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特許拒絶査定不服審判

2023-010863

健康モニタリングデバイスのシステムおよび方法

審判番号
2023-010863
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-536494
請求日
2023年06月29日
審決日
2024年11月11日
公報発行日
2025年04月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】スマーダイー インコーポレイテッド
  • 【請求人代理人】園田・小林弁理士法人
審判長/審判官
  • 審判長 樋口 宗彦
  • 審判官 ▲高▼見 重雄
  • 審判官 萩田 裕介
分類
P18 .121-Z (A61B) / P18 .113-Z (A61B) / P18 .537-Z (A61B) / P18 .572-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-536494「健康モニタリングデバイスのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月14日国際公開、WO2019/051118、令和 2年11月19日国内公表、特表2020-533151〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件出願(以下「本願」という。)は、2018年(平成30年)9月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年(平成29年)9月7日、(US)米国)を国際出願日とする特許出願であって、令和3年7月13日に手続補正がなされ、令和4年6月15日付けの拒絶理由の通知に対し、同年11月10日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ、令和5年2月20日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対して同年6月29日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 令和5年6月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年6月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(以下「本件請求項1」といい、これに係る発明を「本件補正発明」という。下線部は、補正箇所である。)。各構成単位冒頭の「A」などは当審にて付した分説記号であり、構成単位について分説記号を用い「構成A」などということがある。以下、他の発明についても同様。)。 「 【請求項1】 A 個人の健康状態をモニターするためのコンピュータ実装式方法であって、 B センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイスであって、前記センサ回路が前記使い捨て可能着用可能デバイスの内側に配置された第1のセンサ及び第2のセンサを備える、使い捨て可能着用可能デバイスにおいて、 B1 前記センサ回路の前記第1のセンサを使用して、事象の発生を検出することであって、前記事象は身体老廃物の排泄に対応する、検出することと、 B2 事象の前記発生を検出することに応答して、前記第1のセンサと異なる前記センサ回路の前記第2のセンサを起動することと、 B3 前記第2のセンサを使用して、前記身体老廃物に関連するカラー情報を取得(capture)することと、 を含み、 C 外部デバイスにおいて、 C1 前記事象の発生及び取得した前記カラー情報に関連する健康データを、前記センサ回路から受け取ることと、 C2 前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別することと、 C3 前記識別された身体老廃物タイプを示す出力を提供することと D を含む、方法。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和4年11月10日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである(以下「本件補正前請求項1」といい、これに係る発明を「本件補正前発明」という。)。 「 【請求項1】 pA 個人の健康状態をモニターするためのコンピュータ実装式方法であって、 pB1 使い捨て可能物品の第1のセンサを使用して、事象の発生を検出することであって、前記事象は身体老廃物の排泄に対応する、検出することと、 pB2 事象の前記発生を検出することに応答して、前記第1のセンサと異なる前記使い捨て可能物品の第2のセンサを起動することと、 pB3 前記第2のセンサを使用して、前記身体老廃物に関連するカラー情報を取得(capture)することと、 pC2 前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別することと、 pC3 前記識別された身体老廃物タイプを示す出力を提供することと pD を含む、方法。」 2 本件補正の適否について (1)請求人が主張する本件補正の根拠箇所 審判請求書において、請求人は、本件補正について以下のように述べている。 「(い)補正の根拠の明示 本日付けの手続補正書において、審理の早期化のため、請求項1、12に係る発明を、明細書段落0041-0043、図1、5、6に基づき、限定した。また、表現をより明確にする、軽微な補正を行った。 これらの補正は、新規事項を導入するものではない。」 上記「明細書段落0041-0043、図1、5、6」は、以下のとおりである。 「 【0041】 幾つかの実施形態において、可撓性回路要素120および処理ユニット160(電気化学バイオセンサ121、カラーセンサ122、LED150、水分センサ123、GPSアンテナ140、電力ユニット135、ブルートゥース低エネルギー送受信機161、GPS送受信機163、マイクロコントローラ164、加速度計165、マイクロプロセッサ166、ROMチップ166a、RAMチップ166b、アナログ・デジタル変換器166c、デジタル・アナログ変換器166d、シリアル周辺インタフェース166e、ユニバーサル非同期受信機/送信機166f、電力調節器166g、温度センサ124、湿度センサ125、および心拍数センサ130を含む)は再使用可能である。健康モニタリングデバイス100は、可撓性回路120および処理ユニット160を吸収製品110に付着させる接着手段をさらに備える。接着手段は、接着テープ、ベルクロ、クリップ、ピン、接着剤、および、その組み合わせを含むが、それに限定されない。幾つかの実施形態において、可撓性回路120および処理ユニット160およびそれらのコンポーネントは防水である。水分センサ123、湿度センサ125、および電気化学センサ121に関して、これらのコンポーネントは、コンポーネントが尿、血液、糞便、月経、またはその組み合わせからの検査対象を受け取る場合を除いて防水である。 【0042】 他の実施形態において、可撓性回路120および処理ユニット160は使い捨て可能である。そのような実施形態において、可撓性回路120および処理ユニット160は吸収製品と一体形成することができる。図5に示すように、水分センサ123、カラーセンサ122、および電気化学バイオセンサ121(他の使い捨て可能コンポーネントは明確にするために示されない)は、吸収製品110の層の間に挿入される。 【0043】 例えば、図5は、防水層111、特別な吸収層112、および吸水性ライナー113を含む吸収製品110の例を示す。コンポーネントは、特別な吸収層112と吸水性ライナー113との間に挿入されることになる。図5に示す吸収製品110は、例証のためのものであり、本発明は、示す構成を有する吸収製品に限定されない。幾つかの実施形態において、カラーセンサ122は、特別な吸収層112、吸水性ライナー113、または両方に対する(尿、血液、糞便、月経、またはその組み合わせによる)カラー変化を検出することができる。例えば、本発明は、事象(排尿、出血、排便、月経、またはその組み合わせ)の発生が起こったことを介護者に通知することができる。ユーザーが事象を有する場合、水分センサ123、湿度センサ125、または両方が起動される。起動は、事象が起こったことを介護者に示すであろう。水分センサ123、湿度センサ125、または両方が起動された後に、カラーセンサ122およびLED150は、汚れた特別な吸収層112、吸水性ライナー113、または両方のカラーを取得するために起動するようトリガーされる。検出されたカラーは、その事象が、排尿か、出血か、排便か、月経か、またはその組み合わせかを介護者に知らせるであろう。」、 図1 「 [図:0001420841000001.jpg] 」、 図5 「 [図:0001420841000002.jpg] 」、 図6 「 [図:0001420841000003.jpg] 」 (2)補正の目的 補正の目的について検討する。 本件補正は、構成pB1の「使い捨て可能物品の第1のセンサ」、及び構成pB2の「前記使い捨て可能物品の第2のセンサ」を、それぞれ、構成B1の「前記センサ回路の前記第1のセンサ」、及び構成B2の「前記センサ回路の前記第2のセンサ」としたことを含む。 そして、構成B1及びB2の「前記センサ回路」については、本件補正により追加された構成Bの「センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイスであって、前記センサ回路が前記使い捨て可能着用可能デバイスの内側に配置された第1のセンサ及び第2のセンサを備える、使い捨て可能着用可能デバイス」の中で特定された。 すると、本件補正により、「使い捨て可能物品」は、「使い捨て可能着用可能デバイス」に補正されたものと解される。 ア 「使い捨て可能物品」を「使い捨て可能着用可能デバイス」とする補正は、「物品」を「デバイス」に単に言い換え、さらに「着用可能」であることを限定したものと解し得(当該解釈を「解釈α」と呼ぶ。)、解釈αを採用した場合、当該補正は、物品を限定したものであるから、いわゆる限定的減縮といえ、「特許請求の範囲の減縮」(2号)に該当する。 イ しかし、本件補正により、「使い捨て可能着用可能デバイスにおいて、」B1~B3をすることが特定されたことから、「使い捨て可能物品」を「使い捨て可能着用可能デバイス」とする補正は、「使い捨て可能物品」(おむつ)から、「センサ回路」を備えた「使い捨て可能着用可能デバイス」、すなわちB1~B3をするデバイス(装置)へ変更したもの、と解し得(当該解釈を「解釈β」と呼ぶ。)、解釈βを採用した場合、当該補正は、物品を限定したものでないから、いわゆる限定的減縮とはいえず、「特許請求の範囲の減縮」(2号)に該当しない。また、この場合、当該補正は、「請求項の削除」(1号)、「誤記の訂正」(3号)、又は「明りょうでない記載の釈明」(4号)に該当しないことは明らかであるから、当該補正は、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものでない。 ウ 請求人は、本件補正について、上記(1)のとおり、 「(い)補正の根拠の明示 本日付けの手続補正書において、審理の早期化のため、請求項1、12に係る発明を、明細書段落0041-0043、図1、5、6に基づき、限定した。また、表現をより明確にする、軽微な補正を行った。 これらの補正は、新規事項を導入するものではない。」と述べるにとどまる。 そして、当該補正が、請求人のいう「表現をより明確にする、軽微な補正」であるとは到底いえないことは、上述のとおりである。 エ したがって、当該補正は、解釈βを採用し得、この場合、特許法第17条の2第5項各号のいずれを目的とするものでない。 オ 以上のとおりであるから、当該補正の目的は上記解釈α・β双方の解釈がともに成り立つのであり、よって、当該補正後の請求項1も解釈α・βがともに成り立つ多義的なものといえる。そうすると、当該補正は、そこに含まれる解釈βの点において、特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 (3)独立特許要件 本件補正が、解釈βを採用し得、この場合、目的外補正を伴う不適法なものであることは、上記(2)で説示したとおりである。 しかし、この点を措けば、本件補正は、本件補正前請求項1に記載した、発明を特定するために必要な事項である、構成pB1、構成pB2、及び構成pB3を、構成Bにおいてすること、また、構成pC2、及び構成pC3を、構成Cにおいてすること、に限定する補正事項を含むものであって、当該補正事項は本件補正前発明と本件補正発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、当該補正事項については、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正発明が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、念のため以下に検討する。 ア 本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 イ サポート要件 本件補正により追加された、構成Bの「センサ回路」、「使い捨て可能着用可能デバイス」及び構成Cの「外部デバイス」なる各用語は、いずれも、発明の詳細な説明に記載されていない。また、その結果、発明の詳細な説明との対応関係が不明瞭である。以下、詳説する。 (ア)発明の詳細な説明 発明の詳細な説明において、上記各用語に関連する記載は、以下のとおりである(下線は当審によるもの)。 「 【0032】 図は本発明の種々の実施形態を示す。図1に示すように、健康モニタリングデバイス100は、可撓性回路120、吸収製品110、および処理ユニット160を備える。可撓性回路120は、電気化学バイオセンサ121、カラーセンサ122、LED150、および、水分センサ123を備える。」、 「 【0034】 図4Aおよび図4Bに示すように、処理ユニット160は、GPSアンテナ140、電力ユニット135、ブルートゥース低エネルギー送受信機161、GPS送受信機163、マイクロコントローラ164、および、加速度計165を備える。処理ユニット160は可撓性回路120に電子的に結合される。幾つかの実施形態において、処理ユニット160は、可撓性回路120のセンサと無線通信することができる。ブルートゥース低エネルギーは、より低い放射曝露を有するため、ユーザーの安全にとって好ましい。」、 「 【0037】 幾つかの実施形態において、健康モニタリングデバイス100はデータ通信デバイス170をさらに備えることができる。データ通信デバイスは、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、または、健康モニタリングデバイス100からのデータを受信する専用デバイスなどの有線および無線コンピューティングデバイスを含む。」、 「 【0042】 他の実施形態において、可撓性回路120および処理ユニット160は使い捨て可能である。そのような実施形態において、可撓性回路120および処理ユニット160は吸収製品と一体形成することができる。図5に示すように、水分センサ123、カラーセンサ122、および電気化学バイオセンサ121(他の使い捨て可能コンポーネントは明確にするために示されない)は、吸収製品110の層の間に挿入される。」、 「 【0044】 幾つかの実施形態において、健康モニタリングデバイス100の処理ユニット160は、マイクロコントローラ164の代わりにまたはそれに加えて、図4Aおよび図4Bに示すように、マイクロプロセッサ166、ROMチップ166a、RAMチップ166b、アナログ・デジタル変換器166c、デジタル・アナログ変換器166d、シリアル周辺インタフェース166e、ユニバーサル非同期受信機/送信機166f、および電力調節器166gを備える。」、 「 【0045】 本発明の他の実施形態において、コンピュータシステムは、少なくとも1つのプロセッサユニット、少なくとも1つのプロセッサユニットに結合された少なくとも1つのメモリユニット、および、メモリにおいて具現化され、プロセッサユニットによって実行可能なコンピュータ可読命令を備え、プロセッサユニットによる命令の実行は、健康モニタリングデバイス100のユーザーの健康をモニターする方法を、コンピューティングシステムに実施させる。図6に示す方法200は、健康モニタリングデバイス100から健康データを取得することと、健康データをメモリユニット上に記録することと、健康データをデータ通信デバイス170に送信することと、データ通信デバイス170上で健康データを表示することとを含む。」 (イ)構成Bの「センサ回路」について a 構成Bの「センサ回路」に対応する同名の用語は明細書中にない。よって、該用語が明細書中のいずれの要素に対応するとしても、用語不統一により対応関係が不明である。 b また、構成Bにおいて、「センサ回路」は「第1のセンサ及び第2のセンサを備える」と特定される。このことから、前記構成Bの「センサ回路」は、段落【0032】の記載において、「電気化学バイオセンサ121、カラーセンサ122、LED150、および、水分センサ123」なる複数のセンサを備えるとされる「可撓性回路120」のみに対応すると一応解し得る。 c 一方、図2において、可撓性回路120内の各種センサと、処理ユニット160とが双方向矢印で接続されていることが見て取れるのに対し、発明の詳細な説明においては、「可撓性回路120」自体の機能に関する説明は一切ない。 d そして、構成Bの「センサ回路を備える」「使い捨て可能着用可能デバイスにおいて」、構成B1の「・・・検出すること」、構成B2の「・・・起動すること」、構成B3の「・・・取得(capture)すること」なる各特定事項において、構成B1~B3の工程が順次連携して実行されることから、第1のセンサ及び第2のセンサの前記連携がなんらかの制御手段により統括されていると理解するのが自然であり、該統括する手段として、上記cで言及した図2の看取事項から、「処理ユニット160」が該当するとの解釈が成り立ち得る。 e すると、上記dの解釈と、上記bで言及した【0032】の記載による「可撓性回路120」と各センサの関係とによれば、構成Bの「センサ回路」には、「可撓性回路120」と「処理ユニット160」とを併せたものが対応するとの解釈も成り立ち得る。 f よって、上記a及びb~eのとおりであるから、構成Bの「センサ回路」は、発明の詳細な説明の「可撓性回路120」のみに対応するのか、「可撓性回路120」と「処理ユニット160」とを併せたものに対応するのか、その対応関係が定まらず不明である。 (ウ)構成Bの「使い捨て可能着用可能デバイス」について a 構成Bの「使い捨て可能着用可能デバイス」に対応する同名の用語は明細書中にない。よって、該用語が明細書中のいずれの要素に対応するとしても、用語不統一により対応関係が不明である。 b また、段落【0032】及び【0042】の記載によれば、構成Bの「使い捨て可能着用可能デバイス」は、「吸収製品110」に対応する可能性がある。 そして、構成Bの「センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイス」において、構成B1の「・・・検出すること」、構成B2の「・・・起動すること」、構成B3の「・・・取得(capture)すること」から、構成B1~B3は、「センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイス」が実行すると解することができるので、構成Bの「使い捨て可能着用可能デバイス」は、段落【0032】及び【0034】の記載によれば、「可撓性回路120」と「吸収製品110」とを併せたもの、又は、「可撓性回路120」と「処理ユニット160」と「吸収製品110」とを併せたもの、に対応する可能性も残される。 c よって、上記a及びbのとおりであるから、構成Bの「使い捨て可能着用可能デバイス」は、解釈αを採用した場合であれば、発明の詳細な説明の「吸収製品110」に対応するのか、それとも、解釈βを採用した場合であれば、「可撓性回路120」と「吸収製品110」とを併せたもの、又は、「可撓性回路120」と「処理ユニット160」と「吸収製品110」とを併せたものに対応するのか、その対応関係が定まらず不明である。 (エ)構成Cの「外部デバイス」 a 構成Cの「外部デバイス」に対応する同名の用語は明細書中にない。よって、該用語が明細書中のいずれの要素に対応するとしても、用語不統一により対応関係が不明である。 b また、段落【0045】の記載によれば、構成Cの「外部デバイス」は、「健康モニタリングデバイス100(「処理ユニット160」)」と外部で接続される「コンピュータシステム」に対応する可能性がある。 そして、構成Cの「外部デバイス」は、構成Bの「センサ回路」に対して外部であると解すると、「センサ回路」が「可撓性回路120」のみに対応する場合、構成Cの「外部デバイス」は、段落【0032】及び【0042】の記載によれば、「処理ユニット160」に対応する可能性も残される。 c よって、上記a及びbのとおりであるから、構成Cの「外部デバイス」は、「健康モニタリングデバイス100(「処理ユニット160」)」と外部で接続される「コンピュータシステム」に対応するのか、「処理ユニット160」に対応するのか、その対応関係が定まらず不明である。 (オ)サポート要件のまとめ 上記(イ)~(エ)から、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 ウ 進歩性 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献は、以下のとおりである。 引用文献1:特開2002-143199号公報 周知文献1:特表2016-500015号公報 周知文献2:特表2010-502249号公報 周知文献3:特開2007-135862号公報 周知文献4:特表2008-531137号公報 周知文献5:特開2012-105839号公報 (ア)引用文献等 (ア-1)引用文献1に記載された事項 a 引用文献1の記載事項 原査定の拒絶の理由において主引用例として引用された文献であって、本願の優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に公知となった引用文献1には、図面とともに次の記載がある(下線は当審において付与した。以下同様)。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品の外側表面(すなわち、排泄物に接しない側)から吸収性物品内の排泄の有無を検知する排泄検知装置に関する。 ・・・ 【0008】また、複数のセンサを用いたものとして、例えば特開平9-290001号公報に記載された排泄検知装置が知られている。この排泄検知装置は、おむつ内側の温度を検出する温度センサと、おむつ内側の湿度を検出する湿度センサと、おむつ内側の匂いの程度を検出する匂いセンサと、おむつが外れ状態にあるとの判定を行うとともに、おむつ内側への排泄について判定を行う判定手段とを有している。 ・・・ 【0011】また、特開平9-290001号公報に記載された排泄検知装置にあっては、センサがおむつ内側に取り付けられ、温度センサはおむつ外れの検知手段として使用され、温度センサと湿度センサと匂いセンサとにより排泄の判定を行っている。すなわち、センサー部が汚れる等、排泄検知装置の使い勝手が悪く、おむつ内に異物があるため、介護対象者は不快になる等の負担がかかっていた。 【0012】本発明は、排尿か排便かを精度良く識別して検知し、介護対象者が不快になることがなく、特に大便の放置による肌荒れを防止することができる排泄検知装置を提供することを課題とする。」、 「【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の排泄検知装置の実施の形態を図面を参照して説明する。図1に示す第1の実施の形態の排泄検知装置は、温度センサ(温度検知手段)1a、ガスセンサ(ガス検知手段)1b、色センサ(色検知手段)1c、排泄検知装置本体3を備え、吸収性物品内の排泄の有無を検知したり、排尿か排便かの判定結果を知らせる。 【0015】温度センサ1aは、排泄物を吸収する吸収性物品の外側表面に取り付けられ、吸収性物品の温度を検知して温度検知信号を温度上昇検知手段31に出力する。ガスセンサ1bは、吸収性物品の外側表面に取り付けられ、排泄物から発生するガスを検知してガス検知信号をガス検知出力変化検知手段32に出力する。色センサ1cは、吸収性物品の外側表面で排便ポイントに対応した位置に取り付けられ、排泄物の色を検知して色検知信号を色判定手段33に出力する。 【0016】吸収性物品は、老人や乳幼児の尿又は便等の排泄物を吸収するおむつ、尿取りパッド等である。尿取りパッドは、外側おむつの内側(排泄箇所)に挿入し、2枚重ねとして使用するものであり、尿取りパッドを交換することでコストメリットがあり、環境負荷が少なくなる。 【0017】排泄検知装置本体3は、温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34、警報手段36、表示手段37を有している。温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34、及び排尿回数検知手段35は、例えばマイクロコンピュータで構成されている。 【0018】温度上昇検知手段31は、温度センサ1aからの温度検知信号に基づいて吸収性物品の温度上昇を検知して温度上昇検知信号をガス出力変化検知手段32に出力する。ガス検知出力変化検知手段32は、温度上昇検知手段31からの温度上昇検知信号に基づく吸収性物品の温度上昇が検知された場合に、ガスセンサ1bからのガス検知信号に基づいてガス出力の変化を検知してガス出力変化検知信号を排尿排便判定手段34に出力する。 【0019】色判定手段33は、色センサ1cからの色検知信号に基づいてその色が排便の色(例えば茶色)かどうかを判定し色判定信号を排尿排便判定手段34に出力する。 【0020】排尿排便判定手段34は、ガス検知出力変化検知手段32からのガス出力変化検知信号に基づくガス出力の変化が増加(正)か減少(負)かを判定し、その変化が増加である場合には排便と判定し、その変化が減少である場合には排尿と判定し、排尿排便判定結果情報を出力する。 【0021】また、排尿排便判定手段34は、排尿があったと判定した場合に、色センサ1cを起動して、色判定手段33からの色判定信号に基づいて排尿後に排便があったかどうかを判定する。 【0022】警報手段36は、警報ブザーあるいはバイプレータあるいはランプ等からなり、排尿排便判定手段34からの排尿排便判定結果情報を警報により報知する。表示手段37は、液晶表示器や7セグメント表示器等であり、排尿排便判定手段34からの排尿排便判定結果情報を表示する。 【0023】次にこのように構成された第1の実施の形態の排泄検知装置の動作を図2のフローチャート、図3乃至図5の図面を参照して説明する。 【0024】まず、人のおむつの外側表面に温度センサ1a、ガスセンサ1b及び色センサ1cを取り付ける。ここで、おむつ内に人の排尿があった場合には、この排尿を温度センサ1aとガスセンサ1bとで検知すると、図3に示すような排尿検知時の温度センサ及びガスセンサのセンサ出力(出力電圧)が得られる。図3からもわかるように、排尿検知時のガスセンサの出力は、時刻t1から徐々に極小値まで減少してゆき、その極小値から単調に増加していく。また、排尿検知時の温度センサの出力は、時刻t1から徐々に上昇した後に一定値になる。 【0025】一方、おむつ内に人の排便があった場合には、この排便を温度センサ1aとガスセンサ1bとで検知すると、図4に示すような排便検知時の温度センサ及びガスセンサのセンサ出力(出力電圧)が得られる。図4からもわかるように、排便検知時の温度センサ及びガスセンサのそれぞれの出力は、時刻t3から徐々に上昇した後に一定値になる。 【0026】以上のことから、温度センサ1aは、排尿及び排便ともに温度の上昇によりセンサ出力が増加傾向にある。また、ガスセンサ1bは、排尿時にはセンサ出力が一時的に減少し、排便時にはセンサ出力が増加する傾向にある。このため、以上のガスセンサ1b及び温度センサ1aのセンサ出力特性を利用して、図2に示すような手順で処理を行う。 【0027】まず、温度センサ1aは、おむつの外側表面の温度を検知し、その温度検知信号を温度上昇検知手段31に出力する。温度上昇検知手段31は、温度センサ1aからの温度検知信号に基づいて吸収性物品の温度上昇があったか否かを判定し(ステップS11)、温度上昇があった場合には温度上昇検知信号をガス検知出力変化検知手段32に出力する。 【0028】次に、ガス検知出力変化検知手段32は、温度上昇検知手段31からの温度上昇検知信号に基づく吸収性物品の温度上昇が検知された場合に、ガスセンサ1bからのガス検知信号に基づいてガス出力の変化があったか否かを判定し(ステップS13)、ガス出力の変化があった場合にはガス出力変化検知信号を排尿排便判定手段34に出力する。 【0029】さらに、排尿排便判定手段34は、ガス検知出力変化検知手段32からのガス出力変化検知信号に基づくガス出力の変化が増加(正)か減少(負)かを判定し(ステップS15)、その変化が増加である場合には排便と判定し(ステップS17)、排便判定結果情報を警報手段36及び表示手段37に出力する。 【0030】そして、警報手段36は、排便判定結果情報を警報により報知し、表示手段37は、排便判定結果情報を表示する(ステップS18)。これにより、介護者は介護対象者のおむつを取り替える(ステップS19)。 【0031】一方、ステップS15において、排尿排便判定手段34は、ガス出力の変化が減少である場合には排尿と判定し(ステップS21)、色センサ1cを起動させる(ステップS23)。 【0032】すると、色センサ1cは、排泄物の色を検知して色検知信号を色判定手段33に出力し、色判定手段33は、色センサ1cからの色検知信号に基づく色が茶色かどうかを判定する(ステップS25)。 【0033】図5に排尿後の便の検知に使用する光センサのデータを示す。図5に示す例では、色センサが分光測色計であり、この分光測色計により茶色を検知している。図5では、横軸が光の波長を示し、縦軸が反射率を示している。 【0034】おむつ+黒(◆で表される部分)は、おむつのみに相当し、光の波長が680nmでは反射率は約89%となっている。おむつ+黒+水(▲)は、尿のみに相当し、光の波長が680nmでは反射率は約72%となっている。おむつ+水+茶(※点線)は、尿+便に相当し、光の波長が680nmでは反射率は約78%となっている。 【0035】このため、色判定手段33は、光の波長を例えば680nmとし、反射率が約78%であるかどうかを判定し、反射率が約78%であれば、おむつ+水+茶と判定し、色判定信号を出力する。 【0036】そして、排尿排便判定手段34は、色判定手段33からの色判定信号に基づき、排尿後に排便があったと判定し(ステップS17)、排便判定結果情報を警報手段36及び表示手段37に出力する。その後、ステップS18、ステップS19の処理を行う。 【0037】このように第1の実施の形態の排泄検知装置によれば、温度上昇検知手段31が温度センサ1aからの温度検知信号に基づいて吸収性物品の温度上昇を検知し、ガス検知出力変化検知手段32は、吸収性物品の温度上昇が検知された場合にガスセンサ1bからのガス検知信号に基づいてガス出力の変化を検知し、排尿排便判定手段34は、ガス検知出力変化検知手段32からのガス出力の変化が増加か減少かを判定し、増加又は減少に基づいて排尿か排便かを判定するので、排尿か排便かを精度良く識別して検知することができる。これにより、大便の放置による肌荒れを防止することができ、また、大便で遊ぶ者の不衛生行為を防止することができる。 【0038】また、温度センサ1a、ガスセンサ1b、及び色センサ1cのそれぞれをおむつ外側表面に取り付けたので、介護対象者が不快になることがなくなる。 【0039】また、色センサ1c、色判定手段33を備え、排尿排便判定手段34により排尿後に排便があったか否かを判定するので、排尿後の排便を精度良く検知することができる。これにより、大便の放置による肌荒れを防止することができ、また、大便で遊ぶ者の不衛生行為を防止することができ、その効果がさらに大となる。 【0040】また、色センサ1cは、排尿と判定されたときのみ起動されるので、常時起動されているときよりも、消費電力を低減することができる。」、 「【0046】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施の形態の排泄検知装置を説明する。図7は本発明の第2の実施の形態の排泄検知装置を示す構成図である。第2の実施の形態の排泄検知装置は、第1の実施の形態の排泄検知装置に対して、排泄検知装置本体を送信装置と受信装置とに分割したことを特徴とするもので、温度センサ1a、ガスセンサ1b、色センサ1c、送信装置4、受信装置5を備えている。 【0047】送信装置4は、温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34、送信機38、表示手段37を有している。温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34、及び排尿回数検知手段35は、例えばマイクロコンピュータで構成されている。送信機38は、排尿排便判定手段34からの排尿排便判定結果情報を受信装置5に送信する。 【0048】受信装置5は、受信機51、電圧出力発生手段52、警報手段53を有して構成される。受信機51は、送信機38からの排尿排便判定結果情報を受信し、電圧出力発生手段52は、受信機51で受信した排尿排便判定結果情報に応じた電圧を発生する。警報手段53は、警報ブザーあるいはバイプレータあるいはランプ等からなり、電圧出力発生手段52で得られた電圧に基づき排尿排便判定結果情報を警報により報知する。 【0049】なお、第2の実施の形態の排泄検知装置において、第1の実施の形態の排泄検知装置と同一部分は、同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。 【0050】このように構成された第2の実施の形態の排泄検知装置によれば、排尿排便判定手段34からの排尿排便判定結果情報が、送信機38により受信装置5に送信されると、受信装置5では、受信機51は、送信機38からの排尿排便判定結果情報を受信し、電圧出力発生手段52は、受信機51で受信した排尿排便判定結果情報に応じた電圧を発生し、警報手段53は、前記電圧に基づき排尿排便判定結果情報を警報により報知する。 【0051】従って、第1の実施の形態の排泄検知装置の効果と同様な効果が得られるとともに、送信装置4及び受信装置5を用いるので、特に病院等の介護施設において複数の介護対象者の排泄を管理することができる。」、 図1 「 [図:0001420841000004.jpg] 」、 図2 「 [図:0001420841000005.jpg] 」、 図3、図4 「 [図:0001420841000006.jpg] 」、 図5 「 [図:0001420841000007.jpg] 」、 図7 「 [図:0001420841000008.jpg] 」 b 引用文献1に記載された発明 上記aの記載及び図面を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。ここで、各構成単位末尾の括弧内には、主たる認定箇所となる引用文献1の記載箇所を示す。 「a 温度センサ1a、ガスセンサ1b、色センサ1c、排泄検知装置本体3を備え、排泄検知装置本体3を送信装置4と受信装置5とに分割した排泄検知装置の動作方法であって、(【0014】、【0023】、【0046】) b 温度センサ1a、ガスセンサ1b及び色センサ1cは、吸収性物品の外側表面に取り付けられ、(【0016】、【0024】) c 吸収性物品は、老人や乳幼児の尿又は便等の排泄物を吸収するおむつ、尿取りパッド等であり、(【0016】) d 送信装置4は、温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34、送信機38、表示手段37を有し、温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34は、マイクロコンピュータで構成され、送信機38は、排尿排便判定手段34からの排尿排便判定結果情報を受信装置5に送信し、 受信装置5は、受信機51、電圧出力発生手段52、警報手段53を有して構成され、受信機51は、送信機38からの排尿排便判定結果情報を受信し、電圧出力発生手段52は、受信機51で受信した排尿排便判定結果情報に応じた電圧を発生し、警報手段53は、警報ブザーあるいはバイプレータあるいはランプ等からなり、電圧出力発生手段52で得られた電圧に基づき排尿排便判定結果情報を警報により報知し、(【0047】、【0048】) e 温度センサ1aは、排尿及び排便ともに温度の上昇によりセンサ出力が増加傾向にあり、また、ガスセンサ1bは、排尿時にはセンサ出力が一時的に減少し、排便時にはセンサ出力が増加する傾向にあり、このため、以上のガスセンサ1b及び温度センサ1aのセンサ出力特性を利用して行う処理の手順は、(【0026】) f まず、温度センサ1aは、吸収性物品の外側表面の温度を検知し、その温度検知信号を温度上昇検知手段31に出力し、温度上昇検知手段31は、温度センサ1aからの温度検知信号に基づいて吸収性物品の温度上昇があったか否かを判定し(ステップS11)、温度上昇があった場合には温度上昇検知信号をガス検知出力変化検知手段32に出力し、(【0027】) g 次に、ガス検知出力変化検知手段32は、温度上昇検知手段31からの温度上昇検知信号に基づく吸収性物品の温度上昇が検知された場合に、ガスセンサ1bからのガス検知信号に基づいてガス出力の変化があったか否かを判定し(ステップS13)、ガス出力の変化があった場合にはガス出力変化検知信号を排尿排便判定手段34に出力し、(【0028】) h さらに、排尿排便判定手段34は、ガス検知出力変化検知手段32からのガス出力変化検知信号に基づくガス出力の変化が増加(正)か減少(負)かを判定し(ステップS15)、その変化が増加である場合には排便と判定し(ステップS17)、排便判定結果情報を警報手段53及び表示手段37に出力し、(【0029】、【0048】) i そして、警報手段53は、排便判定結果情報を警報により報知し、表示手段37は、排便判定結果情報を表示し(ステップS18)、これにより、介護者は介護対象者の吸収性物品を取り替え(ステップS19)、(【0030】、【0048】) j 一方、ステップS15において、排尿排便判定手段34は、ガス出力の変化が減少である場合には排尿と判定し(ステップS21)、色センサ1cを起動させ(ステップS23)、(【0031】) k すると、色センサ1cは、排泄物の色を検知して色検知信号を色判定手段33に出力し、色判定手段33は、色センサ1cからの色検知信号に基づく色が茶色かどうかを判定し(ステップS25)、(【0032】) l そして、排尿排便判定手段34は、色判定手段33からの色判定信号に基づき、排尿後に排便があったと判定し(ステップS17)、排便判定結果情報を警報手段53及び表示手段37に出力し、その後、ステップS18、ステップS19の処理を行う、(【0036】) m 排泄検知装置の動作方法。」 (ア-2)周知文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において周知技術として引用された文献であって、本願の優先日前に公知となった周知文献1には、次の記載がある。 「【0024】 いくつかの実施形態において、センサ(センサ110など)が、外付けの追加物として、おむつ100の外殻102に取り付けられても良い。いくつかの実施形態において(図示せず)、センサは、外殻102に埋め込まれても良いし、又は外殻102と一体的に形成されても良い。いくつかの実施形態において(図示せず)、センサは、内部吸収性層104に埋め込まれても良いし、又は内部吸収性層104と一体的に形成されても良い。いくつかの実施形態において、1つ以上のセンサが、皮膚に最も近い層106に埋め込まれても良いし、又は皮膚に最も近い層106と一体的に形成されても良い。センサ110の位置決めは、ここでは単なる例として示されている。とは言うものの、センサは、おむつのいずれかの層の中に又はおむつのいずれかの層上に位置付けられても良いし、及び/又はおむつの異なる領域に位置付けられても良い。さらに、センサの構成要素を異なる層に分布させても良いし、及び/又は異なる位置に分布させても良い。」 (ア-3)周知文献2に記載された事項 原査定の拒絶の理由において周知技術として引用された文献であって、本願の優先日前に公知となった周知文献2には、次の記載がある。 「【0049】 バイオセンサ150は、リアルタイムの測定値、周期的間隔での測定値(例えば定時の(in time)スナップショット)、時間平均された結果などを提供することができる。バイオセンサ150は、身体上に又は身体に押し当てて装着することができる。例として、これは、ベッドパッド、おむつ、生理用ナプキン、化粧用ティッシュ、人工肛門バッグ、タンポン、使い捨て衣類、失禁用製品などのような吸収性及び/又は使い捨ての物品の内部又は上に配置することができる。これは、被験者の身体由来の健康指標に応答することが可能な、好ましくは小型化された、電極、光学機器又は他の器具とすることもできる。バイオセンサ150は、1つ又はそれ以上の分析物を直接検出することができる。誘電泳動、フリーフロー電気泳動、ATP生物発光、DEFT、インピーダンス、LAL、ELISAその他のイムノアッセイ法、pH測定、光回折ベースの技術、凝集技術、色素寒天、及びリアルタイム分析のための分子インプリンティングを含む、いずれかの適切なバイオセンサ技術を用いることができる。被験者の健康を評価するための検出された信号の分析は、固定パラメータ又は経時的に調節されるパラメータとの比較に基づくものとすることができる。」 (ア-4)周知文献3に記載された事項 原査定の拒絶の理由において周知技術として引用された文献であって、本願の優先日前に公知となった周知文献3には、図面とともに次の記載がある。 「【0013】 <監視システムの具体的構成> 被検者(老人,乳幼児等)Pは、通常の状態(横臥,仰臥)で生体データ測定用専用エアマット2の上でオムツ(パンツ)200(図4(a),図4(b)参照)をはいて就寝する。オムツ200は、伸縮部材を備えた胴開口部201、伸縮部材を備えた脚開口部202、尿等を吸収する吸収部材(不図示)からなり、温度測定部を有するICタグ100をその内側に備える。オムツ200は、パンツ状に限らず、他の形状でもよい。また、温度測定部を有するICタグ100は、面ファスナー等を備える囲包部材で囲包し、着脱自在にしてもよい。端末装置5には、圧力変化を検出する圧力センサと、その検出信号を処理して管理サイト/医療サイト7へLAN等専用回線またはインターネット等の情報通信ネットワーク8を介して伝送する制御監視装置、ICタグ読み取り部34が設けられている。端末装置5と管理サイト/医療サイト7の管理用コンピュータ(制御装置)11とは、情報通信ネットワーク8で、相互に情報が伝送できるようになっている。管理用コンピュータ(制御装置)11は、記憶部,表示部,入力部,外部通信部等を備えている。 ・・・ 【0017】 微差圧センサ20の検出信号は監視制御装置30を構成するゲイン制御部31に与えられる。ゲイン制御部31は微差圧センサ20の検出信号のレベルを所定範囲の信号レベルに調整する。被検者Pの姿勢によってエアマット2に伝わる心拍や呼吸などの振動の強さが異なるために、微差圧センサ20の出力信号の強度(レベル)が異なる。ゲイン制御部31は姿勢によって異なる信号レベルを所定レベルの信号になるようにゲインを調整し、心拍フィルタ32、呼吸フィルタ33に出力する。また、ゲイン制御部31のゲイン値が姿勢判別部36に加えられる。ゲイン制御部31によって所定レベルに変換された微差圧センサ20の出力信号を心拍フィルタ32、呼吸フィルタ33に加えることにより、これら心拍フィルタ32、呼吸フィルタ33から心拍信号、呼吸信号などの被検者Pの生体データが得られる。心拍フィルタ32、呼吸フィルタ33から得られた被検者 Pの生体データはA/D変換部35でデジィタル信号に変換されデータ処理部37に入力される。また、被検者Pに装着されたオムツ200の内側に装着された温度センサ付きICタグ100(図4(a)参照)から、温度情報をICタグ読取り部34で間歇的(例えば10~30分ごと)に読み取る。ICタグ読取り部34から13.56MHzの電磁波を送信し、その信号をアンテナを介して温度センサ付きICタグ100が受け、温度センサ106による温度(体温)情報(本実施例では、被検者Pの腹部付近の体温情報)を温度センサ付きICタグ100から読取る。データ処理部37は入力した生体データの各種の演算処理を行い、被験者Pの状態を監視する。生体データの各種の演算処理には、被検者Pの平常時の生体データとのパターン比較などが含まれる。データ処理部37は絶対圧力センサ21がエアマット2上に被験者Pがいることを検出しているときに演算処理を実行する。 ・・・ 【0027】 データ処理部37は、例えば、被検者Pの健康状態を次のような判断基準に基づき判定する。 【0028】 次に就寝中の異常監視と緊急通報について説明する。端末装置5のデータ処理部37は、所定時間(2~5分間)分の生体データを解析して心拍数、呼吸数等を算出し、また、ICタグからの温度情報から、これらが異常といえる既定値の範囲を越えた場合に体温値異常、心拍数異常、呼吸数異常として表示装置38へ表示するとともに、緊急通報として管理パソコン11に通報する。このとき被検者Pの状態を撮像手段で撮像し、生体情報の異常情報とともに送信できるようにすれば、管理サイト/医療サイト7の医師10の判断が容易になる。」、 図1 「 [図:0001420841000009.jpg] 」、 図2 「 [図:0001420841000010.jpg] 」、 図4 「 [図:0001420841000011.jpg] 」 (ア-5)周知文献4に記載された事項 原査定の拒絶の理由において周知技術として引用された文献であって、本願の優先日前に公知となった周知文献4には、図面とともに次の記載がある。 「【要約】 水分、温度、心拍数または呼吸数だけに限定されるわけではないが、これらを含む1つ以上のパラメータをモニタし、検出し、または制御し、もしくは電子機能の種々のパラメータを制御するために、人が身につけることができたり、装置に取り付けることができるデバイスであって、このデバイスは、 a)人が身につけたり、または装置に取り付けることができるフレキシブル基板(10)を備え、このフレキシブル基板は廃棄するかまたは新しいフレキシブル基板と交換しなければならないか、もしくはデバイスの連続的使用を防止するようなメンテナンスを必要とし、前記デバイスは更に、 b)別個の第1部分(11)および第2部分(16)を有する電気回路を備え、前記第1部分(11)はフレキシブル基板(10)によって支持されており、第1部分(11)および第2部分(16)は電気接続部(13、14)を形成するように共に接続できると共に、前記部品を所望により再使用もしくは廃棄できるように接続を外すことができるようになっている。」、 「【0031】 使用後、廃棄するか、または破壊される、使い捨ておむつ、パッドまたは同様な衛生用品における水分の検出に関連して、図に示されている本発明の実施例について説明する。しかしながら、本発明は広範な他の用途、例えば装置に取り付けできる保護用または従来の衣類およびカバーでも使用できることが理解できよう。本発明のデバイスは衣服、例えばパンツ、ジャケットまたはシャツの一部を形成するような状況では、このデバイスが少なくとも2つの部品を有する電気回路を備え、この回路の少なくとも1つの部品を、衣服を構成する織物材料に取り付けたり、またはこれに埋め込むことも可能である。衣服を洗濯しなければならないとき、洗濯中に衣服に洗濯可能な部品だけが残るように、電気回路を複数の部分に分離できる。この電気回路は、パラメータ、例えば衣服の温度、歪みおよび動き、またはデバイスの作動を検出、モニタまたは制御するようにできる。 【0032】 図1~3に示された本発明の実施例を参照すると、このデバイスはおむつの一部を形成する参照番号10によって表示されるフレキシブル基板を含み、適当な技能および技術を使ってこの基板に電気回路の第1部分12が埋め込まれたり、および/またはプリントされている。図1に示される電気回路のうちの第1部分12は、おむつを交換しなければならないことを表示する、排泄物を表示するための従来の水分センサ11を含む。 ・・・ 【0034】 電気回路の第1部分12は、図2に示された剛性基板15の下面に形成された対応する電極14との電気接続部を形成するための電極となっている2つの接触表面13も含む。この剛性基板15は、電気回路のうちの第2部分17の残りの部品を収納しており、これら残りの部品として、電源、ロジックチップおよび信号を受信機または多数の患者をケアするマネージャーが操作する受信機のステーションへ送るための出力送信機を挙げることができる。電気回路のうちの第1部分12および第2部分17は、パラメータを検出し、制御し、またはモニタするための作動可能な回路を形成する。 ・・・ 【0038】 フレキシブル基板またはこの基板が固定されているおむつが一旦汚れると、剛性基板15によって収納されている回路の第2部分を、フレキシブル基板10から取り外すことができ、よって新しいおむつに取り付けることにより、剛性ハウジングを再使用できる。おむつの一部を形成するフレキシブル基板10および回路の第1部分12を廃棄するか、または洗うことができる。コストを削減するために、再使用するようになっている電気回路の第2部分17が電気回路のうちのよりコストのかかる部品を含むようにすることもできる。 【0039】 図4~6に示された第2実施例は、図1~3に示された実施例とほぼ同じである。これら実施例の間の実質的な差は、図1~3に示された実施例の剛性基板15がフレキシブル基板16に置き換わっていることだけであり、このフレキシブル基板16は、第1実施例の剛性基板15と同じように、再使用するようになっている回路の部品のすべてを含む。基板10および16も適当な接着剤を使用する電気接続部内の接触表面13および14のペアと共に接合されている。 ・・・ 【0041】 例えばフレキシブル基板に取り付けられるか、またはその内部に埋め込まれた回路の第1部分は、次の電気部品、すなわち ・温度を検出するための熱電対 ・運動または衝撃力をモニタするための歪みゲージ ・光またはサウンドセンサ ・調節を可能にするスイッチまたは他の形態の制御インターフェース ・患者または運動選手の心拍数または呼吸数を検出するための適当なカップリング のうちの任意の1つまたはそれらの組み合わせ を含むことができるが、これらだけに限定されるものではない。」、 図1 「 [図:0001420841000012.jpg] 」、 図2 「 [図:0001420841000013.jpg] 」、 図3 「 [図:0001420841000014.jpg] 」、 図4 「 [図:0001420841000015.jpg] 」、 図5 「 [図:0001420841000016.jpg] 」、 図6 「 [図:0001420841000017.jpg] 」 (ア-6)周知文献5に記載された事項 原査定の拒絶の理由において周知技術として引用された文献であって、本願の優先日前に公知となった周知文献5には、図面とともに次の記載がある。 「【0026】 本実施例では、オムツ、オムツ濡れ検知装置、及び健康管理システムの例を説明する。 図1は、本実施例の構成図の例である。 オムツ1は、表面素材と水分吸収素材と水分不透過性フィルムを積層して構成されている。オムツ1は、水分不透過性フィルムに形成された粘着テープを水分不透過性フィルムの別の部分に粘着させる事で生体に取り付ける方法のもの、表面素材乃至は水分不透過性フィルムに滑り止め乃至粘着財を形成して、それを生体表面乃至衣類等に密着させる事で生体に取り付ける方法のもの、例えば下着の如くの形状を成して生体に装着する方法のもの、その他の方法のものがあるが、生体への装着の用途に適するための形状や粘着剤等の工夫に関わらず本実施例は適用可能である。 【0027】 オムツ1には、センサー2が装着される事がある。このセンサー2は、水分、塩分やアンモニア等の特定物質、臭い、温度、明るさ(センサーに対する入射光量)、その他の物理的、化学的変化を検知するものであり、その検知方法については本実施例により開示はされないが、一般に周知の方法でこれが成し得る事は明白である。センサー2は、1つ乃至、複数が設けられるが、尿センサー(尿に含まれる水分、塩分、アンモニア、たんぱく質、イオン、その他の無機質や有機質で尿に通常含まれる成分を検出する検出器のうち、一つ乃至はそれが組み合わされたセンサー)が装着されている事が好ましい。また、オムツが主目的として取り扱う排出物によって、センサー1や2の組み合わせを変更することがより望ましい。 ・・・ 【0029】 センサー2には、配線3の末端が電気的に接続されている。その接続方法については本実施例により開示はしないが、一般に周知の方法でこれを成す。即ち、金属(金属等の導電性材料を称する)配線材料や、金属薄膜、金属スレッド、金属がコーティングされた繊維、導電性インクによる印刷配線、その他の方法による配線をオムツに装備する。 【0030】 センサー2が接続された配線3の末端とは別の末端にはオムツ濡れ検知装置10が接続されている。オムツ濡れ検知装置10は配線3を通じてセンサー2の出力を検知する。 【0031】 オムツ濡れ検出装置10は、望ましくは、オムツ1からは着脱可能とし、オムツ1の交換の際にはオムツ1だけを交換して、オムツ濡れ検出装置10は再利用可能とする。この事より、オムツ濡れ検出装置10は使い捨てにならず、資源や資材の有効活用が図れる。 ・・・ 【0035】 オムツ濡れ検知装置10は、電磁的作用により受信機20に対して情報を通信35行なう。電磁的作用による通信には、電気的ないしは光学的な作用による有線通信、電波、磁気、赤外線、可視光による無線通信が含まれる。通信35により、センサー2、センサー11、オムツ濡れ検出装置10が有するID番号や時刻の情報を受信機20に対して送信する事が出来る。 ・・・ 【0037】 受信機20と情報処理装置21とは、通信網30を通じて接続されている。ここで、通信網30の形態はここでは問題でない。或いは、通信網30は存在せず、受信機20と情報処理装置21とは直接接続されているか、或いは実質的に一体のもの(例えば、同一筐体の中に形成されている状態)として形成されていても構わない。 ・・・ 【0044】 このような、オムツ濡れ検出装置10と受信機23の連携により、例えば、センサー11が何らかの情報を検出し、それを情報処理装置21のプログラムが後述のような警告を発する条件に達したと判断した際、情報処理装置21は受信機23の入出力装置24に警告と情報提供を行い、オムツ装着者に対する処置を促す。受信機23の利用者は、入出力装置24に現れた警告と情報提供により必要な措置内容を確認する。さらに、必要に応じて、受信機23の入出力装置24を操作して情報処理層と21に警告や情報を確認した旨の登録を行なったり、センサー2の入力情報を情報処理装置21を経由して入出力装置24に出力させたり(例えば、装着者に異変が無いかを音や音声等により確認)、入出力装置24に対する入力情報を出力装置12に出力させたり(例えば、受信機23の利用者からオムツの利用者に対する確認メッセージや、音声による伝言など)、等々、受信機23の利用者とオムツの利用者とで双方向のメッセージ交換が可能になる。」、 図1 「 [図:0001420841000018.jpg] 」 (イ)対比 本件補正発明と引用発明とを対比するにあたり、本件補正発明の「使い捨て可能着用可能デバイス」について、まずは(イ-1)において、目的外補正にならないと判断した解釈αを採用した場合の対比を行う。その後(イ-2)において、目的外補正になると判断した解釈βを採用した場合の対比も念のため行う。 (イ-1)解釈αを採用した場合 まず、両者における前提となる相当関係について整理し、その後、本件補正発明の構成単位順に各構成単位毎の相当関係について検討する。 a 前提となる相当関係について (a)構成cの「吸収性物品」は、「老人や乳幼児の尿又は便等の排泄物を吸収するおむつ、尿取りパッド等であり」、これらは一般的に使い捨て可能であることから、解釈αを踏まえると、構成Bの「使い捨て可能着用可能デバイス」に相当する。 (b)構成fで「温度センサ1a」の検知信号から「温度上昇検知手段31」により「温度上昇があったこと」が判定された場合に、「ガスセンサ1b」のガス検知信号に基づいて「ガス検知出力変化検知手段32」がガス出力の増加(減少)を判定すれば、「排尿排便判定手段34」が排便(構成h)(排尿(構成j))と判断されるのであるから、構成aの「温度センサ1a、ガスセンサ1b」を併せたものは、少なくとも排尿(という事象)の判断が該両センサの検知信号のみに基づいて行われる点で、構成B1において「身体老廃物の排泄に対応する」「事象の発生を検出する」のに使用される旨特定されるところの、構成Bの「第1のセンサ」に相当するといえる。ここで、構成jの「排尿」、「尿」はそれぞれ、構成B1の「身体老廃物の排泄」、「身体老廃物」に相当する。 (c)構成aの「色センサ1c」は、構成j~kにおいて、「排尿と判定」された場合に「排泄物の色を検知」する目的で用いられるものと特定され、該目的は構成B3の「身体老廃物に関連するカラー情報」の「取得」なる「第2のセンサ」の使用目的に相当するから、構成Bの「第2のセンサ」に相当するといえる。 (d)上記(a)~(c)を踏まえると、引用発明(構成b、構成a、構成d)の「吸収性物品」に「取り付けられ」た「温度センサ1a、ガスセンサ1b、色センサ1c」と、「マイクロコンピュータで構成され」る「温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34」とを併せたもの(以下「各種センサ・処理手段」という。)は、構成Bの「使い捨て可能着用可能デバイス」「に配置された第1のセンサ及び第2のセンサを備える」「前記センサ回路」に相当する。 b 構成Aについて 排尿や排便の存在自体が、健康状態の指標・データの一部を構成することは技術常識であるから、引用発明(構成d)の「警報手段53」が「排尿排便判定結果情報を警報により報知」することは、構成Aの「個人の健康状態をモニターする」ことに相当する。 また、引用発明(構成a、構成d)の「温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34」が「マイクロコンピュータで構成され」る「排泄検知装置の動作方法」は、構成Aの「コンピュータ実装式方法」に相当する。 よって、引用発明の「警報手段53」が「排尿排便判定結果情報を警報により報知」するための、「温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34」が「マイクロコンピュータで構成され」る「排泄検知装置の動作方法」は、構成Aの「個人の健康状態をモニターするためのコンピュータ実装式方法」に相当する。 c 構成Bについて 上記aの相当関係を踏まえれば、引用発明(構成a、構成b、構成d)の「各種センサ・処理手段」を備える「吸収性物品」であって、「各種センサ・処理手段」が、「吸収性物品の外側表面に取り付けら」れた「温度センサ1a、ガスセンサ1b及び色センサ1c」を含む「吸収性物品」と、 構成Bの「センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイスであって、前記センサ回路が前記使い捨て可能着用可能デバイスの内側に配置された第1のセンサ及び第2のセンサを備える、使い捨て可能着用可能デバイス」とは、 「センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイスであって、前記センサ回路が前記使い捨て可能着用可能デバイス」「に配置された第1のセンサ及び第2のセンサを備える、使い捨て可能着用可能デバイス」の点で共通する。 d 構成B-構成B1について 引用発明(構成j)の「排尿」は、構成B1の「身体老廃物の排泄に対応する」「事象」に相当し、引用発明(構成j)の「尿」は、構成B1の「身体老廃物」に相当する。 よって、引用発明(構成e、構成j)の「各種センサ・処理手段」を備える「吸収性物品」において、 「ガスセンサ1b及び温度センサ1aのセンサ出力特性を利用して」、「排尿排便判定手段34」が、「ステップS21」において「排尿と判定」することは、 構成Bの「センサ回路を備える」「使い捨て可能着用可能デバイスにおいて」、 構成B1の「前記センサ回路の前記第1のセンサを使用して、事象の発生を検出することであって、前記事象は身体老廃物の排泄に対応する、検出すること」に相当する。 e 構成B-構成B2について 引用発明(、構成j)の「各種センサ・処理手段」を備える「吸収性物品」において、 「排尿排便判定手段34」が、「ステップS21」において「排尿と判定し」た場合、「ステップS23」において「色センサ1cを起動させ」ることは、 構成Bの「センサ回路を備える」「使い捨て可能着用可能デバイスにおいて」、 構成B2の「事象の前記発生を検出することに応答して、前記第1のセンサと異なる前記センサ回路の前記第2のセンサを起動すること」に相当する。 f 構成B-構成B3について 引用発明(構成k)の「各種センサ・処理手段」を備える「吸収性物品」において、 「色センサ1c」を使用して、「色判定手段33」が、「ステップS21」において「排尿と判定し」たときの「排泄物の色」が、「ステップS25」において「茶色かどうかを判定」することは、 構成Bの「センサ回路を備える」「使い捨て可能着用可能デバイスにおいて」、 構成B3の「前記第2のセンサを使用して、前記身体老廃物に関連するカラー情報を取得(capture)すること」に相当する。 g 構成C-構成C1について 引用発明(構成h、構成l)の「排尿」「判定」のための「ガス出力変化検知信号」、及び「排尿と判定し」たときの「排泄物の色」が「茶色かどうかを判定」した「色判定信号」は、排尿の存在自体が、健康状態の指標・データの一部を構成することは技術常識であることから、構成C1の「前記事象の発生及び取得した前記カラー情報に関連する健康データ」に相当する。 よって、引用発明の「各種センサ・処理手段」を備える「吸収性物品」において、 「排尿排便判定手段34」が、「排尿」「判定」のための「ガス出力変化検知信号」を、「ステップS13」において「ガス検知出力変化検知手段32」から受け取ること、及び、「ステップS21」において「排尿と判定し」たときの「排泄物の色」が、「ステップS25」において「茶色かどうかを判定」した「色判定信号」を「色判定手段33」から受け取ることと、 構成Cの「外部デバイスにおいて」、 構成C1の「前記事象の発生及び取得した前記カラー情報に関連する健康データを、前記センサ回路から受け取ること」とは、 「前記事象の発生及び取得した前記カラー情報に関連する健康データを、前記センサ回路から受け取ること」の点で共通する。 h 構成C-構成C2について 上記dで説示したとおり、引用発明(構成j)の「排尿」は、構成B1の「身体老廃物の排泄に対応する」「事象」に相当し、引用発明(構成j)の「尿」は、構成B1の「身体老廃物」に相当する。 そして、引用発明(構成l)の「排尿排便判定手段34」が、「ステップS21」において「排尿と判定し」たときの「排泄物の色」が「茶色かどうかを判定」した「色判定信号に基づき」、「ステップS17」において、「排尿後に排便があったと判定」することは、「尿」のみ、「尿と便とを組み合わせた尿便」といった複数の所定の「尿」タイプから「判定」される、「排尿」に対応する「尿」タイプのうち、「尿」のみタイプでなく、「尿と便とを組み合わせた尿便」のタイプであることを判定することに他ならない。すると、引用発明の複数の所定の「尿」タイプから判定される、「排尿」に対応する「尿と便とを組み合わせた尿便」のタイプを判定することは、構成C2の「複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別すること」に相当する。 よって、引用発明の「各種センサ・処理手段」を備える「吸収性物品」において、 「排尿排便判定手段34」が、「ステップS21」において「排尿と判定し」たときの「排泄物の色」が「茶色かどうかを判定」した「色判定信号に基づき」、「ステップS17」において、「排尿後に排便があったと判定」することと、 構成Cの「外部デバイスにおいて」、 構成C2の「前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別すること」とは、 「前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別すること」の点で共通する。 i 構成C-構成C3について 引用発明(構成d、構成l)の「各種センサ・処理手段」を備える「吸収性物品」において、 「排尿排便判定手段34」が、「ステップS17」において「排尿後に排便があったと判定し」た「排便判定結果情報を」、「ステップS18」において「受信装置5」の「警報手段53」「に出力」することと、 構成Cの「外部デバイスにおいて」、 構成C3の「前記識別された身体老廃物タイプを示す出力を提供すること」とは、 「前記識別された身体老廃物タイプを示す出力を提供すること」の点で共通する。 (イ-2)解釈βを採用した場合 構成B以外の対比については、上記(イ-1)から何ら変更点はない。 構成Bの「センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイス」は、「センサ回路を備える」「デバイス」全体が「使い捨て可能着用可能」であると解せる。 そして、引用発明(構成a、構成b、構成d)では、「吸収性物品」が、使い捨て可能着用可能であるものの、「各種センサ・処理手段」が、使い捨て可能着用可能であるかは不明である。 すると、引用発明(構成a、構成b、構成d)の「各種センサ・処理手段」と「吸収性物品」とを併せたものであって、「各種センサ・処理手段」が、「吸収性物品の外側表面に取り付けら」れた「温度センサ1a、ガスセンサ1b及び色センサ1c」を含む、「各種センサ・処理手段」と「吸収性物品」を併せたものと、 構成Bの「センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイスであって、前記センサ回路が前記使い捨て可能着用可能デバイスの内側に配置された第1のセンサ及び第2のセンサを備える、使い捨て可能着用可能デバイス」とは、 「センサ回路を備える」「デバイスであって、前記センサ回路が前記」「デバイス」「に配置された第1のセンサ及び第2のセンサを備える、」「デバイス」の点で共通する。 (ウ)一致点・相違点 (ウ-1)解釈αを採用した場合 上記(イ-1)から、本件補正発明と引用発明とは、下記aの点で一致し、下記bの各点で相違する。 a 一致点 「A 個人の健康状態をモニターするためのコンピュータ実装式方法であって、 B’ センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイスであって、前記センサ回路が前記使い捨て可能着用可能デバイスに配置された第1のセンサ及び第2のセンサを備える、使い捨て可能着用可能デバイスにおいて、 B1 前記センサ回路の前記第1のセンサを使用して、事象の発生を検出することであって、前記事象は身体老廃物の排泄に対応する、検出することと、 B2 事象の前記発生を検出することに応答して、前記第1のセンサと異なる前記センサ回路の前記第2のセンサを起動することと、 B3 前記第2のセンサを使用して、前記身体老廃物に関連するカラー情報を取得(capture)することと、 を含み、 C1 前記事象の発生及び取得した前記カラー情報に関連する健康データを、前記センサ回路から受け取ることと、 C2 前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別することと、 C3 前記識別された身体老廃物タイプを示す出力を提供することと D を含む、方法。」 b 相違点 (a)相違点1(構成B) 第1のセンサ及び第2のセンサが、本件補正発明では、使い捨て可能着用可能デバイスの「内側」に配置されるのに対し、引用発明では、吸収性物品の外側表面に取り付けられる点。 (b)相違点2(構成C) C1~C3を、本件補正発明では、「外部デバイスにおいて」するのに対し、引用発明では、「各種センサ・処理手段」を備える「吸収性物品」において、「排尿排便判定手段34」がする点。 (ウ-2)解釈βを採用した場合 上記(イ-2)から、本件補正発明と引用発明とは、下記aの点で一致し、上記相違点1、2に加えて下記bの点で相違する。 a 一致点 「A 個人の健康状態をモニターするためのコンピュータ実装式方法であって、 B’’センサ回路を備えるデバイスであって、前記センサ回路が前記デバイスに配置された第1のセンサ及び第2のセンサを備える、デバイスにおいて、 B1 前記センサ回路の前記第1のセンサを使用して、事象の発生を検出することであって、前記事象は身体老廃物の排泄に対応する、検出することと、 B2 事象の前記発生を検出することに応答して、前記第1のセンサと異なる前記センサ回路の前記第2のセンサを起動することと、 B3 前記第2のセンサを使用して、前記身体老廃物に関連するカラー情報を取得(capture)することと、 を含み、 C1 前記事象の発生及び取得した前記カラー情報に関連する健康データを、前記センサ回路から受け取ることと、 C2 前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別することと、 C3 前記識別された身体老廃物タイプを示す出力を提供することと D を含む、方法。」 b 相違点 相違点3(構成B) センサ回路を備えるデバイスが、本件補正発明では、「使い捨て可能着用可能」であるのに対し、引用発明では、「吸収性物品」は、使い捨て可能着用可能であるものの、「各種センサ・処理手段」が、使い捨て可能着用可能であるかは不明である点。 (エ)判断 (エ-1)解釈αを採用した場合 以下、各相違点について検討する。 a 相違点1について 被装着者が装着しているおむつ内への排便・排尿を検知する排泄検知装置において、おむつの内側・内部に、温度センサ・ガスセンサ・色センサなどの各種センサを配置することは、例えば、特開平9-290001号公報(【0008】、【0016】~【0018】、【0035】~【0037】、図3)、特開2002-301098号公報(【請求項1】、【請求項4】、【0012】、【0022】、【0024】、図1)、特開2001-314433号公報(【請求項2】、【請求項3】、【0007】、【0022】、【0023】、【0027】、【0032】~【0036】、図1、図2、図4、図5)、特開2006-296566号公報(【0006】、【0012】、【0017】、図1、図2)、特開2000-93447号公報(【0016】、【0027】、【0028】、図1)などによっても裏付けられているように、周知の技術(以下「周知技術1」という。)である。 そして、引用発明に係る引用文献1及び上記周知技術1として例示された各文献は、いずれも、おむつ内への排便・排尿を検知する排泄検知装置に関するものであるから、信頼性良く効率的に検知できるようにすることは当然の課題であるところ、上記(ア-2)で摘記した周知文献1(【0024】)には、センサをおむつの外側に配置すること、センサをおむつの内側・内部に配置すること、について記載されており、また、上記例示された特開平9-290001号公報(【0016】)には、「おむつの内側の汚れや状態を検出するために、最も効果的におむつの汚れを検出可能な位置に配置する」と記載されていることからも、センサを信頼性良く効率的に検知可能な位置(外側又は内側・内部の適切な位置)に配置することは、当然のことである。 してみると、引用発明において、信頼性良く効率的に検知すべく上記周知技術1を適用し、温度センサ1a、ガスセンサ1b及び色センサ1cを吸収性物品の「内側」に配置すること(相違点1に係る本件補正発明の構成とすること)は、当業者が容易に選択し得る程度のことである。 なお、引用発明では、おむつに取り付けたセンサによって介護対象者が不快にならないようにすることを解決すべき課題(【0012】)の一つとし、センサをおむつ外側表面に取り付けることを課題解決手段としている(【0038】)が、当該課題は周知のものであるし、該課題の解決には様々な周知の手段が選択し得る(例えば、上記例示された特開2006-296566号公報(【0017】)、特開2001-314433号公報(【請求項2】、上記(ア-5)で摘記した周知文献4(【0032】))では、センサを柔軟性を有するシート状に形成するなど)ことから、当該課題・当該課題解決手段が、引用発明において、上記周知技術1を適用することの阻害要因になり得ない。 b 相違点2について 被装着者が装着しているおむつ内の排便・排尿を検知する排泄検知装置において、おむつに配置したセンサからのセンサ信号を、外部コンピュータに送信し、外部コンピュータが、送信されたセンサ信号に対して処理を行うことは、上記(ア-6)で摘記した周知文献5、上記周知技術1として例示した特開2001-314433号公報(【0027】、【0032】~【0036】、図1、図4、図5)によっても裏付けられているように、周知の技術(以下「周知技術2」という。)である。 そして、複数のコンピュータを用いて、一連の複数の処理を分割して行うことは、技術常識にすぎないことから、引用発明の「各種センサ・処理手段」を備える「吸収性物品」において、上記周知技術2を考慮すると、「マイクロコンピュータで構成され」る「温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33、排尿排便判定手段34」における一連の複数の処理を、「吸収性物品」が備える「マイクロコンピュータで構成され」る「温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33」と、外部の「マイクロコンピュータで構成され」る「排尿排便判定手段34」とに分割して行うことは、処理内容やコンピュータ性能等のデバイス環境や、介護者や介護対象者の人数等の使用環境を踏まえて、当業者が適宜決定すべき事項にすぎない。 よって、引用発明において、上記周知技術2及び上記技術常識に照らし、C1~C3をする「排尿排便判定手段34」を、外部の「マイクロコンピュータで構成」すること(相違点2に係る本件補正発明の構成とすること)は、当業者が容易に想到し得ることである。 c 効果について 本件補正発明が奏する作用効果は、引用発明、上記周知技術1及び2、上記技術常識が奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (エ-2)解釈βを採用した場合 相違点1及び2の判断については、上記(エ-1)のとおりである。 ・相違点3について 被装着者が装着しているおむつ内の排便・排尿を検知する排泄検知装置において、おむつに備えた電気回路の一部又は全部を、電気回路にかかるコスト等を考慮し、使い捨て又は再利用のいずれかを選択することは、上記(ア-5)で摘記した周知文献4によっても裏付けられているように、周知の技術(以下「周知技術3」という。)である。 してみれば、引用発明において、上記周知技術3を適用し、「吸収性物品」が備える「温度上昇検知手段31、ガス検知出力変化検知手段32、色判定手段33」を、「吸収性物品」と併せて使い捨てにすること(相違点3に係る本件補正発明の構成とすること)は、コスト等を考慮し当業者が適宜決定すべき事項にすぎない。 また、本件補正発明が奏する作用効果は、引用発明、上記周知技術1~3、上記技術常識が奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (オ)小括 したがって、解釈αを採用した場合、本件補正発明は、引用発明、上記周知技術1及び2、上記技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。また、解釈βを採用した場合であっても、本件補正発明は、引用発明、上記周知技術1~3、上記技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 (カ)請求人の主張について a 審判請求書における請求人の主張 審判請求書において、請求人は、本件補正発明と引用文献1に記載された発明との相違点について、以下のように主張している(下線は請求人によるもの)。 (a)「引用文献1において、補正後の請求項に係る発明は教示も示唆もされていない。例えば、引用文献では、外部デバイスにおいて、「前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別すること」に係る発明は、教示も示唆もされていない。」 (b)「引用文献1における温度センサ1a及びガスセンサ1bは、おむつの外側に装着されるものである。引用文献1において、「センサ回路を備える使い捨て可能着用可能デバイスであって、前記センサ回路が前記使い捨て可能着用可能デバイスの内側に配置された「第1のセンサ」及び「第2のセンサ」を備える、使い捨て可能着用可能デバイス」に係る発明は、教示も示唆もされていない。」 (c)「引用文献1では、「前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別すること」に係る発明は、教示も示唆もされていない。 すなわち、引用文献1の排泄検知装置は、ステップS11-S13において、おむつの温度の変化及びおむつ内のガスの変化に基づき(それぞれ温度センサ1aからの信号及びガスセンサ1bからの信号を用いることにより)、排泄が起きたかどうかを決定する。さらに、引用文献1の排泄検知装置は、ステップS15において、温度及びガスの変化に基づき、排泄が排尿と排便のどちらであるかを決定する。このように、引用文献1の排泄検知装置においては、「第1のセンサ」とされる温度センサ1a及びガスセンサ1bが、「前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別する」ために使用される。 さらに、引用文献1の排泄検知装置においては、最初の排泄が排尿である場合に、「第2のセンサ」とされる色センサが起動される。一方、この色センサからの出力は、「前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別する」ためには使用されない。すなわち、色センサからの出力は、排尿に続く排泄が、排便であるかどうかを識別するのに用いられる(引用文献1、段落0031)。この際、身体老廃物のタイプは、上述の通り、「第1のセンサ」とされる温度センサ1a及びガスセンサ1bの出力に基づき、既に決定されている。」 (d)「なお、原査定では、「引用文献1の図2のS15における判定に関わらず、色センサ1cを起動し、確認的な判定等を行うことに、特段の困難性は見出せない」と判断されているが、この判断は適切な判断ではない。 引用文献1において、「確認的な判定等を行うこと」は、教示も示唆もされていない。実際、原査定では、引用文献1に記載の方法において、当業者が「確認的な判定等を行うこと」を動機付けるに足る、いかなる根拠も記載されていない。 また、仮に、引用文献1に記載の排泄検知装置を原査定の判断にあるように改変するとすれば、当該装置の電力消費が増加し、この点で当該装置の性能に不利に働くから、当業者は、引用文献1に基づき、引用文献1に記載の排泄検知装置を改変する動機をもたないであろう。」 (e)「さらに、引用文献2-6の記載は、引用文献1の記載の不足を補填し得るものではない。例えば、引用文献2-6において、「前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別すること」に係る発明を教示も示唆もしない。したがって、補正後の請求項に係る発明は、たとえ引用文献2-6を参照したとしても、引用文献1に基づき容易に想到できた発明ではない。」 b 請求人の主張について (a)上記(a)の主張については、「(イ)対比(イ-1)」の「h 構成C-構成C2について」及び「(エ)判断(エ-1)」の「b 相違点2について」において説示したとおりであるから、採用できない。 (b)上記(b)の主張については、「(イ)対比(イ-1)」の「c 構成Bについて」及び「(エ)判断(エ-1)」の「a 相違点1について」において説示したとおりであるから、採用できない。 (c)上記(c)の主張については、「(イ)対比(イ-1)」の「h 構成C-構成C2について」において説示したとおりであるから、採用できない。 (d)上記(d)の主張については、「(イ)対比(イ-1)」の「e 構成B-構成B2について」において説示したとおりであるから、採用できない。 (e)上記(e)の主張については、「(エ)判断」において説示したとおりであるから、採用できない。 (キ)進歩性のまとめ 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、上記周知技術1及び2、上記技術常識に基づいて、又は、引用発明、上記周知技術1~3、上記技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 3 本件補正についてのむすび 上記2(2)において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第5項に規定する要件に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 また、上記2(3)イ及びウにおいて検討したことからみて、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和5年6月29日にされた手続補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~12に係る発明は、令和4年11月10日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~12に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2の1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明については、その優先日前に頒布された引用文献1に記載された発明である、又は、前記引用文献1に記載された発明に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、第29条第2項の規定により、特許を受けることができない、というものである。 3 引用文献等 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献及びその記載事項は、上記第2の2(4)ウ(ア)に記載したとおりである。 4 対比・判断 上記第2の2(4)ウ(イ)の(イ-1)の対比を踏まえると、本願発明と引用発明とは、下記の点で一致する。 <一致点> 「pA 人の健康状態をモニターするためのコンピュータ実装式方法であって、 pB1 使い捨て可能物品の第1のセンサを使用して、事象の発生を検出することであって、前記事象は身体老廃物の排泄に対応する、検出することと、 pB2 事象の前記発生を検出することに応答して、前記第1のセンサと異なる前記使い捨て可能物品の第2のセンサを起動することと、 pB3 前記第2のセンサを使用して、前記身体老廃物に関連するカラー情報を取得(capture)することと、 pC2 前記取得したカラー情報に基づいて、複数の所定の身体老廃物タイプから識別される、前記事象に対応する身体老廃物タイプを識別することと、 pC3 前記識別された身体老廃物タイプを示す出力を提供することと pD を含む、方法。」 すると、本願発明と引用発明との間に実質的な相違点はない。 したがって、本願発明は、引用発明である、又は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-010863

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