審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許異議申立

2026-700042

照明制御システムおよび照明制御プログラム

審判番号
2026-700042
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-162671
登録番号
7707818
請求日
2026年01月14日
審決日
2026年07月06日
公報発行日
2026年08月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】三菱電機株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
  • 【権利者】三菱電機照明株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
  • 【異議申立人】六條 直樹
審判長/審判官
  • 審判長 草野 顕子
  • 審判官 高橋 学
  • 審判官 横溝 顕範
分類
P1651.121-Y (H05B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7707818号発明「照明制御システムおよび照明制御プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7707818号の請求項1~15に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7707818号(以下「本件特許」という。)の請求項1~15に係る特許についての出願は、令和3年10月1日にされ、令和7年7月7日にその特許権の設定登録がされ、同年7月15日に特許掲載公報が発行され、令和8年1月14日に特許異議申立人六條直樹(以下「申立人」という。)による本件特許異議の申立てがされた。 その後、令和8年2月12日提出の手続補正書(方式)により証拠説明書が補正され、令和8年2月12日提出の手続補正書(方式)により特許異議申立書が補正された。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~15に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される、以下のとおりのものであると認められる。 なお、本件特許の請求項1~15に係る発明を、以下、それぞれ「本件発明1」等という。 「【請求項1】 複数の第1光源のいずれかに対応し、対応する第1光源の点灯状態を制御する複数の第1点灯装置と、 前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作が各々に予め割り当てられた複数の第1スイッチを有し、前記複数の第1スイッチの各々を介した前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作を受け付ける第1スイッチ盤と、 制御信号を通信しうるように前記複数の第1点灯装置の各々および前記第1スイッチ盤に接続され、前記第1スイッチ盤の操作状態に基づいて前記複数の第1点灯装置の各々の制御状態を制御する制御装置と、 を備え、 前記複数の第1スイッチの少なくともいずれかには、前記複数の第1点灯装置のうちの2以上の第1点灯装置の制御状態の同時操作が割り当てられ、 前記第1スイッチ盤は、利用者が所持する端末装置に前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期信号を無線通信により送信し、前記第1同期信号により同期した操作状態の前記第1スイッチ盤を前記端末装置から操作する第1操作信号を無線通信により受信する 照明制御システム。 【請求項2】 前記第1スイッチ盤は、前記端末装置から前記第1操作信号を受信するときに、当該第1操作信号に基づいて自身の操作状態を更新し、前記制御装置に更新した操作状態を通知し、 前記制御装置は、前記第1スイッチ盤から通知された操作状態に基づいて前記複数の第1点灯装置の各々の制御状態を制御する 請求項1に記載の照明制御システム。 【請求項3】 複数の第2光源のいずれかに対応し、対応する第2光源の点灯状態を制御する複数の第2点灯装置と、 前記複数の第2点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作が各々に予め割り当てられた複数の第2スイッチを有し、前記複数の第2スイッチの各々を介した前記複数の第2点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作を受け付ける第2スイッチ盤と、 を備え、 前記制御装置は、制御信号を通信しうるように前記複数の第2点灯装置の各々および前記第2スイッチ盤に接続され、前記第2スイッチ盤の操作状態に基づいて前記複数の第2点灯装置の各々の制御状態を制御し、 前記複数の第2スイッチの少なくともいずれかには、前記複数の第2点灯装置のうちの2以上の第2点灯装置の制御状態の同時操作が割り当てられ、 前記第1スイッチ盤は、前記制御装置を通じて前記第2スイッチ盤の操作状態を取得し、取得した前記第2スイッチ盤の操作状態を同期する第2同期信号を無線通信により前記端末装置に送信し、前記第2同期信号により同期した操作状態の前記第2スイッチ盤を前記端末装置から操作する第2操作信号を無線通信により受信する 請求項1または請求項2に記載の照明制御システム。 【請求項4】 前記第1スイッチ盤は、前記第1スイッチ盤の使用状況に基づいて前記複数の第1スイッチから選択された一部の第1スイッチが前記端末装置上で操作可能に表示されるように、当該一部の第1スイッチを前記端末装置に通知する 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明制御システム。 【請求項5】 前記一部の第1スイッチは、前記複数の第1スイッチの各々の使用頻度に基づいて選択される 請求項4に記載の照明制御システム。 【請求項6】 前記一部の第1スイッチは、前記複数の第1スイッチの各々について割り当てられた操作の操作種別ごとの使用頻度に基づいて選択される 請求項4に記載の照明制御システム。 【請求項7】 前記第1スイッチ盤または前記制御装置の少なくともいずれかは、受信するデータの分析を行う分析サーバに前記第1スイッチ盤の操作履歴を送信する 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の照明制御システム。 【請求項8】 前記第1スイッチ盤または前記制御装置の少なくともいずれかは、受信するデータの分析を行う分析サーバから分析結果として前記第1スイッチ盤の使用状況を受信する 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の照明制御システム。 【請求項9】 前記第1スイッチ盤または前記制御装置の少なくともいずれかは、前記第1スイッチ盤の操作履歴を蓄積して記憶し、記憶した情報に基づいて前記第1スイッチ盤の使用状況を分析する 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の照明制御システム。 【請求項10】 複数の第1光源のいずれかに対応し、対応する第1光源の点灯状態を制御する複数の第1点灯装置と、 前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作が各々に予め割り当てられた複数の第1スイッチを有し、前記複数の第1スイッチの各々を介した前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作を受け付ける第1スイッチ盤と、 制御信号を通信しうるように前記複数の第1点灯装置の各々および前記第1スイッチ盤に接続され、前記第1スイッチ盤の操作状態に基づいて前記複数の第1点灯装置の各々の制御状態を制御する制御装置と、 を有し、 前記複数の第1スイッチの少なくともいずれかには、前記複数の第1点灯装置のうちの2以上の第1点灯装置の制御状態の同時操作が割り当てられる、 照明制御システムの利用者が所持する端末装置に、 前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期信号を無線通信により前記第1スイッチ盤から受信する同期受信ステップと、 前記第1同期信号により同期した操作状態の前記第1スイッチ盤を操作する第1操作信号を無線通信により前記第1スイッチ盤に送信する操作送信ステップと、 を実行させる照明制御プログラム。 【請求項11】 前記端末装置に、 前記第1スイッチ盤の使用状況に基づいて前記複数の第1スイッチから選択された一部のスイッチを操作可能に表示する表示ステップ を実行させ、 前記操作送信ステップにおいて、前記表示ステップで表示された前記一部のスイッチの少なくともいずれかの操作を前記第1操作信号として送信する、 請求項10に記載の照明制御プログラム。 【請求項12】 前記端末装置に、 前記表示ステップより前に、前記第1スイッチ盤の使用状況に基づいて前記一部のスイッチを選択する選択ステップ を実行させる請求項11に記載の照明制御プログラム。 【請求項13】 前記端末装置に、 前記表示ステップより前に、前記第1スイッチ盤の使用状況に基づいて選択された前記一部のスイッチの通知を受信する通知受信ステップ を実行させる請求項11に記載の照明制御プログラム。 【請求項14】 前記端末装置に、 受信するデータの分析を行う分析サーバに前記第1スイッチ盤の操作履歴を送信する操作履歴送信ステップ を実行させる請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の照明制御プログラム。 【請求項15】 前記端末装置に、 受信するデータの分析を行う分析サーバから分析結果として前記第1スイッチ盤の使用状況を受信する使用状況受信ステップ を実行させる請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の照明制御プログラム。」 第3 特許異議申立理由の概要 令和8年2月12日提出の手続補正書(方式)により補正された特許異議申立書を、以下「本件特許異議申立書」という。 申立人が本件特許異議申立書で主張する特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。また、申立人は、本件特許異議申立書とともに、甲第1号証~甲第9号証を提出した(以下、「甲第1号証」等を「甲1」等と略記する。)。 なお、ここでいう「甲1発明」等は、申立人が主張する「甲1に記載された発明」等を意味する。 理由1(特許法第29条第2項:甲1を主引例とした進歩性) 本件発明1~15は、甲1発明及び周知技術、甲7に記載された事項から容易に発明をすることができたものである。 理由2(特許法第29条第2項:甲9を主引例とした進歩性) 本件発明1~15は、甲9発明及び周知技術、甲7に記載された事項から容易に発明をすることができたものである。 <証拠一覧> 甲1:特開2019-61774号公報 甲2:特開2016-9530号公報 甲3:特開昭62-222796号公報 甲4:特開2018-88714号公報 甲5:特表2015-513188号公報 甲6:特開2021-5493号公報 甲7:特開2018-182697号公報 甲8:特開2017-59298号公報 甲9:特開2020-24891号公報 第4 当審の判断 1 証拠について (1)甲1について ア 甲1の記載事項・認定事項 本件特許の出願日前の平成31年4月18日に公開された甲1には、その記載から、以下の事項が認定できる。 なお、括弧内に主な参照箇所を示す(以下同様)。 (ア)スイッチ装置11、中継ユニット21、携帯端末31、照明コントローラ41、照明装置51を有する照明制御システム1である。(【0012】) (イ)照明コントローラ41は、プロセッサ55と照明部54を備えた照明装置51の照明制御を行うものである。(【0048】、【0056】) (ウ)照明部54は、LED等の発光素子を有し、プロセッサ55の制御信号に応じて点灯又は消灯するものである。(【0059】) (エ)n個の照明装置51の各々には、照明アドレスYが割り当てられている。(【0056】) (オ)スイッチ装置11は、操作部13とプロセッサ17を備えている。(【0015】) (カ)m個の操作部13の各々には、操作アドレスXが割り当てられている。(【0018】) (キ)操作アドレスXは、操作部13を識別できるように、全てのスイッチ装置11内でユニークになるように割り当てられている。(【0019】) (ク)プロセッサ17は、操作部13から制御信号を受信すると、中継ユニット21に操作アドレスXと点灯又は消灯等の動作を指示する指示情報を送信する。(【0024】) (ケ)中継ユニット21は、プロセッサ27を有し、スイッチ装置11と照明コントローラ41を中継するものである。(【0029】) (コ)プロセッサ27は、スイッチ装置11から操作アドレスXと指示情報を受信すると、操作アドレスXに対応付けられた照明アドレスYを変換テーブル26から抽出することによって操作アドレスXを照明アドレスYに変換し、照明コントローラ41に照明アドレスYと指示情報を送信する。(【0035】) (サ)照明装置51のプロセッサ55は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び指示情報を受信すると、指示情報に応じて照明部54を点灯又は消灯させる。(【0060】) (シ)操作アドレスXと照明アドレスYの各々の個数は同じでなくてもよい。(【0034】) (ス)携帯端末31は、メモリ35、点灯状態テーブル36及びプロセッサ37を有している。(【0038】) (セ)メモリ35には、照明アドレスYと点灯状態情報が対応付けられたテーブル情報である点灯状態テーブル36が記憶されている。(【0043】) (ソ)プロセッサ37は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び点灯状態情報を受信すると、メモリ35の点灯状態テーブル36の点灯状態情報を更新する。(【0044】) (タ)携帯端末31は、例えば、ユーザが把持可能なタブレット型の携帯情報端末であり、照明コントローラ41に、照明装置51の点灯又は消灯等の指示入力を行うことができるように構成されている。(【0038】) (チ)スイッチ装置11は、電気信号線11aによって中継ユニット21と接続され、照明コントローラ41は、第1方式の無線通信によって中継ユニット21及び携帯端末31と接続され、第2方式の無線通信によって照明装置51及びセンサ装置61と接続される。(【0013】) (ツ)照明コントローラ41の動作を制御する回路であるプロセッサ44は、メモリ43からプログラムを読み込み、実行することによって機能を実現するように構成されている。(【0051】) イ 甲1に記載された発明 (ア)前記アを踏まえると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明1」という。)が記載されていると認められる。 「スイッチ装置11、中継ユニット21、携帯端末31、照明コントローラ41、照明装置51を有する照明制御システム1において、(前記ア(ア)) 照明コントローラ41は、プロセッサ55と照明部54を備えた照明装置51の照明制御を行うものであり、(前記ア(イ)) 照明部54は、LED等の発光素子を有し、プロセッサ55の制御信号に応じて点灯又は消灯するものであり、(前記ア(ウ)) n個の照明装置51の各々には、照明アドレスYが割り当てられており、(前記ア(エ)) スイッチ装置11は、操作部13とプロセッサ17を備えており、(前記ア(オ)) m個の操作部13の各々には、操作アドレスXが割り当てられており、(前記ア(カ)) 操作アドレスXは、操作部13を識別できるように、全てのスイッチ装置11内でユニークになるように割り当てられており、(前記ア(キ)) プロセッサ17は、操作部13から制御信号を受信すると、中継ユニット21に操作アドレスXと点灯又は消灯等の動作を指示する指示情報を送信し、(前記ア(ク)) 中継ユニット21は、プロセッサ27を有し、スイッチ装置11と照明コントローラ41を中継するものであり、(前記ア(ケ)) プロセッサ27は、スイッチ装置11から操作アドレスXと指示情報を受信すると、操作アドレスXに対応付けられた照明アドレスYを変換テーブル26から抽出することによって操作アドレスXを照明アドレスYに変換し、照明コントローラ41に照明アドレスYと指示情報を送信し、(前記ア(コ)) 照明装置51のプロセッサ55は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び指示情報を受信すると、指示情報に応じて照明部54を点灯又は消灯させ、(前記ア(サ)) 操作アドレスXと照明アドレスYの各々の個数は同じでなくてもよく、(前記ア(シ)) 携帯端末31は、メモリ35、点灯状態テーブル36及びプロセッサ37を有しており、(前記ア(ス)) メモリ35には、照明アドレスYと点灯状態情報が対応付けられたテーブル情報である点灯状態テーブル36が記憶されており、(前記ア(セ)) プロセッサ37は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び点灯状態情報を受信すると、メモリ35の点灯状態テーブル36の点灯状態情報を更新し、(前記ア(ソ)) 携帯端末31は、例えば、ユーザが把持可能なタブレット型の携帯情報端末であり、照明コントローラ41に、照明装置51の点灯又は消灯等の指示入力を行うことができるように構成されており、(前記ア(タ)) スイッチ装置11は、電気信号線11aによって中継ユニット21と接続され、照明コントローラ41は、第1方式の無線通信によって中継ユニット21及び携帯端末31と接続され、第2方式の無線通信によって照明装置51及びセンサ装置61と接続される(前記ア(チ)) 照明制御システム1。」 (イ)前記アを踏まえると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明10」という。)が記載されていると認められる。 「スイッチ装置11、中継ユニット21、携帯端末31、照明コントローラ41、照明装置51を有する照明制御システム1において、(前記ア(ア)) 照明コントローラ41は、プロセッサ55と照明部54を備えた照明装置51の照明制御を行うものであり、(前記ア(イ)) 照明部54は、LED等の発光素子を有し、プロセッサ55の制御信号に応じて点灯又は消灯するものであり、(前記ア(ウ)) n個の照明装置51の各々には、照明アドレスYが割り当てられており、(前記ア(エ)) スイッチ装置11は、操作部13とプロセッサ17を備えており、(前記ア(オ)) m個の操作部13の各々には、操作アドレスXが割り当てられており、(前記ア(カ)) 操作アドレスXは、操作部13を識別できるように、全てのスイッチ装置11内でユニークになるように割り当てられており、(前記ア(キ)) プロセッサ17は、操作部13から制御信号を受信すると、中継ユニット21に操作アドレスXと点灯又は消灯等の動作を指示する指示情報を送信し、(前記ア(ク)) 中継ユニット21は、プロセッサ27を有し、スイッチ装置11と照明コントローラ41を中継するものであり、(前記ア(ケ)) プロセッサ27は、スイッチ装置11から操作アドレスXと指示情報を受信すると、操作アドレスXに対応付けられた照明アドレスYを変換テーブル26から抽出することによって操作アドレスXを照明アドレスYに変換し、照明コントローラ41に照明アドレスYと指示情報を送信し、(前記ア(コ)) 照明装置51のプロセッサ55は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び指示情報を受信すると、指示情報に応じて照明部54を点灯又は消灯させ、(前記ア(サ)) 操作アドレスXと照明アドレスYの各々の個数は同じでなくてもよく、(前記ア(シ)) 携帯端末31は、メモリ35、点灯状態テーブル36及びプロセッサ37を有しており、(前記ア(ス)) メモリ35には、照明アドレスYと点灯状態情報が対応付けられたテーブル情報である点灯状態テーブル36が記憶されており、(前記ア(セ)) プロセッサ37は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び点灯状態情報を受信すると、メモリ35の点灯状態テーブル36の点灯状態情報を更新し、(前記ア(ソ)) 携帯端末31は、例えば、ユーザが把持可能なタブレット型の携帯情報端末であり、照明コントローラ41に、照明装置51の点灯又は消灯等の指示入力を行うことができるように構成されており、(前記ア(タ)) スイッチ装置11は、電気信号線11aによって中継ユニット21と接続され、照明コントローラ41は、第1方式の無線通信によって中継ユニット21及び携帯端末31と接続され、第2方式の無線通信によって照明装置51及びセンサ装置61と接続され、(前記ア(チ)) 照明コントローラ41の動作を制御する回路であるプロセッサ44は、メモリ43からプログラムを読み込み、実行することによって機能を実現するように構成されている、(前記ア(ツ)) 照明制御システム1のプログラム。」 (2)甲9について ア 甲9の記載事項・認定事項 本件特許の出願日前の令和2年2月13日に公開された甲9には、その記載から、以下の事項が認定できる。 (ア)照明スイッチ2-1~2-m 、無線LANルータ3、照明器具4-1~4-n、クラウドサーバ5及び制御端末6を含む照明スイッチシステム1である。(【0064】) (イ)照明器具4-1~4-nは、それぞれ点灯装置とそれによって点灯される光源を有するものである。(【0065】) (ウ)照明スイッチ2-1は、給電線L1及びNを介して照明器具4-1に接続され、給電線L2及びNを介して照明器具4-2に接続される(【0064】、【0065】)から、照明スイッチ2は、照明器具4-1~4-nに対応する照明スイッチ2-1~2-mを備えていると認められる。 (エ)ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると操作信号を制御回路330に出力し、制御回路330は、サーバに操作信号を転送し、サーバは操作信号に対応する制御信号を制御回路330に送信し、制御回路330は、サーバからの制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421の開閉を反転することで照明器具4を点消灯制御する。(【0021】、【0044】、【0082】) (オ)照明器具4の接続数nは、照明スイッチ2の設置数mの2倍になるとは限らない。(【0076】) (カ)スマートフォン又はタブレットなどの携帯端末であってもよい制御端末6(【0092】)からの現状要求信号を受信すると、クラウドサーバ5の点消灯取得部55は、照明スイッチ2の制御回路25が現在出力しているリレー制御信号の状態を問い合わせるためのリレー問合せ信号を無線LANルータ3を介して各照明スイッチ2に送信し、各照明スイッチ2の制御回路25は、このリレー問合せ信号に応じて、現在のリレー制御信号の状態又はリレー開閉状態を示すリレー状態信号を無線通信回路24から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ5に送信し、点消灯取得部55は、クラウドサーバ5から得たリレー状態信号に基づいて現状通知信号を生成し(【0087】、【0088】)、この現状通知信号は、通信部51から通信ネットワークNを介して制御端末6に送信され(【0089】)、制御端末6が現状通知信号を受信した場合、現状通知信号に示される照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を表示させることができ(【0094】)、ユーザは現状の点消灯状態を把握してから、制御すべき照明器具4の点消灯を決定することができ(【0089】)、制御端末6が、制御指令信号を通信ネットワークNを介してクラウドサーバ5に送信すると、クラウドサーバ5(照明制御部54)が、制御指令信号に応じた制御信号を生成し、制御信号を照明スイッチ2に送信し(【0109】)、照明スイッチ2(制御回路25)が、制御信号に応じたリレー制御信号を生成し、これにより、リレー回路27の開閉が制御され、対応の照明器具4が点灯又は消灯される。(【0110】) (キ)制御端末6は、無線LANルータ3及びクラウドサーバ5(通信ネットワークN及び通信部51)と通信可能な一般的な通信手段である通信部61を備える。(【0092】) (ク)制御端末6は、CPU62とメモリ63を備え、メモリ63には必要なアプリケーションのプログラムがインストールされ、CPU62はそのプログラムを実行可能である。(【0092】) イ 甲9に記載された発明 (ア)前記アを踏まえると、甲9には、次の発明(以下「甲9発明1」という。)が記載されていると認められる。 「照明スイッチ2-1~2-m、無線LANルータ3、照明器具4-1~4-n、クラウドサーバ5及び制御端末6を含む照明スイッチシステム1において、(前記ア(ア)) 照明器具4-1~4-nは、それぞれ点灯装置とそれによって点灯される光源を有するものであり、(前記ア(イ)) 照明スイッチ2は、照明器具4-1~4-nに対応する照明スイッチ2-1~2-mを備え、(前記ア(ウ)) ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると操作信号を制御回路330に出力し、制御回路330は、サーバに操作信号を転送し、サーバは操作信号に対応する制御信号を制御回路330に送信し、制御回路330は、サーバからの制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421の開閉を反転することで照明器具4を点消灯制御し、(前記ア(エ)) 照明器具4の接続数nは、照明スイッチ2の設置数mの2倍になるとは限らず、(前記ア(オ)) スマートフォン又はタブレットなどの携帯端末であってもよい制御端末6からの現状要求信号を受信すると、クラウドサーバ5の点消灯取得部55は、照明スイッチ2の制御回路25が現在出力しているリレー制御信号の状態を問い合わせるためのリレー問合せ信号を無線LANルータ3を介して各照明スイッチ2に送信し、各照明スイッチ2の制御回路25は、このリレー問合せ信号に応じて、現在のリレー制御信号の状態又はリレー開閉状態を示すリレー状態信号を無線通信回路24から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ5に送信し、点消灯取得部55は、クラウドサーバ5から得たリレー状態信号に基づいて現状通知信号を生成し、この現状通知信号は、通信部51から通信ネットワークNを介して制御端末6に送信され、制御端末6が現状通知信号を受信した場合、現状通知信号に示される照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を表示させることができ、ユーザは現状の点消灯状態を把握してから、制御すべき照明器具4の点消灯を決定することができ、制御端末6が、制御指令信号を通信ネットワークNを介してクラウドサーバ5に送信すると、クラウドサーバ5(照明制御部54)が、制御指令信号に応じた制御信号を生成し、制御信号を照明スイッチ2に送信し、照明スイッチ2(制御回路25)が、制御信号に応じたリレー制御信号を生成し、これにより、リレー回路27の開閉が制御され、対応の照明器具4が点灯又は消灯され、(前記ア(カ)) 制御端末6は、無線LANルータ3及びクラウドサーバ5(通信ネットワークN及び通信部51)と通信可能な一般的な通信手段である通信部61を備える、(前記ア(キ)) 照明スイッチシステム1。」 (イ)前記アを踏まえると、甲9には、次の発明(以下「甲9発明10」という。)が記載されていると認められる。 「照明スイッチ2-1~2-m、無線LANルータ3、照明器具4-1~4-n、クラウドサーバ5及び制御端末6を含む照明スイッチシステム1において、(前記ア(ア)) 照明器具4-1~4-nは、それぞれ点灯装置とそれによって点灯される光源を有するものであり、(前記ア(イ)) 照明スイッチ2は、照明器具4-1~4-nに対応する照明スイッチ2-1~2-mを備え、(前記ア(ウ)) ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると操作信号を制御回路330に出力し、制御回路330は、サーバに操作信号を転送し、サーバは操作信号に対応する制御信号を制御回路330に送信し、制御回路330は、サーバからの制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421の開閉を反転することで照明器具4を点消灯制御し、(前記ア(エ)) 照明器具4の接続数nは、照明スイッチ2の設置数mの2倍になるとは限らず、(前記ア(オ)) スマートフォン又はタブレットなどの携帯端末であってもよい制御端末6からの現状要求信号を受信すると、クラウドサーバ5の点消灯取得部55は、照明スイッチ2の制御回路25が現在出力しているリレー制御信号の状態を問い合わせるためのリレー問合せ信号を無線LANルータ3を介して各照明スイッチ2に送信し、各照明スイッチ2の制御回路25は、このリレー問合せ信号に応じて、現在のリレー制御信号の状態又はリレー開閉状態を示すリレー状態信号を無線通信回路24から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ5に送信し、点消灯取得部55は、クラウドサーバ5から得たリレー状態信号に基づいて現状通知信号を生成し、この現状通知信号は、通信部51から通信ネットワークNを介して制御端末6に送信され、制御端末6が現状通知信号を受信した場合、現状通知信号に示される照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を表示させることができ、ユーザは現状の点消灯状態を把握してから、制御すべき照明器具4の点消灯を決定することができ、制御端末6が、制御指令信号を通信ネットワークNを介してクラウドサーバ5に送信すると、クラウドサーバ5(照明制御部54)が、制御指令信号に応じた制御信号を生成し、制御信号を照明スイッチ2に送信し、照明スイッチ2(制御回路25)が、制御信号に応じたリレー制御信号を生成し、これにより、リレー回路27の開閉が制御され、対応の照明器具4が点灯又は消灯され、(前記ア(カ)) 制御端末6は、無線LANルータ3及びクラウドサーバ5(通信ネットワークN及び通信部51)と通信可能な一般的な通信手段である通信部61を備え、(前記ア(キ)) 制御端末6は、CPU62とメモリ63を備え、メモリ63には必要なアプリケーションのプログラムがインストールされ、CPU62はそのプログラムを実行可能である、(前記ア(ク)) 照明スイッチシステム1のプログラム。」 2 理由1(甲1を主引例とした進歩性)について (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明1を対比する。 (ア)第1点灯装置について 後者の「LED等の発光素子を有」する「照明部54を備えた照明装置51」は、前者の「第1光源」に相当するから、後者の「n個の照明装置51」は、前者の「複数の第1光源」に相当する。 後者の「照明装置51」の「照明部54」は、「プロセッサ55の制御信号に応じて点灯又は消灯するものであ」るから、後者の「照明装置51のプロセッサ55」は、前者の「第1点灯装置」に相当する。 そして、「照明装置51のプロセッサ55」は、「n個の照明装置51」それぞれにあるから、前者の「複数の第1点灯装置」に相当する。 そうすると、後者の「n個の照明装置51」それぞれにあり、それぞれの「照明装置51」の「照明部54」を「制御信号に応じて点灯又は消灯するものであ」る「プロセッサ55」は、前者の「複数の第1光源のいずれかに対応し、対応する第1光源の点灯状態を制御する複数の第1点灯装置」に相当する。 (イ)第1スイッチ盤について 後者の「操作部13」は、前者の「第1スイッチ」に相当するから、後者の「m個の操作部13」は、前者の「複数の第1スイッチ」に相当する。 そして、後者の「m個の操作部13の各々には、操作アドレスXが割り当てられており、操作アドレスXは、操作部13を識別できるように、全てのスイッチ装置11内でユニークになるように割り当てられており、プロセッサ17は、操作部13から制御信号を受信すると、中継ユニット21に操作アドレスXと点灯又は消灯等の動作を指示する指示情報を送信し、中継ユニット21は、プロセッサ27を有し、スイッチ装置11と照明コントローラ41を中継するものであり、プロセッサ27は、スイッチ装置11から操作アドレスXと指示情報を受信すると、操作アドレスXに対応付けられた照明アドレスYを変換テーブル26から抽出することによって操作アドレスXを照明アドレスYに変換し、照明コントローラ41に照明アドレスYと指示情報を送信し、照明装置51のプロセッサ55は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び指示情報を受信すると、指示情報に応じて照明部54を点灯又は消灯させ」ることは、m個の操作部13の各々に割り当てられたユニークな操作アドレスXと、n個の照明装置51の各々に割り当てられた照明アドレスYが対応付けられて、照明部54を点灯又は消灯させる制御を行うものであるから、後者の「各々に」「操作アドレスXが割り当てられ」た「m個の操作部13」は、前者の「前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作が各々に予め割り当てられた複数の第1スイッチ」に相当する。 そうすると、後者の「操作部13とプロセッサ17を備え」た「スイッチ装置11」は、m個の操作部13を介した照明部54の点灯又は消灯させる制御を受け付けるものであるから、前者の「前記複数の第1スイッチの各々を介した前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作を受け付ける第1スイッチ盤」に相当する。 (ウ)制御装置について 後者の「スイッチ装置11」の「プロセッサ17」が「送信」する「操作アドレスXと点灯又は消灯等の動作を指示する指示情報」と、「中継ユニット21」の「プロセッサ27」が「送信」する「照明アドレスYと指示情報」は、前者の「制御信号」に相当することを踏まえると、後者の「中継ユニット21」が「スイッチ装置11と照明コントローラ41を中継するものであ」ることは、前者の「制御信号を通信しうるように前記複数の第1点灯装置の各々および前記第1スイッチ盤に接続され」ることに相当するといえる。 後者の「プロセッサ17は、操作部13から制御信号を受信すると、中継ユニット21に操作アドレスXと点灯又は消灯等の動作を指示する指示情報を送信し、中継ユニット21は、プロセッサ27を有し、スイッチ装置11と照明コントローラ41を中継するものであり、プロセッサ27は、スイッチ装置11から操作アドレスXと指示情報を受信すると、操作アドレスXに対応付けられた照明アドレスYを変換テーブル26から抽出することによって操作アドレスXを照明アドレスYに変換し、照明コントローラ41に照明アドレスYと指示情報を送信し、照明装置51のプロセッサ55は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び指示情報を受信すると、指示情報に応じて照明部54を点灯又は消灯させ」ることは、スイッチ装置11の操作部13の操作状態を示す指示情報に基づいて、 照明装置51のプロセッサ55を制御するものであるから、前者の「前記第1スイッチ盤の操作状態に基づいて前記複数の第1点灯装置の各々の制御状態を制御する」 ことに相当する。 そうすると、後者の「中継ユニット21」の「プロセッサ27」は、前者の「制御装置」に相当する。 (エ)割り当てについて 後者の「操作アドレスXと照明アドレスYの各々の個数は同じでなくてもよ」いことと、前者の「前記複数の第1スイッチの少なくともいずれかには、前記複数の第1点灯装置のうちの2以上の第1点灯装置の制御状態の同時操作が割り当てられ」ていることとは、「前記複数の第1スイッチには、前記複数の第1点灯装置の操作が割り当てられ」ていることの点で共通する。 (オ)端末装置について 後者の「例えば、ユーザが把持可能なタブレット型の携帯情報端末であ」る「携帯端末31」は、前者の「利用者が所持する端末装置」に相当する。 後者の「携帯端末31」の「プロセッサ37」が「照明コントローラ41から照明アドレスY及び点灯状態情報を受信する」ことは、「照明コントローラ41は、第1方式の無線通信によって」「携帯端末31と接続され」ているから、照明コントローラ41が携帯端末31に照明アドレスY及び点灯状態情報を無線通信で送信しているといえる。 そうすると、後者の「携帯端末31」の「プロセッサ37」が「照明コントローラ41から照明アドレスY及び点灯状態情報を受信する」ことと、前者の「前記第1スイッチ盤は、利用者が所持する端末装置に前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期信号を無線通信により送信」することとは、「利用者が所持する端末装置に信号を無線通信により送信」することの点で共通する。 後者の「携帯端末31」の「メモリ35には、照明アドレスYと点灯状態情報が対応付けられたテーブル情報である点灯状態テーブル36が記憶されており、プロセッサ37は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び点灯状態情報を受信すると、メモリ35の点灯状態テーブル36の点灯状態情報を更新」することは、携帯端末31の点灯状態テーブル36の点灯状態情報を、受信した点灯状態情報により更新して最新の情報に同期するものといえることを踏まえると、前者の「前記第1同期信号により同期した操作状態」とは、「信号により同期した状態」の点で共通する。 後者の「携帯端末31」が「第1方式の無線通信によって」「接続され」た「照明コントローラ41に、照明装置51の点灯又は消灯等の指示入力を行うことができるように構成されて」いることは、照明コントローラ41が、指示入力を示す無線信号を携帯端末31から受信しているといえるから、前者の「前記第1スイッチ盤は、」「前記端末装置から操作する第1操作信号を無線通信により受信する」ことと、「前記端末装置から操作する第1操作信号を無線通信により受信する」ことの点で共通する。 (カ)以上の限りにおいて、後者の「照明制御システム1」は、前者の「照明制御システム」に相当する。 (キ)そうすると両者は、 「複数の第1光源のいずれかに対応し、対応する第1光源の点灯状態を制御する複数の第1点灯装置と、 前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作が各々に予め割り当てられた複数の第1スイッチを有し、前記複数の第1スイッチの各々を介した前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作を受け付ける第1スイッチ盤と、 制御信号を通信しうるように前記複数の第1点灯装置の各々および前記第1スイッチ盤に接続され、前記第1スイッチ盤の操作状態に基づいて前記複数の第1点灯装置の各々の制御状態を制御する制御装置と、 を備え、 前記複数の第1スイッチには、前記複数の第1点灯装置の操作が割り当てられ、 利用者が所持する端末装置に信号を無線通信により送信し、信号により同期した操作状態の前記端末装置から操作する第1操作信号を無線通信により受信する 照明制御システム。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 〔相違点1-1-1〕 本件発明1は、前記複数の第1スイッチ「の少なくともいずれか」には、前記複数の第1点灯装置の「うちの2以上の第1点灯装置の制御状態の同時」操作が割り当てられているのに対して、甲1発明1は、そのように特定されていない点。 〔相違点1-1-2〕 本件発明1は、「前記第1スイッチ盤は、」利用者が所持する端末装置に「前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期」信号を無線通信により送信し、「前記第1同期信号により同期した操作」状態の「前記第1スイッチ盤を」前記端末装置から操作する第1操作信号を無線通信により受信するのに対して、甲1発明1は、照明コントローラ41が携帯端末31に照明アドレスY及び点灯状態情報を無線通信で送信し、受信した点灯状態情報により携帯端末31の点灯状態テーブル36の点灯状態情報を更新し、照明コントローラ41が、指示入力を示す無線信号を携帯端末31から受信しているものであって、送受信の主体は「スイッチ装置11」ではなく、送受信する信号も「スイッチ装置11」の「操作部13」の操作状態ではいし、携帯端末31における操作対象も「操作部13」ではない点。 イ 判断 事案に鑑み、相違点1-1-2から検討する。 甲1発明1の「スイッチ装置11」は、「電気信号線11aによって中継ユニット21と接続され」、「第1方式の無線通信によって中継ユニット21」「と接続され」た「照明コントローラ41」が「第1方式の無線通信によって」「携帯端末31と接続され」ているところ、スイッチ装置11と携帯端末31を無線通信によって接続することの動機付けがない。 そして、甲1発明1の「中継ユニット21」は、「プロセッサ27を有し、スイッチ装置11と照明コントローラ41を中継するものであり、プロセッサ27は、スイッチ装置11から操作アドレスXと指示情報を受信すると、操作アドレスXに対応付けられた照明アドレスYを変換テーブル26から抽出することによって操作アドレスXを照明アドレスYに変換し、照明コントローラ41に照明アドレスYと指示情報を送信し、照明装置51のプロセッサ55は、照明コントローラ41から照明アドレスY及び指示情報を受信すると、指示情報に応じて照明部54を点灯又は消灯させ」るものであるから、中継ユニット21による操作アドレスXと照明アドレスYの変換処理を必須とするものである。 そうすると、甲1発明1には、スイッチ装置11と携帯端末31を、中継ユニット21を介さずに接続することの阻害要因があるといえる。 さらに、甲1発明1において送受信する信号を、照明アドレスY及び点灯状態情報から、操作アドレスXと点灯又は消灯等の動作を指示する指示情報に変更する動機付けはないし、携帯端末31のメモリ35が有する点灯状態テーブル36の点灯状態情報を、操作アドレスXと点灯又は消灯等の動作を指示する指示情報に変更する動機付けもない。 また、他の証拠をみても、スイッチ盤が、端末装置にスイッチ盤の操作状態を同期する同期信号を無線通信により送信し、同期信号により同期した操作状態のスイッチ盤を端末装置から操作する操作信号を無線通信により受信することは記載されていないし、これを周知技術ということもできない。 仮に周知技術であるとしても、上述のとおり、甲1発明1には、周知技術を適用することの阻害要因がある。 したがって、甲1発明1において、相違点1-1-2に係る本件発明1の発明特定事項とすることが容易になし得たものであるということはできない。 ウ 申立人の主張について 申立人は、本件特許異議申立書において、概略、以下のような主張をしている。 (88~89ページ)本件発明1と甲1発明とは、「前記第1スイッチ盤は、利用者が所持する端末装置(携帯端末31)に前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期信号(スイッチ装置11を端緒とする指示情報およびこれに基づく点灯状態情報)を無線通信により送信し、前記第1同期信号により同期した操作状態の前記第1スイッチ盤を前記端末装置から操作する第1操作信号(携帯端末31を端緒とする指示情報およびこれに基づく点灯状態情報)を無線通信により受信する」点で一致する。 上記主張について検討する。 前記アで説示したとおり、本件発明1と甲1発明1とは、相違点1-1-2で相違するから、上記主張は採用できない。 そして、前記イで説示したとおり、甲1発明1において、相違点1-1-2に係る本件発明1の発明特定事項とすることが容易になし得たものであるということはできない。 エ 小括 以上のとおりであるから、相違点1-1-1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明1及びその他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明1についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 (2)本件発明2~9について 本件発明2~9は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定をしたものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲1発明1及びその他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、本件発明2~9についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 (3)本件発明10について ア 対比 本件発明10と甲1発明10を対比すると、両者は、前記した本件発明1と甲1発明1と同様の相当関係に加えて、以下の相当関係を有する。 (ア)後者は、「照明コントローラ41の動作を制御する回路であるプロセッサ44は、メモリ43からプログラムを読み込み、実行することによって機能を実現するように構成されている」ところ、照明装置51のプロセッサ55、スイッチ装置11のプロセッサ17、中継ユニット21のプロセッサ27、携帯端末31のプロセッサ37も同様に、それぞれを動作させるプログラムを実行することによって機能を実現するように構成されていることは明らかであるから、後者の各プロセッサにおける動作は、前者の「ステップ」に相当するものといえる。 (イ)以上の限りにおいて、後者の「照明制御システム1のプログラム」は、前者の「照明制御プログラム」に相当する。 (ウ)そうすると両者は、 「複数の第1光源のいずれかに対応し、対応する第1光源の点灯状態を制御する複数の第1点灯装置と、 前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作が各々に予め割り当てられた複数の第1スイッチを有し、前記複数の第1スイッチの各々を介した前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作を受け付ける第1スイッチ盤と、 制御信号を通信しうるように前記複数の第1点灯装置の各々および前記第1スイッチ盤に接続され、前記第1スイッチ盤の操作状態に基づいて前記複数の第1点灯装置の各々の制御状態を制御する制御装置と、 を有し、 前記複数の第1スイッチには、前記複数の第1点灯装置の操作が割り当てられる、 照明制御システムの利用者が所持する端末装置に、 信号を無線通信により受信する同期受信ステップと、 操作する第1操作信号を無線通信により送信する操作送信ステップと、 を実行させる照明制御プログラム。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 〔相違点1-10-1〕 本件発明10は、前記複数の第1スイッチ「の少なくともいずれか」には、前記複数の第1点灯装置の「うちの2以上の第1点灯装置の制御状態の同時」操作が割り当てられているのに対して、甲1発明10は、そのように特定されていない点。 〔相違点1-10-2〕 本件発明10は、「前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期」信号を無線通信により「前記第1スイッチ盤から」受信する同期受信ステップと、「前記第1同期信号により同期した操作状態の前記第1スイッチ盤を」操作する第1操作信号を無線通信により「前記第1スイッチ盤に」送信する操作送信ステップであるのに対して、甲1発明10は、照明コントローラ41が携帯端末31に照明アドレスY及び点灯状態情報を無線通信で送信し、受信した点灯状態情報により携帯端末31の点灯状態テーブル36の点灯状態情報を更新し、指示入力を示す無線信号を携帯端末31から照明コントローラ41に送信しているものであって、送受信の主体は「スイッチ装置11」ではなく、送受信する信号も「スイッチ装置11」の「操作部13」の操作状態ではいし、携帯端末31における操作対象も「操作部13」ではない点。 イ 判断 相違点1-10-2は、相違点1-1-2と実質的に同じ相違点であるから、相違点1-1-2について説示した(1)イと同様の理由により、甲1発明10において、相違点1-10-2に係る本件発明10の発明特定事項とすることが容易になし得たものであるということはできない。 ウ 申立人の主張について 申立人は、本件特許異議申立書において、概略、以下のような主張をしている。 (106~107ページ)本件発明10と甲1発明とは、「照明制御システムの利用者が所持する端末装置(携帯端末31)は、前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期信号(スイッチ装置11を端緒とする指示情報およびこれに基づく点灯状態情報)を無線通信により前記第1スイッチ盤から受信する同期受信ステップと、前記第1同期信号により同期した操作状態の前記第1スイッチ盤を操作する第1操作信号(携帯端末31を端緒とする指示情報およびこれに基づく点灯状態情報)を無線通信により前記第1スイッチ盤に送信する操作送信ステップと、を実行する」点で一致する。 上記主張について検討する。 前記アで説示したとおり、本件発明10と甲1発明10とは、相違点1-10-2で相違するから、上記主張は採用できない。 そして、前記イで説示したとおり、甲1発明10において、相違点1-10-2に係る本件発明10の発明特定事項とすることが容易になし得たものであるということはできない。 エ 小括 以上のとおりであるから、相違点1-10-1について検討するまでもなく、本件発明10は、甲1発明10及びその他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明10についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 (4)本件発明11~15について 本件発明11~15は、本件発明10の発明特定事項を全て含み、さらに限定をしたものであるから、本件発明10と同様の理由により、甲1発明10及びその他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、本件発明11~15についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 3 理由2(甲9を主引例とした進歩性)について (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲9発明1を対比する。 (ア)第1点灯装置について 後者の「照明器具4-1~4-n」が「それぞれ」「有する」「光源」は、前者の「複数の第1光源」に相当する。 また、後者の「光源」が「点灯装置」「によって点灯される」ものであることは、点灯装置の技術常識を勘案すれば、点灯装置が、対応する光源の点灯状態を制御しているといえる。 そうすると、後者の「照明器具4-1~4-n」が「それぞれ」「有する」「光源」を「点灯」させるために、「照明器具4-1~4-n」が「それぞれ」「有する」「点灯装置」は、前者の「複数の第1光源のいずれかに対応し、対応する第1光源の点灯状態を制御する複数の第1点灯装置」に相当する。 (イ)第1スイッチ盤について 後者の「照明スイッチ2-1~2-m」は、「ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると」「照明器具4を点消灯制御」するものであるから、上記(ア)も踏まえると、後者の「照明器具4-1~4-nに対応する照明スイッチ2-1~2-m」は、前者の「前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作が各々に予め割り当てられた複数の第1スイッチ」に相当する。 そうすると、後者の「ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると」「照明器具4を点消灯制御」する「照明スイッチ2-1~2-m」を「備え」た「照明スイッチ2」は、前者の「前記複数の第1スイッチの各々を介した前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作を受け付ける第1スイッチ盤」に相当する。 (ウ)制御装置について 後者の「ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると操作信号を制御回路330に出力」することは、制御回路330と照明スイッチ2が操作信号を通信しうるように接続されているといえる。 後者の「制御回路330は、サーバからの制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421の開閉を反転することで照明器具4を点消灯制御」することは、制御回路330と照明器具4がリレー制御信号を通信しうるように接続されているといえる。 そうすると、後者の「ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると操作信号を制御回路330に出力」し、「制御回路330は、サーバからの制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421の開閉を反転することで照明器具4を点消灯制御」することは、前者の「制御信号を通信しうるように前記複数の第1点灯装置の各々および前記第1スイッチ盤に接続され」ることに相当するといえる。 そして、後者の「ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると操作信号を制御回路330に出力」し、「制御回路330は、サーバからの制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421の開閉を反転することで照明器具4を点消灯制御」することは、照明スイッチ2が備える照明スイッチ2-1~2-mの操作スイッチ101の操作状態に基づいて、照明器具4-1~4-nがそれぞれ備える点灯装置の制御状態を制御しているといえるから、前者の「前記第1スイッチ盤の操作状態に基づいて前記複数の第1点灯装置の各々の制御状態を制御する」ことに相当する。 したがって、後者の「制御回路330」は、前者の「制御装置」に相当する。 (エ)割り当てについて 上記(ア)(イ)を踏まえると、後者の「照明器具4-1~4-nに対応する照明スイッチ2-1~2-m」が「照明器具4の接続数nは、照明スイッチ2の設置数mの2倍になるとは限ら」ないことと、前者の「前記複数の第1スイッチの少なくともいずれかには、前記複数の第1点灯装置のうちの2以上の第1点灯装置の制御状態の同時操作が割り当てられ」ていることとは、「前記複数の第1スイッチには、前記複数の第1点灯装置の操作が割り当てられ」ていることの点で共通する。 (オ)端末装置について 後者の「スマートフォン又はタブレットなどの携帯端末であってもよい制御端末6」は、利用者が所持するものであることが明らかであるから、前者の「利用者が所持する端末装置」に相当する。 後者の「制御端末6」は、「無線LANルータ3及びクラウドサーバ5(通信ネットワークN及び通信部51)と通信可能な一般的な通信手段である通信部61を備える」ものであるから、「クラウドサーバ5の点消灯取得部55」から「通信部51から通信ネットワークNを介して制御端末6に送信され」る「現状通知信号」は、無線通信により送信されているといえる。 そうすると、後者の「スマートフォン又はタブレットなどの携帯端末であってもよい制御端末6からの現状要求信号を受信すると、クラウドサーバ5の点消灯取得部55は、照明スイッチ2の制御回路25が現在出力しているリレー制御信号の状態を問い合わせるためのリレー問合せ信号を無線LANルータ3を介して各照明スイッチ2に送信し、各照明スイッチ2の制御回路25は、このリレー問合せ信号に応じて、現在のリレー制御信号の状態又はリレー開閉状態を示すリレー状態信号を無線通信回路24から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ5に送信し、点消灯取得部55は、クラウドサーバ5から得たリレー状態信号に基づいて現状通知信号を生成し、この現状通知信号は、通信部51から通信ネットワークNを介して制御端末6に送信され」ることは、照明スイッチ2の制御回路25が現在出力しているリレー制御信号の状態を示すリレー状態信号に基づく現状通知信号を、クラウドサーバ5の点消灯取得部55が制御端末6に無線通信により送信するものといえるから、前者の「前記第1スイッチ盤は、利用者が所持する端末装置に前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期信号を無線通信により送信」することと、「利用者が所持する端末装置に信号を無線通信により送信」することの点で共通する。 後者の「制御端末6が現状通知信号を受信した場合、現状通知信号に示される照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を表示させることができ」ることは、受信した現状通知信号により更新して最新の情報に同期するものといえることを踏まえると、前者の「前記第1同期信号により同期した操作状態の前記第1スイッチ盤」とは、「信号により同期した状態」の点で共通する。 そして、後者の「制御端末6」は、「無線LANルータ3及びクラウドサーバ5(通信ネットワークN及び通信部51)と通信可能な一般的な通信手段である通信部61を備える」ものであるから、「制御端末6が、」「通信ネットワークNを介してクラウドサーバ5に送信する」「制御指令信号」は、無線通信により送信されているといえる。 そうすると、後者の「ユーザは現状の点消灯状態を把握してから、制御すべき照明器具4の点消灯を決定することができ、制御端末6が、制御指令信号を通信ネットワークNを介してクラウドサーバ5に送信すると、クラウドサーバ5(照明制御部54)が、制御指令信号に応じた制御信号を生成し、制御信号を照明スイッチ2に送信し、照明スイッチ2(制御回路25)が、制御信号に応じたリレー制御信号を生成し、これにより、リレー回路27の開閉が制御され、対応の照明器具4が点灯又は消灯され」ることは、制御端末6からの照明器具4を操作する制御指令信号を、無線通信によりクラウドサーバ5が受信しているといえるから、前者の「前記第1スイッチ盤は、」「前記端末装置から操作する第1操作信号を無線通信により受信する」こととは、「前記端末装置から操作する第1操作信号を無線通信により受信する」ことの点で共通する。 (カ)以上の限りにおいて、後者の「照明スイッチシステム1」は、前者の「照明制御システム」に相当する。 (キ)そうすると両者は、 「複数の第1光源のいずれかに対応し、対応する第1光源の点灯状態を制御する複数の第1点灯装置と、 前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作が各々に予め割り当てられた複数の第1スイッチを有し、前記複数の第1スイッチの各々を介した前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作を受け付ける第1スイッチ盤と、 制御信号を通信しうるように前記複数の第1点灯装置の各々および前記第1スイッチ盤に接続され、前記第1スイッチ盤の操作状態に基づいて前記複数の第1点灯装置の各々の制御状態を制御する制御装置と、 を備え、 前記複数の第1スイッチには、前記複数の第1点灯装置の操作が割り当てられ、 利用者が所持する端末装置に信号を無線通信により送信し、信号により同期した状態を前記端末装置から操作する第1操作信号を無線通信により受信する 照明制御システム。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 〔相違点9-1-1〕 本件発明1は、前記複数の第1スイッチ「の少なくともいずれか」には、前記複数の第1点灯装置の「うちの2以上の第1点灯装置の制御状態の同時」操作が割り当てられているのに対して、甲9発明1は、そのように特定されていない点。 〔相違点9-1-2〕 本件発明1は、「前記第1スイッチ盤は、」利用者が所持する端末装置に「前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期」信号を無線通信により送信し、「前記第1同期信号により同期した操作」状態「の前記第1スイッチ盤」を前記端末装置から操作する第1操作信号を無線通信により受信するのに対して、甲9発明1は、クラウドサーバ5の点消灯取得部55が制御端末6に照明スイッチ2の制御回路25が現在出力しているリレー制御信号の状態を示すリレー状態信号に基づく現状通知信号を無線通信で送信し、受信した現状通知信号により、制御端末6に照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を表示させ、制御端末6からの制御指令信号をクラウドサーバ5が受信しているものであって、送受信の主体は「照明スイッチ2」ではなく、送受信する信号も「照明スイッチ2」の「照明スイッチ2-1~2-m」の操作状態ではないし、制御端末6における操作対象も「照明スイッチ2-1~2-m」ではない点。 イ 判断 事案に鑑み、相違点9-1-2から検討する。 甲9発明1は、「ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると操作信号を制御回路330に出力し、制御回路330は、サーバに操作信号を転送し、サーバは操作信号に対応する制御信号を制御回路330に送信し、制御回路330は、サーバからの制御信号に基づいてリレー制御信号を生成してスイッチ421の開閉を反転することで照明器具4を点消灯制御」し、「クラウドサーバ5の点消灯取得部55は、照明スイッチ2の制御回路25が現在出力しているリレー制御信号の状態を問い合わせるためのリレー問合せ信号を無線LANルータ3を介して各照明スイッチ2に送信し、各照明スイッチ2の制御回路25は、このリレー問合せ信号に応じて、現在のリレー制御信号の状態又はリレー開閉状態を示すリレー状態信号を無線通信回路24から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ5に送信」するものであるから、照明スイッチ2と制御端末6を無線通信によって接続することの動機付けがない。 そして、甲9発明1の「照明スイッチ2」は、「ユーザが照明スイッチ2の操作スイッチ101を押下すると操作信号を制御回路330に出力し、制御回路330は、サーバに操作信号を転送し、サーバは操作信号に対応する制御信号を制御回路330に送信」するものであるから、照明スイッチ2の操作信号をクラウドサーバ5によって制御信号に変換することが必須であるし、さらに、「各照明スイッチ2の制御回路25は、このリレー問合せ信号に応じて、現在のリレー制御信号の状態又はリレー開閉状態を示すリレー状態信号を無線通信回路24から無線LANルータ3を介してクラウドサーバ5に送信し、点消灯取得部55は、クラウドサーバ5から得たリレー状態信号に基づいて現状通知信号を生成し、この現状通知信号は、通信部51から通信ネットワークNを介して制御端末6に送信」するものであるから、照明スイッチ2のリレー状態信号をクラウドサーバ5によって現状通知信号に変換することも必須であるから、クラウドサーバ5による信号の変換処理を必須とするものである。 そうすると、甲9発明1には、照明スイッチ2と制御端末6を、クラウドサーバ5を介さずに接続することの阻害要因があるといえる。 さらに、甲9発明1において送受信する信号を、照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を示す信号から、照明スイッチ2-1~2-mの状態を示す信号に変更する動機付けもない。 また、他の証拠をみても、スイッチ盤が、端末装置にスイッチ盤の操作状態を同期する同期信号を無線通信により送信し、同期信号により同期した操作状態のスイッチ盤を端末装置から操作する操作信号を無線通信により受信することは記載されていないし、これを周知技術ということもできない。 仮に周知技術であるとしても、上述のとおり、甲9発明1には、周知技術を適用することの阻害要因がある。 したがって、甲9発明1において、相違点9-1-2に係る本件発明1の発明特定事項とすることが容易になし得たものであるということはできない。 ウ 申立人の主張について 申立人は、本件特許異議申立書において、概略、以下のような主張をしている。 (118~119ページ)本件発明1と甲9発明とは、「前記第1スイッチ盤は、利用者が所持する端末装置(制御端末6)に前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期信号(照明スイッチ2-1を端緒とするリレー状態信号およびこれに基づく現状通知信号)を無線通信により送信し、前記第1同期信号により同期した操作状態の前記第1スイッチ盤を前記端末装置から操作する第1操作信号(制御端末6を端緒とする制御指令信号およびこれに基づく制御信号)を無線通信により受信する」点で一致する。 上記主張について検討する。 前記アで説示したとおり、本件発明1と甲9発明1とは、相違点9-1-2で相違するから、上記主張は採用できない。 そして、前記イで説示したとおり、甲9発明1において、相違点9-1-2に係る本件発明1の発明特定事項とすることが容易になし得たものであるということはできない。 エ 小括 以上のとおりであるから、相違点9-1-1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲9発明1及びその他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明1についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 (2)本件発明2~9について 本件発明2~9は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定をしたものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲9発明1及びその他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、本件発明2~9についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 (3)本件発明10について ア 対比 本件発明10と甲9発明10を対比すると、両者は、前記した本件発明1と甲9発明1と同様の相当関係に加えて、以下の相当関係を有する。 (ア)後者は、「制御端末6は、CPU62とメモリ63を備え、メモリ63には必要なアプリケーションのプログラムがインストールされ、CPU62はそのプログラムを実行可能である」ところ、制御回路330、クラウドサーバ5、照明スイッチ2の制御回路25も同様に、それぞれを動作させるプログラムを実行することによって機能を実現するように構成されていることは明らかであるから、後者の制御端末6、制御回路330、クラウドサーバ5、制御回路25における各動作は、前者の「ステップ」に相当するものといえる。 (イ)以上の限りにおいて、後者の「照明スイッチシステム1のプログラム」は、前者の「照明制御プログラム」に相当する。 (ウ)そうすると両者は、 「複数の第1光源のいずれかに対応し、対応する第1光源の点灯状態を制御する複数の第1点灯装置と、 前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作が各々に予め割り当てられた複数の第1スイッチを有し、前記複数の第1スイッチの各々を介した前記複数の第1点灯装置の少なくともいずれかの制御状態の操作を受け付ける第1スイッチ盤と、 制御信号を通信しうるように前記複数の第1点灯装置の各々および前記第1スイッチ盤に接続され、前記第1スイッチ盤の操作状態に基づいて前記複数の第1点灯装置の各々の制御状態を制御する制御装置と、 を有し、 前記複数の第1スイッチには、前記複数の第1点灯装置の操作が割り当てられる、 照明制御システムの利用者が所持する端末装置に、 信号を無線通信により受信する同期受信ステップと、 操作する第1操作信号を無線通信により送信する操作送信ステップと、 を実行させる照明制御プログラム。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 〔相違点9-10-1〕 本件発明10は、前記複数の第1スイッチ「の少なくともいずれか」には、前記複数の第1点灯装置の「うちの2以上の第1点灯装置の制御状態の同時」操作が割り当てられているのに対して、甲9発明10は、そのように特定されていない点。 〔相違点9-10-2〕 本件発明10は、「前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期」信号を無線通信により「前記第1スイッチ盤から」受信する同期受信ステップと、「前記第1同期信号により同期した操作状態の前記第1スイッチ盤を」操作する第1操作信号を無線通信により「前記第1スイッチ盤に」送信する操作送信ステップであるのに対して、甲9発明10は、クラウドサーバ5の点消灯取得部55が制御端末6に照明スイッチ2の制御回路25が現在出力しているリレー制御信号の状態を示すリレー状態信号に基づく現状通知信号を無線通信で送信し、受信した現状通知信号により、制御端末6に照明器具4-1~4-nの現状の点消灯状態を表示させ、制御端末6からの制御指令信号をクラウドサーバ5が受信しているものであって、送受信の主体は「照明スイッチ2」ではなく、送受信する信号も「照明スイッチ2」の「照明スイッチ2-1~2-m」の操作状態ではいし、制御端末6における操作対象も「照明スイッチ2-1~2-m」ではない点。 イ 判断 相違点9-10-2は、相違点9-1-2と実質的に同じ相違点であるから、相違点9-1-2について説示した(1)イと同様の理由により、甲9発明10において、相違点9-10-2に係る本件発明10の発明特定事項とすることが容易になし得たものであるということはできない。 ウ 申立人の主張について 申立人は、本件特許異議申立書において、概略、以下のような主張をしている。 (134~135ページ)本件発明10と甲9発明とは、「照明制御システムの利用者が所持する端末装置(制御端末6)に、前記第1スイッチ盤の操作状態を同期する第1同期信号(照明スイッチ2-1を端緒とするリレー状態信号およびこれに基づく現状通知信号)を無線通信により前記第1スイッチ盤から受信する同期受信ステップと、前記第1同期信号により同期した操作状態の前記第1スイッチ盤を操作する第1操作信号(制御端末6を端緒とする制御指令信号およびこれに基づく制御信号)を無線通信により前記第1スイッチ盤に送信する操作送信ステップと、を実行させる」点で一致する。 上記主張について検討する。 前記アで説示したとおり、本件発明10と甲9発明10とは、相違点9-10-2で相違するから、上記主張は採用できない。 そして、前記イで説示したとおり、甲9発明10において、相違点9-10-2に係る本件発明10の発明特定事項とすることが容易になし得たものであるということはできない。 エ 小括 以上のとおりであるから、相違点9-10-1について検討するまでもなく、本件発明10は、甲9発明10及びその他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件発明10についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 (4)本件発明11~15について 本件発明11~15は、本件発明10の発明特定事項を全て含み、さらに限定をしたものであるから、本件発明10と同様の理由により、甲9発明10及びその他の証拠に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、本件発明11~15についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものということはできない。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1~15に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~15に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2026-700042

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存