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特許訂正審判

2024-390129

ハーボキシジエンスプライシング調節薬抗体-薬物コンジュゲート及びその使用方法

審判番号
2024-390129
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2021-533540
登録番号
7570329
請求日
2024年11月01日
審決日
2024年12月12日
公報発行日
2025年04月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【請求人】エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント 株式会社
  • 【請求人代理人】長谷川 芳樹
  • 【請求人代理人】清水 義憲
  • 【請求人代理人】田村 明照
  • 【請求人代理人】木元 克輔
審判長/審判官
  • 審判長 前田 佳与子
  • 審判官 渕野 留香
  • 審判官 田中 耕一郎
分類
P141 .852-Y (A61K) / P141 .853-Y (A61K) / P141 .857-Y (A61K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項3号特許法126条5項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7570329号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 特許第7570329号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔11~30〕について訂正することを認める。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7570329号は、2019年(令和1年)12月12日を国際出願日(パリ条約による優先権主張 2018年12月13日、2018年12月13日及び2019年11月27日、いずれも(US)アメリカ合衆国)として出願され、その請求項1~30に係る発明について令和6年10月10日に特許権の設定登録がされたものであり、その後、令和6年11月1日に本件訂正審判が請求されたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第7570329号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項11~30について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 訂正の内容 本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1のとおりである。 なお、訂正前の請求項11~30について、請求項12~30は、それぞれ請求項11の記載を直接的に又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項11に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項11~30に対応する訂正後の請求項11~30に係る本件訂正は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項について請求されたものである。 <訂正事項1> 特許請求の範囲の請求項11~30に関し、請求項11に「グルタミン-バリン-シトルリン(Glu-Val-Cit)」と記載されているのを、「グルタミン酸-バリン-シトルリン(Glu-Val-Cit)」に訂正する。 (請求項11の訂正により、請求項12~30も同様に訂正されることになる。なお、上記下線は、訂正特許請求の範囲の記載のとおりであり、訂正箇所を示すが、これ以降審決中の下線は合議体が付したものである。) 第4 当審の判断 1 訂正の目的について ア 訂正事項1は、本件訂正前の請求項11に 「リンカーが切断可能部分を含む切断可能リンカーであり、かつ前記切断可能部分が、 (i)切断可能なペプチド部分であって、バリン-シトルリン(Val-Cit)、バリン-アラニン(Val-Ala)、グルタミン-バリン-シトルリン(Glu-Val-Cit)、・・・(合議体注:記載を省略する。以下「・・・」は同様に記載の省略を意味する。)・・・を含んでもよい、切断可能なペプチド部分;又は (ii)・・・切断可能なグルクロニド部分 を含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の化合物。」 と記載されるとおり、請求項11に記載のペプチドである「グルタミン-バリン-シトルリン(Glu-Val-Cit)」について訂正するものであるところ、ペプチドを構成するアミノ酸の名称の略号として、グルタミンは「Gln」と表記され、また、「Glu」は「グルタミン酸」の略号であることは技術常識であった(必要なら、相本三郎ら著「生体分子の化学」、2004年9月10日第1版第4刷、(株)化学同人、p.59)。 イ(ア) そうすると、上記アで指摘した技術常識を踏まえるに、訂正事項1の対象である訂正前の請求項11の「グルタミン-バリン-シトルリン(Glu-Val-Cit)」なる記載は、括弧書きを除いたアミノ酸の名称「グルタミン」と括弧書きで記載されるアミノ酸の略号の記載の「Glu」」との記載とが技術的に整合しておらず、それ自体、不合理を生じていた。 (イ) 訂正事項1は、この不合理を正すものであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。 ウ(ア) また、請求項11には、上記のとおり、不合理な記載があり、訂正事項1の「グルタミン」が「グルタミン酸」の誤記であるか、あるいは「Glu」が「Gln」の誤記であるかのいずれかの誤記であることは明らかであるところ、本件特許明細書の【0020】には、以下の記載がある。 「一部の実施形態において、リンカーは切断可能なペプチド部分を含む。一部の実施形態において、切断可能なペプチド部分は酵素によって切断可能である。一部の実施形態において、切断可能なペプチド部分又はリンカーはアミノ酸単位を含む。一部の実施形態において、アミノ酸単位はバリン-シトルリン(「Val-Cit」又は「VC」)を含む。一部の他の実施形態において、アミノ酸単位はバリン-アラニン(「Val-Ala」又は「VA」)を含む。一部の他の実施形態において、アミノ酸単位はグルタミン酸-バリン-シトルリン(「Glu-Val-Cit」又は「EVC」)を含む。」 そうすると、本件特許明細書の記載からみて、請求項11に記載の「グルタミン-バリン-シトルリン(Glu-Val-Cit)」が「グルタミン酸-バリン-シトルリン(Glu-Val-Cit)」の誤記であったことは明らかである。 なお、アミノ酸の一文字表記での略号である「E」が「グルタミン酸」の略号であることも技術常識である(上記「生体分子の化学」のp.59)。 (イ) 訂正事項1は、上記誤記を本件特許明細書の記載に基づいて正しいものに訂正するものであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものでもある。 エ したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号又は第3号に規定する事項を目的とするものである。 2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 上記1のウ(ア)において述べたように、本件特許明細書(願書に添付した明細書)の【0020】には「一部の他の実施形態において、アミノ酸単位はグルタミン酸-バリン-シトルリン(Glu-Val-Cit又はEVC)を含む。」と記載されていることから、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 3 特許請求の範囲の実質拡張又は変更ではないこと 訂正事項1による訂正は、上記1イのとおり、それ自体の記載内容が不合理を生じている記載を正すものであるし、また、上記1ウのとおり、「グルタミン」が「グルタミン酸」の誤記であるか、あるいは「Glu」が「Gln」の誤記であるかのいずれかであったのを、本願明細書の記載に基づいて、「グルタミン-バリン-シトルリン(Glu-Val-Cit)」なる不合理な記載を、本来その意であることが本件特許明細書の記載から明らかな内容に正すものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。 4 独立特許要件 上記1ウで検討したとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する、誤記又は誤訳の訂正を目的とするものでもあるから、本件訂正後の請求項11に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない。 そこで検討すると、本件訂正前の請求項11に係る発明は、特許を受けることができない理由を発見しないとして特許を受けることができたものと認められるところ、本件訂正後の請求項11に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由が新たに発見されるという事情はないから、訂正事項1に係る本件訂正は特許法第126条第7項に適合する。 5 上記1~4に関し、請求項11についての訂正に連動して訂正されることとなる請求項12~30についての訂正も同様である。 第5 むすび 以上のとおり、本件訂正審判請求における特許請求の範囲の請求項11~30についての訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号又は第3号に規定する事項を目的とし、かつ、同条第5項~第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-390129

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