特許拒絶査定不服審判
2024-009808
映像表示装置
- 審判番号
- 2024-009808
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-062363
- 請求日
- 2024年06月12日
- 審決日
- 2025年09月11日
- 公報発行日
- 2025年12月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社エクスプロア
- 【請求人代理人】友野 英三
- 審判長/審判官
- 審判長 小島 寛史
- 審判官 井海田 隆
- 審判官 南川 泰裕
- 分類
- P18 .121-WZ (G09G) / P18 .575-WZ (G09G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-62363「映像表示装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年10月11日出願公開、特開2021-162659〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2020年3月31日の出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和5年 3月 8日付け :拒絶理由通知書
同年 7月21日 :意見書、手続補正書の提出
同年 9月15日付け :拒絶理由通知書(最後)
令和6年 1月25日 :意見書、手続補正書の提出
同年 3月 4日付け :補正の却下の決定
同日付け :拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月12日 :原査定の謄本の送達)
同年 6月12日 :審判請求書及び手続補正書の提出
第2 令和6年6月12日にされた補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年6月12日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 本件補正の概要
令和6年6月12日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正をするものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和5年7月21日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。
(1) 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
光透過型カバーを有するスティック状の筐体と、
前記光透過型カバー中に設置され、表面及び裏面を有し、前記表面及び前記裏面のうちの少なくとも一方の側に液晶パネルが配設され、前記表面及び前記裏面のうちの他方の側にLED素子もしくは液晶パネルが配設される発光表示部と、
前記発光表示部を発光させるための発光駆動部と、
前記発光駆動部を制御するマイクロコンピュータと、
前記スティック状の筐体の任意の基準角度からの角度を検出する角度センサと、
前記発光表示部の点灯データを収納するメモリと、
前記角度センサからの角度情報により前記メモリから発光データを読み出し前記発光表示部を発光させることによって看者の視細胞の時間錯誤を生起させ、該発光表示部が移動されることにより前記視細胞の時間錯誤が継続することで前記一方の側にて視認される映像が連続体として認識され、前記他方の側にて視認される映像もしくは文字が連続体として認識される一定の情報が視認表示されるようにする手段と
を有することを特徴とする映像表示装置。」
(2) 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
「【請求項1】
光透過型カバーを有するスティック状の筐体と、
前記光透過型カバー中に設置され、表面及び裏面を有し、前記表面及び前記裏面のうちの少なくとも一方の側に液晶パネルが配設され、前記表面及び前記裏面のうちの他方の側にLED素子もしくは液晶パネルが配設される発光表示部と、
前記発光表示部の前記表面及び前記裏面を略同時に別々のモードにて発光させるための発光駆動部と、
前記発光駆動部を制御するマイクロコンピュータと、
前記スティック状の筐体の任意の基準角度からの角度を検出する角度センサと、
前記発光表示部の点灯データを収納するメモリと、
前記角度センサからの角度情報により前記メモリから発光データを読み出し前記発光表示部を発光させることによって看者の視細胞の時間錯誤を生起させ、該発光表示部が移動されることにより前記視細胞の時間錯誤が継続することで前記一方の側にて視認される映像が連続体として認識され、前記他方の側にて視認される映像もしくは文字が連続体として認識される一定の情報が視認表示されるようにする手段と
を有することを特徴とする映像表示装置。」
2 補正の目的について
本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された「発光駆動部」について、「前記発光表示部の前記表面及び前記裏面を略同時に別々のモードにて」発光させるためのものに限定するものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
3 独立特許要件の判断
本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。
(1) 本件補正発明について
ア 本件補正発明の認定と分説
本件補正発明は、前記1(2)に示した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を、改行を調整しつつ次のとおり構成Xと構成Aから構成Gまでに分説する。また、参考図として、本願の【図1】、【図2】を主な部材名と合わせて掲載する。
<本件補正発明の分説>
A 光透過型カバーを有するスティック状の筐体と、
B 前記光透過型カバー中に設置され、表面及び裏面を有し、前記表面及び前記裏面のうちの少なくとも一方の側に液晶パネルが配設され、前記表面及び前記裏面のうちの他方の側にLED素子もしくは液晶パネルが配設される発光表示部と、
C 前記発光表示部の前記表面及び前記裏面を略同時に別々のモードにて発光させるための発光駆動部と、
D 前記発光駆動部を制御するマイクロコンピュータと、
E 前記スティック状の筐体の任意の基準角度からの角度を検出する角度センサと、
F 前記発光表示部の点灯データを収納するメモリと、
G 前記角度センサからの角度情報により前記メモリから発光データを読み出し前記発光表示部を発光させることによって看者の視細胞の時間錯誤を生起させ、該発光表示部が移動されることにより前記視細胞の時間錯誤が継続することで前記一方の側にて視認される映像が連続体として認識され、前記他方の側にて視認される映像もしくは文字が連続体として認識される一定の情報が視認表示されるようにする手段と
X を有することを特徴とする映像表示装置。
<参考図> 【図1】
[図:0001429621000001.jpg]
1…本願映像表示装置、2…取っ手、3…基板、4…カバー、
5(5ー1、5ー2、・・・、5ーn)…発光素子
【図2】
[図:0001429621000002.jpg]
16…パネル表示部
18…マイクロコンピュータ(μCPU)
19…角度センサー
20…メモリー部
21…ドライバー回路
イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載
本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば空間に映像を表示する映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、道路工事や事故発生時の道路で交通整理を行う場合、車両の停車/進行を指示するためにスティック(棒)を用いている。当該スティックは、夜間においては、たとえば視認を確実にするため中空のプラスチック製とし、内部に豆球や発光ダイオードを組み込み、点灯して用いている。しかし、前述した停車/進行の指示は、スティックの振り方や支持方法を変えることによって行っているため、操作者の個人差によって多少異なり、共通認識を必要とする対象としては分かり難く判断し辛いという問題がある。
【0003】
また、近年、室内のコンサートや夜間の各種野外集会などのイベントに、発光ステイック(棒)を振って応援することが多い。当該発光スティックとしては、化学反応で発光する物質を樹脂製のスティックに収納した小型のスティックを用いることが多いが、このスティックを使用後廃棄すると環境汚染を引き起こすという問題がある。また、化学反応による発光は発光時間が短く、再使用が難しいという問題もある。更に、単に発光しているだけのスティックを振っているだけではイベントの応援を盛り上げるには面白みに欠ける。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のように、複数の発光素子を組み込んだスティックは広く用いられているが、上述したような問題点が存在する。本願は、これらの問題点の解決を企図したもので、より視認し易く、またイベント等で使用するために目立つ表示を行うことを機能的に担保する映像表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような課題の解決にあたり、本願発明者は、まず、視細胞の時間錯誤(細胞興奮持続効果)を利用することを着想した。すなわち、人間の視細胞は、視細胞への光刺激により視細胞が興奮状態となり、光刺激が無くなった後も興奮状態が続き、あたかも光刺激の知覚時間が続いているような時間錯誤を引き起こす。これを利用すべく、本発明の第1の態様に係る映像表示装置は、光透過型カバーを有するスティック状の筐体と、前記光透過型カバー中に設置される発光表示部と、前記発光表示部を発光させるための発光駆動部と、前記発光駆動部を制御するマイクロコンピュータと、前記スティック状の筐体の任意の基準角度からの角度を検出する角度センサと、前記発光表示部の点灯データを収納するメモリと、前記角度センサからの角度情報により前記メモリから発光データを読み出し前記発光表示部を発光させることによって看者の視細胞の時間錯誤を生起させ、該発光表示部が移動されることにより前記視細胞の時間錯誤が継続し一定の情報が視認表示されるようにする手段とを有する。
【0014】
こうした構成を備えることにより、表示すべき映像の一部を順次表示しながら表示部を移動させ、上述した時間錯誤効果を利用した視覚的連続体として空間に映像を表示する。」
「【発明の効果】
【0024】
以上、説明したように、従来は、夜間でも視認できるよう発光体或いは発光素子を封入した発光スティックを用いて交通整理やイベント時の応援を行っていた。例えば、交通整理時を例にとると、従来は発光スティックのかざし方や振り方によって車両の停車/進行の合図を送っていたが、本発明の一態様に係る映像表示装置を用いることにより、発光はもちろん、スティックを文字表示モードとして振り、時間錯誤効果を利用して空間に(トマレ)、(ススメ)のような文字を表示させることにより具体的な指示を行うことができるため、車両側にもはっきり視認でき、交通整理の安全性をより向上させることができる。さらに、多色表示部を用いることにより、例えば(トマレ)を赤色表示に、(ススメ)を緑色表示にすれば、更に視認性を向上させることができる。
【0025】
一方、特許文献2、3で説明したような表示スティックでは表示される文字が欠けてしまったり裏文字になってしまう場合がある。また、特許文献4ではスティックを振る速度を一定にしないと文字が欠けたり文字途中が伸びたり縮んだりして視認が難しくなってしまうことがあったが、本発明の一態様に係る文字表示スティックでは、スティックを一定角度以上振って錯誤時間をほぼ一定にするだけで文字全体を正確に視認表示(「視認表示」の意義については後述する。)することができるという効果がある。
【0026】
また、イベント時の応援等を例に取ると、本発明の一態様に係る映像表示装置を用いることにより従来行っていたスティック全体を発光させる全点灯モードとして振ることもできるし、イベントの内容に合わせて発光色を変えるといった新しい応援もできる。更に、文字表示モードに変えて(ステキ!)や(ガンバレ)等のコメントあるいは応援するタレントの似顔絵を視認表示して応援することができるためイベントプレーヤと観客とのコミュニケーションを一段と増すことができる。さらに、交通整理と同様に文字コメントに合せて発光色を変えても新しい効果が生まれる。
【0027】
本発明の一態様に係る映像表示装置を応援に使用する例においては、その表示文字をユーザがパソコンや携帯電話を介して書き換えられるため、使用する場面に応じてもっとも相応しいと思われる文字を視認表示したり、発光色や発光シーケンスを変えることができ、同じ本発明の一態様に係る映像表示装置を複数の人が使用していてもそれぞれ異なった応援方法ができるという効果がある。
【0028】
上記効果に加えて、本発明の一態様に係る映像表示装置の応用として長尺基板の両面表示部を配置して片面を文字表示モード、他面を全点灯モードとして、両面を点灯してやれば、例えばイベント会場でプレーヤには文字表示で激励、全点灯で会場観客を盛り上げるという同時効果が得られる。もちろん両面を文字表示モードあるいは全点灯モードとしても新しい効果が期待できる。」
(2) 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された特開2013-200323号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある。
なお、下線は、当合議体が付したものである。また、図面を参照して実施の形態等を詳細に説明する箇所については、当該図面を明細書において初めて実質的に説明される箇所の直後に掲載した。
(ア) 【請求項1】
「【請求項1】
光透過型カバーを有する長尺基板に略直線状に配置した複数個の発光素子を備えた発光表示スティック(棒)において、該発光素子を点灯するための点灯駆動部と各発光素子の点灯を制御するマイクロコンピュータおよびスティックの任意の基準角度からの角度を検出する角度センサ及び各発光素子の点灯データを収納するメモリを備え、角度センサからの角度情報により前記メモリから点灯データを引き出し発光素子を点灯することを特徴とする発光表示スティック。」
(イ) 段落【0012】~【0023】
「【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前述のように、複数の発光素子を組み込んだスティックは広く用いられているが、より視認し易く、またイベント等で使用するために目立つ表示を行うことが課題である。更に、視覚的残存効果によって、より視認し易くするために文字表示を行う技術もあるが、見易い表示を行うためには、スティックの振り方が大変難しいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記のような各課題を解決するための本発明に係る発光表示スティックは、(請求項1)の如く、複数の発光素子を長手方向に装備したスティック中に角度センサと基準角度設定スイッチを装備し、一定の角度変化ごとにメモリから点灯データを読み出して各LEDを点灯させる。
【0014】
また、(請求項2)の如く、スティックを左右に振って視覚的残像効果によって文字を表示するモードと、全LEDを常時点灯または間欠点灯する全点灯モードに切り替え可能としてもよい。
【0015】
更に、(請求項3)の如く、セレクト(選択)スイッチを設け、前記の文字表示モードでは表示文字や表示パターンの種類を選択し、全点灯モードでは点灯色や点滅の種類を選択できるようにしてもよい。
【0016】
更に、(請求項4)の如く、セレクト(選択)スイッチを設け、前記の文字表示モードでは表示文字や表示パターンの種類を選択し、全点灯モードでは点灯色や点滅の種類を選択できるようにしてもよい。
【0017】
また、(請求項5)の如く、発光素子を細長い基板の表裏両側に装備して片面を文字表示モードとして点灯させ、他面を全点灯モードとして動作、或いは両面を文字表示モードあるいは両面を全点灯モードとして動作させるようにしてもよい。
【0018】
さらに(請求項6)の如く、スティックにコネクターを設け、外部のパソコンや携帯電話と接続し、メモリのデータを書き換えることができるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
以上、説明したように、従来は、夜間でも視認できるよう発光体或いは発光素子を封入した発光スティックを用いて交通整理やイベント時の応援を行っていた。例えば、交通整理時を例にとると、従来は発光スティックのかざし方や振り方によって車両の停車/進行の合図を送っていたが、本発明に係る発光表示スティックを用いることにより発光はもちろん、スティックを文字表示モードとして振り、(トマレ)、(ススメ)のような文字を表示させることにより具体的な指示を行うことができるため、車両側にもはっきり視認でき、交通整理の安全性をより向上させることができる。さらに、多色LEDを用いることにより、例えば(トマレ)を赤色表示に、(ススメ)を緑色表示にすれば、更に視認性を向上させることができる。
【0020】
一方、特許文献2、3で説明したような表示スティックでは表示される文字が欠けてしまったり裏文字になってしまう場合がある。また、特許文献4ではスティックを振る速度を一定にしないと文字が欠けたり文字途中が伸びたり縮んだりして視認が難しくなってしまうことがあったが、本発明に係る文字表示スティックでは、スティックを一定角度以上振ってやるだけで速度には関係なく文字全体を正確に表示することができるという効果がある。
【0021】
また、イベント時の応援等を例に取ると、本発明に係る発光表示スティックを用いることにより従来行っていたスティック全体を発光させる全点灯モードとして振ることもできるし、イベントの内容に合わせて発光色を変えるといった新しい応援もできる。更に、文字表示モードに変えて(ステキ!)や(ガンバレ)等のコメントを表示して応援することができるためプレーヤーと観客とのコミュニケーションを一段と増すことができる。さらに、交通整理と同様に文字コメントに合せて発光色を変えても新しい効果が生まれる。
【0022】
本発明に係る発光表示スティックを応援に使用する例においては、その表示文字をユーザがパソコンや携帯電話を介して書き換えられるため、使用する場面に応じてもっとも相応しいと思われる文字を表示したり発光色や発光シーケンスを変えることができ、同じ本発明に係る発光表示スティックを複数の人が使用していてもそれぞれ異なった応援方法ができるという効果がある。
【0023】
上記効果に加えて、本発明に係る文字表示スティックの応用として長尺基板の両面発光素子を配置して片面を文字表示モード、他面を全点灯モードとして、両面を点灯してやれば、例えばイベント会場でプレーヤには文字表示で激励、全点灯で会場観客を盛り上げるという同時効果が得られる。もちろん両面を文字表示モードあるいは全点灯モードとしても新しい効果が期待できる。」
(ウ) 段落【0026】~【0030】、図1,図2
「【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る発光表示スティック1の外観図である。文字表示スティック1は、取っ手2に結合された基板3と同じく取っ手2と結合され基板3を覆うカバー4から構成される。基板3の表側Aには発光ダイオードやランプのような5ー1、5ー2、5ー3、・・・・、5ーnから構成される複数の発光素子5が長手方向に装備されている。カバー4は、発光素子の発光を透過する素材で作られている。」
「【図1】
[図:0001429621000003.jpg]
」
「【0027】
図1の取っ手2には電池26(図示せず)が収納されており、電池収納蓋9で固定されている。また、取っ手2の側面には文字表示のスタート角度を設定するためのスタートボタン6と電源ON/OFF及び文字表示モードと全点灯モードとを切り替えるモード切替スイッチ7と表示文字の種類を選択したり全点灯の発光色を選択するセレクトスイッチ8及びパソコンや携帯電話との接続をするためのインタフェースコネクタ10(図1ではコネクターカバーが付いた状態)が備えられている。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係る発光表示スティック1のブロックダイヤグラムである。クロック発生部25によって駆動されるマイクロコンピュータ(「μCPU」と略)20は、角度センサ24からの角度情報によりメモリ部21の当該アドレスの表示データを読み出し、表示素子点灯ドライバを介して、表示データに従って基板3に装着された当該表示素子LEDー1、LEDー2、・・・・、LEDーnを点灯させる。メモリ部21には複数の表示文字データ、表示色データ及び表示素子全点灯時の表示色データ、点滅パターンデータが格納されている。」
「【図2】
[図:0001429621000004.jpg]
」
「【0029】
また、μCPU20は、インタフェース部23を介して電源・モード切替スイッチ7、セレクトスイッチ8、スタートボタン6、インタフェースコネクタ10と接続され、電源のON/OFF、文字表示モードと全点灯モードの切り替え、文字表示のスタート指示、パソコンや携帯電話とのデータ交換を行う。さらに、前記説明の各部には電池26から電源が供給される。
【0030】
図2のブロック図の各部について、表示素子5―1、5―2、・・・、5―nは小型電球や発光ダイオードで構成されるが、高輝度で3色素子搭載の表面実装型(SMD)発光ダイオードで構成されることが望ましい。また、後述の図5のような文字表示状態においては、角度センサ24は、非特許文献1のごとき重力方向基準の角度センサが好適である。なお、21~26の各部と6~9は、図1で説明した取っ手2の中に収められている。」
(エ) 段落【0033】、図4
「【0033】
図4は、本発明の一実施形態に係る発光表示スティック1を、上記の説明のように振った場合の文字表示例を示す図である。図4では表示面いっぱいに文字を表示した例であるが、文字大きさを小さくして2段に表示したり、簡単な画像を表示することもできるのは自明である。」
「【図4】
[図:0001429621000005.jpg]
」
イ 図面から読み取れる事項の認定
図1より、文字表示スティック1の形状について次の事項が認定できる。
[認定事項A]取っ手2およびカバー4がスティック状の筐体を構成すること。
ウ 引用発明の認定
前記イにおいて認定した事項及び前記アに摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、引用文献1では「発光表示スティック1」と「文字表示スティック1」が同一の物品を示すように記載されているため(例えば段落【0026】を参照)、両者は同一の物品と解釈して発明を認定した。
<引用発明>
「取っ手2に結合された基板3と同じく取っ手2と結合され基板3を覆うカバー4から構成される文字表示スティック1であって、カバー4は、発光素子の発光を透過する素材で作られ(【0026】)、
取っ手2およびカバー4がスティック状の筐体を構成し(認定事項A)、
基板3の表側Aには発光ダイオードやランプのような複数の発光素子5が長手方向に装備され(【0026】)、
発光素子を細長い基板の表裏両側に装備して片面を文字表示モードとして点灯させ、他面を全点灯モードとして動作、或いは両面を文字表示モードあるいは両面を全点灯モードとして動作させることができ(【0017】)、
スティックの任意の基準角度からの角度を検出する角度センサと基準角度設定スイッチを装備し(【請求項1】、【0013】)、
角度センサ24からの角度情報によりメモリ部21の当該アドレスの表示データを読み出し、表示素子点灯ドライバを介して、表示データに従って基板3に装着された当該表示素子を点灯させるマイクロコンピュータ20を備え(【0028】)、
スティックを左右に振って視覚的残像効果によって文字を表示するモードと、全LEDを常時点灯または間欠点灯する全点灯モードに切り替え可能であり(【0014】)、
セレクト(選択)スイッチを設け、前記の文字表示モードでは表示文字や表示パターンの種類を選択し、全点灯モードでは点灯色や点滅の種類を選択できるようにしてもよく(【0015】)、
表示面いっぱいに文字を表示したり、文字大きさを小さくして2段に表示したり、簡単な画像を表示する文字表示ができ(【0033】)、
片面を文字表示モード、他面を全点灯モードとして、両面を点灯してやれば、例えばイベント会場でプレーヤには文字表示で激励、全点灯で会場観客を盛り上げるという同時効果が得られ、両面を文字表示モードとしても新しい効果が期待できる(【0023】)、
文字表示スティック1(【0026】)」
(3) 引用文献4に記載された事項及び技術事項の認定
ア 引用文献4の記載事項
原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された特開平6-67616号公報(以下「引用文献4」という。)には、以下の記載がある(技術事項の認定に直接用いる記載には当合議体が下線を付した。)。
(ア) 段落【0011】
「【0011】
【課題を解決するための手段】以下の各発明に係るスイング式表示装置は、多数の発光セルが線状に配列されている細長い形態の装置本体を手持ち操作などにより往復スイングすることで前記発光セルアレイを面的に走査し、この手動走査と前記発光セルアレイの時系列発光制御との組み合せで前記走査面上に残像効果による画像を表示するものであって、共通する基本的な構成として、ビットマップ化された表示データを記憶する表示データ記憶手段と、前記記憶手段から前記表示データを所定の順番で適宜速度で順次読み出す表示データ読み出し制御手段と、前記読み出し制御手段によって順次読み出される前記表示データをこれに同期して前記発光セルアレイに合せたビット数分づつ揃えて各発光セルの駆動信号とし、各発光セルをオン・オフ駆動する駆動手段と、前記本体のスイング動作の加速度に感応して前記本体が所定方向へスイングされたことを検出するスイング検出手段と、前記スイング検出手段の検出信号からトリガ信号を得て前記読み出し制御手段および前記駆動手段の動作のタイミングを制御するタイミング制御手段とを備えている。」
(イ) 段落【0074】
「【0074】
なお、発光セルアレイ3はLEDアレイに限られず、液晶シャッタアレイとバックライトの組み合せ、PLZTシャッタアレイとバックライトの組み合せ、蛍光表示管などの他のデバイスを用いることができる。」
イ 引用文献4技術事項の認定
前記アにおいて摘記した事項から、引用文献4には次の技術事項(以下「引用文献4技術事項」という。)が記載されていると認められる。
<引用文献4技術事項>
「多数の発光セルが線状に配列されている細長い形態の装置本体を手持ち操作などにより往復スイングすることで前記発光セルアレイを面的に走査して残像効果による画像を表示するスイング式表示装置の発光セルアレイとして、液晶シャッタアレイとバックライトの組み合せを用いることができること」
(4) 本件補正発明と引用発明の対比
本件補正発明と引用発明を対比する。
ア 構成Aの観点
(ア) 引用発明の「カバー4」は、「発光素子の発光を透過する素材」で作られているから、本件補正発明の「光透過型カバー」に相当する。そして、引用発明の「取っ手2およびカバー4」は「スティック状の筐体を構成」するものである。
(イ) したがって、本件補正発明と引用発明は、「光透過型カバーを有するスティック状の筐体」を有する点で一致する。
イ 構成Bの観点
(ア) 引用発明の「基板3」は「発光素子の発光を透過する素材」で作られた「カバー4」に覆われ、「発光ダイオードやランプのような複数の発光素子5が長手方向に装備され」「発光素子を細長い基板の表裏両側に装備して片面を文字表示モードとして点灯させ、他面を全点灯モードとして動作、或いは両面を文字表示モードあるいは両面を全点灯モードとして動作させることができ[る]」から、本件補正発明の「発光表示部」と、「前記光透過型カバー中に設置され、表面及び裏面を有[する]」発光表示部であるという点で一致する。
(イ) したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記光透過型カバー中に設置され、表面及び裏面を有[する]」発光表示部を有する点で一致する。
(ウ) 一方で、本件補正発明の「発光表示部」は「前記表面及び前記裏面のうちの少なくとも一方の側に液晶パネルが配設され、前記表面及び前記裏面のうちの他方の側にLED素子もしくは液晶パネルが配設される」のに対し、引用発明の「基板3」は「発光ダイオードやランプ」のような複数の「発光素子を細長い基板の表裏両側に装備して」いるものであって、「液晶パネル」は配設されていない点で、両者は相違する。
ウ 構成Cの観点
(ア) 引用発明は「表示素子点灯ドライバ」を有し、「発光素子を細長い基板の表裏両側に装備して片面を文字表示モードとして点灯させ、他面を全点灯モードとして動作、或いは両面を文字表示モードあるいは両面を全点灯モードとして動作させることができ[る]」ものであり、「片面を文字表示モード、他面を全点灯モードとして、両面を点灯してやれば、例えばイベント会場でプレーヤには文字表示で激励、全点灯で会場観客を盛り上げるという同時効果が得られ[る]」ものでもあるから、引用発明の「表示素子点灯ドライバ」は、本件補正発明の「前記発光表示部の前記表面及び前記裏面を略同時に別々のモードにて発光させるための発光駆動部」に相当する。
(イ) したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記発光表示部の前記表面及び前記裏面を略同時に別々のモードにて発光させるための発光駆動部」を有する点で一致する。
エ 構成Dの観点
(ア) 引用発明の「マイクロコンピュータ20」は、「角度センサ24からの角度情報によりメモリ部21の当該アドレスの表示データを読み出し、表示素子点灯ドライバを介して、表示データに従って基板3に装着された当該表示素子を点灯させる」から、引用発明の「前記発光駆動部を制御するマイクロコンピュータ」に相当する。
(イ) したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記発光駆動部を制御するマイクロコンピュータ」を有する点で一致する。
オ 構成Eの観点
(ア) 引用発明の「スティックの任意の基準角度からの角度を検出する角度センサ」は、本件補正発明の「スティック状の筐体の任意の基準角度からの角度を検出する角度センサ」に相当する。
(イ) したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記スティック状の筐体の任意の基準角度からの角度を検出する角度センサ」を有する点で一致する。
カ 構成Fの観点
(ア) 引用発明は「角度センサ24からの角度情報によりメモリ部21の当該アドレスの表示データを読み出し、表示素子点灯ドライバを介して、表示データに従って基板3に装着された当該表示素子を点灯させる」ものであるから、引用発明の「メモリ部21」は、本件補正発明の「発光表示部の点灯データを収納するメモリ」に相当する。
(イ) したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記発光表示部の点灯データを収納するメモリ」を有する点で一致する。
キ 構成Gの観点
(ア) 引用発明は「角度センサ24からの角度情報によりメモリ部21の当該アドレスの表示データを読み出し、表示素子点灯ドライバを介して、表示データに従って基板3に装着された当該表示素子を点灯させる」ものであるから、引用発明は「前記角度センサからの角度情報により前記メモリから発光データを読み出し前記発光表示部を発光させる」ものである。
(イ) また、引用発明は「スティックを左右に振って視覚的残像効果によって文字を表示するモード」があり、「表示面いっぱいに文字を表示したり、文字大きさを小さくして2段に表示したり、簡単な画像を表示する文字表示」ができるものである。これは、スティックを左右に振ってその場に発光素子がいなくなったとしても、そこに発光素子が存在するかのごとく看者が錯誤して認識することを利用して、連続体である文字や簡単な画像を表示しているものであり、本願明細書の段落【0013】の「人間の視細胞は、視細胞への光刺激により視細胞が興奮状態となり、光刺激が無くなった後も興奮状態が続き、あたかも光刺激の知覚時間が続いているような時間錯誤を引き起こす。」という説明と同一の現象を示すものと理解される。さらに、引用発明の「簡単な画像」は映像表示の一態様であるといえるから、引用発明の「スティックを左右に振って視覚的残像効果によって文字を表示するモード」における「簡単な画像を表示する文字表示」は、本件補正発明の「看者の視細胞の時間錯誤を生起させ、該発光表示部が移動されることにより前記視細胞の時間錯誤が継続すること」によって「映像もしくは文字が連続体として認識される一定の情報が視認表示されるようにする手段」による表示に相当する。
(ウ) そして、引用発明は、両面を文字表示モードとして前記(イ)の表示を行えるものといえるから、一方の側にて「視認される映像が連続体として認識され」、他方の側にて「視認される映像もしくは文字が連続体として認識される一定の情報が視認表示されるようにできる手段」を有する。
(エ) したがって、前記(ア)~(ウ)の検討結果を総合すると、本件補正発明と引用発明は、「前記角度センサからの角度情報により前記メモリから発光データを読み出し前記発光表示部を発光させることによって看者の視細胞の時間錯誤を生起させ、該発光表示部が移動されることにより前記視細胞の時間錯誤が継続することで前記一方の側にて視認される映像が連続体として認識され、前記他方の側にて視認される映像もしくは文字が連続体として認識される一定の情報が視認表示されるようにする手段」を有する点で一致する。
(5) 一致点及び相違点
前記(4)の対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、それぞれ次のア及びイに示すとおりである。
ア 一致点
「光透過型カバーを有するスティック状の筐体と、
前記光透過型カバー中に設置され、表面及び裏面を有する発光表示部と、
前記発光表示部の前記表面及び前記裏面を略同時に別々のモードにて発光させるための発光駆動部と、
前記発光駆動部を制御するマイクロコンピュータと、
前記スティック状の筐体の任意の基準角度からの角度を検出する角度センサと、
前記発光表示部の点灯データを収納するメモリと、
前記角度センサからの角度情報により前記メモリから発光データを読み出し前記発光表示部を発光させることによって看者の視細胞の時間錯誤を生起させ、該発光表示部が移動されることにより前記視細胞の時間錯誤が継続することで前記一方の側にて視認される映像が連続体として認識され、前記他方の側にて視認される映像もしくは文字が連続体として認識される一定の情報が視認表示されるようにする手段と
を有する映像表示装置」である点。
イ 相違点
本件補正発明の発光表示部は「前記表面及び前記裏面のうちの少なくとも一方の側に液晶パネルが配設され、前記表面及び前記裏面のうちの他方の側にLED素子もしくは液晶パネルが配設される」のに対し、引用発明の基板3は「発光ダイオードやランプ」のような複数の「発光素子を細長い基板の表裏両側に装備して」いるものであって、「液晶パネル」は配設されていない点。
(6) 当審の判断
前記相違点について検討すると、前記(3)イにおいて引用文献4技術事項として認定したとおり、「多数の発光セルが線状に配列されている細長い形態の装置本体を手持ち操作などにより往復スイングすることで前記発光セルアレイを面的に走査して残像効果による画像を表示するスイング式表示装置の発光セルアレイとして、液晶シャッタアレイとバックライトの組み合せを用いることができること」は公知である。
そして、引用発明の「発光ダイオードやランプのような複数の発光素子5」と引用文献4技術事項における「液晶シャッタアレイとバックライトの組み合せ」からなる発光セルアレイは、細長い形態の装置に設けられて、当該装置が振られることにより、残像効果を利用して表示を行うための発光部という点において共通するものである。
したがって、引用発明の基板の片面又は両面の「発光ダイオードやランプのような複数の発光素子5」を、引用文献4技術事項における「液晶シャッタアレイとバックライトの組み合せ」からなる発光セルアレイに代えることにより、前記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者であれば適宜なし得た設計事項である。
そして、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献4技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(7) 請求人の主張について
ア 審判請求書における請求人の主張の内容
請求人は、審判請求書において、各引用文献には「前記発光表示部の前記表面及び前記裏面を略同時に別々のモードにて発光させるための発光駆動部」についての開示も示唆もないから、補正後本件発明には想到し得ないと主張している。
イ 請求人の主張についての検討
前記アの請求人の主張について検討すると、前記(2)イにおいて認定したとおり、引用発明は、「発光素子を細長い基板の表裏両側に装備して片面を文字表示モードとして点灯させ、他面を全点灯モードとして動作、或いは両面を文字表示モードあるいは両面を全点灯モードとして動作させることができ[る]」ものであり、「片面を文字表示モード、他面を全点灯モードとして、両面を点灯してやれば、例えばイベント会場でプレーヤには文字表示で激励、全点灯で会場観客を盛り上げるという同時効果が得られ[る]」ものでもあるから、前記(4)ウで検討したとおり、「前記発光表示部の前記表面及び前記裏面を略同時に別々のモードにて発光させるための発光駆動部」に相当する構成を有するものと認められる。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(8) 独立特許要件についての判断のまとめ
前記(1)~(7)において検討したとおり、本件補正発明は、引用発明及び引用文献4技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 本件補正の適否についてのまとめ
前記3において検討したとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
したがって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明の認定
本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定における本願発明に対する拒絶の理由1(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。
理由1(進歩性の欠如)
本願発明は、本願の出願前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特開2013-200323号公報
引用文献3.特開2004-333542号公報
引用文献4.特開平6-67616号公報
3 各引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定
引用文献1に記載された事項及び引用発明は、前記第2の3(2)に示したとおりである。引用文献4に記載された事項及び引用文献4技術事項は、前記第2の3(3)に示したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、本件補正発明のうち、前記第2の2に示した限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3において説示したとおり、引用発明及び引用文献4技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び引用文献4技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-009808