用手数料が無料(かかるのは信託報酬のみ) ・松井証券の投信工房は、リバランスを自分で設定できる」 エ 第6頁 「 [図:0001432064000005.jpg] 松井証券のメリット3つ目は、セルリバランス・ノーセルリバランスに対応していることです。」 オ 第7頁~第9頁 「 [図:0001432064000006.jpg] 松井証券のメリット4つ目は、ポートフォリオを維持したまま売却できることです。 松井証券では、取得したい金額を「解約金額」に入力するだけで、ポートフォリオの割合を維持したまま、投資信託の銘柄ごとに売却金額を自動計算してくれます。 [図:0001432064000007.jpg] 例えば、1万円を売却したいとなった場合、目標ポートフォリオに近づくように、投資信託の銘柄ごとに売却金額を自動計算してくれます。」 カ 第28頁~第29頁 「松井証券で投資信託の買い方ステップ(1)では、「アドバイザー」タブから、目標ポートフォリオを設定します。 [図:0001432064000008.jpg] 目標ポートフォリオでは、どんな投資信託をどの割合で購入するのかを設定できます。」 キ 第30頁~第31頁 「 [図:0001432064000009.jpg] 松井証券で投資信託の買い方ステップ(4)では、追加した投資信託の投資割合を設定します。」 ク 第36頁 「 [図:0001432064000010.jpg] 「目標ポートフォリオに近づくように銘柄ご毎の金額を計算」ボタンをクリックすると、現在保有している投資信託の評価額から、自分で設定した目標ポートフォリオの割合になるよう各銘柄の購入金額を自動設定してくれます。」 (4)引用文献2に記載された技術的事項 上記(3)から、引用文献2には、次の技術的事項が記載されているといえる。 「松井証券のロボアドバイザー「投信工房」において、(上記(3)ア) (「投信工房」、「SBIファンドロボ」で利用可能である)「自分で購入するファンドを選択」の機能と、(「投信工房」、「ウェルスナビ」等で利用可能である)「自動リバランス」の機能の両方を利用可能であり、(上記(3)イ) 「自分で購入するファンドを選択」の機能として、購入する投資信託を自分で選択できるとともに、「アドバイザー」タブから目標ポートフォリオを設定して、前記目標ポートフォリオでは、どんな投資信託をどの割合で購入するのかを設定でき、追加した投資信託の投資割合を設定でき、(上記(3)ウ、カ、キ) 「自動リバランス」の機能として、リバランスを自分で設定でき、セルリバランス・ノーセルリバランスに対応しており、現在保有している投資信託の評価額から、自分で設定した目標ポートフォリオの割合になるよう各銘柄の購入金額を自動設定してくれるとともに、取得したい金額を「解約金額」に入力するだけで、ポートフォリオの割合を維持したまま、投資信託の銘柄ごとに売却金額を自動計算してくれる(上記(3)ウ~オ、ク)こと。」 (5)引用文献3に記載されている事項 上記引用文献2の第7頁において、「松井証券のリバランス機能をもっと詳しく知りたい方は「松井証券の『リバランス機能』を解説!他社も搭載すべきサービス!」で解説していますので是非ご覧ください。」として提示されている引用文献3(甲第6号証)の第9頁には、リバランス時の画面として、 「 [図:0001432064000011.jpg] 」が示されている。 3 取消理由通知で引用しなかった甲号証の記載 (1)甲第1の1号証及び甲第1の2号証 甲第1の1号証(「投信工房 ロボットアドバイザーが資産運用をトータルサポート リバランス積立とは?」、https://web.archive.org/web/20170613212216/http://www.matsui.co.jp/toushin-koubou/rebalance/#whatsrebalance)は、松井証券のホームページ中の「投信工房」(「ロボアドバイザー」)の説明ページのうちの「リバランス積立」の概要を説明するページをウェイバックマシンが保存したものであり、保有ポートフォリオの比率を目標ポートフォリオの比率に近づけるために、必要な購入対象銘柄と金額をロボアドバイザーがが自動計算して積立投資を実行する旨が記載されている。 また、甲第1の2号証(「投信工房 説明資料」、https://web.archive.org/web/20170623002757/http://www.matsui.co.jp/service/fund/pdf/whitepaper.pdf)は、上記甲第1の1号証のページ下部の「関連リンク」の欄に配置された「投信工房説明書」という名称のリンクからアクセスできるPDFファイルであって、ウェイバックマシンが保存したものであり、松井証券の「ロボアドバイザーを搭載した投資信託運用プラットフォーム」である「投信工房」に関し、目標ポートフォリオ、リバランス、投資信託毎の購入金額をロボアドバイザーが自動計算して積立投資を実行する積立機能等について記載されている。 (2)甲第2の1~7号証 甲第2の1号証(「投資信託 取引ルール | 投資信託 | 松井証券」、https://web.archive.org/web/20230812011842/https://www.matsui.co.jp/fund/rule/#cont07)、甲第2の2号証(「よくあるご質問(Q&A > 投資信託 > 購入・解約 > リバランス注文の方法を教えてください。」、https://web.archive.org/web/20200923064456/https://support.matsui.co.jp/faq/show/16880?site_domain=faq)、甲第2の3号証(「よくあるご質問(Q&A)> 投資信託 > 購入・解約 > 投資信託の購入方法を教えてください。」、https://web.archive.org/web/20220527113639/https:/support.matsui.co.jp/faq/show/11351?site_domain=faq)、甲第2の4号証(「よくあるご質問(Q&A) > 投資信託 > ロボアドバイザー > ロボアドバイザーとは何ですか。」、https://web.archive.org/web/20220815152336/https://support.matsui.co.jp/faq/show/11350?site_domain=faq)、甲第2の5の1号証(「投資信託口座取引規程」、https://web.archive.org/web/20230811144308/https://www.matsui.co.jp/service/regulation/details/pdf/fund/fund-kitei.pdf)、甲第2の5の2号証(「各口座取引規程 | 取引規程・ルール | 松井証券」、https://web.archive.org/web/20230405143142/https://www.matsui.co.jp/service/regulation/details/#cont08)、甲第2の6号証(「投資信託口座取引規程」、https://web.archive.org/web/20230811144249/https://www.matsui.co.jp/service/regulation/details/pdf/fund/fund-reserve-kitei.pdf)、甲第2の7号証(「よくあるご質問(Q&A) > 投資信託 > ロボアドバイザー > 目標ポートフォリオの変更方法を教えてください。」、https://web.archive.org/web/20211128082603/https://support.matsui.co.jp/faq/show/17635?site_domain=faq)は、松井証券ホームページ内の、投資信託の取引ルール、Q&A、取引規程(PDFファイル)等をウェイバックマシンが保存したものであり、「ロボアドバイザー」等の松井証券が提供するサービスについて記載されている。 (3)甲第3号証 甲第3号証(「松井証券のロボアドバイザーシステムを構築」、https://web.archive.org/web/20211016051600/https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000010499.html)は、松井証券のポートフォリオ提案サービス『投信工房』を構築したシンプレクス株式会社のプレスリリースをウェイバックマシンが保存したものであり、松井証券の「投信工房」に関し、「リバランス注文」、「リバランス積立」、「目標ポートフォリオに設定している銘柄の一括購入注文」等について記載されている。 (4)甲第4の1号証及び甲第4の2号証 甲第4の1号証(「松井証券 利用料無料で手軽にスタート! 積立投資もできる「投信工房」」、https://web.archive.org/web/20170331003119/http:/president.jp:80/articles/-/21529)、甲第4の2号証(甲第4の1号証の「年間コスト平均0.37%で利便性の高い機能を提供」の項に掲載された図の拡大図)は、株式会社プレジデント社の「PRESIDENT Online」の「特別広告企画 資産運用特集」の「松井証券」の記事をウェイバックマシンが保存したものであり、松井証券の「投信工房」について記載されている。 (5)甲第7の1~4号証 甲第7の1号証(【低コストで自動リバランス】ロボアド投信工房の始め方を徹底解説!【積立NISA iDeCo 年率コスト0.32%以下 松井証券】、https://www.youtube.com/watch?v=tW2AEakeio8)、甲第7の2号証(甲第7の1号証のYoutube動画の時点「0:16:28」の画面ハードコピー)、甲第7の3号証(甲第7の1号証のYoutube動画の時点「0:16:36」の画面ハードコピー)、甲第7の4号証(甲第7の1号証のYoutube動画の掲載日「2023/01/02」が表示されたトップページ画面のハードコピー)は、「節約オタクふゆこ」が、ロボアドバイザー「投信工房」の口座開設や自動リバランス機能を解説したYouTube動画であり、松井証券のロボアドの「投信工房」に関し、目標ポートフォリオの比率変更画面、リバランス等について解説されている。 (6)甲第8号証 甲第8号証(特許第6675966号公報)には、解約の場合にリバランス処理を行うこと等が記載されている。 4 本件発明1についての当審の判断 (1)対比 本件発明1と引用発明とを対比する。 ア 「コンピュータに」について 引用発明の「有価証券の売買システムに用いられる売買サーバ10」は、本件発明1の「コンピュータ」に相当する。 イ 「目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける手順」について (ア)引用発明は、ユーザが金融機関に開設した口座において保有する複数の銘柄(ポートフォリオ)の各々の時価総額が複数の銘柄全体の時価総額に対して特定の比率を占めるように、銘柄を適切な数量売却又は購入するリバランス処理を実行するものであり、「ユーザが金融機関に開設した口座において銘柄A、B、Cを保有するとともに、銘柄A、B、Cがこれらの銘柄全体の時価総額に対して占める目標比率が、それぞれ、50%、25%、25%である場合について、これが「適正状態」にあるポートフォリオの一例であ」るとしているところ、引用発明の「適正状態」にある「ポートフォリオ」は、銘柄全体の時価総額に対してそれぞれの銘柄が占める比率がリバランス処理における目標比率となっているポートフォリオであるから、本件発明1の「目標ポートフォリオ」に相当する。 (イ)引用発明において、「ユーザは、端末装置30を利用して、売買サーバ10のウェブサーバ14により提供されている有価証券売買サービスを提供するための所定のサイトにアクセスして様々な情報を入力すること等によって、売買サーバ10が、ユーザに対して複数の銘柄により構築されたポートフォリオを既に提供して」いることから、売買サーバ10は、ユーザによって入力された様々な情報に基づいて、そのユーザにふさわしいポートフォリオを提供していると解され、ユーザは、売買サーバ10から提供されたポートフォリオを自身の目標ポートフォリオとして指定し、売買サーバ10はその指定を受け付けているといえる。 (ウ)(ア)、(イ)を踏まえると、引用発明は、本件発明1と、「目標ポートフォリオを作成するための入力をユーザから受け付ける」点で共通する。 ウ 「リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順」について (ア)引用発明において、「ユーザは、端末装置30の入力インターフェイスを用いて有価証券売買サービスを進行させるための指示を入力し、ユーザから入力された指示は、端末装置30のブラウザ等のプラットフォームの機能を通じて売買サーバ10に伝達され」ていることから、売買サーバ10は、有価証券売買サービスを進行させるための指示をユーザから受け付けているといえる。 (イ)引用発明において、「リバランス処理は、ユーザの端末装置30から所定の信号(リバランス処理を実行する旨を売買サーバ10に対して指示する信号等)を受信した時点において実行されるようにしてもよ」いから、売買サーバ10は、リバランスの指示をユーザから受け付けているといえる。 (ウ)本件発明1の「入金」は、「保有金額」(請求項2)や「保有ポートフォリオの金額」(本件特許明細書の段落【0039】)についての入金であり、目標ポートフォリオの各銘柄の売買を伴うものであるところ、引用発明において、「(売買サーバ10の)入力部120は、いずれかの銘柄を購入すべく新たに投資される投資額を、通信網20を介して各ユーザ(の端末装置30から)入力し」て行われる、いずれかの銘柄を購入すべく新たに投資される投資額のユーザによる入力は、本件発明1の「入金」に相当するといえる。 (エ)本件発明1の「出金」は、「保有金額」(請求項2)や「保有ポートフォリオの金額」(本件特許明細書の段落【0040】)についての出金であり、目標ポートフォリオの各銘柄の売買を伴うものであるところ、引用発明における「(売買サーバ10の)入力部120は、各ユーザが保有する複数の銘柄のうちの少なくとも1つの売却対象銘柄を売却すべく当該売却対象銘柄全体の売却額を、通信網20を介して各ユーザ(の端末装置30)から入力し」、「(売買サーバ10の)算出部130は、一部売却に関して、各ユーザについて、そのユーザが開設した口座において保有する各銘柄の数量及び時価単価に基づいて、各銘柄の時価総額及び銘柄全体の時価総額を算出し、銘柄全体の時価総額から売却額を減じた全時価総額に対する各銘柄の時価総額の比率である仮想比率を算出し、各銘柄の仮想比率と目標比率との差に基づいて売却対象銘柄を決定し、決定された売却対象銘柄の売却のために配分すべき金額を算出」して行われる「売却」は、本件発明1の「出金」に相当するといえる。 (オ)(ア)~(エ)を踏まえると、引用発明は、本件発明1と、「リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける」点で共通する。 エ 「前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額に対して前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比を乗じることによって各銘柄の目標金額を算出し、当該算出した目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順」について (ア)引用発明において、「リバランス処理は、ユーザの端末装置30から所定の信号(リバランス処理を実行する旨を売買サーバ10に対して指示する信号等)を受信した時点において実行されるようにしてもよ」いから、売買サーバ10は、リバランスの指示をユーザから受け付けた場合、リバランス処理を実行しているといえる。 (イ)引用発明において、「リバランス処理を実現するための計算ロジックとして、ユーザ毎に、銘柄ID(i)、保有数量(Qi)、時価単価(Vi)、目標配分比率(Ri)のデータが利用され、売買サーバ10の算出部130は、ユーザ毎に、所定の式に従い、当該ユーザの銘柄全体の時価総額(TA)、及び、銘柄全体の時価総額(TA)に対する各銘柄の時価総額の比率(CRi)を計算し、さらにその比率(CRi)と目標配分比率との乖離(Di)を計算し、各銘柄の売買額IAi(=-TA×Di)及び売買数量IQi(=IAi÷Vi)を計算し」ていることから、引用発明の「当該ユーザの銘柄全体の時価総額(TA)」、「目標配分比率」、「各銘柄の時価総額」、「各銘柄の売買額IAi(=-TA×Di)及び売買数量IQi(=IAi÷Vi)を計算」することは、それぞれ、本件発明1の「現在の保有金額に基づく金額」、「前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比」、「保有ポートフォリオの金額」、「銘柄毎に売買金額または売買数量を決定」することに相当する。 (ウ)(ア)、(イ)を踏まえると、引用発明1は、本件発明1と、「前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額、前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比、保有ポートフォリオの金額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する」点で共通する。 オ 「を実行させるためのプログラム」について 引用発明の「有価証券の売買システムに用いられる売買サーバ10を構成する各サーバが含むCPU101に実行させる命令を含む、様々な機能を実現するためのプログラム」は、下記相違点の除き、本件発明1の「プログラム」に相当する。 (2)一致点及び相違点 上記(1)で対比した事項を踏まえると、本件発明1と引用発明は、 「コンピュータに、 目標ポートフォリオを作成するための入力をユーザから受け付ける手順、 リバランス、入金、出金のうち一つの指示をユーザから受け付ける手順、 前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額、前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比、保有ポートフォリオの金額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順、 を実行させるためのプログラム。」 という点で一致し、以下の点で相違している。 (相違点1) ユーザから受け付ける「目標ポートフォリオを作成するための入力」について、本件発明1では、「複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力」をユーザから受け付けるのに対し、引用発明では銘柄及び銘柄の構成比を指定した入力を受け付けるものではない点。 (相違点2) 「前記指示をユーザから受け付けた場合、現在の保有金額に基づく金額、前記目標ポートフォリオの各銘柄の構成比、保有ポートフォリオの金額に基づいて銘柄毎に売買金額または売買数量を決定する手順」について、本件発明1では、各銘柄の目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額に基づいて売買金額または売買数量を決定するのに対し、引用発明では、各銘柄の時価総額(保有ポートフォリオの金額)の比率と目標配分比率(目標ポートフォリオの各銘柄の構成比)との乖離に基づいて各銘柄の売買額IAi及び売買数量IQiを計算している点。 (相違点3) 本件発明1は、プログラムが、コンピュータに実行させる手順として、「他のユーザを選択するユーザの操作を受け付けた場合、当該他のユーザのポートフォリオを他のコンピュータシステムへ要求する手順」、「前記要求する手順に応じて前記他のコンピュータシステムから他のユーザのポートフォリオに関する情報を受信する手順」、「前記受信した他のユーザのポートフォリオに関する情報を用いて、前記ユーザの目標ポートフォリオと当該他のユーザのポートフォリオを比較可能に提示するための情報を出力する手順」を備えているのに対し、引用発明は、いずれの手順も備えない点。 (3)判断 上記相違点について判断する。 ア 相違点1について 引用文献2には、上記2(4)のとおりの技術的事項が記載されており、「購入する投資信託を自分で選択できるとともに、「アドバイザー」タブから目標ポートフォリオを設定して、前記目標ポートフォリオでは、どんな投資信託をどの割合で購入するのかを設定でき、追加した投資信託の投資割合を設定でき」る「自分で購入するファンドを選択」の機能は、本件発明1の「目標ポートフォリオを作成するために複数の銘柄から任意の銘柄及び当該銘柄の構成比を指定した入力をユーザから受け付ける」ことに相当する。 そして、引用発明と引用文献2に記載された技術的事項は、いずれも、目標ポートフォリオを作成するための入力をユーザから受け付けて、目標ポートフォリオを実現するための「リバランス」を行うものであり、引用発明も、目標ポートフォリオを作成するための入力をリバランスを行おうとするユーザに行わせるものである以上、目標ポートフォリオにユーザの意思を反映させようとするものである。 そうすると、引用発明の「目標ポートフォリオをユーザから受け付ける手順」として、目標ポートフォリオにユーザの意思をより反映させるべく、引用文献2に記載された技術的事項における「自分で購入するファンドを選択」の機能を採用し、上記相違点1の構成とすることは、容易に想到し得ることである。 イ 相違点2について 保有ポートフォリオと目標ポートフォリオとの「差」について、金額の差にするか比率の差にするかというのは計算手順上の違いに過ぎず、いずれを採用するかというのは当業者が適宜決定できる設計的事項である。 そして、引用発明において各銘柄の売買額及び売買数量を計算する際の「各銘柄の時価総額(保有ポートフォリオの金額)の比率と目標配分比率(目標ポートフォリオの各銘柄の構成比)との乖離」は、保有ポートフォリオと目標ポートフォリオとの「差」であるから、これを、本件発明1のように「各銘柄の目標金額と保有ポートフォリオの金額との差額」とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 ウ 相違点3について 引用文献2(甲第5号証)、引用文献3(甲第6号証)及び上記3で示したいずれの甲号証にも、「他のユーザのポートフォリオ」に関する記載も示唆もない。してみると、引用発明にいずれの甲号証に記載された技術的事項を適用したとしても、引用発明が、上記相違点3に係る構成である各手順を備えることにはならない。 エ 効果について 本件発明1は、上記相違点3の構成によって、本件特許の明細書の段落【0067】に記載された「ポートフォリオ比較画面G53に示すように、当該他のユーザのポートフォリオと同じ銘柄、同じ構成比率でユーザ自身のポートフォリオが作成されて表示される。ユーザ自身のポートフォリオが作成された後も、ユーザは自分で構成比を調整するか、及び/または銘柄を追加もしくは削除することができる」という、顕著な作用効果を奏するものである。 (4)小括 したがって、本件発明1は、引用発明及びいずれの甲号証に記載された技術的事項に基いても、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 5 本件発明2~4、9、12、13についての当審の判断 本件発明2~4、9、12、13は、本件発明1を減縮した発明であり、上記4で検討した相違点1~3に係る構成を有するから、本件発明1と同様の理由により、引用発明及びいずれの甲号証に記載された技術的事項に基いても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 したがって、請求項2~4、9、12、13に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 6 本件発明10についての当審の判断 本件発明10は、本件発明1の「プログラム」に係る発明を、「情報処理装置」として表現したものであり、上記4で検討した相違点1~3に係る構成を有するから、本件発明1と同様の理由により、引用発明及びいずれの甲号証に記載された技術的事項に基いても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 したがって、請求項10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 7 本件発明11についての当審の判断 本件発明11は、本件発明1の「プログラム」に係る発明を、「情報処理方法」として表現したものであり、上記4で検討した相違点1~3に係る構成を有するから、本件発明1と同様の理由により、引用発明及びいずれの甲号証に記載された技術的事項に基いても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 したがって、請求項11に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正請求は認められるものであり、また、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1~4、9~13に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~4、9~13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700049

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