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特許拒絶査定不服審判

2024-002493

ディスプレイパネルおよびディスプレイ装置

審判番号
2024-002493
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-520592
請求日
2024年02月13日
審決日
2025年05月07日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】武漢華星光電技術有限公司
  • 【請求人代理人】松村 啓
審判長/審判官
  • 審判長 濱野 隆
  • 審判官 小島 寛史
  • 審判官 谷垣 圭二
分類
P18 .121-WZ (G09F) / P18 .575-WZ (G09F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-520592「ディスプレイパネルおよびディスプレイ装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 2月17日国際公開、WO2022/032718、令和 4年11月16日国内公表、特表2022-547752〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2020年(令和2年)8月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2020年8月11日、中国)を国際出願日とする外国語特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。なお、2020年8月11日を、以下「優先日」という。 令和3年 4月14日 :翻訳文の提出 令和4年11月24日付け:拒絶理由通知書 令和5年 1月16日 :意見書、手続補正書の提出 同年 4月27日付け:拒絶理由通知書(最後) 同年 8月 3日 :意見書、手続補正書の提出 同年10月20日付け:補正の却下の決定 同日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月30日 :原査定の謄本の送達) 令和6年 2月13日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年2月13日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年2月13日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 補正の内容 令和6年2月13日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の補正をするものであり、本件補正により、次の(1)に示す本件補正前(令和5年1月16日にされた手続補正後のものをいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1の記載は、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正された。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前 「 【請求項1】 ディスプレイパネルであって、ディスプレイ基板、フレキシブル回路基板、および、 ディスプレイエリアの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられたチップと、 前記ディスプレイ基板上に設けられ、且つ前記チップの少なくとも左右の一側に位置するボンディングパッドと、 前記ボンディングパッドの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられる仮想ボンディングパッドと、 前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記ボンディングパッドの表面と互いに接しているゴールドフィンガーと、 前記ゴールドフィンガーの一側の前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記仮想ボンディングパッドの表面と互いに接している仮想ゴールドフィンガーと、を含み、 前記ボンディングパッドと前記チップとの間にリード線が設置され、前記ボンディングパッドは前記リード線を介して前記チップに接続され、 前記仮想ボンディングパッドと前記チップとの間には、リード線が設置されておらず、 前記ボンディングパッドと前記ゴールドフィンガーとは電気的に接続されており、 前記仮想ボンディングパッドと前記仮想ゴールドフィンガーとは電気的に接続されていない、ディスプレイパネル。」 (2) 本件補正後 「 【請求項1】 ディスプレイパネルであって、ディスプレイ基板、フレキシブル回路基板、および、 ディスプレイエリアの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられたチップと、 前記ディスプレイ基板上に設けられ、且つ前記チップの少なくとも左右の一側に位置するボンディングパッドと、 前記ボンディングパッドの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられ、前記ボンディングパッドと同じ高さを有する仮想ボンディングパッドと、 前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記ボンディングパッドの表面と互いに接しており、前記ボンディングパッドと同じ高さを有するゴールドフィンガーと、 前記ゴールドフィンガーの一側の前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記仮想ボンディングパッドの表面と非電気的な接続方式で互いに接しており、前記仮想ボンディングパッドと同じ高さを有する仮想ゴールドフィンガーと、を含み、 前記ボンディングパッドと前記チップとの間にリード線が設置され、前記ボンディングパッドは前記リード線を介して前記チップに接続され、 前記仮想ボンディングパッドと前記チップとの間には、リード線が設置されていなく、 前記ボンディングパッドと前記ゴールドフィンガーとは電気的に接続されており、 前記仮想ボンディングパッドと前記仮想ゴールドフィンガーとは電気的に接続されていないディスプレイパネル。」 2 補正の目的 (1) 本件補正のうち請求項1についてする補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項について、次のアからウの限定をするものである。 ア 「仮想ボンディングパッド」について、「前記ボンディングパッドと同じ高さを有する」ものに限定すること。 イ 「ゴールドフィンガー」について、「前記ボンディングパッドと同じ高さを有する」ものに限定すること。 ウ 「仮想ゴールドフィンガー」について、仮想ボンディングパッドの表面と「非電気的な接続方式で」接するものあって、「前記仮想ボンディングパッドと同じ高さを有する」ものに限定すること。 (2) そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 (3) したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。 3 独立特許要件の判断 本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。 (1) 本件補正発明 ア 本件補正発明の認定と分説 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。 ここで、検討の便宜上、本件補正発明の構成を次のとおり構成Xと構成Aから構成Iまでに分説する。分説するにあたり、適宜改行を加えて表記した。また、参考図として、本願の【図2】に部材名を記入したものを掲載する。 <本件補正発明の分説> X ディスプレイパネルであって、 A ディスプレイ基板、フレキシブル回路基板、および、ディスプレイエリアの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられたチップと、 B 前記ディスプレイ基板上に設けられ、且つ前記チップの少なくとも左右の一側に位置するボンディングパッドと、 C 前記ボンディングパッドの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられ、前記ボンディングパッドと同じ高さを有する仮想ボンディングパッドと、 D 前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記ボンディングパッドの表面と互いに接しており、前記ボンディングパッドと同じ高さを有するゴールドフィンガーと、 E 前記ゴールドフィンガーの一側の前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記仮想ボンディングパッドの表面と非電気的な接続方式で互いに接しており、前記仮想ボンディングパッドと同じ高さを有する仮想ゴールドフィンガーと、を含み、 F 前記ボンディングパッドと前記チップとの間にリード線が設置され、前記ボンディングパッドは前記リード線を介して前記チップに接続され、 G 前記仮想ボンディングパッドと前記チップとの間には、リード線が設置されていなく、 H 前記ボンディングパッドと前記ゴールドフィンガーとは電気的に接続されており、 I 前記仮想ボンディングパッドと前記仮想ゴールドフィンガーとは電気的に接続されていない X ディスプレイパネル。 <参考図> 【図2】 [図:0001427438000001.jpg] イ 課題・作用効果等に関連する明細書の発明の詳細な説明の記載 本願明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、発明が解決しようとする課題及び作用効果等に関連する記載を抜粋すると、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本願は、ディスプレイパネルの技術分野に関し、特にディスプレイパネルおよびディスプレイ装置に関する。 【背景技術】 【0002】 現在、ディスプレイスクリーンのスクリーン対本体比率は絶えず上昇し続けており、ディスプレイの下部ベゼルをますます小さくする必要がある。図1を参照すると、図1は従来技術で提供されるディスプレイパネルの構造模式図を示し、ディスプレイパネル100は、ディスプレイ基板10、ディスプレイエリア20、ファンアウトエリア30、チップ40、ボンディングパッド50、ゴールドフィンガー70、およびフレキシブル回路基板60を含む。チップ40は、ディスプレイエリア20の一側のディスプレイ基板10上に設けられている。ボンディングパッド50は、ディスプレイ基板10上に設けられ、且つチップ40の左右両側に位置し、金フィンガー70は、フレキシブル回路基板60上に設けられ、且つ対応してボンディングパッド50の表面と互いに接している。チップの両側にあるボンディングパッドの数が少ないため、フレキシブル回路基板全体とディスプレイ基板との接触面積が小さくなり、フレキシブル回路基板を引き抜くときに、フレキシブル回路基板を引き抜いて外してしまう可能性がある。 【0003】 したがって、新しいタイプのディスプレイパネルを開発し、従来技術の欠点を克服することが実際に必要である。 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明の目的は、従来技術におけるフレキシブル回路基板とディスプレイ基板との接触面積が小さいという問題を解決することができるディスプレイパネルを提供することである。」 「【課題を解決するための手段】 【0005】 上記の目的を実現するため、本願発明は、ディスプレイパネルであって、ディスプレイ基板、フレキシブル回路基板、および、ディスプレイエリアの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられたチップと、前記ディスプレイ基板上に設けられ、且つ前記チップの少なくとも左右の一側に位置するボンディングパッドと、前記ボンディングパッドの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられる仮想ボンディングパッドと、前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記ボンディングパッドの表面と互いに接しているゴールドフィンガーと、前記ゴールドフィンガーの一側の前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記仮想ボンディングパッドの表面と互いに接している仮想ゴールドフィンガーと、を含む、ディスプレイパネルを提供する。 【0006】 ボンディングパッドの一側に仮想ボンディングパッドが追加され、フレキシブル回路基板のその対応する位置にもいくつかの仮想ゴールドフィンガーが追加され、仮想ボンディングパッドの表面と仮想ゴールドフィンガーの表面とは一対一で対応して互いに接触し、記フレキシブル回路基板とディスプレイパネルの接触面積を大きくすることができることにより、フレキシブル回路基板の引抜き力を増加させることができる。 【0007】 さらに、他の実施形態では、前記ボンディングパッドと前記チップとの間にリード線が設置され、前記ボンディングパッドは前記リード線を介して前記チップに接続される。 【0008】 さらに、他の実施形態では、前記仮想ボンディングパッドと前記チップとの間には、リード線が設置されていない。前記仮想ボンディングパッドの設置は、前記フレキシブル回路基板とディスプレイパネルとの接触面積を増加させるためのものであるため、前記仮想ボンディングパッドは電気的な作用を果たす必要がない。」 「 【0010】 さらに、他の実施形態では、さらに、導電性接着フィルム、を含み、前記ボンディングパッドと前記ゴールドフィンガーとは、前記導電性接着フィルムを介してプレス接続される。他の実施形態では、前記導電性接着フィルムはさらに導電性金属粒子を含み、前記ボンディングパッドと前記ゴールドフィンガーとは前記導電性金属粒子を介して電気的に接続されている。 【0011】 さらに、他の実施形態では、前記仮想ボンディングパッドと前記仮想ゴールドフィンガーとの間にも導電性接着フィルムが設置されているが、前記導電性金属粒子は設置されていない。前記仮想ボンディングパッドと前記仮想ゴールドフィンガーとの間に電気的な接続は必要がなく、対応して貼り付け、前記フレキシブル回路基板とディスプレイパネルとの接触面積を増加させる必要があるだけである。」 「【発明の効果】 【0022】 従来技術と比較して、本発明の有益な効果は次のとおりである。本願発明は、ディスプレイパネル、およびディスプレイ装置を提供し、ボンディングパッドの一側に仮想ボンディングパッドが追加され、フレキシブル回路基板のその対応する位置にもいくつかの仮想ゴールドフィンガーが追加され、仮想ボンディングパッドの表面と仮想ゴールドフィンガーの表面とは一対一で対応して互いに接触し、前記フレキシブル回路基板とディスプレイパネルの接触面積を大きくすることができることにより、フレキシブル回路基板の引抜き力を増加させることができる。」 「 【0033】 本実施形態では、ボンディングパッド50と仮想ボンディングパッド51とはサイズが同じであり、幅は、好ましくは、4mmであり、長さは、好ましくは、9mmであるため、従来技術における幅および長さがいずれも6mmのボンディングパッドと比較して、ボンディングパッド50の幅が狭くなるが通電面積は変わらない。」 (2) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定 ア 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である中国特許出願公開第110018598号明細書(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある(なお、括弧内に当合議体が作成した日本語訳を示した。また、当合議体により、後記ウの引用発明の認定に直接用いる記載に下線を付した。)。 (ア) 段落[0001]~[0005]、図1 「 [図:0001427438000002.jpg] 」 (技術分野 [0001] 本発明はディスプレイ技術分野に関し、特にディスプレイパネル及びディスプレイ装置に関する。 背景技術 [0002] 全画面ディスプレイの技術発展に伴い、現在のディスプレイの画面比率は絶えず向上しており、ディスプレイの下枠はますます小さくなっているが、しかし、下枠が狭くなるとドライバチップ、配線又は他の素子を設置する空間が直接圧縮され、配線を設置するための空間が制限され、それにより複数本の配線の間に短絡などの不良現象が発生しやすい。 [0003] 図1に示すように、従来のディスプレイパネル100はアレイ基板101を含み、前記アレイ基板101のガラス基板にフレキシブル回路基板ボンディングパッド106が設置され、前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド106は複数の金属端子1061を含み、前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド106からドライバチップ105までの間に接続配線107を必要とすることにより電気的接続を実現し、前記ドライバチップ105から前記アレイ基板101までの表示領域102にファンアウト配線108を必要とすることにより電気的接続を実現し、前記接続配線107及び前記ファンアウト配線108はいずれも前記アレイ基板101の下側ベゼル内の配線用の空間が圧縮されるが、従来技術の前記金属端子1061の高さがいずれも同じである場合、前記ドライバチップ105に近い側の空間が小さくなり、全ての前記接続配線107はドライバチップ105に近い側の空間を通過しなければドライバチップ105と電気的に接続することができず、ドライバチップ105に近い側の前記接続配線107が過度に密集して短絡を引き起こす可能性がある。 [0004] したがって、新たなディスプレイパネル及びディスプレイ装置を提供し、上記技術的問題を解決する必要がある。 発明の概要 [0005] 本発明はディスプレイパネル及びディスプレイ装置を提供し、フレキシブル回路基板のボンディングパッド内の金属端子の寸法がいずれも同じである場合、ドライバチップに近い側の金属端子とドライバチップとの間の接続配線の設置スペースが限られ、それにより複数本の接続配線の間に短絡などの不良現象が発生し、表示異常を引き起こすという技術的問題を解決する。) 「図1 [図:0001427438000003.jpg] 」 (イ) 段落[0040]~[0045]、図2 「 [図:0001427438000004.jpg] [図:0001427438000005.jpg] 」 ([0040] 実施例1 [0041] 図2に示すように、本発明の実施例が提供するディスプレイパネル200は、アレイ基板201及び前記アレイ基板に対向して設置されるカラーフィルタ基板202を含み、前記アレイ基板201は表示領域203及び前記表示領域203外に設置される非表示領域204を含み、前記非表示領域204内にドライバチップ205、及びフレキシブル回路基板ボンディングパッド206を含み、フレキシブル回路基板ボンディングパッド206は前記ドライバチップ205の少なくとも片側に設置され、前記ドライバチップ205と前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206との間に接続配線207が設置され、表示信号を伝送することに用いられる。 [0042] ここで、前記表示領域203と前記ドライバチップ205の形状はいずれも長方形であり、前記ドライバチップ205の長さは前記表示領域203の長さより短く、同時に、前記アレイ基板201の下部ベゼルの高さを最大限に縮小するために、前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206の底部と前記ドライバチップ205の底部は同一平面を保持する。当然のことながら、他の実施例において、ドライバチップ205の形状は他の形状であってもよく、且つフレキシブル回路基板ボンディングパッド206がドライバチップ205の側辺に設置される限り、例えばフレキシブル回路基板ボンディングパッド206の底部は前記ドライバチップ205の底部より低くても高くてもよい。 [0043] 前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206は複数の金属端子を含み、すなわち、複数の金属端子はそれぞれ複数の前記接続配線207によって前記ドライバチップ205に接続される。具体的には、複数の金属端子の少なくとも一部の金属端子の高さは前記ドライバチップ205に接近する方向から前記ドライバチップ205から離れる方向へ増加し、ここで、前記少なくとも一部の金属端子は第一金属端子群206aであり、複数の金属端子は前記第一金属端子群206a以外の第二金属端子群206bを含む。第一金属端子群206aの複数の金属端子は連続的又は不連続的に配列して設置され、図2に示す前記第一金属端子群206aの金属端子は前記ドライバチップ205に接近する方向から前記ドライバチップ205から離れる方向へ順に配列して設置され即ち連続的に配列して設置され、且つ前記第一金属端子群206aは前記ドライバチップ205に接近する側に設置される。当然のことながら、他の実施例において、前記第一金属端子群206aの複数の金属端子は不連続的に配列されてもよく、即ち第一金属端子群206aの複数の金属端子の間に他の金属端子が設けられ、例えば第二金属端子群206bの少なくとも一部の金属端子が設けられる。 [0044] 従来技術に比べて、前記第一金属端子群206aの金属端子は前記ドライバチップ205に接近する方向から前記ドライバチップ205から離れる方向へ増加するため、前記第一金属端子群206aの金属端子と前記ドライバチップ205との間の前記接続配線207の配線スペースが大幅に増加し、前記接続配線207の設置スペースが限られて複数本の前記接続配線207の間で短絡が発生し、表示異常を引き起こすという状況の発生を回避する。 [0045] なお、複数の金属端子の数は少なくとも二つであり、説明を容易にするために、本実施例は前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206における金属端子の数が六つであることを例として説明し、ここで複数の金属端子は前記ドライバチップ205に接近する方向から前記ドライバチップ205から離れる方向へ順に配列して設置され、配列順序は順に金属端子2061、金属端子2062、金属端子2063、金属端子2064、金属端子2065及び金属端子2066である。) 「図2 [図:0001427438000006.jpg] 」 (ウ) 段落[0051]、図3D 「 [図:0001427438000007.jpg] 」 ([0051] また例えば、前記第二金属端子群206bは前記第一金属端子群206aの前記ドライバチップ205から離れた片側に位置する。図3Dに示すように、前記第一金属端子群206aは金属端子2061、金属端子2062及び金属端子2063を含み、前記第二金属端子群206bは金属端子2064、金属端子2065及び金属端子2066を含み、前記金属端子2061の高さ<金属端子2062の高さ<金属端子2063の高さであり、配線スペースを増大させるために、金属端子2064、金属端子2065及び金属端子2066の高さは金属端子2063の高さ以下であってもよい。) 「図3D [図:0001427438000008.jpg] 」 (エ) 段落[0056]~[0058] 「 [図:0001427438000009.jpg] [図:0001427438000010.jpg] 」 ([0056] 引き続き図2を参照し、前記非表示領域204内にさらにファンアウト配線領域を含み、前記ファンアウト配線領域は前記表示領域203と前記ドライバチップ205との間に設置され、具体的には、前記ファンアウト配線領域は第一ファンアウト配線208及び第二ファンアウト配線209を含み、前記第一ファンアウト配線208は前記表示領域203内に位置するデータ線及び前記ドライバチップ205に接続され、データ信号を前記表示領域203内に伝送することに用いられる;前記第二ファンアウト配線209は前記表示領域203内に位置する走査線及び前記ドライバチップ205に接続され、走査信号を前記表示領域203内に伝送することに用いられる。ここで、前記第二ファンアウト配線209はGOA配線であり、前記第二ファンアウト配線209は前記表示領域203の外側に位置し且つ前記表示領域203のエッジに平行な平行セグメント、及び前記非表示領域204内に位置し且つ前記ドライバチップ205に指向する傾斜セグメントを含み、前記第二ファンアウト配線209の傾斜セグメントは前記ドライバチップ205に接続されて前記走査信号を入力し、前記第二ファンアウト配線209の平行セグメントは前記走査線に接続されて前記走査信号を出力する。 [0057] 前記ファンアウト配線領域と前記第一金属端子群206aにおける金属端子との間の距離は前記ドライバチップ205に接近する方向から前記ドライバチップ205から離れる方向へ減少する。一方では、前記接続配線に設置スペースを増大させ、前記接続配線207を設置するスペースが限られて複数本の前記接続配線207の間に短絡が発生し、表示異常を引き起こすという状況の発生を回避することができる。一方、従来技術に比べて、金属端子から前記第二ファンアウト配線209までの距離が大幅に増加し、従って前記接続配線207及び前記第二ファンアウト配線209により多くの配線空間を確保し、限られた配線空間を最大限に利用することを保証し、それにより金属端子が前記第二ファンアウト配線209に近すぎることを回避し、インピーダンスを低下させ、表示品質を向上させる。金属端子と第二ファンアウト配線209の前記折れ線分との間の空間は即ち前記接続配線207の配線領域であるため、前記接続配線207の形状を同様に折れ線状に設計することができ、前記接続配線207の配線をより柔軟にさせ、それにより前記金属端子から前記第二ファンアウト配線209までの間の空間を効果的に利用する。 [0058] 一般的には、前記アレイ基板201内のすべての配線を均一に配線するために、前記アレイ基板201は二つの同一の前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206を含み、且つ二つの前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206はそれぞれ前記ドライバチップ205の対向する両側に設置され且つ互いに対称を保持する。) (オ) 段落[0059]~[0060]、図5A 「 [図:0001427438000011.jpg] 」 ([0059] 図5Aに示すように、対応して、前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206の使用に適合させるために、前記ディスプレイパネル200はさらにフレキシブル回路基板210を含み、前記フレキシブル回路基板210は前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206内の複数の前記金属端子によって前記アレイ基板201の前記非表示領域204内に結合され、複数の前記金属端子は前記フレキシブル回路基板210上の信号を前記接続配線207によって前記ドライバチップ205に伝達する。具体的には、前記フレキシブル回路基板210は“Y”字形状であり、前記フレキシブル回路基板210は本体部2101及びそれぞれ前記本体部2101の対向する両側に位置する第一接続部2102及び第二接続部2103を含み、前記第一接続部2102及び前記第二接続部2103はそれぞれ前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206に対応して接続される。 [0060] さらに、前記第一接続部2102及び前記第二接続部2103にいずれも複数の接続端子(図示せず)が設置され、複数の接続端子は複数の前記金属端子にそれぞれ対応して設置され、ここで接続端子と金属端子の数、大きさ及び形状が一致してもよく、接続端子と金属端子が完全に密着することを保証し、それにより、前記フレキシブル回路基板210と前記ドライバチップ205との間の効果的な信号伝送を確保することができる。) 「図5A [図:0001427438000012.jpg] 」 イ 図面から読み取れる事項の認定 (ア) [0041]~[0043]の記載を踏まえて図2を見ると、次の事項(以下「認定事項1」、「認定事項2」という。)が看取できる。 <認定事項1> 「アレイ基板201の一端部に非表示領域204が設けられていること。」 <認定事項2> 「フレキシブル回路基板ボンディングパッド206は、ドライバチップ205の左右両側に設置されていること。」 (イ) [0051]の記載を踏まえて図2及び図3Dを見ると、次の事項(以下「認定事項3」という。)が看取できる。 <認定事項3> 「第二金属端子群206bを構成する金属端子2064、金属端子2065及び金属端子2066の高さが同じであること。」 ウ 引用発明の認定 前記イにおいて認定した事項及び前記アに摘記した引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、実施例1(図2及び図3D)に係る次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、認定の根拠となる記載箇所を括弧内に示した。 <引用発明> 「ディスプレイパネル200であって、([0041]) ディスプレイパネル200は、アレイ基板201を含み、前記アレイ基板201は表示領域203及び前記表示領域203外に設置される非表示領域204を含み、前記非表示領域204内にドライバチップ205、及びフレキシブル回路基板ボンディングパッド206を含み、([0041]) アレイ基板201の一端部に非表示領域204が設けられており、(認定事項1) 前記ディスプレイパネル200は、前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206の使用に適合させるために、さらにフレキシブル回路基板210を含み、([0059]) フレキシブル回路基板ボンディングパッド206は、ドライバチップ205の左右両側に設置されており、(認定事項2) 前記ドライバチップ205と前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206との間に接続配線207が設置され、表示信号を伝送することに用いられ、([0041]) 前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206は複数の金属端子を含み、複数の金属端子はそれぞれ複数の前記接続配線207によって前記ドライバチップ205に接続され、少なくとも一部の金属端子は第一金属端子群206aであり、複数の金属端子は前記第一金属端子群206a以外の第二金属端子群206bを含み、([0043]) 第一金属端子群206aは金属端子2061、金属端子2062及び金属端子2063を含み、前記第二金属端子群206bは金属端子2064、金属端子2065及び金属端子2066を含み、前記金属端子2061の高さ<金属端子2062の高さ<金属端子2063の高さであり、([0051]) 第二金属端子群206bを構成する金属端子2064、金属端子2065及び金属端子2066の高さが同じであり、(認定事項3) 前記フレキシブル回路基板210は、前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206内の複数の前記金属端子によって前記アレイ基板201の前記非表示領域204内に結合され、([0059]) 前記フレキシブル回路基板210は、本体部2101及びそれぞれ前記本体部2101の対向する両側に位置する第一接続部2102及び第二接続部2103を含み、([0059]) 前記第一接続部2102及び前記第二接続部2103にいずれも複数の接続端子が設置され、複数の接続端子は複数の前記金属端子にそれぞれ対応して設置され、ここで接続端子と金属端子の数、大きさ及び形状が一致し、接続端子と金属端子が完全に密着することを保証し、それにより、前記フレキシブル回路基板210と前記ドライバチップ205との間の効果的な信号伝送を確保することができる、([0059]) ディスプレイパネル200。」 (3) 引用文献2、4~7の記載事項及び技術常識等の認定 ア 引用文献2、4~6に記載された事項並びに技術常識1及び周知技術1の認定 (ア) 引用文献2に記載された事項 令和5年10月20日付けの補正の却下の決定において引用された、優先日前に発行された文献である国際公開第2020/032340号(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。(なお、括弧内に当合議体が作成した日本語訳を示した。また、下線は当合議体が付したものであり、以下同様である。) 「 [図:0001427438000013.jpg] 」 (技術分野 [1] 本発明は表示装置に関する。 背景技術 [2] 表示装置は、データを視覚的に表示する装置である。 このような表示装置は、表示領域と非表示領域に区画された基板を含む。前記表示領域で前記基板上には複数の画素が配置され、前記非表示領域で前記基板上には複数のパッドなどが配置される。前記複数のパッドには駆動回路などが装着された可撓性フィルム(COF Film)などが結合されて前記画素に駆動信号を伝達する。 [3] 前記可撓性フィルムは、前記複数のパッドと結合される複数のリードを含み、各リードは互いに分離されたパッドにボンディングされることができる。前記ボンディングは超音波ボンディング工程からなることができる。 [4] ただし、前記可撓性フィルムの前記パッドに付着される付着部が十分な領域を有して形成されない場合、前記可撓性フィルムと前記パッドが配置された前記非表示領域との間の付着が弱いことがある。 発明の詳細な説明 技術的課題 [5] 本発明が解決しようとする課題は、表示パネルと可撓性印刷回路フィルム間の付着力を高めることができる表示装置を提供することにある。) 「 [図:0001427438000014.jpg] 」 ([99] 図4は図1の第1及び第2回路基板の平面配置図であり、図5は図1のV-V’に沿って切断した断面図である。) 「図4 [図:0001427438000015.jpg] 」 「 [図:0001427438000016.jpg] 」 ([110] ダミーパッド端子D_PEは、ベース基板101の長辺(ベース基板101の縁)に隣接して配置されることができる。ダミーパッド端子D_PEはパネルアラインマークP_AMを間に置いてパネルパッド端子P_PEと離隔されて配置されることができる。 [111] ダミーパッド端子D_PEは、上述したパネルパッド端子P_PEと実質的に平面形状が同一であることができるが、これに制限されない。 [112] 図面では各々三つの第1及び第2ダミーパッド端子D_PE1、D_PE2が示されたが、これに制限されず第1及び第2ダミーパッド端子D_PE1、D_PE2は二つ、又は四つ以上であることができる。 [113] ダミーパッド端子D_PEはパネルパッド端子P_PEとは異なり、表示領域DAに配置された少なくとも一つのトランジスタTRと電気的に連結されない。すなわち、ダミーパッド端子D_PEはフローティング(floating)されることができる。) 「 [図:0001427438000017.jpg] [図:0001427438000018.jpg] 」 ([127] ダミーリード端子D_LEは、ベース基板101の長辺(ベース基板101の縁)に隣接して配置されることができる。ダミーリード端子D_LEは、第1リードアラインマークL_AM1とベース基板101の一長辺との間に配置された第1ダミーリード端子D_LE1及び第2リードアラインマークL_AM2とベース基板101の他長辺との間に配置された第2ダミーリード端子D_LE2を含むことができる。ダミーリード端子D_LEは、リードアラインマークL_AMを間に置いて第1リード端子LE1と離隔されて配置される。 [128] ダミーリード端子D_LEは、上述したリード端子LEと実質的に平面形状が同一であることができるが、これに制限されない。 [129] 図面では各々三つの第1及び第2ダミーリード端子D_LE1、D_LE2が示されたが、これに制限されず第1及び第2ダミーリード端子D_LE1、D_LE2は二つ、又は四つ以上であることができる。 [130] ダミーリード端子D_LEは、第1リード端子LE1と異なり、データ駆動集積回路390と電気的に連結されない。すなわち、ダミーリード端子D_LEはフローティング(floating)されることができる。) 「 [図:0001427438000019.jpg] 」 ([132] ダミーリード端子D_LE1、D_LE2は、第1回路基板300の縁部でダミーパッド端子D_PE1、D_PE2と任意の構成や層を介することなく、ダミーパッド端子D_PE1、D_PE2と直接結合され得る。 [133] さらに、リードアラインマークL_AM1、L_AM2は、ダミーリード端子D_LE1、D_LE2と第1リード端子LE1との間の領域部で、パネルアラインマークP_AM1、P_AM2と任意の構成や層を介さずに直接結合することができる。 [134] パネルパッド端子P_PEと第1リード端子LE1、ダミーリード端子D_LE1、D_LE2、ダミーパッド端子D_PE1、D_PE2は超音波ボンディングにより直接結合されることができる。) 「 [図:0001427438000020.jpg] [図:0001427438000021.jpg] 」 ([171] 図12はさらに他の実施形態による第1及び第2回路基板の平面配置図であり、図13はさらに他の実施形態による表示パネルの断面図である。 [172] 図12及び図13を参照すると、本実施形態による表示装置4はパネルアラインマークP_AMとダミーパッド端子D_PE、リードアラインマークL_AMとダミーリード端子D_LEの位置が交換されたという点で一実施形態による表示装置1と差がある。 [173] さらに具体的に説明すれば、本実施形態によるパネルアラインマーク(P_AM)はベース基板101の縁領域に位置し、ダミーパッド端子(D_PE)はパネルアラインマーク(P_AM)及びパネルパッド端子(P_PE)の間に配置されることができる。 [174] 同様に、リードアラインマークL_AMはベース基板101の縁領域に位置し、ダミーリード端子D_LEはリードアラインマークL_AMと第1リード端子LE1との間に配置されることができる。 [175] 本実施形態によれば、ダミーパッド端子D_PEはパネルパッド端子P_PEと隣接して配置され、ダミーリード端子D_LEは第1リード端子LE1と隣接して配置されることができる。) 「図12 [図:0001427438000022.jpg] 」 (イ) 引用文献4に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された、優先日前に発行された文献である中国特許出願公開第110687728号明細書(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。 「 [図:0001427438000023.jpg] 」 (技術分野 [0001] 本発明は通信技術分野に関し、特に表示モジュール及び端末装置に関する。 背景技術 [0002] 端末装置の急速な発展に伴い、端末装置が備える機能もますます多くなっている。従来技術において、端末装置の画面占有率を向上させるために、表示モジュールにフレキシブル回路基板を設置し、且つ一部の部品をフレキシブル回路基板に設置することができ、このように表示モジュールにおける表示パネル上の表示に用いられる面積を増大させることができるが、現在のフレキシブル回路基板と表示パネルとの間の接続の安定性が低い。) 「 [図:0001427438000024.jpg] 」 ([0016] 図1-6に示すとおり、本発明の実施例は表示モジュールを提供する。図2及び図4に示すとおり、表示モジュールは以下を含む:表示パネル10及びフレキシブル回路基板20であって、前記フレキシブル回路基板20は前記表示パネル10に接続される接続領域21を含み、前記接続領域21は第一サブ領域及び第二サブ領域を含み、前記第一サブ領域内にパッド30が設置され、前記パッド30はそれぞれ前記表示パネル10の表示回路及び前記フレキシブル回路基板20に電気的に接続され、前記第二サブ領域内に前記表示パネル10及び前記フレキシブル回路基板20を固定して接続する支持柱40が設置されるもの。 [0017] ここで、本発明の実施例の動作原理は以下の表現を参照することができる: [0018] 本発明の実施例において、支持柱40の両端はそれぞれ表示パネル10及びフレキシブル回路基板20に固定して接続することができるため、表示パネル10とフレキシブル回路基板20との間の接続強度を強化することができ、さらに表示パネル10とフレキシブル回路基板20との間の接続の安定性を強化する。また、従来技術において、図1に示すとおり、表示パネル10とフレキシブル回路基板20は固定して接続され、表示パネル10上の接続領域21に対応する領域は表示に用いることができず、一般的にブラックエッジと呼ばれる。本発明の実施例において、支持柱40が設置されるため、対応してパッド30の長さを減少させることができ、同時に表示パネル10とフレキシブル回路基板20との間の接続強度を確保することができる。) 「図2 [図:0001427438000025.jpg] 」 (ウ) 引用文献5に記載された事項 令和5年10月20日付けの補正の却下の決定において引用された、優先日前に発行された文献である特開2016-75896号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の記載がある。 「【0001】 本発明は、フレキシブルな表示パネルおよびその製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、ポリマー分散液晶や電気泳動体を用いたフレキシブルな表示パネルが開発されている。この表示パネルは、基材、対向基板、表示媒体の全てがフレキシブルなので、全体としてもフレキシブルな表示パネルとなっている。通常は、図9の(a)および(b)に示すように、フレキシブル基材1Aの端子部にフレキシブルプリント基板12が接続され、該フレキシブルプリント基板12を介して表示パネルが駆動される。 【0003】 しかし、フレキシブル基材1Aがフレキシブルなため、例えばフレキシブル基材1Aだけや図9の(c)のようにフレキシブルプリント基板12だけを保持した場合に、フレキシブル基材1Aが予期せぬ変形をして、フレキシブル基材1Aとフレキシブルプリント基板12との接続部に大きな力がかかり、接続部が壊れてしまうことがあった。 …(中略)… 【0006】 本発明は、フレキシブル基材とフレキシブルプリント基板との接続部が壊れにくい表示パネルを提供することにある。また、本発明は、フレキシブル基材をリジッド基板に固定した状態で処理工程を通す製造方法において、フレキシブル基材に対して簡便で寸法精度のよい加工を行える表示パネルの製造方法を提供することにある。」 「【0020】 図1の(b)に示す表示パネルの構成例では、異方導電膜13の図面右端が、フレキシブル基材1Aの図面右下端と、フレキシブルプリント基板12の図面右上端とに、ほぼ一致している。これにより、図1の(c)に示すように、フレキシブルプリント基板12の右の縁を持ち上げる方向、すなわち異方導電膜13の長さ方向に力がかかっても、フレキシブル基材1Aがフレキシブルプリント基板12の動きに追随するため、力がフレキシブルプリント基板12とフレキシブル基材1Aの全体に分散し、力を面で受けることになるため強度が大きく、壊れにくい。また、ダミー端子2D又は4Dと、ダミー端子12Dとが、異方導電膜13で物理的に接続されているため、機械強度が強く、壊れにくい。」 「【図1】 [図:0001427438000026.jpg] 」 (エ) 引用文献6に記載された事項 当審において新たに引用する、優先日前に発行された文献である特開2007-121915号公報(以下「引用文献6」という。)には、次の記載がある。 「【0001】 本発明は表示装置に関し、特に、アクティブマトリクス型の表示装置に関する。 【背景技術】 …(中略)… 【0006】 また、フレキシブル基板とアレイ基板とを接続する接続部の、接続端子が並ぶ方向の長さには制限があるため、従来と同数の接続端子を従来よりも小さいピッチで配置すると、接続部に接続端子がない領域が発生する。このとき、フレキシブル基板をアレイ基板に熱圧着する際に、この接続端子がない領域でフレキシブル基板の接続不良が発生する場合があった。 【0007】 本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、狭額縁化を可能とするとともに、フレキシブル基板の接続不良を防止する表示装置を提供することを目的とする。」 「【0025】 ここで、フレキシブル基板16の第2接続部TA2はX方向の長さが制限されるため、上記のように接続パッドCPの配置ピッチを小さくすると、図5B(当審注:図3Bの誤記と認められる。)に示すように、第1接続部TA1に接続パッドCPが配置されない領域A1が形成される。従って、フレキシブル基板16の第2接続部TA2にも、接続パッドCPが配置されない領域A1に対応して、接続端子CTが配置されない領域が形成される。」 「 [図:0001427438000027.jpg] 」 【0026】 この場合に、フレキシブル基板16をアレイ基板に熱圧着すると、接続部TAにおける熱の分布が一様でなくなり、接続不良が発生する可能性がある。そこで、図5C(当審注:図3Cの誤記と認められる。)に示すように、接続パッドCPが配置されない領域A1に接続配線CWに接続されない複数のダミーパッドDPを配置した。 【0027】 すなわち、図6に示すように、第1接続部TA1には、接続パッドCPからなる第1及び第2接続パッド群PA1、PA2と、第1接続パッド群PA1と第2接続パッド群PA2との間に配置された複数のダミーパッドDPからなる第3パッド群PA3と、が配置される。」 「【図5】 [図:0001427438000028.jpg] 」 「【図6】 [図:0001427438000029.jpg] 」 「【0028】 このとき、ダミーパッドDPが配置されるピッチP3は、接続パッドCPが配置されるピッチと同じになっている。これに対応して、フレキシブル基板16の第2接続部TA2には、第1接続端子群CTA1と第2接続端子群CTA2との間の接続端子CTが配置されない領域A2に、ダミーパッドDPに対向するダミー端子DTが配置される。 【0029】 すなわち、図6に示すように、第2接続部TA2には、接続端子CTからなる第1及び第2端子群CTA1、CTA2と、第1端子群CTA1と第2端子群CTA2との間に配置されたダミー端子DTからなる第3端子群CTA3とが配置される。 【0030】 上記のように第1及び第2接続部との間にダミーパッドDPからなる第3接続部を配置することで、接続パッドCPの配置ピッチを小さくした場合であっても、接続不良を防止することができる。」 (オ) 技術常識1の認定 前記(ア)~(エ)に示した引用文献2、4~6の摘記事項に例示されているように、次の技術事項は、当業者にとって技術常識であったと認められる。(以下「技術常識1」という。) <技術常識1> 「ディスプレイパネル基板及びフレキシブル回路基板の接合構造において接合不良が生じやすく、接合構造の安定性を高めるためには、両基板の接合構造を補強する手段を設ける必要があること。」 (カ) 周知技術1の認定 前記(ア)、(ウ)、(エ)に示した引用文献2、5、6の摘記事項に例示されているように、次の技術事項は、当業者にとって周知の技術であったと認められる。(以下「周知技術1」という。) <周知技術1> 「ディスプレイパネル基板及びフレキシブル回路基板の接合構造において、接合構造の安定性を高めるために、ディスプレイパネル基板における接続パッドの隣の領域に、ドライバチップへの接続配線に接続されないダミーパッドを設け、フレキシブル回路基板における接続端子の隣の領域に、前記ダミーパッドに対向するダミー端子を設けて、接続パッド及び接続端子の接合に加えて、ダミーパッド及びダミー端子も接合させること。」 イ 引用文献7に記載された事項及び周知技術2の認定 (ア) 引用文献7に記載された事項 当審において新たに引用する、本願の優先日前に発行された文献である米国特許出願公開第2016/0345432号明細書(以下「引用文献7」という。)には、次の記載がある。 「[0001] 1. Technical Field [0002] The disclosure is related to liquid crystal technology field, and more particular to a flexible printed circuit board and a liquid crystal display using the same. [0003] 2. Related Art [0004] With the development of technology, the liquid crystal displays (LCD) have been used in public life. In order to satisfy the requirement, the resolution of the liquid crystal displays are increased gradually, such as the resolution of the liquid crystal displays from qHD (Quarter High Definition, the screen resolution of a digital product) to HD (High Definition), or that from WXGA (Wide Extended Graphics Array, widescreen) to WUXGA (Widescreen Ultra eXtended Graphics Array). Increase of the resolution of the LCDs have consequently doubled the number of differential lines, such that the number of the gold fingers of the flexible printed circuit board must be increased.」 ([0001] 1.発明の属する技術分野 [0002] 本開示は、液晶技術分野に関し、より詳細には、フレキシブルプリント回路基板及びそれを使用する液晶ディスプレイに関する。 [0003] 2.従来の技術 [0004] 技術の発展に伴い、液晶ディスプレイ(LCD)は公共生活で使用されてきた。この要求を満たすために、液晶ディスプレイの解像度は、qHD(Quarter High Definition、デジタル製品の画面解像度)からHD(High Definition)へ、又はWXGA(Wide Extended Graphics Array、ワイドスクリーン)からWUXGA(Widescreen Ultra eXtended Graphics Array)へと徐々に増加している。LCDの解像度の増加は、結果的に差動ラインの数を2倍にし、フレキシブルプリント回路基板のゴールドフィンガーの数を増加させなければならない。) 「[0007] The technique problem solved by the disclosure is to provide a flexible printed circuit board and a liquid crystal display which is able to increase the number of the gold fingers without changing the size of the flexible printed circuit board so as to solve the impedance matching problem of the flexible printed circuit board effectively.」 ([0007] 本開示によって解決される技術問題は、フレキシブルプリント回路基板のインピーダンス整合問題を効果的に解決するように、フレキシブルプリント回路基板のサイズを変更することなく、ゴールドフィンガーの数を増加させることができるフレキシブルプリント回路基板及び液晶ディスプレイを提供することである。) 「[0037] As shown in FIGS. 1 and 2, FIG. 1 is a schematic view of the flexible printed circuit board and the liquid crystal display according to the embodiment of the disclosure, FIG. 2 is a schematic view of the first embodiment of area A in FIG. 1. The disclosure provides a liquid crystal display. The liquid crystal display comprises a liquid crystal panel 11 and a flexible printed circuit board. The liquid crystal panel 11 is connected to the flexible printed circuit board. The flexible printed circuit board comprises a connecting area 12, and a plurality of gold fingers separately disposed inside the connecting area 12. The gold fingers are used to transmit signals.」 ([0037] 図1及び図2に示すように、図1は、本発明の実施形態に係るフレキシブルプリント回路基板及び液晶ディスプレイの概略図であり、図2は、図1の領域Aの第1の実施形態の概略図である。本発明は、液晶表示装置を提供する。液晶表示装置は、液晶パネル11とフレキシブルプリント基板とを備えている。液晶パネル11は、フレキシブルプリント基板に接続されている。フレキシブルプリント回路基板は、接続領域12と、接続領域12内に別個に配置された複数のゴールドフィンガーとを備える。ゴールドフィンガーは信号を送信するために使用される。) 「図1 [図:0001427438000030.jpg] 」 「図2 [図:0001427438000031.jpg] 」 「[0038] The connecting area 12 comprises a first area 121, a second area 122, and a third area 123. The gold fingers include first gold fingers 13 and second gold fingers 14. The first gold fingers are disposed on the first area 121 and the second area 122, and the second gold fingers are disposed on the third area 123. The first gold fingers 13 are used to transmit differential signals, and the second gold fingers 14 are used to transmit other signals beside the differential signals. In this embodiment, the gold fingers are aligned with each other and arranged on the connecting area 12, i.e. the first gold fingers 13 are aligned with each other and arranged on the first area 121 and the second area 122, and the second gold fingers 14 are aligned with each other and arranged on the third area 123.」 ([0038] 接続領域12は、第1領域121と、第2領域122と、第3領域123とを含む。ゴールドフィンガーは、第1ゴールドフィンガー13と第2ゴールドフィンガー14とを含む。第1領域121及び第2領域122上に第1ゴールドフィンガーが配置され、第3領域123上に第2ゴールドフィンガーが配置される。第1ゴールドフィンガー13は差動信号を送信するために使用され、第2ゴールドフィンガー14は差動信号以外の他の信号を送信するために使用される。この実施形態では、ゴールドフィンガーは互いに位置合わせされて接続領域12上に配置され、すなわち、第1ゴールドフィンガー13は互いに位置合わせされて第1領域121及び第2領域122上に配置され、第2ゴールドフィンガー14は互いに位置合わせされて第3領域123上に配置される。) (イ) 周知技術2の認定 前記(ア)に示した引用文献7の摘記事項に例示されているように、次の技術事項は、当業者にとって周知の技術であったと認められる。(以下「周知技術2」という。) <周知技術2> 「ディスプレイのフレキシブル基板に配置する接続端子をゴールドフィンガーとすること。」 (4) 本件補正発明と引用発明の対比 ア 対比分析 (ア) 本件補正発明における「高さ」の解釈について a 本件補正発明は、「仮想ボンディングパッド」が「ボンディングパッドと同じ高さを有する」こと(構成C)、「ゴールドフィンガー」が「ボンディングパッドと同じ高さを有する」こと(構成D)、「仮想ゴールドフィンガー」が「仮想ボンディングパッドと同じ高さを有する」こと(構成E)を特定しており、「ボンディングパッド」、「仮想ボンディングパッド」、「ゴールドフィンガー」及び「仮想ゴールドフィンガー」について「高さ」という概念によりそれらの特徴を規定している。 b 上記構成C、D及びEにおける「高さ」との限定事項は本件補正によって追加されたものであるところ、審判請求書において、当該補正の根拠として、本願図面の図2のみが挙げられており、請求人は「ボンディングパッドと、仮想ボンディングパッドと、ゴールドフィンガーと、仮想ゴールドフィンガーとの高さが同じである」という事項が図2に示されていると主張している。 c ここで、「高さ」とは、上下方向のサイズを指すのが一般的であるところ、請求人が補正の根拠であるとする図2には、ディスプレイパネルの平面図のみが記載されており、「ボンディングパッド50」、「仮想ボンディングパッド51」、「ゴールドフィンガー70」及び「仮想ゴールドフィンガー71」について、当該平面図に記載された平面に対して「垂直な」上下方向(奥行き方向)のサイズを図2から把握することはできない。 d したがって、請求人の前記bの主張に即して「高さ」の意味を検討すると、本件補正発明における「高さ」とは、図2に記載された平面図に対して「垂直な」上下方向のサイズを指すのではなく、当該平面内における上下方向(下記参考図参照)に沿って測ったサイズのことを指すと解釈するのが相当である。 なお、そのように解釈したとしても、審判請求書における、本件補正発明及び引用文献1に記載された発明を対比した主張内容とも矛盾しない。 <参考図> 図2に上記解釈に基づく「高さ」の方向を加筆した図 [図:0001427438000032.jpg] 以下、上記解釈に基づいて、本件補正発明と引用発明を対比することとする。 (イ) 構成Xの観点 「ディスプレイパネル」の発明である本件補正発明と「ディスプレイパネル200」の発明である引用発明は、「ディスプレイパネル」の発明である点で一致する。 (ウ) 構成Aの観点 a 構成Aは、「ディスプレイ基板、フレキシブル回路基板、および、ディスプレイエリアの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられたチップ」を含むことである。 b 引用発明における「アレイ基板201」は、本件補正発明の「ディスプレイ基板」に相当し、同様にして、「ドライバチップ205」は「チップ」に、「フレキシブル回路基板210」は「フレキシブル回路基板」に相当する。 c 引用発明の「ディスプレイパネル200」が、「アレイ基板201を含み」、「さらにフレキシブル回路基板210を含[む]」ことは、本件補正発明の「ディスプレイパネル」が「ディスプレイ基板、フレキシブル回路基板」「を含[む]」ことに相当する。 d 引用発明において、「アレイ基板201の一端部に」「設けられて[いる]」「非表示領域204内にドライバチップ205」を含むことは、「アレイ基板201」が「ディスプレイパネル200」に含まれることを踏まえると、本件補正発明の「ディスプレイパネル」が、「ディスプレイエリアの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられ[ている]」「チップ」を含むことに相当する。 e したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「ディスプレイ基板、フレキシブル回路基板、および、ディスプレイエリアの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられたチップ」を含む点。 (エ) 構成Bの観点 a 構成Bは、「前記ディスプレイ基板上に設けられ、且つ前記チップの少なくとも左右の一側に位置するボンディングパッド」を含むことである。 b 引用発明における「フレキシブル回路基板ボンディングパッド206」が含む「複数の金属端子」のうちの「第二金属端子群206b」は、本件補正発明の「ボンディングパッド」に相当する。 c 引用発明における「第二金属端子群206b」は、「アレイ基板201」の「非表示領域204内に」あるから、前記bも踏まえると、本件補正発明における「前記ディスプレイ基板上に設けられ[る]」「ボンディングパッド」に相当する。 d また、引用発明において、「フレキシブル回路基板ボンディングパッド206は、ドライバチップ205の左右両側に設置されて[いる]」から、「第二金属端子群206b」も「ドライバチップ205の左右両側に設置されて[いる]」ことになるところ、このことは、前記bも踏まえると、本件補正発明における「ボンディングパッド」が「チップの少なくとも左右の一側に位置する」ことに相当する。 e したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記ディスプレイ基板上に設けられ、且つ前記チップの少なくとも左右の一側に位置するボンディングパッド」を含む点。 (オ) 構成Cの観点 a 構成Cは、「前記ボンディングパッドの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられ、前記ボンディングパッドと同じ高さを有する仮想ボンディングパッド」を含むことである。 b 引用発明は、本件補正発明の構成Cに相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。 本件補正発明は、「前記ボンディングパッドの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられ、前記ボンディングパッドと同じ高さを有する仮想ボンディングパッド」を含むのに対して、 引用発明は、「仮想ボンディングパッド」に相当する構成を含んでいない点。 (カ) 構成Dの観点 a 構成Dは、「前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記ボンディングパッドの表面と互いに接しており、前記ボンディングパッドと同じ高さを有するゴールドフィンガー」を含むことである。 b 引用発明における「フレキシブル回路基板210」は、前記(ウ)bにおいて説示したとおり、本件補正発明における「フレキシブル回路基板」に相当する。 c 本件補正発明における「ゴールドフィンガー」が接続端子としての機能を有することは明らかであるから(前記周知技術2も参照)、引用発明における「第二金属端子群206b」「にそれぞれ対応して設置され[る]」「接続端子」は、本件補正発明の「ゴールドフィンガー」と、「接続端子」である点で共通する。 d(a) 引用発明において、「複数の接続端子」は、「フレキシブル回路基板210」の「第一接続部2102及び前記第二接続部2103に」「設置され[る]」ものであって、「複数の前記金属端子にそれぞれ対応して設置され」、「金属端子」と「数、大きさ及び形状が一致し」、「金属端子が完全に密着することを保証」するものである。 (b) したがって、前記b及びcも踏まえると、引用発明における「第二金属端子群206b」「にそれぞれ対応して設置され[る]」「接続端子」は、本件補正発明における「ゴールドフィンガー」と、「前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記ボンディングパッドの表面と互いに接しており、前記ボンディングパッドと同じ高さを有する接続端子」である点で共通する。 e 以上の検討結果を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、構成Dの観点において次の(a)の点において一致し、後記(b)の点において相違する。 (a) 構成Dの観点での一致点 「前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記ボンディングパッドの表面と互いに接しており、前記ボンディングパッドと同じ高さを有する接続端子」を含む点。 (b) 構成Dの観点での相違点 「接続端子」について、 本件補正発明においては、「ゴールドフィンガー」であるのに対して、 引用発明においては、そのような特定がない点。 (キ) 構成Eの観点 a 構成Eは、「前記ゴールドフィンガーの一側の前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記仮想ボンディングパッドの表面と非電気的な接続方式で互いに接しており、前記仮想ボンディングパッドと同じ高さを有する仮想ゴールドフィンガー」を含むことである。 b 引用発明は、本件補正発明の構成Eに相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。 本件補正発明は、「前記ゴールドフィンガーの一側の前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記仮想ボンディングパッドの表面と非電気的な接続方式で互いに接しており、前記仮想ボンディングパッドと同じ高さを有する仮想ゴールドフィンガー」を含むのに対して、 引用発明は、「仮想ゴールドフィンガー」に相当する構成を含んでいない点。 (ク) 構成Fの観点 a 構成Fは、「前記ボンディングパッドと前記チップとの間にリード線が設置され、前記ボンディングパッドは前記リード線を介して前記チップに接続され」ることである。 b 前記(ウ)b及び(エ)bにおいて説示したとおり、引用発明における「ドライバチップ205」、「フレキシブル回路基板ボンディングパッド206」が含む「複数の金属端子」のうちの「第二金属端子群206b」は、それぞれ、本件補正発明の「チップ」、「ボンディングパッド」に相当する。 c 前記bを踏まえると、引用発明における「前記ドライバチップ205と前記フレキシブル回路基板ボンディングパッド206との間」に「設置され[た]」「接続配線207」は、本件補正発明における「前記ボンディングパッドと前記チップとの間」に「設置され[た]」「リード線」に相当する。 d 引用発明の「接続配線207」は、「表示信号を伝送することに用いられ[る]」ものであるところ、「表示信号を伝送する」には、「ドライバチップ205」及び「フレキシブル回路基板ボンディングパッド206」が「接続配線207」によって電気的に接続されている必要があるから、引用発明の「接続配線207」は、本件補正発明における「前記ボンディングパッド」と「前記チップ」との「接続」を仲介する「前記リード線」に相当する。 e したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記ボンディングパッドと前記チップとの間にリード線が設置され、前記ボンディングパッドは前記リード線を介して前記チップに接続され」る点。 (ケ) 構成Gの観点 a 構成Gは、「前記仮想ボンディングパッドと前記チップとの間には、リード線が設置されていな[い]」ことである。 b 引用発明は、本件補正発明の構成Gに相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。 本件補正発明においては、「前記仮想ボンディングパッドと前記チップとの間には、リード線が設置されていな[い]」のに対して、 引用発明は、「仮想ボンディングパッド」に相当する構成を含んでいないから、そのような構成を備えていない点。 (コ) 構成Hの観点 a 構成Hは、「前記ボンディングパッドと前記ゴールドフィンガーとは電気的に接続されて[いる]」ことである。 b 引用発明においては、「フレキシブル回路基板210と前記ドライバチップ205との間の効果的な信号伝送を確保」していることから、「ドライバチップ205」を含む「アレイ基板201」に設けられた端子である「第二金属端子群206b」と、「フレキシブル回路基板210」に設けられた端子である「第二金属端子群206b」「にそれぞれ対応して設置され[る]」「接続端子」が電気的に接続されていることは明らかである。 c したがって、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致する。 「前記ボンディングパッドと前記接続端子とは電気的に接続されて[いる]」点。 (サ) 構成Iの観点 a 構成Iは、「前記仮想ボンディングパッドと前記仮想ゴールドフィンガーとは電気的に接続されていない」ことである。 b 引用発明は、本件補正発明の構成Iに相当する構成を備えていないから、本件補正発明と引用発明は、次の点において相違する。 本件補正発明においては、「前記仮想ボンディングパッドと前記仮想ゴールドフィンガーとは電気的に接続されていない」のに対して、 引用発明は、「仮想ボンディングパッド」と「仮想ゴールドフィンガー」に相当する構成を含んでいないから、そのような構成を備えていない点。 イ 一致点及び相違点 前記アの対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の(ア)に示す一致点において一致し、後記(イ)に示す相違点において相違すると認められる。 (ア) 一致点 「ディスプレイパネルであって、ディスプレイ基板、フレキシブル回路基板、および、ディスプレイエリアの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられたチップと、前記ディスプレイ基板上に設けられ、且つ前記チップの少なくとも左右の一側に位置するボンディングパッドと、前記フレキシブル回路基板上に設けられ、且つ対応して前記ボンディングパッドの表面と互いに接しており、前記ボンディングパッドと同じ高さを有する接続端子と、を含み、前記ボンディングパッドと前記チップとの間にリード線が設置され、前記ボンディングパッドは前記リード線を介して前記チップに接続され、前記ボンディングパッドと前記接続端子とは電気的に接続されているディスプレイパネル」である点。 (イ) 相違点 本件補正発明においては、以下のa~eに示す構成を備えているのに対して、 a 接続端子が「ゴールドフィンガー」であること b 「仮想ボンディングパッド」が「前記ボンディングパッドの一側の前記ディスプレイ基板上に設けられ」、「仮想ゴールドフィンガー」が「前記ゴールドフィンガーの一側の前記フレキシブル回路基板上に設けられ」ること c 「仮想ゴールドフィンガー」が「対応して前記仮想ボンディングパッドの表面と非電気的な接続方式で互いに接しており」、「前記仮想ボンディングパッドと前記仮想ゴールドフィンガーとは電気的に接続されていない」こと d 「仮想ボンディングパッド」が「前記ボンディングパッドと同じ高さを有する」ものであり、「仮想ゴールドフィンガー」が「前記仮想ボンディングパッドと同じ高さを有する」ものであること e 「前記仮想ボンディングパッドと前記チップとの間には、リード線が設置されていな」いこと 引用発明においては、 接続端子が「ゴールドフィンガー」であることの特定がなく、 「仮想ボンディングパッド」及び「仮想ゴールドフィンガー」に相当する構成が含まれていない点。 (5) 判断 ア 相違点の検討 (ア) 接続端子が「ゴールドフィンガー」である点について 「ディスプレイのフレキシブル基板に配置する接続端子をゴールドフィンガーとすること」は周知技術(前記周知技術2参照)である。 そして、接続端子をどのような態様で設けるかは当業者が適宜決定すべき事項であるから、引用発明において、周知技術2を踏まえて、「フレキシブル回路基板210」の「第一接続セグメント2102及び前記第二接続セグメント2103に」「設置され[る]」「接続端子」をゴールドフィンガーとすることは、当業者にとって自明な設計事項にすぎない。 (イ) 「仮想ボンディングパッド」及び「仮想ゴールドフィンガー」を設ける点について a 「ディスプレイパネル基板及びフレキシブル回路基板の接合構造において、接合構造の安定性を高めるために、ディスプレイパネル基板における接続パッドの隣の領域に、ドライバチップへの接続配線に接続されないダミーパッドを設け、フレキシブル回路基板における接続端子の隣の領域に、前記ダミーパッドに対向するダミー端子を設けて、接続パッド及び接続端子の接合に加えて、ダミーパッド及びダミー端子も接合させること」は周知技術(前記周知技術1参照)である。 b そして、「ディスプレイパネル基板及びフレキシブル回路基板の接合構造において接合不良が生じやすく、接合構造の安定性を高めるためには、両基板の接合構造を補強する手段を設ける必要があること」は技術常識(前記技術常識1参照)であるから、ディスプレイパネル基板及びフレキシブル回路基板の接合構造を含む引用発明においても、接合不良の問題は内在する課題であって、かかる課題を解決するために両基板の接合構造を補強する手段を設ける必要があることを踏まえると、引用発明において、前記周知技術1を採用する契機はあるというべきである。 c したがって、引用発明において、周知技術1を採用して、アレイ基板201におけるフレキシブル回路基板ボンディングパッド206を構成する第二金属端子群206bの隣の領域に、ドライバチップ205への接続配線に接続されないダミーパッドを設け、フレキシブル回路基板における接続端子の隣の領域にダミーパッドに対向するダミー端子を設けて、ダミーパッド及びダミー端子を接合させるように構成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 d 前記cにおいて、引用発明が上述した「ダミーパッド」を備えることにより、前記相違点に係る本件補正発明の「ボンディングパッドの一側の前記ディスプレイ基板上に」「仮想ボンディングパッド」を設けることが導出される。 また、引用発明が上述した「ダミー端子」を備えることにより、前記(ア)において説示した周知技術2に係る構成を採用した場合に、前記相違点に係る本件補正発明の「ゴールドフィンガーの一側の前記フレキシブル回路基板上に」、「対応して前記仮想ボンディングパッドの表面と」「互いに接して[いる]」「仮想ゴールドフィンガー」を設けることが導出される。 (ウ) 「仮想ゴールドフィンガー」と「仮想ボンディングパッド」の接続について 前記(イ)において、ダミーパッドとダミー端子を接合させるように構成する際に、その電気的な観点での接続方式の選択肢は、「電気的」又は「非電気的」の二つしかなく、上記二つの選択肢のうち何れとするかは、当業者が適宜決定すべき設計事項にすぎないところ、ダミーパッドとダミー端子が基板間の接合構造の安定性向上のために用いられるものであって、電気信号や電力の伝送に用いられるものではないことを考慮すると、上記二つの選択肢のうち、「電気的」な接続方式を採用する必要はなく、むしろ「非電気的」な接続方式を採用するのが自然である。 (エ) 「同じ高さ」にする点について 本件補正発明における「高さ」とは、図2に記載された平面内における上下方向に沿って測ったサイズのことであるところ(前記(4)ア(ア)を参照)、引用発明において「ダミーパッド」及び「ダミー端子」を備えるように構成した際に、「ボンディングパッド」と「ダミーパッド」(仮想ボンディングパッド)の平面視上下方向長さを一致させること、及び、「ダミーパッド」(仮想ボンディングパッド)と「ダミー端子」(仮想ゴールドフィンガー)の平面視上下方向長さを一致させることは、当業者が適宜なし得た設計事項にすぎず、格別なことではない(必要ならば、引用文献2の図4(前記(3)ア(ア))、引用文献6の図6(前記(3)ア(エ))参照)。 (オ) 「リード線」の非設置について 前記周知技術1に係る「ダミーパッド」は「ドライバチップへの接続配線に接続されない」から、引用発明において、「ダミーパッド」及び「ダミー端子」を備えるように構成した際に、「ダミーパッド」(仮想ボンディングパッド)とドライバチップ205との間にリード線が設置されていないように構成することは、前記周知技術1の適用により自明に導かれる事項にすぎず、格別のものではない。 イ 総合評価 前記アにおいて検討した事項(ア)~(オ)を総合的に勘案しても、引用発明において、前記相違点に係る本件補正発明の構成を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 そして、本件補正発明が奏する効果としては、当該構成のものとして当業者が予測・発見困難であり、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本件補正発明は、引用発明、技術常識1、周知技術1、周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 ウ 請求人の主張について (ア) 請求人の主張1について a 請求人の主張1の内容 引用文献2の「ダミーパッド端子D_PE」と「ダミーリード端子D_LE」や、引用文献5の「ダミー端子2D」と「ダミー端子4D」の接続手段は、電気的な接続方式の物理的手段であって、本件補正発明の仮想ゴールドフィンガーと仮想ボンディングパッドとの非電気的な接続方式で互いに接している物理的手段のように、フレキシブル回路基板とディスプレイパネルの接触面積を大きくすることを実現し、フレキシブル回路基板の引抜き力を増加させることができる技術的に有利な効果を実現できるものではない。 b 請求人の主張1についての検討 フレキシブル回路基板とディスプレイパネルの接触面積、及び、フレキシブル回路基板の引抜き力は、仮想ゴールドフィンガーと仮想ボンディングパッドの接続方式が電気的であるか非電気的であるかによって直ちに決まるものではなく、「仮想ゴールドフィンガー」と「仮想ボンディングパッド」の接続については、前記ア(ウ)において説示したとおりであって、請求人の主張は前記イの結論を左右するものではない。 (イ) 請求人の主張2について a 請求人の主張2の内容 引用発明の技術的思想は、フレキシブル回路基板におけるボンディングパッドの、複数の金属端子のうち少なくとも一部の金属端子の高さを、駆動チップの近傍から駆動チップに遠い方向に徐々に大きくなるように配置することによって、金属端子と駆動チップとの間の配線のためのスペースをより多く確保することであるから、当業者であれば、引用発明に対して、本件補正発明のように、ボンディングパッドと、仮想ボンディングパッドと、ゴールドフィンガーと、仮想ゴールドフィンガーとの高さが同じである発明へと変更を加える動機はないと考えられる。 b 請求人の主張2についての検討 (a) ボンディングパッドとゴールドフィンガーの高さを同じにする点について 前記(4)ア(カ)の構成Dの観点において検討したとおり、ゴールドフィンガーと称するものであるか否かは措くとして、両者の高さを同じにする点については本件補正発明と引用発明の一致点であって、請求人の主張は採用できない。 (b) ボンディングパッドと、仮想ボンディングパッドと、仮想ゴールドフィンガーの高さを同じにする点について 引用発明において、金属端子とドライバチップとの間の配線のためのスペースを確保するために、金属端子の高さをドライバチップの近傍からドライバチップに遠い方向に徐々に大きくなるように配置されているのは、「フレキシブル回路基板ボンディングパッド206」を構成する「金属端子」のうち、「ドライバチップ205」の近傍に設けられた「第一金属端子群206a」だけであって、「ドライバチップ205」の近傍にない「第二金属端子群206b」については、高さが同じように配置されている(前記(2)ウ参照)。 そして、前記(4)ア(エ)の構成Bの観点において検討したとおり、引用発明の「第二金属端子群206b」が、本件補正発明の「ボンディングパッド」に相当する。 したがって、請求人の主張は、本件補正発明の「ボンディングパッド」に相当するとは認定していない「第一金属端子群206a」に着目した主張であって、「第二金属端子群206b」に着目した主張ではないから、かかる主張を考慮して検討しても、前記イの結論を左右するものではない。そして、引用発明において、「フレキシブル回路基板ボンディングパッド206」を構成する「第二金属端子群206b」の「金属端子」と「接続端子」等の高さを同じにすることが当業者にとって適宜なし得た設計事項にすぎないことは、前記ア(エ)において説示したとおりである。 エ 独立特許要件の判断のまとめ 以上検討のとおり、本件補正発明は、引用発明、技術常識1、周知技術1、周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正により請求項1についてする補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合しない。 4 本件補正の却下の決定の理由のむすび 前記3(5)エのとおり、本件補正は、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、前記第2のとおり却下したので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1(前記第2の1(1)参照)に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の本願発明に対する拒絶の理由1(進歩性の欠如)の概要は、次のとおりである。 理由1(進歩性の欠如) 本願発明は、優先日前に発行された下記の引用文献に記載された発明に基づいて、優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.中国特許出願公開第110018598号明細書 (主たる引用文献) 引用文献4.中国特許出願公開第110687728号明細書 3 各引用文献に記載された事項及び引用発明の認定等 引用文献1に記載された事項、引用文献1から読み取れる事項及び引用発明は、前記第2の3(2)ア、イ及びウにおいて示したとおりである。 また、技術常識1、周知技術1及び周知技術2は、前記第2の3(3)ア(オ)、(カ)及びイ(イ)において示したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本件補正発明から、前記第2の2(1)のアからウに示した限定を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、その発明特定事項の一部を限定したものに相当する本件補正発明が、前記第2の3(5)において説示したとおり、引用発明、技術常識1、周知技術1、周知技術2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上検討のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-002493

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