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特許拒絶査定不服審判

2023-013887

事前接続された分析物センサ

審判番号
2023-013887
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-522951
請求日
2023年08月17日
審決日
2024年10月01日
公報発行日
2025年03月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】デックスコム・インコーポレーテッド
  • 【請求人代理人】村山 靖彦
  • 【請求人代理人】実広 信哉
  • 【請求人代理人】阿部 達彦
審判長/審判官
  • 審判長 樋口 宗彦
  • 審判官 三崎 仁
  • 審判官 松本 隆彦
分類
P18 .121-Z (A61B) / P18 .572-Z (A61B) / P18 .573-Z (A61B) / P18 .574-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-522951「事前接続された分析物センサ」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 5月 2日国際公開、WO2019/083939、令和 3年 1月 7日国内公表、特表2021-500162〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)10月23日(パリ条約による優先権主張2017年10月24日(以下「優先日」という。)、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和3年10月13日 :手続補正書の提出 令和4年 8月31日付け:拒絶理由通知書 令和5年 3月 6日 :意見書、手続補正書の提出 同年 4月 5日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 同年 8月17日 :審判請求書、手続補正書の提出 同年10月12日 :上申書の提出 令和6年 1月10日 :上申書の提出 令和5年8月17日提出の手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)は、審判の請求と同時になされたものである。 なお、令和5年10月12日提出の上申書は、実質的な内容を伴う上申書を提出する予定があることを述べたものであり、令和6年1月10日に手続補正書案が添付された上申書が提出された。 第2 本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の請求項1の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。 「【請求項1】 ウェアラブルデバイスであって、 ハウジングと、 分析物センサからの信号を処理するように構成された電子回路であって、前記ハウジング内に封入されている、電子回路と、 前記ハウジングの外側に位置付けられた遠位部分を有する分析物センサと、 前記分析物センサの近位部分と前記電子回路との両方への電気接続を有する中間本体と、を備え、 前記中間本体と前記分析物センサの前記近位部分との間の前記電気接続が、前記ハウジングの外部にあり、 前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサは、事前接続されたセンサであり、前記分析物センサは、前記センサに取り外し可能に事前取り付けされている、ウェアラブルデバイス。」(下線は補正箇所である。) (2)本件補正前の請求項1の記載 本件補正前の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 ウェアラブルデバイスであって、 ハウジングと、 分析物センサからの信号を処理するように構成された電子回路であって、前記ハウジング内に封入されている、電子回路と、 前記ハウジングの外側に位置付けられた遠位部分を有する分析物センサと、 前記分析物センサの近位部分と前記電子回路との両方への電気接続を有する中間本体と、を備え、 前記中間本体と前記分析物センサの前記近位部分との間の前記電気接続が、前記ハウジングの外部にあり、 前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサが、前記ウェアラブルデバイスに取り外し可能に事前取り付けされている、ウェアラブルデバイス。」 2 補正の適否 (1)補正の目的について 本件補正の請求項1についての補正は、「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサが、前記ウェアラブルデバイスに取り外し可能に事前取り付けされている」を「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサは、事前接続されたセンサであり、前記分析物センサは、前記センサに取り外し可能に事前取り付けされている」とするものである。 ア 「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサが、前記ウェアラブルデバイスに取り外し可能に事前取り付けされている」を「前記分析物センサは、前記センサに取り外し可能に事前取り付けされている」(下線は対応関係について当審で付与した)とする補正は、「分析物センサと中間本体とを含むセンサ」と「ウェアラブルデバイス」との対応関係についての特定事項を、「分析物センサ」と「分析物センサと中間本体とを含むセンサ」との対応関係についての特定事項に変更するものであるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的としたものには該当しない。さらに、当該変更は、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれの事項を目的とするものにも該当しない。 したがって、本件補正の請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しないものを含むものであるから、同法第17条の2第5項の規定に違反するものである。 イ また、本件補正の請求項1についての補正は、「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサ」を「事前接続されたセンサ」に限定することを含む補正でもあり、当該補正によって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明とで産業上の利用分野及び解決しようとする課題が変わるものでもないことから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的としたものを含むものであるといえる。 なお、請求人は、審判請求書において「2.補正について 令和5年8月17日付け手続補正書では、請求項1に「前記分析物センサと前記中間体とを含むセンサは、事前接続されたセンサであり」という特徴を追加しました。」と説明している。 そこで、上記1(1)で記載した本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (2)独立特許要件について ア 引用文献1について (ア)記載事項 本願の優先日前に頒布され、下記第3の2で記載する原査定の拒絶の理由において引用された引用文献1(米国特許出願公開第2016/331283号明細書)には、次の事項が記載されている。なお、英文のあとに当審訳を記載し、下線は以下の(イ)で記載する引用発明に関連する箇所に当審において付与したものである。 (引1ア) 「[0077] FIG.1 is a conceptual diagram depicting an example embodiment of an analyte monitoring system 100 that includes a sensor applicator 150, a sensor control device 102, and a reader device 120. Here, sensor applicator 150 can be used to deliver sensor control device 102 to a monitoring location on a user's skin where a sensor 104 is maintained in position for a period of time by an adhesive patch 105. ・・・ [0087] FIG. 3F is a proximal perspective view depicting an example embodiment of a patient with sensor control device 102 in an applied position.」 ([0077]図1は、センサアプリケータ150、センサ制御装置102と、リーダ装置120を含む分析物モニターシステム100の一実施形態を示す概念図である。ここで、センサアプリケータ150は、センサ104が接着性パッチ105によってある期間保持される場所である、使用者の皮膚上でモニタする場所にセンサ制御装置102を供給するために使用することができる。 ・・・ [0087]図3Fは、適用された位置におけるセンサ制御装置102を備える患者の実施形態を示す近位斜視図である。) (引1イ) 「[0139] FIGS. 14A and 14B are a distal perspective view and a proximal perspective view, respectively, depicting an example embodiment of a distal portion of electronics housing 706. Shown here is a receptacle 2002 for receiving sensor module 504. ・・・ [0141] FIGS. 16A and 16B are a top perspective view and a bottom perspective view, respectively, depicting an example embodiment of sensor module 504. Module 504 can hold a connector 2300 (FIGS. 17A-B) and a sensor 104 (FIG. 18). ・・・ [0142] FIGS. 17A and 17B are perspective views depicting an example embodiment of connector 2300 in an open state and a closed state, respectively. Connector 2300 can be made of silicone rubber that encapsulates compliant carbon impregnated polymer modules that serve as electrical conductive contacts 2302 between sensor 104 and electrical circuitry contacts for the electronics within housing 706. The connector can also serve as a moisture barrier for sensor 104 when assembled in a compressed state after transfer from a container to an applicator and after application to a user's skin. A plurality of seal surfaces 2304 can provide a watertight seal for electrical contacts and sensor contacts. One or more hinges 2208 can connect two distal and proximal portions of connector 2300. [0143] FIG. 18 is a perspective view depicting an example embodiment of sensor 104. A neck 2406 can be a zone which allows folding of the sensor, for example ninety degrees. A membrane on tail 2408 can cover an active analyte sensing element of the sensor 104. Tail 2408 can be the portion of sensor 104 that resides under a user's skin after insertion. A flag 2404 can contain contacts and a sealing surface.・・・Contacts 2418 can electrically couple the active portion of the sensor to connector 2300.」 ([0139]図14A及び図14Bは、電子部品のハウジング706の遠位部分の実施形態を示す遠位斜視図と近位斜視図である。ここに、センサモジュール504を受け入れるためのレセプタクル2002があることが示されている。 ・・・ [0141]図16A及び図16Bは、上面斜視図及び底部斜視図であり、それぞれ、センサモジュール504の実施形態を示している。モジュール504は、コネクタ2300(図17A-B)とセンサ104(図18)を保持することができる。 ・・・ [0142]図17A及び図17Bは、それぞれ、開いた状態と閉じた状態にあるコネクタ2300の実施形態を示す斜視図である。コネクタ2300は、柔軟なカーボン含浸ポリマーモジュールを包むシリコーンゴムからなり、センサ104とハウジング706の内部にある電子部品である電子回路との間の導電性接点2302として機能している。コネクタは、また、コンテナからアプリケータに、そして、使用者の皮膚に適用した後の圧縮された状態の時に、センサ104に対する防湿層としても機能することができる。複数のシール面2304は、電気接点及びセンサ接点のための防水シールを提供することができる。一又は複数のヒンジ2208は、コネクタ2300の2つの遠位部分と近位部分を接続することができる。 [0143]図18は、センサ104の実施形態を示す斜視図である。ネック2406は、例えば90度でセンサの折畳みを可能とする領域とすることができる。尾部2408上の膜は、センサ104の活性分析物のセンサ素子を覆うことができる。尾部2408は、挿入後に使用者の皮膚の下に位置するセンサ104の部分である。フラグ部分2404は、電気接点及びシール表面を含むことができる。・・・電気接点2418は、センサの活性部分をコネクタ2300に電気的に接続することができる。) (引1ウ) 「[0148] FIGS. 21A-D are distal perspective, proximal perspective, side, and distal end views, respectively, depicting an additional example embodiment of electronics housing 706. Here, receptacle 2002 can be seen where sensor module 504 can be received during assembly. Adhesive 2102 is present on adhesive layer 105. Outer seal 2028 can protect the electronics in the interior of electronics housing 706.」 ([0148]図21A-Dは、遠位斜視図側、近位斜視図、側面図、及び遠位端面図であり、それぞれ、電子部品のハウジング706の追加の実施形態を示している。ここで、レセプタクル2002は、センサモジュール504が組み立て中に受け入れられる場所であることが分かる。接着剤2102は、接着剤層105上に存在する。外側シール2028は、電子部品のハウジング706の内部の電子回路を保護することができる。) (引1エ)上記Fig.1(図1)の部分図、Fig.3F(図3F)、Fig.14A及びFig.14B(図14A及び図14B)、Fig.17A及びFig.17B(図17A及び図17B)、Fig.18(図18)、Fig.21A~Fig.21D(図21A~21D)として、以下の図面が記載されている。 図1 [図:0001419822000001.jpg] 図3F [図:0001419822000002.jpg] 図14A及び図14B [図:0001419822000003.jpg] [図:0001419822000004.jpg] 図17A及び図17B [図:0001419822000005.jpg] 図18 [図:0001419822000006.jpg] 図21A~21D [図:0001419822000007.jpg] (イ)図面からの看取事項 a 上記図14A及び図14Bを参照すると、「ハウジング706」にある「センサモジュール504を受け入れるためのレセプタクル2002」は、ハウジング外面上の凹部として看取される。 b 図17A及びB並びに図18を参照すると、センサ104のフラグ部分2404の形とコネクタ2300の開閉する面の形が同形状であることから、コネクタ2300が開いた状態でセンサ104のフラグ部分2404を入れ、その後閉じた状態にするものであることが看取できる。 (ウ)引用発明 上記(ア)及び(イ)を踏まえると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「使用者の皮膚上で分析物をモニタするセンサ制御装置102であって、 電子部品のハウジング706があり、ここにセンサモジュール504を受け入れるためのレセプタクル2002がハウジング外面上の凹部としてあり、 センサモジュール504は、コネクタ2300とセンサ104を保持しており、 コネクタ2300は、一又は複数のヒンジ2208により2つの遠位部分と近位部分を接続し、開いた状態と閉じた状態にすることができ、柔軟なカーボン含浸ポリマーモジュールを包むシリコーンゴムからなり、センサ104とハウジング706の内部にある電子部品である電子回路との間の導電性接点2302として機能しており、 センサ104は、尾部2408上の膜がセンサ104の活性分析物のセンサ素子を覆うことができ、尾部2408が挿入後に使用者の皮膚の下に位置するセンサ104の部分であり、フラグ部分2404が電気接点及びシール表面を含むことができ、電気接点2418は、センサの活性部分をコネクタ2300に電気的に接続することができるものであり、 そして、コネクタ2300が開いた状態でセンサ104のフラグ部分2404を入れ、その後閉じた状態にするものである、 センサ制御装置102。」 イ 対比 補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)ウェアラブルデバイスについて 引用発明の「使用者の皮膚上で分析物をモニタするセンサ制御装置102」は、使用者の皮膚上にある装置であるから、補正発明の「ウェアラブルデバイス」に相当する。 (イ)ハウジングについて 引用発明の「電子部品のハウジング706」は、補正発明の「ハウジング」に相当する。 (ウ)分析物センサについて 引用発明の「尾部2408上の膜がセンサ104の活性分析物のセンサ素子を覆うことができ、尾部2408が挿入後に使用者の皮膚の下に位置するセンサ104の部分」がある「センサ104」は、その尾部2408が挿入後に使用者の皮膚の下に位置することになり、ハウジングの外側に位置付けられた遠位部分となるから、補正発明の「ハウジングの外側に位置付けられた遠位部分を有する分析物センサ」に相当する。 (エ)電子回路について 引用発明において、「センサ104」の「電気接点2418は、センサの活性部分をコネクタ2300に電気的に接続」し、「コネクタ2300は」「センサ104とハウジング706の内部にある」「電子回路との間の導電性接点2302として機能」することから、「センサ104」からの電気的信号は「ハウジング706の内部にある」「電子回路」に送られているといえる。そして、「電子回路」とは、一般に電気的信号を処理する機能があるものである。 また、引用発明では、「電子回路」が「ハウジング706の内部にあ」り、上記(引1ウ)には、「外側シール2028は、電子部品のハウジング706の内部の電子回路を保護することができる」と特定されていることからも、電子部品である「電子回路」は「ハウジング706の内部に」封入されているともいえる。 そうすると、引用発明の「センサ104」の「電気接点2418は、センサの活性部分をコネクタ2300に電気的に接続」し、「コネクタ2300は」「センサ104とハウジング706の内部にある」「電子回路との間の導電性接点2302として機能」するところの「ハウジング706の内部にある」「電子回路」は、補正発明の「分析物センサからの信号を処理するように構成された電子回路であって、前記ハウジング内に封入されている、電子回路」に相当する。 (オ)中間本体について 引用発明の「センサ104」において「電気接点2418」がある「フラグ部分2404」は、「センサ104」の近位部分にあるから、引用発明の「センサ104とハウジング706の内部にある」「電子回路との間の導電性接点2302として機能」する「コネクタ2300」は、補正発明の「前記分析物センサの近位部分と前記電子回路との両方への電気接続を有する中間本体」に相当する。 (カ)センサについて 引用発明の「コネクタ2300とセンサ104を保持して」いる「センサモジュール504」は、補正発明の「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサ」に相当する。 (キ)中間本体と分析物センサとの電気接続について a 補正発明の「前記中間本体と前記分析物センサの前記近位部分との間の前記電気接続が、前記ハウジングの外部にあ」るということについて、本願明細書には、以下のとおり記載されている。 「【0047】 第5の態様によれば、ウェアラブルデバイスが提供される。ウェアラブルデバイスは、ハウジングと、分析物センサ信号を処理するように構成された電子回路と、を備える。電子回路は、ハウジング内に封入されている。分析物センサは、ハウジングの外側に位置付けられた遠位部分を有する。中間本体は、分析物センサの近位部分とエレクトロニクスとの両方への電気接続を有し、中間本体と分析物センサの近位部分との間の電気接続は、ハウジングの外部にある。 【0048】 第5の態様の一般的に適用可能な実施形態(すなわち、本明細書で特定される態様または実施形態のいずれかと独立して組み合わせることができる)において、中間本体は、ハウジングの外面に隣接して位置付けられてもよい。このデバイスは、エレクトロニクスと中間本体との両方に結合された電気接点を含んでもよい。中間本体は、導電性エポキシで電気接点に電気的に接続されてもよい。中間本体は、異方性導電フィルムで電気接点に電気的に接続されている。中間本体は、封止されていてもよい。電気接点は、ハウジングを通って延在してもよい。中間本体は、ハウジングの外面上の凹部に位置付けられてもよい。電気接点は、凹部内のハウジングを通って延在し、ハウジング内に封入された電子回路に中間本体を電気的に結合してもよい。中間本体は、凹部内でポリマーで覆われてもよい。」 b 一方、引用発明においては、「ハウジング外面上の凹部として」ある「レセプタクル2002」に「センサモジュール504」が「受け入れ」られ、その「センサモジュール504」は「コネクタ2300とセンサ104を保持」するものである。そして、引用発明の「センサ104」において「電気接点2418」がある「フラグ部分2404」は「センサ104」の近位部分にあり、「コネクタ2300は」「センサ104とハウジング706の内部にある」「電子回路との間の導電性接点2302として機能」するものである。 そうすると、「コネクタ2300」と「センサ104」の近位部分にある「フラグ部分2404」の「電気接点2418」との電気接続は、「ハウジング外面上の凹部」にあることになる。 c 上記a及びbを踏まえると、引用発明の「ハウジング外面上の凹部として」ある「レセプタクル2002」に「センサモジュール504」が「受け入れ」られるということは、補正発明の「前記中間本体と前記分析物センサの前記近位部分との間の前記電気接続が、前記ハウジングの外部にあ」るということを満たしているといえる。 (ク)一致点・相違点について 上記(ア)~(キ)を踏まえると、補正発明と引用発明とは、 (一致点) 「ウェアラブルデバイスであって、 ハウジングと、 分析物センサからの信号を処理するように構成された電子回路であって、前記ハウジング内に封入されている、電子回路と、 前記ハウジングの外側に位置付けられた遠位部分を有する分析物センサと、 前記分析物センサの近位部分と前記電子回路との両方への電気接続を有する中間本体と、を備え、 前記中間本体と前記分析物センサの前記近位部分との間の前記電気接続が、前記ハウジングの外部にあり、 前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサがある、ウェアラブルデバイス。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1) 分析物センサと中間本体とを含むセンサが、補正発明では「事前接続された」センサであるのに対し、引用発明ではそのようなものかどうか不明である点。 (相違点2) 分析物センサが、補正発明では「前記センサに取り外し可能に事前取り付けされている」のに対し、引用発明ではそのようなものかどうか不明である点。 ウ 相違点の判断 (ア)相違点1について a 補正発明の「事前接続されたセンサ」について、本願明細書には、 「【0107】 いくつかの例示的な実装態様では、分析物センサ138は、酵素、化学、物理、電気化学、分光測光、偏光、測色、イオン導入、放射測定、免疫化学などの1つ以上の測定技術を使用して血液または間質液中のグルコースを測定するように構成されたグルコースセンサを備えてもよい。」 「【0143】図4Aは、事前接続されたセンサ400の概略図を示す。図4Aに示すように、事前接続されたセンサ400は、センサ138に恒久的に取り付けられたセンサキャリア402を含む。図4Aの例では、センサキャリア402は、基板404などの中間本体を含み、第1の内部接点406および第2の内部接点408などの1つ以上の接点も含む。第1の内部接点406は、センサ138の近位端の第1の接点に電気的に結合され、接点内部接点408は、センサ138の近位端の第2の接点に電気的に結合される。」 と記載されていることから、分析物センサ138と中間本体とを事前に(電気的)接続されることをいう。 b 一方、引用発明では、「コネクタ2300は」「センサ104とハウジング706の内部にある」「電子回路との間の導電性接点2302として機能」するものであるから、センサ104とコネクタ2300は電気的に接続されるものである。 そして、引用発明は「コネクタ2300が開いた状態でセンサ104のフラグ部分2404を入れ、その後閉じた状態にするものである」ことを踏まえると、「コネクタ2300とセンサ104を保持」する「センサモジュール504」を、「ハウジング外面上の凹部として」の「レセプタクル2002」に受け入れさせる際に、「コネクタ2300」を「レセプタクル2002」に入れてから、「コネクタ2300」を「開いた状態」とし「センサ104のフラグ部分2404を入れ」て接続させることは、上記図14A及びB、図17A及びB並びに図18を鑑みるに想定されるものとはいえず、「コネクタ2300が開いた状態でセンサ104のフラグ部分2404を入れ」、センサ104を事前に接続させたのち「閉じた状態」とし、そして、その「コネクタ2300」を「レセプタクル2002」に入れ込むというのが相当である。 c そうすると、引用発明の「センサモジュール504」は、センサ104とコネクタ2300とが「事前接続された」センサであるといえることから、上記相違点1は実質的な相違点ではない。 (イ)相違点2について 引用発明は「コネクタ2300が開いた状態でセンサ104のフラグ部分2404を入れ、その後閉じた状態にするものである」ところ、「コネクタ2300は、一又は複数のヒンジ2208により2つの遠位部分と近位部分を接続し、開いた状態と閉じた状態にすることができ」るものであり、センサ104のフラグ部分2404が入って「閉じた状態」にあるコネクタ2300を再び「開いた状態」にできるものであるから、センサ104(フラグ部分2404)をコネクタ2300に事前に取り付ける際に、コネクタ2300に「取り外し可能に」取り付けること、すなわち、コネクタ2300を保持する「センサモジュール504」に「取り外し可能に」取り付けることは当業者が容易になし得たことである。 エ 請求人の主張 (ア)請求人は、審判請求書で、 「本願発明は「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサは、事前接続されたセンサであり、前記分析物センサは、前記センサに取り外し可能に事前取り付けされている」という特徴(以下、本願発明の特徴)を有します。それによる効果として、「事前接続されたセンサ400の製作を、ハウジング内に封入されたエレクトロニクスの製作から分離し得」、「センサを取り付けるためにハウジングを開く必要はな」く、「敏感な膜被覆センサの取り扱いが最小限に抑えられるが、完全なデバイスの他の構成要素を個別に製造でき」ます(以下、格別の効果)。」 「例えば、引例1について検討しますと、引例1の段落0077には、センサ104(本願の「センサ」に対応)が、所定の位置に維持されることが記載されています。しかしながら、引例1は、センサ104が事前接続されたセンサであり、分析物センサは、センサ104に取り外し可能に事前取り付けされていることは明示的に開示していません。」と主張している。 (イ)請求人の主張に対する当審の判断 まず、請求人は「センサ104(本願の「センサ」に対応)」と説明しているが、上記イ(ウ)で述べたように、引用文献1における「センサ104」は、補正発明(請求人によれば「本願」)における「分析物センサ」のことであり、補正発明における「センサ」は、上記イ(カ)で述べたように、引用文献1における「センサモジュール504」のことであるから、上記説明は失当である。 したがって、引用文献1における「センサ104」及び「センサモジュール504」と、補正発明における「分析物センサ」及び「センサ」との対応関係を適切に把握していないことから、「引例1は、センサ104が事前接続されたセンサであり、分析物センサは、センサ104に取り外し可能に事前取り付けされていることは明示的に開示していません」との主張は、そもそも、センサについての前提において誤りである。 また、引用発明において、上記ウ(ア)cで述べたように、「センサモジュール504」はセンサ104とコネクタ2300とを事前接続したものであり、その「センサモジュール504」を「レセプタクル2002」に入れ込むというものであるから、事前接続されたセンサモジュール504の製作をハウジング内に封入されたエレクトロニクスの製作から分離し得るものであること、センサモジュール504を取り付けるためにハウジングを開く必要はないこと、敏感な膜被覆のあるセンサ104の取り扱いが最小限に抑えられ、デバイスの他の構成要素を個別に製造できることは、引用発明においても達成されるものであり、請求人が主張している補正発明の効果は当業者が予期し得るものであるから、格別な効果とはいえない。 オ 小括 したがって、補正発明は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 3 本件補正についてのむすび したがって、上記2(1)アで述べたように、本件補正の請求項1についての補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しないものを含むものであるから、本件補正は、同法第17条の2第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 さらに、上記2(2)オで述べたように、補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~14に係る発明は、令和5年3月6日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 本願発明に対する原査定の拒絶の理由は、以下の理由を含むものである。 (進歩性)この出願の請求項1に係る発明(本願発明)は、その出願(優先日)前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願(優先日)前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 具体的には、以下のように説示している。 「請求項1に係る発明と引用発明1とを比較すると、以下の点で相違し、その他の点では一致している。 相違点: 請求項1に係る発明では、 「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサが、前記ウェアラブルデバイスに取り外し可能に事前取り付けされている」であるのに対し、 引用発明1では、そのようなものではない点。 上記相違点について検討する。 ア 引用文献1の[0148]の記載を踏まえて、図21Aをみると、「Receptacle 2002」には「Adhesive 2102」、「adhesive layer 105」が設けられていないことが見てとれる。 イ 引用文献2(特に[0312]~[0318]、図23)には、較正後にアセンブリ化する旨が記載されている。 ウ 引用発明1は、ウェアラブルデバイスの「a receptacle 2002」に、「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサ」が設けられるものであるところ、上記アによれば、「Receptacle 2002」には「Adhesive 2102」、「adhesive layer 105」が設けられていないことから、「前記ウェアラブルデバイスに取り外し可能に・・・取り付けされている」ものとなすことは、当業者が適宜なし得ることである。 このとき、上記イの引用文献2に記載された技術事項を踏まえて、「事前取り付けされている」ものとし、上記相違点に係る請求項1に係る発明の発明特定事項となすことに、何ら困難性はない。 以上によれば、請求項1に係る発明は、当業者が引用発明1、及び引用文献2に記載された技術事項に基いて容易に発明をすることができたものである。」 <引用文献等一覧> 1.米国特許出願公開第2016/331283号明細書 2.国際公開第2017/040849号 3 引用文献 (1)引用文献1について 上記引用文献1の記載事項及びそれから認定される引用発明については、上記第2[理由]2(2)アに記載したとおりである。 (2)引用文献2について 上記引用文献2には、上記2で指摘されている箇所に加え、以下の事項が記載されている(下線は当審において付与した)。なお、英文の後に当審訳を記載する。 ア 記載事項 (引2ア) 「[0183] FIG.1B is an illustration 101 of the sensor of FIG.1A and the controller120 of FIG.1A before they are connected to each other. Sensor 110 of FIG.1A is housed in sensor assembly 110A, which also houses transducer 111 and at least one waveguide 119 (see FIG.2B) in a sensor subassembly with a connector 103 for connecting to controller 120, which is housed in controller assembly 120A. As used herein, a "waveguide" is an optical path for light based on internal reflection due to a higher index of refraction in the light path than the volume surrounding the light path. A waveguide, or light pipe, is preferably made of polymers. The controller 120 is affixed to the patient's skin and is in optical communication with the sensor 110. The controller (on-body transmitter) may be enclosed in assembly 120A, an ergonomically shaped, low profile, waterproof assembly designed to allow unobtrusive body wear. The on-body transmitter in assembly 120A may be cleanable. [0184] After at least the distal portion of the implantable percutaneous sensor 110 is implanted, the on-body controller 120 is attached to the sensor assembly 110A. FIG.1C is a corresponding illustration 102 of the sensor of FIG.1B, and the controller of FIG.1B connected to each to each other. The controller 120 is not visible because the controller housing is not transparent. The controller assembly 120A is affixed to the patient's skin using, for example, an adhesive system disclosed and described in more detail herein, and the sensor 110 is implanted percutaneously in the patient. The sensor 110 and controller 120 communicate optically through the connector 103.」 ([0183]図1Bは、相互に接続される前の図1Aのセンサ、及び図1Aのコントローラ120の図解101である。図1Aのセンサ110は、センサ・アセンブリ110A内に収容され、センサ・アセンブリ110Aは、コントローラ・アセンブリ120A内に収容されるコントローラ120に接続するためのコネクタ103をともなって、トランスデュース111、及び少なくとも1つの導波管119(図2B参照)もセンサ・サブアセンブリ内に収容する。ここで使用されるように、「導波管」は、光路を囲む容積よりも光路内の屈折率が高いことによる内部反射に基づく光用の光路である。導波管、又はライト・パイプは、好ましくはポリマーから作製される。コントローラ120は、患者の皮膚に貼付され、センサ110と光通信する。コントローラ(オンボディ送信器)は、装着しても目立たないように設計され、人間工学的に成形され、目立たない耐水性のアセンブリ120A内に封入されることができる。アセンブリ120A内のオンボディ送信器は、洗浄可能である。 [0184]埋め込み可能な経皮的センサ110の少なくとも遠位部を埋め込んだ後に、オンボディ・コントローラ120は、センサ・アセンブリ110Aに貼付される。図1Cは、それぞれ相互に接続される図1Bのセンサ、及び図1Bのコントローラの対応する図解102である。コントローラ120は、コントローラ・ハウジングが透明ではないために不可視である。コントローラ・アセンブリ120Aは、たとえば、本明細書により詳細に開示され、記述される接着システムを使用して、患者の皮膚に貼付され、センサ110は、患者内へ経皮的に埋め込まれる。センサ110及びコントローラ120は、コネクタ103を介して光で通信する。) (引2イ) 「[0381] As will be described in more detail below, the sensing element of the sensor assembly is inserted into the subcutaneous tissue using the sensor inserter system. The sensor inserter system is preassembled with the sensor assembly and can be provided to the user using a sterile sensor inserter assembly to facilitate easy sensor placement. The percutaneous sensing element of the sensor assembly is inserted into the tissue by means of an insertion lancet. The sensor inserter assembly can be removed after the sensor assembly is placed and discarded. As discussed in previous sections above, the on-body transmitter can be connected to the sensor assembly after the sensor is placed. The on-body transmitter can interrogate the sensor assembly in order to obtain sensor measurements that can be transmitted to the primary display. The primary display can contain a receiver and microprocessor to convert the transmitted measurements into calibrated glucose measurements.」 (以下により詳細に記述されるように、センサ・インサータ・システムを使用してセンサ・アセンブリの検知素子を皮下組織内に挿入する。センサ・インサータ・システムは、センサ・アセンブリにより組み立て済みであり、簡単なセンサ配置を促進する滅菌したセンサ・インサータ・アセンブリを使用してユーザへ提供されることが可能である。センサ・アセンブリの経皮的検知素子は、挿入ランセットにより組織内に挿入される。センサ・インサータ・アセンブリは、センサ・アセンブリを配置した後に除去し廃棄することが可能である。上記の前節で考察されるように、オンボディ送信器は、センサを配置した後にセンサ・アセンブリに接続されることが可能である。オンボディ送信器は、一次ディスプレイに送信されることが可能であるセンサ測定値を取得するためにセンサ・アセンブリにインテロゲートすることが可能である。一次ディスプレイは、受信器及びマイクロプロセッサを含み、送信された測定値を較正されたグルコース測定値に変換することが可能である。) (引2ウ) 「Example Optics of Glucose Sensor [0603] FIG.43A illustrates an example optical glucose sensor 4300 configured to couple to an optical interconnect 4302 (e.g., housed in a transmitter) and configured to deliver light to and from a target material for glucose measurements. The optical glucose sensor 4300 mechanically and optically couples to the transmitter (not shown) by coupling to the optical interconnect 4302 using a sensor optical interface 4310 attached to a sensor body 4320. In some embodiments, the sensor optical interface 4310 is a chip bonded to the sensor body 4320.」 (グルコース・センサの例示的な光学系 [0603]図43Aは、光インターコネクト4302(たとえば、送信器内にを収容される)にカップリングするように構成され、グルコース測定用の標的材料へ、及び標的材料から光を送達するように構成される、例示的な光グルコース・センサ4300を図示する。光グルコース・センサ4300は、センサ本体4320に貼付されるセンサ光インタフェース4310を使用して光インターコネクト4302にカップリングすることにより送信器(示されない)へ機械的に、及び光学的にカップリングする。いくつかの実施形態において、センサ光インタフェース4310は、センサ本体4320に接着されるチップである。) イ 引用文献2記載の技術事項 上記(引2ア)~(引2ウ)における「コントローラ・アセンブリ120A」、「コントローラ120」、「アセンブリ120A」、「コントローラ(オンボディ送信器)」及び「オンボディ・コントローラ120」は、技術的に同じ構成要素といえることから、まとめて以下「コントローラ・アセンブリ」という。また、「センサ・アセンブリ110A」は、以下「センサ・アセンブリ」という。 そうすると、(引2ア)~(引2ウ)の記載(特に下線部参照)を総合すると、以下の事技術項が示されているといえる。 「センサ、コネクタなどを収容するセンサ・アセンブリを事前にコントローラ・アセンブリに接続しておくこと」 4 対比・判断 (1)本願発明と補正発明との関係 本願発明は、前記第2の[理由]2(1)で記載したように、補正発明における「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサは、事前接続されたセンサであり、前記分析物センサは、前記センサに取り外し可能に事前取り付けされている」が、「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサが、前記ウェアラブルデバイスに取り外し可能に事前取り付けされている」となるものであり、その余の発明特定事項は補正発明と同じである。 そして、前記第2の[理由]2(1)イで述べたように、補正発明における「事前接続されたセンサ」との限定事項を削除することについては、引用発明との関係において、新たな相違点が生じるものではないが、同アで述べたように、補正発明の「前記分析物センサは、前記センサに取り外し可能に事前取り付けされている」が「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサが、前記ウェアラブルデバイスに取り外し可能に事前取り付けされている」(下線は対応関係について当審で付与した)となることについては、発明特定事項を変更するものである。 そこで、本願発明の「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサが、前記ウェアラブルデバイスに取り外し可能に事前取り付けされている」ことについて検討する。 (2)引用発明との対比 上記第2[理由]2(2)イ(カ)で記載したとおり、引用発明の「センサモジュール504」は、本願発明の「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサ」に相当する。 そうすると、本願発明と引用発明との相違点は、以下のとおりである。 (相違点3) 分析物センサと中間本体とを含むセンサが、本願発明では、「前記ウェアラブルデバイスに取り外し可能に事前取り付けされている」のに対し、引用発明では、そのようなものかどうか不明である点。 (3)相違点3についての判断 引用発明において、「センサモジュール504」は「ハウジング外面上の凹部として」の「レセプタクル2002」に「受け入れ」られるものであるところ、その際、「センサモジュール504」は「コネクタ2300が開いた状態でセンサ104のフラグ部分2404を入れ、その後閉じた状態」にあるものであるから、凹部に受け入れさせる(はめ込む)ものは、「センサ104のフラグ部分2404」が入った「コネクタ2300」ということになる。そして、その「コネクタ2300」は、引用発明で特定されているとおり「柔軟なカーボン含浸ポリマーモジュールを包むシリコーンゴムからな」るものであるから、「ハウジング外面上の凹部」に対してはめ込むことができると同時に、取り外すことができるものといえる。特に、上記2の「原査定の拒絶の理由」の具体的説示内容で示されているように、上記第2[理由]2(2)ア(引1ウ)及び(引1エ)で摘記した引用文献1の[0148]及び図21Aをみると、「Receptacle 2002」には「Adhesive 2102」及び「adhesive layer 105」が設けられていない、すなわち、「センサモジュール504」である「センサ104のフラグ部分2404」が入った「コネクタ2300」を「ハウジング外面上の凹部」に対してはめ込む際に「接着剤」が使われていないことから、「センサモジュール504」は、「ハウジング外面上の凹部」を含む「センサ制御装置102」に対して、「取り外し可能に」「取り付けされ」るものといえる。 そして、その際、3(2)イに記載されている技術事項である、センサ、コネクタなどを収容するセンサ・アセンブリ(引用発明における「「センサモジュール504」に相当)を事前にセンコントローラ・アセンブリ(引用発明における「「センサ制御装置102」に相当)に接続しておくことを鑑み、[H2]引用発明において、「センサモジュール504」を「ハウジング外面上の凹部」を含む「センサ制御装置102」に対して「取り外し可能に事前に取り付け」ることは当業者が容易になし得たことである。 5 小括 したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 補正案について 上記第1の「手続の経緯」で記載したように、令和6年1月10日に提出した上申書には、手続補正書案が添付されているので、念のため、手続補正書案に記載されている請求項1に係る発明(以下「案発明」という。)についても検討しておく。 1 案発明について (1)案発明は、以下のとおりである。 「【請求項1】 ウェアラブルデバイスであって、 ハウジングと、 分析物センサからの信号を処理するように構成された電子回路であって、前記ハウジング内に封入されている、電子回路と、 センサであって、 前記ハウジングの外側に位置付けられた遠位部分を有する前記分析物センサと、 前記分析物センサの近位部分と前記電子回路との両方への電気接続を有する中間本体と、 を備えるセンサと を備え、 前記中間本体と前記近位部分との間の前記電気接続が、前記ハウジングの外部にあり、 前記センサが前記ハウジングに取り付けられるより前に前記分析物センサと前記中間本体とが、前記センサに事前に接続されており、前記センサは、前記ハウジングに取り付けされている、ウェアラブルデバイス。」(下線部は、上記補正発明と相違する部分である。) (2)案発明と補正発明との関係 ア 案発明の「センサであって、前記ハウジングの外側に位置付けられた遠位部分を有する前記分析物センサと、前記分析物センサの近位部分と前記電子回路との両方への電気接続を有する中間本体と、を備えるセンサ」の発明特定事項と、補正発明の「前記ハウジングの外側に位置付けられた遠位部分を有する分析物センサと、前記分析物センサの近位部分と前記電子回路との両方への電気接続を有する中間本体と、を備え」る「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサ」の発明特定事項とは、実質的に同じ技術事項を特定している。 イ 案発明の「前記センサが前記ハウジングに取り付けられるより前に前記分析物センサと前記中間本体とが、前記センサに事前に接続されており、前記センサは、前記ハウジングに取り付けされている」と、補正発明の「前記分析物センサと前記中間本体とを含むセンサは、事前接続されたセンサであり、前記分析物センサは、前記センサに取り外し可能に事前取り付けされている」とは、後者の「事前接続」が、前者では「前記センサが前記ハウジングに取り付けられるより前に」「事前に接続」(以下「事項a」という。)とされ、後者の「前記分析物センサは、前記センサに取り外し可能に事前取り付けされている」が、前者では「前記センサは、前記ハウジングに取り付けされている」(以下「事項b」という。)とされている。 (3)引用発明との対比・判断 ア 事項aについて 上記第2[理由]2(2)ウ(ア)bで記載したとおり、引用発明においては、「コネクタ2300が開いた状態でセンサ104のフラグ部分2404を入れ」センサ104を事前に接続させたのち「閉じた状態」とし、そして、その「センサ104のフラグ部分2404を入れ」た「コネクタ2300」すなわち「センサモジュール504」を、「ハウジング外面上の凹部として」の「レセプタクル2002」に入れ込むものであるから、「センサモジュール504」が「ハウジング」に取り付けられるより前に「センサ104」と「コネクタ2300」とが「事前に接続」されていることになる。 そうすると、案発明の事項aは、引用発明に対して相違点とはならない。 イ 事項bについて 引用発明においては、上記第3の4(3)で述べたように、「センサモジュール504」は、「ハウジング外面上の凹部」に「取り付けされ」るものといえることから、案発明の「前記センサは、前記ハウジングに取り付けされている」ことを満たす。 そうすると、案発明の事項bも、引用発明に対して相違点とはならない。 (4)小括 よって、案発明と引用発明との間に相違点は存在せず、案発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定により、特許を受けることができないものである。 第5 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その余の請求項に係る発明について言及するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり、審決する。

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2023-013887

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