2023-002638
積層体、包装材料、包装袋およびスタンドパウチ
- 審判番号
- 2023-002638
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-185963外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年02月15日
- 審決日
- 2025年06月03日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (B32B) / P18 .572-WZ (B32B) / P18 .573-WZ (B32B) / P18 .575-WZ (B32B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成30年9月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
(令和4年11月15日 :原査定の謄本の送達)
第2 令和7年4月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年4月7日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
本件補正は、以下(1)の令和6年12月23日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載を、以下(2)の記載にする補正を含むものである。なお、下線部は、補正箇所である。
(1)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載
「【請求項1】基材と、ヒートシール層とを備えた積層体であって、前記基材および前記ヒートシール層のいずれもが、ポリエチレンから構成され、前記積層体全体におけるポリエチレンの含有量が、90質量%以上であり、続きを表示(全12行)前記基材が、二軸配向の共押延伸フィルムからなり、前記共押延伸フィルムが、密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含む層と、密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマー、および密度が0.931g/cm3の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)を除く)を含む層と、密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の低密度ポリエチレンを含む層、密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の超低密度ポリエチレンを含む層と、密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマー、および密度が0.931g/cm3の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)を除く)を含む層と、密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含む層と、を備えることを特徴とする、積層体。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載
「【請求項1】基材と、ヒートシール層とを備えた積層体であって、前記基材および前記ヒートシール層のいずれもが、ポリエチレンから構成され、前記積層体全体におけるポリエチレンの含有量が、90質量%以上であり、続きを表示(全13行)前記基材が、二軸配向の共押延伸フィルムからなり、前記共押延伸フィルムが、密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含む層と、密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマー、および密度が0.931g/cm3の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)を除く)を含む層と、密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の低密度ポリエチレンを含む層、密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または密度が0.900g/cm3未満の超低密度ポリエチレンを含む層と、密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマー、および密度が0.931g/cm3の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)を除く)を含む層と、密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含む層と、を備え、前記高密度ポリエチレンを含む層の厚さと、前記低密度ポリエチレンを含む層、前記直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または前記超低密度ポリエチレンを含む層の厚さとの比が、1/0.5以上1/1以下であることを特徴とする、積層体。」
(3)補正の内容
以下、本件補正の適否を判断するにあたり、補正前の請求項1に記載された超低密度ポリエチレンの密度について、「0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満」と特定されていたものを「0.900g/cm3未満」とする補正を「補正事項1」とし、積層体の層の厚さについて、「前記高密度ポリエチレンを含む層の厚さと、前記低密度ポリエチレンを含む層、前記直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または前記超低密度ポリエチレンを含む層の厚さとの比が、1/0.5以上1/1以下である」との発明特定事項を追加する補正を「補正事項2」と整理する。
2 本件補正の適否
(1)補正の目的
ア 補正事項1について
補正事項1は、本件補正前の請求項1に記載された「密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の超低密度ポリエチレン」という事項は、技術常識とともに願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の段落【0037】の記載をみれば、明らかに「密度が0.900g/cm3未満の超低密度ポリエチレン」の誤記であると認められる。そうすると、当該補正事項1は、特許法第17条の2第5項第3号の誤記の訂正を目的とするものに該当する。
イ 補正事項2について
補正事項2は、本件補正前の請求項1に記載された積層体に関し、「前記高密度ポリエチレンを含む層の厚さと、前記低密度ポリエチレンを含む層、前記直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または前記超低密度ポリエチレンを含む層の厚さとの比が、1/0.5以上1/1以下である」との発明特定事項を追加するものであり、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
ウ 独立特許要件について
本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものを含むものであるから、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
(2)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(2)に記載したとおりのものである。
(3)引用文献の記載及び引用発明等
ア 引用文献1の記載事項等
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(ア)当審で通知した最後の拒絶の理由で引用された国際公開第2016/135213号(平成28年9月1日公開。以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある。なお、括弧内は当審訳であり、下線は当審において付与し、・・・は省略を示す。以下同様。
・「
[図:0001424900000001.jpg]
」(第1ページ第10行~第14行)
(背景技術
積層体は、真空成形された包装体などの食品容器から、スタンドアップパウチに至る種々の物品を形成するため及びラベルの製造のための包装産業において幅広く使用されている。積層フィルムに包装される典型的な製品は、コーヒー、ミルク、果汁、チーズ、又は、スライス肉、ペットフード、シャンプーパウチ又は他のトイレタリー製品及び医薬品である。)
・「
[図:0001424900000002.jpg]
・・・
[図:0001424900000003.jpg]
」(第2ページ第4行~第7行、第16行~第25行)
(1種類の樹脂に基づく積層体はより容易にリサイクルできるため、近年、「100%PE」、つまり、PEフィルム構造に積層されたPEフィルムからなる積層体を提供する傾向がある。リサイクルは、持続可能性を改良するための、及び、資源を守るためのツールであるため、優先度の高いトピックである。
・・・
さらなる「100%PE」の解決策は、Borealisによって促進される。この解決策は、BorSape LLDPE インフレーションフィルム基材(60μm)積層されたBorLite系MDOフィルム(25μm)を含む。このような用途のための適切なBorLiteグレードは、例えば、密度(ISO 1183)が931kg/m3、MFR(190℃、2.16kg、ISO 1133)が0.2g/10分、溶融温度(DSC、ISO 11357-3)が127℃の多峰性LLDPEであるBorLite OPE795である。
この全PE積層構造のMDOフィルムは、A/B/B/B/C/C/B/B/B/Aの構造のブロックされた多層フィルムからなり、ここで、Cは、BorLite及びプラストマー(Queo8201)を含むブロック層であり、BはBorLite層であり、Aは高密度ポリエチレン(HDPE)からなる層である。延伸前の当初のフィルム厚は、125μm(2×62.5μm)であり、延伸後は25μmである。)
・「
[図:0001424900000004.jpg]
[図:0001424900000005.jpg]
」(第11ページ第26行~第12ページ第31行)
(三層構造
本発明に係る三層構造は、例えば、インフレーション成形を含む当技術分野で知られている任意の従来のフィルム押出方法によって製造することができる。好ましくは、三層フィルムは、公知であり、当業者が利用可能である、インフレーション成形、より好ましくは共押出プロセスによって形成される。
本発明に係る三層構造を製造するための典型的なプロセスは、ダイを通す押出プロセスであり、その後、固化後にロール間で潰されるバブルを形成することで筒状フィルムにブローする。次いで、このフィルムは、ガゼットヘッドを使用することなどで、スライドさせ、切断し、又は変換することができる。この点に関して、従来のフィルム製造技術を使用することができる。典型的には、コア層及びサンドイッチ層は、160~240℃の範囲の温度で共押出され、ガス(通常空気)を吹き付けることで5~50℃の温度で冷却され、ダイの直径の1又は2~8倍のフロストライン高さを提供する。ブローアップ比は、1(1:1)~4(1:4)、好ましくは1.5(1:1.5)~3.5(1:3.5)、より好ましくは2(1:2)~3(1:3)の範囲とすることができる。
本発明のフィルム製造工程は公知であり、当技術分野で公知の方法で1つのフィルムラインで行ってもよい。このようなフィルムラインは、例えば、Windmoller & Holscher, Reifenhauser, Hosokawa Alpineなどから市販されている。
典型的には、3層構造(O/CO)は、3層共押出ラインで製造されるが、一実施形態では、使用された共押出機は、5又は7層共押出ラインであることが理解され得る。このような構成では、中央ダイはC層材料をすべて押出して、O-1/C/C/C/O-2若しくはO-1/C/C/C/C/C/O-2タイプのフィルム、又は、その2つのそれぞれを形成してもよく、3つの外側ダイそれぞれは、外層材料を押出して、O-1/O-1/C/O-2/O-2又はO-1/O-1/O-1/C/O-2/O-2/O-2タイプのフィルムを形成してもよく、又は、前述した可能性の組み合わせとしてO-1/O-1/C/C/C/O-2/O-2タイプのフィルムを形成してもよい。これらの外層、C層がそれぞれ全て同じであるので、製造されたフィルムは、実質的にO-1/C/O-2フィルムである。必要に応じて、7層共押出ラインが、好ましいタイプのフィルム構造であるO-1/C/C/C/C/C/O-2で好適に使用される。
ブロックされたフィルム構造
前記ブロックされたフィルムとして、O/C/Bタイプの構造が使用され、ここで、Oは、前記外層(O-1又はO-2)の1つであり、Cはコア層であり、Bはブロック層である。前記3層共押し出しフィルムは、バブル形状でダイを出ると、該バブルは必要に応じてカットされ、その後、2つの半体を一緒にして、O-1/C/B/B/C/O-2タイプの構造を形成する(つまり、形成されたバブルは、例えばニップロールで潰され、前記フィルムを形成する)。このようにして、フィルム厚は2倍になり、所望の初期フィルム厚になる。このことを、当技術分野では、フィルムブロッキングという。
このように、前記O-1/C/B/B/C/O-2フィルムは、ブロック層を介して互いに積層された2つの同じO/C/Bフィルムから形成される。
O-1/C/C/C/B/B/C/C/C/O-2フィルムにおける2つの同一のO/C/C/C/Bフィルムは、5層共押出ラインで製造され、得られたバブルを潰すことで対応するブロックされたフィルム構造を形成する。
第1のフィルムがブロックされたフィルムである場合、好ましくは、O-1/C/C/C/B/B/C/C/C/O-2フィルム構造が使用される。)
・「
[図:0001424900000006.jpg]
」(第14ページ第13行~第19行)
(ブロックされたフィルム構造O-1/C/C/C/B/B/C/C/C/O-2として、個々の層は、前記第1のフィルムの合計フィルム厚に、例えば、
それぞれの外層(O-1及びO-2)は10~30%、好ましくは15~25%として、
それぞれのブロック層(B)は5~30%、好ましくは8~20%として、
それぞれのコア層(C)は10~40%、好ましくは15~35%として、
寄与する。
2つの外層及び2つのブロック層は、それぞれ等しい厚さであることが好ましい。)
・「
[図:0001424900000007.jpg]
」(第21ページ第18行~第27行)
(積層構造
第1のフィルムと第2のフィルムとを含む積層フィルム構造は、第2のフィルムのシール層に第1のフィルムを積層することで得られる。
前記第1のフィルムと第2のフィルムの積層工程は、市販等の従来の接着剤を使用した溶媒系及び無溶媒接着積層を含む接着積層、又は基材間でプレスすることができる、溶融ウェブを使用又は不使用のサンドイッチ積層などの従来の積層方法を使用した従来の積層装置で行うことができる。このような溶融ウェブは、LDPEなどのポリエチレンに基づく任意の従来の溶融ウェブ材料でありうる。溶剤系及び無溶剤積層方法は、周知であり、種々の文献によく記載されている。)
・「
[図:0001424900000008.jpg]
・・・
[図:0001424900000009.jpg]
」(第23ページ第1行~第24行)
(使用した材料:
ALCUDIA(登録商標)R4806HT:単峰性のチーグラーナッタで製造された高密度ポリエチレン(HDPE)グレード(Repsol製);MFR2は0.65g/10分であり、密度は948kg/m3である。
・・・
Queo 8201:Queo(商標)8201は、単峰性のエチレン系オクテンプラストマーであり(Borealis AG製)、MFR2(190/2.16)は1.1g/10分であり、密度は0.882g/cm3であり、メタロセン触媒を用いた溶液重合法で製造された。)
・「
[図:0001424900000010.jpg]
」(第24ページ第25行~第37行)
(第2のフィルムとして、以下の2つの構造を使用した:
第2のフィルム-変形例A:3層構造b3/b2/b12
層b3:FT5236(25%厚)
層b2:FX1001(50%厚)
シール層b1:80重量%のExceed(商標)1018CAと20重量%のFT5236とのブレンド(25%厚)
第2のフィルム-変形例B:5層構造b6/b5/b4/b2/b1
層b6:60重量%のFX1001と40重量%のExceed(商標)1018CAとのブレンド(10%厚)
層b5:FX1002(17.5%厚)
層b4:FX1001(45%厚)
層b2:FX1002(17.5%厚)
シール層b1:70重量%のQueo 0201FXと30重量%のFT5236とのブレンド(10%厚)
・「
[図:0001424900000011.jpg]
・・・
[図:0001424900000012.jpg]
」(第25ページ第8行~第35行)
(比較例2(CE2)
第1のフィルム
ブロックされたフィルム構造 O-1/C1/C2/C3/B1/B1/C3/C2/C1/O-2
外層O-1及びO-2:HDPEグレード R4806HT(20%厚)
C1:ターポリマー OPE795(17%厚)
C2:ターポリマー OPE795(31%厚)
C3:ターポリマー OPE795(17%厚)
B1:ターポリマー 80重量% OPE795 + 20重量% Queo 8201(15%厚)
・・・
IE4及びCE2の第1のフィルムは、5層Alpine共押出ライン上に共押出した。
全ての押出機の温度は、A=230℃ /B=260℃ /C=260℃ /D=260℃ /E=220℃にセットし、押出ダイの温度は230℃にセットした。
形成したフィルムの厚さは125μmであった(ブロックされたフィルム 2×62.5μm)。
アウグスブルク/ドイツのHosokawa Alpine AG製の一軸延伸装置を用いて、延伸を行った。)
・「
[図:0001424900000013.jpg]
」(第28ページ第1行~第18行)
(特許請求の範囲
請求項1
1つの第2のフィルムに積層された1つの第1のフィルムを含む積層フィルム構造であって、
該積層フィルム構造は、ポリエチレンのみからなり、
a)前記第1のフィルムは、少なくとも1つのコア層(C)と、該コア層を挟む2つの外層(O-1、O-2)とを含み、
a1)前記コア層(C)は、密度が926~950kg/m3である、双峰性のエチレン・1-ブテン・C6-C12のα-オレフィンターポリマーを含み、
a2)前記2つの外層は、密度が940~970kg/m3である、単峰性のHDPEを含み、
前記第1のフィルムは、縦方向(MD)に1:4~1:12の延伸比で一軸延伸された、厚さ10~27μmのフィルムであり、
b)前記第2のフィルムは、少なくともシール層を含み、
b1)前記シール層は、メタロセンで製造された直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)又はエチレンベースのプラストマーである低密度ポリエチレン(LDPE)とのブレンドを含み、
前記第2のフィルムの厚さは、50~100μmであり、
前記積層フィルム構造には、エチレンベースのポリマー以外のポリマーが実質的に存在しない、
積層フィルム構造。)
(イ)上記指摘事項から、以下の事項が把握される。
a 第23ページ第18行~第20行によると、「OPE795」は、密度が931kg/m3(0.931g/cm3)の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)でありターポリマーではない。これは、後述の技術常識1に示すように、「OPE795」の密度は931kg/m3であり、「MulitimodalznLLDPE C2/C4」と記載されていることとも整合する。
したがって、比較例2のコア層C1~C3に関する「ターポリマーOPE795」(原文「terpolymer OPE795」)の記載は、「OPE795」の誤記と認める。
b 第23ページ第2行~第3行によると、比較例2における外層O-1及びO-2で用いられているHDPEグレードR4806HTは、密度が948kg/m3の高密度ポリエチレンである。
c 上記aを踏まえると、比較例2におけるコア層C1~C3及びブロック層B1で用いられているOPE795は、密度が931kg/m3の線状低密度ポリエチレンである。
d 第23ページ第22行~第24行によると、比較例2におけるブロック層B1で用いられているQueo8201は、密度が0.882g/cm3の単峰性のエチレン系オクテンプラストマーである。
e 第25ページ第30行~第35行を踏まえると、比較例2の第1のフィルムは、5層Alpine共押出ライン上に押出し、アウグスブルク/ドイツのHosokawa Alpine AG製の一軸延伸装置を用いて、延伸を行っている。
(ウ)引用発明
以上より、比較例2の積層フィルム構造は、請求項1に係る発明のうち、第1のフィルムを所与のものに変更したものであると理解されるので、請求項1とともに当該比較例2に着目すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「第1のフィルムと第2のフィルムを積層してなる積層フィルム構造であって、第1のフィルムはO-1/C1/C2/C3/B1/B1/C3/C2/C1/O-2の構造であり、外層O-1及びO-2は密度が948kg/m3の高密度ポリエチレンであるHDPEグレードR4806HT (20%厚)であり、コア層C1は密度が931kg/m3の線状低密度ポリエチレンであるOPE795 (17%厚)であり、続きを表示(全11行)コア層C2は密度が931kg/m3の線状低密度ポリエチレンであるOPE795 (31%厚)であり、コア層C3は密度が931kg/m3の線状低密度ポリエチレンであるOPE795 (17%厚)であり、ブロック層B1は80重量%の密度が931kg/m3の線状低密度ポリエチレンであるOPE795と20重量%の密度が0.882g/cm3 の単峰性のエチレン系オクテンプラストマーであるQueo8201(15%厚)であり、第1のフィルムは5層Alpine共押出ライン上に押出し、アウグスブルク/ドイツのHosokawa Alpine AG製の一軸延伸装置を用いて延伸を行い、第2のフィルムは、直鎖状低密度ポリエチレン又はエチレンベースプラストマーである低密度ポリエチレンとのブレンドからなるシール層を有し、エチレンベースのポリマー以外のポリマーが実質的に存在しない、積層フィルム構造。」
イ 周知技術・技術常識
(ア)引用文献2の記載事項
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当審で通知した最後の拒絶の理由で引用した特開2018-51790号公報(平成30年4月5日公開。以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
・「【0037】
バイオマスポリエステルの樹脂組成物、または、バイオマスポリエステルと化石燃料由来のポリエステルを含む樹脂組成物を用いて、例えば、Tダイ法によってフィルム化することにより基材層を形成することができる。具体的には、上記した樹脂組成物を乾燥させた後、樹脂組成物の融点Tm以上の温度~Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、樹脂組成物を溶融し、例えばTダイなどのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラムなどで急冷固化することにより基材層のフィルムを成形することができる。溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
【0038】
基材層は2軸延伸されていることが好ましい。2軸延伸は従来公知の方法で行うことができる。例えば、上記のようにして冷却ドラム上に押し出された基材層のフィルムを、続いて、ロール加熱、赤外線加熱などで加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムとする。この延伸は2個以上のロールの周速差を利用して行うのが好ましい。縦延伸は、通常、50℃以上100℃以下の温度範囲で行われる。また、縦延伸の倍率は、フィルム用途の要求特性にもよるが、2.5倍以上4.2倍以下とするのが好ましい。延伸倍率が2.5倍未満の場合は、フィルムの厚み斑が大きくなり良好なフィルムを得ることが難しい。」
(イ)引用文献3の記載事項
当審で通知した最後の拒絶の理由で引用した特開2017-226145号公報(平成29年12月28日公開。以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
・「【0022】
上記の樹脂のフィルムないしシートとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。」
(ウ)引用文献4の記載事項
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当審で通知した最後の拒絶の理由で引用した国際公開第2015/075081号(平成27年5月28日公開。以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。
・表1「
[図:0001424900000014.jpg]
」(第22ページ)
・表2「
[図:0001424900000015.jpg]
」(第24ページ)
・「
[図:0001424900000016.jpg]
」(第26ページ第1行~第8行)
(比較例2では、フィルムがブロックされている(ABCCBA)にもかかわらず、実施例1と同じ引裂特性を持っている。これは、本発明のフィルムにおいて、良好な引裂特性を達成するためにブロッキングが必ずしも必要ではないことを示している。)
(エ)引用文献4記載事項
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上記(ウ)より引用文献4には次の事項が記載されている。
a 表1から、OPE795は密度が931kg/m3のMulitimodalznLLDPE C2/C4であり、OPE797は密度が935kg/m3のMulitimodalznLLDPE C2/C4であること。
b 表2から、B層として、比較例1ではOPE795を使用し、比較例2ではFX1001を使用し、比較例3ではOPE797を使用していること。
(オ)周知技術
上記(ア)、(イ)、(エ)bより、以下の事項は周知の事項であることが把握される(以下「周知技術1」等という。)。
・フィルムを成形する際に、押出機として一軸押出機を用いるか二軸押出機を用いるかは、目的に応じて決めること。(周知技術1)
・積層体のコア層を構成するポリエチレンの種類を適宜選択すること。(周知技術2)
(カ)技術常識
上記(エ)aより、以下の事項は技術常識であることが把握される(以下「技術常識1」等という。)。
・OPE795は密度が931kg/m3のMulitimodalznLLDPE C2/C4であること。(技術常識1)
・OPE797は密度が935kg/m3のMulitimodalznLLDPE C2/C4であること。(技術常識2)
(4)本件補正発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
・引用発明の「第1のフィルム」は、その機能、構造及び技術的意義を考慮して対比すると、本件補正発明の「基材」に相当し、同様に、
「シール層を有」する「第2のフィルム」は、「ヒートシール層」に相当する。
・引用発明の「積層フィルム構造」は、「第1のフィルム」と「第2のフィルム」を含んでいることから、本件補正発明の「基材と、ヒートシール層とを備えた積層体」に相当する。
・引用発明の「第1のフィルム」は「5層Alpine共押出ライン上に押出し、アウグスブルク/ドイツのHosokawa Alpine AG製の一軸延伸装置を用いて延伸を行」ったものであるところ、これは、本件補正発明の「前記基材が、二軸配向の共押延伸フィルムからな」ることと、「前記基材が、共押延伸フィルムからな」る限りで一致する。
・引用発明の「密度が948kg/m3の高密度ポリエチレンであるHDPEグレードR4806HT」である外層「O-1及びO-2」は、本件補正発明の「密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含む層」に相当する。
・引用発明の「密度が931kg/m3の線状低密度ポリエチレンであるOPE795」である「コア層C1」~「コア層C3」と、本件補正発明の「密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマー、および密度が0.931g/cm3の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)を除く)を含む層」とは、「密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマーを除く)を含む層」の限りで一致する。
・引用発明の「密度が0.882g/cm3 の単峰性のエチレン系オクテンプラストマーであるQueo8201」を含む「ブロック層B1」は、本件補正発明の「密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の低密度ポリエチレンを含む層、密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または密度が0.900g/cm3未満の超低密度ポリエチレンを含む層」に相当する。
・引用発明の「外層O-1及びO-2」、「コア層C1」~「コア層C3」、「ブロック層B1」は、いずれもポリエチレンであり、「第2のフィルムは、直鎖状低密度ポリエチレン又はエチレンベースプラストマーである低密度ポリエチレンとのブレンドからなるシール層を有」していることから、引用発明の「第1のフィルム」および「第2のフィルム」は、本件補正発明の「前記基材および前記ヒートシール層のいずれもが、ポリエチレンから構成され」る態様に相当する。
・引用発明は「エチレンベースのポリマー以外のポリマーが実質的に存在しない」ものであることから、本件補正発明の「前記積層体全体におけるポリエチレンの含有量が、90質量%以上であ」るといえる。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「基材と、ヒートシール層とを備えた積層体であって、前記基材および前記ヒートシール層のいずれもが、ポリエチレンから構成され、前記積層体全体におけるポリエチレンの含有量が、90質量%以上であり、前記基材が、共押延伸フィルムからなり、続きを表示(全11行)前記共押延伸フィルムが、密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含む層と、密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマーを除く)を含む層と、密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の低密度ポリエチレンを含む層、密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または密度が0.900g/cm3未満の超低密度ポリエチレンを含む層と、密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマーを除く)を含む層と、密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含む層と、を備える、積層体。」
[相違点1]
基材に関し、本件補正発明では、「二軸配向の共押延伸フィルムからな 」るのに対し、引用発明では、「5層Alpine共押出ライン上に押出し、アウグスブルク/ドイツのHosokawa Alpine AG製の一軸延伸装置を用いて延伸を行」うものである点。
[相違点2]
中密度ポリエチレンを含む層に関し、本件補正発明は「密度が0.931g/cm3の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)を除」いたものであるのに対し、引用発明では、「コア層C1」~「コア層C3」の「OPE795」は、「密度が931kg/m3の線状低密度ポリエチレンである」点。
[相違点3]
積層体の層の厚さに関し、本件補正発明は「前記高密度ポリエチレンを含む層の厚さと、前記低密度ポリエチレンを含む層、前記直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または前記超低密度ポリエチレンを含む層の厚さとの比が、1/0.5以上1/1以下である」であるのに対し、引用発明では、「外層O-1及びO-2」は「20%厚」であり、「ブロック層B1」は「15%厚」である点。
(5)判断
以下、上記各相違点について検討する。
ア 相違点1について
周知技術1にあるとおり、積層体において、フィルムを形成する際に、目的に応じて一軸押出機を用いるか二軸押出機を用いるかは、周知の技術的事項である。
すると、引用発明の積層フィルムにおいて、第1のフィルムを延伸する際、要求されるフィルムの性能や用途等に応じて一軸で延伸するか、二軸で延伸するかは、当業者が適宜選択すべき事項である。
イ 相違点2について
引用発明では、「コア層C1」~「コア層C3」において、「密度が931kg/m3」のポリエチレンである「OPE795」を用いているが、技術的に見て、必ずしも「OPE795」を使わなければいけないとか、正確にこの密度の材料を用いなければならないといった事情は認められない。そして、「OPE795」とともに、これに近い材料として密度が若干異なる「OPE797」が存在していることは、技術常識1、2のとおりであるところ、周知技術2によれば、このようなコア層のポリエチレンの種類を適宜選択することは周知の技術的事項である。
そうすると、引用発明において、「OPE795」を例えば「OPE797」等に変更することは、当業者が適宜なし得たことであり、そのことに特段の阻害事由も認められない。
してみれば、引用発明における「OPE795」に換えて、類似する他の密度の中密度ポリエチレンを採用し、当該相違点2に係る事項を得ることは、当業者が容易に想到し得たものである。
ウ 相違点3について
引用発明における「20%厚」等の記載について、「外層O-1及びO-2」は「20%厚」、「コア層C1」は「17%厚」、「コア層C2」は「31%厚」、「コア層C3」は「17%厚」、「ブロック層B1」は「15%厚」であり、その合計は100%厚となる。そうすると、これらの層厚は、積層体全体の厚さに対するものであると認められる。
すると、これらの層厚を元に計算すると、「外層O-1及びO-2」の厚さと、「ブロック層B1」の厚さとの比は、1/0.75となり、本件補正発明の「1/0.5以上1/1以下」の範囲に含まれるものであり、相違点3は実質的な相違点ではない。
エ 効果について
相違点1、2について、本願明細書全体及び技術常識を踏まえても、基材を二軸延伸とすること、及び中密度ポリエチレンを含む層として「密度が0.931g/cm3の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)を除く」ことの、格別な作用効果は確認できない。
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、周知技術1~2及び技術常識1~2の奏する作用効果から予測される範囲内のものであり、格別顕著なものということはできない。
(6)請求人の主張について
請求人は令和7年4月7日提出の意見書において、「本願発明は、基材(共押延伸フィルム)を構成する「高密度ポリエチレンを含む層」の厚さと「基材中間層」の厚さとの比が特定の範囲であるのに対して、引例発明では「外層(O)」の厚さと「コア層(C)」との厚さとの比が特定されていない点で両者は相違いたします(相違点1)。
上記相違点1について、引例2-6には何ら開示されていません。したがって、引用文献2-6に接した当業者であっても、共押延伸フィルムの耐熱性の向上と、共押延伸フィルムを構成する各層の層間の密着性の向上とを両立させることを目的として、引例発明の積層フィルム構造において、「外層(O)」の厚さと「コア層(C)」との厚さとの比を特定の範囲とする動機付けはないといえます。また、共押延伸フィルムの耐熱性の向上と、共押延伸フィルムを構成する各層の層間の密着性の向上との両立という効果を奏するため、5層構成の積層フィルムにおいて、「高密度ポリエチレンを含む層」の厚さと、「基材中間層」の厚さとの比を特定の範囲とすることは、単なる設計事項ではございません。」(意見書の第3ページ第19行~第30行)との主張をしている。
しかしながら、上記2(5)ウで述べたように、上記点は実質的な相違点ではなく、また、積層体の各層の厚さをどのようにするかは、当業者が適宜設計すべき事項にすぎない。
したがって、請求人の主張を採用することはできない。
(7)小括
よって、本件補正発明は、引用発明、周知技術1~2及び技術常識1~2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和7年4月7日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~11に係る発明は、令和6年12月23日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載された事項により特定されるものである。
ここで、「前記第2[理由]2(1)ア」の補正事項1に関する検討及び令和7年4月7日に提出された意見書を踏まえ、「密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の超低密度ポリエチレン」との事項は「密度が0.900g/cm3未満の超低密度ポリエチレン」の誤記であるとして、以下のように特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)を認定する。
「【請求項1】基材と、ヒートシール層とを備えた積層体であって、前記基材および前記ヒートシール層のいずれもが、ポリエチレンから構成され、前記積層体全体におけるポリエチレンの含有量が、90質量%以上であり、続きを表示(全12行)前記基材が、二軸配向の共押延伸フィルムからなり、前記共押延伸フィルムが、密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含む層と、密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマー、および密度が0.931g/cm3の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)を除く)を含む層と、密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の低密度ポリエチレンを含む層、密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または密度が0.900g/cm3未満の超低密度ポリエチレンを含む層と、密度が0.925g/cm3以上0.945g/cm3未満の中密度ポリエチレン(但し、密度が926~950kg/m3の2峰性の分子量分布を有するエチレン/1-ブテン/C6~C12-α-オレフィンターポリマー、および密度が0.931g/cm3の線状低密度ポリエチレン(C2/C4)を除く)を含む層と、密度が0.945g/cm3以上の高密度ポリエチレンを含む層と、を備えることを特徴とする、積層体。」
2 当審で通知した最後の拒絶の理由
当審で通知した最後の拒絶の理由における本願発明についての理由2の概要は、次のとおりである。
(進歩性)本願発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の引用文献1に記載された発明及び周知技術(引用文献2~4)に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
<引用文献等一覧>
1.国際公開第2016/135213号
2.特開2018-51790号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2017-226145号公報(周知技術を示す文献)
4.国際公開第2015/075081号(周知技術を示す文献)
3 引用文献
最後の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用文献2~4並びにその記載事項は「前記第2[理由]2(3)ア~イ」に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、「前記第2[理由]2」で検討した本件補正発明から、積層体について、「前記高密度ポリエチレンを含む層の厚さと、前記低密度ポリエチレンを含む層、前記直鎖状低密度ポリエチレンを含む層または前記超低密度ポリエチレンを含む層の厚さとの比が、1/0.5以上1/1以下である」との発明特定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、「前記第2[理由]2(4)、(5)」に記載したとおり、引用発明、周知技術1~2及び技術常識1~2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明、周知技術1~2及び技術常識1~2に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
なお、仮に「密度が0.900g/cm3以上0.925g/cm3未満の超低密度ポリエチレン」との事項が誤記ではなかったとしても、当該密度のポリエチレンは「OPE792」として知られており(引用文献4の表1参照)、「前記第2[理由]2(5)イ」で述べた理由と同様、引用発明における「ブロック層B1」に用いられる「OPE795」に換えて、「OPE792」等の類似する他の密度のポリエチレンを採用し、当該事項を得ることは、当業者が容易に想到し得たものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-002638