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特許異議申立

2024-700663

ウインドレギュレータ及びガイドレールの取付け方法

審判番号
2024-700663
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-044561
登録番号
7416541
請求日
2024年07月16日
審決日
2025年10月14日
公報発行日
2026年03月27日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社城南製作所
  • 【権利者代理人】弁理士法人平田国際特許事務所
  • 【異議申立人】ジュネスプロパティーズ 株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 有家 秀郎
  • 審判官 立澤 正樹
  • 審判官 山本 一
分類
P1651.121-ZDA(E05F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第29条、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7416541号発明「ウインドレギュレータ及びガイドレールの取付け方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7416541号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項1、2について訂正することを認める。 特許第7416541号の請求項2に係る特許を取り消す。 同請求項1に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7416541号の請求項1~2に係る特許についての出願から現在までの手続の経緯の概略は次のとおりである。 令和4年 3月18日 :出願(特願2022-44561号) 令和6年 1月 9日 :特許権の設定登録 同月17日 :特許掲載公報の発行 同年 7月16日 :請求項1~2に係る特許に対する特許異議 申立人 ジュネスプロパティーズ株式会社 (以下「申立人」という。)による特許異 議の申立て 同年 9月20日付け :取消理由通知書 同年11月25日受付け:特許権者による意見書及び訂正請求書の提 出 同年12月 9日付け :申立人に対する訂正請求があった旨の通知 令和7年 1月 9日 :申立人による意見書の提出 同年 3月25日付け :取消理由通知書(決定の予告) 同年 5月21日受付け:特許権者による意見書及び訂正請求書の提 出 同年 6月 3日付け :申立人に対する訂正請求があった旨の通知 同年 7月 7日 :申立人による意見書の提出 なお、令和6年11月25日受付けの訂正の請求は、令和7年5月21日受付けで新たな訂正請求がされたため、特許法120条の5第7項の規定により、取り下げたものとみなす。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容について 令和7年5月21日(受付日)にされた訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正(以下「本件訂正」という。)の趣旨は、特許第7416541号の特許請求の範囲及び明細書を、本件訂正請求の訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)に添付した訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであって、その内容は、次の訂正事項1~訂正事項4からなるものである(下線は訂正箇所を示すために合議体が付した。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「 車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、 前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、 前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、 回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、 前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、 前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、 前記ドラムハウジングには、 前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、 前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁と、 前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁と、が形成され、 前記ドラムハウジングは、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されていることを特徴とするウインドレギュレータ。」 と記載されているのを、 「 車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられると共に前記車両の車室外側に湾曲したガイドレールと、 前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、 前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、 回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、 前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、 前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、 前記ドラムハウジングには、 前記ガイドレールの湾曲に合わせて前記車室外側に傾いて形成されると共に、前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、 前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成されると共に、前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いたガイド面を有し、前記平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁と、 前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁と、が形成され、 前記ドラムハウジングは、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁の前記ガイド面及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されていることを特徴とするウインドレギュレータ。」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に 「 請求項1に記載のウインドレギュレータにおける、前記ガイドレールを前記ドラムハウジングに取り付けるガイドレールの取付け方法であって、 前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ接触させた後、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入することを特徴とするガイドレールの取付け方法。」 と記載されているのを、独立形式に改めて、 「 車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、 前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、 前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、 回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、 前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、 前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、 前記ドラムハウジングには、 前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、 前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁と、 前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁と、が形成され、 前記ドラムハウジングは、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されているウインドレギュレータにおける、前記ガイドレールを前記ドラムハウジングに取り付けるガイドレールの取付け方法であって、 自動機によって、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させ、その後、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させた状態のまま、前記ガイドレールを前記側板部側にスライドさせて、前記側板部を前記第2嵌合ガイド壁に接触させた後、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入することを特徴とするガイドレールの取付け方法。」に訂正する。 (3)訂正事項3 願書に添付した明細書の段落【0006】に 「 【0006】 本発明は、上記目的を達成するため、車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、前記ドラムハウジングには、前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁と、前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁と、が形成されていることを特徴とするウインドレギュレータを提供する。」と記載されているのを、 「 【0006】 本発明は、上記目的を達成するため、車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられると共に前記車両の車室外側に湾曲したガイドレールと、前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、前記ドラムハウジングには、前記ガイドレールの湾曲に合わせて前記車室外側に傾いて形成されると共に、前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成されると共に、前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いたガイド面を有し、前記平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁と、前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁と、が形成され、前記ドラムハウジングは、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁の前記ガイド面及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されていることを特徴とするウインドレギュレータを提供する。」に訂正する。 (4)訂正事項4 願書に添付した明細書の段落【0007】に 「 【0007】 また、本発明は、上記目的を達成するため、上記のウインドレギュレータにおける、前記ガイドレールを前記ドラムハウジングに取り付けるガイドレールの取付け方法であって、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ接触させた後、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入することを特徴とするガイドレールの取付け方法を提供する。」と記載されているのを、 「 【0007】 また、本発明は、上記目的を達成するため、車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、前記ドラムハウジングには、前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁と、前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁と、が形成され、前記ドラムハウジングは、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されているウインドレギュレータにおける、前記ガイドレールを前記ドラムハウジングに取り付けるガイドレールの取付け方法であって、自動機によって、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させ、その後、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させた状態のまま、前記ガイドレールを前記側板部側にスライドさせて、前記側板部を前記第2嵌合ガイド壁に接触させた後、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入することを特徴とするガイドレールの取付け方法を提供する。」に訂正する。 2 訂正の目的について (1)訂正事項1 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられ」る「ガイドレール」について、「前記車両の車室外側に湾曲した」形状であることを限定し(以下「訂正事項1-1」という。)、訂正前の請求項1の「前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴」について、「前記ガイドレールの湾曲に合わせて前記車室外側に傾いて形成される」形状であることを限定し(以下「訂正事項1-2」という。)、訂正前の請求項1の「前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され」る「第1嵌合ガイド壁」について、「前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いたガイド面を有」するものである構造に限定する(以下「訂正事項1-3」という。)とともに、「前記ドラムハウジングは、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されている」構成において、「前記平板部」を摺接させる対象を、「前記第1嵌合ガイド壁」から、「前記第1嵌合ガイド壁の前記ガイド面」に限定する(以下「訂正事項1-4」という。)訂正である。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)訂正事項2 訂正事項2のうち、訂正前の請求項2において「請求項1に記載のウインドレギュレータ」とあるのを、「車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、・・・前記ドラムハウジングは、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されているウインドレギュレータ」とする訂正(以下「訂正事項2-1」という。)は、訂正前の請求項2が訂正前の請求項1を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消して請求項1を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であり、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 また、訂正事項2のうち、訂正前の請求項2において「前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ接触させた後、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入する」とあるのを、「自動機によって、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させ、その後、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させた状態のまま、前記ガイドレールを前記側板部側にスライドさせて、前記側板部を前記第2嵌合ガイド壁に接触させた後、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入する」とする訂正(以下「訂正事項2-2」)は、「前記平板部及び前記側板部」を「前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ接触させ」、「前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら・・・前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入する」工程において、「前記平板部及び前記側板部」の具体的な接触の順序を限定するとともに、「前記平板部及び前記側板部」の接触及び摺接並びに「ガイドレール」の挿入を行う手段を限定する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (3)訂正事項3 訂正事項3は、前記訂正事項1に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項3は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (4)訂正事項4 訂正事項4は、前記訂正事項2に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正である。よって、訂正事項3は特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 3 新規事項追加の有無について 訂正事項1~4について、願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下「明細書等」という)に記載した事項の範囲内の訂正であるかを、判断する。 (1)訂正事項1及び3 ア 訂正事項1-1 明細書等【0017】には、「図1及び図3に示すように、ガイドレール11は、長板状の金属板を所定の曲率で車室外側に湾曲させて形成されており」との記載があるから、明細書等には、「ガイドレール」が、「車両の車室外側に湾曲した」形状であることが記載されている。 イ 訂正事項1-2 明細書等【0012】には、「車両の車幅方向とウインドレギュレータの前後方向とが一致し」とあり、一般に車室が車幅方向外側に膨らんだ空間であるとの技術常識を踏まえれば、【図3】より、前側が車室外側であることは明らかである。そして、明細書等【0028】には、「嵌合穴73は、ガイドレール11の湾曲に合わせて、前側に傾いて形成されており、これに合わせて、第1嵌合ガイド壁81及び第2嵌合ガイド壁82も、前側に傾いて形成されている。」との記載があるから、明細書等には、「嵌合穴」が、「ガイドレールの湾曲に合わせて」「車室外側に傾いて形成される」形状であることが記載されている。 ウ 訂正事項1-3 明細書等の【0028】には、「嵌合ガイド部75は、嵌合穴73の後内面73aを上側(挿入方向手前側)に延長するように、嵌合穴73の縁から延出して形成された板状の第1嵌合ガイド壁81と、嵌合穴73の右内面73bを上側に延長するように、嵌合穴73の縁から延出して形成された板状の第2嵌合ガイド壁82と、を一体として有している。嵌合穴73の後内面73aは、ガイドレール11の底板部31の後面の対面する内面であり、嵌合穴73の第1の内面の一例である。」との記載があり、同【0029】には、「第1嵌合ガイド壁81の前面は、嵌合穴73の後内面73aと段差無く連続して形成されており、第1嵌合ガイド壁81の前面が、前後方向において、ガイドレール11の底板部31を嵌合穴73内にガイドするガイド面となっている。」との記載があるから、明細書等には、「嵌合穴73の後内面73aを延長するように、嵌合穴73の縁から延出して形成された」「第1嵌合ガイド壁」が、後内面73aを指す「第1の内面」と「段差無く連続し」、かつ、前記イも踏まえると、「第1の内面に倣って」「車室外側に傾いたガイド面を有」することが記載されている。 エ 訂正事項1-4 願書に添付した明細書等の【0018】には、「なお、本実施形態においては、底板部31が、第1嵌合ガイド壁81にガイドされる平板部であり、」と記載され、同【0029】には、「第1嵌合ガイド壁81の前面は、嵌合穴73の後内面73aと段差無く連続して形成されており、第1嵌合ガイド壁81の前面が、前後方向において、ガイドレール11の底板部31を嵌合穴73内にガイドするガイド面となっている。そのため、ガイドレール11の底板部31を第1嵌合ガイド壁81の前面に摺接させながら、ガイドレール11を嵌合穴73側に移動させることで、ガイドレール11の底板部31が、前後方向において嵌合穴73内にガイドされ、嵌合穴73内に挿入されるようになっている。」と記載され、同【0040】には、「底板部31及び右側板部32を、第1嵌合ガイド壁81及び第2嵌合ガイド壁82にそれぞれ接触させたら、図10(c)に示すように、底板部31及び右側板部32を、第1嵌合ガイド壁81及び第2嵌合ガイド壁82にそれぞれ摺接させながら、ガイドレール11を嵌合穴73側に移動させることで、ガイドレール11の下端部を嵌合穴73に挿入する。」と記載されているから、ガイドレールの「平板部」を「第1嵌合ガイド壁の前面」である「ガイド面」に摺接させることは、明細書等に記載されている。 オ 訂正事項1のまとめ 前記ア~エより、前記訂正事項1は、願書に添付した明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導かれる技術事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものとはいえない。 カ 訂正事項3 訂正事項3は、【0006】の記載を訂正後の請求項1の内容とする訂正であるから、訂正事項1と同様であり、願書に添付した明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導かれる技術事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものとはいえない。 (2)訂正事項2及び4 ア 訂正事項2-1 訂正事項2-1は、訂正前の請求項1に記載されていた内容を請求項2に追加するものであり、願書に添付した明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導かれる技術事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。 イ 訂正事項2-2 明細書等の【0037】~【0040】には、「第2ガイドレール取付け動作について説明する。・・・第2ガイドレール取付け動作では、図10(a)に示すように、ガイドレール11の下端において、底板部31を第1嵌合ガイド壁81に接触させる。具体的には、底板部31の後面を、第1嵌合ガイド壁81の前面に接触させる。・・・その後、図10(b)に示すように、底板部31を第1嵌合ガイド壁81に接触させた状態のまま、ガイドレール11を右方向にスライドさせて、ガイドレール11の下端において、右側板部32を第2嵌合ガイド壁82に接触させる。・・・底板部31及び右側板部32を、第1嵌合ガイド壁81及び第2嵌合ガイド壁82にそれぞれ接触させたら、図10(c)に示すように、底板部31及び右側板部32を、第1嵌合ガイド壁81及び第2嵌合ガイド壁82にそれぞれ摺接させながら、ガイドレール11を嵌合穴73側に移動させることで、ガイドレール11の下端部を嵌合穴73に挿入する。」との記載があるから、「平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させ、その後、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させた状態のまま、前記ガイドレールを前記側板部側にスライドさせて、前記側板部を前記第2嵌合ガイド壁に接触させ」た後、ガイドレールを前記嵌合穴に挿入することは、明細書等に記載がある。 また、明細書等の【0041】には、「ガイドレール11の底板部31及び右側板部32を第1嵌合ガイド壁81及び第2嵌合ガイド壁82に接触させるだけで、ガイドレール11の挿入時の左右方向及び前後方向の位置合わせを行うことができる。よって、ガイドレール11の取付け作業性を向上させることができる。これは、第2ガイドレール取付け動作の自動化の観点でも有効に作用する。」との記載があるから、「自動機によって」、ガイドレール11の取付け作業を行うことも示唆があるといえる。 したがって、前記訂正事項2-2は、願書に添付した明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導かれる技術事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものとはいえない。 ウ 訂正事項4 訂正事項4は、【0007】の記載を訂正後の請求項2の内容とする訂正であるから、訂正事項2と同様であり、願書に添付した明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導かれる技術事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものとはいえない。 (3)前記(1)及び(2)のとおりであるから、訂正事項1~4に係る訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 4 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (1)訂正事項1 前記2(1)で説示したとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明について限定を行うものであり、発明のカテゴリーや対象又は目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2 前記2(2)で説示したとおり、訂正事項2は、訂正前の請求項2に係る発明について限定を行うものであり、発明のカテゴリーや対象又は目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項3及び4 前記2(3)及び(4)で説示したとおり、訂正事項3及び4は、いずれも、明細書における特許請求の範囲と整合しない記載について、記載を整合させるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 5 独立特許要件について 本件においては、訂正前の請求項1及び2について特許異議の申立てがされているので、訂正事項1及び2により請求項1及び2について特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正後の請求項1及び2に係る発明について、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 6 一群の請求項及び別の訂正単位とする求め 訂正前の請求項1及び2について、請求項2は請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1及び2に対応する訂正後の請求項1及び2は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 そして、訂正事項1~4により、本件訂正前の請求項1及び2に係る発明についてする本件訂正は、一群の請求項1及び2に係る発明について、訂正をするものである。 また、訂正後の請求項2について、特許権者は、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別の訂正単位とすることを求めている。 7 小括 以上のとおり、本件訂正請求による訂正事項1~4は、特許法120条の5第2項ただし書1号、3号又は4号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条9項で準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するから、訂正事項1~4に係る訂正は、認めることができる。 そして、本件訂正は、一群の請求項である訂正後の請求項〔1-2〕に対して請求されたものであるところ、訂正後の請求項2について、別の訂正単位とする求めも、認めることができる。 したがって、特許請求の範囲及び明細書を、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項1、2について、訂正することを認める。 第3 本件訂正発明 前記第2のとおり、本件訂正請求による訂正は全て認められたので、本件特許の請求項1及び2に係る発明(以下それぞれ「本件訂正発明1」及び「本件訂正発明2」といい、まとめて「本件訂正発明」という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられると共に前記車両の車室外側に湾曲したガイドレールと、 前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、 前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、 回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、 前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、 前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、 前記ドラムハウジングには、 前記ガイドレールの湾曲に合わせて前記車室外側に傾いて形成されると共に、前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、 前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成されると共に、前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いたガイド面を有し、前記平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁と、 前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁と、が形成され、 前記ドラムハウジングは、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁の前記ガイド面及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されていることを特徴とするウインドレギュレータ。 【請求項2】 車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、 前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、 前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、 回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、 前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、 前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、 前記ドラムハウジングには、 前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、 前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁と、 前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成され、前記側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁と、が形成され、 前記ドラムハウジングは、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されているウインドレギュレータにおける、前記ガイドレールを前記ドラムハウジングに取り付けるガイドレールの取付け方法であって、 自動機によって、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させ、その後、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させた状態のまま、前記ガイドレールを前記側板部側にスライドさせて、前記側板部を前記第2嵌合ガイド壁に接触させた後、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入することを特徴とするガイドレールの取付け方法。」 第4 証拠方法、特許異議申立理由の概要、及び先の取消理由の概要 1 証拠方法 申立人が提出した証拠は、以下のとおりである。以下「甲第1号証」、「甲第2号証」をそれぞれ「甲1」、「甲2」といい、「甲第3号証の1」~「甲第3号証の3」及び「甲第4号証の1」~「甲第4号証の2」を、それぞれ「甲3の1」~「甲3の3」及び「甲4の1」~「甲4の2」という。 (1)特許異議申立書に添付して提出 甲第1号証:特開2019-143401号公報 甲第2号証:特開2015-121063号公報 (2)令和7年7月7日の意見書に添付して提出 甲第3号証の1:申立人が令和7年7月1日に撮影した「ウインドレギュレータ 79R」の写真 甲第3号証の2:スズキ株式会社が配布する、スペーシア(MK53S)のリアドアレギュレータに関するFig.834Aと、レギュレータ79Rが記載された物品リスト 甲第3号証の3:ウェブサイト「CarWatch」の「写真で見るスズキ「スペーシア」「スペーシアカスタム」(車両形式:DAA-MK53S)」と題された記事の印刷物 (URL:https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/1096463.html) 甲第4号証の1:申立人が令和7年7月1日に撮影した「ウインドレギュレータ TLA」の写真 甲第4号証の2:ウェブサイト「HondaPartsNow.com」のHonda72210-TLA-A11のページの印刷物(URL: https://www.hondapartsnow.com/genuine/honda_regulator_assy_r_fr_door_power_72210-tla-a11.html) 2 特許異議申立理由の概要(進歩性欠如) 本件特許の請求項1~2に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであって、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 3 先の取消理由の概要 当審より、令和7年3月25日付け取消理由通知書において通知した、先の取消理由(決定の予告)の概要は、以下のとおりである。 (1)取消理由1(進歩性欠如) 請求項1及び2に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲2に例示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであって、同法113条2号に該当し、取り消されるべきである。 第5 当審の判断 1 甲号証について (1)甲1 ア 甲1記載事項 甲1には、以下の記載がなされている。なお、下線部は合議体が付した。 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、ウインドレギュレータに関する。 【背景技術】 【0002】 従来の技術として、窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、ガイドレールに摺動して案内されるキャリアプレートと、キャリアプレートを牽引するワイヤと、ガイドレールの下端に設けられてモータ及びドラムを保持するハウジングと、を備えるウインドレギュレータが知られている(例えば、特許文献1参照)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2015-48605号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで、近年の車両ドアの薄型化及び軽量化に伴って、ウインドレギュレータが格納されるドアパネル内の収容スペースが狭くなるため、小型軽量のウインドレギュレータが望まれている。 【0005】 そこで、本発明では、軽量化を図ることができるウインドレギュレータを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明は、上記課題を解決することを目的として、車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられるガイドレールと、前記ガイドレールと摺動して前記窓ガラスと共に移動するキャリアプレートと、前記キャリアプレートを牽引するケーブルと、モータによって回転駆動するドラムと、前記ドラムを収容するドラムハウジング、及び前記ドラムハウジングに固定されて前記モータの一部を収容するモータハウジングからなるハウジングと、を備え、前記ドラムハウジングには、前記ガイドレールの下端が嵌合する嵌合穴が形成された嵌合部と、前記モータハウジングが締結される締結孔と、が設けられ、前記ドラムハウジングの前記締結孔が、前記車両の前後方向において、前記ガイドレールと重なる位置に設けられている、ウインドレギュレータを提供する。 【発明の効果】 【0007】 本発明に係るウインドレギュレータによれば、軽量化を図ることができる。」 (イ)「【0009】 (実施の形態の要約) 本実施の形態に係るウインドレギュレータ1は、車両の窓ガラス90の昇降方向に沿って設けられるガイドレール2と、ガイドレール2と摺動して窓ガラス90と共に移動するキャリアプレート3と、キャリアプレート3を牽引するケーブル(41,42)と、モータ51によって回転駆動するドラム52と、ドラム52を収容するドラムハウジング53、及びドラムハウジング53に固定されてモータ51の一部を収容するモータハウジング54からなるハウジング50と、を備え、ドラムハウジング53には、ガイドレール2の下端が嵌合する嵌合穴532aが形成された嵌合部532と、モータハウジング54が締結される締結孔(533a)と、が設けられ、ドラムハウジング53の締結孔(533a)が、車両の前後方向において、ガイドレール2と重なる位置に設けられている。」 (ウ)「【0014】 (ガイドレール2の構成) ガイドレール2は、長板状の金属板を所定の曲率で折り曲げて形成され、ドア9に対して車両前後方向の後方側に傾いて配置されている。また、ガイドレール2は、その長手方向に延びる平板部20と、平板部20における長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された第1及び第2の側板部21,22と、第2の側板部22の先端から平板部20とは反対側に張り出した鍔部23と、を一体に有している(後述する図6参照)。第1及び第2の側板部21,22のうち、第1の側板部21が車両前後方向の前方側に配置されている側板部である。図2では、第1及び第2の側板部21,22が紙面の手前側に突出している。 ・・・ 【0016】 (上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42の構成) 上昇側ケーブル41は、一端部がキャリアプレート3に連結され、ガイドレール2の上端に配置されたプーリー24を介して、他端部が後述する駆動部5のドラム52に連結されている。下降側ケーブル42は、一端部がキャリアプレート3に連結され、他端部がドラム52に連結されている。プーリー24は、ガイドレール2の上端に固定されたプーリーブラケット240に軸支されている。プーリーブラケット240は、ブラケット用ボルト900(図4に示す)によってドアパネルに固定されている。」 (エ)「【0018】 (駆動部5の構成) 駆動部5は、減速機付きのモータ51と、モータ51によって回転駆動され、回転することにより上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42の巻き取り及び繰り出しを行う円筒状のドラム52(図2及び3の破線部)と、ガイドレール2の下端に設けられ、モータ51を保持すると共にドラム52を収容するドラムハウジング53及び、ドラムハウジング53に固定されてモータ51の一部を収容するモータハウジング54からなるハウジング50を有している。」 (オ)「【0022】 図4に示すように、ドラムハウジング53は、車両の車幅方向における車室内側に位置し、車室外側にモータハウジング54は、車両の車幅方向における車室外側に位置している。ドラムハウジング53は、ガイドレール2の下端に嵌合している。また、ドラムハウジング53は、パネル取付用ボルト901,902によって図略のドアパネルに固定されている。 【0023】 (ドラムハウジングの詳細) 図5は、ドラムハウジング53の構成を示す平面図であり、(a)は上面図であり、(b)は正面図であり、(c)は左側面図であり、(d)は右側面図であり、(e)は底面図であり、(f)は背面図である。 【0024】 ドラムハウジング53は、ドラム52を収容するドラム収容部531と、ガイドレール2が嵌合する嵌合穴532aが形成された嵌合部532と、モータハウジング54が締結される第1乃至第3の固定孔533a~533cと、を有している。なお、第1の固定孔533aが本発明における「締結孔」に相当する。 【0025】 図5(b)に示すように、ドラム収容部531は、車両の車幅方向における車室外側に開口した円筒状の凹溝である。ドラム収容部531には、ドラム52の回転軸Q方向に沿って突出してドラム52を軸支する軸531aが設けられている。また、ドラム収容部531には、ドラム52を収容する空間に連通して、ドラム52に巻き回された上昇側ケーブル41、下降側ケーブル42を外部に導出する第1及び第2導出溝531b,531cが形成されている。 【0026】 ドラムハウジング53には、車両の前後方向に沿ってドラム収容部531を挟む位置に設けられ、パネル取付用ボルト901,902を挿通するためのボルト挿通孔534a,534bが設けられている。 【0027】 ドラムハウジング53の嵌合部532は、ドラム収容部531の上部に設けられて車両の車幅方向において所定の厚みを有する板状である。 【0028】 第1の固定孔533aには、モータハウジング54と対向する正面53aとは反対側の背面53b側からボルト81が締結されるナット9aが取り付けられている。同様に、第2及び第3の固定孔533b,533cには、それぞれ、ドラムハウジング53の背面53b側からボルト82,83が締結されるナット9b,9cが取り付けられている。 【0029】 図5(a)に示すように、ドラムハウジング53の嵌合穴532aは、ガイドレール2の長手方向に深さを有する穴であり、嵌合部532の上面が開口している。嵌合穴532aと、第1の固定孔533aとは連通している。 【0030】 第1乃至第3の固定孔533a~533cは、それぞれの中心点を結んでできた仮想三角形内にドラム収容部531が収まるように配置されている。 【0031】 第1の固定孔533aは、嵌合部532に設けられ、車両の車幅方向に沿って貫通して、ボルト81が挿通する挿通孔である。また、ドラムハウジング53の第1の固定孔533aが、車両の前後方向において、ガイドレール2と重なる位置に設けられている。この構成により、第1の固定孔533aがガイドレール2と重ならない位置に設けられている場合に比較して、ドラムハウジング53の車両の前後方向における体積を減ずることができる。 【0032】 図5(f)に示すように、ドラムハウジング53がモータハウジング54と対向する正面53aとは反対側の背面53bには、車両の車幅方向の車室内側に開口した開口部が、モータハウジング54をドラムハウジング53に締結するための締結部材としてのナット9aを第1の固定孔533aに挿入するための挿入穴530として形成されている。ナット9a~9cは、第1乃至第3の固定孔533a~533cに対して、例えば圧入によって固定される。 【0033】 (ドラムハウジングの挿入穴) 図6(a)は、ドラムハウジング53の挿入穴530及びその周辺部を拡大した拡大図であり、図6(b)は、ドラムハウジング53の挿入穴530内におけるガイドレール2の支持構造を模式的に示した断面図である。 【0034】 図6(a)に示すように、ドラムハウジング53の挿入穴530の内側には、嵌合穴532aに嵌合したガイドレール2の下端が接触する底面530aから立ち上がって隆起した隆起部535と、隆起部535と隙間を介した位置に設けられた第1の壁部536及び第2の壁部537が形成されている。 【0035】 図6(b)に示すように、隆起部535には、ガイドレール2の平板部20と接触する一対の第1突起535aと、ガイドレール2の第1の側板部21に接触する一対の第2突起535bが設けられている。 【0036】 第1の壁部536は、ガイドレール2の第2の側板部22を隆起部535と挟み込むように配置されている。第2の壁部537は、ガイドレール2の平板部20を隆起部535と挟み込むように配置されている。 【0037】 ガイドレール2は、挿入穴530内において、一対の第1突起535a、一対の第2突起535b、隆起部535、第1及び第2の壁部536,537によって強固に支持されている。これら一対の第1突起535a、一対の第2突起535b、隆起部535、第1及び第2の壁部536,537は、ガイドレール2の車幅方向の動きを規制する規制部として設けられている。また、これらの構成のより、ガイドレール2のドラムハウジング53に対する取付強度が向上される。なお、上記した規制部の構成する部位の数及び形状については、ガイドレール2を支持できる構成であればよく、これに限定されない。」 (カ)「【図4】 [図:0001433054000001.jpg] 【図5】 [図:0001433054000002.jpg] 【図6】 [図:0001433054000003.jpg] 」 イ 甲1の記載から把握できる事項 (ア)前記ア(カ)の図5(f)と図6(a)とは、ドラムハウジング53の形状からみて、同じ向きであること、前記ア(オ)の段落【0032】の「ドラムハウジング53がモータハウジング54と対向する正面53aとは反対側の背面53b」との記載、及び図5(f)中の符号53bの位置を踏まえると、前記ア(カ)の図5(f)及び図6(a)から、ドラムハウジング53の背面53b側の壁面のうち、一部(図6(a)中、右側寄りの部分)には嵌合穴532aが開口する嵌合部532の上面を超える位置まで延出する部分(以下「延出部」という。)が存在し、延出部の一面は嵌合穴532a側を向くことが見て取れる。 (イ)前記ア(オ)の段落【0029】の「ドラムハウジング53の嵌合穴532aは、ガイドレール2の長手方向に深さを有する穴であり、嵌合部532の上面が開口している。」との記載を踏まえれば、前記ア(カ)の図5(b)正面図の532aが示す位置は,嵌合部532の上面位置を表すと認められる。そうすると、図5(c)の左側面図中の嵌合部532の上面を超える位置の背面53b側の壁面又は図5(d)の右側面図中の嵌合部532の上面を超える位置の背面53b側の壁面はそれぞれ、前記(ア)で言及した延出部と認められる。また、延出部には、前記ア(カ)の図6(a)中、中央右寄りの部分に正面53a側に向けて突出する部分(以下「突出部」という。)が存在することが見て取れる。そして、図5(c)の延出部から右向きに突出する部分及び図5(d)の延出部から左向きに突出する部分を合わせみれば、前記突出部は、延出部の上端から、嵌合部532の上面まで連続して形成されていることが見て取れる。 (ウ)前記ア(カ)の図5(a)の嵌合穴532aは、段落【0009】の記載より「ガイドレール2の下端が嵌合する」ものであることを踏まえ、ガイドレール2の形状が変わらないことに着目して図6(a)及び(b)の向きを整合させると、図6(a)を裏返して上から見た図に対応し、図6(b)を図中上下反転したガイドレール2が嵌合する形状の部分であることが把握できる。そうすると、図5(a)の嵌合穴532aのうちガイドレール2の平板部20が嵌合される部分から、ドラムハウジング53の背面53bに至るまでの部分に、上面視で視認される略板状の部材があることが見て取れ、図5(b)、(c)及び(d)の同位置にある部材を合わせ見れば、当該上面視で視認される略板状の部材は前記延出部を表すものと認められる。 (エ)また、前記ア(カ)の図5(a)の嵌合穴532aのガイドレール2の側板部21が嵌合される部分に隣接して、前記(ウ)に言及した延出部から連なり正面53a側に向けて突出する、上面視で視認される部材が存在することが見て取れ、図5(b)、(c)、(d)及び図6(a)の同位置にある部材を合わせ見れば、当該上面視で視認される部材は前記突出部を表すものと認められる。 (オ)前記(ウ)及び(エ)から、嵌合穴532aのガイドレール2の平板部20が嵌合される部分から、ドラムハウジング53の背面53bに至るまでの部分に、上面視で視認される略板状の部材である延出部があり、嵌合穴532aのガイドレール2の側板部21が嵌合される部分に隣接して、上面視で視認される部材である、延出部から連なり正面53a側に向けて突出する突出部があると認められる。 (カ)前記ア(オ)の段落【0034】の「ドラムハウジング53の挿入穴530の内側には、嵌合穴532aに嵌合したガイドレール2の下端が接触する底面530aから立ち上がって隆起した隆起部535と、隆起部535と隙間を介した位置に設けられた第1の壁部536及び第2の壁部537が形成されている」及び段落【0036】の「第2の壁部537は、ガイドレール2の平板部20を隆起部535と挟み込む」との記載を踏まえれば、前記ア(オ)の図6(a)及び(b)より、嵌合穴532aの下端付近には、第2の壁部537が、延出部と同じドラムハウジング53の背面53b側の壁面の一部として設けられ、ガイドレール2の平板部20に当接することが見て取れる。 (キ)前記ア(オ)の図6(a)及び(b)より、前記ア(オ)の段落【0034】、【0036】及び【0037】で下線を付した構成は、嵌合穴532aの下端付近の構成であることが見て取れる。 (ク)図5(b)、(c)、(d)及び図6(a)より、延出部と、延出部から突出する突出部は、延出部の方が大面積で形成されることが見て取れる。 (ケ)前記(ウ)【0016】の「プーリー24は、ガイドレール2の上端に固定されたプーリーブラケット240に軸支されている。」、前記(オ)【0022】の「ドラムハウジング53は、ガイドレール2の下端に嵌合している。」との記載を踏まえれば、前記ア(カ)の図4より、プーリーブラケット240の下からドラムハウジング53の上まで延びるガイドレール2が、車室外側に凸となるように湾曲することが見て取れる。 ウ 甲1に記載された発明 前記ア及びイより、甲1には、以下の2つの発明(以下それぞれを「甲1発明」及び「甲1方法発明」という。)が記載されていると認められる。 <甲1発明> 「ウインドレギュレータ1であって、 ウインドレギュレータ1は、車両の窓ガラス90の昇降方向に沿って設けられるガイドレール2と、ガイドレール2と摺動して窓ガラス90と共に移動するキャリアプレート3と、キャリアプレート3を牽引するケーブル41,42と、モータ51によって回転駆動するドラム52と、ドラム52を収容するドラムハウジング53、及びドラムハウジング53に固定されてモータ51の一部を収容するモータハウジング54からなるハウジング50と、を備え、ドラムハウジング53には、ガイドレール2の下端が嵌合する嵌合穴532aが形成された嵌合部532と、モータハウジング54が締結される締結孔533aと、が設けられ、ドラムハウジング53の締結孔533aが、車両の前後方向において、ガイドレール2と重なる位置に設けられており、 ガイドレール2は、その長手方向に延びる平板部20と、平板部20における長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された第1及び第2の側板部21,22と、第2の側板部22の先端から平板部20とは反対側に張り出した鍔部23と、を一体に有し、車室外側に凸となるように湾曲し、 円筒状のドラム52は、モータ51によって回転駆動され、回転することにより上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42の巻き取り及び繰り出しを行い、 ドラムハウジング53がモータハウジング54と対向する正面53aとは反対側の背面53bには、車両の車幅方向の車室内側に開口した開口部が、モータハウジング54をドラムハウジング53に締結するための締結部材としてのナット9aを第1の固定孔533aに挿入するための挿入穴530として形成され、 ドラムハウジング53の挿入穴530の内側には、嵌合穴532aの下端付近に、嵌合穴532aに嵌合したガイドレール2の下端が接触する底面530aから立ち上がって隆起した隆起部535と、隆起部535と隙間を介した位置に設けられた第1の壁部536及び第2の壁部537が形成され、第2の壁部537は、ガイドレール2の平板部20を隆起部535と挟み込むように配置され、ガイドレール2は、挿入穴530内において、一対の第1突起535a、一対の第2突起535b、隆起部535、第1及び第2の壁部536,537によって強固に支持され、 ドラムハウジング53の嵌合穴532aは、ガイドレール2の長手方向に深さを有する穴であり、嵌合部532の上面が開口し、 ドラムハウジング53の背面53b側の壁面のうち、一部には嵌合穴532aが開口する嵌合部532の上面を超える位置まで延出する部分(以下「延出部」という。)が存在し、延出部の一面は嵌合穴532a側を向き、 延出部には、正面53a側に向けて突出する部分(以下「突出部」という。)が存在し、当該突出部は、延出部の上端から、嵌合部532の上面まで連続して形成されており、 嵌合穴532aのガイドレール2の平板部20が嵌合される部分から、ドラムハウジング53の背面53bに至るまでの部分に、上面視で視認される略板状の部材である延出部があり、嵌合穴532aのガイドレール2の側板部21が嵌合される部分に隣接して、上面視で視認される部材である、延出部から連なり正面53a側に向けて突出する突出部があり、 嵌合穴532aの下端付近には、第2の壁部537が、延出部と同じドラムハウジング53の背面53b側の壁面の一部として設けられ、ガイドレール2の平板部20に当接し、 延出部と、延出部から突出する突出部は、延出部の方が大面積で形成される、 ウインドレギュレータ1」 <甲1方法発明> 「甲1発明に係るウインドレギュレータ1において、ガイドレール2をドラムハウジング53に取り付ける取付方法。」 (2)甲2 ア 甲2記載事項 甲2には、以下の記載がなされている。なお、下線部は合議体が付した。 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、車両のドアの窓ガラスを昇降するワイヤ式のウインドレギュレータに関する。」 (イ)「【0027】 また、第2の壁部642の壁面642aには、ガイドレール3の平板部30が第1嵌合溝661に、第1及び第2の鍔部321,322が第2嵌合溝662a,662bに、それぞれ嵌合された状態で、第1及び第2の側板部311,312をガイドレール3の幅方向に押圧する凸部64が設けられている。凸部64には、第2の側板部312の外面に接触する押圧面64aが形成されている。 ・・・ 【0037】 ガイドレール3をドラムハウジング6に嵌合する際、まず、第1の側板部311が第1の壁部641に、第2の側板部312が第2の壁部642に対向する。次に、第2の側板部312は、凸部64の先端面64b(図5(b)参照)に接触した上で、先端面64bによって押圧面64a側に案内される。そして、第2の側板部312の外面が凸部64の突出方向の先端面である押圧面64aに当接しながら第2の側板部312が第2の突き当て部632側に押し込まれると共に、第1の側板部311が第1の突き当て部631側に押し込まれる。したがって、第2の側板部312が第2の突き当て部642側に押し込まれる際、第2の側板部312の外面と凸部64の押圧面64aとが擦れ合う。」 イ 甲2に記載された事項 前記アより、甲2には、以下の記載事項(以下「甲2記載事項」という。)があると認められる。 「ガイドレールをドラムハウジングに嵌合する際に、ガイドレールの側板部が壁部に対向し、側板部は対向する壁部の押圧面に当接しながら押し込まれ、側板部が押し込まれる際、側板部の外面と押圧面とが擦れ合う、案内方法」 (3)甲3の1 甲3の1は、申立人が「ウインドレギュレータ 79R」を撮影したものとして提出する、写真6枚であり、1枚目の写真から6枚目の写真には、「図1」~「図6」と付記されている。 「図3」と付記された写真には、ガイドレールの部分に「79R-1」と刻印されている様子が示されている。 「図4」、「図5」及び「図6」と付記された写真は、以下のものである。 「図4 [図:0001433054000004.jpg] 図5 [図:0001433054000005.jpg] 」 「図6 [図:0001433054000006.jpg] 」 (4)甲3の2 甲3の2は、申立人が「スズキ株式会社が配布する、スペーシア(MK53S)のリアドアレギュレータに関するFig.834Aと、レギュレータ79Rが記載された物品リスト」として提出する2枚紙である。 1枚目の上の方には「MK53S フロントドアレギュレータ」と記載され、1枚目の中程には「FIG.834A」という図が示され、同図中のウィンドレギュレータ様の部材には「4・5」の図番が付されており、1枚目の下の方には「MK53S 834A」と記載されている。 2枚目の下から2段目の「46」の箇所には、「83401-79R00-レギュレータアッシ、フロントウィンド、ライト ・・・・ 834A 4」と記載され、2枚目の一番下の「47」の箇所には、「83402-79R00-レギュレータアッシ、フロントウィンド、レフト ・・・・834A 5」と記載されている。 (5)甲3の3 甲3の3は、「写真で見る スズキ 「スペーシア」「スペーシア カスタム」(車両形式:DAA-MK53S)と題された、ウェブ上の記事の印刷物であり、同記事中に「2017年12月14日」の日付が記載され、「今回発売となる新型が2代目」であることが記載されている。 (6)甲4の1 甲4の1は、申立人が「ウインドレギュレータ TLA」を撮影したものとして提出する、写真6枚であり、1枚目の写真から6枚目の写真には、「図1」~「図6」と付記されている。 「図3」と付記された写真には、ガイドレールの部分に「TLAFRA」と刻印されている様子が示されている。 「図5」、「図6」と付記された写真は、以下のものである。 図5 [図:0001433054000007.jpg] 図6 [図:0001433054000008.jpg] (7)甲4の2 甲4の2は、「HondaPartsNow.com」というウェブサイトの印刷物3枚であり、1枚目の上部には、ウィンドレギュレータ様の部品が図示された横に、「Honda 72210-TLA-A11 Regulator Assembly, Right Front Door(Power) 201702022 Honda 72210TLAA11」と記載されている。 2 本件訂正発明1について (1)対比 本件訂正発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「車両の窓ガラス90の昇降方向に沿って設けられるガイドレール2」は、本件訂正発明1の「車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられ」る「ガイドレール」に相当する。 また、甲1発明の「ガイドレール2」は、「車室外側に凸となるように湾曲し」ているから、本件訂正発明1の「前記車両の車室外側に湾曲した」「ガイドレール」に相当する。 イ 甲1発明の「キャリアプレート3」は、「窓ガラスと共に移動する」「キャリアプレート」であるから、窓ガラスを支持することは明らかであり、「ガイドレール2と摺動」する以上、ガイドレールに摺動自在に取り付けられることも明らかであるから、甲1発明の「キャリアプレート3」は、本件訂正発明1の「窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレート」に相当する。 ウ 甲1発明の「キャリアプレート3を牽引するケーブル41、42」は、本件訂正発明1の「キャリアプレートを牽引するワイヤ」に相当する。 エ 甲1発明の「ドラム52」は、「回転駆動」するから、本件訂正発明1の「回転ドラム」に相当する。また、甲1発明の「ドラム52」が「回転することにより上昇側ケーブル41及び下降側ケーブル42の巻き取り及び繰り出しを行」うことは、本件訂正発明1の「回転ドラム」が「回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う」ことに相当する。 オ 甲1発明の「ドラムハウジング53」は、「ガイドレール2の下端が嵌合する嵌合穴532aが形成された嵌合部532」を有するから、ガイドレールの端部に設けられるといえ、また「ドラム52を収容」するから、本件訂正発明1の「ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジング」に相当する。 カ 甲1発明の「ガイドレール2」が、「その長手方向に延びる平板部20」を有する構成は、「ガイドレール2」が「昇降方向に沿って設けられる」から、平板部20が延びる方向である長手方向が昇降方向に沿っていることは明らかであることを踏まえると、本件訂正発明1の「ガイドレール」が「昇降方向に延在する平板部」を有する構成に相当する。また、甲1発明の「ガイドレール2」が、「平板部20における長手方向に直交する幅方向の両端部から立設された第1及び第2の側板部21,22」を有する構成は、本件訂正発明1の「ガイドレール」が、「前記平板部から立設された側板部」を有する構成に、相当する。 キ 甲1発明の「ガイドレール2の下端が嵌合する嵌合穴532a」には、ガイドレール下端が挿入されることは明らかであり、前記オも踏まえれば、本件訂正発明1の「ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴」に相当する。また、甲1発明の「嵌合穴532a」が「ドラムハウジング53」に設けられる構成は、本件訂正発明1の「嵌合穴」が「ドラムハウジング」に形成される構成に相当する。 ク 甲1発明の「嵌合穴532a」は、「嵌合部532の上面」に開口し、「ガイドレール2の長手方向に深さを有する穴」であるところ、その「ガイドレール2の平板部20が嵌合される部分から、ドラムハウジング53の背面53bに至るまでの部分に、上面視で視認される略板状の部材である延出部があり」、「延出部」は「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」に存在する部分であるから、「嵌合穴532a」の「ガイドレール2の平板部20が嵌合される部分」の「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」は、嵌合穴532aの内側において、嵌合穴532aの開口縁から穴の深さ分の内面(以下「嵌合穴532aの背面側内面」という。)を形成すると理解でき、当該嵌合穴532aの背面側内面は、本件訂正発明1の「前記嵌合穴の第1の内面」に相当する。 ケ 甲1発明の「延出部」の「嵌合穴532a側を向」く一面は、上記嵌合穴532aの背面側内面と同じ「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」により形成されると解されるところ、「延出部」が「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」が「嵌合穴532aが開口する嵌合部532の上面を超える位置まで延出する」部分であることを踏まえると、甲1発明の「延出部」は、嵌合穴532aの背面側内面を延長するように「嵌合部532の上面」から上方に延出する壁であり、「延出部」の「嵌合穴532a側を向」く一面は、嵌合穴532aの背面側内面と連続しているといえる。 そうすると、甲1発明の「延出部」の「嵌合穴532a側を向」く一面と、本件訂正発明1の「ガイド面」とは、「第1の内面と連続する面」である点で共通するから、甲1発明の「延出部」と本件訂正発明1の「第1嵌合ガイド壁」とは、「第1の内面と連続する面」を有するものである点で共通する。 コ また、甲1発明の「延出部」は「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」が「嵌合穴532aが開口する嵌合部532の上面を超える位置まで延出する」部分であるところ、甲1発明の「ガイドレール2」が「嵌合穴532a」へ上方から挿入されることは明らかであることを踏まえると、甲1発明の「延出部」は、「嵌合穴532aが開口する嵌合部532の上面」から、ガイドレール2の挿入方向手前側に延出しているといえる。 サ 前記ク~コより、甲1発明の「延出部」と本件訂正発明1の「第1嵌合ガイド壁」とは、「嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成されると共に、第1の内面と連続する面を有する、第1壁」との点で共通する。 シ 甲1発明の「突出部」は、「延出部の上端から、嵌合部532の上面まで連続して形成され」た突出する部分であるから、突出する部分が連続した壁ということができる。また、嵌合部532の上面に嵌合穴532aがあることから、前記コで「延出部」について示したのと同様に、甲1発明の「突出部」は、ガイドレール2の挿入方向手前側に延出しているといえる。 さらに、甲1発明の「嵌合穴532a」は「ガイドレール2の長手方向に深さを有する穴」であるから、「ガイドレール2の側板部21が嵌合される部分」にも、深さを有する内面が形成されていることは明らかであるところ、甲1発明の「突出部」は、「嵌合穴532aが開口する嵌合部532」の「上面まで連続して形成」されており、上面視で「嵌合穴532aのガイドレール2の側板部21が嵌合される部分に隣接して」いるから、「嵌合部532」の「上面」で開口する「嵌合穴532a」の上縁から、ガイドレール2の側板部21が嵌合される一つの内面を、上方である挿入方向手前側に延長するように、延出していることが明らかである。 したがって、甲1発明の「突出部」と本件訂正発明1の「第2嵌合ガイド壁」とは、「嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される第2壁」との点で共通する。 ス 甲1発明の「ドラムハウジング53」について、「ガイドレール2の下端が嵌合する嵌合穴532aが形成」されている構成は、本件訂正発明1の「ドラムハウジング」について、「ガイドレールが嵌合穴に挿入されるように構成されている」構成に、相当する。 したがって、本件訂正発明1と甲1発明とは、以下の一致点で一致し、相違点で相違する。 [一致点] 「車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられると共に前記車両の車室外側に湾曲したガイドレールと、 前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、 前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、 回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、 前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、 前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、 前記ドラムハウジングには、 前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、 前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成されると共に、第1の内面と連続する面を有する、第1壁と、 前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される第2壁と、が形成され、 前記ドラムハウジングは、ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されているウインドレギュレータ。」 [相違点1] 「嵌合穴」及び「嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材に関し、 本件訂正発明1においては、「嵌合穴」について、「前記ガイドレールの湾曲に合わせて前記車室外側に傾いて形成される」ことが特定されるとともに、、「嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材について、「前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いたガイド面」を有しており、「前記平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁」であることが特定されているのに対し、 甲1発明においては、「嵌合穴532a」について、「車室外側に凸となるように」「ガイドレール2」が「湾曲し」ているのに合わせて傾いて形成されるか否か不明であり、また「延出部」について、「嵌合穴532a側を向」く一面は、嵌合穴532aの背面側内面と連続するといえるものの、段差が無いか否か、及び嵌合穴532aの背面側内面に倣って車室外側に傾いたガイド面を有して「ガイドレール2」が有する「平板部20」を「嵌合穴532a」にガイドするガイド壁となっているか否か不明である点。 [相違点2] 「嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材に関し、 本件訂正発明1においては、「側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁」と特定されているのに対し、 甲1発明においては、「突出部」が「側板部21」を「嵌合穴532a」にガイドするガイド壁となっているか否か不明である点。 [相違点3] 「ドラムハウジング」が有する「嵌合穴」への「ガイドレール」の「挿入」に関し、 本件訂正発明1においては、「前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁の前記ガイド面及び第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されている」と特定されているのに対し、 甲1発明においては、「ガイドレール2」が「嵌合穴嵌合穴532a」に挿入されるように構成されているものの、挿入時における各部材の具体的な作用は不明である点。 (2)判断 ア 相違点1について (ア)甲2~甲4の開示について 甲2には、上記1(2)イに認定した甲2記載事項が記載されており、甲2記載事項は、ガイドレールをドラムハウジングに嵌合する際に、ガイドレール側の部材とドラムハウジング側の部材が当接しながら擦れ合うようにする構成を有している。しかしながら、甲2記載事項は、上記相違点1に係る本件訂正発明1の構成のうち、「嵌合穴」について「前記ガイドレールの湾曲に合わせて前記車室外側に傾いて形成」する構成、及び、「嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材について、「前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いた」ものとする構成を開示あるいは示唆するものではない。 甲3の1には、上記1(3)に示した写真があり、「図6」より、ドラムハウジングの側面視で、ドラムハウジングの略中心線に対して、ガイドレールが傾斜して取り付けられている様子が看取される。しかしながら、同写真から、ガイドレールが挿入される穴及び当該穴の内面を挿入方向手前側に延長するように延出して形成される部材は、看取されない。 そのため、甲3の2及び甲3の3より、本件出願前に販売された「MK53S」という型番の車両に用いられたウィンドレギュレータが、甲3の1の写真に示されるものであったとしても、相違点1に係る本件訂正発明1の構成のうち「嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材に関し、「前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いた」ものとする構成について、本願出願前に公然実施され、あるいは公知となったとはいえない。 甲4の1には、上記1(6)に示した写真があり、「図6」より、ドラムハウジングの側面視で、ドラムハウジングの略中心線の方向に対して、ガイドレールが傾斜して挿入して取り付けられている様子が看取される。しかしながら、同写真から、ガイドレールが挿入される穴及び当該穴の内面を挿入方向手前側に延長するように延出して形成される部材は、看取されない。 そのため、甲4の2より、本件出願前に販売された「TLA」という型番のウィンドレギュレータが、甲4の1の写真に示されるものであったとしても、相違点1に係る本件訂正発明1の構成のうち「嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材に関し、「前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いた」ものとする構成について、本願出願前に公然実施され、あるいは公知となったとはいえない。 (イ)甲1発明において相違点1に係る本件訂正発明1の構成とすることについて ここで、甲1発明の「嵌合穴532a」について、下端付近の「第2の壁部537が、延出部と同じドラムハウジング53の背面53b側の壁面の一部」であるから、甲1発明において「嵌合穴532a」、「延出部」、及び「嵌合穴532a」の内面を形成する「第2の壁部537」を車室外側に傾いたものとするためには、「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」の全体、あるいは「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」のうち「嵌合穴532a」の下端付近の「第2の壁部537」より上の部分を、車室外側に傾いたものとすることを要する。 しかしながら、甲1発明において、「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」の全体、あるいは「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」のうち「嵌合穴532a」の下端付近の「第2の壁部537」より上の部分を、車室外側に傾いたものとするには、「ドラムハウジング53」の構造を大きく変更する必要があり、甲1発明においてそのような変更を行う動機付けがあったとはいえない。 また、甲2~甲4の開示は上記(ア)に指摘したとおりであるから、甲2~甲4に示される事項を考慮しても、甲1発明において、「嵌合穴532a」、「延出部」、及び「嵌合穴532a」の内面を形成する「第2の壁部537」を車室外側に傾いたものとすることが、本件出願の時点で示唆されていたとはいえない。 したがって、甲1発明において、上記相違点1に係る本件訂正発明1の構成のうち、「嵌合穴」について「前記ガイドレールの湾曲に合わせて前記車室外側に傾いて形成」する構成、及び、「嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材について、「前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いた」ものとする構成とすることは、甲2~甲4を考慮しても、本件出願の時点で当業者が容易に想到できたとはいえない。 そして、本件訂正発明1は、相違点1に係る構成により、令和7年5月21日受付けの特許権者による意見書の「5(5)アb(b)」で主張されるように、嵌合穴に対するガイドレールの位置合わせに加えて、ガイドレールを嵌合穴に挿入する際のガイドレールの移動方向の角度変更を省略することができるという効果を奏すると認められる。 (ウ)小括 したがって、甲1発明において、前記相違点1に係る構成とすることは、当業者が容易に想到できたものではない。 イ したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件訂正発明1は当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 申立人の主張について (ア)申立人の主張 申立人は、上記相違点1に関し、令和7年7月7日の意見書に添付して甲3の1~3及び甲4の1~2を提出するとともに、概略次のとおり主張する。 a 甲1及び甲2のガイドレールが車室外側に湾曲している場合、ガイドレールがドアに収容されるためには、当然にドラムハウジングの延出部及び嵌合穴を、ガイドレールの湾曲に合わせて傾斜させることが必要であり、この点は当業者であれば、適宜なし得る設計事項である。延出部及び嵌合穴の角度が相違していると、延出部に摺接させて移動したガイドレールが嵌合穴の内壁に接触して移動の障害になり、甲1発明の延出部と嵌合穴をともに、ガイドレールの湾曲に合わせて傾けることは、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項の採用に過ぎない(3(2)イ(イ))。 b 甲3の1の図6によれば、湾由したガイドレールが、ドラムハウジングに取り付けられたときに傾斜していることが分かり、ドラムハウジングの嵌合穴はガイドレールの湾曲に倣うように傾斜していることが分かる。また、甲4の1の図6によれば、湾曲したガイドレールが、ドラムハウジングに取り付けられたときに傾斜していることが分かり、ドラムハウジングの嵌合穴はガイドレールの湾由に倣うように傾斜していることが分かる(3(1)イ及びウ)。このように、ガイドレールの湾曲に合わせて、嵌合穴が車室外側に傾いて形成されていることは、甲3の1及び甲4の1に記載されているとおり、周知慣用技術であり、これを甲1発明に組み合わせる際には、延出部及び嵌合穴の角度の相違が障害にならないように、延出部も嵌合穴に合わせて傾斜させることは通常の創作能力の発揮にすぎないから、相違点1に係る構成は想到容易である(3(2)イ(ウ))。 (イ)申立人の主張に対する見解 a 甲1発明において、「ガイドレール2」が湾曲しているとしても、「嵌合穴532a」に挿入される「ガイドレール2」の下端部分まで湾曲しているとは限らないから、申立人が主張するように、ガイドレールが車室外側に湾曲している場合、ガイドレールがドアに収容されるためには、当然にドラムハウジングの延出部及び嵌合穴を、ガイドレールの湾曲に合わせて傾斜させることが必要ということはできない。 また、前記ア(イ)のとおり、甲1発明において、「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」の全体、あるいは「ドラムハウジング53の背面53b側の壁面」のうち「嵌合穴532a」の下端付近の「第2の壁部537」より上の部分を、車室外側に傾いたものとするには、「ドラムハウジング53」の構造を大きく変更する必要があり、そのような変更を単なる設計事項とはいえない。 したがって、前記(ア)aの主張は採用できない。 b 前記ア(ア)及び(イ)のとおり、甲1発明において、上記相違点1に係る本件訂正発明1の構成のうち、「嵌合穴」について「前記ガイドレールの湾曲に合わせて前記車室外側に傾いて形成」する構成、及び、「嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材について、「前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いた」ものとする構成とすることは、甲2~甲4を考慮しても、本件出願の時点で当業者が容易に想到できたとはいえない。 したがって、前記(ア)bの主張は採用できない。 エ 小括 よって、本件訂正発明1に係る特許は、先の取消理由通知で指摘した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由のいずれによっても取り消すことができない。 3 本件訂正発明2について (1)対比 本件訂正発明2は、本件訂正発明1の構成から「ガイドレール」が、「前記車両の車室外側に湾曲した」ものである点を除き、本件訂正発明1の構成から「前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴」について、「前記ガイドレールの湾曲に合わせて前記車室外側に傾いて形成される」ものである点を除き、本件訂正発明1の構成から「第1嵌合ガイド壁」が、「前記第1の内面と段差無く連続し且つ前記第1の内面に倣って前記車室外側に傾いたガイド面を有」するものである点を除き、また、「前記平板部」を摺接させる対象を「前記第1嵌合ガイド壁の前記ガイド面」から「前記第1嵌合ガイド壁」としたうえで、ガイドレールの嵌合穴への挿入について、「自動機によって、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させ、その後、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させた状態のまま、前記ガイドレールを前記側板部側にスライドさせて、前記側板部を前記第2嵌合ガイド壁に接触させた後、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入する」構成を付して、「前記ガイドレールを前記ドラムハウジングに取り付けるガイドレールの取付け方法」の発明としたものである。 上記2(1)に示した本件訂正発明1と甲1発明との対比を踏まえて、本件訂正発明2と甲1方法発明とを対比すると、両者は以下のとおりの一致点、相違点を有する。 [一致点] 「車両の窓ガラスの昇降方向に沿って設けられたガイドレールと、 前記窓ガラスを支持すると共に前記ガイドレールに摺動自在に取り付けられたキャリアプレートと、 前記キャリアプレートを牽引するワイヤと、 回転することにより前記ワイヤの巻取り及び繰出しを行う回転ドラムと、 前記ガイドレールの端部に設けられ、前記回転ドラムを収容するドラムハウジングと、を備え、 前記ガイドレールは、前記昇降方向に延在する平板部と、前記平板部から立設された側板部と、を有し、 前記ドラムハウジングには、 前記ガイドレールの前記端部が挿入されて前記端部が嵌合する嵌合穴と、 前記嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される第1壁と、 前記嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される第2壁と、が形成され、 前記ドラムハウジングは、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されているウインドレギュレータにおける、前記ガイドレールを前記ドラムハウジングに取り付けるガイドレールの取付け方法。」 [相違点4] 「嵌合穴の第1の内面を挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材に関し、 本件訂正発明2においては、「平板部を前記嵌合穴にガイドする第1嵌合ガイド壁」と特定されているのに対し、 甲1方法発明においては、「延出部」は「嵌合穴532a側を向」く一面を有するものの、当該面が「ガイドレール2」が有する「平板部20」を「嵌合穴532a」にガイドするガイド壁となっているか否か不明である点。 [相違点5] 「嵌合穴の第2の内面を前記挿入方向手前側に延長するように前記嵌合穴の縁から延出して形成される」部材に関し、 本件訂正発明2においては、「側板部を前記嵌合穴にガイドする第2嵌合ガイド壁」と特定されているのに対し、 甲1方法発明においては、「突出部」が「側板部21」を「嵌合穴532a」にガイドするガイド壁となっているか否か不明である点。 [相違点6] 「ドラムハウジング」が有する「嵌合穴」への「ガイドレール」の「挿入」に関し、 本件訂正発明2においては、「前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁の前記ガイド面及び第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールが前記嵌合穴に挿入されるように構成されている」と特定されているのに対し、 甲1方法発明においては、「ガイドレール2」が「嵌合穴嵌合穴532a」に挿入されるように構成されているものの、挿入時における各部材の具体的な作用は不明である点。 [相違点7] 「ガイドレール」を「嵌合穴」に「挿入」する際の手順に関し、 本件訂正発明2においては、「自動機によって、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させ、その後、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させた状態のまま、前記ガイドレールを前記側板部側にスライドさせて、前記側板部を前記第2嵌合ガイド壁に接触させた後、前記平板部及び前記側板部を前記第1嵌合ガイド壁及び前記第2嵌合ガイド壁にそれぞれ摺接させながら前記ガイドレールを前記嵌合穴側に移動することで、前記ガイドレールを前記嵌合穴に挿入する」のに対し、 甲1方法発明においては、ガイドレールをドラムハウンジングに取り付ける際の詳細が特定されていない点。 (2)判断 ア 相違点4及び5について 前記相違点4及び5は、いずれも嵌合ガイド壁に関するものであるから、併せて検討する。 (ア)本件訂正発明1と甲1発明とについて、前記2(1)ク~シで対比したのと同様に、甲1方法発明の「延出部」及び「突出部」は、ドラムハウジング及び嵌合穴に対する配置と形状とについて、本件訂正発明2における「第1嵌合ガイド壁」及び「第2嵌合ガイド壁」と相違するものではない。 (イ)また、甲1には、前記1(1)イで「延出部」及び「突出部」とした部分の機能・作用等の明示はないが、前記1(1)ア(ア)の【0005】に「軽量化を図ることができるウインドレギュレータを提供することを目的とする。」と軽量化を課題とする記載がなされているところ、軽量化を課題としながら「ドラムハウジング53」の「嵌合穴532aが開口する嵌合部532の上面を超える位置」まで延出する「延出部」及び「突出部」を設けているからには、当該「延出部」及び「突出部」がなんらかの機能をもつと解することが自然である。 そして、甲1方法発明の「延出部」及び「突出部」が、上面視でみて「嵌合穴532a」の「ガイドレール2の平板部20が嵌合される部分」「ガイドレール2の側板部21が嵌合される部分」に隣接しており、かつ「嵌合穴532aが開口する嵌合部532」の上側に延出する配置であることからすると、「嵌合穴532a」に「ガイドレール2」の下端を上から挿入する挿入形態に鑑みて、甲1方法発明の「延出部」及び「突出部」は、「嵌合穴532a」に「ガイドレール2」の下端を上から挿入する際に、仮に「ガイドレール2」を当接させればガイドとして機能すると解することが自然である。 したがって、甲1方法発明の「延出部」は、その「嵌合穴532a側を向」く一面が「ガイド面」として機能し得る部材であり、部材自体は物として「平板部20を前記嵌合穴532aにガイドする第1嵌合ガイド壁」に相当するといえる。同様に、甲1方法発明の「突出部」は、部材自体は物として「側板部20を前記嵌合穴532aにガイドする第2嵌合ガイド壁」に相当するといえる。 なお、実際にガイドレールを嵌合穴に挿入する際に、ガイドレールを当接させてガイドとして用いるか否かは、相違点6及び7について後記イで判断する。 よって、前記相違点4及び5は、後記イにおいて相違点6及び7について判断する部分を措くとして、実質的な相違点ではない。 イ 相違点6及び7について 前記相違点6及び7は、互いに関連するので、併せて検討する。 (ア)甲2記載事項に例示するように、レール部材を嵌合する際に、レール部材とレール部材に対向する壁部の押圧面とを当接させて、摺接させながら移動させることは、本件特許出願前に機械の組立てにおいて一般に広く知られた周知の案内方法と認められる。 そして、上記アのとおり、甲1方法発明の「ドラムハウジング53」の「延出部」は、その「嵌合穴532a側を向」く一面が「ガイドレール2」の「平板部20」を「嵌合穴532a」にガイドすることができる形状及び配置を有しており、「突出部」は、「ガイドレール2」の「側板部20」を「嵌合穴532a」にガイドすることができる形状及び配置を有しているところ、上記周知の案内方法からみて、甲1方法発明の「ドラムハウジング53」について、「嵌合穴532a」に「ガイドレール2」の「平板部20」及び「側板部21」を嵌合するに際して、「延出部」の「嵌合穴532a側を向」く一面及び「突出部」にそれぞれ当接させて、摺接させながらガイドレールを嵌合穴側に移動することでガイドレールを前記嵌合穴に挿入することは、当業者にとって自然な選択に過ぎない。 (イ)また、組立て作業の自動化は、例を挙げるまでもなく、分野を問わず慣用される手段であるところ、甲2記載事項のように、レール部材を嵌合する際にレール部材とレール部材に対向する壁部の押圧面とを当接させて、摺接させながら移動させる周知の案内方法とするうえで、人手による組み立てとするか、自動機による組み立てとするかは、いずれも適宜に採用可能であることは明らかである。 さらに、甲1方法発明において、甲2記載事項のようにレール部材とレール部材に対向する壁部の押圧面とを当接させて、摺接させながら移動させてレール部材を嵌合するうえで、甲1方法発明の「延出部」及び「突出部」のうち、まず「突出部」よりも大面積であって容易に接触させることが可能な「延出部」に「ガイドレール2」の「平板部20」を接触させて、その後に「ガイドレール2」をスライドさせて「側板部21」を「突出部」に接触させてから、「ガイドレール2」を「嵌合穴532a」に向けて移動して、挿入を行うことは、当業者にとってむしろ自然な選択であるから、周知の案内方法の具体的適用に際して、当業者が適宜なし得る程度の設計的事項の採用にすぎない。 (ウ)したがって、甲1方法発明において、前記相違点6及び7に係る本件訂正発明2の構成とすることは、甲2技術事項に示される周知技術、組み立て作業の自動化及び作業手順として自然な順序を選択するという技術常識に基づいて、当業者が容易に相当し得た事項である。 ウ 特許権者の主張及び効果について (ア)特許権者の主張 特許権者は、令和7年5月21日受付けの意見書において、概略、次のとおり主張する。 a 甲1方法発明を、本件訂正発明2とするには、まず、「自動機によってガイドレール2の取付けを行うこと」を想到し、その後、ウインドレギュレータにおけるガイドレールの案内方法として、「レール部材を嵌合する際に、レール部材とレール部材に対向する壁部の押圧面とを摺接させながら移動させることで、レール部材を嵌合部に案内する案内方法」が周知でない中、「レール部材を嵌合する際に、レール部材とレール部材に対向する壁部の押圧面とを摺接させながら移動させることで、レール部材を嵌合部に案内する案内方法」を想到し、その後、「レール部材を嵌合する際に、レール部材とレール部材に対向する壁部の押圧面とを,摺接させながら移動させることで、レール部材を嵌合部に案内する案内方法」を採用したときに生じる課題を見出して当該課題から、5つの改良を行うことを想到し、さらに、「自動機によって、平板部20及び側板部21を延出部及び突出部にそれぞれ接触させた後、平板部20及び側板部21を延出部及び突出部にそれぞれ摺接させながらガイドレール2を嵌合穴532a側に移動することで、ガイドレール2を嵌合穴532aに挿入する」構成を採用したときに生じる課題を見出して当該課題から、「平板部20及び側板部21を延出部及び突出部にそれぞれ接触させるのに、平板部及び側板部のうちの一方を接触させた後、その状態のまま、ガイドレールをスライドさせて、平板部及び側板部のうちの他方を接触させる」構成を想到する必要がある。 このように、甲1発明を本件訂正発明2とするには、複数かつ直列的な創作と課題の発見とが必要であることは明らかである(5(5)イd)。 b 「自動機によるガイドレールの取付け作業の作業性を向上させる」旨の視点がない甲1発明において、「特段の位置合わせを行うことなく、ガイドレールを嵌合穴に挿入することができる構成にすること」及び「ガイドレールの嵌合穴への挿入に際して側板部を第2嵌合ガイド壁に接触させるのに、前後方向の位置合わせをすることなく、側板部を第2嵌合ガイド壁に接触させることができる構成にすること」自体が、当業者にとって想到し難いものである(5(5)イe)。 c 本件訂正発明2の有利な効果は、嵌合穴に対するガイドレールの位置合わせと、側板部に対するガイドレールの位置合わせとを省略することができるので、自動機によってガイドレールの取付け作業を行う場合において、作業時間を短縮できることはもちろん、嵌合穴に対するガイドレールの位置合わせに必要な構造(嵌合穴に対面する撮像カメラ等)と、第2嵌合ガイド壁に対する側板部の位置合わせに必要な構造(第2嵌合ガイド壁に対面する撮像カメラ等)と、を省略することができ、自動機によるガイドレールの取付け作業の作業性を向上させることができ、ウインドレギュレータの生産性を向上させることができる点である(5(5)イb、明細書の段落【0031】、【0041】)。 また、甲1には、「前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させ、その後、前記平板部を前記第1嵌合ガイド壁に接触させた状態のまま、前記ガイドレールを前記側板部側にスライドさせて、前記側板部を前記第2嵌合ガイド壁に接触させ」る構成は、一切記載及び示唆されておらず、本件訂正発明2の「ガイドレールの嵌合穴への挿入に際して側板部を第2嵌合 ガイド壁に接触させるのに、前後方向の位置合わせをすることなく、側板部を第2嵌合ガイド壁に接触させることができる」旨の効果は、甲1発明が有する効果とは異質な効果である(5(5)アf)。 (イ)特許権者の主張及び効果についての見解 a 前記ア及びイで示したとおり、相違点4及び5は実質的な相違点ではなく、相違点6及び7は、甲1方法発明において甲2記載事項に示される周知技術、組み立て作業の自動化という慣用技術、及び具体的な作業手順についての自然な選択により、当業者が容易になし得るといえるものである。 したがって、上記相違点4~7に係る構成について、新たな課題の発見や複雑な改変を重ねる必要があるものではなく、前記(ア)aの請求人の主張は採用できない。 b 甲1に「自動機によるガイドレールの取付け作業の作業性を向上させる」旨の視点がないとしても、組み立て作業の自動化は工業製品において一般的に考慮される慣用技術であり、2つの面を当接させる際にまず広い面を先に当接させることも自然な選択の範囲を出るものではないから、前記(ア)bの請求人の主張は採用することができず、甲1方法発明に基づく進歩性欠如が否定されるものではない。 c 上記アで指摘したとおり、甲1方法発明の「延出部」及び「突出部」は、「嵌合穴532a」に「ガイドレール2」の下端を上から挿入する際に、仮に「ガイドレール2」を当接させればガイドとして機能する形状と配置とを有しており、上記イで指摘したとおり、自動機械によって「ガイドレール2」を「嵌合穴532a」に挿入するうえで、「ガイドレール2」を当接させること、及び当接の順序として広い面積を有する箇所を先に当接させるという自然な選択を行うことは、当業者であれば想到容易である。 そして、そうしたことによる効果は、作業の容易性に関して、甲1方法発明、甲2記載事項に示される周知技術、組み立ての自動化という慣用技術、及び具体的な作業手順についての自然な選択から、事前に予測される範囲を超えるものではない。 なお、特許権者が意見書で主張する、本件訂正発明2では撮像カメラを省略することができるとの効果は、撮像カメラの有無が請求項2に特定されているわけではないから、特許請求の範囲の記載に基づくものではない。また、甲1方法発明において、組み立ての自動化という慣用技術を用いる際に、あらゆる位置合わせについて撮像カメラによる撮像が必須不可欠という事情はなく、甲1方法発明が「ガイドレール2」を当接させればガイドとして機能する形状と配置とを有する「延出部」及び「突出部」を備えることを考慮すれば、ガイドレールを挿入するうえで撮像カメラが必須ではないという請求人が主張する効果は、格別顕著な効果とはいえない。 したがって、前記(ア)cの請求人の主張は採用できない。 エ 小括 よって、本件訂正発明2は、甲1方法発明、甲2記載事項に示される周知技術、及び組み立ての自動化という慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本件訂正発明1に係る特許は、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。 さらに、他に本件訂正発明1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 本件訂正発明2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700663

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