特許拒絶査定不服審判
2021-000539
液晶表示パネル及び液晶表示装置
- 審判番号
- 2021-000539
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-555630
- 請求日
- 2021年01月14日
- 審決日
- 2021年10月18日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】武漢華星光電技術有限公司
- 【請求人代理人】飯田 雅人
- 【請求人代理人】崔 允辰
- 審判長/審判官
- 審判長 中塚 直樹
- 審判官 濱本 禎広
- 審判官 清水 靖記
- 分類
- P18 .121-Z (G09G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-555630「液晶表示パネル及び液晶表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 1月 4日国際公開、WO2018/000451、令和 1年 5月30日国内公表、特表2019-514077〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)7月12日を国際出願日とする外国語特許出願であって(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年6月27日、中華人民共和国)、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年10月22日 :翻訳文の提出
令和 2年 3月30日付け:拒絶理由通知書
令和 2年 6月11日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年10月30日付け:拒絶査定(同年11月9日送達、以下「原査定」という。)
令和 3年 1月14日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年1月14日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。
「 【請求項1】
複数の第1のデータ線及び複数の第2のデータ線を含むデータ線群と、複数の走査線と、前記データ線群と前記複数の走査線との間に設置された複数の画素ユニットと、を含み、
隣接する奇数行と偶数行の画素ユニット毎に前記複数の走査線のうち同一の走査線に接続され、
奇数行の奇数列の画素ユニットが前記複数の第1のデータ線のいずれか1つに接続され、奇数行の偶数列の画素ユニットが前記複数の第2のデータ線のいずれか1つに接続され、偶数行の奇数列の画素ユニットが前記複数の第2のデータ線のいずれか1つに接続され、偶数行の偶数列の画素ユニットが前記複数の第1のデータ線のいずれか1つに接続され、
前記複数の第1のデータ線のいずれか1つと前記複数の第2のデータ線のいずれか1つとがそれぞれが前記画素ユニットの前記複数の走査線と直交する両側縁に設置され、前記複数の第1のデータ線上のデータ信号と、対応する前記複数の第2のデータ線上のデータ信号とは極性が逆であり、
データ線駆動回路をさらに含み、
前記データ線駆動回路が、複数の正極性信号源、複数の負極性信号源、複数の第1段の正極性スイッチトランジスタ、複数の第1段の負極性スイッチトランジスタ、複数の第1段の制御信号線、複数の第2段の正極性スイッチトランジスタ、複数の第2段の負極性スイッチトランジスタ及び複数の第2段の制御信号線を含み、
前記複数の第1段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの入力端子がそれぞれ前記複数の正極性信号源のいずれか1つに接続され、前記複数の第1段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの制御端子がそれぞれ前記複数の第1段の制御信号線のいずれか1つに接続され、前記複数の第1段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの出力端子がそれぞれ前記複数の第2段の正極性スイッチトランジスタの入力端子に接続され、
前記複数の第1段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの入力端子がそれぞれ前記複数の負極性信号源のいずれか1つに接続され、前記複数の第1段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの制御端子がそれぞれ前記複数の第1段の制御信号線のいずれか1つに接続され、前記複数の第1段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの出力端子がそれぞれ前記複数の第2段の負極性スイッチトランジスタの入力端子に接続され、
前記複数の第2段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの制御端子がそれぞれ前記複数の第2段の制御線のいずれか1つに接続され、前記複数の第2段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの出力端子がそれぞれ前記複数の第1のデータ線のいずれか1つに接続され、
前記複数の第2段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの制御端子がそれぞれ前記複数の第2段の制御線のいずれか1つに接続され、前記複数の第2段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの出力端子がそれぞれ前記複数の第2のデータ線のいずれか1つに接続される液晶表示パネル。」
第3 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由のうち、理由3(特許法29条2項)の概要は、次のとおりである。
本願発明は、本願優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、本願優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.国際公開第2011/049106号
引用文献2.特開2009-175468号公報
引用文献3.特開2007-156483号公報
引用文献4.国際公開第2009/084331号
引用文献5.中国特許出願公開第103185996号明細書
引用文献6.特開2007-310234号公報(周知技術を示す文献)
引用文献7.特開2010-32974号公報(周知技術を示す文献)
第4 引用文献に記載された発明の認定等
1 引用文献2に記載された事項と引用発明の認定
(1) 引用文献2に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に発行された特開2009-175468号公報(以下、原査定において引用された順番に従って、この文献を「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。下線は当審が付したもので、以下同様である。
「【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス型の表示装置とその駆動方法に係り、特に、液晶ディスプレイなどに関するものである。」
「【実施例1】
【0018】
本発明の第1の実施形態によるアクティブマトリクス型液晶表示装置及び駆動方法について、図1から図5を用いて説明する。
【0019】
図1(a)は本発明の第1実施形態の液晶表示装置のブロック構成図の例である。
【0020】
第1実施形態の液晶表示装置は、液晶パネル部100、データ線駆動部101、ゲート線駆動部102、及びタイミング制御部103で構成されている。液晶パネル部100は、平面にn×mのマトリクス状に配置された液晶画素104にTFT等のアクティブ素子を備える。
【0021】
画素の配列の詳細図を図2に示す。赤(R)画素と緑(G)画素と青(B)画素の配列は、赤(R)画素と緑(G)画素と青(B)画素のそれぞれが垂直方向に配列された、いわゆるストライプ配列である。各アクティブ素子200のON/OFFを制御する電極は水平2ラインの画素群に共通な1本のゲート線105と接続する。データ線106は1つの垂直画素列に2本(106-a、106-b)配置し、共通のゲート線G1に接続された垂直方向に配置される2つの画素(104-1、104-2)のデータ電圧(表示信号)を供給する電極が、それぞれ別のデータ線(106-a、106-b)に接続される。このとき、同一ラインの画素の偶数画素列は、接続するデータ線を隣接する偶数番目データ線又は奇数番目データ線に統一し、奇数画素列は、偶数画素列が偶数番目データ線であれば隣接する奇数番目データ線、奇数番目データ線であれば隣接する偶数番目データ線となるように接続する。例えば図2で説明すると、奇数ライン目の画素(1ライン目では104-1、104-3、104-5、104-7・・・)では、奇数画素列(104-1、104-5)は、奇数番目のデータ線(104-1はデータ線S1、104-5はデータ線S5)に接続し、偶数画素列(104-3、104-7)は、偶数番目のデータ線(104-3はデータ線S4、104-7はデータ線S8)に接続する。同一ゲート線G1に接続された偶数ライン目の画素(2ライン目では104-2、104-4、104-6、104-8・・・)は、奇数ライン目の画素(104-1、104-3、104-5、104-7・・・)と異なるデータ線に接続するため、奇数画素列(104-2、104-6)は、偶数番目のデータ線(104-2はデータ線S2、104-6はデータ線S6)に接続し、偶数画素列(104-4、104-8)は、奇数番目のデータ線(104-4はデータ線S3、104-8はデータ線S7)に接続する。図2に示す画素構成にすることで、データ線に印加する電圧を水平周期(1ラインごとに画素に表示信号を書き込む周期)で交流信号を反転させなくとも、フレーム周期(1画面分の画素に表示信号を書き込む周期)の反転のみで、従来のドット反転のデータ線駆動回路ICにて表示画質良好なドット反転駆動が実現できる。データ線の本数は水平方向の画素数に対して2倍となり(2n本)、ゲート線の本数は垂直方向の画素数に対して1/2倍となり(m/2本)となる。ただし、同一列の3行以上の画素を同一のゲート線に接続する場合は、データ線の本数は2n本以上でもよいし、ゲート線の本数はm/2本以下でもよい。尚、水平方向(行方向)と垂直方向(列方向)とは、入れ替わってもよい。
【0022】
図3に各画素に印加される電圧の極性を示す。ここで、電圧の極性とは、アクティブ素子が接続された画素電極に対して液晶層を介して対向して配置された対向電極(複数の画素に共通)に印加される電圧に対する、画素電極に印加される電圧の相対的な極性をいう。対向電極の電圧に対して画素電極の電圧が高い場合は正極とし、対向電極の電圧に対して画素電極の電圧が低い場合は負極とする。あるフレームにおいて、奇数(当審注:「奇数番目の」の誤記)データ線(S1、S3、S5、・・・)は正極性の電圧、偶数(当審注:「偶数番目の」の誤記)データ線(S2、S4、S6、・・・)は負極性の電圧を、従来のようにデータ線の電圧更新毎に反転せずに、フレーム期間は同極性の電圧を印加する。隣接する2つの画素に接続されているデータ線は、上下左右とも奇数データ線と偶数データ線になっている。2行2ライン目の画素を例に挙げると、2行2ライン目の画素はS3と奇数データ線に接続されている。上下の画素はS4に接続され、左の画素はS2、右の画素はS6と隣接画素は偶数データ線に接続され、ドット反転を実現する。
【0023】
図4にフレームタイミング、図5にラインタイミングのタイミングチャートを示す。図4、5を用いて第1実施形態の動作を説明する。
【0024】
図1(d)にタイミング制御部103の構成の一例を示す。タイミング制御部103は、従来の例で説明した図16(d)と同様のデータ処理部128と、タイミング生成部129と、信号送信部130に加え、ラインバッファ131及びマルチプレクサ132によって構成される。外部システムからの表示データ133とタイミング信号134を入力し、表示データ133は、表示画面の上部より順次転送され、液晶の特性と構成を考慮した信号処理(例えば、オーバードライブ処理や階調特性の調整処理など)を行うデータ処理部128で、データ線駆動部101にて対応した電圧に変換する表示データ133’を生成する。表示データ133は、例えば、外部システムから、1行目R画素、1行目G画素、1行目B画素、2行目R画素、2行目G画素、2行目B画素・・・の順で、シリアルまたはパラレルに入力される。階調データ133’を奇数ライン(1ライン目、3ライン目、・・・)を一旦ラインバッファ131に格納し、偶数ライン(2ライン目、4ライン目、・・・)と同タイミングで格納した奇数ラインのデータを読み出し、マルチプレクサ132によって、画素配列にあわせた2ライン分のデータの並び替えを行い、データ線駆動部で処理する表示データ133”を生成する。例えば、従来例の図20のように2つの表示データ(R画素、G画素、B画素のデータ)を同時に転送するデータ形式を、図6に示すように画素配列にあわせて、2ライン分のデータを並び替えて後段に転送する。つまり、(1,1)R画素、(2,1)R画素、(2,1)G画素、(1,1)G画素、(1,1)B画素、(2,1)B画素、(2,2)R画素、(1,2)R画素、(1,2)G画素、(2,2)G画素、(2,2)B画素、(1,2)B画素、・・・の順にデータを並び替える。尚、(x、y)は画素の位置(座標)を示す。xは画素のライン位置(座標)を示し、yは画素の列位置(座標)を示す。
【0025】
タイミング信号134は、タイミング生成部129によって、データ線駆動部101及びゲート線駆動部102の各制御信号137と、ラインバッファを制御する信号135(書き込み信号、読み出し信号、アドレス等)、マルチプレクサ132を制御する信号136を生成する。表示データ133”と制御信号137は、信号転送部によってデータ線駆動部101の転送方式の信号114とゲート線駆動部102の転送方式の信号124へ変換し、出力される。
【0026】
データ線駆動部101は、複数個の出力数qのデータ線駆動回路107で構成され、表示データの階調レベルに応じた電圧を水平画素数の2倍のデータ線数の2n本のデータ線S1、S2、・・・、S(2n)に印加する。従来の液晶表示装置例と同様のデータ線駆動回路ICで本実施例は実現可能で、総出力数が水平画素数の倍となるIC数(2n÷q以上の自然数)を利用する構成となる。
【0027】
図1(b)にデータ線駆動回路107の構成の一例を示す。データ線駆動回路107は従来の例で説明した図16(b)と構成は同様で、信号受信部109と、シフトレジスタ110と、取り込みラッチA(111)と、取り込みラッチB(112)及びD/A変換部113で構成される。信号受信部109にて表示データ及びタイミング信号(114)を受け取り、表示データ115の転送に同期したトリガ信号116とスタート信号117をシフトレジスタ110に取り込み、水平スタート信号117をトリガ信号116毎シフトしたタイミング信号群118を生成する。シフトレジスタ110は、出力端子分の信号転送を行うと、次のデータ線駆動回路へのスタート信号117’を出力し、後段のデータ線駆動回路は、前段のデータ線駆動回路よりスタート信号117”を受け取り、シフトレジスタを動作させる。シフトレジスタ110より出力されたタイミング信号群118によって、表示データ115を取り込みラッチA(111)に順次取り込む。取り込みラッチA(111)は、出力端子分のデジタルデータを格納する容量を備える。構成する複数個のデータ線駆動回路によって、2水平分の表示データを格納し、その終わりを示すトリガ信号119を外部より与えることで取り込みラッチA(111)から取り込みラッチB(112)へ表示データを一括転送する。それをD/A変換部113で表示データの階調レベルに応じた電圧へ変換し、各データ線(S1、S2、・・・、Sq)に出力する。取り込みラッチB(112)は、取り込みラッチA(111)同様の容量を備える。D/A変換部113では、液晶の交流駆動のために、交流信号120に従い、各データ線(S1、S2、・・・、Sq)は正電圧または負電圧を液晶に印加する電圧を出力する。ドット反転駆動の場合、隣り合うデータ線で、極性が異なる印加電圧がを出力される。本実施形態の画素配列は、データ線駆動回路の出力が従来のドット反転に対応している場合に、水平周期で交流信号を反転させなくとも、フレーム周期の反転のみで、ドット反転駆動が実現できる。従来のように各データ線は画素書き込みの度に極性反転しないため、電力損失が少なく、低電力化も図ることができる。
【0028】
ゲート線駆動部102は、複数個の出力数pのゲート線駆動回路108で構成され、垂直画素数の1/2倍のゲート線数のm/2本のゲート線G1、G2、・・・、G(m/2)に、データ線駆動部が出力する電圧をゲート線に接続された画素電極に書込むTFTをONとする電圧を、その他のデータ線駆動部が出力する電圧を書込まないゲート線に接続されたTFTをOFFとする電圧を駆動する。従来の液晶表示装置例と同様なゲート線駆動回路ICで本実施例は実現可能で、総出力数が垂直画素数の半分となるIC数((m/2)÷p以上の自然数)を利用する構成となる。
【0029】
図1(c)にゲート線駆動回路108の構成の一例を示す。データ線駆動回路108は従来の例で説明した図16(c)と構成は同様で、信号受信部121と、シフトレジスタ122及びレベルシフタ123で構成される。信号受信部121にてタイミング信号124を受け取り、トリガ信号125とフレームスタート信号126をシフトレジスタ122に取り込み、フレームスタート信号126をトリガ信号125毎シフトしたタイミング信号群127を生成する。シフトレジスタ122は、出力端子分の信号転送を行うと、次のゲート線駆動回路へのスタート信号126’を出力し、後段のデータ線駆動回路は、前段のデータ線駆動回路よりスタート信号126”を受け取り、シフトレジスタを動作させる。トリガ信号125は、垂直先頭ラインから2水平期間毎の水平タイミングを示す。シフトレジスタ122より出力されたタイミング信号群127は、レベルシフタ123によって、High信号をゲート線をONとする電圧に、Low信号をゲート線をOFFとする電圧に変換されて、各ゲート線に出力される。構成する複数個のゲート線駆動回路によって、ゲート線G1からゲート線G(m/2)まで全てのゲート線を2水平期間毎、順次ON電圧を走査する。2水平期間毎ゲート線がONになるタイミングで、対応する位置の表示データ電圧をデータ線駆動部より2水平期間毎に画素電極に印加ことで1画面(1フレーム)が表示される。
【0030】
以上、説明した第1実施形態によって、従来のデータ線駆動回路IC及びゲート線駆動回路ICを利用した構成で、動画ぼやけの改善に効果的な120Hz以上の高フレームレートや高解像度のパネルにおいても電圧を画素電極に印加する書き込み期間を従来の2倍の2水平期間分、確保することができ、画質の低下を防ぐことができる。本実施例では、同一ゲート線に2ライン分の画素を接続し、2ライン分の画素を駆動するデータ線駆動部の例を示したが、2ラインと限定せず、同様の考えで、同一ゲート線に3ライン分の画素を接続し、3ライン分の画素を同時に駆動するデータ線駆動部の構成、同一ゲート線に4ライン分の画素を接続し、4ライン分の画素を同時に駆動するデータ線駆動部の構成のように、同一ゲート線に接続するライン数を増やすことで、さらに電圧を画素電極に印加する書き込み期間を増加することができる。」
「【図1】
[図:0001382862000001.jpg]
」
「【図2】
[図:0001382862000002.jpg]
」
「【図3】
[図:0001382862000003.jpg]
」
【図1】から、液晶パネル部100が、複数の奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)と、複数の偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)と、複数のゲート線105(G1、G2、・・・)と、複数の液晶画素104を備え、各液晶画素104は奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)と偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)とゲート線105(G1、G2、・・・)の間に配置されていることが読み取れる。
【図1】、【図2】及び【図3】から、奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)は各画素列の左側、偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)は各画素列の右側に配置されており、いずれのデータ線106も、ゲート線105が延びる方向と垂直な方向に延びていることが読み取れる。
(2) 引用発明の認定
上記(1)の記載事項を総合すると、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「液晶パネル部100、データ線駆動部101、ゲート線駆動部102、及びタイミング制御部103で構成されている液晶表示装置であって(【0020】)、
液晶パネル部100は、平面にn×mのマトリクス状に配置された液晶画素104にTFT等のアクティブ素子を備え(【0020】)、
各アクティブ素子200のON/OFFを制御する電極は水平2ラインの画素群に共通な1本のゲート線105と接続し(【0021】)、
データ線106は1つの垂直画素列に2本(106-a、106-b)配置し、共通のゲート線G1に接続された垂直方向に配置される2つの画素(104-1、104-2)のデータ電圧(表示信号)を供給する電極が、それぞれ別のデータ線(106-a、106-b)に接続され(【0021】)、
このとき、奇数ライン目の画素(1ライン目では104-1、104-3、104-5、104-7・・・)では、奇数画素列(104-1、104-5)は、奇数番目のデータ線(104-1はデータ線S1、104-5はデータ線S5)に接続し、偶数画素列(104-3、104-7)は、偶数番目のデータ線(104-3はデータ線S4、104-7はデータ線S8)に接続し、同一ゲート線G1に接続された偶数ライン目の画素(2ライン目では104-2、104-4、104-6、104-8・・・)では、奇数画素列(104-2、104-6)は、偶数番目のデータ線(104-2はデータ線S2、104-6はデータ線S6)に接続し、偶数画素列(104-4、104-8)は、奇数番目のデータ線(104-4はデータ線S3、104-8はデータ線S7)に接続し(【0021】)、
液晶パネル部100は、複数の奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)と、複数の偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)と、複数のゲート線106と、複数の液晶画素104を備え、各液晶画素104は奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)と偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)とゲート線106の間に配置され(【図1】)、
奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)は各画素列の左側、偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)は各画素列の右側に配置され、いずれのデータ線106も、ゲート線105が延びる方向と垂直な方向に延びており(【図1】、【図2】、【図3】)、
あるフレームにおいて、奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)は正極性の電圧、偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)は負極性の電圧を、印加し(【0022】)、
データ線駆動部101は、従来の液晶表示装置例と同様のデータ線駆動回路ICで実現可能で、複数個の出力数qのデータ線駆動回路107で構成され、表示データの階調レベルに応じた電圧を水平画素数の2倍のデータ線数の2n本のデータ線S1、S2、・・・、S(2n)に印加する(【0026】)、
液晶表示装置。」
2 引用文献7に記載された事項の認定
(1) 引用文献7に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に発行された特開2010-32974号公報(以下、原査定において引用された順番に従って、この文献を「引用文献7」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0007】
ところで、従来の液晶表示装置では、一般に、映像信号線に映像信号を加えるドライバICの端子の数と映像信号線の数が等しい。しかしながら、近年の液晶表示装置には、たとえば、液晶表示パネル上の映像信号入力端子の数を、表示領域に配置された映像信号線の数よりも少なくし、映像信号入力端子と映像信号線との間にスイッチ回路を介在させたものが提案されている(たとえば、特許文献1を参照。)。
【0008】
このような液晶表示装置では、1個の映像信号入力端子が、たとえば、隣接する3本の映像信号線のそれぞれとスイッチ素子を介して接続しており、1本の走査信号線が選択されている期間に、1個の映像信号入力端子に対して、3本の映像信号線のそれぞれに加える信号が加えられる。そして、1本の走査信号線が選択されている期間に、スイッチ素子のオン・オフを切り替えて、1個の映像信号入力端子に加えられた映像信号を3本の映像信号に振り分けて加える。このような液晶表示装置では、従来と同じ解像度でもドライバICの出力端子数を3分の1に減らすことができる。そのため、携帯型電子機器のディスプレイに用いられる小型の液晶表示装置の高解像度化(高精細化)が期待できる。」
「【0035】
本発明は、たとえば、図1(a)乃至図1(c)に示すような構成の液晶表示パネルを有する液晶表示装置に適用される。液晶表示パネルは、TFT基板1および対向基板2の一対の基板の間に液晶材料(図示しない)を封入した表示パネルである。このとき、液晶表示パネルが、たとえば、横電界駆動方式のものであるとすると、TFT基板1は、たとえば、複数本の走査信号線GL、複数本の映像信号線DL、コモン給電配線CB、スイッチ回路101、映像信号入力線102、外部信号入力線103などを有する。また、液晶表示パネル(TFT基板1)には、当該液晶表示パネルを駆動する駆動回路3が搭載されている。
【0036】
複数本の走査信号線GLは、それぞれ、表示領域DAを通る部分を有し、当該表示領域DAを通る部分は、x方向に延在している。このとき、それぞれの走査信号線GLの表示領域DAを通る部分は、y方向に並列配置されている。またこのとき、それぞれの走査信号線GLは、駆動回路3に接続している。
【0037】
複数本の映像信号線DLは、それぞれ、表示領域DAを通る部分を有し、当該表示領域DAを通る部分は、y方向に延在している。このとき、それぞれの映像信号線DLの表示領域DAを通る部分は、x方向に並列配置されている。またこのとき、それぞれの映像信号線DLは、スイッチ回路101を介して映像信号入力線102に接続しており、映像信号入力線102は、駆動回路3に接続している。」
「【実施例4】
【0097】
図14は、本発明による実施例4の液晶表示パネルの概略構成の一例を示す模式図である。
【0098】
実施例4の液晶表示パネルは、たとえば、図14に示すように、表示領域DAの構成は、従来の液晶表示パネルの構成(たとえば、図2(a)に示した構成)と同じ構成である。
【0099】
これに対し、実施例4の液晶表示パネルにおけるスイッチ回路101の構成は、たとえば、図14に示すように、1本の映像信号線DLnが、第1のスイッチ素子Tr2および第2のスイッチ素子Tr2を介して第1の映像信号入力端子DT1に接続し、第1のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2を介して第2の映像信号入力端子DT2に接続している。
【0100】
なお、第1の映像信号入力端子DT1および第2の映像信号入力端子DT2に接続している6本の映像信号線DL1~DL6に接続している第1のスイッチ素子Tr2は、ゲートが切替配線φ1~φ3のいずれかに接続しているスイッチ素子である。また、第2のスイッチ素子Tr2は、ゲートが切替配線φ4に接続しているスイッチ素子であり、第3のスイッチ素子Tr2は、ゲートが切替配線φ5に接続しているスイッチ素子である。
【0101】
このとき、1組の第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2に接続している3つの第1のスイッチ素子Tr2は、ゲートが異なる切替配線(φ1~φ3のいずれか)に接続している。そして、実施例4の液晶表示パネルでは、この2つの映像信号入力端子DT1,DT2と6本の映像信号線DL1~DL6との接続形態が1つの単位になっており、これが繰り返されている。
【0102】
図15は、実施例4の液晶表示パネルの駆動方法の一例を示す模式図である。
【0103】
実施例4の液晶表示パネルを駆動するときには、各走査信号線GLm、各切替配線φ1~φ5、および各映像信号入力端子DLqに加える信号を、たとえば、図15に示すようなタイミングで切り替える。このとき、各切替配線φ1~φ5に加える切替信号は、2水平選択期間を1周期とし、切替配線φ1,φ2,φ3の切替信号は、当該1周期の間にφ1,φ2,φ3,φ1,φ2,φ3の順にHレベルになるようにする。また、切替配線φ4,φ5の切替信号は、1周期(2水平選択期間)の間にφ4,φ5,φ4,φ5,φ4,φ5の順にHレベルになるようにする。
【0104】
このとき、第1の映像信号入力端子DT1と6本の映像信号線DL1~DL6とは、1周期(2水平選択期間)の間に、DL1,DL5,DL3,DL4,DL2,DL6の順に接続される。またこのとき、第2の映像信号入力端子DT2と6本の映像信号線DL1~DL6とは、1周期(2水平選択期間)の間に、DL4,DL2,DL6,DL1,DL5,DL3の順に接続される。したがって、映像信号入力端子DT1,DT2には、それぞれ、図15に示したような順番で階調電圧を入力する。
【0105】
また、図示は省略するが、残りの映像信号入力端子DT3~DTNのそれぞれにも、図15に示したような順番で階調電圧を入力する。
【0106】
このとき、それぞれの映像信号入力端子DTqに入力する階調電圧の極性を、たとえば、図13(b)に示したようにすると、実施例4の液晶表示パネルでドット反転駆動をさせることができる。すなわち、実施例4の液晶表示パネルを駆動させるときには、たとえば、1フレーム期間に1つの映像信号入力端子DTqに入力する階調電圧の極性を、すべて同じ極性にすることができる。したがって、実施例4の液晶表示パネルを有する液晶表示装置は、実施例3の液晶表示パネルを有する液晶表示装置と同様に、高画質化と低消費電力化を両立することができる。
【0107】
図16は、実施例4の液晶表示パネルの変形例の一例を示す模式図である。
【0108】
図14に示した例では、スイッチ素子Tr2と映像信号入力端子DTqの間にある映像信号入力線102を交差させているが、実施例4の液晶表示パネルでは、これに限らず、たとえば、図16に示すように、切替配線φ3と切替配線φ4の間で第1のスイッチ素子Tr2と第3のスイッチ素子Tr2とを接続する配線を交差させてもよいことはもちろんである。」
「【図1(a)】
[図:0001382862000004.jpg]
」
「【図13(b)】
[図:0001382862000005.jpg]
」
「【図14】
[図:0001382862000006.jpg]
」
「【図15】
[図:0001382862000007.jpg]
」
「【図16】
[図:0001382862000008.jpg]
」
【図14】、【図16】から、第1の映像信号入力端子DT1に、第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2が接続され、この第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2に、6本の映像信号線DL1~DL6に接続している第1のスイッチ素子Tr2が接続していること、同様に、第2の映像信号入力端子DT2に、第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2が接続され、この第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2に、6本の映像信号線DL1~DL6に接続している第1のスイッチ素子Tr2が接続していることが読み取れる。
【0106】、【図13(b)】から、1フレーム期間に、第1の映像信号入力端子DT1に入力する階調電圧の極性は正極性であり、第2の映像信号入力端子DT2に入力する階調電圧の極性は負極性であることが読み取れるから、第1の映像信号入力端子DT1には、正極性の階調電圧を提供する信号源 、第2の映像信号入力端子DT2には、負極性の階調電圧を提供する信号源が接続されていることが読み取れる。
(2) 周知技術の認定
引用文献7の上記(1)の摘記箇所の記載に例示されるように、次の事項は周知技術であると認める(以下「周知技術」という。)。
<周知技術>
「液晶表示パネル上の映像信号入力端子の数を、表示領域に配置された映像信号線の数よりも少なくし、1本の走査信号線が選択されている期間に、スイッチ素子のオン・オフを切り替えて、1個の映像信号入力端子に加えられた映像信号を振り分けて加えるようにした液晶表示装置であって、映像信号入力端子と映像信号線との間にスイッチ回路を介在させており(【0007】、【0008】)、
液晶表示パネルには、駆動回路3が搭載され、それぞれの映像信号線DLは、スイッチ回路101を介して、駆動回路3に接続され(【0035】、【0037】)、
当該スイッチ回路の構成は、1本の映像信号線DLnが、第1のスイッチ素子Tr2および第2のスイッチ素子Tr2を介して第1の映像信号入力端子DT1に接続し、第1のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2を介して第2の映像信号入力端子DT2に接続し(【0099】)、
第1の映像信号入力端子DT1および第2の映像信号入力端子DT2に接続している6本の映像信号線DL1~DL6に接続している第1のスイッチ素子Tr2は、ゲートが切替配線φ1~φ3のいずれかに接続しているスイッチ素子であり、第2のスイッチ素子Tr2は、ゲートが切替配線φ4に接続しているスイッチ素子であり、第3のスイッチ素子Tr2は、ゲートが切替配線φ5に接続しているスイッチ素子であり(【0100】)、
1組の第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2に接続している3つの第1のスイッチ素子Tr2は、ゲートが異なる切替配線(φ1~φ3のいずれか)に接続し、この2つの映像信号入力端子DT1,DT2と6本の映像信号線DL1~DL6との接続形態が1つの単位になっており、これが繰り返されており(【0101】)、
第1の映像信号入力端子DT1に、第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2が接続され、この第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2に、6本の映像信号線DL1~DL6に接続している第1のスイッチ素子Tr2が接続され、第2の映像信号入力端子DT2に、第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2が接続され、この第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2に、6本の映像信号線DL1~DL6に接続している第1のスイッチ素子Tr2が接続されており(【図14】、【図16】)、
1フレーム期間に、映像信号入力端子DT1に入力する階調電圧の極性は正極性であり、映像信号入力端子DT2に入力する階調電圧の極性は負極性であり、第1の映像信号入力端子DT1には、正極性の階調電圧を提供する信号源 、第2の映像信号入力端子DT2には、負極性の階調電圧を提供する信号源が接続されている(【0106】、【図13(b)】)、
液晶表示装置。」
3 追加文献に記載された事項の認定
(1) 追加文献に記載された事項
当審において新たに引用され、本願の優先日前に発行された特開2009-181100号公報(以下「追加文献」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【0005】
このように高解像度化がすすむと、より多くの電流をより短い期間内に供給する必要が生じ、コモン電圧の電圧変動を表示に問題が生じない程度に抑えるためには、配線抵抗の低減が必要となる。
しかしながら、高開口率化の要求もあり、高開口率化のためには、逆にコモン配線の幅は狭くすることが要求されている。さらに、高精細化のために画素数が増加すると、映像信号を伝送し、画素に書き込むために充放電が繰り返され消費電流が増加する傾向にある。
表示のちらつきを抑えるには、ライン反転駆動、ドット反転駆動が有効であるが、充放電の回数が増加し消費電力を増加させることになる。
特に、携帯電話機に用いられる液晶表示装置は高精細化しており、それを駆動するために多くのデータ配線を形成し、多くの行を走査している。多数本のデータ配線を、多数の走査行毎に交流化すると、データ配線の静電容量を充放電することになり、消費電流が大きくなってしまう。
よって表示についてはドット反転駆動であり、かつ、映像信号の伝送についてはフレーム反転駆動になることを検討した。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、小型の液晶表示装置において、充放電電流の増加を抑え、ちらつきを抑えた良好な表示を行うことにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。」
「【0017】
次に、図5に2段の分配回路6-1と6-2にて駆動する構成を示す。また、図6に図5に示す回路の動作を説明するタイミングチャートを示す。
図5に示す回路では、駆動回路5から出力端子24-1と24-2には正極性と負極性の映像信号が交互に出力している。ただし、映像信号線22の極性は1フレーム期間中同極性となるように駆動される。そのため、駆動回路5に内蔵される出力アンプは同極性の電圧を出力するため、目的とする電圧に画素電極11や映像信号線22が収束するまでの時間を短時間とすることが可能である。
図5に示す回路では、1走査期間(1H)の間を6分割して、6本の映像信号線22に映像信号を出力する。図6に示すように、走査信号VSCN1が出力する間に、駆動回路5は6本分の映像信号VSIG1を出力端子24-1に出力する。
第1段目の分配回路6-2では、分配制御信号線27を介して供給される分配制御信号TXに応じて分配トランジスタ63がオン・オフして映像信号を第2段目の分配回路6-1に出力する。
第1段目の分配回路6-2は、駆動回路5から出力する一方の極性の映像信号が、分配トランジスタ61に供給され、他方の極性の映像信号が分配トランジスタ62に供給されるように動作する。そのため、1フレーム期間内では映像信号線22の極性は同一となり、駆動回路5の出力アンプは映像信号線22の電圧を反転させる必要がない。
図5に示す回路についても、図2に示す回路と同様に表示についてはドット反転となっているため、奇数番目の走査信号線21-(2n-1)に接続する薄膜トランジスタ10は映像信号線22の右側の画素電極11に映像信号を供給するように配置され、偶数番目の走査信号線21-2nに接続する薄膜トランジスタ10は映像信号線22の左側の画素電極11に映像信号を供給するように配置されている。
そのため、分配トランジスタ63-3は出力端子24-1の映像信号を隣合う分配トランジスタ61に接続される映像信号線22に供給するように配線65を介して接続している。
【0018】
奇数番目の走査信号線21-(2n-1)には駆動回路5から走査信号VSCN1が出力すると、駆動回路5からは1走査期間内に、分配回路6-2に対して分配制御信号TXが分配制御信号線27を介して出力する。
まず、分配制御信号TX1が出力すると分配トランジスタ63-1がオン状態となる。分配トランジスタ63-1がオン状態となると、出力端子24-1から出力している映像信号が分配トランジスタ61に出力する。このとき、分配制御信号DB1からDB3が正極性の映像信号に合わせて出力するので、走査信号線21-(2n-1)に接続する奇数番目の画素部8には正極性の映像信号が書き込まれる。
次に分配トランジスタ63-2がオン状態となると、出力端子24-1から出力している映像信号が分配トランジスタ62に出力する。このとき、分配制御信号DB5からDB7が負極性の映像信号に合わせて出力するので、走査信号線21-(2n-1)に接続する偶数番目の画素部8には負極性の映像信号が書き込まれる。
次の走査期間には、走査信号VSCN2が走査信号線21-(2n)に出力する。走査信号線21-(2n)に接続する画素部8は映像信号線22の左側に配置されているため、走査信号線21-(2n)には映像信号線22-1に接続する画素部8が存在しない。そのため、まず分配制御信号DB5が出力し分配トランジスタ62に接続する映像信号線22に負極性の映像信号が出力する。次に分配制御信号DB2が出力し分配トランジスタ61に接続する映像信号線22に正極性の映像信号を出力する。
6分割して出力する最後の映像信号VSIG-26では、分配制御信号TX3が出力し、分配トランジスタ63-3がオン状態となり、出力端子24-1に隣合う出力端子24-2に接続する映像信号線22-21に映像信号を供給している。」
「【図5】
[図:0001382862000009.jpg]
」
「【図6】
[図:0001382862000010.jpg]
」
【0005】の「表示についてはドット反転駆動であり、かつ、映像信号の伝送についてはフレーム反転駆動になることを検討した」との記載から、【図5】に示された駆動回路5から出力端子24-1に出力される電圧の極性は、フレーム毎に反転していることが読み取れる。
(2) 追加文献に記載された事項の認定
上記(1)を総合すると、追加文献には、次の事項が記載されているものと認められる。
<追加文献記載事項>
「駆動回路5、及び駆動回路5から出力端子24-1に出力された6本分の映像信号を、1走査期間(1H)の間を6分割して、6本の映像信号線22に映像信号を出力する2段の分配回路6-1と6-2を備えた液晶表示装置であって(【0005】、【0017】、【図5】)、
前記駆動回路5から出力端子24-1に出力される映像信号の極性は、フレーム毎に反転している(【0005】、【図5】)、
液晶表示装置。」
第5 対比
1 本願発明と引用発明の対比
本願発明と引用発明を対比する。
(1) 引用発明の「液晶パネル部100」は、複数の奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)と、複数の偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)と、複数のゲート線105(G1、G2、・・・)と、複数の液晶画素104を備えており、各液晶画素104は奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)と偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)とゲート線105(G1、G2、・・・)の間に配置されている。
そして、引用発明の「複数の奇数番目のデータ線」、「複数の偶数番目のデータ線」、「複数のゲート線105(G1、G2、・・・)」、「複数の液晶画素104」は、それぞれ本願発明の「複数の第1のデータ線」、「複数の第2のデータ線」、「複数の走査線」、「複数の画素ユニット」に相当する。
したがって、引用発明の「液晶パネル部100」を備える「液晶表示装置」は、本願発明の「複数の第1のデータ線及び複数の第2のデータ線を含むデータ線群と、複数の走査線と、前記データ線群と前記複数の走査線との間に設置された複数の画素ユニットと、を含」む「液晶表示パネル」に相当する。
(2) 引用発明の「各アクティブ素子200のON/OFFを制御する電極は水平2ラインの画素群に共通な1本のゲート線105と接続」されることは、本願発明の「隣接する奇数行と偶数行の画素ユニット毎に前記複数の走査線のうち同一の走査線に接続され」ることに相当する。
(3) 引用発明の「奇数ライン目の画素(1ライン目では104-1、104-3、104-5、104-7・・・)では、奇数画素列(104-1、104-5)は、奇数番目のデータ線(104-1はデータ線S1、104-5はデータ線S5)に接続し、偶数画素列(104-3、104-7)は、偶数番目のデータ線(104-3はデータ線S4、104-7はデータ線S8)に接続し、同一ゲート線G1に接続された偶数ライン目の画素(2ライン目では104-2、104-4、104-6、104-8・・・)では、奇数画素列(104-2、104-6)は、偶数番目のデータ線(104-2はデータ線S2、104-6はデータ線S6)に接続し、偶数画素列(104-4、104-8)は、奇数番目のデータ線(104-4はデータ線S3、104-8はデータ線S7)に接続」されることは、本願発明の「奇数行の奇数列の画素ユニットが前記複数の第1のデータ線のいずれか1つに接続され、奇数行の偶数列の画素ユニットが前記複数の第2のデータ線のいずれか1つに接続され、偶数行の奇数列の画素ユニットが前記複数の第2のデータ線のいずれか1つに接続され、偶数行の偶数列の画素ユニットが前記複数の第1のデータ線のいずれか1つに接続され」ることに相当する。
(4) 引用発明の「奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)は各画素列の左側、偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)は各画素列の右側に配置され、いずれのデータ線106も、ゲート線105が延びる方向と垂直な方向に延びて」いることは、本願発明の「前記複数の第1のデータ線のいずれか1つと前記複数の第2のデータ線のいずれか1つとがそれぞれが前記画素ユニットの前記複数の走査線と直交する両側縁に設置され」ることに相当する。
(5) 引用発明の「あるフレームにおいて、奇数番目のデータ線(S1、S3、S5、・・・)は正極性の電圧、偶数番目のデータ線(S2、S4、S6、・・・)は負極性の電圧を、印加」することは、本願発明の「前記複数の第1のデータ線上のデータ信号と、対応する前記複数の第2のデータ線上のデータ信号とは極性が逆であ」ることに相当する。
(6) 引用発明の「データ線駆動部101」は、本願発明の「データ線駆動回路」に相当する。
よって、前記(1)での検討結果も踏まえると、本願発明と引用発明は、「液晶表示パネル」(液晶表示装置)が「データ線駆動回路」を含む点で共通する。
2 一致点及び相違点
上記1の検討を総合すると、本願発明と引用発明の両者は、以下の一致点で一致し、以下の相違点において相違する。
<一致点>
「複数の第1のデータ線及び複数の第2のデータ線を含むデータ線群と、複数の走査線と、前記データ線群と前記複数の走査線との間に設置された複数の画素ユニットと、を含み、
隣接する奇数行と偶数行の画素ユニット毎に前記複数の走査線のうち同一の走査線に接続され、
奇数行の奇数列の画素ユニットが前記複数の第1のデータ線のいずれか1つに接続され、奇数行の偶数列の画素ユニットが前記複数の第2のデータ線のいずれか1つに接続され、偶数行の奇数列の画素ユニットが前記複数の第2のデータ線のいずれか1つに接続され、偶数行の偶数列の画素ユニットが前記複数の第1のデータ線のいずれか1つに接続され、
前記複数の第1のデータ線のいずれか1つと前記複数の第2のデータ線のいずれか1つとがそれぞれが前記画素ユニットの前記複数の走査線と直交する両側縁に設置され、前記複数の第1のデータ線上のデータ信号と、対応する前記複数の第2のデータ線上のデータ信号とは極性が逆であり、
データ線駆動回路をさらに含む、
液晶表示パネル」、である点。
<相違点>
本願発明の「データ線駆動回路」が、
「複数の正極性信号源、複数の負極性信号源、複数の第1段の正極性スイッチトランジスタ、複数の第1段の負極性スイッチトランジスタ、複数の第1段の制御信号線、複数の第2段の正極性スイッチトランジスタ、複数の第2段の負極性スイッチトランジスタ及び複数の第2段の制御信号線を含み、
前記複数の第1段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの入力端子がそれぞれ前記複数の正極性信号源のいずれか1つに接続され、前記複数の第1段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの制御端子がそれぞれ前記複数の第1段の制御信号線のいずれか1つに接続され、前記複数の第1段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの出力端子がそれぞれ前記複数の第2段の正極性スイッチトランジスタの入力端子に接続され、
前記複数の第1段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの入力端子がそれぞれ前記複数の負極性信号源のいずれか1つに接続され、前記複数の第1段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの制御端子がそれぞれ前記複数の第1段の制御信号線のいずれか1つに接続され、前記複数の第1段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの出力端子がそれぞれ前記複数の第2段の負極性スイッチトランジスタの入力端子に接続され、
前記複数の第2段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの制御端子がそれぞれ前記複数の第2段の制御線のいずれか1つに接続され、前記複数の第2段の正極性スイッチトランジスタのいずれか1つの出力端子がそれぞれ前記複数の第1のデータ線のいずれか1つに接続され、
前記複数の第2段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの制御端子がそれぞれ前記複数の第2段の制御線のいずれか1つに接続され、前記複数の第2段の負極性スイッチトランジスタのいずれか1つの出力端子がそれぞれ前記複数の第2のデータ線のいずれか1つに接続される」
構成であるのに対して、
引用発明の「データ線駆動部101」は、そのような構成ではない点。
第6 判断
1 相違点について
上記相違点について検討する。
前記第4の2の「(2) 周知技術の認定」において示したとおり、
「液晶表示パネル上の映像信号入力端子の数を、表示領域に配置された映像信号線の数よりも少なくし、1本の走査信号線が選択されている期間に、スイッチ素子のオン・オフを切り替えて、1個の映像信号入力端子に加えられた映像信号を振り分けて加えるようにした液晶表示装置であって、映像信号入力端子と映像信号線との間にスイッチ回路を介在させ、
液晶表示パネルには、駆動回路3が搭載され、それぞれの映像信号線DLは、スイッチ回路101を介して、駆動回路3に接続され、
当該スイッチ回路の構成は、1本の映像信号線DLnが、第1のスイッチ素子Tr2および第2のスイッチ素子Tr2を介して第1の映像信号入力端子DT1に接続し、第1のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2を介して第2の映像信号入力端子DT2に接続し、
第1の映像信号入力端子DT1および第2の映像信号入力端子DT2に接続している6本の映像信号線DL1~DL6に接続している第1のスイッチ素子Tr2は、ゲートが切替配線φ1~φ3のいずれかに接続しているスイッチ素子であり、第2のスイッチ素子Tr2は、ゲートが切替配線φ4に接続しているスイッチ素子であり、第3のスイッチ素子Tr2は、ゲートが切替配線φ5に接続しているスイッチ素子であり、
1組の第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2に接続している3つの第1のスイッチ素子Tr2は、ゲートが異なる切替配線(φ1~φ3のいずれか)に接続し、この2つの映像信号入力端子DT1,DT2と6本の映像信号線DL1~DL6との接続形態が1つの単位になっており、これが繰り返されており、
第1の映像信号入力端子DT1に、第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2が接続され、この第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2に、6本の映像信号線DL1~DL6に接続している第1のスイッチ素子Tr2が接続され、第2の映像信号入力端子DT2に、第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2が接続され、この第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2に、6本の映像信号線DL1~DL6に接続している第1のスイッチ素子Tr2が接続されており、
1フレーム期間に、映像信号入力端子DT1に入力する階調電圧の極性は正極性であり、映像信号入力端子DT2に入力する階調電圧の極性は負極性であり、第1の映像信号入力端子DT1には、正極性の階調電圧を提供する信号源 、第2の映像信号入力端子DT2には、負極性の階調電圧を提供する信号源が接続されている、
液晶表示装置」は、本願優先日前に周知の技術である。
ここで、上記周知技術の「第1の映像信号入力端子DT1」に接続される「正極性の階調電圧を提供する信号源」、「第2の映像信号入力端子DT2」に接続される「負極性の階調電圧を提供する信号源」は、それぞれ本願発明の「正極性信号源」、「負極性信号源」に相当する。
また、上記周知技術の「第1の映像信号入力端子DT1」に接続される「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」、「第2の映像信号入力端子DT2」に接続される「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」は、それぞれ本願発明の「第1段の正極性スイッチトランジスタ」、「第1段の負極性スイッチトランジスタ」に相当し、第2のスイッチ素子Tr2のゲートに接続している「切替配線φ4」及び第3のスイッチ素子Tr2のゲートに接続している「切替配線φ5」が、本願発明の「第1段の制御信号線」に相当する。
さらに、上記周知技術の「第1の映像信号入力端子DT1」に接続される「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」に接続される「第1のスイッチ素子Tr2」と、「第2の映像信号入力端子DT2」に接続される「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」に接続される「第1のスイッチ素子Tr2」は、それぞれ本願発明の「第2段の正極性スイッチトランジスタ」と、「第2段の負極性スイッチトランジスタ」に相当し、第1のスイッチ素子Tr2のゲートに接続されている「切替配線φ1~φ3」が、本願発明の「第2段の制御信号源」に相当する。
また、上記周知技術の「スイッチ回路」は、「この2つの映像信号入力端子DT1,DT2と6本の映像信号線DL1~DL6との接続形態が1つの単位になっており、これが繰り返され」たものであり、すなわち「正極性の階調電圧を提供する信号源」、「負極性の階調電圧を提供する信号源」、「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」、6本の映像信号線に接続している「第1のスイッチ素子Tr2」からなる構成要素を1つの単位として、当該1つの単位が、6本の映像信号線毎に繰り返し配置されていることになるから、上記各構成要素は、「スイッチ回路」全体でみた場合、複数個有していることは明らかである。
そして、上記の1つの繰り返し単位を構成する各構成要素は1つであるから、当該1つの繰り返し単位は、複数の「正極性の階調電圧を提供する信号源」のいずれか1つに、複数の「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」のいずれか1つが接続され、この複数の「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」のいずれか1つに、複数の「第1のスイッチ素子Tr2」のいずれか1つが接続され、同様に、複数の「負極性の階調電圧を提供する信号源」のいずれか1つに、複数の「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」のいずれか1つが接続され、この複数の「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」のいずれか1つに、複数の「第1のスイッチ素子Tr2」のいずれか1つが接続されて、構成されていることは明らかである。
そうしてみると、引用文献7に記載された上記周知技術は、上記相違点に係る構成を全て備えていると認められるところ、引用発明と上記周知技術は、いずれも液晶表示装置のデータ線を駆動する回路に関するものであり、引用文献7の【0008】に記載の「従来と同じ解像度でもドライバICの出力端子数を」「減ら」して、駆動回路を小型化することは引用発明においても当然に有する課題であるから、当該課題を解決するために、引用発明の「データ線駆動部101」を、上記周知技術が備える「駆動回路3」及び「スイッチ回路101」の構成とし、上記相違点に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
なお、本願明細書の段落【0055】には、「・・・次のフレーム画面において、正極性信号源A1と負極性信号源B1の信号極性を変換する・・・」と記載されており、2つの信号源は正負の信号極性がフレームごとに変換されるものであるとされている。
請求項1においては上記のような信号源の構成は特定されていないものであるが、仮に、本願発明の「正極性信号源」、「負極性信号源」が、正極性の階調電圧と負極性の階調電圧をフレーム毎に切り替えるものであるとした場合、上記周知技術における、本願発明の「第1段の正極性スイッチトランジスタ」、「第1段の負極性スイッチトランジスタ」に相当する「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」は、正極性信号源と負極性信号源の2つの異なる信号源の出力を切り替えるものであるから、引用発明の「データ線駆動部101」が、正極性の階調電圧と負極性の階調電圧をフレーム毎に切り替えて出力する1つの信号源を有するものとした場合は、当該「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」は不要となり、引用発明に、上記周知技術の「第2のスイッチ素子Tr2および第3のスイッチ素子Tr2」と「第1のスイッチ素子Tr2」からなる2段の構成を適用する動機付けはなくなることになる。
しかしながら、前記第4の3の「(2) 追加文献に記載された事項の認定」において示したとおり、「駆動回路5から出力端子24-1に出力される映像信号の極性」が「フレーム毎に反転している」場合であっても、「駆動回路5から出力端子24-1に出力された6本分の映像信号を、1走査期間(1H)の間を6分割して、6本の映像信号線22に映像信号を出力する」分配回路を「2段の分配回路6-1と6-2」とする液晶表示装置の構成は、本願の優先日前に公知であったことを考慮すれば、引用発明の「データ線駆動部101」が、正極性の階調電圧と負極性の階調電圧をフレーム毎に切り替えて出力する1つの信号源を有するものとした場合であっても、引用発明の「データ線駆動部101」を、上記追加文献に記載された事項である「駆動回路5」及び「2段の分配回路」の構成とし、上記相違点に係る構成とすることに、格別の困難性は認められない。
2 請求人の主張について
請求人は、審判請求の理由において、次の主張をしている。
(審判請求書8頁22行~9頁5行)
「本願発明のデータ駆動回路の構成に最も似ている引用文献7の発明についても、段落[0088]-[0096]の記載によれば、図12から図13(b)は液晶表示パネル実施例3の構成であります。図13(b)によれば、実施例3の極性反転はドット反転ではなく、列反転(column inversion)であります。これに対して、ドット反転を実現できる実施例5は、段落[0115]-[0126]の記載内容及び図18(a)と図19(b)によれば、図12と比較すると、逆にスイッチ回路101における切替配線φとスイッチ素子Tr2の数を減らします。
したがいまして、例え引用文献7のスイッチ回路101に基づき、引用文献4の図1又は引用文献5の図5の走査線の配置構成を参照したとしても、本願発明のような簡単で有効なデータ線駆動回路、且つ走査線の数を減らすことができる構成、しかも液晶表示パネルの狭額縁設計又はフレームレス設計を実現できる液晶表示パネル及び液晶表示装置が、容易に想到し得ないと思料いたします。」
しかしながら、前記「1 相違点について」で説示したのは、引用発明に、引用文献7の実施例4に記載された周知技術を組み合わせ、本願発明とすることは、当業者が容易に想到し得たとするものであるところ、請求人の上記主張は、引用文献7の実施例3や実施例5を組み合わせた場合の主張であって、実施例4を組み合わせた場合における主張ではないから採用できない。
3 小括
上記1及び2に検討したとおり、上記相違点に係る本願発明の構成は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。
そして、本願発明によって奏される効果は、引用発明及び周知技術から当業者が予測し得る程度のものにすぎない。
したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について審理するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-000539