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特許拒絶査定不服審判

2024-008090

軟質検体センサ

審判番号
2024-008090
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2022-134207
請求日
2024年05月15日
審決日
2025年05月26日
公報発行日
2025年11月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】デックスコム・インコーポレーテッド
  • 【請求人代理人】村山 靖彦
  • 【請求人代理人】実広 信哉
  • 【請求人代理人】阿部 達彦
審判長/審判官
  • 審判長 加々美 一恵
  • 審判官 三崎 仁
  • 審判官 宮澤 浩
分類
P18 .121-Z (A61B) / P18 .572-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2022-134207「軟質検体センサ」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年11月15日出願公開、特開2022-172220〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)1月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年1月19日、米国)を国際出願日とする特願2019-538648号の一部を、令和4年8月25日に新たな特許出願としたものである。令和4年9月26に手続補正がなされ、令和5年4月25日付けで拒絶理由が通知され、同年11月8日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、令和6年1月5日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年5月15日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。その後、令和6年5月23日に請求の理由について補正がなされ、同年8月1日に上申書が提出された。 なお、令和6年8月1日の上申書における上申の内容は、「本願に係る前置報告書に対する上申書を2024年10月29日までに提出することを予定しております。」、「しかしながら、上記期限までに上申書が提出されない場合は、審判請求時の主張に基づいて審理頂きたくお願い申し上げます。」というものであったが、令和6年10月29日までに、新たな上申書の提出はなされていない。 第2 本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正前の請求項1に係る発明 本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、令和5年11月8日の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。 「 生体内で使用するように構成されている検体センサシステムであって、 作用電極を備える細長体であって、前記細長体は生体外の自立細長体および生体内の非自立細長体であるように構成される、細長体と、 前記作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、前記膜は酵素層を含む、膜と、 を備え、 前記細長体は、前記細長体の少なくとも一部とホストの組織との間の接触に応答して前記自立細長体から前記非自立細長体に変わるように構成され、 前記細長体は、細長繊維芯を含む、検体センサシステム。」 (2)本件補正後の請求項1に係る発明 本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、令和6年5月15日の手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。なお、下線部は補正箇所を示す。 「 生体内で使用するように構成されている検体センサシステムであって、 作用電極を備える細長体であって、前記細長体は生体外の自立細長体および生体内の非自立細長体であるように構成される、細長体と、 前記作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、前記膜は酵素層を含む、膜と、 を備え、 前記細長体は、前記細長体の少なくとも一部とホストの組織との間の接触に応答して前記自立細長体から前記非自立細長体に変わるように構成され、 前記細長体は、細長繊維芯を含み、 前記細長体の先端は、平坦形状を有する、検体センサシステム。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「細長体」について、「先端は、平坦形状を有する」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 3 本件補正発明 本件補正発明は、前記1(2)に記載したとおりのものである。 4 引用文献 (1)引用文献1 ア 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、米国特許出願公開第2011/0073475号明細書(2011年3月11日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、以下の記載事項がある。なお、括弧内に翻訳文を記載した。また、引用発明の認定等に用いた箇所に下線を付した。 (ア)「[0002] The present disclosure is generally directed to analyte sensors. More particularly, the disclosure is directed to analyte sensors that are capable of insertion into the body of a user unassisted by an introducer sharp.」 (本開示は、一般的には、分析物センサに関する。より具体的には、本開示は、導入用鋭利具に補助されることなくユーザの体内に挿入可能な分析物センサに関する。) (イ)「[0006] In such systems, implantable sensors are generally at least partially inserted into the body of a user with an insertion device. Typically, the insertion device includes an introducer sharp, e.g., metal sharp, associated with the sensor which is used to puncture the user's skin. In some instances, the metal sharp is coupled to the portion of the sensor that is configured for implantation. To that end, the introducer sharp and sensor are driven into the skin of a user simultaneously or in tandem. In this manner, the introducer sharp pierces the skin to establish an entry path or point for the sensor to the internal environment and biological fluid that is sampled for analyte concentration levels. Some drawbacks to the typical method of analyte sensor insertion include not just the trauma to the skin during the piercing of tissue, but also the occurrence of early signal attenuation ((ESA) where sensor signals are attenuated typically during the initial time period (for example, during the first 1-10 hours) measured from sensor insertion) associated with the conventional implantation techniques using an introducer sharp. Presently, there exists a need to insert or implant an analyte sensor with improved comfort and operation.」 (このようなシステムでは、植え込み型センサは、一般に、少なくとも部分的に前記挿入装置をユーザの身体内に挿入される。典型的には、導入用鋭利具は、使用者の皮膚を穿刺するために使用されるセンサに関連付けられた金属のような導入器鋭利部材で構成されている。いくつかの例では、金属製のシャープな、植え込まれるように構成されるセンサの一部に結合されている。そのために、導入用鋭利具及びセンサは同時又は多段階での皮膚内に駆動される。このようにして、導入用鋭利具が皮膚を貫通して分析物濃度レベルのためにサンプリングされ、内部環境及び生物学的流体にセンサのための進入経路または進入ポイントを確立する。分析物センサの典型的な挿入方法における欠点には、組織に穴を開ける際の皮膚への外傷だけでなく、鋭利な導入器を使用する従来の埋め込み技術において、センサ信号が初期減衰(センサ挿入から測定される初期期間(例えば、最初の1~10時間)中にセンサ信号が減衰するESA)の発生も含まれる。現在、快適性と操作性を向上させた分析物センサの挿入や埋め込みが必要とされている。) (ウ)「[0008] The present disclosure provides analyte sensors configured to detect an analyte of interest in a biological fluid. An exemplary analyte sensor includes a body having proximal portion, a distal end portion, and first and second surfaces defined between the proximal and distal end portions. In certain embodiments, analyte sensors include a distal tail section extending downwardly from the proximal portion of the body. Additionally, some embodiments also include analyte sensors that include a distal end including a downward taper thereby defining a pointed or substantially pointed tip. The tip may be configured to pierce through one or more layers of skin for at least partial insertion of the sensor in the body of the user.」 (本開示は、生物学的流体中の目的の分析物を検出するように構成された分析物センサを提供するものである。例示的な分析物センサは、近位部分、遠位端部分、および近位端部分と遠位端部分との間に画定された第1および第2の表面を有する本体を含む。特定の実施形態では、分析物センサは、本体の近位部分から下方に延びる遠位尾部を含む。さらに、いくつかの実施形態は、分析物センサが、下向きのテーパーを有する遠位端を含み、それによって、尖った又は実質的に尖った先端を形成する。先端部は、ユーザの身体におけるセンサの少なくとも部分的な挿入のために、皮膚の1つ以上の層を貫通するように構成することができる。) (エ)「[0009] In certain embodiments, the body of the analyte sensors can be formed from a substrate, such as, for example, a flexible material. In certain embodiments, at least the tip includes a polymer coating. In this regard, the polymer coating provides rigidity to the tip of the sensors to render the tip capable of piercing the skin of a user. In certain embodiments, the distal tip can be implanted into the skin of the user unassisted by an introducer sharp, such as a metal sharp for example, which is typically part of sensor insertion kits.」 (特定の実施形態において、分析物センサの本体は、例えば可撓性材料などの基板から形成することができる。特定の実施形態では、少なくとも先端部はポリマーコーティングを含む。これに関して、ポリマーコーティングは、使用者の皮膚を突き刺すことができるように、センサの先端部に剛性を与える。特定の実施形態では、遠位先端部は、一般的にセンサ挿入キットに含まれる、金属製の導入用鋭利具等によって補助されることなく、使用者の皮膚に植え込むことができる。) (オ)「[0010] In certain embodiments, the polymer coating can be applied to at least one or both opposing lateral sides of the sensor body, thereby providing additional rigidity to the sensor body for insertion through the skin of the user.」 (特定の実施形態において、ポリマーコーティングは、感知器本体の対向する両側面の、少なくとも1つあるいは両方に適用することができ、それによって使用者の皮膚を通して挿入するセンサに付加的な剛性を与える。) (カ)「[0012] In certain embodiments, the polymer applied to the sensor body may include a biocompatible or bioresorbable polymer. For example, the polymer can be a lactic acid polymer, such as polylactide (PLA) or a derivative thereof. In certain embodiments, at least some of the polymer coating dissolves in the body of the user during a period of implantation of the sensor.」 (特定の実施形態において、センサ本体に適用されるポリマーは、生体適合性または生体吸収性ポリマーを含む。例えば、該ポリマーは、乳酸のポリマー、ポリ乳酸(PLA)またはその誘導体である。特定の実施形態において、ポリマーコーティングの少なくとも一部は、センサの埋め込みの期間中にユーザの体に溶解する。) (キ)「[0014] In another aspect, the distal tip of the sensor can be formed from a rigid polymer to render the tip capable of piercing the skin of the user and implanting at least a portion of the sensor in the body of the user. In certain embodiments, the polymer dissolves in the body of the user during a period of implantation of the sensor.Accordingly, the rigidity or degree of rigidity of the distal tip can be temporal, such that the sensor body regains its flexibility after the tip dissolves away from the sensor body.」 (別の態様では、センサの遠位端は、先端がユーザの皮膚を穿刺し、ユーザの身体におけるセンサの少なくとも一部を注入することができるように、硬質ポリマーから形成することができる。特定の実施形態において、ポリマーは、センサの移植期間中にユーザの体に溶解する。したがって、遠位先端部の剛性又は剛度は、一時的なものであり、先端部がセンサ本体から離れた後、センサ本体がその柔軟性を回復する。) (ク)「[0018] In certain embodiments, analyte sensors may include one or more electrodes that are disposed on the distal portion including a working electrode, and a sensing layer disposed on the working electrode.」 (特定の実施形態において、分析物センサは、遠位部分に、作用電極を含む1つ以上の電極を含み、作用電極上に検出層が配置される。) (ケ)「[0020] FIG. 1 is a block diagram of an analyte monitoring system for use in one or more embodiments of the present disclosure;」 (図1は、本開示の1つ以上の実施形態において使用するための検体監視システムのブロック図である。) (コ)「[0021] FIG. 2A illustrates an exemplary analyte sensor in one or more embodiments of the present disclosure;」 (図2Aは、本開示の1つ以上の実施形態において、例示的な分析物センサを示す図である。) (サ)「[0022] FIG. 2B illustrates a cross-sectional view of the analyte sensor of FIG. 2A;」 (図2Bは、図2Aの分析物センサの断面図を示す図である。) (シ)「[0023] FIG. 3 illustrates an analyte sensor having a tapered distal tip in accordance with one embodiment of the present disclosure;」 (図3は、本開示の一実施形態に従った、先細りした遠位先端部を有する分析物質センサを示す図である。) (ス)「[0035] Embodiments of the present disclosure are directed to analyte sensors for use with an analyte monitoring system such as, for example, a continuous, semi-continuous, or a discrete glucose monitoring system. Embodiments include analyte sensors for transcutaneous or subcutaneous placement and configured to facilitate insertion through a skin layer of a user. In certain embodiments, the analyte sensors, in conjunction with sensor electronics, monitor the level of an analyte in a user and transmit data associated with the monitored analyte level to a receiver unit.」 (本開示の実施形態は、例えば、連続的、半連続的、または不連続なグルコースモニタリングシステムのような分析物モニタリングシステムとともに使用するための分析物センサを対象にしている。実施形態において、経皮的または皮下的に配置するための分析物センサを含むことができ、ユーザの皮膚層を通って挿入を容易にするように構成される。特定の実施形態において、分析物センサは、センサ電子回路と連携して、ユーザ中の分析物のレベルをモニタし、モニタされた検体レベルと関連付けられたデータを受信する。) (セ)「[0038 In certain embodiments of the present disclosure, as illustrated in FIG. 1, an analyte monitoring system 100 includes a sensor 101, a data processing unit (e.g., sensor electronics) 102 connectable to sensor 101, and a primary receiver unit 104 which is configured to communicate with the data processing unit 102 via a communication link 103. In certain embodiments, sensor 101 is disposed after a useful sensor life, e.g. 3 days or 7 days or 14 days or more, while data processing unit 102 is reusable and can be used with multiple sensors. In other aspects of the present disclosure, sensor 101 and data processing unit 102 may be configured as a single integrated assembly, whereby data processing unit 102 is discarded or replaced along with sensor 101 after the useful sensor life of sensor 101.」 (本開示のいくつかの実施形態では、図1に示すように、検体モニタリングシステム100は、センサ101と、センサ101に接続可能なデータ処理ユニット(例えば、センサ電子機器)102と、通信リンク103を介してデータ処理装置102と通信するように構成された第1受信部104を備えている。特定の実施形態では、センサ101は、センサの耐用寿命、例えば、3日または7日または14日またはそれ以上の後に配置されると、データ処理部102と、再利用可能であり、複数のセンサと共に使用することができる。本開示の他の態様では、センサ101およびデータ処理装置102は、単一の一体化アセンブリとして構成することができることにより、データ処理部102は、センサ101のセンサの耐用寿命後センサ101と共に廃棄または置換される。) 合議体注:FIG. 1 は、次のものである。 [図:0001428722000001.jpg] (ソ)「[0041] FIG. 2A illustrates an exemplary analyte sensor, such as analyte sensor 101 of the analyte monitoring system 100 of FIG. 1. Generally, analyte sensor 101 can include a body formed from a substrate 204 and one or more electrodes 201, 202, 203 formed on the sensor body, as shown in FIG. 2A. As further illustrated in FIG. 2A, the sensor can include conductive traces 214, 215, and 216 extending from electrodes 201, 202, and 203 to corresponding respective contacts 211, 212, 213 to define electrical contacts to electrically couple with data processing unit 102 (FIG. 1) circuitry.」 (図2Aは、例示的な分析物センサであって、図1の検体モニタリングシステム100の分析物センサ101を示している。一般に、分析物センサ101は、図2Aに示すように、基板204から形成された本体と、センサ本体上に形成された1つ以上の電極201、202、203とを含むことができる。図2Aにさらに示すように、センサは、電極201、202、203から対応するそれぞれの接点211、212、213まで延びる導電性トレース214、215、216を含み、データ処理ユニット102(図1)の回路と電気的に結合するための電気接点を構成することができる。) 合議体注:FIG. 2A は次のものである。 [図:0001428722000002.jpg] (タ)「[0042] In certain embodiments, 101 sensor is at least partially implanted into a user's body for a period of days, e.g., 3 days to 7 days to 14 days or more. The substrate 204 can be formed from a relatively flexible material to improve comfort for the user and reduce damage to the surrounding tissue of the insertion site. Suitable materials for a flexible substrate include, for example, non-conducting plastic or polymeric materials and other non-conducting, flexible, deformable materials. Suitable plastic or polymeric materials include thermoplastics such as polycarbonates, polyesters ・・・, polyvinyl chloride (PVC), polyurethanes, polyethers, polyamides, polyimides, or copolymers of these thermoplastics, such as PETG (glycol-modified polyethylene terephthalate).」 (特定の実施形態では、センサ101は、一定期間、例えば、3日間、7日間~14日間またはそれ以上の間、使用者の身体に少なくとも部分的に移植される。基板204は、使用者の快適性を改善するため及び挿入部位の周囲の組織への損傷を低減するために比較的可撓性の材料から形成することができる。可撓性基板に適した材料としては、例えば、非導電性のプラスチックまたは高分子材料、およびその他の非導電性で可撓性の変形可能な材料が挙げられる。好適なプラスチックまたは高分子材料としては、ポリカーボネート、ポリエステル・・・、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミドなどの熱可塑性プラスチック、またはPETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)などのこれらの熱可塑性プラスチックの共重合体が挙げられる。) (チ)「[0044] In certain embodiments, as illustrated in FIG. 2A, analyte sensor 101 can be configured to include a distal end 230, which includes distal tip 231, a proximal portion 240, and opposing lateral sides. In certain embodiments, the proximal portion 240 and distal end 230 can have different widths. For example, the distal end 230 of the sensor 101 may have a relatively narrow width, while the proximal portion 240 of the sensor 101 may have a relatively wide width. During use, at least a portion of the distal end 230, including the distal tip 231, can be implanted under the skin surface in the subcutaneous space of the user, while the proximal portion 240 of the sensor extends exterior to the user's body. For example, in certain embodiments, insertable sensors designed for continuous or periodic monitoring of an analyte during normal activities of the user, can include a distal end 230 configured to be implanted into the user including a width of 2 mm or less, preferably 1 mm or less, and more preferably 0.5 mm or less in order to minimize discomfort associated with the inserted sensor distal end 230.」 (図2Aに示す特定の実施形態では、分析物センサ101は、遠位先端部231を含む遠位端部230と、近位部分240と、対向する横方向側面を含むように構成することができる。特定の実施形態では、近位部分240および遠位端230が、異なる幅を有することができる。例えば、センサ101の遠位端部230は、比較的狭い幅を有し、センサ101の近位部分240は、比較的広い幅を有することができる。使用する際、遠位先端部231を含む遠位端部230の少なくとも一部は、使用者の皮下空間の皮膚表面下に移植することができ、センサの近位部分240は、使用者の身体の外側に延在する。挿入されたセンサ遠位端230による不快感を最小限とするために、特定の実施形態では、使用者の通常の活動中に分析物を連続的または定期的にモニタリングするために設計された挿入可能なセンサを、2mm以下、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.5mm以下の幅を含む使用者に移植されるように構成された遠位端部230とすることができる。) (ツ)「[0045] Referring now to FIG. 2B, a cross sectional view of the sensor 101 in certain embodiments is shown. In particular, it can be seen that the various electrodes of the sensor 101 as well as the substrate and the dielectric layers are provided in a stacked or layered configuration or construction. For example, as shown in FIG. 2B, in one aspect, sensor 101 includes substrate layer 204, and first conducting layer 201 such as a carbon or gold trace disposed on at least a portion of substrate layer 204, and which may comprise the working electrode. Also shown disposed on at least a portion of first conducting layer 201 is a sensing layer 208.」 (次に図2Bを参照すると、特定の実施形態におけるセンサ101の断面図が示されている。具体的には、センサ101の種々の電極基板及び誘電体層も、積層構成または積層構造で設けられていることが分かる。例えば、図2Bに示すように、センサ101は、基板層204と、基板層204の少なくとも一部分上に配置され、作用電極を構成する炭素または金トレースのような第1導電層201とを含む。また、第1導電層201の少なくとも一部に配置された検出層208も示されている。) 合議体注:FIG. 2B は次のものである。 [図:0001428722000003.jpg] (テ)「[0046] Referring back to FIG. 2B, a first insulation layer such as first dielectric layer 205 is disposed or stacked on at least a portion of first conducting layer 201, and further, second conducting layer 209, such as another carbon or gold trace, may be disposed or stacked on top of at least a portion of first insulation layer (or dielectric layer) 205. As shown in FIG. 2B, second conducting layer 209 may comprise reference electrode 202, and in one aspect, may include a layer of silver/silver chloride (Ag/AgCl). In certain embodiments, the reference electrode 202 or contact may be integrally formed with second conducting layer 209 such that second conducting layer 209 includes a reference electrode.」 (図2Bを再び参照すると、第1の誘電体層205のような第1の絶縁層は、第1の導電層201の少なくとも一部分の上に配置または積層され、さらに、別の炭素または金トレースのような第2の導電層209が、第1の絶縁層(または誘電体層)205の少なくとも一部分の上に配置または積層されてもよい。図2Bに示すように、第2導電層209は基準電極202を構成してもよく、一態様では、銀/塩化銀(Ag/AgCl)の層を含んでもよい。特定の実施形態では、参照電極202または接点を、第2の導電層209が参照電極を含むように、第2の導電層209と一体的に形成されてもよい。) (ト)「[0047] Referring still again to FIG. 2B, a second insulation layer 206, such as a dielectric layer, in certain embodiments, may be disposed or stacked on at least a portion of second conducting layer 209. Further, a third conducting layer 203 which may include a carbon or gold trace and that may comprise counter electrode 203, may, in certain embodiments, be disposed on at least a portion of second insulation layer 206. Finally, a third insulation layer 207 may be disposed or stacked on at least a portion of third conducting layer 203. In this manner, the sensor 101 may be configured in a stacked or layered construction or configuration such that at least a portion of each of the conducting layers is separated by a respective insulation layer (for example, a dielectric layer).」 (図2Bをさらに参照すると、特定の実施形態では、誘電体層などの第2の絶縁層206が、第2の導電層209の少なくとも一部分上に配置または積層される。さらに、特定の実施形態において、炭素または金のトレースを含み、対向電極203を構成する第3の導電層203が、第2の絶縁層206の少なくとも一部分上に配置される。最後に、第3の絶縁層207を第3の導電層203の少なくとも一部に配置または積層することができる。このようにして、センサ101は、各導電層の少なくとも一部がそれぞれの絶縁層(例えば、誘電体層)によって分離されるように、積層構造または層状構造または構成で構成することができる。) (ナ)「[0048] In certain embodiments, analyte sensor 101 can include a sensing layer and a barrier layer disposed on the substrate. Sensing layer includes one or more components designed to facilitate the electrolysis of the analyte of interest, such as for example a catalyst and an electron transfer agent. The components, for example, may be immobilized on the working electrode. Alternatively, the components of the sensing layer may be immobilized within or between one or more membranes or films disposed over the working electrode or the components may be immobilized in a polymeric or sol-gel matrix. ・・・」 (特定の実施形態において、分析物センサ101は、基板上に配置された検出層およびバリア層を含むことができる。検出層は、例えば触媒や電子伝達剤など、目的の分析物の電気分解を促進するように設計された1つ以上の成分を含む。構成成分は、例えば、作用電極上に固定化することができる。あるいは、検出層の構成成分は、作用電極上に配置された1つ以上の膜またはフィルム内または膜またはフィルム間に固定化されてもよいし、構成要素がポリマーまたはゾル-ゲルマトリックスに固定化されてもよい。・・・) (ニ)「[0050] In certain embodiments, an analyte can be electrolyzed by applying a potential (versus a reference potential) across the working and counter electrodes. When a potential is applied between the working electrode and the counter electrode, an electrical current will flow. The current is a result of the electrolysis of the analyte or a second compound whose level is affected by the analyte. In certain embodiments, the electrochemical reaction occurs via an electron transfer agent and the optional catalyst. Many analytes are oxidized (or reduced) to products by an electron transfer agent species in the presence of an appropriate catalyst (e.g., an enzyme). The electron transfer agent is then oxidized (or reduced) at the electrode. Electrons are collected by (or removed from) the electrode and the resulting current is measured.」 (特定の実施形態では、分析物は、作用電極および対向電極を介して電位(対基準電位)を印加することにより電気分解することができる。作用電極と対向電極との間に電位が印加されると、電流が流れる。電流は、被分析物または被分析物の影響を受ける第2の化合物の電気分解の結果である。特定の実施形態では、電気化学反応は電子伝達剤と任意の触媒を介して起こる。多くの分析物は、適切な触媒(例えば酵素)の存在下、電子伝達剤によって酸化(または還元)された生成物となる。その後、電子伝達物質が電極で酸化(または還元)される。電子は電極により回収され(あるいは電極から除かれ)、その結果生じる電流が測定される。) (ヌ)「[0067] FIG. 3 illustrates an analyte sensor having a tapered distal tip in accordance with certain embodiments of the present disclosure. Referring to FIG. 3, distal tip 231 of distal end 230 of analyte sensor 101 includes a downward gradual taper to define a pointed tip. In this manner, the distal tip 231 can be modified for skin piercing capability. To this end, in certain embodiments, at least a portion of the distal tip 231 of the distal end 230 of the sensor 101 can be coated with a polymer suitable to render at least the pointed distal tip 231 rigid. In certain embodiments, the analyte sensor 101 may include a coated portion 330 (denoted by the hatch marking), which may be covered or coated with the polymer coating described above to provide sufficient rigidity for sensor insertion without the use of a introducer sharp. In other embodiments, additional or alternative areas of the sensor may be coated with the polymer coating to provide sensor rigidity. In certain embodiments, only the distal tip 231 is coated with the polymer coating. In this manner, the imputed rigidity by application of the polymer coating to the distal tip 231 can be sufficient to render the distal tip 231 capable of piercing the skin of a user for implantation of at least a portion of the distal end 230 of the sensor body, unassisted by a sharp.」 (図3は、本開示の特定の実施形態に従った、先細りの遠位先端部を有する分析物センサを示す。図3を参照すると、検体センサ101の遠位端部230の遠位先端部231は、尖った先端を画定するように下方に緩やかなテーパを含む。このようにして、遠位先端部231は、皮膚を穿孔する能力を改変することができる。この目的のために、特定の実施形態では、センサ101の遠位端部230の遠位先端部231の少なくとも一部分は、少なくとも1つの鋭い遠位先端231を剛性にするのに適切なポリマーで被覆することができる。特定の実施形態では、検体センサ101は、被覆部分330(ハッチングで示す)は、前述のポリマーコーティングで被覆され、あるいは被覆された導入用鋭利具を使用せずにセンサを挿入するために十分な剛性を提供することを含むことができる。他の実施形態では、センサの追加的な又は代替的な領域は、剛性を提供するためにポリマーコーティングで被覆することができる。特定の実施形態において、ポリマーコーティングで被覆されている遠位端部231のみである。このようにして、遠位先端部231にポリマーコーティングを適用することによって付与された剛性は、センサ本体の遠位端部230の少なくとも一部の移植のために、使用者の皮膚を突き刺すことができるのに充分鋭利なものとすることができる。) 合議体注:FIG. 3 は次のものである。 [図:0001428722000004.jpg] (ネ)「[0068] In certain embodiments, first and second opposing lateral ends of the sensors can also be coated with one or more polymers to provide additional rigidity to the sensors for ease of insertion into the skin surface.」 (特定の実施形態において、センサの第1および第2の対向する側方端部は、皮膚表面への挿入を容易にするためにセンサに剛性を付与するために、1つ以上のポリマーでコーティングすることができる。) (ノ)「[0070] In certain embodiments, a plurality of polymer layers can be applied to the sensor. In this regard, one or more polymers can be used. As such the plurality of polymer coatings results in the sensor rigidity, rather than the polymer itself. In certain embodiments, the polymers can be applied to areas in addition to the distal tip. For example, a sensor having a varied flexibility along its longitudinal axis can be formed by coating polymers having different durometers at different sections of the substrate to define a sensor having a varied or variable thickness across a length. In this manner, the sensor body can be configured to have different flexibilities depending upon the number of polymer coats at a section of the sensor substrate.」 (特定の実施形態では、複数のポリマー層をセンサに適用することができる。これに関連して、1つ以上のポリマーを使用することができる。このように、ポリマーそのものではなく、複数のポリマーコーティングがセンサの剛性をもたらす。特定の実施形態では、ポリマーは遠位先端部以外の領域にも適用できる。例えば、長手方向に沿って変化する柔軟性を有するセンサは、長手方向で変化する又は可変の厚さを有するセンサを形成することにより、基材の異なる部分に異なるデュロメーターを有するポリマーをコーティングすることによって形成することができる。このようにして、センサ本体は、センサ基板の一部におけるポリマーの被覆の数に応じて異なる屈曲性を有するように構成することができる。) (ハ)「[0071] In certain embodiments, the polymer coating may include a bio-absorbable lactic acid polymer. The bio-absorbable lactic acid polymer applied to the sensor 101, for example to the distal end 230 and the distal tip 231 of the sensor 101, results in rigid sensor body, for example, rigidity to the sensor distal end 230 to facilitate puncture of a skin layer of a user and subsequent insertion of the sensor 101. The rigid sensor allows for insertion without the use of a separate introducer sharp. Further, in certain embodiments, the bio-absorbable lactic acid polymer coating dissolves in the body of the user after insertion.The dissolving of the polymer coating allows for the sensor distal end 230 to regain a level of flexibility in order to minimize the discomfort of the user associated with sensor use.」 (特定の実施形態において、ポリマーコーティングは生体吸収性乳酸ポリマーを含む。センサ101の、例えば遠位端部230および遠位先端231に適用される生体吸収性乳酸ポリマーは、センサ本体の例えばセンサ遠位端部230に剛性をもたらし、使用者の皮膚層の穿刺およびその後のセンサ101の挿入を容易にする。剛性となったセンサは、別体の導入用鋭利具を使用せずに挿入できる。さらに、特定の実施形態では、生体吸収性乳酸ポリマーコーティングは、挿入後、使用者の体内で溶解する。ポリマーコーティングの溶解により、センサ遠位端部230は、センサの使用に伴う使用者の不快感を最小限にするために、柔軟性のレベルを回復することができる。) (ヒ)「[0075] In certain embodiments, the distal tapered tip 231 or distal end 230 of the analyte sensor 101 can be formed from a rigid polymer. In this manner, the analyte sensor can include a distal tapered tip 231 configured to pierce the skin of a user without the need for a polymer coating applied to the sensor body. In this manner, analyte sensor 101 with at least the tapered tip 231 can be formed from a polymer or polymer blend sufficiently rigid to pierce a skin layer of a user.」 (特定の実施形態において、分析物センサ101のテーパ状の遠位先端部231または遠位端部230は、硬質ポリマーから形成される。このようにして、分析物センサは、センサ本体にポリマーコーティングを施すことなく、使用者の皮膚に突き刺さるように構成されたテーパ状の遠位先端部231を含むようにすることができる。このようにして、少なくともテーパ状の遠位端部231を有する分析物センサ101を、使用者の皮膚層を貫通するのに十分な剛性を有するポリマーまたはポリマー混合物から形成することができる。) イ 引用文献1に記載された発明 引用文献1の記載事項(ア)(段落[0002])に基づけば、引用文献1に開示された発明は、「導入用鋭利具に補助されることなくユーザの体内に挿入可能な分析物センサ」に関する発明である。 そして、引用文献1の記載事項(ウ)、(エ)(段落[0008]、[0009])に基づけば、分析物センサを「ユーザの身体におけるセンサの少なくとも部分的な挿入のために、皮膚の1つ以上の層を貫通するように構成」するための手段として、その先端部を「ポリマーコーティングを含む」ことで「使用者の皮膚を突き刺すことができるように、センサの先端部に剛性を与え」られたものとし、これによって、「遠位先端部は、一般的にセンサ挿入キットに含まれる、金属製の導入用鋭利具等によって補助されることなく、使用者の皮膚に植え込むことができる」という効果を奏するものと理解できる。さらに、引用文献1の記載事項(カ)、(キ)、(ク)(段落[0012]、[0014]、[0018])に基づけば、ポリマーコーティングの少なくとも一部が、「センサの埋め込みの期間中にユーザの体に溶解する」ことによって「センサ本体がその柔軟性を回復する」こと、分析物センサは、遠位部分に、「作用電極を含む1つ以上の電極を含み、作用電極上に検出層が配置される」ことが開示されている。 また、引用文献1の記載事項(コ)~(シ)(段落[0021]~[0023])によれば、図2A及び図2Bは、引用文献1において開示された発明の実施形態に係る分析物センサを示すものと理解できる。また、図3は、本開示の一実施形態として、先細りした遠位先端部を有する実施形態の分析物センサを示すものと理解できる。 そして、図2A及び図2Bについて、引用文献1の記載事項(ソ)、(チ)、(ツ)(段落[0041]、[0044]、[0045])には、図2A及びその断面図である図2Bに示される分析物センサ101が備える構成について記載されており、さらに、記載事項(ナ)及び(ニ)(段落[0048]、[0050])には、分析物センサ101の検出層が触媒を含む態様、及び、適切な触媒として酵素を用いることが記載されている。また、引用文献1の記載事項(ハ)(段落[0071])には、先端部に含まれる「ポリマーコーティング」について、「生体吸収性乳酸ポリマーコーティング」とした場合の実施形態が記載されていると理解できる。 以上より、引用文献1には、図2A及び図2Bに示された実施形態の分析物センサ101であって、検出層に含まれる触媒として「酵素」を選択し、ポリマーコーティングとして「生体吸収性乳酸ポリマーコーティング」を選択した分析物センサ101として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「導入用鋭利具に補助されることなくユーザの体内に挿入可能な分析物センサ101であって、 基板204から形成された本体と、センサ本体上の遠位部分に形成された電極201、202、203とを含み、 センサは、電極201、202、203から対応するそれぞれの接点211、212、213まで延びる導電性トレース214、215、216を含み、 センサ101の遠位端部230は、比較的狭い幅を有し、センサ101の近位部分240は、比較的広い幅を有するように構成され、遠位先端部231を含む遠位端部230の少なくとも一部は、使用者の皮下空間の皮膚表面下に移植することができ、センサの近位部分240は、使用者の身体の外側に延在し、 センサ101は、基板層204と、基板層204の少なくとも一部分上に配置され、作用電極を構成する第1導電層201と第1導電層201の少なくとも一部に配置された検出層208を含み、検出層は、触媒として酵素を含み、 センサ101の、遠位端部230および遠位先端231に生体吸収性乳酸ポリマーが適用され、センサ本体の遠位端部230に剛性をもたらし、使用者の皮膚層の穿刺およびその後のセンサ101の挿入を容易にし、生体吸収性乳酸ポリマーコーティングは、挿入後、使用者の体内で溶解し、遠位端部230は、センサの使用に伴う使用者の不快感を最小限にするために、柔軟性のレベルを回復する、分析物センサ101。」 (2)引用文献3 ア 引用文献3の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先権主張の日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特表2015-534483号公報(平成27年12月3日出願公開。以下「引用文献3」という。)には、図面とともに、以下の記載事項がある。なお、引用文献3に記載された技術的事項の認定に用いた箇所に下線を付した。 (ア)「模範的なグルコースセンサー構成 【0067】 図1は分析物センサーとも呼ばれる連続的分析物センサー34の模範的な実施形態の拡大図であり、検出機構を例示する。幾つかの実施形態では検出機構は宿主の皮膚の下への挿入用に適合させられており、そのセンサーの残りの部分(例えば、電子装置など)は生体外にあることができる。例示された実施形態では分析物センサー34は2つの電極、すなわち、作用電極38とカウンター電極または基準電極として機能することができ、これ以降は基準電極30と呼ばれる少なくとも1つの追加の電極30を含む。 【0068】 様々な断面の形のいずれかを有するように電極を形成することができると考えられている。例えば、幾つかの実施形態では電極は円形または実質的に円形を有するように形成され得るが、他の実施形態では電極は楕円、多角形(例えば、三角形、正方形、長方形、平行四辺形、台形、五角形、六角形、八角形)などに類似する断面の形を有するように形成され得る。」 合議体注:図1は次のものである。 [図:0001428722000005.jpg] (イ)「【0078】 図4Aから4Cは、連続的分析物センサー400のインビボ部分の別の実施形態を例示し、それは細長い電気伝導体402を含む。細長い電気伝導体402はコア410(図4Bを参照のこと)と少なくとも部分的にそのコアを取り囲む第1層412を含む。第1層は(例えば、ウィンドウ406に位置する)作用電極と作用電極上に位置する膜408を含む。幾つかの実施形態ではそのコアと第1層は単一の材料(例えば、プラチナなど)からなり得る。幾つかの実施形態では細長い電気伝導体は少なくとも2種類の材料からなる合成物、例えば、2種類の電気伝導性材料からなる合成物、または少なくとも1種類の電気伝導性材料と少なくとも1種類の非電気伝導性材料からなる合成物である。幾つかの実施形態では細長い電気伝導体は複数の層を含む。ある特定の実施形態では少なくとも2つの同心円層または環状層、例えば、第1の材料から形成されるコアと第2の材料から形成される第1層が存在する。しかしながら、幾つかの実施形態では追加の層を含むことができる。幾つかの実施形態ではそれらの層は軸を同じとする。 ・・・ 【0087】 幾つかの実施形態ではコア410は非電気伝導性重合体を含み、第1層412は電気伝導性材料を含む。そのようなセンサー構成は有利なことに通常は高価な材料を安価な材料で置き換える点で材料費の低下をもたらすことができる。例えば、ナイロンまたはポリエステルの繊維、糸または紐などの非電気伝導性重合体からコア410を形成することができ、それをプラチナ、プラチナイリジウム合金、金、パラジウム、イリジウム、黒鉛、炭素、電気伝導性重合体、および合金またはそれらの組合せなどの電気伝導性材料によって被覆および/またはメッキすることができる。」 合議体注:図4Aから4Cは、次のものである。 [図:0001428722000006.jpg] イ 引用文献3に記載された技術的事項 上記記載事項(ア)及び(イ)に基づけば、引用文献3には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 「検出機構が皮膚の下への挿入用に適合させられており、残りの部分は生体外にある連続的分析物センサーにおいて、インビボ部分の細長い電気伝導体が、コアと、少なくとも部分的にそのコアを取り囲む第1層であって、作用電極と作用電極上に位置する膜を含む第1層を含むように構成され、コアを、ナイロンまたはポリエステルの繊維、糸または紐などの非電気伝導性重合体から形成することで、材料費の低下をもたらすことができること。」 5 対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (1)検体センサシステム 引用発明の「分析物センサ101」は、その「遠位先端部231を含む遠位端部230の少なくとも一部」が、「使用者の皮下空間の皮膚表面下に移植する」ことができるものである。そうすると、引用発明の「分析物センサ101」は、本件補正発明の「検体センサシステム」に相当し、「生体内で使用するように構成されている」という要件を満たしている。 (2)細長体 引用発明の「遠位端部230」は、少なくとも一部が、「使用者の皮下空間の皮膚表面下に移植」されるように「比較的狭い幅」を有するように構成されている。そうすると、引用発明の「遠位端部230」は、本件補正発明の「細長体」に相当する。 また、引用発明の「遠位部分」には、「電極201、202、203」が形成されており、「作用電極」を構成する第1導電層201の少なくとも一部に「検出層208」が配置されている。そうすると、引用発明の「遠位端部230」は、本件補正発明の「作用電極を備える」とする要件を満たしている。 さらに、引用発明の「遠位端部230」には、「生体吸収性乳酸ポリマー」が適用されたことにより、「センサ本体の遠位端部230に剛性をもたらし、使用者の皮膚層の穿刺およびその後のセンサ101の挿入を容易にし、生体吸収性乳酸ポリマーコーティングは、挿入後、使用者の体内で溶解し、遠位端部230は、センサの使用に伴う使用者の不快感を最小限にするために、柔軟性のレベルを回復する」ように構成されている。ここで、引用発明の「遠位端部230」は、挿入前、つまり生体外において「使用者の皮膚層の穿刺およびその後のセンサ101の挿入を容易」にする程度の「剛性」を有することから、生体外において自立するのに十分な「剛性」を有している。また、引用発明の「遠位端部230」は、挿入後、つまり生体内において「センサの使用に伴う使用者の不快感を最小限にする」程度の「柔軟性」を有している。そうすると、本件補正発明の「生体外の自立細長体および生体内の細長体であるように構成される、細長体」と引用発明の上記「遠位端部230」とは、「生体外の自立細長体および生体内の柔軟性のレベルを回復した細長体であるように構成される、細長体」である点で共通する。また、引用発明の「遠位端部230」は、「生体吸収性乳酸ポリマーコーティング」が「挿入後、使用者の体内で溶解」して「柔軟性のレベルを回復する」ように構成されている。そうすると、引用発明の「遠位端部230」は、本件補正発明の「前記細長体の少なくとも一部とホストの組織との間の接触に応答して前記自立細長体から前記非自立細長体に変わるように構成され」ていることと、「前記細長体の少なくとも一部とホストの組織との間の接触に応答して前記自立細長体から」「前記柔軟性のレベルを回復した細長体に」「変わるように構成」されている点で共通する。 (3)膜 引用発明の「検出層208」は、「作用電極を構成する第1導電層201」の「少なくとも一部に配置」されたものである。そうすると、引用発明の「検出層208」は、本件補正発明の「膜」に相当し、「前記作用電極の少なくとも一部を覆う」とする要件を満たしている。 また、引用発明の「検出層208」は、「酵素」を含むものである。そうすると、引用発明の「検出層208」は、本件補正発明の「前記膜は酵素層を含む」とする要件を満たしている。 (4)一致点及び相違点 以上より、本件補正発明と引用発明とは、 「 生体内で使用するように構成されている検体センサシステムであって、 作用電極を備える細長体であって、前記細長体は生体外の自立細長体および生体内の柔軟性のレベルを回復した細長体であるように構成される、細長体と、 前記作用電極の少なくとも一部を覆う膜であって、前記膜は酵素層を含む、膜と、 を備え、 前記細長体は、前記細長体の少なくとも一部とホストの組織との間の接触に応答して前記自立細長体から前記柔軟性のレベルを回復した細長体に変わるように構成される、検体センサシステム。」 である点で一致し、以下の点で相違又は一応相違する。 [相違点1] 柔軟性のレベルを回復した細長体が、本件補正発明では、生体内において「非自立」であるのに対し、引用発明の遠位端部は、「非自立」とは特定されていない点。 [相違点2] 本件補正発明の細長体は「細長繊維芯」を含んでいるのに対し、引用発明の遠位端部は「細長繊維芯」を含んでいない点。 [相違点3] 本件補正発明の細長体は、先端が「平坦形状」を有するのに対し、引用発明の遠位端部は、先端の形状が特定されていない点。 6 判断 (1)[相違点1]について 引用発明は、使用者の体内において、「遠位端部230は、センサの使用に伴う使用者の不快感を最小限にするために、柔軟性のレベルを回復する」ものである。そうすると、引用発明の「遠位端部230」の、生体内において回復されたとされる「柔軟性のレベル」は、使用者の不快感が最小限となるレベルである。そして、生体内に挿入された部材の剛性が高いほど、生体に応力が加わりやすくなり、使用者において不快感が生じることは自明であるから、引用発明の「遠位端部230」の生体内において回復されたとされる「柔軟性のレベル」は、生体に加わる応力が最小限となるレベルである。そのような「柔軟性のレベル」となった引用発明の「遠位端部230」が「自立」可能な程度の剛性を有すると理解することはできない。したがって、引用発明の「遠位端部230」の生体内において回復された「柔軟性のレベル」は、「非自立」といえる程度のものであるから、上記[相違点1]は実質的な相違点とはいえないものである。 仮に、実質的な相違点であったとしても、引用発明の「遠位端部230」の生体内において回復される「柔軟性のレベル」は、「センサの使用に伴う使用者の不快感を最小限にするため」に設定されるものである。そうすると、使用者の不快感を最小限にするために、「柔軟性のレベル」を調整し、「非自立」となる範囲のものとすることは、当業者が適宜なし得たことである。 (2)[相違点2]について 引用文献1の記載事項(タ)(段落[0042])には、「可撓性基板に適した材料としては、例えば、非導電性のプラスチックまたは高分子材料、およびその他の非導電性で可撓性の変形可能な材料が挙げられる。」と記載されている。当該記載に基づけば、引用文献1には、引用発明の「基板204」について、非導電性で可撓性の変形可能な様々な材料を採用できることが示唆されているといえる。 一方、前記4(2)イに記載したとおり、本願の優先権主張の日前において、「検出機構が皮膚の下への挿入用に適合させられており、残りの部分は生体外にある連続的分析物センサーにおいて、インビボ部分の細長い電気伝導体が、コアと、少なくとも部分的にそのコアを取り囲む第1層であって、作用電極と作用電極上に位置する膜を含む第1層を含むように構成され、コアを、ナイロンまたはポリエステルの繊維、糸または紐などの非電気伝導性重合体から形成することで、材料費の低下をもたらすことができること。」という技術的事項が知られていたといえる。 引用発明と上記技術的事項とは、使用者の皮下空間の皮膚表面下に移植される遠位端部が基材上に配置された作用電極を構成する層を含むセンサである点で共通する技術分野に属するものであり、非導電性で可撓性の変形可能な材料上に導電層を配置することにより分析物センサを構成するという点や、分析物を検出する作用の点で共通するものである。そうすると、引用発明の示唆に従い、引用発明の「基板204」について、非導電性で可撓性の変形可能な様々な材料の採用を検討するにあたり、同じ技術分野において同様の作用を有することが知られた上記技術的事項を採用し、「細長繊維芯」を含むものとすることは、当業者が適宜なし得た最適化又は設計事項にすぎないといえる。そして、上記技術的事項において示される「ナイロンまたはポリエステルの繊維、糸または紐など」は柔軟性を有するものである。そうすると、引用発明において上記技術的事項を採用するにあたり、阻害要因が存在するということもできない。 また、例えば、本願に係る優先権主張の日前に公開された特表2011-511665号公報には、「分析対象物センサーは連続的な分析対象物測定のために患者の体内に埋め込むことができるし、そうでなければ体外又は体内試験において非連続的に適用することができる。・・・ひとつ又はいくつかの実施形態においては、本発明の分析対象物センサーは充分小さいのでトロカールを使用することなく患者に挿入することができる。トロカールは多くは三面の先端がとがった中空の円筒で、器具を血管又は体腔に導入するために使用される。」(段落【0017】)、「図1は本発明によって提供される分析対象物センサー100の例示的な実施形態の斜視図である。センサー100は半導体材料にて構成されるクラッディング106にて囲まれた導電性芯104を伴った基板102を含む。図1のセンサー100は円筒形として示されている。しかし、中心の導電芯層が被覆されるかそうでなければ1個又はそれ以上の半導体層で囲まれた平面状の帯のように、分析対象物センサー100は別の形状に成型することができる。芯104とクラッディング106は共に電流を流すことができる。」(段落【0018】)及び「いくつかの実施形態においては、基板は繊維状の形態をとることができる。・・・例えば、かかる繊維の長さはその幅より長くすることができ、芯104とクラッディング106は共に円筒形状をとることができる。」(段落【0019】)との記載がある。なお、図1は次のものである。 [図:0001428722000007.jpg] 特表2011-511665号公報の記載事項と引用文献3の記載事項を総合すれば、患者の体内に埋め込むことができる分析物センサにおいて、基板を繊維状の形態とするとすることは、本願に係る優先権主張の日前の周知技術であるということもできる。 (3)[相違点3]について ア 引用発明は、「導入用鋭利具に補助されることなくユーザの体内に挿入可能な分析物センサ」であって、その「遠位端部230」は、ユーザの体内に挿入可能な「比較的狭い幅」を有している。そして、引用文献1の図2Aに示される「遠位端部230」は、先端が「平坦形状」を有していることが見て取れる。そうすると、引用発明の「遠位端部230」は、図2Aに示されるように、先端が「平坦形状」を有するものであることが想定されるものである。そうすると、上記[相違点3]は実質的な相違点とはいえないものである。 イ 審判請求人は、令和6年5月23日の手続補正により補正された審判請求書の請求の理由において、引用文献1の段落[0002]及び段落[0067]の記載を引用し、「引用文献1では、遠位端部230の遠位先端231は先細り形状を有するので、遠位先端231は平坦形状を有さない。」と主張している。 しかし、前記4(1)イに記載したとおり、引用文献1には、図3に示される、本開示の一実施形態としての、先細りした遠位先端部を有する実施形態の分析物センサとは別の実施形態に係る分析物センサとして、図2A及び図2Bに示される分析物センサが記載されていると認められる。 したがって、審判請求人の上記主張は採用できない。 ウ また、仮に、引用文献1の図3に示される「先細りした遠位先端部を有する分析物質センサ」を引用発明の構成として認定したとしても、その先端を「平坦形状」とすることは、以下のとおり、当業者が適宜設計し得たことである。 例えば、本願に係る優先権主張の日前に公開された特表2011-511665号公報には、「分析対象物センサーは連続的な分析対象物測定のために患者の体内に埋め込むことができるし、そうでなければ体外又は体内試験において非連続的に適用することができる。・・・ひとつ又はいくつかの実施形態においては、本発明の分析対象物センサーは充分小さいのでトロカールを使用することなく患者に挿入することができる。トロカールは多くは三面の先端がとがった中空の円筒で、器具を血管又は体腔に導入するために使用される。」(段落【0017】)、「図1は本発明によって提供される分析対象物センサー100の例示的な実施形態の斜視図である。センサー100は半導体材料にて構成されるクラッディング106にて囲まれた導電性芯104を伴った基板102を含む。図1のセンサー100は円筒形として示されている。」(段落【0018】)及び「いくつかの実施形態においては、分析対象物センサー100の基板102には有利な機械的特性があるため、分析対象物センサー100を小さな直径(例:約500ミクロン又はそれ以下、約250ミクロン又はそれ以下、約150ミクロン又はそれ以下、又は約100ミクロン又はそれ以下までにも)に組み立てることができる。・・・かかる減少された直径レベルにおいては、基板102は、曲げ又は変形への充分な柔軟性を与える中程度のモデュラス(modulus)を有し、またリコイルを可能にするに充分な高い降伏応力、また挿入の間や分析対象物センサー100を連続測定を目的に患者に装着させている間の曲げ又は捻りによる破壊を防止する中程度から高い極限強さを有することができる。これらの特性のため、本発明の分析対象物センサー100は容易に埋め込み(カテーテル又は他の埋め込み道具を必要とせず)ができ、かつ埋め込み組織と共に動き、埋め込み組織に適合させることができるに充分に柔軟であるため、組織の損傷を最小化できる。」(段落【0026】)と記載されている。なお、下線は合議体が付したものであり、図1は前記(2)に示したものである。 また、本願に係る優先権主張の日前に公開された特開2013-184061号公報には、「本発明は、堅く鋭い導入装置の補助又は結果として生じる汚染された鋭い導入装置の廃棄の必要性なしに、柔らかいカニューレバイオセンサ又は柔軟なバイオセンサの安全且つ自動的な経皮的な配置のための方法に関する。」(段落【0002】)、「これらの装置の細長く柔軟な特性は患者の快適さを増大させるが、これらの装置は、皮膚を通して挿入することが困難である。典型的な皮下注射器の針とは異なり、これらの装置は、壊れやすく且つ柔らかすぎるため、通常の力及び速度を使用して皮膚表面を通って単純に押されることができない。このような装置の先端が皮膚に対して押し付けられる際、装置は、皮膚への侵入を達成するのに必要とされるより大幅に小さい力で曲がってつぶれる。場合によっては容易に侵入するよう装置の先端が鋭くされ得るが、このアプローチは、典型的には侵入を確実なものとするには適切ではなく、管状の装置等である幾つかの装置は、鋭利にすることが適切ではない。また、鋭利にする工程は、製造コスト及び複雑性を増大させる。」(段落【0007】)、「他の実施形態は、細長いワイヤ及び検体センサの遠位端において細長いワイヤを囲む外側膜を含む検体センサを提供する。遠位端は、鋭くされた導入装置の助けなしに検体センサに加えられた推進力によって皮膚に挿入されるように構成される。」(段落【0027】)、「一実施形態によれば、ワイヤは、0.15から0.30mmの直径を有する。センサの遠位端は、鋭くされ得る又は実質的に鈍くされ得る。」(段落【0028】)、「図2Aは、本発明の様々な実施形態に従って挿入され得る検体センサ200を示す。図2Aでは、検体センサ200は、ある長さの細く柔軟なワイヤ上に作られている電気化学的グルコースセンサである。・・・センサ200の小さな直径の端部201(近位端部)は、皮膚を通って挿入され得る。」(段落【0041】)、「一実施形態では、実質的に一様な断面を持つセンサが利用され得る。あるいは、一実施形態では、変化する断面を持つセンサが使用され得る。実施形態では、センサは、円筒形、正方形、長方形等であり得る。一実施形態では、センサは、ワイヤタイプのセンサである。一実施形態では、センサは柔軟である。」(段落【0100】)及び「様々な実施形態では、センサは鈍い先端部を有する(例えば、図1-4に示されるように)。「鈍い」によって、センサの端部における線さの直径が実質的に一様である(例えば、鋭い点を有さない)ことが意味される。・・・さらに、センサ先端を鋭くすることは、センサ製造プロセスにおいて追加的なステップ及び/又は複雑さを必要とする。したがって、センサの先端は鈍い。ここに記載された方法および装置を使用することで、鈍い先端のセンサがトロカール又は他の挿入装置の使用なしに皮膚に挿入され得る一方、センサに対するダメージ及び/または皮膚に対する著しいダメージを限定する/避ける。」(段落【0111】)と記載されている。なお、下線は合議体が付したものであり、図1及び図2Aは、以下のものである。 これらの記載に基づけば、本願に係る優先権主張の日前において、導入用鋭利具に補助されることなくユーザの体内に挿入可能な分析物センサにおいても、その先端を、円筒形、つまり、平坦形状を有するものとすることは、周知技術であったといえる。 そうすると、仮に、引用文献1の図3に示される「先細りした遠位先端部を有する分析物質センサ」を引用発明の構成として認定した場合であっても、その先端を、平坦形状を有するものとすることは、当業者が適宜設計し得た事項である。 (4)効果について 引用発明は、その構成からみて、本件補正発明と同等の効果を奏するものといえる。 7 まとめ 以上のとおり、上記相違点は、いずれも、実質的な相違点ではないものであるか、あるいは、当業者が適宜なし得た最適化又は適宜設計し得た事項であるから、本件補正発明は、引用発明及び引用文献3に記載された技術又は周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 したがって、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により独立して特許を受けることができないから、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件発明 1 本件発明 本件補正は、前記第2にとおり却下されたので、本願の請求項1~20に係る発明は、令和5年11月8日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~20に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、前記第2の1(1)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、この出願の請求項1~20に係る発明は、本願の優先権主張の日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献に記載された発明に基づいて、その優先権主張の日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 なお、引用文献1及び引用文献2は、それぞれ、主引用発明が記載された文献として引用されたものであり、引用文献3は副引用文献として引用されたものである。 引用文献1:米国特許出願公開第2011/0073475号明細書 引用文献2:米国特許出願公開第2014/0213866号明細書 引用文献3:特表2015-534483号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び引用文献3、及び、その記載事項は、前記第2の4に記載したとおりである。 4 対比・判断 本件発明は、前記第2の2で検討した本件補正発明から、「細長体」について、「先端は、平坦形状を有する」との限定を省いたものに相当する。 そうすると、本件発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の5~7に記載したとおり、引用発明及び引用文献3に記載された技術又は周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明も、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-008090

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