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特許異議申立

2023-701329

包装箱

審判番号
2023-701329
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-074364
登録番号
7292935
請求日
2023年12月19日
審決日
2024年11月14日
公報発行日
2025年02月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社トーモク
  • 【権利者代理人】吉田 雅比呂
  • 【異議申立人】竹原 尚彦
審判長/審判官
  • 審判長 金丸 治之
  • 審判官 稲葉 大紀
  • 審判官 長谷川 一郎
分類
P1651.113-YAA(B65D) / P1651.121-YAA(B65D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7292935号発明「包装箱」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7292935号の特許請求の範囲を令和6年10月3日の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2、3〕について訂正することを認める。 特許第7292935号の請求項2~4に係る特許を維持する。 特許第7292935号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7292935号(以下「本件特許」という。)の請求項1~4に係る特許についての出願は、平成31年4月9日に出願され、令和5年6月9日にその特許権の設定登録がされ、令和5年6月19日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1~4に係る特許に対し、令和5年12月19日に特許異議申立人竹原尚彦(以下「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされたものである。それ以降の経緯は以下のとおりである。 令和6年 3月 6日付け 取消理由通知書 令和6年 5月15日 訂正請求書及び意見書(特許権者) 令和6年 7月 3日 意見書(申立人) 令和6年 8月 2日付け 取消理由通知書(決定の予告) 令和6年10月 3日 訂正請求書(特許権者) 令和6年10月18日 手続補正書(訂正請求書) 令和6年10月3日の訂正の請求(令和6年10月18日に提出された手続補正書で補正。以下「本件訂正請求」といい、訂正自体を「本件訂正」という。)の内容については、実質的に申立人に意見を述べる機会が与えられており、申立人は令和6年7月3日に提出した意見書において、既に意見を述べていることから、合議体は申立人に、再度意見書を提出する機会を与える必要はないと判断した。 そして、先の訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和6年10月3日に提出された訂正請求書による訂正の請求(以下「本件訂正請求」といい、訂正自体を「本件訂正」という。)は、「特許第7292935号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~3について訂正することを求める。」ものであり、本件訂正の内容は、次のとおりである。なお、下線は、当審が訂正箇所に付したものであり、「・・・」は文章の省略を表す。以下同様。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「角筒形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する閉塞部とを備える紙製の包装箱であって、・・・前記閉塞部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとを含んで構成され、」と記載されているのを、「角筒形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装箱であって、・・・前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとを含んで構成され、」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3も同様に訂正する)。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項2に「前記第2側板には、前記内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、」「該切れ目から遊離して該第2側板の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ、」と記載されているのを、「前記第2側板には、天部側の内フラップとの境界及び底部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、」「該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部及び底部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ、」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3も同様に訂正する)。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項2に「前記第2側板が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、」と記載されているのを、「前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3も同様に訂正する)。 2 訂正の目的、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (1)訂正事項1 訂正事項1は、本件訂正前の請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的するものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当しない。 (2)訂正事項2 訂正事項2は、「角筒形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装箱であって、・・・前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとを含んで構成され、」との記載により、本件訂正前の請求項2に記載の閉塞部が天部及び底部の上下2つからなるものであることを特定して限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、本件特許明細書の【0017】、【図1】の記載に基づく訂正であるから新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。 (3)訂正事項3 訂正事項3は、「前記第2側板には、天部側の内フラップとの境界及び底部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、」「該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部及び底部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ、」との記載により、本件訂正前の請求項2の延出する凸部の設ける位置を特定して限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、本件特許明細書の【0026】、【0030】~【0031】、【0041】、【図2】、【図4】の記載に基づく訂正であるから新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。 (4)訂正事項4 訂正事項4は、訂正前の請求項2に記載された「前記第2側板には、・・・前記第2側板が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の端部から延出する凸部」は、技術的に意味を成しておらず、かつ他の段落の【0031】には、「まず、図4に示すように、各内フラップ32を第2側板22に対して直角となるように第2折目線eに沿って内方に折り曲げる。これにより、凸部60が切れ目61から遊離して第2側板22の上端から延出する。」との記載があり、さらに図4に内フラップが内方に折り曲げられていることが示されている。したがって、当該「第2側板」は「内フラップ」の誤記であることが明らかであるから、誤記の訂正を目的とするものである。 そして、本件特許の願書に最初に添付した明細書の【0031】及び図面の【図4】の記載に基づく訂正であるから新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。 (6) 一群の請求項 本件訂正前の請求項1~3は、請求項3が、本件訂正の対象である請求項2の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項1、〔2、3〕について請求されたものである。 3 小括 以上のとおりであるから、訂正事項1~4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2、3〕について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 上記のとおり、本件訂正は認められるから、本件訂正後の請求項2~4に係る発明(以下「本件発明2」等という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項2~4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項2】 角筒形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装箱であって、 前記胴部は、対向する一対の第1側板と、該第1側板が対向する方向と交差する方向で対向する第2側板とを有し、 前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとを含んで構成され、 前記第2側板には、天部側の内フラップとの境界及び底部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部及び底部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ、 前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部と嵌合する凹部がそれぞれ設けられていることを特徴とする包装箱。 【請求項3】 請求項2に記載の包装箱であって、 前記凹部は、両外フラップの先端隅部をそれぞれ切欠き、該両外フラップを前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げてその先端縁同士を突き合わせることで形成されることを特徴とする包装箱。 【請求項4】 八角形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装箱であって、 前記胴部は、対向する一対の第1側板と、該第1側板が対向する方向と交差する方向で対向する第2側板と、該第1側板と該第2側板とを接続する4枚の連結側板を有し、 前記天部または前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとにより構成され、 前記連結側板は、その端部から隣接する前記第1折目線を越えて延設され、 前記外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該外フラップの側縁が突き当てられる延出部を有し、 前記第2側板には、前記内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記第2側板が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の端部から延出する凸部が設けられ、 前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部と嵌合する凹部が設けられていることを特徴とする包装箱。」 第4 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について 1 取消理由の概要 当審において特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の概要は、次のとおりである。 理由1(進歩性) 請求項1に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 <引用文献一覧> 引用文献1:登録実用新案第3162999号公報(申立人が提出した甲第1号証) (以下、申立人が提出した甲第○号証を「甲○」という。) 2 当審の判断 上記第2のとおり、取消理由の対象であった請求項1は本件訂正により削除されたため、取消理由は解消したものと判断される。 第5 取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について 1 申立理由の概要 (1)申立理由1(甲1を主引例とした新規性、進歩性) 本件特許の請求項1に係る発明は、甲1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本件特許の請求項4に係る発明は、甲1に記載された発明及び甲4~甲6に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (2)申立理由2(甲2を主引例とした新規性、進歩性) 本件特許の請求項1に係る発明は、甲2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本件特許の請求項1に係る発明は、甲2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (3)申立理由3(甲3を主引例とした新規性、進歩性) 本件特許の請求項1に係る発明は、甲3に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本件特許の請求項1に係る発明は、甲3に記載された発明に基づいて、本件特許の請求項4に係る発明は甲3に記載された発明及び甲4~甲6に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (4)申立理由4(甲4を主引例とした新規性、進歩性) 本件特許の請求項2、3に係る発明は、甲4に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本件特許の請求項2、3に係る発明は、甲4に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (5)申立理由5(甲5を主引例とした新規性、進歩性) 本件特許の請求項2に係る発明は、甲5に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本件特許の請求項2に係る発明は、甲5に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (6)申立理由6(甲6を主引例とした新規性、進歩性) 本件特許の請求項2に係る発明は、甲6に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本件特許の請求項2に係る発明は、甲6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (7)申立人が提出した証拠 甲1:実用新案登録第3162999号公報 甲2:米国特許第4549690号 甲3:特開2013-52898号公報 甲4:実願昭54-53390号(実開昭55-153333号)のマイクロフィルム 甲5:特開2014-218270号公報 甲6:意匠登録第1467749号公報 2 当審の判断 上記第2のとおり、本件訂正により申立理由の対象であった請求項1に係る特許は削除されたため、上記1の申立理由のうち、請求項1についての申立理由は解消したものと判断される。したがって、請求項2~4についての申立理由1、2、4~6について以下検討する。 (1)各甲号証について ア 甲1に記載された発明 甲1の【0001】、【0005】~【0007】、【0020】~【0022】、【0027】~【0033】、【0036】、【0046】~【0048】、【0052】、【図8】、【図9】の記載を参照すると、甲1には以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 「八角形の形状を有する天板13及び底板11と、 対向する一対の側板31及び側板32と、該側板31及び側板32が対向する方向と交差する方向で対向する左側面板51及び右側面板53と、該側板31及び側板33と左側面板51及び右側面板53とを接続する隅板19a~19dを有する胴部分と、 側板31及び側板32から谷折り線を介して連設された一対の天板用フラップ13a、13b、一対の底板用フラップ11a、11bと、左側面板51及び右側面板53から谷折り線を介して連設された第1の天板側フラップ55、第2の天板側フラップ59、第1の底板側フラップ57、第2の底板側フラップ61を含んで構成され、 隅板19a~19dは、包装箱の上端部から天板13を超えて突き出す凸部21a~21dを有する紙製の包装箱。」 イ 甲3に記載された発明 甲3の【0001】、【0020】、【0021】、【0023】~【0027】、【図1】~【図4】の記載を参照すると、甲3には以下の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されている。 「八角筒状の胴部Aと、胴部Aの下側の開口を閉塞する底部Cと、胴部Aの上側の開口を閉塞する天部Bとを備える段ボール製の包装用箱であって、 胴部Aは、対向する2つの側面板7、9と、側面板7、9が対向する方向と交差する方向で対向する側面板8、10と、側面板7、8、9、10を接続する4枚の傾斜側面板11~14を有し、 天部Bは、2つの側面板7、9から折り罫を介して連設された2つの天部側のフラップ16、20と2つの底部側のフラップ23、25と、側面板8、10から折り罫を介して連設された2つの天部側のフラップ18、22と2つの底部側のフラップ24、26とを含んで構成され、 傾斜側面板11~14は、天部B側の側部から隣接する前記折り罫を越えて延設され、外フラップ16、20に折り重ねて接着することで係止凸部B1を形成するフラップ15、17、19、21を有する、包装用箱。」 ウ 甲4に記載された発明 甲4の明細書1ページ8行~2ページ16行、第2図、第5図の記載を参照すると、甲4には以下の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されている。 「四角筒形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える包装箱であって、 胴部は、対向する一対の凸形ガイド1aを有しない側板と、該側板が対向する方向と交差する方向で対向する一対の凸形ガイド1aを有する側板とを有し、 前記天部及び前記底部は、前記凸形ガイド1aを有しない側板から折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記凸形ガイド1aを有する側板から折目線を介して連設された一対の内フラップとを含んで構成され、 前記凸形ガイド1aを有する側板には、天部側の内フラップとの境界に、その両端が前記折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該凸形ガイド1aを有する側板の端部から延出する凸形ガイド1aがそれぞれ設けられ、 前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸形ガイド1aとはめ合う凹部1bがそれぞれ設けられている包装箱。」 エ 甲5に記載された発明 甲5の【0001】、【0017】、【0018】、【0020】~【0023】、【0025】、【0026】、【図1】、【図2】、【図4】、【図6】の記載を参照すると、甲5には以下の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されている。 「四角筒状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天面及び底面とを備える段ボール製の包装箱であって、 前記胴部は、対向する一対の側板1、1と、側板1、1が対向する方向と交差する方向で対向する端板2、2とを有し、 前記天面は、側板1、1から折り曲げ線を介して連設された一対の天板7、7と、端板2、2から折り曲げ線を介して連設された一対の天板6、6とを含んで構成され、 前記底面は、側板1、1から折り曲げ線を介して連設された一対の底板5、5と、端板2、2から折り曲げ線を介して連設された一対の底板4、4とを含んで構成され、 端板2には、天板6との境界に、両端が折り曲げ線に接続されるとともに天板6側に向かって屈曲した切目8a、8b、8cによって形成され、天板6が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、切目8a、8b、8cから遊離して端板2の端部から延出する上突片8がそれぞれ設けられ、 端板2には、底板4との境界に、両端が折り曲げ線に接続されるとともに底板4側に向かって屈曲した切目によって形成され、底板4が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、切目から遊離して端板2の端部から延出する下突片12がそれぞれ設けられ、 前記天板7には、その側端縁に入れた2本の切目9a間に形成された切起片9であって、天板7が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに上突片8で押し上げられる切起片9がそれぞれ設けられており、前記上突片8と切起片9とから凸部10が形成される、包装箱。」 オ 甲6に記載された発明 甲6の記載全体を参照すると、甲6には以下の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されている。 「四角筒形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装用容器であって、 前記胴部は、対向する一対の第1側板と、該第1側板が対向する方向と交差する方向で対向する第2側板とを有し、 前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対のフラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対のフラップとを含んで構成され、 前記第2側板には、天部側の前記内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装用容器の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ、 前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装用容器の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部を受け入れる凹部がそれぞれ設けられている、包装用容器。」 カ 周知技術について 上記ウで示した甲4発明及び上記オで示した甲6発明を踏まえると、以下の事項は本件出願時において周知の技術(以下「周知技術」という。)であったといえる。 「紙製の包装箱において、側板の天部側の内フラップとの境界に凸部を設け、側板の底部側の内フラップとの境界に凹部を設け、前記凸部を、上に積み重ねた包装箱の前記凹部にはめ込むことで荷ずれを防止すること。」 (2)申立理由1(甲1を主引例とした本件発明4の進歩性)について ア 対比 本件発明4と甲1発明とを対比する。 胴部の形状に関して、甲1発明の「胴部分」は、図9からも明らかなとおり、「側板31及び側板33」、「左側面板51及び右側面板53」、及び、「隅板19a~19d」から構成される八角筒状であるから、本件発明4の「八角筒状の胴部」に相当する。 天部及び底部に関して、甲1発明の胴部分はその上端部及び下端部において開口する部分を有することは明らかであり、「一対の天板用フラップ13a、13b、一対の底板用フラップ11a、11bと、左側面板51及び右側面板53から谷折り線を介して連設された第1の天板側フラップ55、第2の天板側フラップ59、第1の底板側フラップ57、第2の底板側フラップ61」は、前記開口する部分を閉塞するものであるから、本件発明4の「胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部」に相当する。 甲1発明の「側板31及び側板33」、「左側面板51及び右側面板53」、「隅板19a~19d」、「谷折り線」、「天板用フラップ13a、13b」及び「底板用フラップ11a、11b」、「第1の天板側フラップ55、第2の天板側フラップ59、第1の底板側フラップ57、第2の底板側フラップ61」、「紙製の包装箱」はそれぞれ、本件発明4の「第1側板」、「第2側板」、「連結側板」、「第1折目線」及び「第2折目線」、「外フラップ」、「内フラップ」、「紙製の包装箱」に相当する。 甲1発明の「凸部21a~21d」は、図8及び図9からみて、包装箱の上端部から天板13を超えて突き出ており、閉塞部側の端部から「谷折り線」を越えて延設されるものであるから、甲1発明の「包装箱の上端部から天板13を超えて突き出す凸部21a~21d」と、本件発明4の「前記連結側板は、その端部から隣接する前記第1折目線を越えて延設され、前記外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該外フラップの側縁が突き当てられる延出部」は、「前記連結側板は、その端部から隣接する前記第1折目線を越えて延設される延出部」である限りにおいて一致する。 以上を総合すると、本件発明4と甲1発明は以下の点で一致し、相違する。 [一致点1] 「八角形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装箱であって、 前記胴部は、対向する一対の第1側板と、該第1側板が対向する方向と交差する方向で対向する第2側板と、該第1側板と該第2側板とを接続する4枚の連結側板を有し、 前記天部または前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとにより構成され、 前記連結側板は、その端部から隣接する前記第1折目線を越えて延設される延出部を有する包装箱。」 [相違点1-1] 「前記連結側板は、その端部から隣接する前記第1折目線を越えて延設される延出部」について、本件発明4では、「前記外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該外フラップの側縁が突き当てられる」のに対し、甲1発明では、甲1発明は、かかる構成を有するか不明な点。 [相違点1-2] 本件発明4は、「前記第2側板には、前記内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記第2側板が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の端部から延出する凸部が設けられ、前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部と嵌合する凹部が設けられている」のに対し、甲1発明は、かかる構成を有しない点。 イ 判断 甲1の「4つの凸部21a,21b,21c,21dは,いずれも側縁43a,43bと平行でも垂直でもない。さらに,4つの凸部21a,21b,21c,21dは,それぞれ隣接する凸部となす角が90度以外の角度であることが好ましい。このように隣接する凸部が直角以外の角を有するため,この包装箱は,あらゆる方向からの揺れに対して対抗できることとなる。」(【0030】)との記載を踏まえると、甲1発明は、側板31、32及び側面板51、53に対して斜めに配置される隅板19a~19dの上端部に凸部21a~21dを設けることにより、あらゆる方向からの揺れに対抗できるようにするものである。 そうすると、上記(1)カで示した周知技術を踏まえても、すでにあらゆる方向からの揺れに対抗できる構成としている甲1発明に対してさらに側板31、32の上端部にも凸部を設ける動機付けはない。 したがって、甲1発明及び周知技術に基づいて、相違点1-2に係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ 小括 以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は、甲1発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)申立理由3(甲3を主引例とした本件発明4の進歩性)について ア 対比 本件発明4と甲3発明を対比する。 甲3発明の「八角筒状の胴部A」、「底部C」、「天部B」、「段ボール製の包装用箱」、「側面板7、9」、「側面板8、10」、「傾斜側面板11~14」、「折り罫」、「天部側のフラップ16、20」及び「底部側のフラップ23、25」、「天部側のフラップ18、22」及び「底部側のフラップ24、26」、「フラップ15、17、19、21」はそれぞれ、本件発明4の「八角形状の胴部」、「底部」、「天部」、「紙製の包装箱」、「第1側板」、「第2側板」、「連結側板」、「第1折目線」及び「第2折目線」、「外フラップ」、「内フラップ」、「延出部」に相当する。 甲3発明の「傾斜側面板11~14は、天部B側の側部から隣接する前記折り罫を越えて延設され、外フラップ16、20に折り重ねて接着することで係止凸部B1を形成するフラップ15、17、19、21を有する」構成と、本件発明4の「前記連結側板は、その端部から隣接する前記第1折目線を越えて延設され、前記外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該外フラップの側縁が突き当てられる延出部を有」する構成は、「記連結側板は、その端部から隣接する前記第1折目線を越えて延設される延出部を有」する構成である限りにおいて一致する。 以上を総合すると、本件発明4と甲3発明は以下の点で一致し、相違する。 [一致点3] 「八角形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装箱であって、 前記胴部は、対向する一対の第1側板と、該第1側板が対向する方向と交差する方向で対向する第2側板と、該第1側板と該第2側板とを接続する4枚の連結 側板を有し、 前記天部または前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとにより構成され、 前記連結側板は、その端部から隣接する前記第1折目線を越えて延設される延出部を有している包装箱。」 [相違点3-1] 「前記連結側板は、その端部から隣接する前記第1折目線を越えて延設される延出部を有」する点について、本件発明4では、「前記外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該外フラップの側縁が突き当てられる」のに対し、甲3発明では、かかる構造を有していない点。 [相違点3-2] 本件発明4は、「前記第2側板には、前記内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記第2側板が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の端部から延出する凸部が設けられ、前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部と嵌合する凹部が設けられている」のに対し、甲3発明は、かかる構成を有していない点。 イ 判断 事案に鑑み相違点3-1について検討する。 甲3発明のフラップ15、17、19、21は、「天部B側の側部から隣接する前記折り罫を越えて延設され、外フラップ16、20に折り重ねて接着することで係止凸部B1を形成する」ものである。 そうすると、甲3発明のフラップ15、17、19、21は、外フラップ16、20の側縁が突き当たる構造は有しておらず、外フラップ16、20の外面に折り重ねられる構造からみてそのような構造とする動機付けもない。 そうすると、甲3発明において、相違点3-1に係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ 小括 以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は甲3発明ではなく、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (4)申立理由4(甲4を主引例とした本件発明2、3の新規性、進歩性)について ア 本件発明2について (ア)対比 本件発明2と甲4発明を対比する。 甲4発明の「凸形ガイド1aを有しない側板」、「凸形ガイド1aを有する側板」、「凸形ガイド1a」、「凹部1b」、「外フラップ」、「内フラップ」、はそれぞれ、本件発明2の「第1側板」、「第2側板」、「凸部」、「凹部」、「外フラップ」、「内フラップ」に相当する。 甲4発明の凸形ガイド1aを有しない側板と外フラップの間に介在する「折目線」は、本件発明2の「第1折目線」に相当し、甲4発明の凸形ガイド1aを有する側板と内フラップの間に介在する折目線は、本件発明2の「第2折目線」に相当する。 甲4発明の「包装箱」と、本件発明2の「紙製の包装箱」は、「包装箱」である限りにおいて一致する。 甲4発明の「前記凸形ガイド1aを有する側板に」設けられ、「天部側の内フラップとの境界に、その両端が前記折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該凸形ガイド1aを有する側板の端部から延出する凸形ガイド1a」と、本件発明2の「前記第2側板に」設けられ、「天部側の内フラップとの境界及び底部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部及び底部側の端部から延出する凸部」は、「前記第2側板に設けられ、天部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部から延出する凸部」である限りにおいて一致する。 甲4発明の「前記外フラップに」設けられ「その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸形ガイド1aとはめ合う凹部1b」と、本件発明2の「前記外フラップに」設けられ「その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部と嵌合する凹部」は、「前記外フラップに設けられその側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部に位置づけられる凹部」である限りにおいて一致する。 以上を総合すると、本件発明2と甲4発明は以下の点で一致し、相違する。 [一致点4] 「角筒形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装箱であって、 前記胴部は、対向する一対の第1側板と、該第1側板が対向する方向と交差する方向で対向する第2側板とを有し、 前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとを含んで構成され、 前記第2側板には、天部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ、 前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部に位置づけられる凹部がそれぞれ設けられていることを特徴とする包装箱。」 [相違点4-1] 「包装箱」について、本件発明2では、「紙製」なのに対し、甲4発明では、材料が不明な点。 [相違点4-2] 「前記第2側板に設けられ、天部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部から延出する凸部」について、本件発明2では、「底部側の内フラップとの境界」にも設けられているのに対し、甲4発明では、底部側の内フラップとの境界には設けられていない点。 [相違点4-3] 「前記外フラップに設けられその側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部に位置づけられる凹部」について、本件発明2では、「前記凸部と嵌合する」のに対し、甲4発明では、「前記凸形ガイド1aとはめ合う」ものの嵌合するか不明である点。 (イ)判断 事案に鑑み相違点4-2について検討する。 まず、相違点4-2は実質的なものであるから、本件発明2は甲4発明ではない。 そして、甲4発明は、甲4の「本考案は、第2図に示すごとく包装箱1に凸形ガイド1aと凹部1bを設けたものである。この包装箱1を組み立てると第3図のように、凸形ガイド1aが積み重ね時の位置決めの役割をなす。」(明細書2ページ1~4行)との記載を踏まえると、甲4発明の凸形ガイド1aは、上に重ねられた包装箱の底部側に設けられた凹部1bとはめ合うことで位置決めをなすものであるから、甲4発明において、底部側にも凸形ガイド1aを設けることには動機付けはない。そうすると、甲4発明に基づいて相違点4-2に係る本件発明4の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。 (ウ)申立人の主張について 申立人は意見書(6ページ1行~7ページ4行)において、引用発明2(甲4発明)に、引用文献1(甲1)の【0027】~【0043】、図1~図4に記載されている側板の上端の凸部と下端の凸部の位置をずらすことで積み重ね可能とする事項を適用することで、本件発明2の構成とすることは当業者が容易に想到し得たことである旨主張している。 しかしながら、甲4発明は、凸形ガイド1aと凹部1bとをはめ合うことで荷ずれ防止という課題を解決するものであるから、前記凹部1bを凸形ガイド1aとずらした凸部にあえて変更する動機付けはない。 したがって、申立人の主張は採用できない。 (エ)小括 以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は甲4発明ではなく、甲4発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 イ 本件発明3について 本件発明3は、本件発明2の発明特定事項を全て含み、さらに限定するものであるから、上記イと同様の理由により、甲4発明ではなく、また、甲4発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (5)申立理由5(甲5を主引例とした本件発明2の新規性、進歩性)について ア 対比 本件発明2と甲5発明を対比する。 甲5発明の「四角筒状の胴部」、「天面」、「底面」、「段ボール製の包装箱」、「側板1、1」、「端板2、2」、「折り曲げ線」はそれぞれ、本件発明2の「角筒形状の胴部」、「天部」、「底部」、「紙製の包装箱」、「第1側板」、「第2側板」、「第1折目線」及び「第2折目線」に相当する。 甲5発明の「天板7、7」、「天板6、6」はそれぞれ、本件発明2の「天部」が含む「外フラップ」、同「内フラップ」に相当し、甲5発明の「底板5、5」、「底板4、4」はそれぞれ、本件発明2の「底部」が含む「外フラップ」、同「内フラップ」に相当する。 甲5発明の「天板6との境界に、両端が折り曲げ線に接続されるとともに天板6側に向かって屈曲した切目8a、8b、8cによって形成され、天板6が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、切目8a、8b、8cから遊離して端板2の端部から延出する上突片8」は、本件発明2の「天部側の内フラップとの境界」「に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部」「から延出する凸部」に相当する。 同様に、「底板4との境界に、両端が折り曲げ線に接続されるとともに底板4側に向かって屈曲した切目によって形成され、底板4が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、切目から遊離して端板2の端部から延出する下突片12」は、本件発明2の「底部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の」「底部側の端部から延出する凸部」に相当する。 甲5発明の「前記天板7には、その側端縁に入れた2本の切目9a間に形成された切起片9であって、天板7が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに上突片8で押し上げられる切起片9がそれぞれ設けられており、前記上突片8と切起片9とから凸部10が形成される」構成と、本件発明2の「前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部と嵌合する凹部がそれぞれ設けられている」構成は、「前記外フラップには、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部を受け入れる構造がそれぞれ設けられている」構成である限りにおいて一致する。 以上を総合すると、本件発明2と甲5発明は以下の点で一致し、相違する。 [一致点5] 「角筒形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装箱であって、 前記胴部は、対向する一対の第1側板と、該第1側板が対向する方向と交差する方向で対向する第2側板とを有し、 前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとを含んで構成され、 前記第2側板には、天部側の内フラップとの境界及び底部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部及び底部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ、 前記外フラップには、凸部を受け入れる構造がそれぞれ設けられていることを特徴とする包装箱。」 [相違点5] 「前記外フラップには、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部を受け入れる構造がそれぞれ設けられている」構成について、本件発明2では、「前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され」「前記凸部と嵌合する凹部」がそれぞれ設けられている」構成であるのに対し、甲5発明では、「前記天板7には、その側端縁に入れた2本の切目9a間に形成された切起片9であって、天板7が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに上突片8で押し上げられる切起片9がそれぞれ設けられており、前記上突片8と切起片9とから凸部10が形成される」構成である点。 イ 判断 相違点5について検討する。 まず、相違点5は実質的なものであるから、本件発明2は甲5発明ではない。 そして、甲5発明は、「前記外フラップには、その側端縁に入れた2本の切目9a間に形成された切起片9であって、天板7が前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに上突片8で押し上げられる切起片9がそれぞれ設けられており、前記上突片8と切起片9とから凸部10が形成される」ことにより、「天面の凸部10が、上記のように傾斜した上突片8と、これにより押し上げられて、その状態に保持される切起片9とから成るので、凸部10が大きく潰れにくい構造となり、確実な積ずれ防止効果を得ることができる。」(【0029】)という作用効果を奏するものであるから、甲5発明において、天板7の切起片9をなくして上突片8が露出するような凹部とすることには阻害要因がある。仮にそのような凹部にすることができたとしても、該凹部を、上突片8と嵌合する構成とすることには動機付けがない。そうすると、甲5発明に基づいて相違点5に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ 小括 以上のとおりであるから、本件発明2は甲5発明ではなく、甲5発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 (6)申立理由6(甲6を主引例とした本件発明2の新規性、進歩性)について ア 対比 甲6発明の「四角筒形状の胴部」、「天部」、「底部」、「紙製の包装用容器」、「第1側板」、「第2側板」、「第1折目線」、「第2折目線」はそれぞれ、本件発明2の「角筒形状の胴部」、「天部」、「底部」、「紙製の包装箱」、「第1側板」、「第2側板」、「第1折目線」、「第2折目線」に相当する。 甲6発明の「天部」が含む「外フラップ」及び「内フラップ」は、本件発明2の「天部」が含む「外フラップ」及び「内フラップ」に相当する。 甲6発明の「前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対のフラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対のフラップとを含んで」なる構成と、本件発明2の「 前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとを含んで」なる構成は、「前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対のフラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対のフラップとを含んで」なる構成である限りにおいて一致する。 甲6発明の「前記第2側板には、天部側の前記内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装用容器の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ」る構成と、本件発明2の「前記第2側板には、天部側の内フラップとの境界及び底部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部及び底部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ」る構成は、「前記第2側板には、天部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ」る構成である限りにおいて一致する。 甲6発明の「前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装用容器の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部を受け入れる凹部がそれぞれ設けられている」構成と、本件発明2の「前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部と嵌合する凹部がそれぞれ設けられている」構成は、「前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部を受け入れる凹部がそれぞれ設けられている」構成である限りにおいて一致する。 以上を総合すると、本件発明2と甲6発明は以下の点で一致し、相違する。 [一致点6] 「角筒形状の胴部と該胴部の端部開口を閉塞する天部及び底部とを備える紙製の包装箱であって、 前記胴部は、対向する一対の第1側板と、該第1側板が対向する方向と交差する方向で対向する第2側板とを有し、 前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対のフラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対のフラップとを含んで構成され、 前記第2側板には、天部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ、 前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部を受け入れる凹部がそれぞれ設けられていることを特徴とする包装箱。」 [相違点6-1] 「前記天部及び前記底部は、前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対のフラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対のフラップとを含んで構成され」ている点について、本件発明2では、底部においても、「前記第1側板から第1折目線を介して連設された一対の外フラップと、前記第2側板から第2折目線を介して連設された一対の内フラップとを含んで構成され」ているのに対し、甲6発明は、底部においては、かかる構成を有していない点。 [相違点6-2] 「前記第2側板には、天部側の内フラップとの境界に、両端が前記第2折目線に接続されるとともに前記内フラップ側に向かって屈曲また湾曲した切れ目によって形成され、前記内フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、該切れ目から遊離して該第2側板の天部側の端部から延出する凸部がそれぞれ設けられ、」ている点について、本件発明2では、「天部側の内フラップとの境界及び底部側の内フラップとの境界に」も設けられているのに対し、甲6発明では、底部側の内フラップの境界には設けられていない点。 [相違点6-3] 「前記外フラップには、その側縁の一部を切り欠くことで形成され、該外フラップが前記包装箱の内方に向かって水平方向に折り曲げられたときに、前記凸部を受け入れる凹部がそれぞれ設けられている」点について、本件発明2では、「前記凸部と嵌合する凹部」であるのに対し、甲6発明では、凸部と嵌合するか不明である点。 イ 判断 事案に鑑み相違点6-2について検討する。 まず、相違点6-2は実質的なものであるから、本件発明2は甲6発明ではない。 そして、甲6発明は、甲6の「組み立て2段以上複数段重ねた包装用容器として使用できる。」(【意匠に係る物品の説明】)との記載及び【組み立て2段に重ねた参考斜視図】から看取できるように、第1側板及び第2側板の天部側に設けられた凸部が、上に重ねられた包装用容器の第1側板及び第2側板の底部側に設けられた凹部に受け入れられる構造を有していることは明らかである。 そうすると、甲6発明において、第1側板及び第2側板の底部側に凸部を設けることには阻害要因がある。 したがって、甲6発明に基づいて相違点6-2に係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。 ウ 小括 以上のとおりであるから、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は甲6発明ではなく、甲6発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものでもない。 第6 むすび 以上のとおり、請求項2~4に係る特許は、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。 また、他に請求項2~4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項1に係る特許は、上記のとおり、本件訂正により削除された。これにより、申立人による請求項1に係る特許についての特許異議の申立ては、本件訂正により申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-701329

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