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特許拒絶査定不服審判

2024-019709

回路基板、回路デバイス、印刷材料容器アセンブリ

審判番号
2024-019709
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2023-503116外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年12月06日
審決日
2025年11月21日
公報発行日
2026年05月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .562-Z (H05K) / P18 .572-Z (H05K) / P18 .113-Z (H05K) / P18 .121-Z (H05K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2023-503116「回路基板、回路デバイス、印刷材料容器アセンブリ」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 1月27日国際公開、WO2022/017092、令和 5年 8月 8日国内公表、特表2023-534297〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2021年(令和3年)6月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2020年7月23日 (CN)中華人民共和国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年 1月16日 :手続補正書 令和6年 1月23日付け:拒絶理由通知書 同年 6月10日 :意見書 同年 8月 6日付け:拒絶査定 同年12月 6日 :審判請求書、手続補正書 以下では、令和6年8月6日付け拒絶査定を「原査定」といい、同年12月6日の手続補正書による補正を「本件補正」という。 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 (1)本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。なお、以下の請求項を「新請求項」ということがある。 「【請求項1】 印刷材料容器に取り付けられ、 前記印刷材料容器に接触する又は印刷装置に接触するように設けられる端子を複数備える原始回路基板と、 前記原始回路基板に設けられ、導電通路を提供するものと複数の端子の間の導電通路を遮断するものとの少なくとも1つとして構成される補助部と、を備える、 回路基板であって、 前記補助部は、導電通路を提供するものとして構成され、且つ前記補助部は、抵抗性を呈し、 前記補助部は、カーボンオイル又は抵抗性の個別素子を備える、 回路基板。 【請求項2】 前記回路基板は、少なくとも一部の前記補助部を覆う絶縁膜をさらに備える、 請求項1に記載の回路基板。 【請求項3】 前記原始回路基板は、第1のセンサ接続端子及び第2のセンサ接続端子を備え、前記第1のセンサ接続端子及び前記第2のセンサ接続端子がいずれも前記印刷材料容器に接触するように設けられ、 前記補助部は、第1の補助部を備え、前記第1の補助部が前記第1のセンサ接続端子及び前記第2のセンサ接続端子に接続され、前記第1のセンサ接続端子と前記第2のセンサ接続端子との間の導電通路を提供するものとして構成される、 請求項1に記載の回路基板。 【請求項4】 前記原始回路基板は、前記第1のセンサ接続端子と前記第2のセンサ接続端子との間に位置する位置規制孔をさらに備え、 前記第1の補助部のエッジの前記位置規制孔のエッジからの最小距離は、予め設定された距離より大きい又は等しい、 請求項3に記載の回路基板。 【請求項5】 前記補助部は、導電通路を提供するもののみとして構成される、 請求項1に記載の回路基板。 【請求項6】 前記原始回路基板は、第1の短絡検出端子及び第2の短絡検出端子を備え、前記第1の短絡検出端子及び前記第2の短絡検出端子がいずれも前記印刷装置に接触するように設けられ、 前記補助部は、第2の補助部を備え、前記第2の補助部が前記第1の短絡検出端子及び前記第2の短絡検出端子に接続され、前記第1の短絡検出端子と前記第2の短絡検出端子との間の導電通路を提供するものとして構成される、 請求項5に記載の回路基板。 【請求項7】 前記印刷装置は、短絡検出回路を備えるように構成され、 前記原始回路基板は、前記短絡検出回路に電気接続するように設けられる端子を備えず、 前記補助部は、第3の補助部を備え、前記第3の補助部が前記短絡検出回路に電気接続するように設けられる接触部を備える、 請求項5に記載の回路基板。 【請求項8】 前記補助部は、複数の端子の間の導電通路を遮断するものとして構成される凹溝を備える、 請求項1に記載の回路基板。 【請求項9】 前記原始回路基板は、第1の短絡検出端子、接地端子及び第2の短絡検出端子を備え、前記第1の短絡検出端子、前記接地端子及び前記第2の短絡検出端子がいずれも前記印刷装置に接触するように設けられ、前記第1の短絡検出端子がチップに電気接続するように設けられ、且つ前記原始回路基板における前記第1の短絡検出端子と前記接地端子との間に導電通路が存在し、 前記凹溝は、前記第1の短絡検出端子と前記接地端子との導電通路に設けられ、前記第1の短絡検出端子と前記接地端子との間の導電通路を遮断するものとして構成される、 請求項8に記載の回路基板。 【請求項10】 請求項1~9のいずれか1項に記載の回路基板と、 制御ユニット及びメモリを備え、複数のピンが前記回路基板の複数の端子に対応して結合されるチップと、 を備える、回路デバイス。 【請求項11】 前記チップの少なくとも1つのピンの定義と、前記少なくとも1つのピンに対応する端子の原始定義とは異なる、 請求項10に記載の回路デバイス。 【請求項12】 前記メモリには、少なくとも1つの世代系列プログラムが記憶されており、前記制御ユニットは、印刷装置のタイプに応じて対応する世代系列プログラムを実行するように構成される、 請求項10に記載の回路デバイス。 【請求項13】 印刷材料容器に取り付けられ、 前記印刷材料容器に接触する又は印刷装置に接触するように設けられる端子を複数備える原始回路基板と、 前記原始回路基板に設けられ、導電通路を提供するものと複数の端子の間の導電通路を遮断するものとの少なくとも1つとして構成される補助部と、を備える、 回路基板であって、 前記補助部は、複数の端子の間の導電通路を遮断するよう変更可能な状態に導電通路を提供するものと、導電通路を提供するよう変更可能な状態に複数の端子の間の導電通路を遮断するものと、の少なくとも1つとして構成される、 回路基板。 【請求項14】 前記補助部が、導電通路を提供するものとして構成される場合、前記印刷材料容器は、第1印刷装置に適用可能であり、且つ、 前記補助部が、複数の端子の間の導電通路を遮断するものとして構成される場合、前記印刷材料容器は、前記第1印刷装置と異なる第2印刷装置に適用可能である、 請求項13に記載の回路基板。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和5年1月16日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載は次のとおりである。なお、以下の請求項を「旧請求項」ということがある。 「【請求項1】 印刷材料容器に取り付けられ、 前記印刷材料容器に接触する又は印刷装置に接触するように設けられる端子を複数備える原始回路基板と、 前記原始回路基板に設けられ、導電通路を提供するものと複数の端子の間の導電通路を遮断するものとの少なくとも1つとして構成される補助部と、を備える、 回路基板。 【請求項2】 前記補助部は、導電通路を提供するものとして構成され、且つ前記補助部は、抵抗性を呈する、 請求項1に記載の回路基板。 【請求項3】 前記補助部は、カーボンオイル又は抵抗性の個別素子を備える、 請求項2に記載の回路基板。 【請求項4】 前記回路基板は、少なくとも一部の前記補助部を覆う絶縁膜をさらに備える、 請求項3に記載の回路基板。 【請求項5】 前記原始回路基板は、第1のセンサ接続端子及び第2のセンサ接続端子を備え、前記第1のセンサ接続端子及び前記第2のセンサ接続端子がいずれも前記印刷材料容器に接触するように設けられ、 前記補助部は、第1の補助部を備え、前記第1の補助部が前記第1のセンサ接続端子及び前記第2のセンサ接続端子に接続され、前記第1のセンサ接続端子と前記第2のセンサ接続端子との間の導電通路を提供するものとして構成される、 請求項2に記載の回路基板。 【請求項6】 前記原始回路基板は、前記第1のセンサ接続端子と前記第2のセンサ接続端子との間に位置する位置規制孔をさらに備え、 前記第1の補助部のエッジの前記位置規制孔のエッジからの最小距離は、予め設定された距離より大きい又は等しい、 請求項5に記載の回路基板。 【請求項7】 前記補助部は、導電通路を提供するもののみとして構成される、 請求項1に記載の回路基板。 【請求項8】 前記原始回路基板は、第1の短絡検出端子及び第2の短絡検出端子を備え、前記第1の短絡検出端子及び前記第2の短絡検出端子がいずれも前記印刷装置に接触するように設けられ、 前記補助部は、第2の補助部を備え、前記第2の補助部が前記第1の短絡検出端子及び前記第2の短絡検出端子に接続され、前記第1の短絡検出端子と前記第2の短絡検出端子との間の導電通路を提供するものとして構成される、 請求項7に記載の回路基板。 【請求項9】 前記印刷装置は、短絡検出回路を備えるように構成され、 前記原始回路基板は、前記短絡検出回路に電気接続するように設けられる端子を備えず、 前記補助部は、第3の補助部を備え、前記第3の補助部が前記短絡検出回路に電気接続するように設けられる接触部を備える、 請求項7に記載の回路基板。 【請求項10】 前記補助部は、複数の端子の間の導電通路を遮断するものとして構成される凹溝を備える、 請求項1に記載の回路基板。 【請求項11】 前記原始回路基板は、第1の短絡検出端子、接地端子及び第2の短絡検出端子を備え、前記第1の短絡検出端子、前記接地端子及び前記第2の短絡検出端子がいずれも前記印刷装置に接触するように設けられ、前記第1の短絡検出端子がチップに電気接続するように設けられ、且つ前記原始回路基板における前記第1の短絡検出端子と前記接地端子との間に導電通路が存在し、 前記凹溝は、前記第1の短絡検出端子と前記接地端子との導電通路に設けられ、前記第1の短絡検出端子と前記接地端子との間の導電通路を遮断するものとして構成される、 請求項10に記載の回路基板。 【請求項12】 請求項1~11のいずれか1項に記載の回路基板と、 制御ユニット及びメモリを備え、複数のピンが前記回路基板の複数の端子に対応して結合されるチップと、 を備える、回路デバイス。 【請求項13】 前記チップの少なくとも1つのピンの定義と、前記少なくとも1つのピンに対応する端子の原始定義とは異なる、 請求項12に記載の回路デバイス。 【請求項14】 前記メモリには、少なくとも1つの世代系列プログラムが記憶されており、前記制御ユニットは、印刷装置のタイプに応じて対応する世代系列プログラムを実行するように構成される、 請求項12に記載の回路デバイス。 【請求項15】 印刷材料容器及び請求項12に記載の回路デバイスを備え、前記印刷材料容器と前記回路デバイスとが着脱可能に接続される、 印刷材料容器アセンブリ。」 2 補正の適否 (1)新規事項の追加の有無 ア 本件補正により、請求項13に「前記補助部は、複数の端子の間の導電通路を遮断するよう変更可能な状態に導電通路を提供するものと、導電通路を提供するよう変更可能な状態に複数の端子の間の導電通路を遮断するものと、の少なくとも1つとして構成される」との事項が追加された。 イ 国際出願日における特許国際出願の明細書、特許請求の範囲若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下「翻訳文等」という。)には、次の記載がある(下線は、当審で付与したものである。)。 「【0015】 原始系列印刷装置内での回路基板における複数の端子の間の接続関係は、目標系列印刷装置内での回路基板における複数の端子の間の接続関係と異なる可能性があり、例えば、原始回路基板における2つの端子の間には導電通路が存在していないが、目標系列印刷装置内での回路基板における対応する2つの端子には導電通路の存在が必要であり、原始系列印刷装置内での回路基板(原始回路基板)を回収した後に、目標系列印刷装置内での回路基板の構造に応じて原始回路基板を改造し、例えば、原始回路基板に補助部を製造することができ、これにより、得られる新たな回路基板における対応する2つの端子の間に導電通路が存在し、さらに目標系列の印刷装置が原始回路基板を利用して作製されてなる回路基板を認識することができるようになり、また、例えば、原始回路基板における2つの端子の間には導電通路が存在しているが、目標系列印刷装置内での回路基板における対応する2つの端子には導電通路が存在することができなくなると、補助部を利用して原始回路基板における該導電通路を遮断することができ、これにより、目標系列の印刷装置が原始回路基板を利用して作製されてなる回路基板を認識することができ、つまり原始回路基板の世代に渡る利用が完成され、原始回路基板の回収利用率が大幅に高められて、印刷装置内での回路基板のコストを下げ、さらに印刷装置のコストを下げることができる。 【0016】 原始系列印刷装置は目標系列印刷装置に対して、古い系列であってもよいし、新たな系列であってもよく、本願の実施例はこれについて限定しない。 【0017】 本実施例の技術案は、採用された回路基板が、原始回路基板及び補助部を備え、原始回路基板が複数の端子を備え、端子が印刷材料容器に接触する又は印刷装置に接触するように設けられ、補助部が原始回路基板に設けられ、導電通路を提供するもの及び/又は端子の間の導電通路を遮断するものとして構成される。目標系列印刷装置内での回路基板の構造に応じて原始回路基板を改造し、例えば原始回路基板に補助部を製造することができ、これにより、得られる新たな回路基板における対応する2つの端子の間に導電通路が存在し、及び/又は新たな回路基板における対応する2つの端子の間の導電通路が遮断され、さらに目標系列の印刷装置が原始回路基板を利用して作製されてなる回路基板を認識することができるようになり、つまり原始回路基板の世代に渡る利用が完成され、原始回路基板の回収利用率が大幅に高められて、印刷装置内での回路基板のコストを下げ、さらに印刷装置のコストを下げることができる。」 「【0020】 好ましくは、補助部は、カーボンオイル又は抵抗性の個別素子を含む。 【0021】 カーボンオイル及び抵抗性の個別素子はいずれも、対応する2つの端子の間に導電通路を形成させることができ、補助部が導電通路を提供するものとして構成される場合、補助部はカーボンオイルであってもよく、カーボンオイルは、原始回路基板に塗布されやすく、且つ厚さが比較的小さく、占有する空間全体が比較的小さく、回路基板が全体的に占有する空間に影響することがなく、つまり回路基板はサイズに大きな変化が生じてインクカートリッジ又は印刷装置にマッチングできなくなることがない。同時に、カーボンオイルのサイズを制御することによりカーボンオイルの抵抗値を制御し、さらに回路基板における相応する端子の間の抵抗値を制御することができ、これにより、目標系列の印刷装置は、原始回路基板を利用して作製されてなる回路基板を認識することができる。」 「【0035】 好ましくは、図5は、本願の実施例に係る更なる回路基板の印刷装置接触面の構造模式図であり、図5を参照し、補助部102は、端子の間の導電通路を遮断するものとして構成される凹溝を備える。 【0036】 原始回路基板における2つの端子の間には導電通路が存在する可能性があるが、目標系列印刷装置の対応する2つの端子の間に導電通路が存在することができなくなり、この場合、2つの端子の間に凹溝を設け、例えば、切断などの方式により切断溝(凹溝)を形成することができ、これにより、前記2つの端子の間の導電通路がオフになり、さらに、原始回路基板が、補助部が付け加えられた後に、目標系列の印刷装置に適用可能となる。凹溝は、複数であってもよく、これにより、導電通路が不要な2つ又は複数の端子の間の導電通路をオフできることが保証される。」 ウ 前記イの翻訳文等の記載によれば、補助部は、原始回路基板に設けられ、2つの端子の間の導電通路を提供するように構成されるものであり、例えば、カーボンオイル又は抵抗性の個別素子である。また、補助部は、原始回路基板に設けられ、複数の端子の間の導電通路を遮断するものとして構成されるものであり、例えば、切断溝(凹溝)である。 他方、前記イ以外の記載箇所も含め、翻訳文等には、2つの端子の間の導電通路を提供するように構成される補助部が、「複数の端子の間の導電通路を遮断するよう変更可能な状態に」該端子間の導電通路を提供することは記載されておらず、翻訳文等の記載から自明な事項でもない。同様に、翻訳文等には、複数の端子の間の導電通通路を遮断するものとして構成される補助部が、「導電通路を提供するよう変更可能な状態に」複数の端子の間の導電通路を遮断することは記載されておらず、翻訳文等の記載から自明な事項でもない。そもそも、翻訳文等には、補助部によって原始回路基板における端子間の導電通路を提供したものを、さらに、その導電通路を遮断するように変更することについても、補助部によって原始回路基板における端子間の導電通路を遮断したものを、さらに、導電通路を提供するように変更することについても、何ら記載がない。 そうすると、請求項13に「前記補助部は、複数の端子の間の導電通路を遮断するよう変更可能な状態に導電通路を提供するものと、導電通路を提供するよう変更可能な状態に複数の端子の間の導電通路を遮断するものと、の少なくとも1つとして構成される」との事項を追加する補正は、翻訳文等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 よって、本件補正は、新規事項を追加するものである。 エ 請求人は、審判請求書のC.2)において、請求項13についての補正は、例えば、本願明細書の【0015】~【0017】によりサポートされている旨主張する。 しかしながら、前記イ及びウのとおりであるから、上記主張は採用できない。 オ 以上のとおり、本件補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたのでないから、特許法第17条の2第3項(同法第184条の12第2項)に規定する要件に適合しない。 (2)補正の目的 ア 特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」は、補正前後の請求項に係る発明が実質的に一対一の対応関係にあることを必要とする(東高判平16.4.14(平15(行ケ)230号)、知財高判平17.4.25(平 17(行ケ)10192号)。 イ 本件補正は、旧請求項2及び3の発明特定事項を旧請求項1に繰り入れて新請求項1とし、旧請求項2、3及び15を削除し、旧請求項4~14の項番を繰り上げて新請求項2~12とし、旧請求項1に「前記補助部は、複数の端子の間の導電通路を遮断するよう変更可能な状態に導電通路を提供するものと、導電通路を提供するよう変更可能な状態に複数の端子の間の導電通路を遮断するものと、の少なくとも1つとして構成される」との限定を付して新請求項13とし、新請求項13にさらに「前記補助部が、導電通路を提供するものとして構成される場合、前記印刷材料容器は、第1印刷装置に適用可能であり、且つ、前記補助部が、複数の端子の間の導電通路を遮断するものとして構成される場合、前記印刷材料容器は、前記第1印刷装置と異なる第2印刷装置に適用可能である」との限定を付して新請求項14とするものと認められる。(なお、請求人も、審判請求書のC.1)及び2)で同旨を述べている。) そうすると、本件補正は、旧請求項1にそれぞれ別の限定を付して新請求項1、13及び14に展開する補正を含むものであり、かかる補正前後の請求項に係る発明は実質的に一対一の対応関係にあるものではないから、該補正は、特許請求の範囲の減縮に該当しない。 また、前記補正が、請求項の削除、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明のいずれにも該当しないことも明らかである。 ウ 請求人は、審判請求書のC.2)において、旧請求項1に、それぞれ限定要件を追加して新請求項1、13及び14とする補正を行った旨述べているが、該補正が、特許請求の範囲の減縮、請求項の削除、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明のいずれにも当たらないことは、前記イのとおりである。 エ よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項各号に掲げるいずれの事項を目的とするものに該当しない補正を含むから、特許法第17条の2第5項に規定する要件に適合しない。 3 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項及び第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~15に係る発明は、令和5年1月16日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の1(2)に記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、次の理由1及び2のとおりのものである。 (理由1)この出願の請求項1~3、5~9に係る発明は、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、この出願の出願の請求項1~5、7に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 (理由2)この出願の請求項1~9、12~15に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、この出願の請求項1~5、7~10に係る発明は、以下の引用文献2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、請求項6、11~15に係る発明は、以下の引用文献2に記載された発明及び以下の引用文献1にされた周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1.特開2015-136815号公報 引用文献2.中国実用新案第206327013号明細書 3 引用文献 (1)引用文献2 ア 引用文献2の記載 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2には、以下の記載がある。なお、訳は、当審で作成したものであり、下線は、強調のために当審で付したものである(以下、同じ。)。 「 [図:0001434880000001.jpg] 」 (訳: [0028] 図1は、本実用新案の実施例によるチップの構造概略図を示す。 [0029] 図1に示すように、本実用新案の実施例におけるチップ1は、第1接点11と第2接点12を備える。第1接点11と第2接点12の通断は、異なる電気信号を出力するために用いられ、第1接点11は容易に脱着可能な導電構造13を介して第2接点12に接続されている。 [0030] これにより、ユーザは操作中に外部機器を使用してスイッチ操作又はスライド操作を行う必要がなく、容易に脱着可能な導電構造13を直接取り外すだけで信号変化を実現し、シリアル番号を切り替えることができる。これにより、ユーザの操作が大幅に簡素化されるだけでなく、シリアル番号を便利かつ迅速に切り替えられるようになり、さらに、シリアル番号切り替えの有効性が向上し、スイッチ操作の失敗やスライド操作の不十分さによる切り替え失敗の問題を回避できる。同時に、ユーザの操作安全性を向上させ、外部機器の使用による負傷を防止する。) 「 [図:0001434880000002.jpg] [図:0001434880000003.jpg] 」 (訳: [0044] 図4は、本実用新案の別の実施例によるチップの構造概略図を示す。 [0045] 図4に示すように、チップ1の容易に着脱可能な導電構造13はケーブル134を含み、ケーブル134の両端はそれぞれ第1接点11と第2接点12に接続されている。 [0046] これにより、第1接点11と第2接点12の接続を切断する必要がある場合、ユーザはケーブル134を切るか引き抜くだけで効果的に接続を切断でき、この操作は、関連技術におけるトグルスイッチやスライドスイッチの操作に比べてはるかに簡便かつ迅速であり、ユーザの操作利便性を大幅に向上させる。 [0047] 本実用新案の上記実施例において、任意に、ケーブル134の数はn本であり、nは2以上の整数である;第1接点11と第2接点12の数はそれぞれn個である;n本のケーブルの各々の第1端部はそれぞれ特定の第1接点に接続され、第2端部はそれぞれ当該特定の第1接点に対応する第2接点に接続される。 [0048] この構成は、インクカートリッジに複数のシリアル番号が存在する場合に適用可能であり、シリアル番号を切り替えるたびに、1本のケーブルを切断するだけで、そのケーブルに対応するシリアル番号に切り替えることができる。 [0049] 本実用新案の上記実施例において、任意に、ケーブル134は、接続用のFFC(Flexible Flat Cable;フレキシブルフラットケーブル)であり、これにより、複数の接点を組み合わせた場合に単一の制御を容易にする。 [0050] FFCは自由に折り曲げることができ、チップ1に装着されたときにチップ1が占めるスペースを増加させないので、チップ1の装着及び使用が容易になる。) 「 [図:0001434880000004.jpg] 」 (訳: [0051] 図5は、本実用新案の一実施例によるインクカートリッジのブロック図を示す。 [0052] 図5に示すように、本実用新案の実施例によるインクカートリッジ2は、図1から図4のいずれかの実施例に記載されたチップ1を含む。したがって、このインクカートリッジ2は、図1から図4のいずれかの実施例に記載されたチップ1と同一の技術効果を有し、ここでは繰り返し説明しない。) 「 [図:0001434880000005.jpg] 」 (訳: 図1) 「 [図:0001434880000006.jpg] 」 (訳: 図4) 「 [図:0001434880000007.jpg] 」 (訳: チップ1 インクカートリッジ2 図5) なお、以下では、[0028]~[0030]、図1に記載された「実施例」を「図1実施例」といい、[0044]~[0050]、図4に記載された「別の実施例」を「図4実施例」といい、[0051]~[0052]、図5に記載された「一実施例」を「図5実施例」という。 イ 引用発明 (ア)図5実施例の「インクカートリッジ2」は、「図1から図4のいずれかの実施例に記載されたチップ1を含む」([0052])から、図4実施例の「チップ1」を含み得る。 (イ)図4実施例の「チップ1」が、「第1接点11と第2接点12」([0045])を備えることは、図4等から明らかである。 (ウ)図4実施例の「第1接点11と第2接点12」は、必要がある場合、その「接続を切断する」([0046])もの、すなわち通断されるものであり、同じ符号が付され、通断される図1実施例の「第1接点11と第2接点12」([0029])と同様のものと解されるから、「第1接点11と第2接点12の通断は、異なる電気信号を出力するために用いられ」([0029])るものと認められる。 (エ)以上によれば、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、後の参照の便宜のため、引用発明を符号a~gを付して分説し、「構成a」のようにして参照する。 a インクカートリッジ2に含まれるチップ1であって、(前記(ア)) b チップ1が、第1接点11と第2接点12を備え、(前記(イ)) c チップ1の容易に着脱可能な導電構造13はケーブル134を含み、ケーブル134の両端はそれぞれ第1接点11と第2接点12に接続され([0045]) d 第1接点11と第2接点12の接続を切断する必要がある場合、ユーザはケーブル134を切るだけで接続を切断でき、([0046]) e 第1接点11と第2接点12の通断は、異なる電気信号を出力するために用いられ、(前記(ウ)) f ケーブルを切断するだけで、そのケーブルに対応するシリアル番号に切り替えることができる([0048]) g チップ1。 (2)周知事項 ア 周知文献1 当審で周知事項を示すために本審決で引用する中国特許出願公開第101916062号明細書(公開日2010年12月15日)(以下「周知文献1」という。)には、次の記載がある。 「 [図:0001434880000008.jpg] 」 (訳: [0003] 図1を参照すると、既存のインクカートリッジは、筐体11を備えており、筐体11はキャビティ15を囲み、キャビティ15内にはインクが収容されている。筐体11の下方にはインク出口14が設けられており、キャビティ15内のインクはインク出口14を通って流出することができる。筐体11の外壁にはチップ13が取り付けられており、その構造は図2に示す通りである。チップ13は基板16を有し、基板16上には複数の電気接点17が配置されている。電気接点17は、通信モジュールとしてインクジェットプリンタの電気接点に接続して情報伝送を行う通信モジュールとして機能する。基板16には、さらに電子モジュール18が取り付けられており、電気接点17と電気的に接続されたメモリを含む電子モジュール18が搭載されている。このメモリには、インクカートリッジのモデル、対応するインクジェットプリンタのモデル、インクの色、キャビティ15内のインク残量、インクカートリッジの印刷時間など、インクカートリッジに関する情報が記憶される。さらに、メモリにはインクカートリッジのシリアル番号データも記憶される。このシリアル番号データは、インクカートリッジメーカがカートリッジを一意に識別するためにメモリに書き込む情報であり、各インクカートリッジには固有のシリアル番号データが割り当てられている。インクカートリッジがインクジェットプリンタに装着されると、プリンタはメモリ内のシリアル番号データを読み取って、インクカートリッジがプリンタに適合しているかどうかを判断する。正しいシリアル番号データを持つインクカートリッジが装着された場合のみ、インクジェットプリンタは正常に動作する。) イ 周知文献2 当審で周知事項を示すために本審決で引用する中国特許出願公開第110303771号明細書(公開日2019年10月8日)(以下「周知文献2」という。)には、次の記載がある。 「 [図:0001434880000009.jpg] 」 (訳: [0054] 集積回路(以下「チップ」と呼ぶ)250Aは、インクカートリッジ200Aの外表面に搭載されている。チップ250Aは、インクカートリッジ200Aに関する各種情報を記憶するためのメモリを備える。実施例において、チップ250Aのメモリに記憶される情報には、総印刷可能枚数TNおよびインクカートリッジ200Aを識別する識別情報(例えばシリアル番号)が含まれる。総印刷可能枚数TNは、新品のカートリッジ200Aに収容されたインクIkの量(初期量)を使用して印刷可能な枚数を特定する。したがって、総印刷可能枚数TNは、カートリッジ200A内のインクIkの初期量を印刷枚数を単位として特定する値であるといえる。例えば、総印刷可能枚数TNは、カートリッジ200A内のインクIkの初期量を、1枚の印刷に必要な平均インク量で除算して得られる値に設定することができる。 [0055] 装着部172Aは、例えばインクカートリッジ200Aが着脱可能に装着されるホルダである。インク供給口174Aは、装着部172Aに取り付けられたインクカートリッジ200Aのインク出口230Aと接続され、中間タンク175Aはインク供給口174Aおよびインク出口230Aを介して主収容室210Aに接続される。主収容室210A内のインクIkは、インク供給開口部174Aを通じてインク供給部170Aに供給される。カートリッジ200Aが装着部172Aに装着されたとき、装着部172Aは、インクカートリッジ200Aのチップ250A上の電極に接触する接点CMを有する。プリンタ100A(CPU110)は、接点CMを介して、チップ250Aのメモリに格納された情報を読み取ったり、メモリに情報を書き込んだりすることができる。) ウ 周知事項 周知文献1の「チップ13」に備わる「複数の電気接点17」は、「インクジェットプリンタの電気接点」に接触する端子であり、周知文献2の「チップ250A」に備わる「電極」は、「プリンタ100A」の「装着部172」の「接点CM」に接触する端子であるといえる。 よって、周知文献1及び周知文献2によれば、インクカートリッジに装着されるチップが、プリンタと接触する端子を複数備え、該端子を介してシリアル番号をプリンタに出力することは、本願優先日前に周知であったと認められる。 4 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)「回路基板」について 引用発明の「チップ1」(構成g)は、本願発明の「回路基板」に相当する。 (2)「印刷材料容器に取り付けられ」について 引用発明の「チップ1」は、「インクカートリッジ2に含まれる」(構成a)ものであるから、「インクカートリッジ2」に取り付けられていると解され、「インクカートリッジ2」は、本願発明の「印刷材料容器」に相当するから、本願発明と引用発明とは、「印刷材料容器に取り付けられ」る点で一致する。 (3)「前記印刷材料容器に接触する又は印刷装置に接触するように設けられる端子を複数備える原始回路基板」について 引用発明の「チップ1」は、「ケーブル134」を「切る」(構成d)ことで、「チップ1」の「第1接点11と第2接点12の通断」(構成e)が変化するものであり、該変化する前の当初の「チップ1」構成を「原始」と称することは任意であるから、当初の「チップ1」構成は、本願発明の「原始回路基板」に相当する。 他方、引用発明は、「チップ1」が「前記印刷材料容器に接触する又は印刷装置に接触するように設けられる端子を複数備える」ことは特定されておらず、この点で、本願発明とは相違する。 (4)「前記原始回路基板に設けられ、導電通路を提供するものと複数の端子の間の導電通路を遮断するものとの少なくとも1つとして構成される補助部」について 引用発明の「チップ1」は、「着脱可能な導電構造13」の「ケーブル134」を備え、「ケーブル134の両端はそれぞれ第1接点と第2接点に接続され」る(構成c)から、「ケーブル134」は、第1接点と第2接点の導電通路を提供するよう構成されたものである。また、「ケーブル134」は、「切」られると「第1接点11と第2接点の接続を切断」する(構成d)から、「ケーブル134」は、「第1接点11と第2接点」の間の導電通路を遮断するよう構成されたものともいえる。さらに、「ケーブル134」は、「ユーザが」それを「切る」ことで、「第1接点11と第2接点12の通断」(構成e)を変え、「そのケーブルに対応するシリアル番号に切り替えることができ」る(構成f)から、「ケーブル134」は、「シリアル番号」を「切り替える」補助をするものといえる。そして、「第1接点と第2接点」は、本願発明の「複数の端子」に相当するから、本願発明の「補助部」と引用発明の「ケーブル134」とは、「原始回路基板に設けられ、導電通路を提供するものと複数の端子の間の導電通路を遮断するものとの少なくとも1つとして構成される補助部」である点で一致する。 (5)「原始回路基板と、」「補助部と、」「を備える」について 前記(3)及び(4)のとおり、引用発明は、「原始回路基板」と「補助部」を備えたものである。 (6)一致点、相違点 以上によれば、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、相違する。 [一致点] 印刷材料容器に取り付けられ、 原始回路基板と、 前記原始回路基板に設けられ、導電通路を提供するものと複数の端子の間の導電通路を遮断するものとの少なくとも1つとして構成される補助部と、を備える、 回路基板。 [相違点] 本願発明は、「原始回路基板」が「前記印刷材料容器に接触する又は印刷装置に接触するように設けられる端子を複数備える」ものであるのに対し、引用発明はそれが特定されていない点。 5 判断 (1)相違点について 引用発明の「チップ1」は「第1接点と第2接点の通断」を「異なる電気信号を出力するために用い」る(構成e)ものであって、該「電気信号」は「切り替えることができ」る「シリアル番号」(構成f)のことであるから、「電気信号」の「出力」先は、「インクカートリッジ」が装着される印刷装置であると解される。そして、前記3(2)ウのとおり、インクカートリッジに装着されるチップが、プリンタと接触する端子を複数備え、該端子を介してシリアル番号をプリンタに出力することは周知であったことに鑑みると、引用発明の「チップ1」(当初の「チップ1」構成)は、印刷装置に接触する端子(接点)を複数備え、該端子を介して「シリアル番号」の「電気信号」を出力するものと解するのが自然である。 したがって、相違点は、実質的な相違点ではなく、本願発明は、引用発明と同一である。仮に、そうとまではいえないとしても、相違点は具体化における微差にすぎず、相違点に係る構成が、顕著な効果を奏するとは認められないから、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。 (2)請求人の主張について 請求人は、審判請求書のC.3)(2)において、引用文献2に記載の技術は、回収や再利用のニーズを満たすために、既存の回路基板の端子間の電気的接続関係を変更するものではなく、本願発明は、端子間の電気的接続関係を変更するために、原始回路基板に元から形成されている補助部を使用することができる旨主張する。また、令和6年6月10日の意見書の2-1.において、引用文献2は、オリジナルインクカートリッジが取り付けられる対象の印刷装置にどのように適合するかには関係がないのに対し、本願発明は、補助部を用いて端子間に導電通路を提供する、又は導電通路を遮断することは、目標系列の印刷装置が原始回路基板から作られた回路基板を認識できるようにするためである旨主張する。 しかしながら、引用発明は、前記4のとおり、本願発明の補助部に相当するケーブル134を使用して、チップ1の第1接点と第2接点の導通、すなわち電気的接続関係を変更するものであるから、この点において、本願発明と相違しない。また、本願の請求項1には、補助部について「導電通路を提供するものと複数の端子の間の導電通路を遮断するものとの少なくとも1つとして構成される」とのみ記載され、導電通路と目標系列の印刷装置との関係までは特定されていないから、本願発明の該導電通路の提供または導電通路の遮断が、ただちに、目標系列の印刷装置が原始回路基板から作られた回路基板を認識できるようなものであると解することはできず、回収や再利用のニーズを満たすものであるともいえない。 よって、請求人の主張は採用することができない。 (3)小括 したがって、本願発明は、引用文献2に記載された発明である。また、本願発明は、引用文献2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項又は第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-019709

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