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特許異議申立

2024-700553

プラスチック容器

審判番号
2024-700553
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-063677
登録番号
7397315
請求日
2024年06月11日
審決日
2024年11月12日
公報発行日
2024年12月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】キョーラク株式会社
  • 【権利者代理人】SK弁理士法人
  • 【権利者代理人】奥野 彰彦
  • 【権利者代理人】伊藤 寛之
  • 【異議申立人】深水 淳一
  • 【異議申立人】篠田 明織
審判長/審判官
  • 審判長 一ノ瀬 覚
  • 審判官 神山 茂樹
  • 審判官 藤井 眞吾
分類
P1651.111-Y (B65D) / P1651.112-Y (B65D) / P1651.113-Y (B65D) / P1651.121-Y (B65D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7397315号発明「プラスチック容器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7397315号の請求項1~6に係る特許を維持する。

理由

理 由 1 手続の経緯 特許第7397315号(以下「本件特許」という。)の請求項1~6に係る特許についての出願は、令和2年3月31日を出願日とするものであって、令和5年12月5日にその特許権の設定登録(特許掲載公報令和5年12月13日発行)がされ、その後、その特許について、令和6年6月11日に特許異議申立人深水淳一(以下「申立人1」という。)により、令和6年6月13日(差出日)に特許異議申立人篠田明織(以下「申立人2」という。)により、特許異議の申立てがされたものである。 2 本件発明 本件特許の請求項1~6に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明6」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 プラスチック容器であって、 前記プラスチック容器は、容器本体を備え、 前記容器本体は、ダイレクトブロー成形体であり、 前記容器本体は、内容量が500mL以上であり、 前記容器本体は、胴部と、口部を備え、 前記口部は、前記胴部の上側に設けられ、 前記容器本体は、下部平均肉厚/中央部平均肉厚によって定義される第1肉厚比が1.04~1.30であり、 前記中央部平均肉厚は1mm以上であり、 前記容器本体の全高をHとすると、 前記中央部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出され、 前記下部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される、プラスチック容器。 【請求項2】 請求項1に記載のプラスチック容器であって、 前記容器本体は、前記下部平均肉厚/胴部平均肉厚によって定義される第2肉厚比が1.01~1.50であり、 前記胴部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.04H~0.82Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される、プラスチック容器。 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のプラスチック容器であって、 前記容器本体は、単層構成である、プラスチック容器。 【請求項4】 請求項3に記載のプラスチック容器であって、 前記容器本体の構成樹脂は、ポリオレフィンである、プラスチック容器。 【請求項5】 請求項1~請求項4の何れか1つに記載のプラスチック容器であって、 前記容器本体の構成樹脂は、曲げ弾性率が1.8GPa以上である、プラスチック容器。 【請求項6】 請求項1~請求項5の何れか1つに記載のプラスチック容器であって、 前記プラスチック容器は、オートクレーブ滅菌されるプラスチック容器である、プラスチック容器。」 3 申立理由の概要 (1)証拠方法 申立人1は甲第1号証~甲第7号証(以下「甲1-1」~「甲1-7」という。)を、申立人2は甲第1号証~甲第9号証(以下「甲2-1」~「甲2-9」という。)を、それぞれ提出している。 甲1-1:特表2005-520898号公報 甲1-2:特開2019-94128号公報 甲1-3:特開平10-157719号公報 甲1-4:特開2015-143125号公報 甲1-5:特開2014-69891号公報 甲1-6:特表2013-523984号公報 甲1-7:特表2015-524777号公報 甲2-1:「NIKKO LabWare 研究・開発用実験器具カタログ2011」、ニッコー・ハンセン株式会社、2011年、p.07 甲2-2:「ヤマユー総合カタログNo.8」、馬野化学容器株式会社、p.9、10、93、94 甲2-3:「AS ONE 研究用総合機器 2019>2020」、[online]、2018年11月、アズワン株式会社、p.1644、[令和6年6月7日検索]、インターネット<URL:https://asone.meclib.jp/GN/book/#target/page_no=1> 甲2-4:「Reagent 2014」、株式会社グラセル、2014年10月第1刷、p.2、3、60、61 甲2-5:吉田陽亮、「実験報告書」、令和6年6月11日(当審注:吉の士は土) 甲2-6:特開2019-99220号公報 甲2-7:特開2016-128570号公報 甲2-8:特開2019-214677号公報 甲2-9:「平成10年度に実施した電話番号の変更」、[online]、総務省、[令和6年6月4日検索]、インターネット<URL:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/tel_number/new_number_h10.html> (2)申立人1の申立理由 本件発明1~3は、甲1-1に記載された発明(以下「甲1-1発明」という。)である。 あるいは、本件発明1、2は、甲1-1発明に基づき、本件発明3は、甲1-1発明及び甲1-2に記載された技術的事項に基づき、本件発明4~6は、甲1-1発明及び甲1-2~甲1-7に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本件発明1~6に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (3)申立人2の申立理由 ア 甲2-1に基づく理由 本件発明1~6は、甲2-1に掲載された容器(ニッコー・ハンセン株式会社、NPボトル(コード:細口1300-04、容量500ml)。以下「甲2-1容器」という)により、本件特許の出願前に公然知られ、公然実施された発明(以下「甲2-1発明」という。)である。 あるいは、本件発明1、2は、甲2-1発明に基づき、本件発明3、4は、甲2-1発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基づき、本件発明5、6は、甲2-1発明及び甲2-6~甲2-8に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本件発明1~6に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 イ 甲2-2に基づく理由 本件発明1~6は、甲2-2に掲載された容器(馬野化学容器株式会社、広口瓶(商品名:広口B型1000、容量1000ml)。以下「甲2-2容器」という)により、本件特許の出願前に公然知られ、公然実施された発明(以下「甲2-2発明」という。)である。 あるいは、本件発明1~4は、甲2-2発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基づき、本件発明5、6は、甲2-2発明及び甲2-6~甲2-8に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本件発明1~6に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 ウ 甲2-3に基づく理由 本件発明1、3、4は、甲2-3に掲載された容器(アズワン株式会社、広口瓶(品番:5-011-02、容量3L)。以下「甲2-3容器」という)により、本件特許の出願前に公然知られ、公然実施された発明(以下「甲2-3発明」という。)である。 あるいは、本件発明1、3、4は、甲2-3発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基づき、本件発明5は、甲2-3発明及び甲2-6~甲2-8に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本件発明1、3~5に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 エ 甲2-4に基づく理由 本件発明1~4は、甲2-4に掲載された容器(株式会社グラセル、品名:規格広口ポリ-3L、内容量:3.6L。以下「甲2-4(1)容器」という)により、本件特許の出願前に公然知られ、公然実施された発明(以下「甲2-4(1)発明」という。)である。また、本件発明1~4は、甲2-4に掲載された容器(株式会社グラセル、品名:規格広口ポリ-5L、内容量:5.8L。以下「甲2-4(2)容器」という)により、本件特許の出願前に公然知られ、公然実施された発明(以下「甲2-4(2)発明」という。)である。 あるいは、本件発明1、2は、甲2-4(1)発明又は甲2-4(2)発明に基づき、本件発明3、4は、甲2-4(1)発明又は甲2-4(2)発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基づき、本件発明5は、甲2-4(1)発明又は甲2-4(2)発明及び甲2-6~甲2-8に記載された技術的事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本件発明1~5に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 4 当審の判断 (1)甲1-1に基づく理由について ア 甲1-1発明について 甲1-1では、実施例のポリカーボネートによりウォーターボトル(図3)を製造し、そのウォーターボトルを側方から見たときに、ネック、ショルダー、ボディ、ベース、ボディ、ショルダー、ネックの順に反時計回りに測定ポイントをとり、各ポイントの壁厚を測定している(図4)。 甲1-1には、その壁厚測定の結果からみて、次の「甲1-1発明」が記載されているといえる。 「ポリカーボネートを押出ブロー成形することにより製造したウォーターボトルであって、 下から、ベース、ボディ、ショルダー、ネックの順に備えた中空の容器であり、 全高が485mm、容積が5ガロンであり ネックの平均壁厚が2.35mm、ショルダーの平均壁厚が2.01mm、ボディの平均壁厚が1.30mm、ベースの平均壁厚が2.14mmであり、 ボディの異なる高さの各ポイントの壁厚は、ベースに近い側からショルダーに向けて、測定ポイント18が1.57mm、測定ポイント17が1.45mm、測定ポイント16が1.38mm、測定ポイント15が1.3mm、測定ポイント14が1.24mm、測定ポイント13が1.19mm、測定ポイント12が1.16mm、測定ポイント11が1.14mm、測定ポイント10が1.16mm、測定ポイント9が1.22mm、測定ポイント8が1.36mm、測定ポイント7が1.53mmであり、 同じく、ベースに近い側からショルダーに向けて、測定ポイント29が1.58mm、測定ポイント30が1.45mm、測定ポイント31が1.35mm、測定ポイント32が1.29mm、測定ポイント33が1.25mm、測定ポイント34が1.19mm、測定ポイント35が1.16mm、測定ポイント36が1.15mm、測定ポイント37が1.14mm、測定ポイント38が1.22mm、測定ポイント39が1.33mm、測定ポイント40が1.48mmである、 ウォーターボトル。」 イ 本件発明1について (ア)本件発明1と甲1-1発明を対比する。 甲1-1発明の「ポリカーボネート」はプラスチックであり、甲1-1発明のポリカーボネートより製造された「ウォーターボトル」は、本件発明1の「プラスチック容器」に相当する。また、甲1-1発明の「押出ブロー成形」は本件発明1の「ダイレクトブロー成形」に相当する。 甲1-1発明の「中空の容器」は「容積が5ガロン」であり、本件発明1の「内容量が500mL以上」の「容器本体」に相当する。甲1-1発明の「ボディ」と、その上の「ネック」は、それぞれ、本件発明1の「胴部」と、「胴部の上側」の「口部」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲1-1発明とは、 「プラスチック容器であって、 前記プラスチック容器は、容器本体を備え、 前記容器本体は、ダイレクトブロー成形体であり、 前記容器本体は、内容量が500mL以上であり、 前記容器本体は、胴部と、口部を備え、 前記口部は、前記胴部の上側に設けられた、プラスチック容器。」で一致し、次の相違点1で相違する。 《相違点1》 本件発明1が、「前記容器本体は、下部平均肉厚/中央部平均肉厚によって定義される第1肉厚比が1.04~1.30であり、」「前記中央部平均肉厚は1mm以上であり、」「前記容器本体の全高をHとすると、前記中央部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出され、前記下部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される」のに対し、甲1-1発明は、そうであるか不明である点。 (イ)上記相違点1について検討するに、甲1-1発明の壁厚が測定されるボディの各ポイントは、本件発明1のように「容器本体の全高をH」に対する相対高さと対応させたものではないから、甲1-1発明の各測定ポイントの壁厚の測定結果から、「容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出され」る平均の厚さと、「容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される」平均の厚さを算出できるとする根拠はない。 申立人1は、甲1-1の図4から、甲1-1発明の測定ポイント11~13、34~36は、本件発明1の「容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置」に該当し、甲1-1発明の測定ポイント16~18、29~31は、本件発明1の「容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置」に該当し、それらの平均の比が「1.25」である旨主張する(特許異議申立書20頁末行~22頁下から4行)。 しかし、甲1-1には、ボディの各ポイントを容器本体の全高Hに対する相対高さと対応させる記載はなく、甲1-1発明の測定ポイント11~13、34~36は、本件発明1の「容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置」に、甲1-1発明の測定ポイント16~18、29~31は、本件発明1の「容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置」に、それぞれ該当するものとはいえないから、甲1-1発明の測定ポイント11~13、34~36の平均壁厚と、測定ポイント16~18、29~31の平均壁厚との比が求められたとしても、その比が、本件発明1の「下部平均肉厚/中央部平均肉厚によって定義される第1肉厚比」に相当するものであるとはいえない。 そうすると、甲1-1発明のボディの壁厚が、「容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出され」る平均の厚さと、「容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される」平均の厚さとの比で、「1.04~1.30」の範囲内であるとは必ずしもいえず、上記相違点1は実質的な相違点である。 (ウ)甲1-1発明のウォーターボトルは、「できるだけ均一な壁厚を有する」(甲1-1の【0015】)ことを課題とするものの、本件発明1のように、「容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出され」る平均の厚さと、「容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される」平均の厚さとの比で、「1.04~1.30」の範囲内とすることについて記載はなく、他に証拠は提出されていない。 よって、本件発明1の上記相違点1に係る構成は、甲1-1発明に基いて、当業者が容易に想到し得たものではない。 (エ)以上より、本件発明1は、甲1-1発明ではなく、甲1-1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 ウ 本件発明2~6について 本件発明2~6は、本件発明1の発明特定事項を全て備えるものである。 本件発明1が甲1-1発明ではないから、本件発明2、3も、甲1-1発明ではない。 また、本件発明1は、甲1-1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2は、甲1-1発明に基いて、本件発明3、4は、甲2-1発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、本件発明5、6は、甲2-1発明及び甲2-6~甲2-8に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)甲2-1に基づく理由について ア 甲2-1発明について (ア)甲2-1には、「オートクレーブ対応のPP容器」として、コード(品番)が「細口1300-04」、容量が「500ml」の、甲2-1容器が掲示されている。 仕様欄から、容量が「500ml」の甲2-1容器は、「ダイレクトブロー成形」により製造されることが把握される。「ダイレクトブロー成形」により製造される容器は、「中空の容器本体」を備えることが明らかである。 甲2-1に掲載された写真から、この「中空の容器本体」は、「胴部」と、その上部に「口部」を備えるものといえる。サイズ表から、「中空の容器本体」の「口部」の口内径(A)が「φ37.0mm」、「胴部」の本体外径(B)が「φ77mm」、フタ無し高さ(C)が「166.0mm」であることが把握される。 (イ)甲2-1は、本件特許の出願前の「2011年」に、ニッコー・ハンセン株式会社が、研究・開発用実験器具カタログとして作成したものと理解される。 このカタログに掲示された器具は、本件特許の出願前に製造され、広く販売、流通されたことが推認できる。 (ウ)上記(ア)、(イ)より、本件特許の出願前に公然実施された「甲2-1発明」は、次のとおりである。 「オートクレーブ対応のPP容器であって、 ダイレクトブロー成形でより製造される中空の容器本体を備え、 中空の容器本体は、胴部と、その上部に口部を備え、容量が500mlであり、 中空の容器本体の口部の口内径(A)がφ37.0mm、胴部の本体外径(B)がφ77mm、フタ無し高さ(C)が166.0mmである、PP容器。」 イ 本件発明1について (ア)本件発明1と甲2-1発明を対比する。 甲2-1発明の「PP」はポリプロピレンを意味し、ポリプロピレンはプラスチックであり、甲2-1発明の「PP容器」は、本件発明1の「プラスチック容器」に相当する。 甲2-1発明の「中空の容器」は「容量が500ml」であり、本件発明1の「内容量が500mL以上」の「容器本体」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲2-1発明とは、 「プラスチック容器であって、 前記プラスチック容器は、容器本体を備え、 前記容器本体は、ダイレクトブロー成形体であり、 前記容器本体は、内容量が500mL以上であり、 前記容器本体は、胴部と、口部を備え、 前記口部は、前記胴部の上側に設けられた、プラスチック容器。」で一致し、次の相違点2で相違する。 《相違点2》 本件発明1が、「前記容器本体は、下部平均肉厚/中央部平均肉厚によって定義される第1肉厚比が1.04~1.30であり、」「前記中央部平均肉厚は1mm以上であり、」「前記容器本体の全高をHとすると、前記中央部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出され、前記下部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される」のに対し、甲2-1発明は、そうであるか不明である点。 (イ)この点に関し、申立人2は甲2-5を提出し、材質PPの容器(NPボトル(細口500ml)、コード:1300-04、ニッコー・ハンセン株式会社製。以下「甲2-5(1)容器」という。)の、胴部の全高に対する各位置の肉厚を測定し、本件発明1の上記相違点2に係る数値範囲を満たす旨主張する(特許異議申立書6~9頁)。 しかし、甲2-1のカタログ掲載の2011年から甲2-5(1)容器の入手時点の間で、ブロー成形を行う金型の変更等、容器形状の設計変更が行われた可能性を否定できず、設計変更がなかったことを示す証拠は提出されていないから、商品名、品番及び容量が同じであるとしても、甲2-1のカタログに掲載された甲2-1容器が、甲2-5で肉厚を実測した甲2-5(1)容器と、肉厚も含め、同一の構成を有していたものと直ちに認めることはできない。 そうすると、上記相違点2は実質的な相違点である。 (ウ)オートクレーブ対応のPP容器として構成された甲2-1容器を、敢えて上記相違点2に係る構成を備えるものとする動機付けはなく、本件発明1の上記相違点2に係る構成は、甲2-1発明に基いて、当業者が容易に想到し得たものではない。 (エ)以上より、本件発明1は、甲2-1発明ではなく、甲2-1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 ウ 本件発明2~6について 本件発明1が甲2-1発明ではないから、本件発明2~6も、甲2-1発明ではない。 また、本件発明1は、甲2-1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2は、甲2-1発明に基いて、本件発明3、4は、甲2-1発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、本件発明5、6は、甲2-1発明並びに甲2-6~甲2-8に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)甲2-2に基づく理由について ア 甲2-2発明について (ア)甲2-2には、「投薬瓶」の「広口瓶」として、品番が「1-152」、商品名が「広口B型1000」、容量が「1000ml」、サイズが「95×71×247H」の甲2-2容器が掲載されている(p.10)。 このような容器は、樹脂をダイレクトブロー成形により製造されることが技術常識(例えば、甲2-6の【0063】参照)であり、ダイレクトブロー成形により製造される容器は、「中空の容器本体」を備えることが明らかである。 投薬瓶本体の樹脂はポリプロピレンである(p.93)。 甲2-2に掲載された写真から、この「中空の容器本体」は、「胴部」と、その上部に「口部」を備えるものといえる(p.9)。 (イ)甲2-2は、馬野化学容器株式会社が、投薬瓶等の製品カタログとして作成したものと理解される。このカタログの作成時期は、掲載された大阪営業所の電話番号の表記からみて、本件特許の出願前の平成11年1月1日以前である(甲2-9)。 このカタログに掲載された製品は、本件特許の出願前に製造され、広く販売、流通されたことが推認できる。 (ウ)上記(ア)、(イ)より、本件特許の出願前に公然実施された「甲2-2発明」は、次のとおりである。 「ポリプロピレンにより作成された投薬瓶の広口瓶であって、 ダイレクトブロー成形でより製造される中空の容器本体を備え、 中空の容器本体は、胴部と、その上部に口部を備え、容量が1000mlであり、サイズが95×71×247Hである、広口瓶。」 イ 本件発明1について (ア)本件発明1と甲2-2発明を対比する。 甲2-2発明の投薬瓶の「広口瓶」は、ポリプロピレンで製造され、ポリプロピレンはプラスチックであり、本件発明1の「プラスチック容器」に相当する。 甲2-2発明の「中空の容器」は「容量が1000ml」であり、本件発明1の「内容量が500mL以上」の「容器本体」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲2-2発明とは、 「プラスチック容器であって、 前記プラスチック容器は、容器本体を備え、 前記容器本体は、ダイレクトブロー成形体であり、 前記容器本体は、内容量が500mL以上であり、 前記容器本体は、胴部と、口部を備え、 前記口部は、前記胴部の上側に設けられた、プラスチック容器。」で一致し、次の相違点3で相違する。 《相違点3》 本件発明1が、「前記容器本体は、下部平均肉厚/中央部平均肉厚によって定義される第1肉厚比が1.04~1.30であり、」「前記中央部平均肉厚は1mm以上であり、」「前記容器本体の全高をHとすると、前記中央部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出され、前記下部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される」のに対し、甲2-2発明は、そうであるか不明である点。 (イ)この点に関し、申立人2は甲2-5を提出し、材質ポリプロピレンの容器(投薬瓶広口B型1000、容量1000ml、馬野化学容器株式会社製。以下「甲2-5(2)容器」という。)の、胴部の全高に対する各位置の肉厚を測定し、本件発明1の上記相違点3に係る数値範囲を満たす旨主張する(特許異議申立書9~13頁)。 しかし、甲2-2のカタログ掲載時点(遅くとも平成11年1月1日)から甲2-5(2)容器の入手時点の間で、ブロー成形を行う金型の変更等、容器形状の設計変更が行われた可能性を否定できず、設計変更がなかったことを示す証拠も提出されていないから、商品名、品番及び容量が同じであるとしても、甲2-2のカタログに掲載された甲2-2容器が、甲2-5で肉厚を実測した甲2-5(2)容器と、肉厚も含め、同一の構成を有していたものと直ちに認めることはできない。 そうすると、上記相違点3は実質的な相違点である。 (ウ)投薬瓶として構成された甲2-2容器を、敢えて上記相違点3に係る構成を備えるものとする動機付けはなく、本件発明1の上記相違点3に係る構成は、甲2-2発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものではない。 (エ)以上より、本件発明1は、甲2-2発明ではなく、甲2-2発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 ウ 本件発明2~6について 本件発明1が甲2-2発明ではないから、本件発明2~6も、甲2-2発明ではない。 また、本件発明1は、甲2-2発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2~4は、甲2-2発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、本件発明5、6は、甲2-2発明及び甲2-6~甲2-8に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)甲2-3に基づく理由について ア 甲2-3発明について (ア)甲2-3には、「広口瓶」として、樹脂が「HDPE」、品番が「5-011-02」、容量が「3L」、口内径×胴径×全高(mm)が「φ74.5×φ145×262」の甲2-3容器が掲載されている(p.1644)。 このような容器は、樹脂をダイレクトブロー成形により製造されることが技術常識(甲2-6)であり、ダイレクトブロー成形により製造される容器は、「中空の容器本体」を備えることが明らかである。 甲2-3に掲載された写真から、この「中空の容器本体」は、「胴部」と、その上部に「口部」を備えるものといえる(p.1644)。 (イ)甲2-3は、本件特許の出願前の「2018年11月」に、アズワン株式会社が、研究用総合機器のカタログとして作成したものと理解される。 このカタログに掲載された機器は、本件特許の出願前に製造され、広く販売、流通されたことが推認できる。 (ウ)上記(ア)、(イ)より、本件特許の出願前に公然知られ、公然実施された「甲2-3発明」は、次のとおりである。 「HDPEにより作成された広口瓶であって、 ダイレクトブロー成形でより製造される中空の容器本体を備え、 中空の容器本体は、胴部と、その上部に口部を備え、容量が3Lであり、口内径×胴径×全高(mm)がφ74.5×φ145×262である、広口瓶。」 イ 本件発明1について (ア)本件発明1と甲2-3発明を対比する。 甲2-3発明の「広口瓶」は、HDPE(高密度ポリエチレン)で製造され、高密度ポリエチレンはプラスチックであり、本件発明1の「プラスチック容器」に相当する。 甲2-3発明の「中空の容器」は「容量が3L」であり、本件発明1の「内容量が500mL以上」の「容器本体」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲2-3発明とは、 「プラスチック容器であって、 前記プラスチック容器は、容器本体を備え、 前記容器本体は、ダイレクトブロー成形体であり、 前記容器本体は、内容量が500mL以上であり、 前記容器本体は、胴部と、口部を備え、 前記口部は、前記胴部の上側に設けられた、プラスチック容器。」で一致し、次の相違点4で相違する。 《相違点4》 本件発明1が、「前記容器本体は、下部平均肉厚/中央部平均肉厚によって定義される第1肉厚比が1.04~1.30であり、」「前記中央部平均肉厚は1mm以上であり、」「前記容器本体の全高をHとすると、前記中央部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出され、前記下部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される」のに対し、甲2-3発明は、そうであるか不明である点。 (イ)この点に関し、申立人2は甲2-5を提出し、材質HDPEの容器(広口瓶、容量3L、三宝化成株式会社製。以下「甲2-5(3)容器」という。)の、胴部の全高に対する各位置の肉厚を測定し、本件発明1の上記相違点4に係る数値範囲を満たす旨主張する(特許異議申立書14~16頁)。 しかし、甲2-3のアズワン株式会社のカタログに掲載された甲2-3容器と、甲2-5で肉厚を実測した三宝化成株式会社製の甲2-5(3)容器とが、同じ会社製の同じ品番の製品であるとする証拠は提出されていない。 仮に同じ会社製の同じ品番の製品であるとしても、甲2-3のカタログ掲載の2018年11月から甲2-5(3)容器の入手時点の間で、ブロー成形を行う金型の変更等、容器形状の設計変更が行われた可能性を否定できず、設計変更がなかったことを示す証拠も提出されていないから、甲2-3のカタログに掲載された甲2-3容器が、甲2-5で肉厚を実測した甲2-5(3)容器と、肉厚も含め、同一の構成を有していたものと直ちに認めることはできない。 そうすると、上記相違点4は実質的な相違点である。 (ウ)広口瓶として構成された甲2-3容器を、敢えて上記相違点4に係る構成を備えるものとする動機付けはなく、本件発明1の上記相違点4に係る構成は、甲2-2発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものではない。 (エ)以上より、本件発明1は、甲2-3発明ではなく、甲2-3発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 ウ 本件発明3~5について 本件発明1が甲2-3発明ではないから、本件発明3、4も、甲2-3発明ではない。 また、本件発明1は、甲2-3発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明3、4は、甲2-3発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、本件発明5は、甲2-3発明及び甲2-6~甲2-8に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (5)甲2-4に基づく理由について ア 甲2-4発明について (ア)甲2-4には、粉体等の試料保管にふさわしい「規格広口ポリボトル」として、品名が「規格広口ポリ-3L」、内容量(満量)が「3.6L」、ボトルサイズ(mm)が「H:261、W1:146φ」(高さ261mm、直径146mm)、成形方法が「ダイレクトブロー」、材質が「PE」の甲2-4(1)容器が掲載されている(p.61)。 また、「ダイレクトブロー」により製造される容器は、「中空の容器本体」を備えることが明らかである。 甲2-4に掲載された写真から、この「中空の容器本体」は、「胴部」と、その上部に「口部」を備えるものといえる(p.60)。 (イ)甲2-4は、本件特許の出願前の「2014年10月」に、株式会社グラセルが、ボトル等の製品カタログとして作成したものと理解される。 このカタログに掲示された製品は、本件特許の出願前に製造され、広く販売、流通されたことが推認できる。 (ウ)上記(ア)、(イ)より、本件特許の出願前に公然知られ、公然実施された「甲2-4(1)発明」は、次のとおりである。 「PEにより作成された規格広口ボトルであって、 ダイレクトブローにより製造される中空の容器本体を備え、 中空の容器本体は、胴部と、その上部に口部を備え、容量が3Lであり、 高さ261mm、直径146mmの、規格広口ボトル。」 (エ)甲2-4には、「規格広口ポリボトル」として、品名が「規格広口ポリ-5L」、内容量(満量)が「5.8L」、ボトルサイズ(mm)が「H:302、W1:172φ」(高さ302mm、直径172mm)、成形方法が「ダイレクトブロー」、材質が「PE」の甲2-4(2)容器も掲載されている。 この容器に係る「甲2-4(2)発明」は、次のとおりである。 「PEにより作成された規格広口ボトルであって、 ダイレクトブローにより製造される中空の容器本体を備え、 中空の容器本体は、胴部と、その上部に口部を備え、容量が5Lであり、 高さ302mm、直径172mmの、規格広口ボトル。」 イ 本件発明1について (ア)本件発明1と甲2-4(1)発明を対比する。 甲2-4(1)発明の「規格広口ボトル」は、PE(ポリエチレン)で製造され、ポリエチレンはプラスチックであり、本件発明1の「プラスチック容器」に相当する。 甲2-4(1)発明の「中空の容器」は「容量が3L」であり、本件発明1の「内容量が500mL以上」の「容器本体」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲2-4(1)発明とは、 「プラスチック容器であって、 前記プラスチック容器は、容器本体を備え、 前記容器本体は、ダイレクトブロー成形体であり、 前記容器本体は、内容量が500mL以上であり、 前記容器本体は、胴部と、口部を備え、 前記口部は、前記胴部の上側に設けられた、プラスチック容器。」で一致し、次の相違点5で相違する。 《相違点5》 本件発明1が、「前記容器本体は、下部平均肉厚/中央部平均肉厚によって定義される第1肉厚比が1.04~1.30であり、」「前記中央部平均肉厚は1mm以上であり、」「前記容器本体の全高をHとすると、前記中央部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.33H~0.49Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出され、前記下部平均肉厚は、前記容器本体の底面から0.04H~0.20Hの範囲内の複数の高さ位置での肉厚の平均によって算出される」のに対し、甲2-4(1)発明は、そうであるか不明である点。 (イ)この点に関し、申立人2は甲2-5を提出し、材質PEの容器(規格広口ポリ-3L、株式会社グラセル製。以下「甲2-5(4)容器」という。)の、胴部の全高に対する各位置の肉厚を測定し、本件発明1の上記相違点5に係る数値範囲を満たす旨主張する(特許異議申立書16~20頁)。 しかし、甲2-4のカタログ掲載の2014年10月から甲2-5(4)容器の入手時点の間で、ブロー成形を行う金型の変更等、容器形状の設計変更が行われた可能性を否定できず、設計変更がなかったことを示す証拠も提出されていないから、商品名、品番及び容量が同じであるとしても、甲2-4のカタログに掲載された甲2-4(1)容器が、甲2-5で肉厚を実測した甲2-5(4)容器と、肉厚も含め、同一の構成を有していたものと直ちに認めることはできない。 そうすると、上記相違点5は実質的な相違点である。 (ウ)粉体等の試料保管にふさわしい「規格広口ポリボトル」として構成された甲2-4(1)容器を、敢えて上記相違点5に係る構成を備えるものとする動機付けはなく、本件発明1の上記相違点5に係る構成は、甲2-4(1)発明に基いて、当業者が容易に想到し得たものではない。 (エ)以上より、本件発明1は、甲2-4(1)発明ではなく、甲2-4(1)発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (オ)また、甲2-4(2)発明は、甲2-4(1)発明と同様に、本件発明1と相違点5において相違するが、その判断は上記(イ)、(ウ)と同様である。 (カ)以上より、本件発明1は、甲2-4(2)発明ではなく、甲2-4(2)発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 ウ 本件発明2~5について 本件発明1が甲2-4(1)発明又は甲2-4(2)発明ではないから、本件発明2~4も、甲2-4(1)発明又は甲2-4(2)発明ではない。 また、本件発明1は、甲2-4(1)発明又は甲2-4(2)発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明2は、甲2-4(1)発明又は甲2-4(2)発明に基いて、本件発明3、4は、甲2-4(1)発明又は甲2-4(2)発明及び甲2-6に記載された技術的事項に基いて、本件発明5は、甲2-4(1)発明又は甲2-4(2)発明並びに甲2-6~甲2-8に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 5 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700553

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