特許異議申立
2023-701232
照明器具
- 審判番号
- 2023-701232
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-145216
- 登録番号
- 7278729
- 請求日
- 2023年11月22日
- 審決日
- 2025年03月28日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】三菱電機株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人きさ特許商標事務所
- 【権利者】三菱電機照明株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人きさ特許商標事務所
- 【異議申立人】橋立 優
- 審判長/審判官
- 審判長 筑波 茂樹
- 審判官 草野 顕子
- 審判官 澤崎 雅彦
- 分類
- P1651.113-YAA(F21S) / P1651.121-YAA(F21S)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第9項、特許法第126条第5項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7278729号発明「照明器具」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7278729号の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2、3〕について訂正することを認める。
特許第7278729号の請求項1~3に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7278729号(以下「本件特許」という。)の請求項1~3に係る特許についての出願は、平成30年8月1日の出願であって、令和5年5月12日にその特許権の設定登録がされ、同年5月22日に特許掲載公報が発行された。
本件特許についての特許異議申立人橋立優(以下「申立人」という。)による本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和5年11月22日 特許異議の申立て(全請求項)
令和6年 1月29日付け 取消理由通知
同年 3月27日 特許権者より意見書・訂正請求書
同年 5月15日 申立人より意見書
同年 8月29日付け 訂正拒絶理由通知書
同年 9月30日 特許権者より意見書
同年11月 7日付け 取消理由通知(決定の予告)
令和7年 1月 6日 特許権者より意見書・訂正請求書
同年 2月27日 申立人より意見書
なお、令和6年3月27日に提出された訂正請求書は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和7年1月6日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(下線は、訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の
「前記ヒートシンクに取り付けられ、前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外側の辺に沿って配置され、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、」
との記載を、
「前記ヒートシンクに取り付けられ、前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外側の辺に沿って、かつ前記光源部を覆うカバーの外側に配置され、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、」
に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2の
「前記機能ユニットは、
前記アンテナが取り付けられた機能基板と、
前記機能基板を収容するケースと、
前記ケースに取り付けられ、前記ケースを前記ヒートシンクに固定する導電性の機能連結部と、を有し、
前記機能連結部には、前記アンテナに対向する部分にアンテナ用開口が形成されている
請求項1記載の照明器具。」
との記載を、
「 光を照射する光源部と、
一面に前記光源部が取り付けられるヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外側の辺に沿って配置され、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、を備え、
前記アンテナは、
前記光源部の光軸方向において前記ヒートシンクの前記一面よりも照射方向側に設けられて、前記光源部に対向しており、
前記機能ユニットは、
前記アンテナが取り付けられた機能基板と、
前記機能基板を収容するケースと、
前記ケースに取り付けられ、前記ケースを前記ヒートシンクに固定する導電性の機能連結部と、を有し、
前記機能連結部には、前記アンテナに対向する部分にアンテナ用開口が形成されている
照明器具。」
に訂正する。請求項2の記載を引用する請求項3も同様に訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の段落【0006】の
「ヒートシンクに取り付けられ、光源部の点灯を制御する信号を受信し、ヒートシンクの外側の辺に沿って配置され、ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、」
との記載を、
「ヒートシンクに取り付けられ、光源部の点灯を制御する信号を受信し、ヒートシンクの外側の辺に沿って、かつ光源部を覆うカバーの外側に配置され、ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、」
に訂正する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、請求項1において、機能ユニットの配置に関し、「光源部を覆うカバーの外側に配置され」るとの事項を追加的に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無について
本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)の図1、4、24、25等の記載を参酌すると、機能ユニット1000は、カバー240で仕切られた空間の外部にあるから、機能ユニット1000がカバー240の外側に配置されているものが記載されているといえる。
そうすると、訂正事項1は、新たな技術的事項を導入するものでなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
上記アのとおり、訂正事項1は、機能ユニットの配置に関して特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2を、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項とするための訂正であって、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」(特許法第120条の5第2項ただし書第4号)を目的とするものである。
また、訂正事項2は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、本件明細書等に記載された範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正事項1による請求項1の記載と、明細書の記載との整合を図るものであり、明細書の段落【0006】において、訂正事項1の上記限定事項と実質的に同様の事項を追加的に限定するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項3は、上記(1)で示したのと同様の理由により、新たな技術的事項を導入するものでなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、さらに、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
3 申立人の主張について
(1)本件訂正発明1について
申立人は、令和7年2月27日に提出された意見書において、
「訂正後の請求項1に訂正事項「前記光源部を覆うカバーの外側に配置され」によると、機能ユニットは、カバーの外側に配置されていればよく、すなわち機能ユニットは、カバーの外側で接触していてもよいし、接触していなくてもよい。上述したように、訂正前の明細書及び図面では、機能ユニットは、カバーの外側で接触している場合については開示されているが、接触していない場合については、開示も示唆もない。
したがって、本件訂正発明1は、機能ユニットがカバーに接触していない場合について訂正前の明細書等にサポートされておらず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定を満たしていない。」(第3ページ、3(1)イ参照。)
と主張している。
しかしながら、機能ユニット1000がカバー240に接触しているか否かにかかわらず、上記2(1)アで示すとおり、本件明細書等には、機能ユニット1000がカバー240の外側に配置されているものが記載されているといえる。また、カバー240が接触しているか否かに、何らかの技術的意義があることはうかがえないことからすると、訂正事項1において、カバーに接触しているか否かを特定しないことで、新たな技術的事項が導入されるともいえないから、上記主張は採用することができない。
(2)明確性要件、実施可能要件について
申立人は、令和7年2月27日に提出された意見書において、
「しかしながら、図25では、機能ユニット1000の一部は、破線D1の上方に存在している。
すなわち、「カバーの外側」の範囲が明確でない。」(第4~5ページ、3(1)エ参照。)、
「すなわち、「カバーの外側」の範囲が、カバー240とベース部221とを囲む空間の全てであるとした場合には、訂正後の明細書は、実施可能要件を満たしていない。」(第5ページ、3(1)オ参照。)
などと主張している。
しかしながら、上記2(1)イで示すように、機能ユニットがカバーで仕切られた空間の外部にあれば、「カバーの外側」にあることは明らかであるし、そのような「カバーの外側」にあるものを当業者が実施(生産、使用等)できない理由もないから、上記主張は採用することができない。
4 一群の請求項
訂正前の請求項1~3は、請求項2、3が請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は一群の請求項1~3について請求されている。
また、特許権者は、訂正後の請求項2、3について、当該請求項についての訂正(訂正事項2)が認められる場合には一群の請求項1~3の他の請求項(請求項1)とは別途訂正することを求めている。
5 訂正についてのむすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、〔2、3〕について、訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2のとおり本件訂正は認められたから、本件訂正後の本件特許の請求項1~3に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」等という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~3に記載された事項により特定される、以下のとおりのものであると認められる。
「 【請求項1】
光を照射する光源部と、
一面に前記光源部が取り付けられるヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外側の辺に沿って、かつ前記光源部を覆うカバーの外側に配置され、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、を備え、
前記アンテナは、
前記光源部の光軸方向において前記ヒートシンクの前記一面よりも照射方向側に設けられて、前記光源部に対向している
照明器具。
【請求項2】
光を照射する光源部と、
一面に前記光源部が取り付けられるヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外側の辺に沿って配置され、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、を備え、
前記アンテナは、
前記光源部の光軸方向において前記ヒートシンクの前記一面よりも照射方向側に設けられて、前記光源部に対向しており、
前記機能ユニットは、
前記アンテナが取り付けられた機能基板と、
前記機能基板を収容するケースと、
前記ケースに取り付けられ、前記ケースを前記ヒートシンクに固定する導電性の機能連結部と、を有し、
前記機能連結部には、前記アンテナに対向する部分にアンテナ用開口が形成されている
照明器具。
【請求項3】
前記機能基板は、
前記機能連結部から水平方向に延びる方向に配置されている
請求項2記載の照明器具。」
第4 取消理由の概要
本件訂正前の請求項1~3に係る特許に対して当審が通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
[取消理由1](新規性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
[取消理由2](進歩性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
記
<申立人が提出した証拠>
(以下、申立人が提出した「甲第○号証」を「甲○」という。)
・甲1:特開2016-213166号公報
・甲3:特開2018-56011号公報
<取消理由と請求項に係る発明及び引用文献(証拠)との関係>
・取消理由:1、2
・請求項 :1
・引用文献:甲1又は甲3
第5 取消理由1、2についての当審の判断
1 引用文献について
1-1 甲1
(1)甲1の認定事項
甲1について、以下のことが認定できる。
ア 段落【0021】の「開口部4aaは、取付部4aの端部を切り欠くように構成されてもよい」との記載、段落【0034】の「無線通信部2は、開口部4aaからカバー部材5に向かってアンテナ収容部7cを突出させた状態で、支持部材4を介して螺子7eが固定部7dに螺子止めされている。」との記載及び図2~4、6並びに支持部材4の切り欠くように構成された開口部4aaを形成する辺は支持部材4の外側の辺であるといえることを踏まえると、「無線通信部2は、支持部材4の外側の辺に沿って配置されている」ものと認められる。
イ 段落【0019】の「支持部材4は、長尺の外形形状をしている。支持部材4は、たとえば、鋼板を用いて形成することができる。支持部材4は、板状の取付部4aと、一対の側壁部4bと、を有している。支持部材4は、断面視において、取付部4aと一対の側壁部4bとで、C字状に形成されている。」との記載及び図1、2並びに取付部4aの長手方向の端部と一対の側壁部4bの長手方向の端部とで規定されるような支持部材4の外面を想定できることを踏まえると、「アンテナ部2aは、支持部材4の外面に沿って高さ方向に延びている」ものと認められる。
ウ 段落【0034】の上記記載及び図1において無線通信部2がカバー部材5で仕切られた空間の内部で突出している態様が示されていることから、「無線通信部2は、カバー部材5の内部で突出して」いるものと認められる。
(2)甲1発明
甲1の実施形態1(特に、段落【0013】、【0014】、【0019】、【0021】~【0023】、【0034】、【0039】、【0043】、図1~4、6参照。)及び上記(1)から、甲1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「甲1発明」という。なお、括弧内には、主な参照箇所を示した。以下同様。)。
「光を照射する光源部1と、(段落【0014】)
一面に光源部1が取り付けられヒートシンクとして機能する支持部材4と、(段落【0014】、【0022】)
支持部材4に取り付けられ、光源部1の点灯を制御する信号を受信し、支持部材4の外側の辺に沿って配置され、支持部材4の外面に沿って高さ方向に延びているアンテナ部2aを有する無線通信部2と、(段落【0014】、【0019】、【0021】、【0034】、【0039】、【0043】、図2~4、6、上記(1)ア、イ)
光源部1を覆うように、支持部材4に取り付けられるカバー部材5と、(段落【0023】)を備え、
アンテナ部2aは、
光源部1の光軸方向において支持部材4の前記一面よりもカバー部材5側に設けられて、光源部1に対向しており、(段落【0034】、図6)
無線通信部2は、カバー部材5の内部で突出している、(段落【0034】、図1、上記ウ)
照明器具30。(段落【0013】、【0014】)」
1-2 甲3
(1)甲3の認定事項
段落【0045】の「取付用部材71は、樹脂カバー61の取り付けに用いられる部材であり、本体部20のY軸+側の端部にねじ止めされる。」との記載、及び、図4において、取付用部材71が透光性カバー40で仕切られた空間の内部で本体部20のY軸+側の端部にねじ止めされる態様が示されていることから、「取付用部材71は、透光性カバー40の内部で本体部20にねじ止めされている」ものと認められる。
(2)甲3発明
甲3の実施の形態(特に、段落【0013】、【0016】、【0021】、【0022】、【0042】、【0045】、【0053】、【0056】、【0067】、図1~4、6参照。)から、甲3には、次の発明が記載されていると認められる(以下「甲3発明」という。)。
「光を照射する発光部30と、(段落【0021】)
一面に発光部30が取り付けられるヒートシンクとして機能する本体部20と、(段落【0016】)
本体部20に取り付けられ、発光部30の点灯を制御する信号を受信し、本体部20の外側の辺に沿って配置され、本体部20の外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを含む受信部52を有する無線通信部50、樹脂カバー61及び取付用部材71と、(段落【0040】、【0042】、【0053】、【0056】、図1~4)
発光部30を上方から覆う透光性カバー40と、(段落【0022】)を備え、
受信部52は、
発光部30の光軸方向において本体部20と透光性カバー40との間に設けられて、発光部30に対向しており、(段落【0067】、図4、6)
取付用部材71は、透光性カバー40の内部で本体部20にねじ止めされている、(段落【0045】、図4、上記(1))
照明装置10。(段落【0013】)」
2 検討(新規性・進歩性)
2-1 甲1発明を主引用発明とする場合
(1)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
ア 後者の「光源部1」は、前者の「光源部」に相当し、以下同様に、「アンテナ部2a」は「アンテナ」に、「無線通信部2」は「機能ユニット」に、「カバー部材5」は「カバー」に、それぞれ相当する。
また、これらの相当関係を踏まえると、以下のことがいえる。
イ 後者の「光を照射する光源部1」は、前者の「光を照射する光源部」に相当する。
ウ 後者の「一面に光源部1が取り付けられヒートシンクとして機能する支持部材4」は、前者の「一面に前記光源部が取り付けられるヒートシンク」に相当する。
また、この相当関係から、後者の「支持部材4」は、前者の「ヒートシンク」に相当する。
エ 上記ウを踏まえると、後者の「支持部材4に取り付けられ、光源部1の点灯を制御する信号を受信し、支持部材4の外側の辺に沿って配置され、支持部材4の外面に沿って高さ方向に延びているアンテナ部2aを有する無線通信部2」は、前者の「前記ヒートシンクに取り付けられ、前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外側の辺に沿って配置され、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニット」に相当する。
オ 後者の「光源部1を覆うように、支持部材4に取り付けられるカバー部材5」は、前者の「前記光源部を覆うカバー」に相当する。
カ 後者の「アンテナ部2aは、光源部1の光軸方向において支持部材4の前記一面よりもカバー部材5側に設けられて、光源部1に対向している」構成は、「カバー部材5側」は照射方向側であるから、前者の「前記アンテナは、前記光源部の光軸方向において前記ヒートシンクの前記一面よりも照射方向側に設けられて、前記光源部に対向している」構成に相当する。
キ 後者の「照明器具30」は、前者の「照明器具」に相当する。
ク 以上を踏まえると、本件発明1と甲1発明とは以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点1]
「光を照射する光源部と、
一面に前記光源部が取り付けられるヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外側の辺に沿って配置され、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、を備え、
前記アンテナは、
前記光源部の光軸方向において前記ヒートシンクの前記一面よりも照射方向側に設けられて、前記光源部に対向している
照明器具。」
[相違点1-1]
本件発明1は、機能ユニットが「カバーの外側に配置され」るのに対して、甲1発明は、無線通信部2(機能ユニット)が「カバー部材5の内部で突出している」点。
(2)判断
相違点1-1について検討する。
甲1発明の無線通信部2は、カバー部材5の内部で突出しており、カバー5で仕切られた空間の外部にあるとはいえないから、「カバーの外側に配置され」たものではない。
したがって、本件発明1は甲1発明ではない。
また、甲1の段落【0034】の「無線通信部2は、カバー部材5に向かって支持部材4の凹所4adから突出するように空間10aaに配置されることで、アンテナ部2aの通信性能を高めることが可能となる。」との記載を踏まえると、甲1発明の無線通信部2は、支持部材4に取り付ける上で、カバー部材5の内部に突出するように配置することで、通信性能の向上を図るものと認められる。
一方、甲1発明のような、通信性能の向上のために、支持部材に取り付ける無線通信部をカバー部材の内部に突出するように配置したものにおいて、その無線通信部が「カバーの外側に配置され」る構成にすることは、いずれの証拠にも記載も示唆もされていない。
したがって、本件発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
2-2 甲3発明を主引用発明とする場合
(1)対比
本件発明1と甲3発明とを対比する。
ア 後者の「発光部30」は、前者の「光源部」に相当し、以下同様に、「アンテナを含む受信部52」は「アンテナ」に、「無線通信部50、樹脂カバー61及び取付用部材71」からなるものは「機能ユニット」に、「透光性カバー40」は「カバー」に、それぞれ相当する。
また、これらの相当関係を踏まえると、以下のことがいえる。
イ 後者の「光を照射する発光部30」は、前者の「光を照射する光源部」に相当する。
ウ 後者の「一面に発光部30が取り付けられるヒートシンクとして機能する本体部20」は、前者の「一面に前記光源部が取り付けられるヒートシンク」に相当する。
また、この相当関係から、後者の「本体部20」は、前者の「ヒートシンク」に相当する。
エ 後者の「本体部20に取り付けられ、発光部30の点灯を制御する信号を受信し、本体部20の外側の辺に沿って配置され、本体部20の外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを含む受信部52を有する無線通信部50、樹脂カバー61及び取付用部材71」は、前者の「前記ヒートシンクに取り付けられ、前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外側の辺に沿って配置され、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニット」に相当する。
オ 後者の「発光部30を上方から覆う透光性カバー40」は、前者の「前記光源部を覆うカバー」に相当する。
カ 後者の「受信部52は、発光部30の光軸方向において本体部20と透光性カバー40との間に設けられて、発光部30に対向している」構成は、「本体部20と透光性カバー40との間」は「本体部20」からみると照射方向側であるから、前者の「前記アンテナは、前記光源部の光軸方向において前記ヒートシンクの前記一面よりも照射方向側に設けられて、前記光源部に対向している」構成に相当する。
キ 後者の「照明装置10」は、前者の「照明器具」に相当する。
ク 以上を踏まえると、本件発明1と甲3発明とは以下の点で一致点及び相違点を有する。
[一致点3]
「光を照射する光源部と、
一面に前記光源部が取り付けられるヒートシンクと、
前記ヒートシンクに取り付けられ、前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外側の辺に沿って配置され、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、を備え、
前記アンテナは、
前記光源部の光軸方向において前記ヒートシンクの前記一面よりも照射方向側に設けられて、前記光源部に対向している
照明器具。」
[相違点3]
本件発明1は、機能ユニットが「カバーの外側に配置され」るのに対して、甲3発明は、取付用部材71(機能ユニットの一部)が「透光性カバー40の内部で本体部20にねじ止めされている」点。
(2)判断
相違点3について検討する。
甲3発明の取付用部材71は、透光性カバー40の内部で本体部20にねじ止めされているから、無線通信部50、樹脂カバー61及び取付用部材71からなるもの(機能ユニット)は、透光性カバー40で囲まれた空間の外部にあるとはいえない。
したがって、甲3発明の無線通信部50、樹脂カバー61及び取付用部材71からなるもの(機能ユニット)は、「カバーの外側に配置され」たものではない。
よって、本件発明1は甲3発明ではない。
また、甲3の段落【0042】、【0045】の記載から、樹脂カバー61は、本体部20や透光性カバー40等の端部を一括して覆う部材であり、取付用部材71は、当該樹脂カバー61の取り付けに用いられる部材であると認められるが、甲3発明のような、本体部や透光性カバー等の端部を一括して覆うように樹脂カバーを取り付けたものおいて、樹脂カバー及び当該樹脂カバーの取付用部材を透光性カバーの外側に配置することは、いずれの証拠にも記載も示唆もされていない。
さらに、仮に、甲3発明において、透光性カバー40の長さを短くして、図4において、樹脂カバー61が透光性カバー40の端部を覆わない程度に変更すれば、透光性カバー40の外側に、樹脂カバー61及び取付用部材71が配置されるものとなるものの、そのように変更すれば、光源からの光が樹脂カバー61と透光性カバー40との隙間から直接漏れることとなり、また、埃等の異物が内部に侵入することにもなるから、そのような変更を行うことには阻害要因があるというべきである。
したがって、本件発明1は、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
3 申立人の主張について
申立人は、令和7年2月27日に提出された意見書において、
「甲3の図3では、「無線通信部50,樹脂カバー61及び取付用部材71」からなるものは、透光性カバー40とは物理的に分かれており、内包されていない。
したがって、甲3において、「無線通信部50,樹脂カバー61及び取付用部材71」からなるもの、すなわち本件訂正発明1の機能ユニットに相当するものは、透光性カバー40の外側に配置されているため、透光性カバー40を外すことなく照明器具に機能を取り付けることができるという効果を有している。
したがって、甲3で開示された発明(甲3発明)と、請求項1に係る発明とでは、差異はない。」(第3~4ページ、3(1)ウ参照。)
と主張している。
しかしながら、上記2-2(2)で示すように、甲3発明の取付用部材71は、透光性カバー40の内部で本体部20にねじ止めされており、そのため、甲3発明の無線通信部50、樹脂カバー61及び取付用部材71からなるもの(機能ユニット)は、「カバーの外側に配置され」たものとはいえないから、上記主張は採用することができない。
4 小括
以上のとおり、本件発明1は、甲1発明ではなく、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。
また、本件発明1は、甲3発明ではなく、甲3発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。
第6 取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立理由
申立人は、特許異議申立書において、甲1~3を証拠として提示し、取消理由通知(決定の予告)で通知した理由のほか、以下の特許異議申立理由(以下「申立理由」という。)を主張している。
申立理由(1)主たる証拠を甲1とした場合の本件訂正前の請求項2、3に係る発明の進歩性の欠如[特許法第29条第2項(同法113条第2号)]
申立理由(2)主たる証拠を甲2とした場合の本件訂正前の請求項1~3に係る発明の進歩性の欠如[特許法第29条第2項(同法113条第2号)]
ここで、甲2は次のとおりである。
・甲2:特開2017-199636号公報
2 申立理由についての検討
(1)申立理由(1)について
ア 対比・判断
本件発明2と甲1発明とを対比すると、両者は、少なくとも以下の点で相違する。
[相違点1-2]
本件発明2は、機能ユニットが「前記ケースを前記ヒートシンクに固定する導電性の機能連結部」を有し、「前記機能連結部には、前記アンテナに対向する部分にアンテナ用開口が形成されている」のに対して、甲1発明はそのような構成が特定されていない。
相違点1-2について検討するに、甲1発明において、無線通信部2(機能ユニット)に「前記ケースを前記ヒートシンクに固定する導電性の機能連結部」を備え、更に「前記機能連結部には、前記アンテナに対向する部分にアンテナ用開口が形成されている」ようにすべきことは、いずれの証拠にも記載も示唆もされていない。
したがって、本件発明2は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また、本件発明3は、本件発明2の構成を全て含み、さらに限定したものであるから、以上と同様の理由により、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 申立人の主張について
申立人は、特許異議申立書において、
「(b)本件特許発明2
甲1発明2は、・・・「支持部材4に固定させることができるように、長手方向に突出した板状の固定部7d」(構成h1)と、を有する。
・・・
したがって、両者は、以下の点で一致する。
・・・
H.前記ケースに取り付けられ、前記ケースを前記ヒートシンクに固定する導電性の機能連結部と、を有し、
・・・」(第14ページ、(b)参照。)
として、本件発明1の導電性の機能連結部に相当する構成として、甲1発明が板状の固定部7dを有するかのように主張している。
しかしながら、固定部7dが導電性の部材であることは甲1に記載も示唆もされていないし、甲1の段落【0032】の記載から、固定部7dは収容ケース7の構成であり、また、段落【0033】の記載から、当該収容ケース7は、電波を透過する樹脂等の材料によって形成されたものであるから、固定部7dも収容ケース7と同じ樹脂等の材料で形成されていると理解することがむしろ自然である。
そうすると、上記アで示すように、本件発明2と甲1発明とは相違点1-2を有しており、本件発明2は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、上記主張は採用することができない。
(2)申立理由(2)について
ア 甲2
(ア) 甲2の認定事項
甲2について、以下のことが認定できる。
a 図11、12A、12B、13、14の記載から、アンテナ17はL字形状であると認められる。そして、図10B、17の記載から、L字形状の前記アンテナ17の短辺は、ヒートシンク5の側壁に沿う方向で配置されていると認められる。
b 図17の記載から、アンテナ17は、LED基板6の光軸方向においてヒートシンク5の前記底面よりも照射方向側に設けられて、LED基板6に対向していると認められる。
(イ) 甲2発明
甲2の第2実施形態(特に、【0012】、【0013】、【0015】、【0029】、【0039】、【0042】、図10B、11~14、17等参照)及び上記(ア)から、甲2には、次の発明が記載されていると認められる(以下「甲2発明」という。)。
「LED素子4が実装されているLED基板6と、(段落【0012】、【0029】)
LED基板6が載置される底面を有するヒートシンク5と、(段落【0013】、【0029】)」
発光状態を変更するための指示を含む無線信号を受信し、その受信信号に応じてLED基板6に実装される複数のLED素子4の発光状態を変更する信号を送信する無線モジュール12と、(段落【0015】、【0029】)を備え、
無線モジュール12は、筺体10の側壁10aと折り返し壁10bとの間に形成された凹部内に嵌め込むようにして取付けられ、(段落【0039】)
無線モジュール12のアンテナ17は、室内側から見て、金属製のヒートシンク5の外側に配置され、(段落【0042】)
アンテナ17はL字形状であり、その短辺は、ヒートシンク5の側壁に沿う方向で配置されており、(図10B、11~14、17、上記(ア)a)
アンテナ17は、LED基板6の光軸方向においてヒートシンク5の前記底面よりも照射方向側に設けられて、LED基板6に対向している(図17、上記(ア)b)
照明装置1。」
イ 本件発明1について
(ア) 対比
本件発明1と甲2発明とを対比する。
a 後者の「LED基板6」は、前者の「光源部」に相当し、以下同様に、「ヒートシンク5」は「ヒートシンク」に、「アンテナ17」は「アンテナ」に、「無線モジュール12」は「機能ユニット」に、「カバー部材5」は「カバー」に、それぞれ相当する。
また、これらの相当関係を踏まえると、以下のことがいえる。
b 後者の「LED素子4が実装されているLED基板6」は、LED素子4が光を照射することは明らかであるから、前者の「光を照射する光源部」に相当する。
c 後者の「LED基板6が載置される底面を有するヒートシンク5」は、前者の「一面に前記光源部が取り付けられるヒートシンク」に相当する。
d 後者の「発光状態を変更するための指示を含む無線信号を受信し、その受信信号に応じてLED基板6に実装される複数のLED素子4の発光状態を変更する信号を送信する無線モジュール12」は、前者の「前記光源部の点灯を制御する信号を受信」する「機能ユニット」に相当する。
e 後者の「無線モジュール12のアンテナ17」は、前者の「機能ユニット」が「有する」「アンテナ」に相当する。
f 後者のアンテナ17が「L字形状であり、その短辺は、ヒートシンク5の側壁に沿う方向で配置されて」いることは、前者のアンテナが「前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びている」ことに相当する。
g 後者のアンテナ17が「LED基板6の光軸方向においてヒートシンク5の前記底面よりも照射方向側に設けられて、LED基板6に対向している」ことは、前者のアンテナが「前記光源部の光軸方向において前記ヒートシンクの前記一面よりも照射方向側に設けられて、前記光源部に対向している」ことに相当する。
h 後者の「照明装置1」は、前者の「照明器具」に相当する。
i 以上を踏まえると、本件発明1と甲2発明とは以下の一致点及び相違点を有する。
[一致点2]
「光を照射する光源部と、
一面に前記光源部が取り付けられるヒートシンクと、
前記光源部の点灯を制御する信号を受信し、前記ヒートシンクの外面に沿って高さ方向に延びているアンテナを有する機能ユニットと、を備え、
前記アンテナは、
前記光源部の光軸方向において前記ヒートシンクの前記一面よりも照射方向側に設けられて、前記光源部に対向している
照明器具。」
[相違点2-1]
本件発明1は、機能ユニットが「前記ヒートシンクに取り付けられ、」「前記ヒートシンクの外側の辺に沿って、かつ前記光源部を覆うカバーの外側に配置され」るのに対して、甲2発明は、そのような構成が特定されていない点。
(イ) 判断
相違点2-1について検討する。
甲2発明は、無線モジュール12が、筺体10の側壁10aと折り返し壁10bとの間に形成された凹部内に嵌め込むようにして取付けられ、そして、無線モジュール12のアンテナ17は、室内側から見て、金属製のヒートシンク5の外側に配置されたものである。
そして、甲2の段落【0042】の記載を踏まえれば、甲2発明のこのような構成は、室内側からの無線信号の受信感度を確保するためのものと認められる。
一方、甲2発明のような、室内側からの無線信号の受信感度を確保するために、無線モジュールを筺体の側壁と折り返し壁との間に形成された凹部内に嵌め込むようにして取付け且つ室内側から見て金属製のヒートシンクの外側に配置したものにおいて、無線モジュールを「前記ヒートシンクに取り付け」ることは、いずれの証拠にも記載も示唆もされていないし、さらに、無線モジュールを「前記ヒートシンクの外側の辺に沿って、かつ前記光源部を覆うカバーの外側に配置」することも、いずれの証拠にも記載も示唆もされていない。
また、甲2発明において、仮に、無線モジュール12を「前記ヒートシンクに取り付け」る構成に変更すれば、無線モジュール12を空いている金属製のヒートシンク5の上のスペース、すなわちヒートシンク5内側に配置する他なく、そうすると室内側からの無線信号の受信感度が低下することは明らかであるから、そのような変更を行うことには阻害要因があるというべきである。
したがって、本件発明1は、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(ウ) 申立人の主張について
申立人は、特許異議申立書において、要するに、本件発明1が「機能ユニットが、前記ヒートシンクに取り付けられる」構成であるのに対して、甲2発明はこのような構成があることが特定されていない点を相違点としつつ、本件発明1は甲2発明に甲3記載事項を適用することで当業者が容易に発明をすることができものである旨主張している(第15~16ページ、(イ)(a)参照。)。
しかしながら、上記(イ)で示すように、甲2発明において、特段の事情もなく無線モジュール12(機能ユニット)を「前記ヒートシンクに取り付けられ」る構成にすることは、甲3記載事項の適用如何にかかわらず阻害要因があるというべきであり、本件発明1は甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、上記主張は採用することができない。
ウ 本件発明2、3について
本件発明2は、本件発明1と同様に、機能ユニットが「前記ヒートシンクに取り付けられ」、「前記ヒートシンクの外側の辺に沿って」配置される構成を有する。
そうすると、本件発明2と甲2発明とは、少なくとも以下の点で相違する。
[相違点2-2]
本件発明2は、機能ユニットが「前記ヒートシンクに取り付けられ、」「前記ヒートシンクの外側の辺に沿って」配置されるのに対して、甲2発明は、そのような構成が特定されていない点。
そして、上記イ(イ)で示した理由と同様に、甲2発明において、特段の事情もなく無線モジュール12(機能ユニット)を「前記ヒートシンクに取り付けられ、」「前記ヒートシンクの外側の辺に沿って」配置される構成にすることは、阻害要因があるというべきである。
また、甲2発明の無線モジュール12(機能ユニット)を「前記ヒートシンクに取り付けられ、」「前記ヒートシンクの外側の辺に沿って」配置される構成にすべき事情は、いずれの証拠にも記載も示唆もされていない。
したがって、本件発明2は、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本件発明3は、本件発明2の構成を全て含み、さらに限定したものであるから、以上と同様の理由により、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 小括
以上のとおり、本件発明2、3は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでなく、また、本件発明1~3は、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。
よって、申立理由(1)、(2)は、理由がない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1~3に係る特許を取り消すことはできない。
そして、他に本件特許の請求項1~3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-701232