審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2024-700261

立体造形用樹脂粉末、及び立体造形物の製造方法

審判番号
2024-700261
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-034055
登録番号
7351363
請求日
2024年03月22日
審決日
2025年10月07日
公報発行日
2026年01月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社リコー
  • 【権利者代理人】山口 昭則
  • 【権利者代理人】新川 圭二
  • 【異議申立人】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
  • 【異議申立人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
  • 【異議申立人代理人】伊藤 潤
審判長/審判官
  • 審判長 神谷 健一
  • 審判官 川村 大輔
  • 審判官 関根 洋之
分類
P1651.121-YAA(B29C) / P1651.537-YAA(B29C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第29条、特許法第36条、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7351363号発明「立体造形用樹脂粉末、及び立体造形物の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7351363号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~10〕、11について訂正することを認める。 特許第7351363号の請求項1ないし2、4、6ないし11に係る特許を維持する。 特許第7351363号の請求項3、5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続等の経緯 特許第7351363号(以下「本件特許」という。)の請求項1~11に係る特許についての出願は、平成30年2月7日(優先権主張 平成29年3月14日)に出願した特願2018-19742号の一部を令和4年3月7日に新たな特許出願としたものであって、令和5年9月19日にその特許権の設定登録がされ、令和5年9月27日に特許掲載公報が発行された。 本件特許について、特許掲載公報の発行の日から6月以内である令和6年3月22日に特許異議申立人 エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー(以下「特許異議申立人」という。)から全請求項に対して特許異議の申立てがされた。その後の手続等の経緯の概要は、以下のとおりである。 令和6年 9月 3日付け:取消理由通知書 同年11月 1日 :意見書(特許権者)の提出 同日 :訂正請求書の提出 令和7年 1月20日付け:訂正請求があった旨の通知書 令和7年 4月25日付け:訂正拒絶理由通知書 同年 6月 2日 :意見書(特許権者)の提出 同年 6月27日付け:取消理由通知書(決定の予告) 同年 8月29日 :意見書(特許権者)の提出 同日 :訂正請求書の提出(この訂正請求書による 訂正の請求を、以下「本件訂正請求」と いう。) なお、令和6年11月1日付け訂正請求書による訂正の請求は、特許法120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。 また、当合議体が令和7年1月20日付け通知書でした訂正請求があった旨の通知に対し、特許異議申立人は意見書を提出しなかった。 既に特許異議申立人に意見書の提出の機会が与えられており、さらに、下記第2 2のとおり、本件訂正請求によって特許請求の範囲が相当程度減縮され、下記第5及び第6のとおり、提出された全ての証拠や意見等を踏まえて更に審理を進めたとしても特許を維持すべきとの結論となると合議体は判断し、特許法120条の5第5項ただし書に規定された特別の事情があるときといえるから、特許異議申立人に再度の意見書の提出の機会を与えないこととした。 第2 本件訂正請求について 1 訂正の趣旨 本件訂正請求の趣旨は、特許第7351363号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~11について訂正することを求める、というものである。 ここで、訂正前の請求項2~10は、訂正前の請求項1の記載を引用するものであるところ、訂正事項1に係る訂正に連動して訂正されるから、訂正後の請求項1~10は一群の請求項である。 したがって、本件訂正は、当該一群の請求項についての訂正と訂正後の請求項11についての訂正からなるものである。 以下、本件訂正について、一群の請求項ごとに検討する。 2 請求項1~10(一群の請求項)についての訂正 (1)訂正の内容 本件訂正請求において特許権者が求める請求項1~10についての訂正は、以下のとおりである。なお、下線は当合議体が付したものであり、訂正箇所を示す。 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「端部が頂点を持たない柱体粒子を含む立体造形用樹脂粉末であって、 前記柱体粒子の平均円形度が、0.5μm以上200μm以下の粒径の範囲において、0.83以上であり、 前記立体造形用樹脂粉末の比重が、1.0以上であることを特徴とする立体造形用樹脂粉末。」と記載されているのを、 「端部が頂点を持たない柱体粒子(但し、柱体の周側面に、前記柱体を覆う管状層を有してなる二重構造のものを除く)を含む立体造形用樹脂粉末であって、 前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して75%以上であり、 底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して50%以上であり、 前記立体造形用樹脂粉末の50%累積体積粒径は、5μm以上200μm以下であり、 前記柱体粒子の平均円形度が、0.5μm以上200μm以下の粒径の範囲において、0.83以上0.89以下であり、 前記立体造形用樹脂粉末の体積平均粒径(Mv)と、前記立体造形用樹脂粉末の数平均粒径(Mn)との粒径比(体積平均粒径(Mv)/数平均粒径(Mn))は、1.5以下であり、 前記立体造形用樹脂粉末の比重が、1.0以上であることを特徴とする立体造形用樹脂粉末。」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2、4及び6~10についても、同様に訂正する。)。 イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項4に 「前記柱体粒子の底面の長辺に対する高さの比が、0.5倍以上2倍以下である請求項3に記載の立体造形用樹脂粉末。」と記載されているのを、 「前記底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である前記柱体粒子の底面の長辺に対する高さの比が、0.5倍以上2倍以下である請求項1から2のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項6~10についても、同様に訂正する。)。 エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項5を削除する。 オ 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項6に 「前記立体造形用樹脂粉末が、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリールケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリアセタール、ポリイミド、及びフッ素樹脂から選択される少なくとも1種を含む請求項1から5のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。」と記載されているのを、 「前記立体造形用樹脂粉末が、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリールケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリアセタール、ポリイミド、及びフッ素樹脂から選択される少なくとも1種を含む請求項1から2及び4のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。」に訂正する(請求項6の記載を引用する請求項8~10についても、同様に訂正する。)。 カ 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項7に 「前記立体造形用樹脂粉末が、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリアセタールから選択される少なくとも1種を含む請求項1から5のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。」と記載されているのを、 「前記立体造形用樹脂粉末が、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリアセタールから選択される少なくとも1種を含む請求項1から2及び4のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。」に訂正する(請求項7の記載を引用する請求項8~10についても、同様に訂正する。)。 キ 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項8に 「前記立体造形用樹脂粉末の表面に、流動化剤が付着している請求項1から7のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。」と記載されているのを、 「前記立体造形用樹脂粉末の表面に、流動化剤が付着している請求項1から2、4、6及び7のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。」に訂正する(請求項8の記載を引用する請求項9~10についても、同様に訂正する。)。 (2)訂正の適否 ア 訂正事項1について 訂正事項1に係る訂正は、請求項1において、「柱体粒子」のうち、柱体の周側面に、柱体を覆う管状層を有してなる二重構造のものを除き、かつ、「柱体粒子の含有量」、「底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である柱体粒子の含有量」、「立体造形用樹脂粉末の50%累積体積粒径」、「柱体粒子の平均円形度」及び「立体造形用樹脂粉末の体積平均粒径(Mv)と、立体造形用樹脂粉末の数平均粒径(Mn)との粒径比(体積平均粒径(Mv)/数平均粒径(Mn))」の数値範囲を限定する訂正である。そして、この点は、請求項1の記載を引用して記載された請求項2、4及び6~10についてみても、同じである。 そうすると、訂正事項1に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮)を目的とする訂正に該当する。 また、訂正事項1に係る訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされた発明が訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかである。 そうすると、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。 さらに、訂正事項1に係る訂正は、本件特許の明細書の【0023】~【0026】、【0028】、【0032】~【0033】、【0056】及び【0132】等の記載から導き出すことができる事項であり、当業者によって、明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである。 そうすると、訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正である。 イ 訂正事項2について 訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項3を削除する訂正であり、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。 また、訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当せず、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正である。 ウ 訂正事項3について 訂正事項3に係る訂正は、訂正事項2に係る訂正で特許請求の範囲の請求項3を削除することに伴って、これと整合するように請求項4の記載を改める訂正である。この点は、請求項4の記載を引用して記載された請求項6~10についてみても、同じである。 そうすると、訂正事項3に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正に該当する。 また、訂正事項3に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当せず、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正である。 エ 訂正事項4について 訂正事項4に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項5を削除する訂正であり、「特許請求の範囲の減縮」を目的とする訂正に該当する。 また、訂正事項4に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当せず、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正である。 オ 訂正事項5について 訂正事項5に係る訂正は、訂正事項2に係る訂正で特許請求の範囲の請求項3を削除すること及び訂正事項4に係る訂正で特許請求の範囲の請求項5を削除することに伴って、これと整合するように請求項6の記載を改める訂正である。この点は、請求項6の記載を引用して記載された請求項7~10についてみても、同じである。 そうすると、訂正事項5に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正に該当する。 また、訂正事項5に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当せず、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正である。 カ 訂正事項6について 訂正事項6に係る訂正は、訂正事項2に係る訂正で特許請求の範囲の請求項3を削除すること及び訂正事項4に係る訂正で特許請求の範囲の請求項5を削除することに伴って、これと整合するように請求項7の記載を改める訂正である。この点は、請求項7の記載を引用して記載された請求項8~10についてみても、同じである。 そうすると、訂正事項6に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正に該当する。 また、訂正事項6に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当せず、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正である。 キ 訂正事項7について 訂正事項7に係る訂正は、訂正事項2に係る訂正で特許請求の範囲の請求項3を削除すること及び訂正事項4に係る訂正で特許請求の範囲の請求項5を削除することに伴って、これと整合するように請求項8の記載を改める訂正である。この点は、請求項8の記載を引用して記載された請求項9~10についてみても、同じである。 そうすると、訂正事項7に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正に該当する。 また、訂正事項7に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当せず、かつ、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正である。 (3)小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による請求項1~10についての訂正(訂正事項1~7に係る訂正)は、特許法120条の5第2項ただし書、同法同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 よって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~10について訂正することを認める。 3 請求項11についての訂正 (1)訂正の内容 本件訂正請求において特許権者が求める請求項11についての訂正は、以下のとおりである。 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項11に 「端部が頂点を持たない柱体粒子を含み、前記柱体粒子の平均円形度が0.5μm以上200μm以下の粒径の範囲において0.83以上であり、比重が1.0以上である立体造形用樹脂粉末を含む層を形成する層形成工程と、 選択的に電磁波を照射し、前記層の選択された領域内の立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着工程と、 を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。」と記載されているのを、 「端部が頂点を持たない柱体粒子(但し、柱体の周側面に、前記柱体を覆う管状層を有してなる二重構造のものを除く)を含み、前記柱体粒子の平均円形度が、0.5μm以上200μm以下の粒径の範囲において0.83以上0.89以下であり、比重が、1.0以上である立体造形用樹脂粉末を含む層を形成する層形成工程と、 選択的に電磁波を照射し、前記層の選択された領域内の立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着工程とを含む立体造形物の製造方法であって、 前記立体造形用樹脂粉末は、 前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して75%以上であり、 底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して50%以上であり、 前記立体造形用樹脂粉末の50%累積体積粒径は、5μm以上200μm以下であり、 前記立体造形用樹脂粉末の体積平均粒径(Mv)と、前記立体造形用樹脂粉末の数平均粒径(Mn)との粒径比(体積平均粒径(Mv)/数平均粒径(Mn))が、1.5以下であることを特徴とする立体造形物の製造方法。」に訂正する。 (2)訂正の適否 訂正事項8について 訂正事項8に係る訂正は、請求項11において、「柱体粒子」のうち、柱体の周側面に、柱体を覆う管状層を有してなる二重構造のものを除き、かつ、「柱体粒子の平均円形度」、「柱体粒子の含有量」「底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である柱体粒子の含有量」、「立体造形用樹脂粉末の50%累積体積粒径」及び「立体造形用樹脂粉末の体積平均粒径(Mv)と、立体造形用樹脂粉末の数平均粒径(Mn)との粒径比(体積平均粒径(Mv)/数平均粒径(Mn))」の数値範囲を限定する訂正である。 そうすると、訂正事項8に係る訂正は、120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮)を目的とする訂正に該当する。 また、訂正事項8に係る訂正によって、訂正前の特許請求の範囲には含まれないこととされた発明が訂正後の特許請求の範囲に含まれることとならないことは明らかである。 そうすると、訂正事項8に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正に該当しない。 さらに、訂正事項8に係る訂正は、本件特許の明細書の【0023】~【0026】、【0028】、【0032】~【0033】、【0056】及び【0132】等の記載から導き出すことができる事項であり、当業者によって、明細書、特許請求の範囲又は図面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものである。 そうすると、訂正事項8に係る訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてした訂正である。 (3)小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による請求項11についての訂正(訂正事項8に係る訂正)は、特許法120条の5第2項ただし書、同法同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 よって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項11について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記「第2」のとおり、本件訂正請求による訂正は認められることとなったから、本件特許の請求項1~2、4及び6~11に係る発明(以下、請求項の番号とともに「本件特許発明1」などといい、また、まとめて「本件特許発明」という。)は、本件訂正請求による訂正後の特許請求の範囲の請求項1~2、4及び6~11に記載された事項によって特定されるとおりの、以下のものである。 「【請求項1】 端部が頂点を持たない柱体粒子(但し、柱体の周側面に、前記柱体を覆う管状層を有してなる二重構造のものを除く)を含む立体造形用樹脂粉末であって、 前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して75%以上であり、 底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して50%以上であり、 前記立体造形用樹脂粉末の50%累積体積粒径は、5μm以上200μm以下であり、 前記柱体粒子の平均円形度が、0.5μm以上200μm以下の粒径の範囲において、0.83以上0.89以下であり、 前記立体造形用樹脂粉末の体積平均粒径(Mv)と、前記立体造形用樹脂粉末の数平均粒径(Mn)との粒径比(体積平均粒径(Mv)/数平均粒径(Mn))は、1.5以下であり、 前記立体造形用樹脂粉末の比重が、1.0以上であることを特徴とする立体造形用樹脂粉末。 【請求項2】 前記立体造形用樹脂粉末の50%累積体積粒径が20μm以上である請求項1に記載の立体造形用樹脂粉末。」 「【請求項4】 前記底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である前記柱体粒子の底面の長辺に対する高さの比が、0.5倍以上2倍以下である請求項1から2のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。」 「【請求項6】 前記立体造形用樹脂粉末が、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリールケトン、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリアセタール、ポリイミド、及びフッ素樹脂から選択される少なくとも1種を含む請求項1から2及び4のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。 【請求項7】 前記立体造形用樹脂粉末が、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、及びポリアセタールから選択される少なくとも1種を含む請求項1から2及び4のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。 【請求項8】 前記立体造形用樹脂粉末の表面に、流動化剤が付着している請求項1から2、4、6及び7のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。 【請求項9】 前記流動化剤の平均一次粒径が、500nm以下である請求項8に記載の立体造形用樹脂粉末。 【請求項10】 前記流動化剤が、シリカ及びチタニアの少なくともいずれかである請求項8から9のいずれかに記載の立体造形用樹脂粉末。 【請求項11】 端部が頂点を持たない柱体粒子(但し、柱体の周側面に、前記柱体を覆う管状層を有してなる二重構造のものを除く)を含み、前記柱体粒子の平均円形度が、0.5μm以上200μm以下の粒径の範囲において0.83以上0.89以下であり、比重が、1.0以上である立体造形用樹脂粉末を含む層を形成する層形成工程と、 選択的に電磁波を照射し、前記層の選択された領域内の立体造形用樹脂粉末同士を接着させる粉末接着工程とを含む立体造形物の製造方法であって、 前記立体造形用樹脂粉末は、 前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して75%以上であり、 底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して50%以上であり、 前記立体造形用樹脂粉末の50%累積体積粒径は、5μm以上200μm以下であり、 前記立体造形用樹脂粉末の体積平均粒径(Mv)と、前記立体造形用樹脂粉末の数平均粒径(Mn)との粒径比(体積平均粒径(Mv)/数平均粒径(Mn))が、1.5以下であることを特徴とする立体造形物の製造方法。」 第4 取消しの理由の概要 令和7年6月27日付け取消理由通知書(決定の予告)により特許権者に通知した取消しの理由は、概略、次のとおりのものである。 取消理由1(進歩性欠如):本件特許の請求項1~11に係る発明は、先の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、先の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1ないし11に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。 取消理由2(サポート要件違反):本件特許の請求項1~11に係る特許は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 引用文献等 甲1:国際公開第2013/138204号(主引用例) 甲2:化学大辞典編集委員会編,“化学大辞典8”,縮刷版,共立出版株式会社,平成18年9月15日 縮刷版第39刷(昭和39年2月15日 縮刷版第1刷),p.730-733 甲3:(地独)大阪市立工業研究所プラスチック読本編集委員会 外1名,“プラスチック読本”,第20版,株式会社プラスチックス・エージ,平成21年10月1日 改訂第20版,さし込み付録“主要なプラスチックの性能一覧表” 甲4:国際公開第2009/135521号(主引用例) 甲9:Schmid,M.外4名,”Materials perspective of polymers for additive manufacturing with selective laser sintering”,Journal of Materials Research 29(17),2014 甲11:特開2016-40121号公報 甲12:特開2006-321711号公報 甲13:特開2004-156039号公報 参考資料1:“プラスチックの比重”,[online],本城化生株式会社,[令和6年7月26日検索],インターネット<URL:http://www.plastic.co.jp/knowhow/density.html> 参考資料2:“PLA(生分解性プラスチック)”,[online],荒川技研株式会社,[令和6年7月26日検索],インターネット<URL:https://a-giken.co.jp/pla#:~:text=PLA%E3%81%AF%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%84%E6%B7%B7%E5%90%88%E7%89%A9,1.25%E3%81%A8%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82> 第5 取消理由通知書で通知した取消しの理由についての当合議体の判断 1 取消理由1(進歩性欠如)について (1)甲1を主引用例とする場合 ア 甲1に記載された発明 甲1の記載(特に、[2]~[4]、[7]、[10]、[13]、[17]、[18]、[24]等の記載を参照。)から、甲1には、積層造形プロセスで使用される粉末ベース材料に係る発明、及び当該粉末ベース材料を用いて、積層造形プロセスにより、3次元物体を製造する方法に係る発明として、次の発明が記載されていると認められる。 「積層造形プロセスで使用される粉末ベース材料であって([7])、 前記粉末ベース材料は、複数のポリマー供給材料10、12を共押出しして、シェル部分16及びコア部分18を有する繊維14を形成し([10])、当該繊維14を切断して、実質的に円柱形のマイクロペレット22とし([17])、これをタンブリングすることによって、エッジを丸めたマイクロペレット22であり([18])、 前記繊維14の直径20は、10ミクロンから250ミクロンまでの範囲であり([13])、前記マイクロペレット22の長さ26と前記直径20との間の比は、1:2から3:1であり([17])、 前記シェル部分16及び前記コア部分18を形成するポリマー供給材料10、12は、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリオキシメチレンアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリブチレンテレフタレート、それらのコポリマー、及びそれらの組合せである([24])、 粉末ベース材料。」(以下「甲1材料発明」という。) 「甲1材料発明の粉末ベース材料を用いて、積層造形プロセスにより、3次元物体を製造する方法であって([2])、 前記粉末ベース材料を、ピストン全体に均一に深さ0.05ミリメートルから0.30ミリメートルの範囲の薄い粉末層として堆積する工程と([4])、 前記粉末層の表面でレーザービームをラスタースキャンし、オンとオフを繰り返しながら、粉末ベース材料を選択的に焼結又は融合する工程と([3])、を有する、3次元物体を製造する方法。」(以下「甲1方法発明」という。) イ 本件特許発明1について (ア)対比・一致点・相違点 甲1材料発明の「積層造形プロセス」及び「複数のポリマー供給材料10、12により形成される粉末ベース材料、マイクロペレット22」は、本件特許発明1の「立体造形」及び「樹脂粉末」に対応する。 そして、甲1材料発明のマイクロペレット22は、繊維14を切断した後、エッジを丸めて形成されるから、その形状は、端部が頂点を持たない柱体形状の粉末であると認められる。 したがって、本件特許発明1と甲1材料発明は、「端部が頂点を持たない柱体粒子を含む立体造形用樹脂粉末。」である点で一致し、次の点で相違する。 (相違点1) 本件特許発明1は、「端部が頂点を持たない柱体粒子(但し、柱体の周側面に、前記柱体を覆う管状層を有してなる二重構造のものを除く)を含」み、「前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して75%以上であり、底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して50%以上であり、前記立体造形用樹脂粉末の50%累積体積粒径は、5μm以上200μm以下であり、前記柱体粒子の平均円形度が、0.5μm以上200μm以下の粒径の範囲において、0.83以上0.89以下であり、前記立体造形用樹脂粉末の体積平均粒径(Mv)と、前記立体造形用樹脂粉末の数平均粒径(Mn)との粒径比(体積平均粒径(Mv)/数平均粒径(Mn))は、1.5以下であり、前記立体造形用樹脂粉末の比重が、1.0以上である」のに対し、甲1材料発明は、そのような構成を有しない点。 (イ)判断 上記相違点1について検討する。 上記相違点1に係る構成は、特許異議申立人が提出した甲第1号証~甲第14号証のいずれにも記載されておらず、また、当該構成が公知技術又は周知慣用技術であることを示す証拠を発見することもできない。 また、甲1材料発明において、上記相違点1に係る構成を採用する動機付けはないというべきである。 そうすると、甲1材料発明において、上記相違点1に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるとはいえない。 (ウ)小括 本件特許発明1は、甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、請求項1に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。 ウ 本件特許発明2、4及び6~10について 本件特許の特許請求の範囲の請求項2、4及び6~10は、いずれも、請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、本件特許発明2、4及び6~10は、本件特許発明1の構成を全て具備し、これに限定を加えたものに該当する。そうすると、上記イのとおり、本件特許発明1が、甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない以上、本件特許発明2、4及び6~10も、甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、請求項2、4及び6~10に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。 エ 本件特許発明11について 本件特許発明11と甲1方法発明を対比すると、両者は、上記相違点1と同様の点で相違し、その余の点で一致する。 そして、上記相違点1についての判断は、上記イ(イ)において述べたとおりである。 したがって、本件特許発明11は、甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、請求項11に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。 (2)甲4を主引用例とする場合 ア 甲4に記載された発明 甲4の記載(特に、1ページ3~9行(ページ数は明細書におけるページ数であり、フロントページを含まない。また、行数には空白行を含まない。以下同様。)、4ページ15行~22行、5ページ10~下から4行、6ページ7~12行、同ページ下から2行~7ページ5行、10ページ16~下から2行、13ページ11行~15ページ9行等の記載を参照。)から、甲4には、固体自由形状加工(SFF)法により成形体を製造するためのベース材料に係る発明、当該ベース材料を用いて、固体自由形状加工(SFF)法により、成形体を製造する方 法に係る発明として、次の発明が記載されていると認められる。 「固体自由形状加工(SFF)法により成形体を製造するためのベース材料であって、(4ページ15行~22行) ポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)又はポリエチレンテレフタレート(PET)などの熱可塑性プラスチックを押し出して直径0.01~0.1mmの円筒形の構造物である繊維を形成し、その繊維を所定の長さに切断し、少なくとも一部の端面の端部に対して破断又は面取りすることによって得られる繊維片509により構成され。(5ページ10~下から4行、6ページ7~12行、同ページ下から2行~7ページ5行、10ページ16~下から2行) 当該繊維片509の直径と長さの比が0.5~3である、(5ページ10~16行、10ページ16~20行) ベース材料。」(以下「甲4材料発明」という。) 「甲4材料発明のベース材料を用いて、固体自由形状加工(SFF)法により、成形体を製造する方法であって、(1ページ3~9行、4ページ19~22行) 既に製造され硬化した繊維層18の上に、新しい繊維層50を形成する工程と、(13ページ17~末行) 放射線源100からの電磁放射線を、前記繊維層50の固化される領域に照射して、固化又は硬化する工程と、(14ページ8行~15ページ9行)を有する、成形体を製造する方法」(以下「甲4方法発明」という。) イ 本件特許発明1について (ア)対比・一致点・相違点 甲4材料発明の「固体自由形状加工(SFF)」及び「ベース材料」は、本件特許発明1の「立体造形」及び「樹脂粉末」に対応する。 そして、甲4材料発明の「ベース材料」は、熱可塑性プラスチックを押し出して直径0.01~0.1mmの円筒形の構造物である繊維を形成し、その繊維を所定の長さに切断し、少なくとも一部の端面の端部に対して破断又は面取りすることによって得られる繊維片509により構成されるから、その形状は、端部が頂点を持たない柱体形状であって、柱体の周側面に、柱体を覆う管状層を有してなる二重構造ではないと認められる。 したがって、本件特許発明1と甲4材料発明は、「端部が頂点を持たない柱体粒子(但し、柱体の周側面に、前記柱体を覆う管状層を有してなる二重構造のものを除く)を含む立体造形用樹脂粉末。」である点で一致し、次の点で相違する。 (相違点2) 本件特許発明1は、「前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して75%以上であり、底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である前記柱体粒子の含有量は、前記立体造形用樹脂粉末の全量に対して50%以上であり、前記立体造形用樹脂粉末の50%累積体積粒径は、5μm以上200μm以下であり、前記柱体粒子の平均円形度が、0.5μm以上200μm以下の粒径の範囲において、0.83以上0.89以下であり、前記立体造形用樹脂粉末の体積平均粒径(Mv)と、前記立体造形用樹脂粉末の数平均粒径(Mn)との粒径比(体積平均粒径(Mv)/数平均粒径(Mn))は、1.5以下であり、前記立体造形用樹脂粉末の比重が、1.0以上である」のに対し、甲4材料発明は、そのような構成を有しない点。 (イ)判断 上記相違点2について検討する。 上記相違点2に係る構成は、特許異議申立人が提出した甲第1号証~甲第14号証のいずれにも記載されておらず、また、当該構成が公知技術又は周知慣用技術であることを示す証拠を発見することもできない。 また、甲4材料発明において、上記相違点2に係る構成を採用する動機付けはないというべきである。 そうすると、甲4材料発明において、上記相違点2に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるとはいえない。 (ウ)小括 本件特許発明1は、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、請求項1に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。 ウ 本件特許発明2、4及び6~10について 本件特許の特許請求の範囲の請求項2、4及び6~10は、いずれも、請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、本件特許発明2、4及び6~10は、本件特許発明1の構成を全て具備し、これに限定を加えたものに該当する。そうすると、上記イのとおり、本件特許発明1が、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない以上、本件特許発明2、4及び6~10も、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、請求項2、4及び6~10に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。 エ 本件特許発明11について 本件特許発明11と甲4方法発明を対比すると、両者は、上記相違点2と同様の点で相違し、その余の点で一致する。 そして、上記相違点2についての判断は、上記イ(イ)で述べたとおりである。 したがって、本件特許発明11は、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、請求項11に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。 2 取消理由2(サポート要件違反)について 本件訂正請求による訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び11に、柱体粒子の含有割合及び底面の長辺及び高さが5μm以上200μm以下である柱体粒子の含有割合が記載されたことにより、本件特許の特許請求の範囲の請求項1、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2、4及び6~10並びに請求項11に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものになったので、同請求項1~2、4及び6~11の記載はサポート要件を満たしている。 したがって、本件特許は、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものではない。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 進歩性欠如について 特許異議申立人が主引用例として挙げた、甲第5号証(特表2015-500375号公報)、甲第9号証(Schmid,M.,et al.,“Materials perspective of polymers for additive manufacturing with selective laser sintering”,Journal of Materials Research 29(17),2014)及び甲第10号証(Wulfhorst,J.,Neue Werkstoffe fur das Selektive Lasersintern durch Konvertieren von primargesoponnenen Chemiefasern. Bewilligungszeitraum,pp.1-127,2011)には、上記相違点1又は相違点2に係る構成は記載されていないし、甲第5号証、甲第9号証及び甲第10号証に記載された発明において、上記相違点1又は相違点2に係る構成を採用する動機付けはないというべきである。 したがって、特許異議申立人の進歩性欠如の理由は採用できない。 2 明確性要件違反について 請求項1及び11には「平均円形度」の定義が記載されていないが、本件特許明細書の【0013】等の記載を参酌すれば、本件特許発明における「平均円形度」の定義は明らかであり、本件特許発明1、2、4及び6~11は明確である。 したがって、本件特許の特許請求の範囲の請求項1、2、4及び6~11の記載は明確性要件を満たしているから、特許異議申立人の明確性要件違反の理由は採用できない。 第7 むすび 1 請求項1、2、4及び6~11に係る特許は、いずれも、取消理由通知書によって通知した取消しの理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。また、他に請求項1、2、4及び6~11に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 2 請求項3及び5は、本件訂正請求による訂正で削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項3及び5に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 3 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-700261

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決313件(エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー、株式会社リコー)
  • 2024-701018異議申立 / 2025-04-15 / 請求成立(取消)樹脂粉末、及び立体造形物の製造方法
    同じ当事者: エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー、株式会社リコー
  • 2024-700200異議申立 / 2025-02-28 / 訂正認容樹脂粉末、及び立体造形物の製造方法
    同じ当事者: エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー、株式会社リコー
  • 2024-700154異議申立 / 2025-01-30 / 訂正認容樹脂粒子の製造方法
    同じ当事者: エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー、株式会社リコー
  • 2024-700446異議申立 / 2024-12-03 / 請求成立(取消)樹脂粉末、立体造形用樹脂粉末の製造方法
    同じ当事者: エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー、株式会社リコー
  • 2023-700330異議申立 / 2024-10-08 / 請求成立(取消)立体造形用粉末、立体造形物の製造装置、立体造形物の製造方法及び粉末
    同じ当事者: エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー、株式会社リコー
同じ論点・分野の審決(審決分類)553件(121・B29C、537・B29C)
  • 2025-700006異議申立 / 2026-06-12 / 訂正認容ハイブリッド成形体、成形装置、及び成形方法
    共通の審決分類: 121・B29C、537・B29C
  • 2025-700289異議申立 / 2026-02-10 / 請求成立(取消)共回転ツインスクリュー処理装置のための要素
    共通の審決分類: 121・B29C、537・B29C
  • 2024-700916異議申立 / 2025-12-19 / 訂正認容樹脂接合体及びその接合方法
    共通の審決分類: 121・B29C、537・B29C
  • 2025-700787異議申立 / 2025-12-15 / 維持熱可塑性樹脂組成物の製造方法
    共通の審決分類: 121・B29C、537・B29C
  • 2024-701001異議申立 / 2025-10-14 / 訂正認容二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法
    共通の審決分類: 121・B29C、537・B29C

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存