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特許拒絶査定不服審判

2024-009352

膣リングを用いた膣の測定

審判番号
2024-009352
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-555464外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年06月05日
審決日
2025年07月23日
公報発行日
2026年01月30日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-555464「膣リングを用いた膣の測定」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月17日国際公開、WO2019/197486、令和 3年 8月26日国内公表、特表2021-520900〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件出願(以下「本願」という。)は、2019年(平成31年)4月10日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2018年4月10日 欧州特許庁(EP)、同年9月12日 欧州特許庁(EP)、同年9月12日 欧州特許庁(EP))を国際出願日とする出願であって、令和4年12月9日付けの拒絶理由の通知に対し、令和5年6月19日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、同年6月26日付けの拒絶理由(最後の拒絶理由)の通知に対し、令和6年1月4日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、同年1月15日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対して同年6月5日に拒絶査定不服審判が請求され、その審判の請求と同時に手続補正がなされ、同年6月25日に手続補正書(方式)が提出されたものである。 第2 令和6年6月5日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年6月5日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正後の、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである(下線部は、補正箇所である。)。 「 【請求項1】 ヒトまたは動物の体内に血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を非侵襲的に測定するための膣内リングであって、 前記膣内リングは、グルコースを測定するためのセンサであって使用時に膣粘膜と接触する前記センサと、前記センサによって生成された信号を記録する手段と、前記センサから得られた値を基準値に相関することによって、対応の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を決定する手段とを含む、膣内リング。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和6年1月4日に手続補正がなされた特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。 「 【請求項1】 ヒトまたは動物の体内に血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を測定するための膣内リングであって、 前記膣内リングは、グルコースを測定するためのセンサであって使用時に膣粘膜と接触する前記センサと、前記センサによって生成された信号を記録する手段と、前記センサから得られた値を基準値に相関することによって、対応の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を決定する手段とを含む、膣内リング。」 2 補正の適否 上記補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「ヒトまたは動物の体内に血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を測定するための膣内リング」を「ヒトまたは動物の体内に血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を非侵襲的に測定するための膣内リング」に限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献等 ア 引用文献1 (ア)引用文献1の記載 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である「特表2018-509389号公報」(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある(下線は、当審において付与した。以下、同様)。 (引1ア) 「【0014】 デバイスは、所望の機能にとって必要な様々な成分がその中に存在するハウジングを含む。ハウジングは同時に、膣に留置されるビヒクルでもあり得る。デバイスは、様々な機能を有し得るが、いずれの場合においても生物活性化合物のリザーバー、および化合物を膣内に分配する手段、およびそれを制御された方法で行う手段を備える。追加の機能は、例えば膣における特定のパラメータ、例えば温度、グルコース、薬剤レベル、ホルモンレベル、子宮頚管粘液の物理化学パラメータなどを測定する手段を含む。 【0015】 デバイスは、膣内に快適に挿入されて保持され得るリングまたは他の任意の形状であり得る。このため、デバイスは、膣内での持続的存在を保証するビヒクルとして役立つことに加えて、異なる形状および機能を有し得る。デバイスは、例えば、好ましくはリングの上部に可撓性部分と剛性部分とを有するリングであり得る。デバイスは、より厚みのある剛性部分を圧縮することができ、これを最初に挿入して、次にリングが挿入後に展開して剛性部分が膣の最も深い部分(後円蓋)でなめらかに定着して、排出を防止して吸収を増強するためにリングの外側部分が膣壁に柔軟に接触するように構成される。 【0016】 1つの実施形態において、リングは、膣内に留置されるように構成される配置部材と、薬物リザーバー、診断手段、および同様にリザーバーから薬物を膣内に分配する手段から選択される1つまたは複数の成分を含むデバイスとを備え、本発明に従って、薬物リザーバーは、生物活性化合物、特に上記のタイプの化合物を充填される。化合物、特に薬剤は、好ましくは、保存およびリングが留置されている間、十分に安定であるように処方され、必要であれば吸収増強剤と共に処方することができる。 【0017】 本発明の重要な特徴は、デバイスが膣に存在する間でも、デバイスからの生物活性化合物の放出を制御できる、すなわち遠隔操作で制御できることである。これを達成するために、本発明の膣用リングは、任意の薬剤放出スケジュールをプログラムするために電子機器を有する。これによって、「個別化医療」または「テーラーメイド医療」が可能となる。周期的、毎日、毎夜、毎時間、持続的、またはパルス/スパイク状、オンデマンド等のスケジュールを、ユーザーの必要に合わせてプログラムすることができる。 【0018】 スケジュールは、予めプログラムされるか、および/またはユーザーの希望(例えば、疼痛軽減)に基づいて、またはデバイスによって外界に送信された診断試験の結果に基づいて患者、医師、もしくは看護師によって遠隔操作で、またはデバイスによって行われる診断測定に基づいてデバイス自体による放出パターンの直接適合によって調節することができる。デバイスは、好ましくは、特定の測定結果が起こると、それに対応して化合物の放出パターンが自動的に適合されるようにプログラムされる。これを達成するために、デバイスは、センサーなどの測定手段を備える。適したセンサーは、温度センサー、pHセンサー、グルコースセンサー、または子宮頚管粘液の物理化学特性(粘度、量、水分、透明度)を測定することができるセンサー、またはホルモンもしくは薬剤などの生体化合物を測定するバイオセンサーである。加えて、測定されたパラメータに応答して放出を適合させる方法をデバイスに指示する情報を、デバイス内に保存する、またはデバイスに送信することができる。 ・・・ 【0022】 膣を通しての全身性薬物送達は、経口投与と比較して多くの一般的利点、例えば悪心がない(例えば細胞増殖抑制剤などのように、投与される薬物が全身投与されると悪心を引き起こす場合を除く)、胃腸管の刺激がない、肝臓の薬物初回通過代謝を受けない、胃腸管での薬物の酵素的分解が防止される、という利点を有する。非経口投与と比較すると、リングは非侵襲性である。これはまた、長期の薬物療法にとって優れたシステムであり、生物学的利用率が高いという利点を有し、それによって、現在経口投与されている薬物のより低用量、高い生物学的利用率を可能にして、このように、注射、注入、または皮下送達などの非経口送達を行う必要がなく、自己投与、挿入および除去の自己管理を可能にすることによって自己に権限が与えられるというさらなる利点を有し、それによって非常に高い利便性および高いコンプライアンスが得られる。明らかに、ユーザーは、歩行可能な外来患者である。 ・・・ 【0061】 本発明のリングの診断特徴の例は、特に温度のモニタリング、グルコースレベルのモニタリング、様々なステロイドホルモン(17-β-エストラジオール、プロゲステロン)および放出ホルモン(FSH、LH、TSH等)のモニタリング、薬剤レベルの測定、子宮頚管粘液のpHまたは物理化学特性の測定、タンパク質分析、DNA化合物分析、シグナル伝達分子(例えば、サイトカインおよびその他)の検出である。リングは、膣粘膜に接触して、センサーによる測定を、膣壁滲出液および/または子宮頚管粘膜のいずれかにおいて行う。 【0062】 膣において測定した特定のパラメータを使用して、血清中のパラメータレベルを計算することができる。この場合、変換を行う必要がある。当業者は、これを行う方法を周知している。 ・・・ 【0064】 女性がデバイスの装着を順守しているか否かを決定するために、温度センサーを含めることができる。デバイスが膣内に存在する場合、温度は約38℃を記録し、これらの結果を記録して外部コンピューターまたは携帯型デバイスのいずれかに送信することができる。加えて、デバイスはまた、必要であれば、放出される化合物の量を記録することもできる。 ・・・ 【0074】 1つの実施形態において、リングは、糖尿病の女性におけるグルコースレベルを双方向におよび連続的にモニターすることができ、それに従ってインスリン送達を調節することができる。加えて、モニタリングの結果を外界に、例えばスマートフォンまたはタブレットなどの携帯型デバイスに送信することができる。次に、ユーザーは、自身のグルコースレベルをモニターすることができる。膣におけるグルコースモニタリングにとって適したセンサーは、CGS(持続的グルコース感知)センサーである。 ・・・ 【0083】 図1は、本発明に従って使用される、展開状態(左)および折りたたまれた状態(右)のデバイスの形状を例証する。この形状は、第1の剛性部材101、第2の剛性部材102、第1の可撓性部材111、および可撓性部分110で構成される。ここで、第1の可撓性部材111は、弾性材料で作製され、デバイス100が折りたたまれた状態に縮小される際に、第1および第2の剛性部材101、102が互いに向かって移動することができるように凹部105を有する。 【0084】 薬物送達および/または診断構造の機能的部分は、剛性部材101、102の中にあり、(電気)接続部を、可撓性部材111または可撓性部分110の中に収容することができる。 【0085】 図2は、デバイスのいくつかの成分の例示的な配置を示す図1のデバイスの例証である。ここで、薬物送達構造の機能的部分、すなわち、バッテリー7、コントローラ6、ポンプ3、リザーバー2、およびセンサー5は、第1の剛性部材101および第2の剛性部材102の中に入っていることが見出され得る。その上、リザーバー2に保持される薬剤がポンプ3によって押し出される開口部120を確認することができる。この開口部は、膣粘膜との最適な接触を保証するためにリングの外部周囲のそのような場所に配置される。さらに、様々な成分を互いにおよびバッテリー7と接続する電気接続部121が認められ得る。 【0086】 図2において、トランシーバーをコントローラ6に組み込んでもよく、または代替的に第1の剛性部材101の個別の成分として配置してもよい。このトランシーバーは、遠隔制御のために、または測定データなどのデータを交換するために、コントローラ6と外部システムまたはデバイスとの間のデータ通信を可能にする。 【0087】 第1の剛性部材101は、センサー5が予め定義された測定を行うことができるように、開口部または膜を備える。第1の剛性部材101に配置されてもよく、または配置されなくてもよい追加のセンサーを使用する場合には、類似の開口部または膜を備えることができる。これらの開口部は、膣粘膜または子宮頚管粘液との最適な接触を保証するためにリングの外部または内部周囲上のそのような位置に配置される。」 (引1イ)図1 「 [図:0001430669000001.jpg] 」 (引1ウ)図2 「 [図:0001430669000002.jpg] 」 (イ)引用文献1に記載された発明 上記(ア)の記載及び図面を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(各構成単位末尾の括弧内には、主たる認定箇所となる引用文献1の記載箇所を示す。)。 「膣における特定のパラメータ、例えば温度、グルコースなどを測定するデバイスであって、(【0014】) デバイスは、膣内に快適に挿入されて保持され得るリングであり、リングの外側部分が膣壁に柔軟に接触するように構成され、(【0015】) リングは、膣内に留置されるように構成される配置部材と、薬物リザーバー、診断手段、およびリザーバーから薬物を膣内に分配する手段を含み、(【0016】) 膣用リングは、任意の薬剤放出スケジュールをプログラムするために電子機器を有し、(【0017】) スケジュールは、デバイスによって行われる診断測定に基づいてデバイス自体による放出パターンの直接適合によって調節することができ、これを達成するために、デバイスは、センサーなどの測定手段を備え、適したセンサーは、温度センサー、グルコースセンサーなどであり、(【0018】) 非経口投与と比較すると、リングは非侵襲性であり、(【0022】) リングの診断特徴の例は、特に温度のモニタリング、グルコースレベルのモニタリングなどであり、リングは、膣粘膜に接触して、センサーによる測定を、膣壁滲出液および/または子宮頚管粘膜のいずれかにおいて行い、(【0061】) 膣において測定した特定のパラメータを使用して、血清中のパラメータレベルを計算することができ、この場合、変換を行う必要があり、当業者は、これを行う方法を周知しており、(【0062】) 女性がデバイスの装着を順守しているか否かを決定するために、温度センサーを含めることができ、デバイスが膣内に存在する場合、温度は約38℃を記録し、これらの結果を記録して外部コンピューターまたは携帯型デバイスのいずれかに送信することができ、(【0064】) リングは、糖尿病の女性におけるグルコースレベルを連続的にモニターすることができ、それに従ってインスリン送達を調節することができ、膣におけるグルコースモニタリングにとって適したセンサーは、CGS(持続的グルコース感知)センサーであり、(【0074】) デバイスの形状を例証すると、この形状は、第1の剛性部材101、第2の剛性部材102、第1の可撓性部材111、および可撓性部分110で構成され、(【0083】) 薬物送達および/または診断構造の機能的部分は、剛性部材101、102の中にあり、(【0084】) ここで、薬物送達構造の機能的部分、すなわち、バッテリー7、コントローラ6、ポンプ3、リザーバー2、およびセンサー5は、第1の剛性部材101および第2の剛性部材102の中に入っており、(【0085】) 第1の剛性部材101は、センサー5が予め定義された測定を行うことができるように、開口部または膜を備え、これらの開口部は、膣粘膜または子宮頚管粘液との最適な接触を保証するためにリングの外部または内部周囲上のそのような位置に配置される、(【0087】) デバイス。」 イ 周知技術 (ア)引用文献2の記載 本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である「特表2014-516628号公報」(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。なお、引用文献2は、本件補正発明の非侵襲グルコースセンサとして参照される本願明細書(【0043】)に記載された欧州特許出願公開第2699690号明細書、に対応する日本語の公報である。 (引2ア) 「【0057】 図1は、本発明によるセンサー100の実施形態を説明する。センサー100は、平行に巻かれている、第1のコイル状ワイヤ1、第2のコイル状ワイヤ2、第3のコイル状ワイヤ3、第4のコイル状ワイヤ4、および第5のコイル状ワイヤ5を含む中空コイル10を含む。中空コイル10は、電子回路20に接続されている。電子回路20はコイル10の端に取り付けられている。この実施例において中空コイル10は1mmの直径を有する。 【0058】 第1のコイル状ワイヤ1は、対電極として機能する。第2のコイル状ワイヤ2は、作用電極として機能する。第3のコイル状ワイヤ3は、基準電極として機能する。第4のコイル状ワイヤ4は、アンテナとして機能する。第5のコイル状ワイヤ5は、スペーサーとして機能する。 【0059】 中空コイル10および電子回路20は、連続的な最外層11で覆われている。電子回路20は、最外層11の内側の樹脂層21に埋設されている。 ・・・ 【0061】 第2のコイル状ワイヤ2は、白金めっきを施したステンレス鋼で作られ、最外層11の内側にポリマー層2Aを備えている。ポリマー層2Aは電子伝導性であり、バイオレセプター2B、この実施例においてはグルコースオキシダーゼを含む。 ・・・ 【0066】 使用時、この実施形態のセンサーは、涙液で満たされた下眼瞼に留置される。第2のコイル状ワイヤ2のポリマー層2Aにおけるグルコースオキシダーゼの触媒機能により、涙液中のグルコースはH2O2を生成する。 【0067】 センサーは、下眼瞼の近くに置かれたトランシーバー(図示せず)により生じる電磁場によって作動する。電磁場は、コイルを介して電流を誘導する。電流のレベルは、H2O2濃度に依存し、同様にそれは涙液中のグルコース濃度に依存する。電子回路20は、グルコース濃度を示すシグナルを生成し、コイル4を介して外部装置へ送信する。」 (引2イ)図1 「 [図:0001430669000003.jpg] 」 (イ)引用文献3の記載 本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である「国際公開第2017/053122号」(以下「引用文献3」という。)には、図面とともに次の記載がある(原文に続けて当審による日本語訳を記載する。日本語訳は、「引用文献3」に対応する日本語の「特表2018-531671号公報」を参照した。)。 (引3ア) 「As shown in FIG. 2, the vaginal ring sensor device 10 according to the present invention further includes at least one biosensor 26. The biosensor 26 is structured and arranged such that it can sense and/or measure a parameter of a fluid as such fluid passes through a through hole 20. Preferably the biosensor 26 is arranged on the through surface 22 of the ring body 12 between the first opening 21 and second opening 23. In the particular embodiment of the invention depicted in FIG. 2 a single biosensor 26 is arranged on the through surface 22 of the ring body 12. However, other embodiments of the present invention may include two or more biosensors 26 arranged on the through surface 22 of the ring body 12. In some embodiments of the present invention including multiple through holes 20 the ring sensor device 10 may include one, two or more biosensors 26 arranged in a single through hole 20, while other through holes 20 have no biosensors 26.」(第6頁第16行~第7頁第3行) 「【0017】 図2に示すように、本発明による膣リングセンサデバイス10は、少なくとも1つのバイオセンサ26を更に含む。バイオセンサ26は、体液のパラメータを、このような体液が貫通穴20を通過する際に検知及び/又は測定できるように構造化されて配置されている。好ましくは、バイオセンサ26は、第1開口部21と第2開口部23との間でリング本体12の貫通面22に配置されている。図2に示す本発明の特定の実施形態では、単一バイオセンサ26は、リング本体12の貫通面22に配置されている。しかしながら、本発明の別の実施形態は、リング本体12の貫通面22に配置されている2つ以上のバイオセンサ26を含んでもよい。複数の貫通穴20を含む本発明のいくつかの実施形態では、リングセンサデバイス10は、単一貫通穴20に配置されている1つ、2つ、又はそれ以上のバイオセンサ26を含んでもよく、一方、別の貫通穴20にはバイオセンサ26がない。」 (引3イ) 「The vaginal ring sensor device 10, 100, 200 of the invention may include a data storage device for recording the measured and/or sensed physiological parameters until such time as the device is removed. At such time the measured data may be transferred to from the ring sensor device to a CPU or other tool for further analysis.」(第16頁第1行~第4行) 「【0039】 本発明の膣リングセンサデバイス10、100、200は、データ記憶装置を含み、測定された、及び/又は検知された生理学的パラメータを装置が取り外される時まで記録する。そのような時に、測定されたデータは更なる分析のためにリングセンサデバイスからCPU又は他のツールに転送され得る。」 (引3ウ) 「Chemical parameters may also be sensed and/or measured by one or more biosensors contained in the vaginal ring sensor device 10, 100, or 200. Biosensors may include electrochemical sensors and/or photometric sensors. In an exemplary embodiment, the biosensor may relate to a photometric sensing of glucose concentration based on a fluorescence sensor typology. In another example, the biosensor may detect the presence of reaction products from a glucose oxidase interaction with portions of the analyte biosensor and the fluid sample. 」(第16頁第17行~末行) 「【0041】 化学的パラメータは、膣リングセンサデバイス10、100、又は200に内蔵される1つ以上のバイオセンサにより検知及び/又は測定されてもよい。バイオセンサは、電気化学センサ及び/又は測光センサを含んでもよい。例示的な実施形態では、バイオセンサは蛍光センサのタイプに基づくグルコース濃度の測光センシングに関連し得る。別の例では、バイオセンサは、分析物バイオセンサと体液試料の部分とのグルコースオキシダーゼ相互作用から反応性生成物の存在を検出し得る。」 (引3エ) 「Concentration changes of analyte biomarkers can be monitored using the one or more biosensors. The monitoring of the biomarkers may occur at a predetermined frequency or upon demand through a user interface and/or an activation sensor in the device. Biomarkers can include those correlated to glucose levels, depression, cardiac function, acute and chronic diseases, and such.」(第17頁第1行~第5行) 「【0042】 分析物バイオマーカーの濃度変化は、1つ以上のバイオセンサを用いてモニタされ得る。バイオマーカーのモニタリングは、所定の頻度で、又はデバイスのユーザーインターフェース及び/又は活性化センサを介する要求により生じ得る。バイオマーカーは、グルコースレベル、うつ病、心機能、急性及び慢性疾患等に相関するものを含むことができる。」 (引3オ)図2 「 [図:0001430669000004.jpg] 」 (ウ)引用文献4の記載 本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である「特開2002-191582号公報」(以下「引用文献4」という。)には、図面とともに次の記載がある。 (引4ア) 「【0001】 【発明の属する技術分野】(発明の背景)本発明は、一般的に血液中の物質の濃度の経皮モニタに関し、特に血液のグルコースの連続的な経皮モニタのための反転イオン導入または電気浸透の使用に関する。 ・・・ 【0008】【発明が解決しようとする課題】(発明の要旨)本発明は、目標物質または構成要素の血液濃度を非侵入的にモニタするための一体センサーを有するイオン導入サンプリング装置を提供することによって、先行技術の経皮モニタ方法および装置を改良する。 ・・・ 【0027】本願で使用する「サンプリング」または「モニタ」とは、組織を介して有機体から物質を抽出することを意味する。組織または皮膚は、天然または人工組織であり得、天然または人工皮膚、血管組織、腸管組織等の植物または動物種のものであり得る。本願で使用する「人工の」とは、インビボまたはインビトロで増殖または培養され、有機体の組織として機能するが、すでに存在する源または宿主(host)からは実際に由来しないまたは切除されない単層または複数層の細胞の凝集を意味する。被験体/患者または宿主有機体は、温血動物を含み得、特に、ラット、マウス、ブタ、イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマおよび特に人間などの哺乳類である。組織がヒトの皮膚である場合、組織表面は、角質層表面または口腔、鼻腔、もしくは膣腔などにおける粘膜組織である。 ・・・ 【0030】例えば、糖尿病の診断および治療のために、血液中のグルコースまたはグルコース代謝産物をサンプリングし、定量または定義する必要がある。これは、針を収集リザーバー/コンテナに挿入することによる侵襲的な採血をせずに行われることが好ましい。最大の効果を得るためには、サンプリングおよび定量はまた、実質的に連続して行われなければならず、測定されたグルコース値は、実際の血液グルコースレベルを追跡する必要がある。 ・・・ 【0032】本発明の方法によると、グルコース収集リザーバーは、患者の組織表面、例えば、患者の皮膚または粘膜上皮の角質層の収集部位に配置される。電気エネルギーは、組織の収集部位に与えられ、組織からグルコースまたはグルコース代謝産物が収集リザーバーに移動される。収集リザーバーは、定期的に分析され、グルコースまたはグルコース代謝産物濃度が測定され、この測定された濃度値は、患者の血液グルコースレベルと相関される。これらの工程は、繰り返され、患者の血液グルコースレベルは実質的に連続してモニタされ、患者の血液グルコースレベルの変化が追跡される。 ・・・ 【0049】図1Aは、本発明による連続したグルコースモニタをブロック図の形態で示す。モニタは、グルコース収集媒体を含む収集リザーバー200を有する。導電体209および210ならびにスイッチ212を介して、正コネクタ207および負コネクタ208をそれぞれ有する電源206に接続された一対の電極202および204は、組織表面からリザーバー200にグルコースを移動させるための電流を提供する。スイッチ212は、手動または自動コントローラ213によって制御され得る。モニタが設けられた分析器214は、グルコース収集リザーバー200のグルコース濃度を測定し、グルコースフラックスを計算する。キャリブレータ216は、計算されたグルコースフラックスと血液グルコース濃度とを相関させる。 ・・・ 【0093】本発明のイオン導入収集システムを用いて血液グルコース濃度をモニタするプロセスは以下の通りである。この例は、実質的に、収集リザーバーの導電媒体について上述したように形成された2つのヒドロゲルパッド、図37に示される電極アセンブリ、および図38および41に示されるハウジング配置を使用する。 【0094】モニタプロセスは、ハウジング内の電極アセンブリと接触するように2つのヒドロゲルパッドを配置することによって開始する。次に、ハウジングを、パッドが被験体の皮膚に接触するように被験体に張り付ける。次に、電力をイオン導入電極に与え、収集プロセスを開始する。 【0095】グルコースが被験体の皮膚を通してヒドロゲルパッドまで移動するとき、グルコースは、パッド内のグルコースオキシダーゼと反応し、過酸化水素を生成する。過酸化水素の存在によって、パッド内の過酸化水素の濃度に比例する電流がセンサ動作電極で生成する。電流は、システムコントローラにょって解釈される信号を与え、グルコース濃度値をディスプレイに提供する。この電流は、システムが、イオン導入収集システムによって測定される被験体の実際の血液グルコース濃度を表示するように、被験体血液グルコースと相関され得る。例えば、システムは、標準ピンプリック技術を用いて被験体の血液をサンプリングし、血液グルコース(例えば、One Touch Basic, LifeScan, Milpitas, CAを用いて)を分析し、血液中で測定されたグルコース濃度とリザーバー内のイオン導入によって抽出されたグルコース濃度とを相関させることによって、被験体の実際の血液グルコース濃度に較正され得る。モニタは、実質的に連続して、定期的にまたは必要に応じて成し遂げられ得る。 ・・・ 【0101】(実施例1)連続イオン導入抽出を、実験開始前の夜12時間および実験中絶食した被験体に対しておこなった。これらの実験では、それぞれがAgまたはAgCl電極をパッチの水性サンプリングチャンバに挿入した2つの粘着剤サンプリングパッチを、前腕に貼付した。イオン導入パッチは、パッチ毎に2.85cm2の収集表面積およびパッチ毎に0.4mLの収集リザーバー容量を有していた。チャンバは、水、U.S.P.(米国薬局方)0.45%の塩化ナトリウムで充填された。直流またはDCプロトコル(標準プロトコル)については、密度0.32mA/cm2の電流を15分間与え、5分間の休止期間と取り、その間に食塩水を分析用に除去し、次に新鮮な食塩水と交換した。5分間の休止期間に、血液グルコースを標準フィンガプリックテスト(One Touch Basic,LifeScan, Milpitas, CA)法によって測定し、イオン導入抽出グルコースと比較した。15分間のイオン導入および5分間の休止/サンプリング手法を3から5時間繰り返した。イオン導入によって抽出したサンプルをHPLCによって分析した。 【0102】受動コントロールについては、電流を印加しなかったこと以外は同一の手法を用いた。 【0103】これらの実験の結果を図2および3に示す。各図において、血液グルコース濃度(mg/dL)は、分単位の時間に対して与えられる。「x」は、血液グルコースに関し、黒塗り三角は、陽極におけるイオン導入グルコースに関し、黒塗り四角は、陰極におけるイオン導入電気導入グルコースに関し、白抜き丸は、受動グルコースに関してである。」 (引4イ)図1A 「 [図:0001430669000005.jpg] 」 (引4ウ)図2 「 [図:0001430669000006.jpg] 」 (引4エ)図3 「 [図:0001430669000007.jpg] 」 (エ)引用文献5の記載 本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である「特開2012-70907号公報」(以下「引用文献5」という。)には、図面とともに次の記載がある。 (引5ア) 「【0010】 このように、血糖値センサを開発する業界では、10年以上の間、世界的に非侵襲・連続計測を最大の課題として抱えているが、未だにその課題は解決されていない。 ・・・ 【0021】 図1には、本実施形態に係る血糖値センサ100の斜視図が示されている。図1に示すように、血糖値センサ100は、光学センサ1と携帯端末2とを備える。 【0022】 光学センサ1は、貼り付け用フィルム3によって例えば上腕部に貼り付けられている。光学センサ1は、血糖値に関する情報を経皮的に検出する。光学センサ1は、検出した血糖値に関する情報を、ボディエリアネットワーク(BAN)により、携帯端末2に送信する無線通信機能を有している。ここで、ボディエリアネットワークとは、極めて近距離で行われる通信ネットワークである。このボディエリアネットワークを用いれば、例えば人が携帯する装置間での通信が可能となる。 【0023】 携帯端末2は、ボディエリアネットワークにより、光学センサ1と無線通信可能な無線通信機能を有している。携帯端末2は、この無線通信機能を用いて、光学センサ1によって検出された血糖値に関する情報(後述するゲル部10のゲル20Aのグルコースによる膨潤度)を受信する。携帯端末2は、受信した血糖値に関する情報に基づいて血糖値の推定値を算出し、算出された血糖値の推定値を記憶する。このようにして、ある期間における血糖値の推移が取得される。 ・・・ 【0050】 ゲル20A、20Bの膨潤度とフォトダイオード38A、38Bの出力値との相関関係、ゲル20Aの膨潤度と皮膚4内のグルコース濃度との相関関係、皮膚4内のグルコース濃度と血糖値との相関関係は予め求められ、携帯端末2に保持されている。携帯端末2は、これらの相関関係に基づいて、血糖値の推定値を算出する。 ・・・ 【0052】 以上詳細に説明したように、本実施形態に係る血糖値センサ100によれば、グルコースにより膨潤するグルコース応答性のゲル20Aを皮膚4に貼り付けて、その膨潤度を光学的に検出することにより、血糖値を間接的に計測する。このゲル20Aは、親和性に基づく可逆な構造変化を起こして膨潤するものであるので、連続的な血糖値の計測が可能である。また、この血糖値センサ100によれば、酸化酵素などによって刺激性の副産物を生成することなく、低侵襲に血糖値の計測が可能である。」 (引5イ)図1 「 [図:0001430669000008.jpg] 」 (引5ウ)図2 「 [図:0001430669000009.jpg] 」 (引5エ)図3 「 [図:0001430669000010.jpg] 」 (オ)引用文献6の記載 本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である「特開2017-125914号公報」(以下「引用文献6」という。)には、図面とともに次の記載がある。 (引6ア) 「【0008】 以下では、適宜図面を参照しながら、一実施形態の生体分子検出装置について説明する。本実施形態の生体分子検出装置は、コンタクトレンズ型のグルコースセンサであり、装着者の涙液中のグルコース濃度を携帯端末等の外部の装置に送信するものである。涙液中のグルコース濃度と血液中のグルコース濃度(血糖値)とは相関があるので、涙液中のグルコース濃度をモニタすることにより、血糖値をモニタすることができる。 なお、生体分子の分解反応を利用して生体分子検出装置から発信可能な電力が得られれば、酵素反応の基質はグルコースに限定されない。 ・・・ 【0035】 (10)本実施形態の生体分子検出装置100は、コンタクトレンズであり、コンタクトレンズの装着者の涙液に含まれるグルコースを利用して発電を行う。これにより、日常的に使用されるコンタクトレンズを利用して、ランセット等を用いることなく非侵襲的に涙液から装着者の情報を取得することができる。 ・・・ 【0038】 次のような変形も本発明の範囲内であり、上述の実施形態と組み合わせることが可能である。 (変形例1) 上述の実施形態において、生体分子検出装置100は、コンタクトレンズとして構成したが、生体分子検出装置100は、生体の口内に固定され、生体の唾液に含まれるグルコース等の糖類の分解反応により発電を行う構成にしてもよい。これにより、コンタクトレンズを着用しない場合でも、唾液を利用して日常的かつ非侵襲的に血糖値に関するデータを得ることができる。 ・・・ 【0040】 (変形例2) また、生体分子検出装置100は、生体の皮膚と接する腕時計や眼鏡の鼻パッドとして構成し、汗等の生体からの分泌液中に含まれるグルコース等の糖類の分解反応を利用して発電する構成とすることができる。これにより、皮膚から日常的かつ非侵襲的に血糖値に関するデータを得ることができる。 ・・・ 【0043】 図9は、生体の皮膚の断面図を示した図である。生体の内部構造は、皮膚表面から順に、表皮81と、真皮82と、皮下組織83とを含んで構成される。このうち、真皮82および皮下組織83は、血管が通っており、間質液中のグルコース濃度は、血糖値と相関することが知られている。図12中では、真皮82の内部に保護層14に覆われた送信回路11が埋め込まれている。保護層14と送信回路11とが、生体分子検出装置100を構成する。保護層14は、送信回路11を保護しつつ、間質液等の真皮82に存在する液体成分を送信回路11に接触可能に構成されている。 なお、本変形例において、生体分子検出装置100は、不図示の細胞外電位記録電極を備え、筋電位や皮膚の感覚神経の電気信号を計測する構成としてもよい。これにより、神経活動の変化に関する情報を送信する構成とすることができる。」 (引6イ)図1 「 [図:0001430669000011.jpg] 」 (引6ウ)図7 「 [図:0001430669000012.jpg] 」 (引6エ)図8 「 [図:0001430669000013.jpg] 」 (カ)引用文献7の記載 本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である「米国特許出願公開第2013/0237771号明細書」(以下「引用文献7」という。)には、図面とともに次の記載がある(原文に続けて当審による日本語訳を記載する。)。 (引7ア) 「[0017] Another example embodiment of the claimed invention includes a method for determining at least one parameter in the vaginal channel of a user. The method includes mounting a measurement unit including at least one sensor to a flexible pessary; placing the flexible pessary with the measurement unit in the vagina; and determining the at least one parameter. A method of the claimed invention can also include removing the flexible pessary with the measurement unit from the vagina and removing the measurement unit from the flexible pessary.」 「[0017]本発明の別の実施例には、ユーザーの膣腔内の少なくとも1つのパラメーターを測定する方法が含まれる。該方法は、少なくとも1つのセンサーを含む測定ユニットを柔軟なペッサリーに装着する工程;該測定ユニットを装着した柔軟なペッサリーを膣内に挿入する工程;および少なくとも1つのパラメーターを測定する工程を含む。本発明の方法には、さらに、膣から柔軟なペッサリーと測定ユニットを摘出する工程、および柔軟なペッサリーから測定ユニットを摘出する工程を含む場合もある。」 (引7イ) 「[0018] Determining the at least one parameter can include repetitively measuring the parameter in pre-determined time intervals or continuously measuring the parameter and storing a representation of the measured parameter in a memory of the measurement unit. For example, measuring the at least one parameter in pre-determined time intervals or continuously measuring the at least one parameter can be done over at least 24 hours. The pre-determined time intervals can be in the range between about 1 minute and 20 minutes, for example, and the measured parameter can be temperature. Additionally, a method of the claimed invention can include transmitting a representation of the measured parameter from the memory of the measurement unit to a reader device for further evaluation.」 「[0018]少なくとも1つのパラメータを決定するパラメータの予め決められた時間間隔での測定またはパ少なくとも1つのパラメータを決定する方法は、事前に定められた時間間隔でパラメータを繰り返し測定するか、パラメータを継続的に測定し、測定されたパラメータの表現を測定ユニットのメモリに保存することを含む。例えば、事前に定められた時間間隔でパラメータを測定するか、パラメータを継続的に測定する方法は、少なくとも24時間以上行うことができる。事前に定められた時間間隔は、例えば約1分から20分の範囲であり、測定されたパラメーターは温度である場合がある。さらに、本発明の方法には、測定ユニットのメモリから測定されたパラメーターの表現を、さらに評価するためのリーダーデバイスに送信する工程が含まれる場合がある。」 (引7ウ) 「[0036] FIGS. 1A-1C show an apparatus 2 from different perspectives that can be used for measuring at least one parameter inside the vaginal channel of a woman. The apparatus 2 includes a ring pessary 20 and a measurement unit 10, where the measurement unit 10 is releasably and reversibly affixed or mounted to the ring pessary 20.」 「[0036]図1A~1Cは、女性の膣腔内における少なくとも1つのパラメーターの測定に用いられる装置2を、異なる角度から示したものである。装置2は、リングペサリー20と測定ユニット10から構成され、測定ユニット10は、リングペサリー20に脱着可能かつ逆付け可能な方法で固定または取り付けられている。」 (引7エ) 「[0037] The measurement unit 10 in this example embodiment includes a sensor, a transmitter unit, and an optional memory and/or energy source for measuring, storing, and transmitting at least one parameter measured in the vaginal channel. The electronic components that can be used in such a measurement unit of a ring pessary are known in the art, for example from DE 199 43 456 and DE 1030450282, the contents of which are incorporated herein by reference. The at least one parameter can include one or more of temperature, LH concentration, pH value, density of vaginal secretion, and other parameters. The apparatus 2 enables the measurement of these parameters directly in the vaginal channel. It is noted that the terms vagina and vaginal channel are used synonymously in this disclosure.」 「[0037]この実施例における測定ユニット10は、膣腔内で測定された少なくとも1つのパラメーターを測定、保存、および送信するために、センサー、送信ユニット、およびオプションのメモリと/またはエネルギー源を含む。このようなリングペッサリーの測定ユニットに用いられる電子部品は、例えばDE19943456およびDE1030450282に記載のものなど、既知の技術である。これらの内容は、本明細書に参照により組み込まれる。少なくとも1つのパラメーターには、温度、LH濃度、pH値、膣分泌物の密度、およびその他のパラメーターが含まれる。装置2は、これらのパラメーターを膣腔内で直接測定することを可能にする。本明細書において、膣と膣腔は同義語として使用される。」 (引7オ)図1a~c 「 [図:0001430669000014.jpg] 」 (キ)引用文献8の記載 本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった文献である「米国特許出願公開第2006/0084848号明細書」(以下「引用文献8」という。)には、図面とともに次の記載がある(原文に続けて当審による日本語訳を記載する。)。 (引8ア) 「[0010] Further objects of the present invention include monitoring subjects whether or not engaged in clinical trials. Preferred devices reside in a body cavity and can provide access to body-core values for, for example, temperature, glucose, pO2, and the like. Also, the present invention can monitor menstrual cycles and their characteristics. Additionally, the present invention can be combined with drug delivery devices similarly configured to reside in a body cavity, and thereby provide passive or actively-triggered drug delivery.」 「[0010]本発明のさらに他の目的には、被験者が臨床試験に参加しているかどうかを監視することが含まれる。好ましい装置は体腔内に配置され、例えば体温、血糖値、pO2など、体内の核心的な値へのアクセスを提供することができる。また、本発明は月経周期とその特性を監視することもできる。さらに、本発明は、同様の構成で体腔内に配置される薬剤投与装置と組み合わせることで、受動的または能動的にトリガーされる薬剤投与を提供することができる。」 (引8イ) 「[0011] The inventive principles to be described herein provide for monitoring devices that are designed to be affixed to, or to reside in a cavity of, a participant in a clinical trial (or otherwise the subject of a study) with little or no discomfort or risk for extended periods, e.g., weeks, a month, or several months, or up to a year or more. These devices incorporate sensors and supporting components for sensing and recording data relevant to the clinical trial or study. This data advantageously includes participant behavioral data that would otherwise require participant self-reporting or invasive devices. Sensors usually detect the local environment where a topical pharmaceutical is to be applied, whether or not the topical pharmaceutical has been applied, and the like. This data is stored, at least temporarily, in the device, and later off loaded and processed to provide useful participant monitoring data. The preferred practical application of these principles, and the preferred but not limiting embodiments of the device, is as an intra-vaginal device used during trials of pharmaceuticals, especially microbicides, for preventing or limiting STD (e.g., HIV) transmission. The following description is directed and exemplified largely in terms of these preferred but non-limiting embodiments.」 「[0011]本明細書で説明する発明の原理は、臨床試験(またはその他の研究の対象)の被験者に装着されるか、またはその体腔内に配置される監視装置を提供し、長期間(例えば、数週間、1ヶ月、数ヶ月、または1年以上)にわたって、ほとんどまたは全く不快感やリスクなしに機能するように設計されている。これらの装置は、臨床試験または研究に関連するデータを検出・記録するためのセンサーと支援コンポーネントを組み込んでいる。このデータには、通常は被験者の自己報告または侵襲的な装置を必要とする被験者の行動データが含まれる。センサーは通常、外用薬が適用される局所環境、外用薬が適用されたかどうか、などを検出する。このデータは、少なくとも一時的に装置内に保存され、後に転送・処理されて有用な被験者モニタリングデータを提供する。これらの原則の好ましい実践的な応用例、およびデバイスの好ましいが限定的なものではない実施例は、特にマイクロバイシドを含む医薬品の臨床試験において、性感染症(例えばHIV)の伝播を防止または制限するための膣内デバイスとして使用される。以下の説明は、主にこれらの好ましいが限定的なものではない実施例に基づいて行われる。」 (引8ウ) 「[0044] With reference to FIG. 1, device housing 1, which encloses the device's sensors and supporting components, is shaped and sized for safety and subject acceptability, providing, for example, comfort, ease of insertion and removal, convenience, and little or no interference with a participant's (wearer's) sexual activities. A ring shape (torus) with a generally circular to oval cross section to be worn or reside at the top of the vagina about the cervix is preferred. This shape and placement has been accepted by patients for intra-vaginal drug delivery. Alternatively, the device may have one of the other shapes (e.g., cylindrical) and placements accepted for intra-vaginal devices. In typical sizes, the device has inside diameter 3 of from approximately 40 mm to approximately 80 mm and cross section 5 of from approximately 15 mm to approximately 25 mm. Preferably, a range of sizes and/or shapes satisfy particular needs of individual participants.」 「[0044] 図1を参照すると、デバイスのセンサーと支持部品を収容するデバイス筐体1は、安全性と被験者の受け入れ可能性を考慮して形状とサイズが設計されており、例えば、快適性、挿入・取り外しの容易さ、利便性、および被験者(着用者)の性行為への干渉がほとんどないか全くないことを提供します。子宮頸部付近の膣上部に取り付けられるか、または配置される環状形状(トーラス)で、断面が一般的に円形から楕円形である形状が好ましい。この形状と配置は、膣内薬物投与において患者から受け入れられている。代替として、デバイスは膣内デバイスとして受け入れられている他の形状(例えば円筒形)と配置を採用することも可能である。一般的なサイズでは、デバイスの内径3は概ね40mmから80mm、断面5は概ね15mmから25mmの範囲です。好ましくは、個々の参加者の特定のニーズを満たすため、サイズと/または形状のバリエーションが用意されている。」 (引8エ) 「[0057] A device may have other optional electrically-active sensors, for example, sensors 53 that are routinely available off-the-shelf, and sensors 55 that are specifically adapted to the preferred intra-vaginal device embodiment. Routinely available sensors 53 can include a temperature sensor (either a transistor junction or a thermistor), a pH sensor, sensors for particular compounds (for example, glucose), and the like. Suitable thermistors are available from Murata Manufacturing Co, Ltd., for example, model NCP15WD683J03RC having a maximum resistance of approximately 68 Kohms and a size of 0.12 mm by 0.06 mm (0402). Chemical sensors may detect electrical changes resulting from, for example, an enzymatic reaction of the substance to be detected, or from the absorption of a substance onto an active surface, and the like. Like accelerometer 49, optional sensors 53 are also powered through power control 45 and preferably provide their output signals directly to MC input.」 「[0057] 装置には、他のオプションの電気的に活性なセンサーが搭載される場合がある。例えば、市販されている一般的なセンサー53や、好ましい膣内装置の実施形態に特化して適応されたセンサー55などが該当する。市販されている一般的なセンサー53には、温度センサー(トランジスタ接合部またはサーミスタ)、pHセンサー、特定の化合物(例えばグルコース)を検出するセンサーなどが含まれる。適切なサーミスタは、例えばムラタ製造株式会社から入手可能で、モデルNCP15WD683J03RCは最大抵抗約68kΩ、サイズ0.12mm×0.06mm(0402)である。化学センサーは、例えば検出対象物質の酵素反応による電気的変化や、物質が活性表面に吸着されることによる変化などを検出する。加速度センサー49と同様に、オプションのセンサー53も電源制御45を介して電源供給され、出力信号をMC入力に直接出力するように設計されている。」 (引8オ)図1 「 [図:0001430669000015.jpg] 」 (引8カ)図2 「 [図:0001430669000016.jpg] 」 (ク)周知技術の認定 上記(ア)~(キ)に例示される引用文献2~8の記載及び図面を踏まえると、以下の技術的事項は周知技術であると認められる。 (ク-1)非侵襲 「涙液、膣滲出液、唾液、汗などの体液において、グルコースの測定を非侵襲的に行うこと」(例えば、引用文献2、引用文献3、引用文献4、引用文献5、引用文献6を参照。以下「周知技術1」という。) (ク-2)記録 「膣内リングにおいて、測定したグルコース、温度、pH、pO2等のパラメータを記録する手段を備えること」(例えば、引用文献3、引用文献7、引用文献8を参照。以下「周知技術2」という。) (ク-3)相関 「間質液、涙液、膣滲出液、唾液、汗などの体液中のグルコース値と、血液グルコースレベルとの相関を利用して、測定されたグルコース値から対応する血液グルコースレベルを求めること」(例えば、引用文献3、引用文献4、引用文献5、引用文献6を参照。以下「周知技術3」という。) (3)対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 ア 膣内リング (ア)本件補正発明の「ヒトまたは動物の体内に血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を非侵襲的に測定するための膣内リング」における「ヒトまたは動物の体内に」は、文脈からして「ヒトまたは動物の体内の」の明らかな誤記と認める(下線は、当審において付与した)。また、本願明細書の記載によれば、「膣内リング」は、「血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を」「測定するための」ものではなく、本件補正発明において特定されているように、「膣内リング」は、「膣粘膜と接触する」「センサで」「グルコースを測定」し、「前記センサから得られた値」「によって、対応の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を決定する」ものであるから、本件補正発明の「血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を」「測定するための膣内リング」については、「膣粘膜と接触する」「センサで」「グルコースを測定」し、「前記センサから得られた値」「によって、対応の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を決定する」「ための膣内リング」と同義的に扱う。 (イ)引用発明(【0015】)の「膣内に快適に挿入されて保持され得るリング」は、本件補正発明の「膣内リング」に相当する。また、糖尿病患者におかれては、体内の血液グルコース濃度に従ってインスリン送達を調節することが、一般的に慣用されているところ、引用発明(【0074】)では、「リングは、糖尿病の女性におけるグルコースレベルを連続的にモニターすることができ、それに従ってインスリン送達を調節することができ」ることから、引用発明の「グルコースレベル」は、本件補正発明の「血液グルコース」「値」に相当することは明らかである。すると、上記(ア)での本件補正発明に対する理解並びに下記イ及びウでの対比を踏まえると、引用発明の「糖尿病の女性」の「膣粘膜または子宮頚管粘液と」「接触」する「グルコースセンサー」で「グルコースを」「測定」し、「グルコースセンサー」の「測定」値から「計算」した「グルコースレベルを連続的にモニターする」ことは、本件補正発明の「ヒト」「の体内の血液グルコース」「値を」「測定する」ことに相当するといえる。そうすると、引用発明は、本件補正発明の「ヒトまたは動物の体内の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を」「測定する」との要件を満たしている。 よって、引用発明の「糖尿病の女性」の「膣粘膜または子宮頚管粘液と」「接触」する「グルコースセンサー」で「グルコース」「を測定」し、「グルコースセンサー」の「測定」値から「計算」した「グルコースレベルを連続的にモニターする」ための「膣内に快適に挿入されて保持され得るリング」と、本件補正発明の「ヒトまたは動物の体内に血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を非侵襲的に測定するための膣内リング」とは、「ヒトまたは動物の体内の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を」「測定するための膣内リング」の点で共通する。 イ センサ 引用発明(【0014】、【0018】)の「グルコース」「を測定する」「グルコースセンサー」は、本件補正発明の「グルコースを測定するためのセンサ」に相当する。また、引用発明(【0018】)の「膣内に快適に挿入されて保持され得るリング」が、「グルコース」「を測定する」「グルコースセンサー」「を備え」ることは、本件補正発明の「前記膣内リングは、グルコースを測定するためのセンサ」「を含む」ことに相当する。そして、引用発明(【0087】)の「グルコース」「を測定する」「グルコースセンサー」が、「膣粘膜または子宮頚管粘液」と「接触」する「センサー5」であることは明らかであるから、引用発明の「グルコース」「を測定する」「グルコースセンサー」であって「膣粘膜または子宮頚管粘液」と「接触」する「グルコースセンサー」は、本件補正発明の「グルコースを測定するためのセンサであって使用時に膣粘膜と接触する前記センサ」に相当する。 すると、引用発明の「膣内に快適に挿入されて保持され得るリング」が、「グルコース」「を測定する」「グルコースセンサー」であって「膣粘膜または子宮頚管粘液」と「接触」する「グルコースセンサー」「を備え」ることは、本件補正発明の「前記膣内リングは、グルコースを測定するためのセンサであって使用時に膣粘膜と接触する前記センサ」「を含む」ことに相当する。 ウ 決定手段 引用発明の「グルコースセンサー」の「測定」値は、本件補正発明の「前記センサから得られた値」に相当する。また、引用発明(【0062】)では、「膣において測定した特定のパラメータを使用して、血清中のパラメータレベルを計算することができ、この場合、変換を行う必要があり、当業者は、これを行う方法を周知しており、」とあることから、ここでの「膣において測定した特定のパラメータ」が、「グルコースセンサー」の「測定」値であり、また、ここでの「血清中のパラメータレベル」が、「グルコースレベル」であることは明らかである。すると、引用発明の「グルコースセンサー」の「測定」値を、「周知」の「変換を行う」によって、対応の「グルコースレベル」「を計算する」ことと、本件補正発明の「前記センサから得られた値を基準値に相関することによって、対応の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を決定する手段」とは、「前記センサから得られた値」「によって、対応の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を決定する手段」の点で共通する。また、引用発明(【0016】)では、「リングは、」「診断手段」「を含」むことから、引用発明の「膣内に快適に挿入されて保持され得るリング」が、上記の「グルコースレベル」「を計算する」「診断手段」を備えていることは明らかである。 よって、引用発明の「膣内に快適に挿入されて保持され得るリング」が、「グルコースセンサー」の「測定」値に対して、「周知」の「変換を行う」ことによって、対応の「グルコースレベル」「を計算する」「診断手段」を含むことと、本件補正発明の「前記膣内リングは、」「前記センサから得られた値を基準値に相関することによって、対応の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を決定する手段」「を含む」こととは、「前記膣内リングは、」「前記センサから得られた値」「によって、対応の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を決定する手段」「を含む」ことの点で共通する。 (4)一致点・相違点 上記(3)での対比を踏まえると、本件補正発明と引用発明とは、次のアの点で一致し、次のイの各点で相違する。 ア 一致点 「ヒトまたは動物の体内の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を」「測定するための膣内リングであって、 前記膣内リングは、グルコースを測定するためのセンサであって使用時に膣粘膜と接触する前記センサと、」「前記センサから得られた値」「によって、対応の血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を決定する手段とを含む、膣内リング。」 イ 相違点 (ア)相違点1(非侵襲) 本件補正発明では、血液グルコースを「非侵襲的に」測定するのに対し、引用発明では、「グルコースレベル」を非侵襲的に「モニターする」か、不明である点。 (イ)相違点2(記録) 本件補正発明では、前記膣内リングは、「前記センサによって生成された信号を記録する手段」を含むのに対し、引用発明では、「膣内に快適に挿入されて保持され得るリング」は、「グルコースセンサー」の「測定」値を記録する手段を含むか、不明である点。 (ウ)相違点3(相関) 本件補正発明では、前記センサから得られた値「を基準値に相関すること」によって、対応の血液グルコースを決定するのに対し、引用発明では、「グルコースセンサー」の「測定」値に対して、「周知」の「変換を行う」ことによって、対応の「グルコースレベル」「を計算する」点。 (5)判断 以下、上記各相違点1~3について検討する。 ア 相違点1(非侵襲)について (ア)引用発明(【0015】、【0061】、【0087】)では、「リングの外側部分が膣壁に柔軟に接触するように構成され、」「グルコースセンサー」は、「グルコースセンサー」の「開口部または膜」が「膣粘膜または子宮頚管粘液との最適な接触を保証するためにリングの外部または内部周囲上のそのような位置に配置される」ことで、「膣壁滲出液および/または子宮頚管粘膜のいずれかにおいて」「グルコース」を「測定」する「グルコースセンサー」であることから、上記(3)アでの対比を踏まえると、引用発明は、「グルコース」の「測定」ないしは「グルコースレベル」の「モニター」を非侵襲的に行うことが想定し得る。すると、引用発明において、「グルコース」の「測定」ないしは「グルコースレベル」の「モニター」を非侵襲的に行うこと、すなわち、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に為し得ることである。 (イ)さらに検討を加えると、上記(2)イ(ク-1)で説示したとおり、涙液、膣滲出液、唾液、汗などの体液において、グルコースの測定を非侵襲的に行うことは、周知技術1である。 そして、引用発明(【0022】)では、「非経口投与と比較すると、リング」での「投与」「は非侵襲性であ」るところ、引用発明の「リング」において、「膣内に快適に挿入されて保持され得る」ために、「グルコース」の「測定」を非侵襲的に行う動機付けは存在する。 すると、引用発明において、上記周知技術1を適用することで、「グルコース」の「測定」ないしは「グルコースレベル」の「モニター」を非侵襲的に行うこと、すなわち、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に為し得ることである。 イ 相違点2(記録)について (ア)モニタリングのための測定技術において、測定されたパラメータを記録・保存することは、常套手段にすぎないところ、引用発明(【0014】、【0064】)の「リング」では、「膣における特定のパラメータ」として「測定」した「温度」を「記録」することから、「膣における特定のパラメータ」として「測定」した「グルコース」についても、「温度」と同様に「記録」することが想定し得る。すると、引用発明において、「グルコースセンサー」の「測定」値を記録する手段を備えること、すなわち、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に為し得ることである。 (イ)さらに検討を加えると、上記(2)イ(ク-2)で説示したとおり、膣内リングにおいて、測定したグルコース、温度、pH、pO2等のパラメータを記録する手段を備えることは、周知技術2である。 そして、引用発明の「膣内」「リング」において、「グルコースレベル」「を計算する」うえで、「グルコースセンサー」の「測定」値を記録する手段を備える動機付けは存在する。 すると、引用発明において、上記周知技術2を適用することで、「グルコースセンサー」の「測定」値を記録する手段を備えること、すなわち、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に為し得ることである。 ウ 相違点3(相関)について (ア)引用発明は、「グルコースセンサー」の「測定」値に対して、「周知」の「変換を行う」ことによって、対応の「グルコースレベル」「を計算する」ものである。そして、血液中のグルコースが増えると(血糖値が上昇すると)、毛細血管から間質液などの体液中にグルコースが移動し、体液中のグルコース値も高くなることは技術常識であるから、当該技術常識を踏まえると、引用発明の「周知」の「変換」が、正の基準値(係数)に相関する「変換」であることが想定し得る。すると、引用発明において、「グルコースセンサー」の「測定」値 に対して、正の基準値(係数)に相関する「変換を行う」ことによって、対応の「グルコースレベル」「を計算する」こと、すなわち、上記相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に為し得ることである。 (イ)さらに検討を加えると、上記(2)イ(ク-3)で説示したとおり、間質液、涙液、膣滲出液、唾液、汗などの体液中のグルコース値と、血液グルコースレベルとの相関を利用して、測定されたグルコース値から対応する血液グルコースレベルを求めることは、周知技術3である。 そして、引用発明では、「グルコースセンサー」の「測定」値に対して、「周知」の「変換を行う」ことによって、対応の「グルコースレベル」「を計算する」ものであるから、引用発明において、「周知」の「変換」を具現化する動機付けは存在する。 すると、引用発明において、「周知」の「変換」を具現化するために、上記技術常識を踏まえたうえで上記周知技術を適用することで、「グルコースセンサー」の「測定」値に対して、正の基準値(係数)に相関する「変換を行う」ことによって、対応の「グルコースレベル」「を計算する」こと、すなわち、上記相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に為し得ることである。 エ 本件補正発明の奏する作用効果 上記相違点1~3を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、上記周知技術1~3を適宜考慮することにより、引用発明が奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (6)小括 したがって、本件補正発明は、上記周知技術1~3を適宜考慮することにより、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (7)請求人の主張 ア 審判請求書 審判請求書の請求の理由を変更した、令和6年6月25日に提出された手続補正書(方式)における請求人の主張は、「(d)本願発明と引用発明との対比」の欄を要約すると、以下のとおりである。 (ア)CGMデバイスは、皮膚に穿刺することでグルコース値を測定するように開発されたセンサであるから、引用文献1の記載から、どのようにCGMを用いれば膣滲出液中のグルコース値が測定できるかを理解できない。 (イ)引用文献1には、膣内滲出液からグルコース値が測定可能であることに関する実施例が全く含まれておらず、グルコース値の測定についての実験的な証明が記載されていない。 (ウ)引用文献1の記載から、膣におけるグルコースの濃度が血液のグルコースの濃度と相関し得ることを当業者は知り得ない。 イ 当審合議体の見解 上記アにおける請求人の各主張に対する当審合議体の見解は、以下のとおりである。 (ア)「CGS(持続的グルコース感知)センサー」は、その文言に基づけば、持続的にグルコースを感知できるセンサーであることを特定しているにすぎない。また、引用文献1には、「CGS(持続的グルコース感知)センサー」が、皮膚に穿刺することについて記載も示唆もなく、皮膚に穿刺するセンサーだけを指す、という技術常識もない。したがって、「CGS(持続的グルコース感知)センサー」が、皮膚に穿刺することでグルコース値を測定するように開発されたセンサであるとする根拠を見出せないから、請求人の上記(ア)の主張は採用できない。 (イ)引用文献1において、膣におけるグルコース値が測定可能であることの実施例や実験的な証明が記載されていなことが、進歩性の判断に何ら影響を与えるものではない。そして、膣内滲出液からグルコースを測定することが周知技術(引用文献3など)であることからして、引用文献1に測定に関する実施例がなくとも、膣におけるグルコース測定が可能であることは、引用文献1に接した当業者が十分に認識し得たこと(引用文献1が本件補正発明の進歩性判断の基礎になり得ること)であるから、請求人の上記(イ)の主張は採用できない。 (ウ)引用文献1の記載から、膣におけるグルコースの濃度が血液のグルコースの濃度と相関し得ることを当業者は知り得たことは、上記(5)ウの「相違点3について」で検討したとおりであるから、請求人の上記(ウ)の主張は採用できない。 (8)まとめ 以上のとおり、本件補正発明は、上記周知技術1~3を適宜考慮することにより、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和6年6月5日にされた手続補正(本件補正)は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和6年1月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定されるものである。そのうちの請求項1の記載は、上記第2の1(2)のとおりである。 2 原査定の拒絶理由 原査定の拒絶の理由は、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特表2018-509389号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献及びその記載事項は、上記第2の2(2)アに記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、上記第2の2で検討した本件補正発明から「ヒトまたは動物の体内に血液グルコースおよび/または間質液グルコース値を非侵襲的に測定するための膣内リング」に係る限定事項を削除して拡張したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加して限定したものに相当する本件補正発明が、上記第2の2(3)~(6)に説示したとおり、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-009352

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