特許拒絶査定不服審判
2024-011603
電子患者介護用のシステム、方法および装置
- 審判番号
- 2024-011603
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-151473
- 請求日
- 2024年07月12日
- 審決日
- 2025年03月25日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】デカ・プロダクツ・リミテッド・パートナーシップ
- 【請求人代理人】弁理士法人山崎国際特許事務所
- 【請求人代理人】赤松 利昭
- 【請求人代理人】内藤 忠雄
- 【請求人代理人】今井 千裕
- 【請求人代理人】朴 志恩
- 審判長/審判官
- 審判長 宮澤 浩
- 審判官 三崎 仁
- 審判官 萩田 裕介
- 分類
- P18 .572-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B) / P18 .121-Z (A61B) / P18 .113-Z (A61B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022-151473「電子患者介護用のシステム、方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年12月 6日出願公開、特開2022-180547〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)12月20日 (パリ条約による優先権主張 2012年12月21日 米国、2013年5月23日 米国、2012年12月21日 米国、2013年12月20日 米国、2012年12月21日 米国、2012年12月21日 米国、2013年5月23日 米国)を国際出願日とする特願2015-549809号の一部を新たな特許出願とした特願2018-50746号の一部をさらに新たな特許出願とした特願2020-96874号の一部をさらに新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概要は以下のとおりである。
令和 5年 2月21日 手続補正書
同年 8月22日付け 拒絶理由通知書
令和 6年 1月26日 意見書・手続補正書
同年 4月11日付け 拒絶査定
同年 7月12日 審判請求書・手続補正書
以下では、令和6年4月11日付け拒絶査定を「原査定」という。
第2 令和6年7月12日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年7月12日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲における請求項9を補正し、本件補正後の請求項1とする内容を含んでおり、本件補正により、補正後の特許請求の範囲における請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。また、A~Eは、各構成単位毎に分説するために当審にて付した分説番号であり、以下、各構成単位について、該分説番号を用いて「構成A」などということがある。引用発明等についても同様である。)。
「【請求項1】
A 電子患者介護用のシステムであって、
B 前記システムは、
患者を治療するよう構成され、タブレットに切り離し可能に接続された医療デバイスと、
ウェアラブル・ドックと、
前記ウェアラブル・ドックにドッキング可能なウェアラブル・システム・モニタと、
を具備し、
C 前記ウェアラブル・システム・モニタは、
介護人を識別し、
前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックから取り外されたとき、タイマをスタートさせ、
前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックにドッキングされることなく所定の時間が経過したとき、前記医療デバイスによる前記治療を停止させ、
前記患者を識別し、
前記介護人に前記ウェアラブル・システム・モニタを前記医療デバイスとペアリングする許可を与え、
前記ウェアラブル・システム・モニタを前記医療デバイスとペアリングさせ、
前記ウェアラブル・ドックに再び取り付け、
前記ウェアラブル・ドックを識別し、認証し、
前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックにドッキングされ、前記ウェアラブル・ドックが前記ウェアラブル・システム・モニタにより識別され認証された後、前記医療デバイスによる治療を再開させることを特徴とし、
D 前記タブレットは、
前記医療デバイスと前記タブレットとが互いに物理的接続が行われていることを判定し、
前記物理的接続を通して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第1の通信リンクを確立し、
前記第1の通信リンクを使用して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第2の通信リンクを確立し、
前記第2の通信リンクを使用して前記医療デバイスから前記タブレットにデータを送信するよう構成され、
前記データは、前記タブレットと前記医療デバイスとの間の前記物理的接続が切り離されても、前記データは前記タブレットと前記医療デバイスとの間で通信可能であることを特徴とする、
E 電子患者介護用のシステム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和6年1月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項9の記載は、次のとおりである。
「【請求項9】
電子患者介護用のシステムであって、前記システムは、
患者を治療するよう構成された医療デバイスと、
ウェアラブル・ドックと、
前記ウェアラブル・ドックにドッキング可能なウェアラブル・システム・モニタと、
を具備し、前記ウェアラブル・システム・モニタは、
介護人を識別し、
前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックから取り外されたとき、タイマをスタートさせ、
前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックにドッキングされることなく所定の時間が経過したとき、前記医療デバイスによる前記治療を停止させ、
前記患者を識別し、
前記介護人に前記ウェアラブル・システム・モニタを前記医療デバイスとペアリングする許可を与え、
前記ウェアラブル・システム・モニタを前記医療デバイスとペアリングさせ、
前記ウェアラブル・ドックに再び取り付け、
前記ウェアラブル・ドックを識別し、認証し、
前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックにドッキングされ、前記ウェアラブル・ドックが前記ウェアラブル・システム・モニタにより識別され認証された後、前記医療デバイスによる治療を再開させることを特徴とする、
電子患者介護用のシステム。」
2 補正の適否
(1)上記補正は、本件補正前の請求項9に記載された発明を特定するために必要な事項である「医療デバイス」について、「タブレットに切り離し可能に接続された」ものに限定する(以下、「補正事項A」という。)とともに、
「前記タブレットは、
前記医療デバイスと前記タブレットとが互いに物理的接続が行われていることを判定し、
前記物理的接続を通して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第1の通信リンクを確立し、
前記第1の通信リンクを使用して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第2の通信リンクを確立し、
前記第2の通信リンクを使用して前記医療デバイスから前記タブレットにデータを送信するよう構成され、
前記データは、前記タブレットと前記医療デバイスとの間の前記物理的接続が切り離されても、前記データは前記タブレットと前記医療デバイスとの間で通信可能であることを特徴とする、」
との事項を付加する(以下、「補正事項B」という。)ものである。
(2)本件補正前の請求項9には、「タブレット」についての特定はないし、「タブレット」と「医療デバイス」との通信に関する特定もない。
そうすると、上記補正事項Bは、本件補正前の請求項9に係る「電子患者介護用のシステム」の発明において、その発明特定事項を限定するものでは無く、発明特定事項をなす各構成とは別に、
「前記タブレットは、
前記医療デバイスと前記タブレットとが互いに物理的接続が行われていることを判定し、
前記物理的接続を通して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第1の通信リンクを確立し、
前記第1の通信リンクを使用して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第2の通信リンクを確立し、
前記第2の通信リンクを使用して前記医療デバイスから前記タブレットにデータを送信するよう構成され、
前記データは、前記タブレットと前記医療デバイスとの間の前記物理的接続が切り離されても、前記データは前記タブレットと前記医療デバイスとの間で通信可能であることを特徴とする、」
との事項を付加する補正であるといえる。
よって、上記補正事項Bは、本件補正前の請求項9に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものとはいえないから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮(いわゆる限定的減縮)を目的とするものとはいえない。
また、上記補正事項Bは請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれにも該当しないことは明らかである。
よって、上記補正事項Bは、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しない。
3 独立特許要件
本件補正は、上記2のとおり、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しないものを含んでいるものであるから、却下すべきものであるが、仮に、本件補正後の請求項1についての補正が本件補正前の請求項9における発明特定事項を限定するものであって、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえると解釈した場合、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献1の記載事項
ア 原査定の拒絶の理由で引用文献1として引用された米国特許出願公開第2012/0185267号明細書(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある。また、原文の摘記の後に当審訳を示す。(下線は当審において付与した。以下同様。)。
(ア)「[0249] As shown in FIG. 1, an electronic patient care system 100 includes one or more monitoring clients 1,4, each of which may be assigned and in physical proximity to an individual patient 2, and a remote monitoring server 3 for the uploading of information from a number of the various monitoring clients 1,4, and for downloading information and instructions from various sources to the monitoring clients 1,4. When in the patient's room, a health care provider can interact directly with a monitoring client 1 to obtain information about the patient 2 or to enter orders pertaining to the patient 2. Multiple monitoring clients 1 may interact with a single monitoring server 3. The monitoring server 3 may include middleware (e.g., middleware on the monitoring server 3 of FIG. 1). Additionally or alternatively, providers at remote locations (e.g., doctor's office, nursing station 5, hospital pharmacy 6) may interact with an individual monitoring client 1 through a communications link with the monitoring server 3 or directly via a hospital local area network having each of the monitoring clients 1,4 as a node.」
([0249] 図1に示すように、電子患者介護システム100は、それぞれ個別の患者2に割り当てられ患者2に物理的に近接していることができる1つ以上の監視クライアント1、4と、いくつかの様々な監視クライアント1、4から情報をアップロードし、様々なソースから監視クライアント1、4に情報および指示をダウンロードする遠隔監視サーバ3とを備えている。患者の部屋に居るときは、ヘルスケア・プロバイダは、監視クライアント1と直接相互作用して、患者2に関する情報を得、または患者2に関する指示を入力することができる。多数の監視クライアント1は、1つの監視サーバ3と相互作用することができる。監視サーバ3は、ミドルウェア(例えば、図1の監視サーバ3上のミドルウェア)を備えることができる。それに加えて、または代替として、遠隔位置(例えば、医師の診察室、ナース・ステーション5、病院の薬局6)に居るプロバイダは、監視サーバ3との通信リンクを通して、または各監視クライアント1、4をノードとして有する病院ローカル・エリア・ネットワークを介して直接、個別の監視クライアント1と相互作用することができる。)
(イ)「[0251] The pharmacy 6 may include one or more computers connected to a network, e.g., the interne, to receive the prescription and queue the prescription within the one or more computers. The pharmacy may use the prescription: (1) to compound the drug (e.g., using an automated compounding device that can compound a fluid or create a pill that is coupled to the one or more computers, or manually by a pharmacists viewing the queue of the one or more computers); (2) to pre-fill a fluid reservoir of a syringe pump 126; (3) to program the syringe pump 126 (e.g., a treatment regime is programmed into the syringe pump 126); (4) to pre-fill the microinfusion pump 130; (5) to program the microinfusion pump 130; (6) to pre-fill the IV bag 170; (7) to program the infusion pump 7; (8) to pre-fill the pill dispenser 128; (9) or to program the pill dispenser 128 at the pharmacy in accordance with the prescription. The automated compounding device may automatically fill the fluid within one or more of the syringe pump 126, the IV bag 170 or the microinfusion pump 130, and/or may automatically fill the pill dispenser 128 with pills. The automated compounding device may generate a barcode, an RFID tag and/or data. The information within the barcode, RFID tag, and/or data may include the treatment regime, prescription, and/or patient information.」
([0251] 薬局6は、ネットワーク、例えばインターネットに接続された1つ以上のコンピュータを備えて、処方箋を受信し、該処方箋を該1つ以上のコンピュータ内の待ち行列に入れることができる。薬局は該処方箋を使用して以下のことをすることができる:(1)(例えば、該1つ以上のコンピュータに結合された、流体を配合しまたは丸薬を生成することができる自動配合デバイスを使用して、または該1つ以上のコンピュータの待ち行列を監視する薬剤師によって手動で)薬物を配合する;(2)シリンジ・ポンプ126の流体リザーバを予め充填する;(3)シリンジ・ポンプ126をプログラムする(例えば、治療計画がシリンジ・ポンプ126内にプログラムされる);(4)マイクロインフュージョン・ポンプ130を予め充填する;(5)マイクロインフュージョン・ポンプ130をプログラムする;(6)静脈内バッグ170を予め充填する;(7)注入ポンプ7をプログラムする;(8)丸薬ディスペンサ128を予め充填する;または(9)処方箋に従って薬局で丸薬ディスペンサ128をプログラムする。自動配合デバイスは、シリンジ・ポンプ126、静脈内バッグ170またはマイクロインフュージョン・ポンプ130の1つ以上に流体を自動的に充填することができる、および/または丸薬ディスペンサ128に丸薬を自動的に充填することができる。自動配合デバイスは、バーコード、RFIDタグおよび/またはデータを生成することができる。バーコード、RFIDタグおよび/またはデータ内の情報としては、治療計画、処方箋、および/または患者情報を挙げることができる。)
(ウ)「[0256] Optionally, the monitoring client 1, the other monitoring client 4, and/or the remote communicator 11 may be used to send commands or requests to the patient-care devices 7, 14, 15, 16, 17, 35, 126, 128, 130, 148 such as for example, a bolus amount, an infusion flow rate, a total fluid for delivery, a start time for drug delivery, a stop time for drug delivery or a flow-delivery-rate profile to the infusion pump 7, the syringe pump 126 and/or the microinfusion pump 130. In some embodiments, one or more of the monitoring clients 1, 4, 11 may be used to send commands or requests to the pill dispenser 7, such as, for example, a pill dispense command to dispense a pill, a pill-type, a pill dispensing schedule, and/or a max pill-dispensing criteria. The max pill-dispensing criteria may be a maximum amount of a medication that may be delivered within a predetermined interval of time; for example, certain medications are taken as needed (i.e., pro re nata); however, the medication may not be safe if taken in excess and the max pill-dispensing criteria may prevent the medication from being taken at unsafe levels by the patient, e.g., a predetermined amount during a predetermined interval of time.」
([0256] 任意選択では、指示または要求を患者介護デバイス7、14、15、16、17、35、126、128、130、148に送信するために、例えばボーラス量、注入流量、合計送達用流体、薬物送達の開始時間、薬物送達の停止時間、または送達流量プロファイルを注入ポンプ7、シリンジ・ポンプ126および/またはマイクロインフュージョン・ポンプ130に送信するために、監視クライアント1、他の監視クライアント4および/または遠隔コミュニケータ11を使用することができる。いくつかの実施形態では、例えば、丸薬を分配するための丸薬分配指示、丸薬タイプ、丸薬分配スケジュールおよび/または最大丸薬分配基準などの指示または要求を丸薬ディスペンサ7に送信するために、監視クライアント1、4、11の1つ以上を使用することができる。最大丸薬分配基準は、所定の時間内に送達することができる薬剤の最大量であり、例えば、特定の薬剤が必要に応じて(すなわち、必要になったら)摂取されるが、過剰に摂取される場合には薬剤は安全でない可能性があり、最大丸薬分配基準は、例えば「所定の時間内に所定量を」のように、薬剤が患者によって安全でない量で摂取されることを防ぐことができる。)
(エ)「[0262] As shown in FIG. 1, and as in some embodiments, the system 100 includes a monitoring-client dock 102 and a device dock 104. The monitoring-client dock 102 is configured to receive the monitoring client 1, and the device dock 104 is configured to receive one or more patient-care devices to facilitate bedside patient care (described in more detail below). Although the device dock 104 is shows as being capable of receiving several patient-care devices, in other embodiments, the device dock 104 can receive one patient-care device, a plurality of patient-care devices, or any arbitrary number of patient-care devices. Additionally, although the monitoring-client dock 102 is shown as be capable of receiving one monitoring client 1, in other embodiments, the monitoring-client dock 102 can receive two monitoring clients 1, more than two monitoring clients 1, or any arbitrary number of monitoring clients 1.」
([0262] 図1に示すように、またいくつかの実施形態と同様に、システム100は、監視クライアント・ドック102およびデバイス・ドック104を備えている。監視クライアント・ドック102は、監視クライアント1を受けるように構成されており、デバイス・ドック104は、1つ以上の患者介護デバイスを受けて、ベッドサイドの患者介護を容易にするように構成されている(以下に、より詳細に記載する)。デバイス・ドック104は、いくつかの患者介護デバイスを受けることが可能であるように示されているけれども、他の実施形態では、デバイス・ドック104は、1つの患者介護デバイス、複数の患者介護デバイス、またはあらゆる任意の数の患者介護デバイスを受けることができる。加えて、監視クライアント・ドック102は1つの監視クライアント1を受けることが可能であるように示されているけれども、他の実施形態では、監視クライアント・ドック102は、2つの監視クライアント1、3つ以上の監視クライアント1、またはあらゆる任意の数の監視クライアント1を受けることが可能である。
(オ)「[0263] In this example embodiment, a cable 110 is coupled to both of the docks 102, 104 to provide a communications link therebetween. The cable 113 may be permanently attached to or is attachable to one or both of the docks 102, 104. Additionally or alternatively, the cable 110 may include one or more connectors (not explicitly shown) for plugging the cable into one or both of the docks 102, 104.」
([0263] この例示的な実施形態では、ケーブル110は、両方のドック102、104に結合されて、その間に通信リンクを提供する。ケーブル110は、ドック102、104の一方または両方に永久的に取り付けることができる、または取り付け可能である。それに加えて、または代替として、ケーブル110は、ケーブルをドック102、104の一方または両方に差し込むために1つ以上のコネクタ(明示的には図示せず)を備えていてもよい。)
(カ)「[0266] When the monitoring client 1 is docked to the monitoring-client dock 102, the monitoring client 1 has access to the communications between the docks 102, 104. For example, in some embodiments of the present disclosure, the monitoring client 1 can communicate with electronic circuitry within the device dock 104, e.g., a memory, via the communications link provided by the cable 110. Additionally or alternatively, the monitoring client 1 can communicate with any device docked to the device dock 104 through the communications link provided by the cable 110 and/or one or more wireless communication links (described in more detail below).」
([0266] 監視クライアント1が監視クライアント・ドック102にドッキングされているときは、監視クライアント1は、ドック102、104の間の通信へのアクセスを有する。例えば、本開示のいくつかの実施形態では、監視クライアント1は、ケーブル110によって提供される通信リンクを介して、デバイス・ドック104内の電子回路、例えばメモリと通信することができる。それに加えて、または代替として、監視クライアント1は、ケーブル110によって提供される通信リンク、および/または1つ以上の無線通信リンクを通して、デバイス・ドック104にドッキングされたあらゆるデバイスと通信することができる(以下に、より詳細に記載する)。)
(キ)「[0268] As shown in FIG. 1, in some embodiments, the monitoring client 1, the monitoring-client dock 102, and the device dock 104, each have a respective antenna 112, 106, and 108 for wireless communications (each of the antennas 112, 106, and/or 108 is optional). If the cable 110 is unplugged or the communications between the docks 102, 104 via the cable 110 is otherwise interrupted or impaired, the monitoring-client dock 102 and the device dock 104 can continue to communicate with each other using a wireless communications link established through the antennas 106, 108. Additionally, when the monitoring client 1 is removed from the monitoring-client dock 102, the monitoring client 1 can communicate, for example, directly to the device dock 104 and/or the monitoring client 1 can communicate with the device dock 104 by wirelessly communicating with the monitoring-client dock 102, which relays the communications via the cable 110 or via a wireless communications link between the docks 102, 104. As previously mentioned, communications between the monitoring client 1 and the device dock 104 may be utilized by the monitoring client 1 to communicate with the various devices docked to the device dock 104.」
([0268] 図1に示すように、いくつかの実施形態では、監視クライアント1、監視クライアント・ドック102、およびデバイス・ドック104はそれぞれ、無線通信用のアンテナ112、106、および108を有する(各アンテナ112、106、および/または108は任意である)。ケーブル110が抜かれた、またはケーブル110を介したドック102、104間の通信が他様に遮断されまたは損なわれた場合、監視クライアント・ドック102およびデバイス・ドック104は、アンテナ106、108を通して確立された無線通信リンクを使用して、互いに通信し続けることができる。それに加えて、監視クライアント1が監視クライアント・ドック102から取り外された場合、監視クライアント1は、例えばデバイス・ドック104に直接通信することができる、および/または監視クライアント1は、ケーブル110を介して、またはドック102、104の間の無線通信リンクを介して通信を中継する監視クライアント・ドック102と無線通信することによって、デバイス・ドック104と通信することができる。前に記載したように、デバイス・ドック104にドッキングされた様々なデバイスと通信するために、監視デバイス1とデバイス・ドック104との間の通信を監視クライアント1によって利用することができる。)
(ク)「[0272] In an embodiment of the present disclosure, each monitoring client 1 is assigned to a specific patient 2 and may be a desk-based, portable, or hand-held and may have a display and user input capability. The monitoring client 1 may be portable and can facilitate efficient data viewing and data entry; the monitoring client 1 may be a notebook PC, a netbook PC, a tablet PC, a “smart-phone,” with or without a touchscreen. Additionally or alternatively, in some embodiments, the monitoring client 1 and/or the remote communicator 11 may be docked or coupled to a cable that is connected to a much larger display thereby turning the much larger display (e.g., a 24-inch display) into the display of the monitoring client 1 and/or the remote communicator 11; the much larger display may having input capabilities, such as touchscreen capabilities, stylus-input capabilities, keyboard input capabilities, remote-control input capabilities, and the like that are communicated to the monitoring client 1 and/or the remote communicator 11. For example, the viewing of X-ray or patient imaging files may be facilitated by docking the monitoring client 1 and/or the remote communicator 11 to a viewing-dock coupled to a larger display such that the care giver can see the patient imaging file using the larger display. The viewing-dock may also charge the monitoring client and/or remote communicator 11.」
([0272] 本開示の実施形態では、各監視クライアント1は、特定の患者2に割り当てられ、デスク・ベースの、ポータブルの、または手持ち式のものであってもよく、表示およびユーザ入力能力を有することができる。監視クライアント1は、ポータブルであってもよく、効率的なデータ閲覧およびデータ入力を容易にすることができ、監視クライアント1は、タッチスクリーンを備えたまたは備えていない、ノートブックPC、ネットブックPC、タブレットPC、「スマートフォン」であってもよい。それに加えて、または代替とし、いくつかの実施形態では、監視クライアント1、および/または遠隔コミュニケータ11は、はるかに大きいディスプレイに接続されたケーブルにドッキングまたは結合し、それによってはるかに大きいディスプレイ(例えば、24インチ・ディスプレイ)を監視クライアント1および/または遠隔コミュニケータ11のディスプレイにすることができ、はるかに大きいディスプレイは、監視クライアント1および/または遠隔コミュニケータ11に通信されるタッチスクリーン能力、タッチペン入力能力、キーボード入力能力、遠隔制御入力能力などの入力能力を有することができる。例えば、X線または患者画像化ファイルの閲覧は、監視クライアント1および/または遠隔コミュニケータ11をより大きいディスプレイに結合された監視ドックにドッキングさせることによって容易にすることができ、それによって、介護人はより大きいディスプレイを使用して患者画像化ファイルを見ることができる。閲覧ドックはまた、監視クライアントおよび/または遠隔コミュニケータ11を充電することができる。)
(ケ)「[0291] Optionally, the system 100 may also include a wearable system monitor 131 for monitoring the operation of various devices, docks, monitoring clients, and/or servers. A monitoring client 1, a remote communicator 11, and/or a hub 802 of FIG. 8 may be used to program, interact with, and/or pair with the wearable system monitor 131. The wearable system monitor 131 may be worn by the patient 2 or by providers, and multiple wearable system monitors 131 may be used. The wearable system monitor 131 can interrogate various devices to ensure their proper operation. For example, in one example embodiment, the wearable system monitor 131 communicates with the patient-care devices 14, 15, 16, 17, 35, 126, 128, 130, the monitoring client 1, the monitoring-client dock 102, the device dock 104, and/or the hub 802 of FIG. 8 to determine if any faults, errors, irregularities, data corruption, communication degradation, incomplete operation, slow operation, or other issues exists.」
([0291] 任意選択では、システム100はまた、様々なデバイス、ドック、監視クライアントおよび/またはサーバの動作を監視するためのウェアラブル・システム・モニタ131を備えることができる。監視クライアント1、遠隔コミュニケータ11、および/または図8のハブ802を使用して、ウェアラブル・システム・モニタ131をプログラムする、これと相互作用する、および/またはこれとペアリングすることができる。ウェアラブル・システム・モニタ131は、患者2またはプロバイダによって着用することができ、多数のウェアラブル・システム・モニタ131を使用することができる。ウェアラブル・システム・モニタ131は、適切な動作を保証するために、様々なデバイスに問い合わせることができる。例えば、例示的な1つの実施形態では、ウェアラブル・システム・モニタ131は、患者介護デバイス14、15、16、17、35、126、128、130、監視クライアント1、監視クライアント・ドック102、デバイス・ドック104および/または図8のハブ802と通信して、何らかの故障、過誤、不正、データ破損、通信劣化、不完全動作、遅い動作または他の問題が存在するかどうか判定する。)
(コ)「[0321] FIG. 2 shows a flow chart diagram illustrating a method 150 for maintaining communications between a monitoring client, e.g., the monitoring client 1 of FIG. 1, and one or more of patient-care devices, e.g., one or more of the patient-care devices 7, 14, 15, 16, 17, 35 126, 128, 130, 148 of FIG. 1, in accordance with an embodiment of the present disclosure. The method 150 of this example includes acts 152-169. The monitoring client 1 may display an icon indicating when communications are established to the paired and/or designated patient-care devices. The monitoring client 1 may check to determine that communications with the paired and/or designated patient-care devices is available at predetermined intervals, and if communications to a paired or designated patient-care device is unavailable for a predetermined amount of time, the monitoring client 1 may sound an alarm or alert.」
([0321] 図2は、本開示の実施形態による、監視クライアント、例えば図1の監視クライアント1と患者介護デバイスの1つ以上、例えば図1の患者介護デバイス7、14、15、16、17、35、126、128、130、148の1つ以上との間で通信を維持するための方法150を示すフローチャート図を示す。本実施例の方法150は、行為152~169を含む。監視クライアント1は、通信がペアリングおよび/または指定された患者介護デバイスに確立された場合を示すアイコンを表示することができる。監視クライアント1は、ペアリングおよび/または指定された患者介護デバイスとの通信が所定の間隔で利用可能であると決定するためにチェックすることができ、ペアリングまたは指定された患者介護デバイスへの通信が所定の時間の間利用可能でない場合に、監視クライアント1はアラームまたは警戒を鳴動することができる。)
(サ)「[0424] The wearable system monitor of method 10000 may be the wearable system monitor 131 of FIGS. 1, 3, 5, 7, 8, and 9. The pairing of the system monitor of method 1000 for monitoring one or more patient-care devices may be done using any one or more of the devices 1002-1012, or using any sufficient devices disclosed herein. For example, a user interface of the monitoring device 1002, a user interface of a remote communicator 1004, a user interface of a communications device 1006, a user interface of a patient-care device 1008, a user interface of another patient-care device 1010, or the user interface of the wearable system monitor 1012 may be used to pair the wearable system monitor of method 1000 with a patient-care device.」
([0424] 方法10000のウェアラブル・システム・モニタは、図1、3、5、7、8および9のウェアラブル・システム・モニタ131であってもよい。1つ以上の患者介護デバイスを監視するための方法1000のシステム・モニタのペアリングは、デバイス1002~1012のいずれか1つ以上を使用して、または本明細書に開示した任意の十分なデバイスを使用して行なうことができる。例えば、監視デバイス1002のユーザ・インターフェース、遠隔コミュニケータ1004のユーザ・インターフェース、通信デバイス1006のユーザ・インターフェース、患者介護デバイス1008のユーザ・インターフェース、別の患者介護デバイス1010のユーザ・インターフェースまたはウェアラブル・システム・モニタ1012のユーザ・インターフェースを使用して、方法1000のウェアラブル・システム・モニタを患者介護デバイスにペアリングさせることができる。)
(シ)「[0427] Act 1014 identifies a caregiver provider) using one or more of: a voice-recognition algorithm, a facial-recognition algorithm, a barcode, am RFID tag, near-field communications, simple login, secure signatures, and the like. For example, the identification of the caregiver in act 1040 may be done by a monitoring client, a monitoring-client docking station, a device docking station, by a communications module, other dock, or hub using an onboard camera and/or a microphone. Also, as a safety check, a monitoring client, a hub, dock, or patient-care device may request that a user enter in font as displayed to guard against font corruption errors. Additionally or alternatively, in some embodiments, if after one or more failed logins or verifications, the device may take a picture and store the picture; the picture may be transmitted for storage in a middleware server. Act 1016 logs the presence of the caregiver in one or more of the devices 1002-1012. The log envy may be stored on the any one of the devices 1002-1012, a patient-care device described herein, a monitoring client described herein, a wearable system monitor described herein, as remote communicator described herein, and/or hub described herein. The log of act 1016 can be for caregiver compliance, diagnostic purposes, and the like. For example, if a caregiver is scheduled to appear and does not, the act of 1016 may log the non-appearance of the caregiver at the scheduled time.」
([0427] 行為1014は、音声認識アルゴリズム、顔認識アルゴリズム、バーコード、RFIDタグ、近距離通信、単純ログイン、セキュアな署名などの1つ以上を使用して介護人(プロバイダ)を識別する。例えば、行為1040における介護人の識別は、搭載カメラおよび/またはマイクロフォンを使用して、監視クライアント、監視クライアント・ドッキング・ステーション、デバイス・ドッキング・ステーション、通信モジュール、他のドックまたはハブによって行なうことができる。また、安全点検として、監視クライアント、ハブ、ドックまたは患者介護デバイスは、ユーザが表示されたとおりのフォントで入力することを要求して、フォント破損過誤を防ぐことができる。それに加えて、または代替として、いくつかの実施形態では、ログインまたは認証が1回以上失敗した後に、デバイスが写真を撮りその写真を記憶することがある場合、その写真はミドルウェア・サーバに記憶するために伝達されることがある。行為1016は、デバイス1002~1012の1つ以上において介護人の存在を記録する。ログ入力は、デバイス1002~1012、本明細書に記載された患者介護デバイス、本明細書に記載された監視クライアント、本明細書に記載されたウェアラブル・システム・モニタ、本明細書に記載された遠隔コミュニケータおよび/または本明細書に記載されたハブのいずれか1つに記憶されてもよい。行為1016のログは、介護人コンプライアンス、診断の目的などのためである可能性がある。例えば、介護人が現れる予定であるのに現れない場合、行為1016は、予定された時間に介護人が現れなかったことを記録してもよい。)
(ス)「[0429] Act 1018 detaches the wearable system monitor from a wearable dock. For example, the system monitor 131 of FIG. 1 may be worn on the patient's wrist such that it is attached to the patient with a wristband similar to a watch wristband; a portion of the wearable system monitor may be detachable from a dock which includes the wristband and a snap-fit base member that the wearable system monitor snaps into (also referred to herein as a “wearable dock”). When the wearable system monitor is detached from its dock, act 1020 starts a timer. The timer and related acts are each optional in method 1000 of FIG. 14.」
([0429] 行為1018は、ウェアラブル・ドックからウェアラブル・システム・モニタを取り外す。例えば、図1のシステム・モニタ131は、時計のリスト・バンドと同じようなリスト・バンドを患者に取り付けるように、患者の腕に着用することができ、ウェアラブル・システム・モニタの一部分は、リスト・バンド、およびウェアラブル・システム・モニタがスナップ嵌合するスナップ嵌めベース部材を備えたドック(本明細書では「ウェアラブル・ドック」とも呼ぶ)から取り外すことが可能である。ウェアラブル・システム・モニタがそのドックから取り外されると、行為1020がタイマをスタートさせる。タイマおよび関連する行為はそれぞれ、図14の方法1000では任意選択である。)
(セ)「[0430] The timer of act 1020 keeps track of the amount of time the wearable system monitor is out of its dock. Act 1022 stops a treatment if a predetermined amount of time has elapsed after the wearable system monitor has been undocked from the wearable dock. For example, the wearable system monitor of method 1000 may signal an infusion pump to stop pumping. When the wearable system monitor is docked again, act 1024 resumes the treatment if the treatment was interrupted, e.g., from undocking the wearable system monitor from its wearable dock after the predetermined amount of time has elapsed.」
([0430] 行為1020のタイマは、ウェアラブル・システム・モニタがそのドック外にある時間の経過を追跡する。行為1022は、ウェアラブル・システム・モニタがウェアラブル・ドックからドッキングを外された後、所定の時間が経過したときに治療を止める。例えば、方法1000のウェアラブル・システム・モニタは、注入ポンプにシグナルを送って、ポンプ注入を止めることができる。ウェアラブル・システム・モニタが再びドッキングされると、行為1024は、例えば、ウェアラブル・システム・モニタがそのウェアラブル・ドックからドッキングを外されたことにより治療が中断されている場合に、所定の時間が経過した後に治療を再開する。)
(ソ)「[0431] As previously mentioned, act 1018 detaches the wearable system monitor from the wearable dock. Act 1026 identifies a patient using, for example, one or more of: a voices recognition algorithm, a facial-recognition algorithm, a barcode, an RFID tag, near-filed communications, simple login, caregiver entry, and the like. Act 1026 may be similar to act 1014, may utilize the same software as utilized in act 1014, and/or may utilize one of the devices 1002-1020. In some embodiments, however, note that the identification procedure for a patient can include more than the identification of the caregiver by using, for example, biometrics or other identifying patient-specific information. Such patient identification standards may be used to ensure a particular treatment is being given to the correct patient and/or to provide compliance with given regulations. Act 1014 and/or 1026 may be performed using a passkey device on the patient and/or caregiver.」
([0431] 上記したように、行為1018は、ウェアラブル・ドックからウェアラブル・システム・モニタを取り外す。行為1026は、例えば音声認識アルゴリズム、顔認識アルゴリズム、バーコード、RFIDタグ、近距離通信、単純ログイン、介護人入力などの1つ以上を使用して患者を識別する。行為1026は、行為1014と同様であってもよく、行為1014で利用されるのと同じソフトウェアを利用してもよく、および/またはデバイス1002~1020の1つを利用してもよい。しかし、いくつかの実施形態では、患者に対する識別手続は、例えば、生体認証または他の識別患者特有の情報を使用することによって、介護人の識別情報より多くのものを含むことができることに留意されたい。このような患者識別基準を使用して、特定の治療が正しい患者に与えられていることを保証し、および/または所与の規則とのコンプライアンスを提供することができる。行為1014および/または1026は、患者および/または介護人上のパスキー・デバイスを使用して行なってもよい。)
(タ)「[0432] Act 1028 determines if the caregiver is authorized to pair the wearable system monitor, e.g., pair the wearable system monitor with a patient-care device. If the caregiver is not authorized, then the method 1000 prevents additional pairing (or editing of the pairing settings) of the wearable system monitor. If the caregiver is authorized to pair the wearable system monitor, act 1030 allows the caregiver to select one or more patient-care devices for pairing with the wearable system monitor. Caregiver authorization can be used, for instance, to ensure a particular treatment is being given to the correct patient and/or to provide compliance with given regulations.」
([0432] 行為1028は、介護人がウェアラブル・システム・モニタをペアリングする、例えばウェアラブル・システム・モニタを患者介護デバイスにペアリングする権限を与えられているかどうか判定する。介護人が権限を与えられていない場合には、方法1000は、ウェアラブル・システム・モニタの追加のペアリング(または、ペアリング設定の編集)を防ぐ。介護人がウェアラブル・システム・モニタをペアリングする権限を与えられている場合、行為1030は、介護人がウェアラブル・システム・モニタとペアリングするための1つ以上の患者介護デバイスを選択することを許可する。介護人の権限確認を使用して、例えば特定の治療が正しい患者に与えられていることを保証し、および/または所与の規則とのコンプライアンスを提供することができる。)
(チ)「[0433] The caregiver may be provided a list of patient-care devices that are available for pairing on one or more user interfaces of the devices 1002-1012. During act 1030, the caregiver selects a wearable system monitor (e.g., the patient-wearable system monitor of act 1018) and a patient-care device for pairing together. Act 1032 pairs the wearable system monitor with the patient-care device, and act 1034 logs the pairing of act 1032 in the wearable system monitor including the identity of the caregiver and the patient. In an additional specific embodiment, the pairing of the wearable system monitor with the patient-care device may be used with parallel or serial pairing of the patient-care device with another device (e.g., a monitoring client, a hub, another patient-care device etc.) As will be appreciated in light of this disclosure, any suitable pairing protocol (e.g., Bluetooth or IEEE 802.11) can be used. Additionally or alternatively, act 1034 can log the pairing into one or more of the devices 1002-1012.」
([0433] 介護人には、デバイス1002~1012の1つ以上のユーザ・インターフェース上でのペアリングに利用可能な患者介護デバイスのリストを提供することができる。行為1030中に、介護人は互いにペアリングするためにウェアラブル・システム・モニタ(例えば、行為1018の患者ウェアラブル・システム・モニタ)および患者介護デバイスを選択する。行為1032は、ウェアラブル・システム・モニタを患者介護デバイスとペアリングし、行為1034は、ウェアラブル・システム・モニタ内に行為1032のペアリングを、介護人および患者の識別情報を含めて記録する。追加の特定の実施形態では、患者介護デバイスとのウェアラブル・システム・モニタのペアリングは、別のデバイス(例えば、監視クライアント、ハブ、別の患者介護デバイスなど)との患者介護デバイスの並列または直列ペアリングで使用されてもよい。本開示に照らして分かるように、任意の適切なペアリング・プロトコル(例えば、ブルートゥースまたはIEEE802.11)を使用することができる。それに加えて、または代替として、行為1034は、デバイス1002~1012の1つ以上内にペアリングを記録することができる。)
(ツ)「[0434] Act 1036 reattaches the wearable system monitor to the wearable dock. Act 1038 identifies and authenticates the wearable docking using the wearable system monitor, e.g., to determine if the wearable system monitor and the wearable dock are authorized for docking together. For example, act 1038 may ensure that the wearable system monitor is docked to a wearable dock of the correct patient. If, for example, the wearable system monitor was docked to a wearable dock of the wrong patient, the wearable system monitor can recognize the error, preclude the associated treatment from proceeding by signaling the patient-care device associated with the patient-care device to stop operating (in some embodiments), and send an alert to a monitoring client, e.g., the monitoring client 1, 4, or 11 of FIG. 1, 3, 5, 7, 8, monitoring client 9, 4, or 11 of FIG. 9, or other monitoring client disclosed herein. Act 1024 can resume treatment if the treatment was interrupted, or act 1040 can treat the patient in accordance with any updated settings 1040.」
([0434] 行為1036は、ウェアラブル・システム・モニタをウェアラブル・ドックに再び取り付ける。行為1038は、ウェアラブル・システム・モニタを使用してウェアラブル・ドックへのドッキングを識別および認証して、例えばウェアラブル・システム・モニタおよびウェアラブル・ドックが互いにドッキングするように権限を与えられているかどうか判定する。例えば、行為1038は、ウェアラブル・システム・モニタが、正しい患者のウェアラブル・ドックにドッキングされていることを保証することができる。例えば、ウェアラブル・システム・モニタが誤った患者のウェアラブル・ドックにドッキングされていた場合、ウェアラブル・システム・モニタは過誤を認識し、(いくつかの実施形態では)動作を停止するように、誤った患者に関連付けられた患者介護デバイスにシグナルを送ることによって関連付られた治療が進行しないようにし、監視クライアント、例えば図1、3、5、7、8の監視クライアント1、4、または11、図9の監視クライアント9、4または11、または本明細書で開示された他の監視クライアントに警戒を送信することができる。行為1024は、治療が中断された場合に治療を再開することができ、または行為1040は、任意の更新設定1040に従って患者を治療することができる。)
イ 引用文献1に記載された発明
上記アの記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「a 電子患者介護用システム100であって、(段落[0249])
b 電子患者介護用システム100は、注入ポンプ7、丸薬ディスペンサ128を含む患者介護デバイス7、14、15、16、17、35、126、128、130、148と、個別の患者2に割り当てられる監視クライアント1と、ウェアラブル・システム・モニタがスナップ嵌合するスナップ嵌めベース部材を備えたウェアラブル・ドックと、ウェアラブル・システム・モニタ131とを備え、(段落[0249]、[0251]、[0256]、[0291]、[0429])
監視クライアント1はタブレットPCであってもよく、(段落[0272])
監視クライアント・ドック102、デバイス・ドック104および両方のドック102、104に結合されて、その間に通信リンクを提供するケーブル110を備え、監視クライアント・ドック102は、監視クライアント1を受けるように構成されており、監視クライアント1が監視クライアント・ドック102から取り外される場合があり、デバイス・ドック104は、1つ以上の患者介護デバイスを受けるように構成されており、(段落[0262]、[0263]、[0268])
c ウェアラブル・システム・モニタ131は、(段落[0424])
介護人を識別し、(段落[0427])
ウェアラブル・システム・モニタがそのドックから取り外されると、タイマをスタートさせ、(段落[0429])
タイマは、ウェアラブル・システム・モニタがそのドック外にある時間の経過を追跡し、ウェアラブル・システム・モニタがウェアラブル・ドックからドッキングを外された後、所定の時間が経過したときに治療を止め、(段落[0430])
患者を識別し、(段落[0431])
ウェアラブル・システム・モニタを患者介護デバイスにペアリングする権限を与えられているかどうか判定し、介護人がウェアラブル・システム・モニタをペアリングする権限を与えられている場合、介護人がウェアラブル・システム・モニタとペアリングするための1つ以上の患者介護デバイスを選択することを許可し、(段落[0432])
介護人は互いにペアリングするためにウェアラブル・システム・モニタおよび患者介護デバイスを選択し、ウェアラブル・システム・モニタを患者介護デバイスとペアリングし、(段落[0433])
ウェアラブル・システム・モニタをウェアラブル・ドックに再び取り付け、(段落[0434])
ウェアラブル・システム・モニタを使用してウェアラブル・ドックへのドッキングを識別および認証し、ウェアラブル・システム・モニタおよびウェアラブル・ドックが互いにドッキングするように権限を与えられているかどうか判定し、(段落[0434])
ウェアラブル・システム・モニタが再びドッキングされると、ウェアラブル・システム・モニタがそのウェアラブル・ドックからドッキングを外されたことにより治療が中断されている場合に、所定の時間が経過した後に治療を再開し、(段落[0430])
d 監視クライアント1が監視クライアント・ドック102にドッキングされているときは、監視クライアント1は、ドック102、104の間の通信へのアクセスを有し、ケーブル110によって提供される通信リンクを通して、デバイス・ドック104にドッキングされたあらゆるデバイスと通信することができ、(段落[0266])
監視クライアント1が監視クライアント・ドック102から取り外された場合、監視クライアント1は、デバイス・ドック104に直接通信することができる、(段落[0268])
監視クライアント1は、通信がペアリングされた患者介護デバイスに確立された場合を示すアイコンを表示することができる、(段落[0321])
e 電子患者介護用システム100。(段落[0249])」
(3)対比
本件補正発明と引用発明1とを対比する。
ア 構成A、Eについて
引用発明1の「電子患者介護用システム100」は、本件補正発明の「電子患者介護用のシステム」に相当する。
イ 構成Bについて
(ア)引用発明1において、「タブレットPCであ」る場合の「監視クライアント1」は、本件補正発明の「タブレット」に相当する。
引用発明1の「注入ポンプ7、丸薬ディスペンサ128を含む患者介護デバイス7、14、15、16、17、35、126、128、130、148」が、患者を治療するためのものであることは、当業者にとって自明である。よって、引用発明1の「注入ポンプ7、丸薬ディスペンサ128を含む患者介護デバイス7、14、15、16、17、35、126、128、130、148」は、本件補正発明の「患者を治療するよう構成され」た「医療デバイス」に相当する。
また、引用発明1は、「監視クライアント・ドック102、デバイス・ドック104および両方のドック102、104に結合されて、その間に通信リンクを提供するケーブル110を備え、監視クライアント・ドック102は、監視クライアント1を受けるように構成されており、監視クライアント1が監視クライアント・ドック102から取り外される場合があり、デバイス・ドック104は、1つ以上の患者介護デバイスを受けるように構成されて」いるから、「監視クライアント・ドック102」が「監視クライアント1を受ける」状態においては、「監視クライアント1」は「監視クライアント・ドック102」、「ケーブル110」及び「デバイス・ドック104」を介して「デバイス・ドック10」が「受ける」「1つ以上の患者介護デバイス」と接続し、また、「監視クライアント1が監視クライアント・ドック102から取り外される場合」においては、当該「監視クライアント1」と「1つ以上の患者介護デバイス」との接続が切り離されるといえる。よって、引用発明1の「注入ポンプ7、丸薬ディスペンサ128を含む患者介護デバイス7、14、15、16、17、35、126、128、130、148」は、「監視クライアント1」と切り離し可能に接続されたものといえる。
(イ)引用発明1において、「ウェアラブル・ドック」が備える「スナップ嵌めベース部材」に「ウェアラブル・システム・モニタがスナップ嵌合」できることは、「ウェアラブル・システム・モニタ」が「ウェアラブル・ドック」にドッキング可能であることといえる。よって、引用発明1の「ウェアラブル・システム・モニタがスナップ嵌合するスナップ嵌めベース部材を備えたウェアラブル・ドック」及び「ウェアラブル・システム・モニタ131」は、それぞれ、本件補正発明の「ウェアラブル・ドック」及び「前記ウェアラブル・ドックにドッキング可能なウェアラブル・システム・モニタ」に相当する。
(ウ)以上より、引用発明1の構成bは、本件補正発明の構成Bに相当する。
ウ 構成Cについて
引用発明1の「ウェアラブル・システム・モニタ131」は、本件補正発明の「前記ウェアラブル・システム・モニタ」に相当する。
引用発明1において、「介護人を識別」することは、本件補正発明の「介護人を識別」することに相当する。
引用発明1において、「ウェアラブル・システム・モニタがそのドックから取り外されると、タイマをスタートさせ」ることは、本件補正発明の「前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックから取り外されたとき、タイマをスタートさせ」ることに相当する。
引用発明1において、「タイマは、ウェアラブル・システム・モニタがそのドック外にある時間の経過を追跡し、ウェアラブル・システム・モニタがウェアラブル・ドックからドッキングを外された後、所定の時間が経過したときに治療を止め」ることは、本件補正発明の「前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックにドッキングされることなく所定の時間が経過したとき、前記医療デバイスによる前記治療を停止させ」ることに相当する。
引用発明1において、「患者を識別」することは、本件補正発明において、「前記患者を識別」することに相当する。
引用発明1において、「ウェアラブル・システム・モニタを患者介護デバイスにペアリングする権限を与えられているかどうか判定し、介護人がウェアラブル・システム・モニタをペアリングする権限を与えられている場合、介護人がウェアラブル・システム・モニタとペアリングするための1つ以上の患者介護デバイスを選択することを許可」することは、本件補正発明において、「前記介護人に前記ウェアラブル・システム・モニタを前記医療デバイスとペアリングする許可を与え」ることに相当する。
引用発明1において、「介護人は互いにペアリングするためにウェアラブル・システム・モニタおよび患者介護デバイスを選択し、ウェアラブル・システム・モニタを患者介護デバイスとペアリング」することは、本件補正発明において、「前記ウェアラブル・システム・モニタを前記医療デバイスとペアリングさせ」ることに相当する。
引用発明1において、「ウェアラブル・システム・モニタをウェアラブル・ドックに再び取り付け」ることは、本件補正発明において、「前記ウェアラブル・ドックに再び取り付け」ることに相当する。
引用発明1において、「ウェアラブル・システム・モニタを使用してウェアラブル・ドックへのドッキングを識別および認証し、ウェアラブル・システム・モニタおよびウェアラブル・ドックが互いにドッキングするように権限を与えられているかどうか判定」ることは、本件補正発明において、「前記ウェアラブル・ドックを識別し、認証」することに相当する。
引用発明1において、「ウェアラブル・システム・モニタを使用してウェアラブル・ドックへのドッキングを識別および認証し、ウェアラブル・システム・モニタおよびウェアラブル・ドックが互いにドッキングするように権限を与えられているかどうか判定」し、「ウェアラブル・システム・モニタが再びドッキングされると、ウェアラブル・システム・モニタがそのウェアラブル・ドックからドッキングを外されたことにより治療が中断されている場合に、所定の時間が経過した後に治療を再開」することは、本件補正発明において、「前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックにドッキングされ、前記ウェアラブル・ドックが前記ウェアラブル・システム・モニタにより識別され認証された後、前記医療デバイスによる治療を再開させる」ことに相当する。
以上より、引用発明1の構成cは、本件補正発明の構成Cに相当する。
エ 構成Dについて
引用発明1において、「デバイス・ドック104は、1つ以上の患者介護デバイスを受けるように構成されて」(構成a)いるから、引用発明1の「デバイス・ドック104にドッキングされたあらゆるデバイス」が、「患者介護デバイス」を含むことは、明らかである。よって、引用発明1の「デバイス・ドック104にドッキングされたあらゆるデバイス」は、本件補正発明の「医療デバイス」に相当する。
引用発明1において、「監視クライアント1が監視クライアント・ドック102にドッキングされているとき」に、「監視クライアント1」が「デバイス・ドック104にドッキングされたあらゆるデバイスと通信する」「ケーブル110によって提供される通信リンク」は、本件補正発明の「物理的接続を通して」「確立」した「前記タブレットと前記医療デバイスとの間」の「第1の通信リンク」に相当する。
引用発明1において、「監視クライアント1が監視クライアント・ドック102から取り外された場合」において「監視クライアント1」が「デバイス・ドック104に直接通信する」際には、「監視クライアント1」と「デバイス・ドック104にドッキングされたあらゆるデバイス」とは切り離されたものとなるから、その際の通信リンクが「ケーブル110によって提供される通信リンク」とは異なる通信リンクであることは明らかである。よって、引用発明1において、「監視クライアント1が監視クライアント・ドック102から取り外された場合」において「監視クライアント1」が「デバイス・ドック104に直接通信する」際の通信リンクは、本件補正発明の「第2の通信リンク」に相当する。
また、引用発明1の「監視クライアント1が監視クライアント・ドック102から取り外された場合、監視クライアント1は、デバイス・ドック104に直接通信すること」は、本件補正発明において「前記データは、前記タブレットと前記医療デバイスとの間の前記物理的接続が切り離されても、前記データは前記タブレットと前記医療デバイスとの間で通信可能であること」に相当する。
以上より、引用発明1の構成dは、本件補正発明の構成Dと、「前記タブレットは」、「物理的接続を通して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第1の通信リンクを確立し」、「第2の通信リンクを使用して前記医療デバイスから前記タブレットにデータを送信するよう構成され、前記データは、前記タブレットと前記医療デバイスとの間の前記物理的接続が切り離されても、前記データは前記タブレットと前記医療デバイスとの間で通信可能である」点で共通する。
(4)一致点、相違点
上記(3)のとおりであるから、本件補正発明と引用発明1とは、下記アの点で一致し、下記イの点で相違する。
ア 一致点
「A 電子患者介護用のシステムであって、
B 前記システムは、
患者を治療するよう構成され、タブレットに切り離し可能に接続された医療デバイスと、
ウェアラブル・ドックと、
前記ウェアラブル・ドックにドッキング可能なウェアラブル・システム・モニタと、
を具備し、
C 前記ウェアラブル・システム・モニタは、
介護人を識別し、
前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックから取り外されたとき、タイマをスタートさせ、
前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックにドッキングされることなく所定の時間が経過したとき、前記医療デバイスによる前記治療を停止させ、
前記患者を識別し、
前記介護人に前記ウェアラブル・システム・モニタを前記医療デバイスとペアリングする許可を与え、
前記ウェアラブル・システム・モニタを前記医療デバイスとペアリングさせ、
前記ウェアラブル・ドックに再び取り付け、
前記ウェアラブル・ドックを識別し、認証し、
前記ウェアラブル・システム・モニタが前記ウェアラブル・ドックにドッキングされ、前記ウェアラブル・ドックが前記ウェアラブル・システム・モニタにより識別され認証された後、前記医療デバイスによる治療を再開させることを特徴とし、
D’前記タブレットは、
物理的接続を通して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第1の通信リンクを確立し、
第2の通信リンクを使用して前記医療デバイスから前記タブレットにデータを送信するよう構成され、
前記データは、前記タブレットと前記医療デバイスとの間の前記物理的接続が切り離されても、前記データは前記タブレットと前記医療デバイスとの間で通信可能である、
E 電子患者介護用のシステム。」
イ 相違点1(構成D)
本件補正発明は
「前記医療デバイスと前記タブレットとが互いに物理的接続が行われていることを判定し」、
前記物理的接続を通して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第1の通信リンクを確立し、
「前記第1の通信リンクを使用して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第2の通信リンクを確立」すると特定されているのに対し、
引用発明1は、そのように特定されていない点。
(5)相違点1に対する判断
ペアリングを行い、無線接続による通信を行う装置において、物理的接続が行われている際の通信リンクを使用してペアリングを行い、無線接続による通信リンクを確立し、無線接続による通信を可能とすることは、例えば特開2010-52106号公報の段落【0039】、【0041】、【0042】、特表2010-528358号公報の【0004】、【0008】等に示されているように、周知技術にすぎない。
そして、引用発明1は「監視クライアント1は、通信がペアリングされた患者介護デバイスに確立された場合を示すアイコンを表示することができる」ものであって、ペアリングした「監視クライアント1」と「患者介護デバイス」との間で通信を可能とするものであることは明らかであるから、当該ペアリングによる通信の確立のための具体的な構成として上記周知技術を適用し、「監視クライアント1が監視クライアント・ドック102にドッキングされている」ことを判定し、その際の「ケーブル110によって提供される通信リンク」(第1の通信リンク)により、「監視クライアント1が監視クライアント・ドック102から取り外された場合」において「監視クライアント1」が「デバイス・ドック104に直接通信する」ための通信リンク(第2の通信リンク)を確立するものとし、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
(6)効果について
本件補正発明により奏される効果も、引用文献1の記載及び周知技術から当業者が予期し得るものであり、格別顕著なものではない。
(7)請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、「独立項である本願補正後の請求項1に係る発明と引用文献に記載の発明とを比較すると、どちらも電子患者介護用のシステムである点で類似するが、補正後の請求項1に係る発明は、タブレットに切り離し可能に接続された医療デバイスを具備し、医療デバイスからタブレットにデータを送信するデータは、タブレットと医療デバイスとの間の物理的接続が切り離されても、タブレットと医療デバイスとの間で通信可能である構成を具備する点で、このような構成を有しない引用文献に記載の発明と異なる。」との主張をしているが、上記(3)で対比したとおり、引用発明1においても、構成aより「患者介護デバイス」(医療デバイス)は「監視クライアント1」(タブレット)から切り離し可能に接続されたものであり、構成dより「監視クライアント1」と「患者介護デバイス」との間の物理的接続が切り離されても通信可能であるといえるから、審判請求人の上記主張は採用できない。
(8)小括
以上より、本件補正発明は、引用発明1及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 補正却下の決定についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しないものであって、仮に、本件補正が特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると解釈した場合であっても、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~19に係る発明は、令和6年1月26日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~19に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項9に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項9に記載された事項により特定されるとおりのものであり、当該請求項9の記載は上記第2の[理由]1(2)に示したとおりである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由1は、この出願の請求項9に係る発明は、その出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、という理由を含むものである。
引用文献1:米国特許出願公開第2012/0185267号明細書
3 引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、上記第2の[理由]3(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
(1)本願発明は、上記第2の[理由]3で独立特許要件の検討をした本件補正発明から、「タブレットに切り離し可能に接続された医療デバイス」との発明特定事項について、「タブレットに切り離し可能に接続された」との発明特定事項を削除するとともに、
「前記タブレットは、
前記医療デバイスと前記タブレットとが互いに物理的接続が行われていることを判定し、
前記物理的接続を通して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第1の通信リンクを確立し、
前記第1の通信リンクを使用して前記タブレットと前記医療デバイスとの間に第2の通信リンクを確立し、
前記第2の通信リンクを使用して前記医療デバイスから前記タブレットにデータを送信するよう構成され、
前記データは、前記タブレットと前記医療デバイスとの間の前記物理的接続が切り離されても、前記データは前記タブレットと前記医療デバイスとの間で通信可能であることを特徴とする、」
との発明特定事項を削除したものである。
(2)本願発明と引用発明1との対比は、上記第2の[理由]3(3)で示したとおりである。
そして、本願発明は、上記(1)で示した発明特定事項の削除により、相違点1に係る本件補正発明の構成Dが削除されたものであるから、本願発明と引用発明1との間に差異はないものとなる。
そうすると、本願発明は、引用発明1であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、同法同条同項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-011603