特許拒絶査定不服審判
2025-002715
ミラーディスプレイ、ミラーディスプレイシステムおよびミラーディスプレイシステムの利用方法
- 審判番号
- 2025-002715
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-005965
- 請求日
- 2025年02月21日
- 審決日
- 2026年07月09日
- 公報発行日
- 2026年09月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】TOPPANホールディングス株式会社
- 【請求人代理人】松沼 泰史
- 【請求人代理人】鈴木 史朗
- 【請求人代理人】清水 雄一郎
- 【請求人代理人】大槻 真紀子
- 審判長/審判官
- 審判長 道祖土 新吾
- 審判官 後藤 亮治
- 審判官 関口 英樹
- 分類
- P18 .121-Z (G09G) / P18 .575-Z (G09G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-005965号「ミラーディスプレイ、ミラーディスプレイシステムおよびミラーディスプレイシステムの利用方法」拒絶査定不服審判事件〔令和4年7月29日出願公開、特開2022-110504〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年1月18日の出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和6年 7月25日付け:拒絶理由通知書
同年10月 1日 :意見書、手続補正書の提出
同年11月27日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同年12月 3日 :原査定の謄本の送達)
令和7年 2月21日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和7年2月21日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年2月21日にされた手続補正を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和7年2月21日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正を含むものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和6年10月 1日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。
(1) 本件補正前
「【請求項1】
ハーフミラーと、
前記ハーフミラーの背面側に配置された表示部と、
検知部と、
認証部と、
ネットワークを介する通信を行う通信部と、
各種処理を実行する処理部と、
体温測定部と、を備えるミラーディスプレイであって、
前記通信部は、前記ネットワークを介して少なくとも時間、天気およびニュースのいずれかの情報を取得し、
前記表示部は、前記通信部によって取得された前記少なくとも時間、天気およびニュースのいずれかの情報、または前記体温測定部によって測定された前記ミラーディスプレイの利用者の体温を表示可能であり、
前記表示部は、少なくとも第1表示画面と、前記第1表示画面とは異なる第2表示画面との切り替えを行う表示画面切り替え機能を有し、
前記ミラーディスプレイの前記処理部のアップデートは、前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上で行われ、
前記ミラーディスプレイの利用者が前記検知部によって検知されている場合であって、
前記検知部によって検知されている前記ミラーディスプレイの利用者の認証が前記認証部によって行われた場合に、
前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる、
ミラーディスプレイ。」
(2) 本件補正後
「【請求項1】
ハーフミラーと、
前記ハーフミラーの背面側に配置された表示部と、
検知部と、
認証部と、
ネットワークを介する通信を行う通信部と、
各種処理を実行する処理部と、
体温測定部と、
を備えるミラーディスプレイであって、
前記通信部は、前記ネットワークを介して少なくとも時間、天気およびニュースのいずれかの情報を取得し、
前記表示部は、前記通信部によって取得された前記少なくとも時間、天気およびニュースのいずれかの情報、または前記体温測定部によって測定された前記ミラーディスプレイの利用者の体温を表示可能であり、
前記表示部は、少なくとも第1表示画面と、前記第1表示画面とは異なる第2表示画面との切り替えを行う表示画面切り替え機能を有し、
前記ミラーディスプレイの前記処理部のアップデートは、前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上において、前記クラウドサーバーが前記ミラーディスプレイのアップデートのタイミングであるか否かを判定した結果に応じ、前記アップデートのタイミングであると判定した場合に、前記ミラーディスプレイの利用者のアップデート操作によらず、かつ前記検知部が前記ミラーディスプレイの利用者の検知を行うことなく行われるものであり、
前記アップデートのタイミングでないと判定した場合であり、前記ミラーディスプレイの利用者が前記検知部によって検知されている場合であって、
前記検知部によって検知されている前記ミラーディスプレイの利用者の認証が前記認証部によって行われた場合に、
前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる、
ミラーディスプレイ。」
2 補正の目的
本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された「前記ミラーディスプレイの前記処理部のアップデート」について、本件補正前は「前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上で行われ」と特定されていたものを、「前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上において、前記クラウドサーバーが前記ミラーディスプレイのアップデートのタイミングであるか否かを判定した結果に応じ、前記アップデートのタイミングであると判定した場合に、前記ミラーディスプレイの利用者のアップデート操作によらず、かつ前記検知部が前記ミラーディスプレイの利用者の検知を行うことなく行われるものであ」ることと特定し、「前記ミラーディスプレイの利用者が前記検知部によって検知されている場合であって、前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる」場合について、「前記アップデートのタイミングでないと判定した場合であ」ることを特定するものである。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
3 独立特許要件の判断
本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。
(1) 本件補正発明
ア 本件補正発明の認定と分説
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成Xと構成Aから構成H2までに分説する。また、参考図として、本願の【図1】を掲載する。
<本件補正発明の分説>
A ハーフミラーと、
B 前記ハーフミラーの背面側に配置された表示部と、
C 検知部と、
D 認証部と、
E ネットワークを介する通信を行う通信部と、
F 各種処理を実行する処理部と、
G 体温測定部と、
X を備えるミラーディスプレイであって、
E1 前記通信部は、前記ネットワークを介して少なくとも時間、天気およびニュースのいずれかの情報を取得し、
B1 前記表示部は、前記通信部によって取得された前記少なくとも時間、天気およびニュースのいずれかの情報、または前記体温測定部によって測定された前記ミラーディスプレイの利用者の体温を表示可能であり、
B2 前記表示部は、少なくとも第1表示画面と、前記第1表示画面とは異なる第2表示画面との切り替えを行う表示画面切り替え機能を有し、
H1 前記ミラーディスプレイの前記処理部のアップデートは、前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上において、前記クラウドサーバーが前記ミラーディスプレイのアップデートのタイミングであるか否かを判定した結果に応じ、前記アップデートのタイミングであると判定した場合に、前記ミラーディスプレイの利用者のアップデート操作によらず、かつ前記検知部が前記ミラーディスプレイの利用者の検知を行うことなく行われるものであり、
H2 前記アップデートのタイミングでないと判定した場合であり、前記ミラーディスプレイの利用者が前記検知部によって検知されている場合であって、
前記検知部によって検知されている前記ミラーディスプレイの利用者の認証が前記認証部によって行われた場合に、
前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる、
X ミラーディスプレイ。
<参考図>
【図1】
[図:0001438892000001.jpg]
イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載
本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、ミラーディスプレイ、ミラーディスプレイシステムおよびミラーディスプレイシステムの利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディスプレイモニタ機能付ミラーが知られている(特許文献1参照)。特許文献1には、ディスプレイモニタ機能付ミラーの表示部が、カメラによる撮像結果に基づいた撮像情報を表示する旨が記載されている。
また、特許文献1には、表示部が、カメラの撮像結果に基づく撮像情報として、例えば、ユーザーの顔の撮像画像をそのまま表示したり、数秒前のユーザーの顔の撮像画像を表示したり、ユーザーの顔の撮像画像に化粧などの加工を施したものを表示したりすることができる旨が記載されている。
更に、特許文献1には、表示部が、撮像されたユーザーを特定し、特定されたユーザーに応じて、インターネット回線を通じて送信された画像情報を撮像情報として表示してもよい旨、予め第1ユーザーおよび第2ユーザーが登録されており、第1ユーザーに対しては天気に関する情報を表示するようにしてもよいし、第2ユーザーにはニュースを表示するようにしてもよい旨が記載されている。
また、特許文献1には、表示部が、撮像結果に基づきユーザーを識別して表示を決定している旨が記載されている。
ところで、特許文献1には、ディスプレイモニタ機能付ミラーのアップデート(更新)について記載されていない。そのため、特許文献1に記載された技術では、アップデート操作の必要なくディスプレイモニタ機能付ミラーを最新の状態に更新することができない。その結果、特許文献1に記載された技術では、ディスプレイモニタ機能付ミラーが最新情報を表示できないおそれがある。
…(中略)…
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した問題点に鑑み、本発明は、アップデート操作の必要なくミラーディスプレイを最新の状態に更新すると共に最新情報を表示することができるミラーディスプレイ、ミラーディスプレイシステムおよびミラーディスプレイシステムの利用方法を提供することを目的とする。」
「【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アップデート操作の必要なくミラーディスプレイを最新の状態に更新すると共に最新情報を表示することができるミラーディスプレイ、ミラーディスプレイシステムおよびミラーディスプレイシステムの利用方法を提供することができる。」
「【0026】
図1~図5に示す例では、ミラーディスプレイ11のアップデート(詳細には、ミラーディスプレイ11の処理部116(OS:Operating System)等のアップデート)が、ネットワークNWを介して接続されるクラウドサーバーCS上で行われる。そのため、図1~図5に示す例では、ミラーディスプレイ11の利用者がアップデート操作を行う必要なく、ミラーディスプレイ11の状態を常に最新の状態に更新することができる。
…(中略)…
【0034】
図6および図7は第1実施形態のミラーディスプレイシステム1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図6および図7に示す例では、ステップS10において、例えばクラウドサーバーCSがミラーディスプレイ11のアップデートのタイミングであるか否かを判定する。ミラーディスプレイ11のアップデートのタイミングでない場合には、ステップS11に進み、ミラーディスプレイ11のアップデートのタイミングである場合には、ステップS18に進む。
【0035】
ステップS11では、ミラーディスプレイ11の検知部113が、ミラーディスプレイ11の利用者の検知を行う。詳細には、検知部113がミラーディスプレイ11の利用者を検知した場合に、ステップS12に進む。
ステップS12では、ミラーディスプレイ11の表示部112が、ホーム画面の表示を行う処理を実行する。
具体的には、ミラーディスプレイ11の表示部112がホーム画面の表示を行う場合、図7(A)に示すように、ステップS12Aにおいて、ミラーディスプレイ11の通信部115が、ネットワークNWを介して時間、天気、ニュース等の情報を取得する。
次いで、ステップS12Bでは、ミラーディスプレイ11の表示部112が、ステップS12Aにおいて取得された時間、天気、ニュース等の情報をホーム画面に表示する。
…(中略)…
【0040】
ステップS17では、ミラーディスプレイ11の表示部112が、ホームコントロール画面の表示を行う処理を実行する。
具体的には、ミラーディスプレイ11の表示部112がホームコントロール画面の表示を行う場合、図7(C)に示すように、ステップS17Aにおいて、ミラーディスプレイ11の通信部115が、ネットワークNWを介して動画共有サイトの動画データを取得する。
次いで、ステップS17Bでは、ミラーディスプレイ11の表示部112が、ステップS17Aにおいて取得された動画共有サイトの動画をホームコントロール画面に表示する。
ステップS18では、クラウドサーバーCSが、ネットワークNWを介して接続されるミラーディスプレイ11のアップデートをクラウドサーバーCS上で行う。
図6
[図:0001438892000002.jpg]
」
(2) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定
ア 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2013-235118号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、当合議体により、後記ウの引用発明の認定等に参考に用いた記載に下線を付した。)。
(ア) 【0001】~【0007】
「【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面化粧台等に適用される情報表示システムに関する。
…(中略)…
【0003】
インターネットなどの通信技術が発達した今日では、表示部へは、通信網を介して外部のサーバ(以下、外部装置という)から取得できる多種多様な情報を表示部へ出力して、ユーザの利便性を向上させることが考えられる。
…(中略)…
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、ハーフミラーに情報を浮かび上がらせて表示する情報表示システムにおいて、操作性よく情報の入力や表示情報の切替を行うことができ、また、情報量が増えても鏡の縞模様が目立たないように情報を表示することのできる情報表示システムを提供することを目的とする。」
(イ) 【0021】~【0032】及び図2
「【0021】
図1において、本実施の形態による情報表示システム1は、台8に体重計40と収納部30が組み込まれており、台8から支柱7を介して鏡(ハーフミラー)2等を支えるフレーム4が取り付けられている。このフレーム4には、前記鏡2と鏡の背面側に表示部22が取り付けられている。
【0022】
表示部22は、非接触型タッチパネル13と液晶ディスプレイ12で構成され、このタッチパネル13は鏡2と液晶ディスプレイ12の間に介挿されている。なお、本実施の形態では、鏡2の下半分に表示部22が位置するように取り付けられているが、表示部22の位置や鏡2の面積に対する表示部22の面積は特に限定されない。
【0023】
また、鏡2の前方には、水道の蛇口5とシンク6が配置されている。体重計40の上はカバーで覆われており、ユーザの立ち位置がわかるようなデザインが施されている。
【0024】
表示部22は、図1(a)に示すように、鏡2の左右方向の略中央付近に取り付けられている。
また、フレーム4には、各種センサから入力した信号の入力値やLEDへの出力処理を行うサブプロセッサ11を含むユニット9が取り付けられ、台8側の収納部30には、表示部22へ表示すべき情報を生成するメインプロセッサ31が収納されている。図2のブロック図に示すように、サブプロセッサ11とメインプロセッサ31は、所定のインタフェース(例えばUSB)の信号線で接続されている。このサブプロセッサ11と、メインプロセッサ31は、夫々メモリ(記憶部)を有しており、演算処理部50を構成する。
【0025】
なお、メインプロセッサ31の処理能力によっては、各種センサやLEDへの入出力処理を実行するサブプロセッサ11を省いて、これらの処理を含めてすべての演算処理をメインプロセッサ31に実行させるようにしても良いし、逆にさらに複数のプロセッサで分散処理を行うようにしても良い。
【0026】
演算処理部50のメインプロセッサ31は、インターネット網を介して図示しない情報提供用サーバ(以下、外部装置という。)と接続されており、予め設定されたIPアドレスから表示用の情報を収集して、この表示部22へ表示出力する。
【0027】
外部装置から収集する情報としては、ニュース情報、交通情報、天気予報情報などがある。また、情報表示システム1のサブプロセッサ11は、体重計40とシリアル通信で接続されており、予め決められた通信フォーマットでメインプロセッサ31へ入力した体重データを送信する。メインプロセッサ31は、受信した体重データを内蔵する記憶部に保存すると共に体重値やそのトレンドを表示部22へ表示する。
メインプロセッサ31は、また、周期的に、あるいは情報変化時に外部装置からデータを取得し、そのデータをもとに表示すべき情報を生成して表示部22へ表示出力する。
【0028】
なお、入力する生体データとしては、体重データに限らず、体脂肪率、あるいは体温や血圧などを適宜追加してもよい。
【0029】
表示部22の下側中央には、人感センサ15が設けられている。また、表示部の左右端側の上下各2箇所には、操作センサ16が取り付けられている。なお、これらのセンサは、表示部22に取り付けても良いし、フレーム4に取り付けるようにしても良い。
【0030】
表示部22の上端側中央には、カメラ(撮影手段)14が取り付けられており、カメラ14によって撮影された画像は、メインプロセッサ31へ入力される。
【0031】
また、鏡2の背面全体を覆うように、鏡背面側から遮光板3が取り付けられている。この遮光板3は、鏡2の背面から光が入らないようにするためのものであるが、少なくともハーフミラーを鏡として機能させる、表示部の周囲所定領域が遮光されておれば良い。
【0032】
人感センサ15としては、焦電型赤外線センサ15cを用いることができる。なお、赤外線距離センサ15a,15bと併用するようにしても良い。サブプロセッサ11は、人感センサ15によって人の存在を検知/非検知したときに、そのイベント信号をメインプロセッサ31へ送る。イベント信号と共に、あるいはイベント信号に代えて距離センサ15a,15bからの入力値(距離データ)を送るようにしても良い。
図2
[図:0001438892000003.jpg]
」
(ウ) 【0036】~【0045】、図15及び図5
「【0036】
図15は、演算処理部50の機能ブロック図である。この図において、メインプロセッサ31は、通信部35を介してインターネット網などの通信網に繋がる外部装置(図示せず)からデータを収集する情報収集手段53、表示部22へ表示出力を行う情報表示手段54、サブプロセッサ11から送られてくる人感センサ15のデータをもとに人の存在を検知して、情報収集手段53と情報表示手段54へ通知する人検知手段、表示部22のタッパネル(当審注:「タッチパネル」の誤記と認める。)13を通して入力される情報からメモデータを生成するメモデータ生成手段55、装備するカメラ(撮影手段)14で撮影を行う撮影処理手段56、サブプロセッサ11との間で送受信を行う送受信処理手段51を有している。
図15
[図:0001438892000004.jpg]
【0037】
一方、サブプロセッサ11は、メインプロセッサ31との間で送受信処理を行う送受信処理手段71、各種センサ15~17のデータを取り込んで、図4に示すデータフォーマットに変換する入力処理手段72、メインプロセッサ31から送られてきたデータに基づいて操作指示LED19と装飾用LED20を点灯させるための信号を出力する出力処理手段73を有している。
メインプロセッサ31の前記各手段51~56、およびサブプロセッサ11の各手段71~73は、CPUの機能としてプログラムによって実現可能である。
次に、上記の如く構成された情報表示システム1の動作を説明する。
(人検知処理)
【0038】
メインプロセッサ31の人検知手段52は、サブプロセッサから人感センサ15によるイベント通知があり、そのときの距離が予め定めた範囲内にある場合は、情報収集手段53と情報表示手段54へオン通知を行い、非検出または距離が予め定めた範囲外の場合はオフ通知を行う。
【0039】
このとき、体重データ(生体データ)ごとに予め収集すべき情報(外部装置のIPアドレスやコンテンツの種類)、表示出力内容を予めメインプロセッサ31の記憶部へ登録しておき、情報収集手段53や情報表示手段54は、この登録情報に基づいて、入力した体重データに応じた情報を表示するようにしても良い。
このように、体重データによってユーザ識別を行い、そのユーザに応じた情報を表示することによって利便性が向上する。なお、体重データに加えて、体脂肪率やその他の生体データ61を用いてユーザ識別を行うようにしても良い。さらに、カメラ14から入力した撮影画像の顔特徴量も加味して、より精度の高いユーザ識別を行うこともできる。
【0040】
情報表示手段54は、人検知手段52からオン通知があると、表示部22への表示を待ち受け画面からそのユーザに対応するトップ画面に切り替える。
【0041】
なお、本実施の形態では、人検知手段52によって個人識別を行うことで説明するが、個人識別を行わないような場合は、単に人感センサの検知データあるいは所定値以上の体重データが入力されたかのみで人の検出を行うことも勿論可能である。
【0042】
(情報表示処理)
情報表示手段54が表示出力するトップ画面は、情報収集手段53が外部装置から取得した情報をもとに生成した表示用データ(以下、外部取得データ)を表示する領域、システムが記憶部に保存している生体データ等のデータ(以下、記録データ)を表示する領域のほか、画面を遷移させるための指示領域(以下、指示ボタン)などから構成されている。
【0043】
なお、本実施の形態では、図5に示すような画面遷移で表示するものとする。すなわち、通常は待ち受け画面にしておき、人感センサからのデータによって人検知手段52が人の存在を検知すると、そのユーザに応じたトップ画面に遷移し、そのトップ画面で表示される画面切替用の指示ボタンあるいはその指示ボタンに対応する操作センサの検知によって他の画面に遷移する。そして、人検知手段52が一定時間人の存在を検知しないと待ち受け画面に戻る。なお、人の存在を検知しないときは、待ち受け画面の表示に代えて、表示部22の電源をオフにしておき、人検知手段52が人の存在を検知すると、表示部の22の電源をオンにしてトップ画面を表示し、一方、一定時間人の存在を検知しないときは、表示部22の電源をオフにするようにしても良い。
図5
[図:0001438892000005.jpg]
【0044】
(1)取得データの表示
情報取得手段53は、インターネット網を介して外部装置からテキストデータで取得データを得る。そして、情報表示手段54は、この取得データを予め設定されている背景色(黒色)と明確に異なる色(たとえば白色、黄色、赤色など)で表示する。なお、背景色は、黒色が好ましいが、背景のみを表示したときにハーフミラーの縞模様が視認されない程度の輝度値の暗色ならば良い。そして、表示すべきデータは、背景色に対して相対的に輝度値の高い明色で表示する。
【0045】
外部取得データは、情報変化時、または周期的に外部装置から入力され記憶部に保存されているデータを用いて情報表示手段54によって生成され、表示更新される。また、表示される情報は階層構造になっており、鏡面上のタップ操作を非接触型のタッチパネル13が検知して、順次詳細情報が表示される。」
イ 引用文献1の記載から読み取れる事項の認定
(ア) 前記アに摘記した【0038】及び【0039】によれば、【0039】の「このとき」は、【0038】の「メインプロセッサ31の人検知手段52は、サブプロセッサから人感センサ15によるイベント通知があり、そのときの距離が予め定めた範囲内にある場合は、情報収集手段53と情報表示手段54へオン通知を行い、非検出または距離が予め定めた範囲外の場合はオフ通知を行う」ときを指すものであるから、【0039】の「体重データによってユーザ識別を行う」主体は、「メインプロセッサ31の人検知手段52」である。
(イ) 前記アに摘記した【0027】及び【0044】によれば、【0044】記載の情報取得手段53は、【0027】記載のニュース情報、交通情報、天気予報情報などの情報を収集するものである。
ウ 引用発明の認定
前記イにおいて認定した事項及び前記アに摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、実施の形態に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。
<引用発明>
「台8に体重計40と収納部30が組み込まれており、台8から支柱7を介して鏡(ハーフミラー)2等を支えるフレーム4が取り付けられている情報表示システム1であって、(【0021】)
鏡(ハーフミラー)2と、(【0021】)
鏡(ハーフミラー)2の背面側に取り付けられた表示部22と、(【0021】)
人感センサ15と、(【0029】)
通信部35を介してインターネット網などの通信網に繋がる情報提供サーバである外部装置(【0026】)からデータを収集する情報収集手段53、表示部22へ表示出力を行う情報表示手段54、サブプロセッサ11から送られてくる人感センサ15のデータをもとに人の存在を検知して、情報収集手段53と情報表示手段54へ通知する人検知手段52を有するメインプロセッサ31と、(【0036】、【0038】)
を備え、
人検知手段52は、体重データによってユーザ識別を行い、(前記イ(ア))
情報表示システム1のサブプロセッサ11は、体重計40とシリアル通信で接続されており、メインプロセッサ31へ入力した体重データを送信し、(【0027】)
入力する生体データとしては、体重データに限らず、体脂肪率、あるいは体温や血圧などを追加してもよく、(【0028】)
情報取得手段53は、ニュース情報、交通情報、天気予報情報などの情報を収集し、(前記イ(イ))
情報表示手段54が表示出力するトップ画面は、情報収集手段53が外部装置から取得した情報をもとに生成した外部取得データを表示する領域、生体データ等のデータを表示する領域などから構成され、(【0042】)
通常は待ち受け画面にしておき、人感センサ15からのデータによって人検知手段52が人の存在を検知すると、そのユーザに応じたトップ画面に遷移し、そのトップ画面で表示される画面切替用の指示ボタンあるいはその指示ボタンに対応する操作センサの検知によって他の画面に遷移し、人検知手段52が一定時間人の存在を検知しないと待ち受け画面に戻り、(【0043】)
情報表示手段54は、人検知手段52からオン通知があると、表示部22への表示を待ち受け画面からそのユーザに対応するトップ画面に切り替える、(【0040】)
情報表示システム1。」
(3) 引用文献2、5~7の記載事項及び周知の事項1、2の認定
ア 引用文献2に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2012-198667号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。
「【0037】
保守サーバ70は、ブレードPC32のシステム環境を最新の状態に維持するためのアップデート管理処理を実行する。この保守サーバ70は、ブレードPC32の各機能をアップデートするために必要なアップデートデータが蓄積されている。そして、外部から新たなアップデートデータを取得した場合には、各ブレードPC32の機能をアップデートする処理を実行する。
図1
[図:0001438892000006.jpg]
」
イ 引用文献5に記載された事項
当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された文献である特開2003-288226号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の記載がある。
「【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ユーザの手を借りることなく、家電機器の誤動作中にもネットワークを介して外部より与えられるアップバージョン機能データをダウンロードしてアップデートできる遠隔家電機器機能アップデートシステム及びその方法を提供するところにある。」
「【0030】
図5は、図4のような過程により管理サーバ300に登録が完了した家電機器のバージョンアップデート過程のフローチャートである。図5のフローチャートもまた、各関連装置下で行われる順次的な信号の送受信のフローを示す表現方法を取る。まず、管理サーバ300は、自体が有した家電機器情報に基づきバージョンアップデートの要否を判断し、アップバージョンが必要な特定家電機器が含まれたホームネットワークのゲートウェイ310にその家電機器のアップデートを要請する(k)。このように、管理サーバ300は、ゲートウェイ310に、アップデートする家電機器のアップバージョン機能データをさらにダウンロードする(l)。ゲートウェイ310は、ダウンロード管理者を用いて家電機器320のダウンロードエージェントへの接続を試みる(m)。接続が正常になされなければ、ゲートウェイ310は、家電機器320にマジックパケットを伝送する(n)。マジックパケットは所定のフォーマットのデータパケットであって、家電機器の第1のユニット321によりダウンロード強制命令であることが分かるように約束されたものである。マジックパケットを確かめた家電機器320は、第1のユニット321の第1のプロセッサを用いてインタラプト信号を発生し、このインタラプト信号は、家電機器320をして現在遂行中の動作を中止させる(o)。遂行中の動作を中止したまま、家電機器320は、第2のユニット322の第2のメモリ324に貯蔵されたダウンロード及び機能設置プログラムを実行する(p)。家電機器は、ダウンロード及び機能設置プログラム実行により、ゲートウェイ310に接続してアップバージョン機能データを要請する(q)。ゲートウェイ310への接続は、図4の登録中に貯蔵したダウンロード管理者のアドレスを探して接続することである。ゲートウェイ310のダウンロード管理者は、家電機器320で要請したアップバージョン機能データを伝送する(r)。家電機器は、ダウンロードしたアップバージョン機能データを既存の機能に対してアップデートする(s)。これは、第1のメモリ323に貯蔵された既存の機能実行プログラム上に新しくダウンロードしたアップバージョン機能データ(またはプログラム)を上書きすることを言う。機能プログラムをアップデートしてから、家電機器は、リブートする等システムを再び始めて新しくアップデートした機能を実行する(t)。
図5
[図:0001438892000007.jpg]
」
ウ 引用文献6に記載された事項
当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された文献である特開2003-228486号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の記載がある。
「【請求項1】
サーバが、更新、新規追加または削除の処理の登録が行われたソフトウェアの本体の情報や、当該ソフトウェアを自動的に更新、新規追加または削除するための実行プログラムを含む当該ソフトウェアに関する所定の情報をネットワークを通じてクライアントに送信する情報送信ステップと、
前記ソフトウェアに関する所定の情報を受信すると、前記クライアントが、当該ソフトウェアに関する所定の情報に含まれる前記実行プログラムに従って、前記ソフトウェアの更新、新規追加または削除の処理を実行する処理実行ステップとを備えたことを特徴とするソフトウェア管理方法。」
「【0025】
管理部130は、DB部120のSW情報格納領域121に格納されているソフトウェア情報を管理するSW管理部131、DB部120のクライアント情報格納領域122に格納されているクライアント情報を管理するクライアント管理部132、及びソフトウェアの更新等の処理の開始の合図であるトリガの発行及び送信を管理するトリガ管理部133を備えている。
【0026】
ここで、トリガには、サーバ100へアクセスさせるための情報、すなわち、サーバ100へのアクセス指示(命令)の情報、サーバ100のアドレス(IPアドレス)、サーバ100のコンピュータ名などの情報が含まれている。従って、トリガを受け取った各クライアント200,210,220・・・は、トリガの情報に基づいて、サーバ100に対して自動的にアクセスする。
図2
[図:0001438892000008.jpg]
」
エ 引用文献7に記載された事項
当審において新たに引用する、本願の出願前に発行された文献である特開2011-15028号公報(以下「引用文献7」という。)には、次の記載がある。
「【0002】
従来、ソフトウェアの自動バージョンアップ機能を有する通信機器において、バージョンアップサーバにより各通信機器の更新時間が管理されている場合、動画配信サーバからその通信機器を中継して端末へストリーミング動画配信中にその通信機器の更新時間になると、バージョンアップサーバからその通信機器へのバージョンアップが自動的に実施される可能性がある。」
オ 周知の事項1及び2の認定
前記ア~エに摘記した引用文献2及び5~7の記載事項に例示されるように、「ネットワークシステム」の技術分野において、本願出願日当時、以下の技術事項は、当業者にとって周知の事項であったと認められる。(以下「周知の事項1」という。)また、周知の事項1を行う際に、以下の技術事項も、当業者にとって周知の事項であったと認められる。(以下「周知の事項2」という。例えば、前記イ~エに摘記した引用文献5~7の記載事項参照。)
<周知の事項1>
「サーバが被更新対象のアップデート処理の実行タイミングを判断すること。」
<周知の事項2>
「サーバが被更新対象のアップデート処理を実行する際に、被更新対象において、ユーザの操作を伴うことなく、自動的にアップデート処理が実行されること。」
(4) 引用文献3~4の記載事項及び周知の事項3の認定
ア 引用文献3に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2018-42811号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
「【0026】
ローカルコンピュータ10には、表示制御部21が接続されている。表示制御部21は、鏡面22を有する表示装置23に対し、ローカルコンピュータ10から送られる画像信号に基づき画像を表示する表示手段として機能する。表示装置23は、鏡面22の表面から目視したときに表示装置23の画面に映しだされた画像を見ることができる。また、鏡面22は、その前方側から入射した光を反射して鏡像を結ぶ鏡として機能するので、この鏡像を利用者Aが見ることができ、従って、鏡面22を利用者Aが見ることによって表示制御部21によって表示装置23の画面に表示された画像及び鏡面22によって反射されて結像した利用者Aの鏡像を見ることができる。」
「【0031】
生体情報センサ30としては、上記のセンサ以外に、体温を測定する電子体温計、歩数、消費カロリー及び睡眠時間を計測する活動量計などを採用しても良い。電子体温計や活動量計は、利用者の身体に付着させて、得られた情報は無線通信によりローカルコンピュータ10へ送る構成とすることができる。」
「【0052】
また、健康病気情報として、幾つかの生体情報を経時的に並べて作成したグラフ103が画面の左側に表示されている。このグラフ103は、体重(Kg)、BMI、尿酸値(mg/dL)の経時変化をグラフ化したものである。」
イ 引用文献4に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に発行された文献である特開2016-161835号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、表示面にハーフミラーを備えた、ミラー機能付きの表示装置などに関する。」
「【0135】
本実施形態に係る状態判定部141は、カメラ13が撮影した映像に映るユーザが静止していることを検出した場合、動画表示制御部1421にスキャンバー21の表示を指示するとともに、バイタルデータ測定部145にユーザの心拍数、呼吸数、疲労度および体温の測定を指示する。また、状態判定部141は、スキャンバー21の表示終了を通知される前に当該映像に映るユーザが動いた場合、スキャンバー21を非表示とするよう動画表示制御部1421に指示するとともに、心拍数、呼吸数、疲労度および体温の測定を中止するようバイタルデータ測定部145に指示する。
…(中略)…
【0139】
さらに、バイタルデータ測定部145は、赤外線センサ18またはカメラ13が出力した画像を解析することによって、呼吸数および疲労度を測定する。そして、バイタルデータ測定部145は、心拍数、呼吸数、疲労度および体温の測定結果の画像をトップ画面表示制御部1422に供給する。
【0140】
本実施形態に係るトップ画面表示制御部1422は、バイタルデータ測定部145から供給された画像を含むトップ画面を表示する。」
ウ 周知の事項3の認定
前記ア、イに摘記した引用文献3、4の記載事項に例示されるように、「ミラー付き表示装置」の技術分野において、本願出願日当時、次の技術事項は、当業者にとって周知の事項であったと認められる。(以下「周知の事項3」という。)
<周知の事項3>
「ミラー付き表示装置が、体温測定部を備え、測定した利用者の体温を表示すること。」
(5) 本件補正発明と引用発明の対比
ア 対比分析
本件補正発明と引用発明を対比する。
(ア) 構成A(ハーフミラーと、)について
引用発明の「鏡(ハーフミラー)2」は、本件補正発明の「ハーフミラー」に相当する。
(イ) 構成B(前記ハーフミラーの背面側に配置された表示部と、)について
引用発明の「表示部22」は、本件補正発明の「表示部」に相当する。
よって、前記(ア)の相当関係も踏まえると、引用発明の「鏡(ハーフミラー)2の背面側に取り付けられた表示部22」は、本件補正発明の「前記ハーフミラーの背面側に配置された表示部」に相当する。
(ウ) 構成C(検知部と、)について
引用発明の「人感センサ15」は、本件補正発明の「検知部」に相当する。
(エ) 構成D(認証部と、)について
引用発明の「体重データによってユーザ識別を行」う「人検知手段52」は、本件補正発明の「認証部」に相当する。
(オ) 構成E(ネットワークを介する通信を行う通信部と、)について
引用発明の「情報収集手段53」は、「通信部35を介してインターネット網などの通信網に繋がる情報提供用サーバである外部装置からデータを収集する」ものであるから、収集にあたり、「インターネット網などの通信網」を介して通信を行うものである。
よって、引用発明の「インターネット網などの通信網」を介して通信を行う「情報収集手段53」は、本件補正発明の「ネットワークを介する通信を行う通信部」に相当する。
(カ) 構成F(各種処理を実行する処理部と、)について
引用発明の「メインプロセッサ31」は、「情報収集手段53」、「情報表示手段54」、「人検知手段52」を有することから、各種処理を実行するものである。
よって、引用発明の各種処理を実行する「メインプロセッサ31」は、本件補正発明の「各種処理を実行する処理部」に相当する。
(キ) 構成G(体温測定部と、)について
a 引用発明の「サブプロセッサ11」は、「体重計40とシリアル通信で接続されており、メインプロセッサ31へ入力した体重データを送信」するものであって、「入力する生体データとしては、体重データに限らず、体脂肪率、あるいは体温や血圧などを追加してもよ」いものではあるものの、引用文献1には、「情報表示システム1」が体温計を有するとの明記はない。
b してみると、引用発明は、本件補正発明の構成Gに相当する構成を備えているとまではいえないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において一応相違する。
本件補正発明においては、
「体温測定部」を備えるのに対して、
引用発明においては、
メインプロセッサ31へ入力する生体データに体温を追加してよいものの、体温計等を備えるものか明らかでない点。
(ク) 構成X(を備えるミラーディスプレイであって、)について、
引用発明の「情報表示システム1」は、前記(ア)及び(イ)で述べたように、本件補正発明の「ハーフミラー」に相当する「鏡(ハーフミラー)2」と、本件補正発明の「表示部」に相当する「表示部22」とを備えるものである。
よって、「ミラーディスプレイ」の発明である本件補正発明と、「鏡(ハーフミラー)2」と「表示部22」とを備える「情報表示システム1」の発明である引用発明は、「ミラーディスプレイ」の発明である点において一致する。
(ケ) 構成E1(前記通信部は、前記ネットワークを介して少なくとも時間、天気およびニュースのいずれかの情報を取得し、)について
前記(オ)の相当関係も踏まえると、引用発明の「情報収集手段53」が「インターネット網などの通信網」を介して「ニュース情報、交通情報、天気予報情報などの情報を収集」することは、本件補正発明の「前記通信部は、前記ネットワークを介して少なくとも」「天気およびニュースのいずれかの情報を取得」することに相当する。
(コ) 構成B1(前記表示部は、前記通信部によって取得された前記少なくとも時間、天気およびニュースのいずれかの情報、または前記体温測定部によって測定された前記ミラーディスプレイの利用者の体温を表示可能であり、)について
a 引用発明の「情報表示手段54」は「表示部22へ表示出力を行う」ものであるが、「情報表示手段54」によって、「表示出力」される「トップ画面」は「情報収集手段53が外部装置から取得した情報をもとに生成した外部取得データを表示する領域、生体データ等のデータを表示する領域などから構成され」るものである。
b したがって、前記(ケ)の相当関係も踏まえると、引用発明の「表示部22へ表示出力」される「トップ画面」は「情報収集手段53が外部装置から取得した情報をもとに生成した外部取得データを表示する領域、生体データ等のデータを表示する領域などから構成され」ることは、本件補正発明の「前記表示部は、前記通信部によって取得された前記少なくとも」、「天気およびニュースのいずれかの情報」を「表示可能であ」ることに相当する。
(サ) 構成B2(前記表示部は、少なくとも第1表示画面と、前記第1表示画面とは異なる第2表示画面との切り替えを行う表示画面切り替え機能を有し)について
a 引用発明の「待ち受け画面」と「そのユーザに対応するトップ画面」とは、「人検知手段52からオン通知があると」、「切り替え」られるものである。
したがって、引用発明の「待ち受け画面」と「そのユーザに対応するトップ画面」はそれぞれ、本件補正発明の「第1表示画面」と「第2表示画面」のいずれか一方といずれか他方に相当する。
b 以上によれば、引用発明の「表示部22への表示」が、「人検知手段52からオン通知があると」、「待ち受け画面からそのユーザに対応するトップ画面に切り替える」ことは、本件補正発明の「前記表示部は、少なくとも第1表示画面と、前記第1表示画面とは異なる第2表示画面との切り替えを行う表示画面切り替え機能を有」することに相当する。
(シ) 構成H1(前記ミラーディスプレイの前記処理部のアップデートは、前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上において、前記クラウドサーバーが前記ミラーディスプレイのアップデートのタイミングであるか否かを判定した結果に応じ、前記アップデートのタイミングであると判定した場合に、前記ミラーディスプレイの利用者のアップデート操作によらず、かつ前記検知部が前記ミラーディスプレイの利用者の検知を行うことなく行われるものであり、)について
引用発明は、情報提供用サーバである外部装置からデータを収集するものの、「情報表示システム1」の「メインプロセッサ31」のアップデートに関する特定がない。
よって、引用発明は、本件補正発明の構成H1に相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。
本件補正発明においては、
「前記ミラーディスプレイの前記処理部のアップデートは、前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上において、前記クラウドサーバーが前記ミラーディスプレイのアップデートのタイミングであるか否かを判定した結果に応じ、前記アップデートのタイミングであると判定した場合に、前記ミラーディスプレイの利用者のアップデート操作によらず、かつ前記検知部が前記ミラーディスプレイの利用者の検知を行うことなく行われるものであ」るのに対して、
引用発明においては、
「情報表示システム1」の「メインプロセッサ31」のアップデートに関する特定がない点。
(ス) 構成H2(前記アップデートのタイミングでないと判定した場合であり、前記ミラーディスプレイの利用者が前記検知部によって検知されている場合であって、/(当審注:[/]は「改行」を示す。以下同様。)前記検知部によって検知されている前記ミラーディスプレイの利用者の認証が前記認証部によって行われた場合に、/前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる)について
a 引用発明は、「人感センサ15からのデータによって人検知手段52が人の存在を検知すると、そのユーザに応じたトップ画面に遷移」するものであるから、引用発明の「ユーザ」は、本件補正発明の「ミラーディスプレイの利用者」に相当する。
b したがって、前記(ウ)及び(エ)の相当関係を踏まえると、引用発明の「ユーザ」の存在が「人感センサ15」に検知されている場合に、「人検知手段52」により「ユーザ」の「ユーザ識別」が行われた場合に、「表示部22」が「そのユーザに応じたトップ画面に遷移」することは、本件補正発明の「前記ミラーディスプレイの利用者が前記検知部によって検知されている場合であって、前記検知部によって検知されている前記ミラーディスプレイの利用者の認証が前記認証部によって行われた場合に、前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる」ことに相当する。
c しかしながら、引用発明には、「情報表示システム1」の「メインプロセッサ31」のアップデートに関する特定がないことから、前記bの動作が、クラウドサーバーが「前記アップデートのタイミングでないと判定した場合」に行われるものとまではいえない。
d 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明の構成H2の観点における一致点及び相違点は、次の(a)及び(b)に示すとおりである。
(a) 構成H2の観点における一致点
「検知部によって検知されている前記ミラーディスプレイの利用者の認証が前記認証部によって行われた場合に、前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる」点。
(b) 構成H2の観点における相違点
「前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる」場合に関し、本件補正発明においては、
クラウドサーバーが「前記アップデートのタイミングでないと判定した場合」であるのに対して、
引用発明においては、クラウドサーバーの動作との関係が明らかでない点。
イ 一致点及び相違点
前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、それぞれ次の(ア)及び(イ)に示すとおりである。
(ア) 一致点
「ハーフミラーと、
前記ハーフミラーの背面側に配置された表示部と、
検知部と、
認証部と、
ネットワークを介する通信を行う通信部と、
各種処理を実行する処理部と、
を備えるミラーディスプレイであって、
前記通信部は、前記ネットワークを介して少なくとも天気およびニュースのいずれかの情報を取得し、
前記表示部は、前記通信部によって取得された前記少なくとも天気およびニュースのいずれかの情報を表示可能であり、
前記表示部は、少なくとも第1表示画面と、前記第1表示画面とは異なる第2表示画面との切り替えを行う表示画面切り替え機能を有し、
検知部によって検知されている前記ミラーディスプレイの利用者の認証が前記認証部によって行われた場合に、前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる、
ミラーディスプレイ。」である点。
(イ) 相違点
a 相違点1
本件補正発明においては、
「体温測定部」を備えるのに対して、
引用発明においては、
メインプロセッサ31へ入力する生体データに体温を追加してよいものの、体温計等を備えるものか明らかでない点。
b 相違点2
本件補正発明においては、
「前記ミラーディスプレイの前記処理部のアップデートは、前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上において、前記クラウドサーバーが前記ミラーディスプレイのアップデートのタイミングであるか否かを判定した結果に応じ、前記アップデートのタイミングであると判定した場合に、前記ミラーディスプレイの利用者のアップデート操作によらず、かつ前記検知部が前記ミラーディスプレイの利用者の検知を行うことなく行われるものであ」るのに対して、
引用発明においては、
「情報表示システム1」の「メインプロセッサ31」のアップデートに関する特定がない点。
c 相違点3
「前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる」場合に関し、本件補正発明においては、
クラウドサーバーが「前記アップデートのタイミングでないと判定した場合」であるのに対して、
引用発明においては、クラウドサーバーの動作との関係が明らかでない点。
(6) 判断
ア 相違点1について
(ア) 引用発明の「情報表示システム1」は、「体重データ」を「メインプロセッサ31」に入力するために、「体重データ」を測定する「体重計40」を有するところ、「入力する生体データ」には「体温」を追加してもよいものであるから、「情報表示システム1」が「体温」を測定する体温測定部を備え、ユーザに対応する画面において、体温に関するデータを表示することは、引用文献1に記載されているに等しい事項である。
(イ) 仮に、当該事項が引用文献1に記載されているに等しい事項でなかったとしても、前記(4)ウで周知の事項3として認定したように、「ミラー付き表示装置」の技術分野において、本願出願日当時、「ミラー付き表示装置が、体温測定部を備え、測定した利用者の体温を表示すること」は、当業者にとって周知の事項であったと認められる。
したがって、引用発明において、引用文献1中の「入力する生体データ」に「体温」を追加してもよいとの示唆にしたがい、周知の事項3を適用して、相違点1に係る本件補正発明の構成を採用することは、当業者が当然になし得たことにすぎない。
イ 相違点2について
(ア) 本件補正発明は「ミラーディスプレイ」の発明であるところ、「ミラーディスプレイ」が「ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー」は、「ミラーディスプレイ」ではないから、「前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上において、前記クラウドサーバーが前記ミラーディスプレイのアップデートのタイミングであるか否かを判定した結果に応じ、前記アップデートのタイミングであると判定した場合」との特定は、「ミラーディスプレイ」自体の動作を特定するものではない。
してみると、相違点2に係る特定事項は、「前記ミラーディスプレイの前記処理部のアップデート」が、「任意のタイミングで、前記ミラーディスプレイの利用者のアップデート操作によらず、かつ前記検知部が前記ミラーディスプレイの利用者の検知を行うことなく行われるものであ」ることを意味するものと認める。
(イ) ここで、引用発明の「情報表示システム1」は、「通常は待ち受け画面にしておき、人感センサ15からのデータによって人検知手段52が人の存在を検知すると、そのユーザに応じたトップ画面に遷移し、そのトップ画面で表示される画面切替用の指示ボタンあるいはその指示ボタンに対応する操作センサの検知によって他の画面に遷移し、人検知手段52が一定時間人の存在を検知しないと待ち受け画面に戻」るものであるから、通常の待ち受け画面表示時には、特段の動作をする必要のないものである。
(ウ) そして、前記(3)オでそれぞれ周知の事項1及び2として認定したように、「ネットワークシステム」の技術分野において、本願出願日当時、「サーバが被更新対象のアップデート処理の実行タイミングを判断すること」、及び、「サーバが被更新対象のアップデート処理を実行する際に、被更新対象において、ユーザの操作を伴うことなく、自動的にアップデート処理が実行されること」は、当業者にとって周知の事項であったと認められる。
(エ) また、ネットワーク上のサーバーとして、クラウドサーバーは、引例を挙げるまでもない、周知・慣用の技術(以下「周知・慣用の技術1」という。)である。
(オ) よって、引用発明において、情報提供用サーバとインターネット網を介して接続されるメインプロセッサ31(本件補正発明の「処理部」に対応する。以下同様。)のOS等のアップデート作業が必要であることは明らかであって、かかるアップデート作業を行う環境として、周知の事項1、2、及び周知・慣用の技術1を勘案して、情報提供用サーバをクラウド形態とし、メインプロセッサ31のOS等のアップデートを管理する機能を持たせ、当該クラウド形態の情報提供用サーバ(「クラウドサーバー」)が実行タイミングを判断した結果に応じて、任意のタイミングでアップデートを行い得るように、被更新対象である情報表示システム1(「ミラーディスプレイ」)において、ユーザ(「ミラーディスプレイの利用者」)の操作によらずに、自動的にアップデート作業が実行されるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。ここで、任意のタイミングで自動的にアップデート作業が実行されるのであるから、ユーザ(「ミラーディスプレイの利用者」)の検知を行うことなく行われることは明らかである。
(カ) そして、前記(イ)のとおり、引用発明は、通常の待ち受け画面表示時には、特段の動作をする必要のないものであるから、かかるアップデート作業を行う環境とすることに、阻害要因も認められない。
(キ) 仮に、相違点2に係る特定事項を字義通り解釈したとしても、前記(オ)と同様に、クラウド形態の情報提供用サーバ(「クラウドサーバー」)が実行タイミングを判断した結果に応じて、被更新対象である情報表示システム1(「ミラーディスプレイ」)において、ユーザ(「ミラーディスプレイの利用者」)の操作によらずに、ユーザ(「ミラーディスプレイの利用者」)の検知を行うことなく、メインプロセッサ31(「処理部」)のアップデートを行うことにより、相違点2に係る本件補正発明を構成することは、引用発明、周知の事項1、2及び周知・慣用の技術1に基づいて、当業者が容易になし得たことである。
ウ 相違点3について
(ア) 本件補正発明は「ミラーディスプレイ」の発明であるところ、「前記アップデートのタイミングでないと判定」する主体は「クラウドサーバー」であることから、「ミラーディスプレイ」の発明において、「前記アップデートのタイミングでないと判定した場合であり、前記ミラーディスプレイの利用者が前記検知部によって検知されている場合であって、前記検知部によって検知されている前記ミラーディスプレイの利用者の認証が前記認証部によって行われた場合」とは、「前記ミラーディスプレイの利用者が前記検知部によって検知されている場合であって、前記検知部によって検知されている前記ミラーディスプレイの利用者の認証が前記認証部によって行われた場合」にほかならない。
よって、相違点3は、実質的な相違点ではない。
(イ) 仮に、相違点3が実質的な相違点であったとしても、クラウド形態のサーバ(「クラウドサーバー」)がアップデートのタイミングでないと判定した場合に、ミラーディスプレイに、通常の動作を行わせることは、引用発明、周知の事項1、2及び周知・慣用の技術1に基づいて、当業者が当然に想到し得たことにすぎない。
エ 総合評価
前記ア~ウにおいて検討したとおり、引用発明において、前記相違点1~3に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、引用発明、周知の事項1~3及び周知・慣用の技術1に基づいて、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、相違点1~3を総合的に勘案しても、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明、周知の事項1~3及び周知・慣用の技術1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
オ 請求人の主張について
請求人は、本件補正発明の構成により、「ミラーディスプレイ11の利用者がアップデート操作を行う必要なく、ミラーディスプレイ11の状態を常に最新の状態に更新することができる」(段落0026)という、特有の効果を奏する旨主張している。
しかしながら、当該効果は、周知の事項2により奏される効果であって、当業者に予測される程度のものにすぎないから、採用できない。
カ 独立特許要件の判断のまとめ
以上検討のとおり、本件補正発明は、引用発明、周知の事項1、2及び周知・慣用の技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。
4 本件補正の却下の決定の理由のむすび
前記3(6)カのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明について
本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定の本願発明に対する拒絶の理由2(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。
理由1(進歩性の欠如) 本願発明は、出願前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特開2013-235118号公報(主たる引用文献)
引用文献2.特開2012-198667号公報(周知技術を示す文献)
引用文献3.特開2018-42811号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4.特開2016-161835号公報(周知技術を示す文献)
3 各引用文献に記載された事項及び引用発明の認定等
引用文献1に記載された事項並びに引用発明、周知の事項1、3及び周知・慣用の技術1は、前記第2の3(2)ア並びに同ウ、同(3)オ、同(4)ウ及び同(6)イ(エ)において示したとおりである。
4 対比・判断
(1) 本願発明は、前記第2の2において検討したとおり、本件補正発明から「前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上において、前記クラウドサーバーが前記ミラーディスプレイのアップデートのタイミングであるか否かを判定した結果に応じ、前記アップデートのタイミングであると判定した場合に、前記ミラーディスプレイの利用者のアップデート操作によらず、かつ前記検知部が前記ミラーディスプレイの利用者の検知を行うことなく行われるものであ」るの限定、及び、「前記ミラーディスプレイの利用者が前記検知部によって検知されている場合であって、前記表示部は、前記ミラーディスプレイの利用者に関する情報を表示可能になる」場合が「前記アップデートのタイミングでないと判定した場合であ」るとの限定を省いたものである。
(2) そうすると、本願発明と引用発明とを比較すると、両者は既に検討済みの相違点1に加え、以下の相違点2’において相違し、その余の点で一致する。
相違点2’
本願発明においては、
「前記ミラーディスプレイの前記処理部のアップデートは、前記ネットワークを介して接続されるクラウドサーバー上で行われ」るのに対し、
引用発明においては、
「情報表示システム1」の「メインプロセッサ31」のアップデートに関する特定がない点。
(3) 前記相違点について検討するに、相違点1についての判断は、前記第2の3(6)アで示したとおりである。
次に、相違点2’について検討するに、前記第2の3(6)イで示した理由と同様の理由により、相違点2’に係る本件補正発明を構成することは、引用発明、周知の事項1及び周知・慣用の技術1に基づいて、当業者が容易になし得たことである。
(4) よって、本願発明は、引用発明、周知の事項1、3及び周知・慣用の技術1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2025-002715