特許拒絶査定不服審判
2024-010509
滅菌処理用臭気吸着性積層体
- 審判番号
- 2024-010509
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-063076外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年06月26日
- 審決日
- 2026年02月10日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (B32B) / P18 .575-Z (B32B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-63076号「滅菌処理用臭気吸着性積層体」拒絶査定不服審判事件〔令和3年10月11日出願公開、特開2021-160174号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年3月31日の出願であって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
令和5年10月27日付け:拒絶理由通知書
令和5年12月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 3月19日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(令和6年 3月26日 :原査定の謄本の送達)
令和6年 6月26日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和6年6月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年6月26日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は補正箇所である。)。
「臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類およびアルコール類の4種の臭気物質のいずれも吸着する、滅菌処理用臭気吸着性積層体であって、
前記滅菌処理は、電子線(EB)照射および/またはγ線照射であり、
該滅菌処理用臭気吸着性積層体は、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層と含み、紙層を含まず、
該臭気吸着シーラント層は、ヒートシール層および臭気吸着層を含み、
該基材層は、バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムを含み、
該ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有し、臭気吸着剤を含有しない層であり、
該臭気吸着層は、臭気吸着剤を含有する層であり、該臭気吸着層中の、前記臭気吸着剤の含有量が、15質量%以下であり、
前記臭気吸着剤は、該臭気吸着層のみに含有され、
該臭気吸着剤は、疎水性ゼオライトを含む、
滅菌処理用臭気吸着性積層体。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和5年12月25日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類およびアルコール類を吸着することができる滅菌処理用臭気吸着性積層体であって、
該滅菌処理用臭気吸着性積層体は、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層と含み、
該臭気吸着シーラント層は、ヒートシール層および臭気吸着層を含み、
該ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有し、前記臭気吸着剤を含有しない層であり、
該臭気吸着層は、前記臭気吸着剤を含有する層であり、該臭気吸着層中の、前記臭気吸着剤の含有量が、15質量%以下であり、
該臭気吸着剤は、疎水性ゼオライトを含む、
滅菌処理用臭気吸着性積層体。」
(3)本件補正の内容
本件補正は、補正前の請求項1に関する次の補正事項を含むものである。
ア 補正事項1
本件補正前の請求項1に記載された
「臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類およびアルコール類を吸着することができる滅菌処理用臭気吸着性積層体」を、
「臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類およびアルコール類の4種の臭気物質のいずれも吸着する、滅菌処理用臭気吸着性積層
」に補正する。
イ 補正事項2
本件補正前の請求項1に「前記滅菌処理は、電子線(EB)照射および/またはγ線照射であり、」の記載を追加する。
ウ 補正事項3
本件補正前の請求項1に記載された「該滅菌処理用臭気吸着性積層体は、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層と含み、」を、
「該滅菌処理用臭気吸着性積層体は、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層と含み、紙層を含まず、」に補正する。
エ 補正事項4
本件補正前の請求項1に「該基材層は、バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムを含み、」の記載を追加する。
オ 補正事項5
本件補正前の請求項1に記載された「該ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有し、前記臭気吸着剤を含有しない層であり、
該臭気吸着層は、前記臭気吸着剤を含有する層であり、該臭気吸着層中の、前記臭気吸着剤の含有量が、15質量%以下であり、」を、
「該ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有し、臭気吸着剤を含有しない層であり、
該臭気吸着層は、臭気吸着剤を含有する層であり、該臭気吸着層中の、前記臭気吸着剤の含有量が、15質量%以下であり、
前記臭気吸着剤は、該臭気吸着層のみに含有され、」に補正する。
2 補正の適否
(1)補正事項1~補正事項5について、新規事項の有無及び補正の目的について
ア 補正事項1について
補正事項1は、願書に最初に添付した明細書(以下「当初明細書」という。)の【0004】の記載に基づいて、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「滅菌処理用臭気吸着性積層体」について、「吸着する」「臭気物質」を限定するものである。
イ 補正事項2について
補正事項2は、当初明細書の【0005】の記載に基づいて、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「滅菌処理用臭気吸着性積層体」について、「滅菌処理」を限定するものである。
ウ 補正事項3について
補正事項3は、紙層を含まない実施例が記載されていること(当初明細書の【0076】~【0081】)からみても、新たな技術的事項を導入するものではなく、また、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「滅菌処理用臭気吸着性積層体」について、「紙層を含ま」ないものと限定するものである。
エ 補正事項4について
補正事項4は、当初明細書の【0048】の記載に基づいて、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「基材層」を限定するものである。
オ 補正事項5について
補正事項5は、本件補正前の請求項1における「前記臭気吸着剤」の記載について、「前記」が指す事項が記載されておらず不明確であったものを「前記」の記載を削除して明確にするとともに、当初明細書の【0066】~【0081】の記載に基づいて、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「滅菌処理用臭気吸着性積層体」について、「臭気吸着剤」が含有される層を限定するものである。
カ 小括
補正事項1~5は、上記ア~オで説示したとおり、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであって、請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するとともに、明瞭でない記載を釈明するものである。
さらに、補正事項1~5は、補正前の請求項1に記載された発明とその補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
したがって、本件補正のうち請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮及び同項第4号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。
(2)独立特許要件について
上記(1)のとおり、本件補正のうち請求項1についてする補正は、特許請求の範囲の減縮を目的に含むものであるから、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。
ア 補正発明
補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
イ 引用文献の記載等
(ア)引用文献2
原査定の拒絶の理由で引用された特開2020-512号公報(令和2年1月9日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある(下線は当審が付した。「・・・」は省略した部分を表す。以下同様。)。
「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述の問題を解決し、製造適正に優れ、シーラントフィルムが元から含有している臭気有機物と、UV照射、ホットパック、ボイル、γ線照射、EB照射等の殺菌・滅菌処理の際に、シーラントフィルムを構成する樹脂の分解等により発生する臭気と、本発明のシーラントフィルムを用いて包装袋充填体を作製した場合における内容物自体から生じる臭味成分に対して、高い吸着または分解作用による消臭効果を長期間にわたって発揮してする、内容物への長期間の耐臭味変化性に優れたシーラントフィルム、及び該シーラントフィルムを用いた包装材料、包装体を提供することを目的とする。」
「【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の消臭シーラントフィルム、及び該消臭シーラントフィルムを用いて作製した消臭包装材料、消臭包装体について、以下に更に詳しく説明する。具体例を示しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
<消臭シーラントフィルムの層構成>
本発明の消臭シーラントフィルムは、図1に示すように、少なくともシーラント層を含み、該シーラント層は、消臭体とヒートシール性熱可塑性樹脂とを含有する。さらには、必要に応じて、図2、3に示すように、基材層や中間層や接着層等の他の層を含むこともできる。」
「【0138】
<中間層>
本発明の消臭積層体は、図3に示すように、中間層を含むことができ、必要に応じて様々な機能を付与することができる。
【0139】
例えば、バリア層として、金属箔、金属蒸着膜層または金属酸化物蒸着膜層が形成された熱可塑性樹脂フィルムや、更に、前記金属蒸着膜層上にバリアコート樹脂層を含むことでもできる。
【0140】
バリア層の具体例としては、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着膜、酸化アルミニウム蒸着膜、酸化珪素蒸着膜等が挙げられる。
【0141】
上記のようなバリア層を含むことによって、積層体のガスバリア性を向上させることができ、内容物の酸化や香味成分の散逸を防ぐ効果が高まり、内容物の風味を維持する効果を高めることができる。
・・・
【0143】
更に、上記の要件を満たす、中間層用のフィルムは、商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、例えば、PVD法によりアルミナを片面に蒸着したPETフィルムである、大日本印刷株式会社製のアルミナ蒸着IB-PET-PIR(厚さ12μm)・・・が挙げられる。」
「【実施例】
【0150】
<原材料>
実施例に用いた原料の詳細は下記の通りである。
[基材層]
・PETフィルム1:東洋紡(株)社製PETフィルム、エスペットT4102。厚さ12μm。
[中間層]
・アルミニウム箔1:厚さ7μm。
[疎水性ゼオライト]
・・・
・シルトンMT400:水澤化学工業(株)社製。SiO2/AL2O3モル比=400/1、平均粒子径=5~7μm。
・・・
[ヒートシール性熱可塑性樹脂、熱可塑性樹脂、EC用接着剤]
・ウルトゼックス1520L:プライムポリマー(株)社製。LLDPE、密度=0.916g/cm3、MFR=2.3。
・・・
【0151】
<消臭シーラント層マスターバッチの調整>
表1の配合に従った割合で、熱可塑性樹脂と消臭体とをメルトブレンドし、消臭シーラント層マスターバッチ1~10(MB1~10)を得た。
【0152】
【表1】
[図:0001433612000001.jpg]
【0153】
<消臭シーラント層樹脂組成物の調製>
表2に記載された配合比に従って、ヒートシール性熱可塑性樹脂と、消臭シーラント層マスターバッチとをメルトブレンドして、消臭シーラント層組成物1~15を得た。
【0154】
【表2】
[図:0001433612000002.jpg]
【0155】
[実施例1]
基材層用のPETフィルム1と、中間層用のアルミニウム箔1とを、ポリエステル系接着剤1を乾燥塗布量3.5g/m2で用いて、ドライラミネート法により積層し、下記構成の積層体を得た。
PETフィルム1(12μm)/ポリエステル系接着剤1(3.5g/m2)/アルミニウム箔1(7μm)
【0156】
次に、非消臭シーラント層用にヒートシール性熱可塑性樹脂であるウルトゼックス1520Lを用い、消臭シーラント層用に消臭シーラント層樹脂組成物1を用いて、160℃でインフレーション製膜により、下記の3層構成で合計50μm厚の消臭シーラントフィルムを作製した。
非消臭シーラント層(10μm)/消臭シーラント層(30μm)/非消臭シーラント層(10μm)
【0157】
上記で得た積層体のアルミニウム箔1面に、ポリエステル系接着剤1を塗布及び乾燥して、ドライラミネート法によって消臭シーラントフィルムを接着して、下記構成の消臭包装材料を得て、各種評価を実施した。消臭包装材料の詳細構成及び評価結果を表3に示す。
PETフィルム1(12μm)/ポリエステル系接着剤1(3.5g/m2)/アルミニウム箔1(7μm)/ドライラミネート接着層(3.5g/m2)/非消臭シーラント層(10μm)/消臭シーラント層(30μm)/非消臭シーラント層(10μm)
【0158】
[実施例2~10、15~18]
表3の記載に従って消臭シーラント層樹脂組成物を選択し、実施例1と同様に操作して、消臭シーラントフィルム、消臭包装材料を得て、各種評価を実施した。消臭包装材料の詳細構成及び評価結果を表3に示す。
・・・
【0165】
<評価>
[シーラント層のヒートシール性]
実施例及び比較例で得られた包装材料を10cm×10cmに切り分け、半分に折って重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業社製:TP-701-A)を用いて、1cm×10cmの領域をヒートシールして、端部はヒートシールされずに接着しておらず、二股に分かれている状態のサンプルを作製した。
【0166】
このサンプルを、15mm幅で短冊状に切り、二股に分かれている各端部を引張試験機に装着して引張強度(N/15mm)を測定して、合否判定した。
(ヒートシール条件)
温度:160℃
圧力:1kgf/cm2
時間:1秒
(引張強度試験条件)
試験速度:300mm/分
荷重レンジ:50N
(合否判定基準)
○:30N/15mm以上であり、合格。
×:30N/15mm未満であり、不合格。
【0167】
[臭気濃度]
実施例及び比較例で得られた包装材料(11cm×15cm×2枚)をガスサンプリングバッグ(テドラーバック)で作製したパウチ(13cm×17cm)に入れ、下記の評価ガスをパウチ袋内に注射器で注入した評価パウチを各評価ガス毎に作製し、2日間25℃で放置した後に、各評価パウチ袋内の空気を注射器で採取して、ジメチルトリスルフィド、硫化水素、アセトアルデヒドの濃度をGC及び検知管で測定して、パウチ袋内のジメチルトリスルフィド、硫化水素、アセトアルデヒドの各々の濃度を測定した。
【0168】
(評価ガス)
ジメチルトリスルフィド:35ppm
硫化水素:25ppm
アセトアルデヒド:30ppm
その他成分:空気
【0169】
【表3】
[図:0001433612000003.jpg]
【0170】
<結果まとめ>
全ての実施例は、優れたシール強度と、優れた臭気濃度の減少を示した。
しかし、シーラント層に消臭体を含有しない比較例1は、シール強度は優れているものの、臭気濃度はほとんど減少せず、シーラント層の消臭体含有量が高すぎる比較例2は、ヒートシール性が劣った。」
「【図3】
[図:0001433612000004.jpg]
」
(イ)引用文献2に記載された発明
上記(ア)から、引用文献2には、特に実施例6に着目すると、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「基材用PETフィルム1(12μm)/ポリエステル系接着剤1(3.5g/m2)/中間層用のアルミニウム箔1(7μm)の構成の積層体のアルミニウム箔1面に、
ポリエステル系接着剤1を塗布及び乾燥して、
非消臭シーラント層用にヒートシール性熱可塑性樹脂を用い、消臭シーラント層用に消臭シーラント層樹脂組成物1を用いた、非消臭シーラント層(10μm)/消臭シーラント層(30μm)/非消臭シーラント層(10μm)の3層構成の消臭シーラントフィルムを接着した、
基材用PETフィルム1(12μm)/ポリエステル系接着剤1(3.5g/m2)/中間層用のアルミニウム箔1(7μm)/ドライラミネート接着層(3.5g/m2)/非消臭シーラント層(10μm)/消臭シーラント層(30μm)/非消臭シーラント層(10μm)の構成の消臭包装材料であって、(【0155】~【0157】)
熱可塑性樹脂としてウルトゼックス1520Lと、消臭体の疎水性ゼオライトとしてシルトンMT400を、それぞれ90質量部と10質量部の配合比でメルトブレンドし、消臭シーラント層マスターバッチ(MB7)を得て、(【0151】、【0152】【表1】)
ヒートシール性熱可塑性樹脂としてウルトゼックス1520Lと、上記消臭シーラントマスターバッチ(MB7)を、それぞれ50質量部の配合比でメルトブレンドして、消臭シーラント組成物5の100質量部中の消臭体の組成を5質量部とした消臭シーラント層組成物5を得て、(【0153】、【0154】【表2】)
上記消臭包装材料の消臭シーラント層用に当該消臭シーラント樹脂組成物5を用いて消臭シーラント層とした、(【0156】)
消臭包装材料。」
(ウ)引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された特開2020-1272号公報(令和2年1月9日出願公開。以下「引用文献1」という。)には次の記載がある。
「【0144】
<中間層>
本発明の消臭積層体は、図1に示すように、中間層を含み、必要に応じて様々な機能を付与するする(当審注:原文のとおり。)ことができる。
【0145】
例えば、バリア層として、金属箔、金属蒸着膜層または金属酸化物蒸着膜層が形成された熱可塑性樹脂フィルムや、更に、図2に示すように、前記金属蒸着膜層上にバリアコート樹脂層を含むことでもできる。
【0146】
上記のようなバリア層を含むことによって、積層体のガスバリア性を向上させることができ、内容物の酸化や香味成分の散逸を防ぐ効果が高まり、内容物の風味を維持する効果を高めることができる。
・・・
【0148】
更に、上記の要件を満たす、中間層用のフィルムは、商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、例えば、PVD法によりアルミナを片面に蒸着したPETフィルムである、大日本印刷株式会社製のアルミナ蒸着IB-PET-PIR(厚さ12μm)、・・・が挙げられる。」
「【実施例】
【0154】
<原材料>
実施例に用いた原料の詳細は下記の通りである。
・・・
[中間層]
・・・
・IB-PET-PIR:大日本印刷(株)社製。バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルム。厚さ12μm。
・・・」
「【0173】
【表3】
[図:0001433612000005.jpg]
」
(エ)引用文献3
原査定の拒絶の理由で引用された特開2020-1273号公報(令和2年1月9日出願公開。以下「引用文献3」という。)には次の記載がある。
「【0159】
<中間層>
本発明の消臭積層体は、図2に示すように、必要に応じて様々な機能を付与する為の中間層を含むことができる。
【0160】
例えば、バリア層として、金属箔、金属蒸着膜層または金属酸化物蒸着膜層が形成された熱可塑性樹脂フィルムや、更に前記金属蒸着膜層上にバリアコート樹脂層を含むことでもできる。
【0161】
上記のようなバリア層を含むことによって、積層体のガスバリア性を向上させることができ、内容物の酸化や香味成分の散逸を防ぐ効果が高まり、内容物の風味を維持する効果を高めることができる。
・・・
【0163】
更に、上記の要件を満たす、中間層用のフィルムは、商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、例えば、PVD法によりアルミナを片面に蒸着したPETフィルムである、大日本印刷株式会社製のアルミナ蒸着IB-PET-PIR(厚さ12μm)・・・が挙げられる。」
「【実施例】
【0169】
<原材料>
実施例に用いた原料の詳細は下記の通りである。
・・・
[中間層]
・・・
・IB-PET-PIR:大日本印刷(株)社製。バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルム。厚さ12μm。
・・・」
「【0198】
【表5】
[図:0001433612000006.jpg]
【0199】
【表6】
[図:0001433612000007.jpg]
」
(オ)引用文献4
原査定の拒絶の理由で引用された特開2020-1274号公報(令和2年1月9日出願公開。以下「引用文献4」という。)には次の記載がある。
「【0143】
<中間層>
本発明の消臭積層体は、図2に示すように、必要に応じて様々な機能を付与する為の中間層を含むことができる。
【0144】
例えば、バリア層として、金属箔、金属蒸着膜層または金属酸化物蒸着膜層が形成された熱可塑性樹脂フィルムや、更に前記金属蒸着膜層上にバリアコート樹脂層を含むことでもできる。
【0145】
上記のようなバリア層を含むことによって、積層体のガスバリア性を向上させることができ、内容物の酸化や香味成分の散逸を防ぐ効果が高まり、内容物の風味を維持する効果を高めることができる。
・・・
【0147】
更に、上記の要件を満たす、中間層用のフィルムは、商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、例えば、PVD法によりアルミナを片面に蒸着したPETフィルムである、大日本印刷株式会社製のアルミナ蒸着IB-PET-PIR(厚さ12μm)・・・が挙げられる。」
「【実施例】
【0151】
<原材料>
実施例に用いた原料の詳細は下記の通りである。
・・・
[中間層]
・・・
・IB-PET-PIR:大日本印刷(株)社製。バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルム。厚さ12μm。
・・・」
「【0183】
【表5】
[図:0001433612000008.jpg]
【0184】
【表6】
[図:0001433612000009.jpg]
」
(カ)引用文献7
新たに引用する特開2019-177520号公報(令和元年10月17日出願公開。以下「引用文献7」という。)には次の記載がある。
「【0033】
<基材層>
本発明の加熱殺菌処理用積層体に含まれる基材層は、熱可塑性樹脂層と、前記熱可塑性樹脂層上に形成された金属酸化物蒸着膜層とを有する。
【0034】
そして更に、基材層は、熱可塑性樹脂層と金属酸化物蒸着膜層以外にも、必要に応じて他の層を含むこともできる。例えば、基材層は、図2に示すように、別態様として、更に、前記金属蒸着膜層上に形成されたバリアコート樹脂層を有することもできる。
・・・
【0042】
更に、上記の要件を満たす、熱可塑性樹脂層上に金属酸化物蒸着膜が形成されたフィルムは、商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、例えば、PVD法によりアルミナを片面に蒸着したPETフィルムである、大日本印刷株式会社製のアルミナ蒸着IB-PET-PIR(厚さ12μm)・・・が挙げられる。」
「【実施例】
【0151】
<原材料>
実施例に用いた原料の詳細は下記の通りである。
【0152】
[基材層用フィルム]
・IB-PET-PIR:大日本印刷(株)社製、バリアコート樹脂層付きPVD法酸化アルミニウム蒸着PETフィルム。ポリビニルアルコール系樹脂を含むバリアコート樹脂層を有する。厚さ構成は、PETフィルム(12μm)/酸化アルミニウム蒸着層(20nm)/バリアコート樹脂層(250nm)。」
「【0185】
【表3】
[図:0001433612000010.jpg]
【0186】
【表4】
[図:0001433612000011.jpg]
【0187】
【表5】
[図:0001433612000012.jpg]
」
(キ)引用文献8
新たに引用する特開2019-177518号公報(令和元年10月17日出願公開。以下「引用文献8」という。)には次の記載がある。
「【0020】
<基材層>
本発明の加熱殺菌処理用積層体に含まれる基材層は、熱可塑性樹脂層と、前記熱可塑性樹脂層上に形成された金属酸化物蒸着膜層とを有する。
そして更に、基材層は、熱可塑性樹脂層と金属酸化物蒸着膜層以外にも、必要に応じて他の層を含むこともできる。例えば、基材層は、図2に示すように、別態様として、更に、前記金属蒸着膜層上に形成されたバリアコート樹脂層を有することもできる。
・・・
【0025】
更に、上記の要件を満たす、熱可塑性樹脂層上に金属酸化物蒸着膜が形成されたフィルムは、商業的にも入手可能であり、本発明において好適に用いられるものとしては、例えば、PVD法によりアルミナを片面に蒸着したPETフィルムである、大日本印刷株式会社製のアルミナ蒸着IB-PET-PIR(厚さ12μm)・・・が挙げられる。」
「【実施例】
【0067】
<原材料>
本発明の実施例に用いられた主な原材料は、下記のとおりである。
[基材層用フィルム]
・IB-PET-PIR:大日本印刷(株)社製、バリアコート樹脂層付きPVD法酸化アルミニウム蒸着PETフィルム。ポリビニルアルコール系樹脂を含むバリアコート樹脂層を有する。厚さ構成は、PETフィルム(12μm)/酸化アルミニウム蒸着層(20nm)/バリアコート樹脂層(250nm)。
・・・」
「【0081】
【表2】
[図:0001433612000013.jpg]
」
(ク)周知技術
上記(ウ)~(キ)から、「積層体におけるバリア層として、アルミナ蒸着PETフィルムを用いること」(以下「周知技術」という。)は周知の技術である。
ウ 対比
補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「積層体」は補正発明の「基材層」に相当し、以下同様に、「非消臭シーラント層」は「ヒートシール層」に、「消臭シーラント層」は「臭気吸着層」に、「消臭シーラントフィルム」は「臭気吸着シーラント層」に、「ヒートシール性熱可塑性樹脂」は「ヒートシール性樹脂」に、「消臭体」は「臭気吸着剤」に、それぞれ相当する。
引用発明の「消臭包装材料」と補正発明の「滅菌処理用臭気吸着性積層体」とは臭気吸着性積層体の限りで一致する。
引用発明において「基材用PETフィルム1(12μm)/ポリエステル系接着剤1(3.5g/m2)/中間層用のアルミニウム箔1(7μm)の構成の積層体のアルミニウム箔1面に、ポリエステル系接着剤1を塗布及び乾燥して」、「非消臭シーラント層(10μm)/消臭シーラント層(30μm)/非消臭シーラント層(10μm)の3層構成の消臭シーラントフィルムを接着した」ことは、補正発明において「少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層と含み、紙層を含まず、該臭気吸着シーラント層は、ヒートシール層および臭気吸着層を含」むことに相当する。
引用発明において「非消臭シーラント層用にヒートシール性熱可塑性樹脂を用い」たことは、補正発明において「該ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有し、臭気吸着剤を含有しない層であ」ることに相当する。
引用発明において「熱可塑性樹脂としてウルトゼックス1520Lと、消臭体の疎水性ゼオライトとしてシルトンMT400を、それぞれ90質量部と10質量部の配合比でメルトブレンドし、消臭シーラント層マスターバッチ(MB7)を得て、ヒートシール性熱可塑性樹脂としてウルトゼックス1520Lと、上記消臭シーラントマスターバッチ(MB7)を、それぞれ50質量部の配合比でメルトブレンドして、」「消臭シーラント層組成物5を得て、上記消臭包装材料の消臭シーラント層用に当該消臭シーラント樹脂組成物5を用いて消臭シーラント層とした」ことは、補正発明において「該臭気吸着層は、臭気吸着剤を含有する層であり」、「前記臭気吸着剤は、該臭気吸着層のみに含有され」ることに相当する。
引用発明において「消臭シーラント組成物5の100質量部中の消臭体の組成を5質量部とした」ことは、補正発明において「該臭気吸着層中の、前記臭気吸着剤の含有量が、15質量%以下であ」ることに相当する。
引用発明において「消臭体」が「疎水性ゼオライト」であることは、補正発明において「該臭気吸着剤は、疎水性ゼオライトを含む」ことに相当する。
以上のことから、補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
臭気吸着性積層体であって、
該臭気吸着性積層体は、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層と含み、紙層を含まず、
該臭気吸着シーラント層は、ヒートシール層および臭気吸着層を含み、
該ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有し、臭気吸着剤を含有しない層であり、
該臭気吸着層は、臭気吸着剤を含有する層であり、該臭気吸着層中の、前記臭気吸着剤の含有量が、15質量%以下であり、
前記臭気吸着剤は、該臭気吸着層のみに含有され、
該臭気吸着剤は、疎水性ゼオライトを含む、
臭気吸着性積層体。
[相違点1]
補正発明は、「臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類およびアルコール類の4種の臭気物質のいずれも吸着する」のに対して、引用発明は、これらをいずれも吸着するか不明である点。
[相違点2]
補正発明は、「滅菌処理用臭気吸着性積層体」であって、「前記滅菌処理は、電子線(EB)照射および/またはγ線照射であ」るのに対して、引用発明は、「消臭包装材料」であって、そのような滅菌処理用のものであるか不明である点。
[相違点3]
補正発明は、「該基材層は、バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムを含」むのに対して、引用発明は、「積層体」がバリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムを含まない点。
エ 判断
(ア)相違点1について
引用発明における「疎水性ゼオライト」は「シルトンMT400」である。
ここで、本願明細書において、臭気吸着剤として疎水性ゼオライトである「シルトンMT400」のみを含む実施例1、11~13(【0068】、【0070】、【0072】~【0075】、【0079】~【0081】)が記載されている上、これを用いた滅菌処理用臭気吸着性積層体は、いずれもアルデヒド類であるアセトアルデヒド、カルボン酸類である酢酸、アルコール類であるエタノールを吸着していること、アルデヒド類とケトン類とはいずれも「C=O」基を持つものであることから、「消臭体」である「疎水性ゼオライト」として「シルトンMT400」を含有する引用発明も「臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類およびアルコール類の4種の臭気物質のいずれも吸着する」蓋然性が高い。
したがって、相違点1は実質的な相違点ではない。
(イ)相違点2について
引用文献2の【0006】における、「本発明は、・・・UV照射、ホットパック、ボイル、γ線照射、EB照射等の殺菌・滅菌処理の際に、シーラントフィルムを構成する樹脂の分解等により発生する臭気・・・に対して、高い吸着または分解作用による消臭効果を長期間にわたって発揮してする、内容物への長期間の耐臭味変化性に優れたシーラントフィルム、及び該シーラントフィルムを用いた包装材料、包装体を提供することを目的とする」の記載に基づいて、引用発明の「消臭包装材料」を、「EB照射、γ線照射」である「滅菌処理」用のものとすることに格別の困難性はない。
(ウ)相違点3について
引用文献2の【0138】、【0139】には、中間層をバリア層として、金属箔、金属蒸着膜層が形成された熱可塑性樹脂フィルムや、さらにその上にバリアコート樹脂層を含むバリア層とすることができること、同じく【0143】には、中間層用フィルムの具体例としてアルミナ蒸着PETフィルムである「アルミナ蒸着IB-PET-PIR」が挙げられている。
また、上記イ(ク)において周知技術として示したとおり、積層体におけるバリア層として、アルミナ蒸着PETフィルムを用いることは周知の技術である。
そうすると、引用文献2の上記記載及び周知技術を参考にして、引用発明における中間層として、バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムを採用し、相違点3に係る補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
(エ)作用効果について
補正発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献2に記載の事項及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
オ 審判請求人の主張について
(ア)審判請求人の主張の概要
審判請求人は、審判請求書において、[主張1]引用文献2記載の消臭積層体は、バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムを用いて評価した具体的記載がなく、バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムを用いた場合であっても、バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルム以外の基材層を有するという点で、本願発明の滅菌処理用臭気吸着性積層体とは層構成が異なり、[主張2]本願発明の滅菌処理用臭気吸着性積層体は、電子線(EB)照射および/またはγ線照射による滅菌処理用という点で、引用文献2記載の消臭積層体とは用途が異なり、本願発明は、アルコール類を吸着することを課題に含むという点で、引用文献2記載の発明とは相違する旨主張する。
(イ)主張1について
引用文献2の実施例にバリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムを用いたことの直接的な記載がなくても、上記エ(ウ)で説示したとおり、引用文献2の【0138】、【0139】、【0143】の記載とともに、周知技術を考慮すれば、引用発明にの中間層としてバリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルムを用いることは、当業者が容易に想到できたことである。
なお、上記ウで説示したとおり、引用発明の「積層体」が補正発明の「基材層」に相当するところ、基材層に、「バリアコート樹脂層付きアルミナ蒸着PETフィルム」の層を有したものであっても補正発明と異なるところではない。
(ウ)主張2について
引用文献2の実施例に電子線(EB)照射および/またはγ線照射による滅菌処理を行ったことの直接的な記載がなくても、上記エ(イ)で説示したとおり、引用文献2には、「消臭包装材料」を、EB照射、γ線照射である滅菌処理用のものとすることが記載されており、当該用途に用いることが予定されていたものと理解される。そうすると、当該記載に基づいて、引用発明の「消臭包装材料」を、「EB照射、γ線照射」である「滅菌処理」用のものとすることに格別の困難性はない。
また、アルコール類の吸着について、引用発明では「シルトンMT400」を吸着材として使っている以上、補正発明における「臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類およびアルコール類の4種の臭気物質のいずれも吸着する」ものである蓋然性が高く、この点、引用文献2にアルコール類の吸着について言及がないからといって、なんら変わるところはない。
(エ)小括
したがって、審判請求人の主張は採用できない。
カ 補正発明についてのまとめ
したがって、補正発明は、引用発明、引用文献2に記載の事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和6年6月26日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1の記載は、令和5年12月25日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりであるところ、補正事項5において明瞭でない記載の釈明を目的とした補正された点を踏まえると、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものであると認められる。
「臭気物質である、アルデヒド類、ケトン類、カルボン酸類およびアルコール類を吸着することができる滅菌処理用臭気吸着性積層体であって、
該滅菌処理用臭気吸着性積層体は、少なくとも、基材層と臭気吸着シーラント層と含み、
該臭気吸着シーラント層は、ヒートシール層および臭気吸着層を含み、
該ヒートシール層は、ヒートシール性樹脂を含有し、臭気吸着剤を含有しない層であり、
該臭気吸着層は、臭気吸着剤を含有する層であり、該臭気吸着層中の、前記臭気吸着剤の含有量が、15質量%以下であり、
該臭気吸着剤は、疎水性ゼオライトを含む、
滅菌処理用臭気吸着性積層体。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~10に係る発明は、引用文献2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、という理由を含むものである。
引用文献2 特開2020-512号公報(令和2年1月9日出願公開)
3 引用文献の記載等
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2に記載された事項及び記載された発明は、上記第2の[理由]2(2)イ(ア)、(イ)のとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記第2の[理由]2(2)で検討した補正発明から、補正事項1~5で特許請求の範囲の減縮を目的として補正された点に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに該当する補正発明が、上記第2の[理由]2(2)ウ、エで説示したとおり、引用発明、引用文献2に記載の事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明、引用文献2に記載の事項及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2024-010509