特許拒絶査定不服審判
2025-012224
ガスメータ
- 審判番号
- 2025-012224
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-093389
- 請求日
- 2025年08月04日
- 審決日
- 2026年01月07日
- 公報発行日
- 2026年03月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人北斗特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 南 宏輔
- 審判官 三崎 仁
- 審判官 ▲高▼見 重雄
- 分類
- P18 .121-Z (G01F) / P18 .575-Z (G01F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021- 93389「ガスメータ」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年12月15日出願公開、特開2022-185644〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件出願(以下「本願」という。)は、令和3年6月3日の出願であって、令和6年12月2日付けの拒絶理由の通知に対し、令和7年4月7日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年4月30日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対して同年8月4日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和7年8月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年8月4日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである(下線部は、補正箇所である。)。
「 【請求項1】
ガスの流量を計測する流量計測部と、
前記流量計測部で計測されたガスの流量を積算する積算部と、
前記積算部で積算された積算値と所定値とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づく表示を行う表示部と、
前記積算部の積算値をリセットする為の操作部と、
を備え、
前記操作部の操作により積算値をリセットした時に、前記表示部を用いて前記比較結果に基づく表示と異なる表示を行うことを特徴とし、
前記表示部における前記比較結果に基づく表示は点滅表示であり、前記積算値をリセットした時の表示は点灯表示であり、
前記所定値は複数の値が設定されており、前記表示部は、前記積算値と複数の前記所定値との比較結果に応じて、点滅表示の点灯時間及び/又は消灯時間を変更することを特徴とするガスメータ。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和7年4月7日に手続補正がなされた特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「 【請求項1】
ガスの流量を計測する流量計測部と、
前記流量計測部で計測されたガスの流量を積算する積算部と、
前記積算部で積算された積算値と所定値とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づく表示を行う表示部と、
前記積算部の積算値をリセットする為の操作部と、
を備え、
前記操作部の操作により積算値をリセットした時に、前記表示部を用いて前記比較結果に基づく表示と異なる表示を行うことを特徴とし、
前記表示部における前記比較結果に基づく表示は点滅表示であり、前記積算値をリセットした時の表示は点灯若しくは前記比較結果に基づく点滅表示以外であり、
前記所定値は複数の値が設定されており、前記表示部は、前記積算値と複数の前記所定値との比較結果に応じて、点滅表示の点灯時間及び/又は消灯時間を変更することを特徴とするガスメータ。」
2 補正の適否
上記補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「前記積算値をリセットした時の表示」に関して、「点灯若しくは前記比較結果に基づく点滅表示以外」から「点灯表示」へと、択一的記載の要素を削除して限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献等
ア 引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由で引用され、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2006-17516号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は当審にて付与した。以下同様)。
(ア)「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の残量管理において、容器内のガス残量が所定の各残量レベルに到達し、ガス事業者等に通知を行ったにもかかわらず、ガス事業者等の事情等、何らかの理由によりガスの補充、交換ができない場合がある。このとき、ガス使用者は、例えばコンロ等のスイッチを開状態にしたままでガス切れ状態に遭遇し、そのまま放置される可能性もある。そしてその後、ガス事業者によりガスの補充、交換がなされると、コンロ等のスイッチは開状態のままであるため、使用者宅ではガス漏れを起こす可能性があり危険である。
【0006】
あるいは、ガス事業者に通知を行ったにもかかわらず、容器内のガス残量が非常に少ない状態が続くと、例えば使用中のコンロ等の火が消え、生ガスが宅内に流出する可能性があり危険である。
【0007】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、ガス容器内のガス残量の監視機能を有するガスメータにおいて、ガス残量が所定値に達した場合に確実にガスの供給を停止することにより、交換作業後のガス容器や残量が少なくなったガス容器からのガスの不要な流出を防いで、確実かつ安全な管理を可能としたガスメータを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述のごとき課題を解決するために、以下の各技術手段により構成される。
第1の技術手段は、ガス容器から供給されるガスの流量を計測する流量計測手段と、ガス容器からのガスの供給を遮断する遮断手段とを有し、流量計測手段で計測された流量に基づいて、予め定めた所定の積算流量が流れた時点で、遮断手段を動作させて、ガスの供給を遮断することを特徴としたものである。
【0009】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、流量計測手段によって計測された流量を積算する流量積算手段と、遮断手段を動作させる積算流量値を予め保持する遮断値保持手段とを有し、流量積算手段の積算値と、遮断値保持手段に保持された積算流量値とを比較し、積算値による使用流量が遮断値保持手段に保持された積算流量値に該当した時点で、遮断手段を動作させて、ガスの供給を遮断することを特徴としたものである。
【0010】
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、流量計測手段によって計測された流量に基づいて、所定の警報を行う警報手段と、警報手段を動作させる積算流量値を予め保持する警報値保持手段とを有し、流量積算手段の積算値と、警報値保持手段に保持された警報値とを比較し、積算値による使用流量が警報値保持手段に保持された積算流量値に該当した時点で、警報手段を動作させて、所定の警報を行うことを特徴としたものである。
【0011】
第4の技術手段は、第3の技術手段において、遮断手段による遮断動作時に、警報手段による所定の警報を行うことを特徴としたものである。
【0012】
第5の技術手段は、第3または第4の技術手段において、警報手段による所定の警報は、通信回線を介した外部機器に対する警報情報の発信、及び/またはガスメータが備える表示手段による警報情報の表示によって実行されることを特徴としたものである。
【0013】
第6の技術手段は、第5の技術手段において、警報手段を動作させる積算流量値は、複数のレベルで設定できることを特徴としたものである。」
(イ)「【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るガスメータの構成例を示す図で、一般的なマイコンメータの構成例を示す図でもある。図1において、1はガスメータ、2は外部装置、10は制御部、11は計量部、12はセンサ部、13は表示部、14は遮断部、15は端子台、21は宅内操作器、22は網制御装置(以下、NCUという)、23はガス漏れ警報器、24は外部1機器(外部端子1の機器)、25は外部2機器(外部端子2の機器)であり、10aはマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)、10bはインターフェース、10cは電池、10dはテスト遮断スイッチ、10eは容器リセットスイッチ、11aは計量機能、12aは電池電圧検出センサ、12bは流量センサ、12cは圧力センサ、12dは感震器、13aは積算表示機能、13bはセキュリティ表示機能、14aは双方向遮断弁、14bは遮断弁開スイッチである。
【0017】
ガスメータ1は、ガスメータ1における各種制御を行う制御部10、ガス流量を計量する計量部11、センサ部12、表示部13、及び遮断部14を備え、さらに、外部装置2との接続を行う端子台15を備える。
【0018】
計量部11は、ガス流量に応じた回転体の回転数又は流体振動を出力する計量機能11aからなる。また、センサ部12は、ガス流量やセキュリティに関係する物理量を検出するセンサ類からなり、電池10cの電圧を検出する電池電圧検出センサ12a、計量機能11aの出力を検出する流量センサ12b、ガス圧力低下などガス圧力を検知する圧力センサ12c、地震波等の振動を検知する感震器12d等から構成されている。なお、流量センサ17は、流量を検出するためのセンサで、勿論、流速センサであってマイコン10aにて流量に演算するものであってもよいし、流量演算器(流量変換器)を介してマイコン10aに流量を送信するものであってもよい。
【0019】
また、制御部10は、主として、取り込まれたセンサの信号を演算処理して処理データを収納し、表示部13に出力したり端子台15を介して外部に出力するもので、マイコン10a、インターフェース10b、電源となる電池10c、双方向遮断弁14aが正常に機能するかをテストするためのテスト遮断スイッチ10d、容器リセットスイッチ10e等から構成されている。なお、電池10cの電力は各部へ供給され、本ガスメータを稼動させる電源となる。
【0020】
また、マイコン10aは、流量センサ12bへ命令し流量センサ12bからの流量検出信号に基づいて流量を計測して積算する処理を行う電子制御装置であり、演算処理をするMPUと、そのMPUを機能させるためのプログラムを記録し処理データを記録するメモリとで構成される。
【0021】
また、表示部13は、制御部10により処理されたデータを所定のプログラムまたは外部からの指令に従って表示するLCD(液晶表示器)等の表示装置であり、ガス流量の積算表示機能13a,セキュリティ表示機能13b等をもっている。また、遮断部14は、センサ部12の信号による異常等が生じたとき、制御部10のマイコン10aからの命令により制御弁を遮断するもので、制御弁としての双方向遮断弁14a,遮断弁開スイッチ14b等とから構成されている。
【0022】
一方、外部装置2は、端子台15を介してガスメータ1の外部に接続される機器類であり、例えば、宅内でガスメータ1の操作を行う宅内操作器21、ガスメータ1との間で発呼,選択信号の送出,切断など電話交換網を制御するNCU22、ガスメータ1におけるガス漏れを警報するガス漏れ警報器23、及びハンディターミナルやPC(パーソナルコンピュータ)等、その他の外部機器(ここでは外部1機器24及び外部2機器25)が設けられている。
【0023】
NCU22は、ガスメータ1の通信機能(自動通報,遠隔遮断,自動検針など)を行うため集中監視センタなどとガスメータ1を電話回線で接続する機器であり、電話機とガスメータ1を自動的に切り替えてガスメータ1のデータの送受信を行う。
ハンディターミナルやPCは、検針器や設定器として用いられるものである。設定器は、設置されているガスメータの設定変更や確認などを行う。設定,確認が行われる項目には、継続使用時間設定、口火登録などあるが、ガス事業者の運用形態によりその仕様は決定される。
【0024】
ガスメータのマイコン10aは、流量センサ12bによって供給ガスの使用量を監視し、ガス容器の残量が所定の警報レベルになった時点で、所定の警報通知処理を実行する。
また、本発明においては、上記の警報通知処理に加えて、流量センサ12bによって監視した供給ガスの積算使用量が、所定の遮断レベル値になったところで、ガスの供給を自動的に遮断する機能を備える。上記の警報レベルないし遮断レベルは、使用する容器の容量に応じた警告または遮断を行うべき容器内の残量値に基づいて設定される。そして上記の遮断処理を実行する際には、警報通知処理を同時に実行する。
【0025】
ここでは、マイコン10aは、上記の警報通知処理を行うための警報レベル情報を予めメモリに保持しておき、ガス使用量の積算値が上記警報レベルに至った時点で警報処理を実行する。警報処理は、NCU22から通信回線を介して、集中監視センタなどの管理主体に容器のガス残量が減ったことを知らせる情報を送信する。また、表示部13のセキュリティ表示機能13aによって、警報レベルにまで容器残量が減ったことを知らせる表示を行うようにする。
【0026】
警報レベルは、複数段階で設定することができる。例えば、容器の容量が100Lであるとき、容器内のガスの使用量が50L,70Lの2レベルに該当する警報レベルを予め設定しておき、ガス使用量の積算値が上記の警報レベルに該当する値に達した時点で、上記のような所定の警報通知処理を実行する。
【0027】
さらに、マイコン10aは、ガス供給を遮断する遮断レベルを予めメモリに保持しておき、ガス使用量の積算値が上記遮断レベルに至った時点で上記の遮断処理を実行する。遮断レベルにおいて遮断処理を実行する際には、同時に上記のような警報通知処理を実行し、遠方の集中監視センタ等にガスの遮断を知らせる情報を送信し、またガスメータの表示部13に遮断情報を表示させる。
例えば、上記のように、警報レベルを使用量50L,70Lとして設定したとき、遮断レベルを90Lとして設定することにより、複数回の警報を経た後に、容器内のガス残量が最小の許容量となった時点で、ガスの供給を自動的に遮断することができる。
【0028】
なお、上記の警報レベル及び遮断レベルは、ガスの使用量を規準に設定し、流量積算値による実際の使用流量から警報レベルと遮断レベルとを判断してもよく、また、警報レベル及び遮断レベルを容器内のガスの残量を規準に設定し、流量積算値による実際の使用流量とガス容器の容量とから演算されるガス容器内の残量値から警報レベルと遮断レベルとを判断するようにしてもよい。」
(ウ)「【0029】
上記の処理例をより具体的に説明する。
ガスメータのマイコン10aのメモリには、予め上記の警告レベル及び遮断レベルを設定しておく。これらは、上述のように、流量センサ12bの出力信号に基づいて積算される流量積算値の特定の値、もしくはガス容器内のガス残量の特定の値として設定できる。
これら各レベル情報の設定は、通信回線を介した通信により集中監視センタ等から設定を行ってもよく、またガスメータに対して設定器等を用いてレベル設定を行ってもよい。またこれらの設定レベルは、使用容器やガスの使用環境に応じて適宜変更することが可能である。なお、警告レベルを設けずに、所定の残量レベルで遮断する遮断レベルのみを設けるようにしてもよい。
【0030】
ガス容器が新しい容器に交換された時点で、交換作業員等により容器リセットスイッチ10eが押され、マイコン10aの残量カウンタがリセットされる。また通信回線を介して、遠隔の集中監視センタ等から残量カウンタのリセットを行うようにしてもよい。
【0031】
そして、ガスの使用が始まると、計量部11にてガスの流量に応じた回転体の回転数または流動振動をセンサ部12に出力し、流量センサ12bがガスの使用量に応じた電気信号を制御部10に送る。制御部10のマイコン10aでは、流量センサ12bから送られた電気信号に応じて、リセット後のガスの使用量を積算し、マイコン10aの残量カウンタに積算していく。
【0032】
そして、マイコン10aは、残量カウンタの積算値を監視し、メモリに設定されている警告レベルに積算値が達した時点(または、積算値から演算される容器内の残量値が、警告レベルに達した時点,以下同様とする)で警告通知処理を行う。警告通知処理は、上述したごとくの遠隔の集中監視センタへの警告通知、及びガスメータの表示部13への警告表示であり、あるいは、これらのいずれか一方とするように適宜定めてもよい。
【0033】
警告レベルは、上述のように複数のレベルを設定しておくことができる、そして、警告レベルを超えてなおもガスが使用され続け、積算値が遮断レベルにまで到達した時点で、マイコン10aは上記の遮断処理を行ってガスの供給を自動的に停止させる。ここでは、マイコン10aの制御により、双方向遮断弁14aを動作させ、ガスの供給を遮断する。
そして、遮断処理を行うとともに、上記のごとくの警告通知処理を行う。
【0034】
上記に説明したごとくに、ガスの流量を計測する本発明の流量計測手段は、本実施形態においては、図1の計量部11,流量センサ12b,及びマイコン10aによって実現される。また、本発明の流量積算手段は、残量カウンタを有するマイコン10aにより実現される。また、本発明の遮断値保持手段及び警報値保持手段は、マイコン10aが有するメモリによって実現される。」
(エ)「【0035】
図2は、本発明によるガスメータのガス供給遮断処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。図2の例は、ガスを遮断する遮断レベルと、2段階の警告レベル(第1の警告レベル及び第2の警告レベルとする)とを設定して残量管理を行う処理について説明するものである。
まず初期設定において、各警告レベルと遮断レベルの設定を行うとともに、残量カウンタをクリアする容器リセット行う(ステップS1)。ここでは、上述のように、警告レベルを設けずに遮断レベルのみ設けるようにしてもよい。
【0036】
そして、流量センサによる信号を監視し、残量カウンタが第1の残量警告レベルに達したかどうかを判断し、残量カウンタが第1の警告レベルに達していれば、警告通知処理を行う(ステップS3)。
そして、さらに残量カウンタが第2の警告レベルに達したかどうかを判断し(ステップS4)、第2の警告レベルに達していれば、警告通知処理を行う(ステップS5)。
さらに残量カウンタが遮断レベルに達したかどうかを判断し(ステップS6)、遮断レベルに達していれば、遮断処理を行う(ステップS7)。
【0037】
上記の例は、遮断レベルの他に警告レベルを2段階設けたものであるが、上述のように、警告レベルの数に応じて警告通知処理の回数が異なる。また警告レベルを設定しない場合は、上記ステップS6~S7の遮断レベルの判別と遮断処理の実行のみとなる。」
(オ)図1
「
[図:0001433011000001.jpg]
」
(カ)図2
「
[図:0001433011000002.jpg]
」
イ 引用発明
(ア)【0010】の「流量積算手段の積算値と、警報値保持手段に保持された警報値とを比較し、積算値による使用流量が警報値保持手段に保持された積算流量値に該当した時点で、警報手段を動作させて、所定の警報を行う」との記載を踏まえると、【0032】に記載の「マイコン10aは、残量カウンタの積算値を監視し、メモリに設定されている警告レベルに積算値が達した時点で警告通知処理を行」うことは、「マイコン10aは、残量カウンタの積算値とメモリに設定されている警告レベルとを比較することにより、残量カウンタの積算値を監視し、メモリに設定されている警告レベルに積算値が達した時点で警告通知処理を行」うことであると解される(以下「認定事項1」という)。
(イ)上記(ア)の認定事項1を含む上記アの記載及び図面から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(各構成単位末尾の括弧内には根拠箇所を示す。)。
「制御部10、ガス流量を計量する計量部11、センサ部12、表示部13を備えるガスメータ1であって、(【0017】)
計量部11は、ガス流量に応じた回転体の回転数又は流体振動を出力する計量機能11aからなり、センサ部12は、計量機能11aの出力を検出する流量センサ12b等から構成され、(【0018】)
制御部10は、マイコン10a、容器リセットスイッチ10e等から構成され、(【0019】)
マイコン10aは、流量センサ12bからの流量検出信号に基づいて流量を計測して積算する処理を行う電子制御装置であり、(【0020】)
表示部13は、ガス流量の積算表示機能13a,セキュリティ表示機能13b等をもっており、(【0021】)
マイコン10aは、流量センサ12bによって供給ガスの使用量を監視し、ガス容器の残量が所定の警報レベルになった時点で、所定の警報通知処理を実行し、上記の警報レベルは、使用する容器の容量に応じた警告を行うべき容器内の残量値に基づいて設定され、(【0024】)
ここでは、マイコン10aは、上記の警報通知処理を行うための警報レベル情報を予めメモリに保持しておき、ガス使用量の積算値が上記警報レベルに至った時点で警報処理を実行し、警報処理は、集中監視センタなどの管理主体に容器のガス残量が減ったことを知らせる情報を送信し、また、表示部13のセキュリティ表示機能13aによって、警報レベルにまで容器残量が減ったことを知らせる表示を行うようにし、(【0025】)
警報レベルは、複数段階で設定し、例えば、容器の容量が100Lであるとき、容器内のガスの使用量が50L,70Lの2レベルに該当する警報レベルを予め設定しておき、ガス使用量の積算値が上記の警報レベルに該当する値に達した時点で、上記のような所定の警報通知処理を実行し、(【0026】)
上記の処理例をより具体的に説明すると、(【0029】)
ガス容器が新しい容器に交換された時点で、交換作業員等により容器リセットスイッチ10eが押され、マイコン10aの残量カウンタがリセットされ、(【0030】)
そして、ガスの使用が始まると、計量部11にてガスの流量に応じた回転体の回転数または流動振動をセンサ部12に出力し、流量センサ12bがガスの使用量に応じた電気信号を制御部10に送り、制御部10のマイコン10aでは、流量センサ12bから送られた電気信号に応じて、リセット後のガスの使用量を積算し、マイコン10aの残量カウンタに積算していき、(【0031】)
そして、マイコン10aは、残量カウンタの積算値とメモリに設定されている警告レベルとを比較することにより、残量カウンタの積算値を監視し、メモリに設定されている警告レベルに積算値が達した時点で警告通知処理を行い、警告通知処理は、上述したごとくの遠隔の集中監視センタへの警告通知、及びガスメータの表示部13への警告表示であり、(認定事項1)
ガスの流量を計測する流量計測手段は、計量部11,流量センサ12b,及びマイコン10aによって実現され、また、流量積算手段は、残量カウンタを有するマイコン10aにより実現される、(【0034】)
ガスメータ1。」
ウ 引用文献2の記載
原査定の拒絶の理由で引用され、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開昭63-318400号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。
(ア)第5頁右下欄第5行~第6頁左下欄第5行
「第7図は本実施例の住宅側装置100のガスボンベaのガスボンベ切替通報フローチャートを示す。
切替センサS1を監視し(601)、切替センサS1からハイレベルの切替信号を入力しているか否かを判断する(602)。
切替センサS1からハイレベルの切替信号を入力していない(NO)時、(601)ヘリターンする。
切替センサS1からハイレベルの切替信号を入力している(Yes)時、タイマー回路8のカウントを0にセットし、タイマー回路8によるカウントを開始する(603)。切替センサS1からローレベルの切替信号を入力しているか否かを判断する(604)。
切替センサS1からローレベルの切替信号を入力していない(No)時、タイマー回路8のカウント開始後、一定時間T1が経過したか否かを判所する(605)。一定時間T1が経過していない(NO)時、(604)を繰り返す。
切替センサS1からローレベルの切替信号を入力している(Yes)時、タイマー回路8のカウントを停止する(606)。
つぎにハイレベルの切替信号の入力回数(例えばハイレベルの電気信号の入力回数)が2回目に達した(つまり切替センサS1がハイレベルの切替信号を2回出力した)か否かを判断する(607)。
ハイレベルの切替信号の入力回数が2回目に達していない(NO)時、(601)を繰り返す。
設定時間T1が経過しているか、あるいはハイレベルの切替信号の入力回数が2回目に達している(Yes)時、ガスボンベの切替を住民に認識させるために切替表示灯4を点灯する出力を生ずる(608)。さらに、ガスボンベの切替を管理センターCに通報するために管理センターCへの送信制御を行う(609)。そして管理センターCが切替データを受信したか否かを判断する(610)。管理センターCが切替データを受信していない(No)時、(609)を繰り返す。管理センターCが切替データを受信している(Yes)時、住宅の使用者、センターCからの派遣員またはガス会社がガスボンベを交換する(611)。その後(601)ヘリターンする。
これにより冬期などの低温時の早朝に、ガスボンベaからガスボンベbに切替わった後、ガスを消費していないとき、つまりガス器具を使用していないときに気温が上昇してくるとガスボンベaのガスの内圧も上界し、再び負圧アクチュエータ9が作動して、ガスボンベbからガスボンベaに切替わる場合がある。
この切替作動が行われる毎に切替センサS1よりハイレベルまたはローレベルの切替信号は出力されるが、本発明のようにタイマー回路8によりハイレベルまたはローレベルの切替信号を一定時間出力しないか、またはハイレベルの切替信号の入力回数が2回目に達したときに、始めて切替表示灯4を点灯したり、管理センターCへ送信したりしているので、住宅の使用者または管理センターCにおいてガスボンベの切替時期および交換時期が明確となり、消費者が安心して安定した圧力のガスを消費できる。
切替表示灯4は、管理センターCよりガス会社などに連絡して人員が、空になったガスボンベを交換することにより、消灯する。」
(イ)第7図
「
[図:0001433011000003.jpg]
」
エ 引用文献3の記載
原査定の拒絶の理由で引用され、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-32695号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面とともに次の記載がある。
(ア)「【0112】
図9においては、本実施形態の燃料電池システムへの燃料ガス供給装置は、家庭用の燃料ガス供給装置として構築された場合を示している。すなわち、燃料ガス供給装置は、硫黄系付臭剤を含む燃料ガス、たとえばLPガスをそれぞれ充填した第1のガス容器(たとえば、ガスシリンダ)2Aまたは第2のガス容器(たとえば、ガスシリンダ)3Aから減圧供給手段としての自動切替調整器4およびガスメータ5を介して、燃料電池コージェネレーションシステムの改質器(図18参照)にLPガスを供給する。すなわち、交互にガス容器を交換する。自動切替調整器ドライブ装置6の前面パネルには、第1の実施形態における補給スイッチ62の押しボタンと補給警告ランプ64および予備容器側表示ランプ65に代えて、反転スイッチ66の押しボタンと、空容器右ランプ67および空容器左ランプ68が配置されている。
・・・
【0121】
以上概略説明した燃料ガス供給装置の残量管理警告発呼受信機能の詳細を、CPU61aが予め定めた制御プログラムに従って行う処理を示す図11のフローチャートを参照して以下説明する。
【0122】
まず、残量管理警告レベル1のフラグが設定されているか否かを判定し(ステップS21)、その答えがイエスならば、ガスメータ5から通信される、ガス使用量が残量管理警告レベル1に達していることの警報を自動通報装置7へスルーする。
【0123】
一方、ステップS1の答えがノーならば、アンサー右スイッチオン信号またはアンサー左スイッチオン信号の有無を判定する(ステップS23)。その答えがアンサー右スイッチオン信号有りであれば、それは右側ガス容器(すなわち、第1のガス容器2A)が空になりつつあることを意味するので、空容器右ランプ67を点滅させる(ステップS24)。次に、モータ4aを正転するように制御し(ステップS25)、それにより、自動切替調整器4の切替レバー105を第2のガス容器3A側に切り替えて第2のガス容器3Aからの供給を開始する。次いで、アンサー左スイッチオン信号があるか否かを判定し(ステップS26)、その答えがイエスならば、ステップS30に進む。
【0124】
一方、ステップS23の答えがアンサー左スイッチオン信号有りであれば、それは左側ガス容器(すなわち、第2のガス容器3A)が空になりつつあることを意味するので、空容器左ランプ68を点滅させる(ステップS27)。次に、モータ4aを逆転するように制御し(ステップS28)、それにより、自動切替調整器4の切替レバー105を第1のガス容器2A側に切り替えて第1のガス容器2Aからの供給を開始する。次いで、アンサー右スイッチオン信号があるか否かを判定し(ステップS29)、その答えがイエスならば、ステップS30に進む。
【0125】
次にステップS30で、モータ4aを停止させる。次いで、補給開始信号を出力し、自動通報装置7を介して集中監視センタ8に通報する(ステップS31)。次に、自動切替調整器ドライブ装置6の交換スイッチ63がオンされたか否かを判定し(ステップS32)、その答えがイエスならば、容器交換発呼を自動通報装置7へスルーする(ステップS33)。
【0126】
次いで、空容器表示ランプ67または68を消灯させ(ステップS34)、次いで、処理を終了する。」
(イ)図9
「
[図:0001433011000004.jpg]
」
(ウ)図11
「
[図:0001433011000005.jpg]
」
オ 引用文献4の記載
原査定の拒絶の理由で引用され、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2001-241989号公報(以下「引用文献4」という。)には、図面とともに次の記載がある。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスメータを通過するガスの流量や地震等の大きさをマイコンを用いて監視していて、異常と判断したときにガスメータ内に組み込まれたガス弁を閉じてガス事故の発生を未然に防止する所謂マイコンガスメータに出入りする配管のピッチを設定する金具に関するものである。に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイコンガスメータの場合、一旦作動、つまりガス弁が閉じ、原因が判って回復、つまりリセットを行う場合には、需要家がガスメータに付いているリセットボタンを自ら操作して行うようになっている。
【0003】このため、ガスメータ或いはこの出入りの配管部分には、上記リセット操作を行うための手順を解説した荷札状の解説文が結びつけてある。図12、図13はこの例であって、マイコンガスメータ100のキャップ付リセットボタン101の部分に荷札状の解説文103が針金103aを用いて結びつけてあり、リセットは、この解説文103を読みながら、リセットボタン101を操作し、表示ランプ102の点滅が消えればリセットが終了し、ガスが使用できることになっている。
・・・
【0012】異常があってマイコンが作動すると、ガスメータの正面の表示ランプが点滅しているので、需要家はこの解説文を読みながら、リセットボタンを操作し、点滅が消えることでリセットの終了(回復)を知ることになる。」
(イ)図12
「
[図:0001433011000006.jpg]
」
カ 引用文献5の記載
原査定の拒絶の理由で引用され、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2002-257612号公報(以下「引用文献5」という。)には、図面とともに次の記載がある。
(ア)「【0019】本発明装置10は、図3に例示する個別検針用のガスメータ1に取り付けて、ガスメータ1の指針値を自動遠隔検針するとともに、ガスメータ1が検知するガス供給またはガス使用に関する異常状態を自動遠隔監視するためのものである。ここで、自動遠隔検針の対象となるのは、ガスメータ1の指針表示部2の指針表示であり、自動遠隔監視の対象となるのは、ガスメータ1の異常表示ランプ3の点滅パターンである。また、当該遠隔検針及び遠隔監視は、外部の管理センタ等と称される場所で制御及び管理されるものとする。更に、図3に例示するガスメータ1は、指針表示が複数桁(例えば4桁)の数字(指針値)で構成される直読式メータである。
【0020】都市ガス用のマイコンメータ1は、内部にガス流量計測手段、ガス圧力センサ、感震器、ガス供給用の遮断弁、及び、それらの動作などを制御するマイクロコンピュータ(マイコン)等を備え、ガス使用量の計量機能とともに、ガス供給またはガス使用に関する複数種の異常状態を検知する異常検知機能を備えている。一般に家庭用に普及しているマイコンメータは、表1に示すような複数種の異常状態を検知すると、表1に示す所定の点滅パターンで異常表示ランプ3を点滅させて、作業員等がその点滅パターンから如何なる異常状態が発生しているかを認識できるように構成されている。また、一部の異常状態では、遮断弁を閉弁してガス供給を遮断することで、ガス爆発や火災を未然に防止する安全面の配慮がなされている。
【0021】
【表1】
[図:0001433011000007.jpg]
【0022】ここで、異常表示ランプ3は1個のLED(発光ダイオード)で構成され、基本の点滅パターンは、LEDが1回づつ時間間隔をおいて点滅するパターン1、2回づつ時間間隔をおいて点滅するパターン2、3回づつ時間間隔をおいて点滅するパターン3、連続して点滅するパターン4、及び、一定時間連続点灯するパターン5の合計5パターンがある。更に、基本点滅パターンの組み合わせで、パターン5、4、3と順に変化してパターン3で点滅するパターンX、パターン5、4と順に変化して点滅が停止するパターンYの2パターンが設けられてあり、5種類の基本点滅パターンとその組み合わせパターンX、Bにより、4種類の初期異常状態と2種類の遮断弁復帰操作後の状態(以下及び表1において、これらをまとめて単に異常状態と称する。)を識別できるようになっている。」
(イ)図3
「
[図:0001433011000008.jpg]
」
キ 引用文献6の記載
原査定の拒絶の理由で引用され、本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2020-106486号公報(以下「引用文献6」という。)には、図面とともに次の記載がある。
(ア)「【0012】
第1の発明は、ガスの通路を遮断する遮断弁と、ガスの流れを計測する流量計測手段と、前記流量計測手段が計測する流量に基づく積算流量の積算表示手段と、複数個の表示部から構成しそれぞれが独立した表示を行うインジケータ表示手段と、所定の操作を行う操作手段と、外部装置との通信を行う通信手段と、を有するガスメータであって、前記インジケータ表示手段は、ひとつの表示部に対して、予め定めた特定の動作状態か否かを指示する第1の表示指示手段による表示と、予め定めた特定の設定状態か否かを指示する第2の表示指示手段による表示との何れか或いは両方を表示するように表示を切り替えるインジケータ表示切替え手段を備えたもので、インジケータ表示手段の表示数を増やすことなく動作状態および設定状態を表示することができる。
【0013】
また、同一表示部において、対象設定項目に対する設定有無および設定数について、表示内容を確認することにより容易に把握することができ、ガスメータ設置等での設定作業や現場確認の作業性を向上することができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、前記第1の表示指示手段は点灯表示または消灯表示を指示し、前記第2の表示指示手段は点滅表示または消灯表示を指示するようにしたものである。
【0015】
第3の発明は、第1または2の発明において、前記第1の表示指示手段と前記第2の表示手段の両方の表示指示が重なる場合は、前記第2の表示指示手段の点滅表示とは異なる点滅パターンで表示するようにしたものである。」
(イ)「【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガスメータのブロック図を示すものである。
【0018】
図1において、ガスメータ1は、ガスを遮断する遮断弁2と、ガス流量を計測する流量計測手段3と、遮断弁2の開栓を行う復帰手段4と、遮断弁2を強制的に遮断する強制遮断手段5、各種の表示を行う表示手段6と、インジケータ表示手段7、遮断弁2及び各手段を制御する制御手段8、外部との通信を行う外部通信手段9で構成されている。
【0019】
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるガスメータの表示部のイメージを示すものである。
【0020】
図2において、例えば液晶により構成された表示手段6は、ガスの使用量を表示する指針値表示部11と、ガスメータの異常状態を表示する事象表示部13と、ガスメータの特に重要な動作状態を表示するインジケータ表示部12とから構成されている。
【0021】
図3は、本発明の実施の形態1におけるインジケータ表示パターンを示すものである。図3(1)は1つのインジケータ表示に対して、1つの動作状態と1つの設定状態を表示するときの表示パターンを示すもので、図3(2)は1つのインジケータ表示に対して、1つの動作状態と2つの設定状態を表示するときの表示パターンを示すものである。
【0022】
ここで、動作状態とは、出荷時の遮断状態や、ガス漏れのようにガスメータ1で検知される異常、復帰動作に失敗した状態等の状態であり、設定状態とは、ガスの使用時間を監視する機能の有効/無効や、所定の保安機能の有効/無効のようにガスメータ1に設定された機能の状態を意味している。
【0023】
図4は、本発明の実施の形態1における概略フローチャートを示すものである。
【0024】
以下、図1から図4を用いて、インジケータ表示部の表示の動作について説明する。
【0025】
図3(1)において、動作状態Aの一事例としてガス漏れ判定、設定状態aの一事例としてガスの使用時間を監視する機能の有効/無効の設定を事例に説明する。なお、ガスの使用時間を監視する機能の有効/無効の設定において、機能を無効にする設定として、機能が有効であれば「オフ」、機能が無効であれば「オン」と定義して説明する。
【0026】
先ず、動作状態A(ガス漏れ)がなく、設定状態a(機能無効)がオフされている場合、ガスメータ1において、流量計測手段3でガス流量を計測し、制御手段8でガス漏れ判定を行う(ステップS1)。続いて制御手段8がガス漏れあり/なしと判定する(ステップS2)。次に、制御手段8がガス漏れなしと判定した場合、続いて、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)を判定する(ステップS3)。そして、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)が「オフ」(機能が有効)と判定されると、インジケータ表示手段7を消灯する(ステップS5)。
【0027】
次に、動作状態A(ガス漏れ)がなく、設定状態a(機能無効)がオンされている場合、ガスメータ1において、流量計測手段3でガス流量を計測し、制御手段8でガス漏れ判定を行う(ステップS1)。続いて、制御手段8がガス漏れあり/なしと判定する(ステップS2)。次に、制御手段8がガス漏れなしと判定した場合、続いて、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)を判定する(ステップS3)。そして、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)が「オン」(機能が無効)と判定されると、インジケータ表示手段7を点滅する(ステップS6)。ステップS6の点滅状態(点滅1)は、例えば、点灯時間:0.5秒/消灯時間:0.5秒とする。
【0028】
次に、動作状態A(ガス漏れ)があり、設定状態a(機能無効)がオフされている場合、ガスメータ1において、流量計測手段3でガス流量を計測し、制御手段8でガス漏れ判定を行う(ステップS1)。続いて、制御手段8がガス漏れあり/なしと判定する(ステップS2)。次に、制御手段8がガス漏れありと判定した場合、続いて、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)を判定する(ステップS4)。そして、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)が「オフ」(機能が有効)と判定されると、インジケータ表示手段7を点灯する(ステップ7)。
【0029】
次に、動作状態A(ガス漏れ)があり、設定状態a(機能無効)がオンされている場合、ガスメータ1において、流量計測手段3でガス流量を計測し、制御手段8でガス漏れ判定を行う(ステップS1)。続いて、制御手段8がガス漏れあり/なしと判定する(ステップS2)。次に、制御手段8がガス漏れありと判定した場合、続いて、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)を判定する(ステップS4)。そして、設定状態a(ガスの使用時間を監視する機能が無効か否か)が「オン」(機能が無効)と判定されると、インジケータ表示手段7を点滅する(ステップ8)。ステップS8の点滅状態(点滅2)は、例えば、点灯時間:1秒/消灯時間:1秒とし、ステップS6の点滅状態(点滅1)とは異なる時間で点滅する。
【0030】
以上のように、本実施の形態においては、ガスメータ1の動作状態Aを監視し、動作状態Aの有無と、設定状態aのオン/オフとを一つのインジケータ表示部に表示することにより、動作状態Aと設定状態aが容易に確認できるようになり、ガスメータ設置等での設定作業や現場確認の作業性を向上することができる。
【0031】
なお、点滅表示は、図3(2)に示すように、複数の設定状態(例えば、設定状態bと設定状態c)を識別できるように表示時間を変えることで、点滅状態(点滅1~点滅6)を定義するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上のように、本発明にかかるガスメータは、インジケータ表示部の表示数を増やすことなく動作状態および設定状態を表示することができ、電気メータや水道メータの用途にも適用できる。」
(ウ)図1
「
[図:0001433011000009.jpg]
」
(エ)図2
「
[図:0001433011000010.jpg]
」
オ)図3
「
[図:0001433011000011.jpg]
」
(カ)図4
「
[図:0001433011000012.jpg]
」
ク 引用文献7の記載
本願出願前に、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった実願昭63-106283号(実開平2-27515号)のマイクロフイルム(以下「引用文献7」という。)には、図面とともに次の記載がある。なお、引用文献7は、審判請求時の補正によって「前記積算値をリセットした時の表示」が「点灯表示」と補正されたことにより提示することが必要となった文献である。
(ア)第4頁第15行~第8頁第6行
「(考案が解決しようとする課題)
このシステムにおいては、容器交換時にガスメータあるいは、ガスメータとは独立に設けられたスイッチにマグネットを近接させてコントローラ側の積算値もリセット回路などを介してリセツトする。
しかしなから、この状態ではリセットされたことが確認出来ず、例えばリードスイッチの接触不良等により、リセットされなくても、作業者はマグネットを近接したことでリセットしたものと思うか、実際にはカウンタの積算値は元のままであり、ボンベ残量管理に支障をきたすと云う問題があった。
この考案は以上の問題を解決するものであって、リセットスイッチにマグネットを近接することでコントローラ側の積算値は0にリセットされたことを容易に確認できるようにしたLPガス供給システムにおけるガスメータを提供することを目的とするものである。
[考案の構成]
(課題を解決するための手段)
前記目的を達成するため、この考案では、LPガス容器に接続された検針用のガスメータと、ガスメータに内蔵されて所定の流量ごとにパルスを発生ずる検出手段と、ガスメータに信号線を介して接続された通信用のコントローラ内にあって、前記検出手段のパルスを積算するカウンタ手段と、前記カウンタ手段の積算値を0にリセットするリセット手段を設けたLPガス供給システムにおいて、前記リセット手段と連繋してリセット状態を表示する表示手段をガスメータに設けたものである。
(作用)
リセットマグネットを近接した状態で、遠隔位置にあるコントローラ内の残置管理用カウンタ手段はOにリセツトされると同時にガスメータに設けた表示手段がリセットされたことを表示する。
(考案の実施例)
以下、この考案の実施例を図面を用いて詳細に説明する。なお、説明中のシステム構成については前記第3図及び第4図と同様であるから、この考案に固有の部分以外の説明については符号を共通として説明している。
第1図はこの考案の第一実施例を示すものである。
図において、ガスメータ3には前記と同様にギア軸5に設けたマグネット6と、マグネット6にガスメータケース7を介して対向するカウント用のリードスイッチ8を備え、ギア軸5の一回転毎にマグネット6が回転することてリードスイッチ8を閉成させ、このパルス信号を信号線9を介してコントローラ10に設けたカウンタ14に伝送するようにしている。
また、ガスメータ3にはリセット検出用の検出手段であるリードスイッチ16およびこのリードスイッチ16にリニアに接続された発光ダイオード18か設けられている。
これらは信号線20を介してコントローラ10の内部に設けた点灯回路22に接続されている。
また、この点灯回路22はリードスイッチ16の閉成によってリセット回路24にリセットを指令し、リセット回路24を通じて前記残置管理用カウンタ14をリセットさせる。
したがって、容器の交換時点で作業者がリセット用マグネットを、所定の位置に近接することにより、前記リードスイッチ16が閉成し点灯回路22によって発光ダイオード18が点灯する。
これと同時にリセット回路24を通じて残量管理用カウンタ14はリセットされることになる。
以上により、作業者は発光ダイオード18の点灯を確認することで残量管理用カウンタ14がリセットされたことを知ることになる。」
(イ)第1図
「
[図:0001433011000013.jpg]
」
(3)当審の判断
ア 対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)引用発明では、「ガスの流量を計測する流量計測手段は、計量部11,流量センサ12b,及びマイコン10aによって実現され」る(【0034】)ことから、引用発明の「ガス流量に応じた回転体の回転数又は流体振動を出力する計量機能11aからな」る(【0018】)「ガス流量を計量する計量部11」(【0017】)、「計量機能11aの出力を検出する流量センサ12b」(【0018】)、及び「流量センサ12bからの流量検出信号に基づいて流量を計測」「する処理を行う」「マイコン10a」(【0020】)は、本件補正発明の「ガスの流量を計測する流量計測部」に相当する。
(イ)引用発明では、「流量積算手段は、残量カウンタを有するマイコン10aにより実現される」(【0034】)ことから、引用発明の「流量センサ12bからの流量検出信号に基づいて流量を計測して積算する処理を行う」(【0020】)「残量カウンタを有するマイコン10a」は、本件補正発明の「前記流量計測部で計測されたガスの流量を積算する積算部」に相当する。
(ウ)引用発明の「残量カウンタの積算値とメモリに設定されている警告レベルとを比較することにより、残量カウンタの積算値を監視」する「マイコン10a」(認定事項1)は、本件補正発明の「前記積算部で積算された積算値と所定値とを比較する比較部」に相当する。
(エ)引用発明の「残量カウンタの積算値とメモリに設定されている警告レベルとを比較することにより、残量カウンタの積算値を監視し、メモリに設定されている警告レベルに積算値が達した時点で」「警告表示」を「行」う「表示部13」(認定事項1)は、本件補正発明の「前記比較部の比較結果に基づく表示を行う表示部」に相当する。
(オ)引用発明の「交換作業員等により」「押され」ることで「マイコン10aの残量カウンタがリセットされ」る「容器リセットスイッチ10e」(【0030】)は、本件補正発明の「前記積算部の積算値をリセットする為の操作部」に相当する。
(カ)引用発明では、「ガス容器が新しい容器に交換された時点で、交換作業員等により容器リセットスイッチ10eが押され、マイコン10aの残量カウンタがリセットされ」る(【0030】)ので、「残量カウンタがリセットされ」た時、「表示部13」に「警告表示」が行われていないこと、言い換えると、「警告表示」と異なる表示が行われていることは、自明である。
してみると、引用発明は、本件補正発明の「前記操作部の操作により積算値をリセットした時に、前記表示部を用いて前記比較結果に基づく表示と異なる表示を行うこと」に相当する構成を備えているといえる。
(キ)引用発明では、「マイコン10aは、上記の警報通知処理を行うための警報レベル情報を予めメモリに保持しておき、ガス使用量の積算値が上記警報レベルに至った時点で警報処理を実行し、警報処理は、・・・表示部13のセキュリティ表示機能13aによって、警報レベルにまで容器残量が減ったことを知らせる表示を行うようにし、」「警報レベルは、複数段階で設定し、例えば、容器の容量が100Lであるとき、容器内のガスの使用量が50L,70Lの2レベルに該当する警報レベルを予め設定しておき、ガス使用量の積算値が上記の警報レベルに該当する値に達した時点で、上記のような所定の警報通知処理を実行」する(【0025】、【0026】)ので、50Lと70Lの各レベルにおいて異なる警告表示でなければ、「50L」の「レベルに該当する」「警報レベルにまで容器残量が減ったこと」、「70L」の「レベルに該当する」「警報レベルにまで容器残量が減ったこと」「を知らせる」ことはできない。そうすると、引用発明では、「警報レベルは、複数段階で設定」されており、「表示部13」は、各「警報レベルにまで容器残量が減ったことを知らせる表示を行うように」、各「警報レベル」で異なる警告表示を行うこと、言い換えると、各「警報レベル」に応じて警告表示を変更していることは自明である。
してみると、引用発明は、本件補正発明の「前記表示部における前記比較結果に基づく表示は点滅表示であり、前記積算値をリセットした時の表示は点灯表示であり、
前記所定値は複数の値が設定されており、前記表示部は、前記積算値と複数の前記所定値との比較結果に応じて、点滅表示の点灯時間及び/又は消灯時間を変更する」ことと、
「前記所定値は複数の値が設定されており、前記表示部は、前記積算値と複数の前記所定値との比較結果に応じて、」「表示」「を変更する」ことの点で共通する構成を備えているといえる。
(ク)引用発明の「ガスメータ1」は、本件補正発明の「ガスメータ」に相当する。
イ 一致点・相違点
上記アの対比から、本件補正発明と引用発明とは、次の(ア)の点で一致し、次の(イ)の各点で相違する。
(ア)一致点
「ガスの流量を計測する流量計測部と、
前記流量計測部で計測されたガスの流量を積算する積算部と、
前記積算部で積算された積算値と所定値とを比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づく表示を行う表示部と、
前記積算部の積算値をリセットする為の操作部と、
を備え、
前記操作部の操作により積算値をリセットした時に、前記表示部を用いて前記比較結果に基づく表示と異なる表示を行」い、
「前記所定値は複数の値が設定されており、前記表示部は、前記積算値と複数の前記所定値との比較結果に応じて、」「表示」「を変更するガスメータ。
(イ)相違点
a 相違点1
比較結果に基づく表示と、リセットした時の前記比較結果に基づく表示と異なる表示について、本件補正発明では、「前記表示部における前記比較結果に基づく表示は点滅表示であり、前記積算値をリセットした時の表示は点灯表示であ」るのに対し、引用発明では、「警告表示」がどのような表示であり、「リセット」した時の「警告表示」と異なる表示がどのような表示であるか、不明である点。
b 相違点2
積算値と複数の所定値との比較結果に応じた表示の変更について、本件補正発明では、前記積算値と複数の前記所定値との比較結果に応じて、「点滅表示の点灯時間及び/又は消灯時間」を変更するのに対し、引用発明では、各「警報レベル」に応じて「警告表示」をどのように変更するのか、不明である点。
ウ 判断
上記各相違点について検討する。
(ア)相違点1について
「ガスメータにおいて、ガス容器内のガス残量が少なくなったことを知らせる警告表示を点滅表示とし、積算値をリセットした時の表示を消灯表示とすること」は、例えば引用文献3(上記(2)エ)などに記載されているように周知技術(以下「周知技術1」という。)である。また、「ガスメータにおいて、ガス容器のガス残量カウンタの積算値がリセットされたことを容易に確認できるように、リセットした時の表示を点灯表示とすること」は、例えば引用文献7(上記(2)ク)などに記載されているように周知技術(以下「周知技術2」という。)である。そして、引用発明では、ガス容器内のガス残量が少なくなったことを知らせる「警告表示」がどのような表示であり、ガス容器のガス残量カウンタの積算値を「リセット」した時の表示がどのような表示であるか、不明であることから、引用発明において、これらの表示を具現化する動機付けがある。
してみれば、引用発明において、上記周知技術1、2を適用し、「警告表示」を点滅表示とし、「リセット」した時の「警告表示」と異なる表示を点灯表示とすることで、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が適宜になし得たことである。
(イ)相違点2について
ガスメータは、表示手段の表示面積が限られていることから、その表示数を必要最小限とすることは文献を挙げるまでもなく周知の課題であるところ、「ガスメータにおいて、表示手段の表示数を増やすことなく複数の指示を表示するために、点滅表示を、点灯時間と消灯時間を変更して複数の点滅パターンとすること」は、例えば引用文献6(上記(2)キ)などに記載されているように周知技術(以下「周知技術3」という。)である。そして、上記(ア)にて説示したとおり、引用発明において、「警告表示」を点滅表示とすることは、当業者が適宜になし得たことであることを踏まえると、引用発明はガスメータであるから、上記周知の課題の下、ガス容器内のガス残量が少なくなったことを段階的に知らせる各「警報レベル」に応じた複数の「警告表示」を、複数の点滅表示を用いて表示手段の表示数を増やすことなく具現化する動機付けがある。
してみれば、引用発明において、上記周知技術3を適用し、ガス容器内のガス残量が少なくなったことを段階的に知らせる、各「警報レベル」に応じた複数の「警告表示」に用いる複数の点滅表示を、点灯時間と消灯時間を変更して複数の点滅パターンとすることで、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が適宜になし得たことである。
(ウ)そして、本件補正発明により奏される効果は、当業者が、引用発明及び上記周知技術1~3から予測し得た範囲内のものであって、格別顕著なものではない。
エ 請求人の主張
(ア)請求人の主張について
審判請求書(「(3)本願発明が特許されるべき理由」の欄)における主張は、次のとおりである。
「(構成A)
「表示部における比較結果に基づく表示は点滅表示であり、積算値をリセットした時の表示は点灯表示である」
引用文献1-6には、ガス容器のガス補充や交換作業の完了後に、ガスの残量カウントをリセットしたときの表示部の表示態様が消灯であることは開示されているが、上記構成Aに含まれる、積算値をリセットした時の表示が点灯表示であることについては記載も示唆もない。
また、本願発明は、上記構成Aを有することにより、積算値をリセットした時の表示が消灯表示である場合と比較して、積算値をリセットした場合における表示部の視認性が向上するという、引用文献1-6に対する有利な効果を奏する。」
(イ)当審の見解
上記(ア)の主張について検討する。
引用発明において、「警告表示」を点滅表示とし、「リセット」した時の「警告表示」と異なる表示を点灯表示とすることが、容易想到であることは、上記ウ(ア)において説示したとおりである。そして、消灯表示より点灯表示の方が、明るさの認識が可能である分、表示確認をする作業者の視認性が高くなることは、当業者にとって自明なことにすぎないから、積算値をリセットした時の表示が消灯表示である場合と比較して、積算値をリセットした場合における表示部の視認性が向上するという、本件補正発明の効果は、当業者が、引用発明及び上記周知技術1~3から予測し得る程度の効果にすぎず、当該主張は採用できない。
オ 小括
よって、本件補正発明は、引用発明及び上記周知技術1~3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和7年8月4日にされた手続補正(本件補正)は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和7年4月7日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2の1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
本願発明(本願の請求項1に係る発明)に対する原査定の理由は 、本願出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2~6などに例示される周知技術に基づいて、本願出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
記
引用文献1:特開2006-17516号公報
引用文献2:特開昭63-318400号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3:特開2005-32695号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:特開2001-241989号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5:特開2002-257612号公報(周知技術を示す文献)
引用文献6:特開2020-106486号公報(周知技術を示す文献)
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献及びその記載事項は、上記第2の2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記第2の2で検討した本件補正発明の「前記積算値をリセットした時の表示」に係る「点灯表示」に、さらに「前記比較結果に基づく点滅表示以外」という択一的記載の要素を付加して拡張したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とを比較すると、両者は、上記相違点1に代わる次の相違点Aと、上記相違点2において相違する。
(相違点A)
比較結果に基づく表示と、リセットした時の前記比較結果に基づく表示と異なる表示について、本願発明では、「前記表示部における前記比較結果に基づく表示は点滅表示であり、前記積算値をリセットした時の表示は点灯若しくは前記比較結果に基づく点滅表示以外であ」るのに対し、引用発明では、「警告表示」がどのような表示であり、「リセット」した時の「警告表示」と異なる表示がどのような表示であるか、不明である点。
そこで上記相違点Aについて検討すると、引用発明では、ガス容器内のガス残量が少なくなったことを知らせる「警告表示」がどのような表示であり、ガス容器のガス残量カウンタの積算値を「リセット」した時の表示がどのような表示であるか、不明であることから、引用発明において、これらの表示を具現化する動機付けがある。
してみれば、引用発明において、上記周知技術1を適用し、「警告表示」を点滅表示とし、「リセット」した時の「警告表示」と異なる表示を消灯表示とすることで、上記相違点Aに係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜になし得たことである。
したがって、上記相違点2についての判断に変更はないことから、本願発明は、引用発明及び上記周知技術1、3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-012224