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特許異議申立

2023-701098

合成樹脂成形材料の除湿乾燥システム

審判番号
2023-701098
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-200186
登録番号
7262869
請求日
2023年10月13日
審決日
2024年12月23日
公報発行日
2025年05月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社大阪冷研
  • 【権利者代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
  • 【異議申立人】菊井 俊一
審判長/審判官
  • 審判長 神谷 健一
  • 審判官 清水 康司
  • 審判官 本田 博幸
分類
P1651.113-YAA(B29B) / P1651.121-YAA(B29B) / P1651.537-YAA(B29B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第5項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7262869号発明「合成樹脂成形材料の除湿乾燥システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7262869号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。 特許第7262869号の請求項1、5、6に係る特許を維持する。 特許第7262869号の請求項2~4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7262869号(請求項の数6。以下「本件特許」という。)に係る出願(特願2022-200186号。以下「本件特許出願」という。)は、令和4年12月15日の出願であって、令和5年4月14日にその特許権の設定登録がされ、同月24日に特許掲載公報が発行されたものである。 その後、請求項1ないし6に係る特許について、同年10月13日に特許異議申立人(以下「申立人」という。)により本件特許異議の申立てがされ、当審において、令和6年3月1日付けで取消理由通知がされ、その指定期間内である同年5月7日に特許権者より訂正請求書及び意見書が提出され、同年5月30日付けで訂正拒絶理由通知がされ、同年6月25日に特許権者より手続補正書が提出された。 なお、本件訂正請求に関して、特許法120条の5第5項の規定に基づいて、申立人に対して意見書を提出する機会を与えたが、申立人からの応答はなかった。 第2 訂正の適否についての判断 1 手続補正書による補正について 令和6年6月25日に提出された手続補正書による補正は、訂正請求書を補正するものであるところ、その補正内容は、本件特許の請求項2に係る訂正事項について、請求項2を削除する訂正事項に変更するとともに、請求項5、6について、引用する請求項から請求項2を削除する訂正事項を追加するものであるから、訂正請求書の要旨を変更するものではない。(以下、当該手続補正書による補正後の訂正請求書による訂正請求を「本件訂正請求」といい、補正後の訂正請求書による訂正を「本件訂正」という。) 2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正請求の趣旨は、特許第7262869号の特許請求の範囲を本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを求める、というものである。 本件訂正は、次の訂正事項からなる(下線は、訂正箇所を表す。)。 訂正事項1: 本件訂正前の請求項1に、 「前記再生ガス流路に設けられ、前記冷却器から排出される前記外気を加熱する加熱器と、 前記除湿装置で前記吸着剤を再生した後に前記除湿装置から排出される再生処理済ガスを系外に移送するための再生処理済ガス流路と、 前記再生ガス流路において前記加熱器よりも上流側に設けられた予熱器と、 をさらに備え、 前記予熱器は、前記再生処理済ガスとの熱交換により、前記冷却器から排出される前記外気を予熱するように構成されている、ことを特徴とする除湿乾燥システム。」 とあるのを、 「前記再生ガス流路に設けられ、前記冷却器から排出される前記外気を加熱する第1の加熱器と、 前記除湿装置で前記吸着剤を再生した後に前記除湿装置から排出される再生処理済ガスを系外に移送するための再生処理済ガス流路と、 前記再生ガス流路において前記第1の加熱器よりも上流側に設けられた予熱器と、 をさらに備え、 前記予熱器は、前記再生処理済ガス流路を流れる前記再生処理済ガスとの熱交換により、前記冷却器から排出される前記外気を予熱するように構成され、 前記再生処理済ガス流路には、前記予熱器の上流側に送風機を備え、 前記送風機と前記予熱器との間から、前記再生ガス流路の前記第1の加熱器と予熱器との間に、前記再生処理済ガス流路を流れる前記再生処理済ガスの一部を混合するための循環流路をさらに備える、ことを特徴とする除湿乾燥システム。」 に訂正する。 訂正事項2: 請求項2を削除する。 訂正事項3: 請求項3を削除する。 訂正事項4: 請求項4を削除する。 訂正事項5: 本件訂正前の請求項5に、「請求項1又は2に記載の除湿乾燥システム。」とあるのを、「請求項1に記載の除湿乾燥システム。」に訂正する。 訂正事項6: 本件訂正前の請求項6に、「請求項1又は2に記載の除湿乾燥システム。」とあるのを、「請求項1に記載の除湿乾燥システム。」に訂正する。 3 訂正の適否について (1)訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の「加熱器」を「第1の加熱器」に改め、予熱器が外気との間で熱交換する「再生処理済ガス」について、「再生処理済ガス流路を流れる」ものであることを特定するとともに、訂正前には、再生処理済ガス流路における予熱器の上流側に送風機を備えているのか否かは任意であったものを、「送風機を備え」ているものに限定し、かつ、訂正前には、送風機と予熱器との間から、再生ガス流路の第1の加熱器と予熱器との間に、再生処理済ガス流路を流れる再生処理済ガスの一部を混合するための循環流路を備えるのか否かは任意であったものを、「循環経路を備える」ものに限定する訂正であるから、訂正事項1による訂正は、全体として、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 また、訂正事項2~4は、特許請求の範囲から請求項2~4を削除する訂正であり、訂正事項5及び6は、請求項5及び6が引用する請求項から請求項2を削除する訂正であるから、訂正事項2~6による訂正は、同号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (2)新規事項の追加の有無について 訂正事項1のうち、「加熱器」を「第1の加熱器」に改める訂正については、当該訂正の前後で請求項1の発明特定事項に実質的な違いはないから、新規事項を追加するものでない。 また、訂正事項1のうち、予熱器が外気との間で熱交換する「再生処理済ガス」について、「再生処理済ガス流路を流れる」ものであることを特定する訂正については、訂正前の請求項1の「前記除湿装置で前記吸着剤を再生した後に前記除湿装置から排出される再生処理済ガスを系外に移送するための再生処理済ガス流路」という発明特定事項を繰り返したにすぎず、当該訂正の前後で請求項1の発明特定事項に実質的な違いはない訂正であるから、新規事項を追加するものでない。 また、訂正事項1のうち、再生処理済ガス流路における予熱器の上流側に送風機を備えるものに限定する訂正については、当該限定事項が本件特許明細書の【0067】に記載された事項であるから、新規事項を追加するものでない。 また、訂正事項1のうち、送風機と予熱器との間から、再生ガス流路の第1の加熱器と予熱器との間に、再生処理済ガス流路を流れる再生処理済ガスの一部を混合するための循環流路を備えるものに限定する訂正については、当該限定事項が本件特許明細書の【0069】に記載された事項であるから、新規事項を追加するものでない。 また、訂正事項2~4による訂正は、特許請求の範囲から請求項2~4を削除する訂正であり、訂正事項5及び6による訂正は、請求項5及び6が引用する請求項から請求項2を削除する訂正であるから、訂正事項2~6による訂正が新規事項を追加するものでないことは明らかである。 よって、本件訂正は、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。 (3)特許請求の範囲の実質拡張・変更の有無について 訂正事項1による訂正は、訂正の前後で請求項1の発明特定事項に実質的な違いはない訂正と、訂正前には、再生処理済ガス流路における予熱器の上流側に送風機を備えているのか否かは任意であったものを、「送風機を備え」ているものに限定する訂正と、訂正前には、送風機と予熱器との間から、再生ガス流路の第1の加熱器と予熱器との間に、再生処理済ガス流路を流れる再生処理済ガスの一部を混合するための循環流路を備えるのか否かは任意であったものを、「循環経路を備える」ものに限定する訂正とからなるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。 また、訂正事項2~6による訂正が、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことは明らかである。 よって、本件訂正は、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。 (4)小括 前記(1)~(3)で述べたとおり、訂正事項1~6は特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条9項において準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。 よって、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。 第3 本件特許の各請求項に係る発明 前記第2で述べたとおり、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1、5、6に係る発明(請求項2~4は削除された。以下、本件訂正後の請求項1、5、6に係る発明を、それぞれ「本件訂正発明1」、「本件訂正発明5」、「本件訂正発明6」という。)は、本件訂正後の請求項1、5、6に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 【請求項1】 合成樹脂成形材料を内部に貯留する乾燥ホッパーと、 前記合成樹脂成形材料を乾燥するために前記乾燥ホッパーに供給される乾燥空気を生成する除湿装置と、 前記除湿装置から前記乾燥ホッパーに前記乾燥空気を移送するための乾燥空気流路と、 前記乾燥ホッパーから排出される前記合成樹脂成形材料を乾燥した後の加湿空気を前記除湿装置に移送するための加湿空気流路と、 前記加湿空気流路に設けられ、前記加湿空気を冷却する冷却器と、を備え、 前記除湿装置は、吸着剤を含んでおり、前記加湿空気に含まれる水分を前記吸着剤による吸着により前記加湿空気から除去して前記乾燥空気を生成し、かつ、前記吸着剤が吸着した水分を再生ガスによる脱着により前記吸着剤から除去して前記吸着剤を再生するように構成された、合成樹脂成形材料の除湿乾燥システムであって、 前記冷却器は、外気との熱交換により前記加湿空気を冷却するように構成され、 該除湿乾燥システムは、 前記冷却器から排出される前記加湿空気との熱交換により昇温した前記外気を前記再生ガスとして前記除湿装置に移送するための再生ガス流路と、 前記再生ガス流路に設けられ、前記冷却器から排出される前記外気を加熱する第1の加熱器と、 前記除湿装置で前記吸着剤を再生した後に前記除湿装置から排出される再生処理済ガスを系外に移送するための再生処理済ガス流路と、 前記再生ガス流路において前記第1の加熱器よりも上流側に設けられた予熱器と、 をさらに備え、 前記予熱器は、前記再生処理済ガス流路を流れる前記再生処理済ガスとの熱交換により、前記冷却器から排出される前記外気を予熱するように構成され、 前記再生処理済ガス流路には、前記予熱器の上流側に送風機を備え、 前記送風機と前記予熱器との間から、前記再生ガス流路の前記第1の加熱器と予熱器との間に、前記再生処理済ガス流路を流れる前記再生処理済ガスの一部を混合するための循環流路をさらに備える、ことを特徴とする除湿乾燥システム。 【請求項5】 前記加湿空気流路に設けられ、前記冷却器により冷却された前記加湿空気の温度を計測する温度センサと、 前記温度センサによる計測温度に基づいて、前記冷却器に圧縮した外気を供給する送風機の送風量を制御する制御機器と、 をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の除湿乾燥システム。 【請求項6】 前記冷却器に供給される外気を浄化するフィルター装置をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の除湿乾燥システム。 第4 取消理由通知に記載した取消理由の概要 本件訂正前の請求項1、5、6に係る特許に対して通知された取消理由は、概略、次のとおりである。 取消理由1(明確性要件違反):本件特許の請求項5、6に係る発明は、明確でないから、当該請求項5、6に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法113条4項に該当する。 取消理由2(新規性・進歩性欠如):本件特許の請求項1及び6に係る発明は、本件特許出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法29条1項3号に該当するから、当該請求項1及び6に係る特許は、特許を受けることができないものに対してされたものであり、同法113条2項に該当する。また、本件特許の請求項1、5、6に係る発明は、本件特許出願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、本件特許出願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、当該請求項1、5、6に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであり、同法113条2項に該当する。 前記取消理由2(新規性・進歩性欠如)において引用された引用例及び周知例は、次のとおりである。 甲2:特開2022-136063号公報(主引用例) 甲7:特許第5898361号公報 第5 引用例に記載された事項 1 甲2 (1)甲2の記載 甲2は、本件特許出願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであるところ、次の記載がある(下線は、後述する甲2発明の構成の認定に用いた箇所等を示すために、当合議体が付したものである。)。 ア 「【請求項1】 乾燥ガスが流れる乾燥ラインと、 再生ガスが流れる再生ラインと、 前記乾燥ラインに設けられ、粉粒体を収容する収容部と、 前記乾燥ラインを前記収容部に向けて流れる乾燥ガスを加熱する加熱部と、 前記乾燥ラインを前記収容部に向けて流れる乾燥ガスが通過する乾燥領域および前記再生ラインを流れる再生ガスが通過する再生領域が設定され、前記乾燥領域を通過する乾燥ガスに含まれる水分を吸着材に吸着し、前記再生領域にて前記吸着材から再生ガスに水分が奪われることにより前記吸着材が再生する吸着部と、 前記再生ラインの下流端に接続され、前記再生ラインからの再生ガスを分解処理した後に排気するガス処理部と、を含む、粉粒体処理装置。」 イ 「【技術分野】 【0001】 本発明は、樹脂材料などの粉粒体を処理する装置および方法、ならびにガス処理装置に関する。 【背景技術】 【0002】 たとえば、プラスチック製品の製造工程では、プラスチック材料が成形機に投入されるまでに、プラスチック材料から水分を除去するための予備乾燥が行われる。 【0003】 プラスチック材料には、多くの場合、紫外線防止剤や難燃剤などの種々の添加剤が混合されている。添加剤には、VOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)を含むものがあり、VOCを含む添加剤がプラスチック材料に混合されていると、予備乾燥の工程で、プラスチック材料からVOCが揮発する。VOCなどの揮発成分は、臭気を発するだけでなく、通過する管路内に析出して付着し、管路内を汚染することもある。 【0004】 そのため、プラスチック材料から水分を奪ったエアが流通する乾燥ラインに脱臭装置を設けて、そのエアに含まれるVOCなどの臭気成分を脱臭装置で除去する構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。 ・・・(中略)・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかし、乾燥ライン以外にガスが流通するガスラインを備える装置では、その乾燥ライン以外のガスラインからの排気がそのまま外気に放出されるものが多く、かかる装置を設置する工場の環境の悪化が懸念されている。 【0007】 本発明の目的は、乾燥ラインの汚染を防ぐとともに乾燥ライン以外のガスラインからの排気による環境の悪化を抑制できる、粉粒体処理装置、粉粒体処理方法およびガス処理装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 前記の目的を達成するため、本発明の一の局面に係る粉粒体処理装置は、乾燥ガスが流れる乾燥ラインと、再生ガスが流れる再生ラインと、乾燥ラインに設けられ、粉粒体を収容する収容部と、乾燥ラインを収容部に向けて流れる乾燥ガスを加熱する加熱部と、乾燥ラインを収容部に向けて流れる乾燥ガスが通過する乾燥領域および再生ラインを流れる再生ガスが通過する再生領域が設定され、乾燥領域を通過する乾燥ガスに含まれる水分を吸着材に吸着し、再生領域にて吸着材から再生ガスに水分が奪われることにより吸着材が再生する吸着部と、再生ラインの下流端に接続され、再生ラインからの再生ガスを分解処理した後に排気するガス処理部とを含む。 【0009】 この構成によれば、加熱および脱湿された乾燥ガスが収容部に供給されることにより、収容部に収容されている粉粒体が乾燥する。吸着部では、乾燥領域と再生領域とが設定されており、乾燥領域にて乾燥ガスに含まれる水分が吸着材に吸着されることにより乾燥ガスが脱湿し、再生領域にて吸着材から再生ガスに水分が奪われることにより吸着材が再生する。このとき、臭気成分も吸着材により吸脱着されるため、乾燥ラインから再生ラインに少なくとも一部が移動する。吸着材から水分および臭気成分を奪った再生ガスは、分解処理された後に排気される。そのため、乾燥ラインの有機成分を有効に除去するとともに、再生ガスが流れる再生ラインからの排気による環境の悪化を抑制することができる。 ・・・(中略)・・・ 【発明の効果】 【0030】 本発明によれば、再生ガスが流れる再生ラインなど、乾燥ライン以外のガスラインからの排気による環境の悪化を抑制することができる。」 ウ 「【発明を実施するための形態】 【0032】 以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。 【0033】 <粉粒体処理装置> 図1は、本発明の一実施形態に係る粉粒体処理装置1の構成を図解的に示す図である。 【0034】 粉粒体処理装置1は、プラスチック製品の製造設備に含まれて、プラスチック製品の原料となるプラスチックペレットなどの粉粒体を処理する装置である。具体的には、粉粒体処理装置1は、粉粒体を乾燥させて、その乾燥した粉粒体を成形機に輸送する装置である。 【0035】 <脱湿乾燥機> 粉粒体処理装置1は、乾燥ホッパ11と、乾燥ホッパ11の上方に配置されるローダホッパ12とを備えている。プラスチック製品の原料となる粉粒体は、ローダホッパ12から乾燥ホッパ11に供給されて、乾燥ホッパ11内に収容(貯留)された状態で乾燥された後、乾燥ホッパ11から成形機に輸送される。 【0036】 乾燥ホッパ11内には、乾燥ライン13から粉粒体を乾燥させるための乾燥ガスが供給される。乾燥ライン13の一端は、乾燥ホッパ11内に配置されている。乾燥ライン13の他端は、乾燥ホッパ11の上壁を貫通して設けられたエア排出管14に接続されて、エア排出管14を介して、乾燥ホッパ11内と連通している。乾燥ライン13は、乾燥ホッパ11の外部において、乾燥フィルタ15、アフタクーラ16、乾燥ブロワ17、吸着部18および乾燥ヒータ19を乾燥ライン13の他端側、つまりエア排出管14側からその順で経由している。 【0037】 乾燥ブロワ17の吸込口には、排出管路21の一端が接続されている。排出管路21の他端は、エア排出管14に接続されている。乾燥フィルタ15は、排出管路21の途中部に介装されており、排出管路21を流通する乾燥ガスから異物を除去する。排出管路21は、乾燥フィルタ15と乾燥ブロワ17との間において、アフタクーラ16を経由している。乾燥ブロワ17の吹出口には、第1供給管路22の一端が接続されている。 【0038】 吸着部18は、吸着器23を備えている。吸着器23は、略円筒状の吸着筒24の両端に蓋体25が設けられた構成を有している。吸着筒24は、その中心線方向に延びる多数のエア流路を有している。エア流路の内面(エアに接する表面)は、水分を吸着する吸着材(たとえば、ゼオライト)で形成されている。吸着筒24が存在する領域には、乾燥領域、冷却領域および再生領域が設定されており、吸着筒24のエア流路には、乾燥領域に存在するエア流路(以下、「乾燥流路」という。)と、冷却領域に存在するエア流路(以下、「冷却流路」という。)と、再生領域に存在するエア流路(以下、「再生流路」という。)とが含まれる。吸着器23の一端の蓋体25には、乾燥流路と連通するポート26A、冷却流路と連通するポート26Bと、再生流路と連通するポート26Cとが設けられている。吸着器23の他端の蓋体25には、乾燥流路と連通するポート27Aと、冷却流路と連通するポート27Bと、再生流路と連通するポート27Cとが設けられている。また、吸着部18は、吸着筒24をその中心線まわりに回転させる回転機構28を備えている。回転機構28には、駆動源としてのモータ29が含まれる。 【0039】 また、吸着部18は、再生ブロワ31および再生ヒータ32を備えている。再生ブロワ31の吸込口は、再生フィルタ33を通して大気に開放されている。再生ブロワ31の吹出口には、再生ライン34が接続されている。再生ライン34には、再生管路35および排気管路36が含まれる。再生管路35の一端は、再生ブロワ31の吹出口に接続され、再生管路35は、途中部がアフタクーラ16および再生ヒータ32を順に経由して、他端が吸着器23のポート26Cに接続されている。吸着器23のポート27Cには、排気管路36の一端が接続されている。これにより、再生ライン34は、吸着筒24の再生流路と連通している。 【0040】 第1供給管路22の他端は、吸着器23のポート26Aに接続されて、乾燥流路と連通している。一方、乾燥流路と連通するポート27Aには、第2供給管路37の一端が接続されている。第2供給管路37は、途中部が乾燥ヒータ19を経由し、乾燥ホッパ11の側壁を貫通して、その他端部が乾燥ホッパ11内に配置されている。乾燥ホッパ11内において、第2供給管路37の他端部は、下方に屈曲して延びており、下方ほど広がる円錐状に形成されている。また、第2供給管路37には、吸着部18と乾燥ヒータ19との間において、第1還流管路38が分岐して接続されている。第1還流管路38は、吸着器23のポート27Bに接続されて、吸着筒24の冷却流路と連通している。冷却流路と連通する他方のポート26Bには、第2還流管路39の一端が接続されている。第2還流管路39の他端は、乾燥フィルタ15とアフタクーラ16との間において、排出管路21に分岐して接続されている。 【0041】 乾燥ブロワ17が駆動されると、乾燥ブロワ17の吹出口から第1供給管路22にエアが吹き出されて、第1供給管路22に吸着部18に向かう乾燥ガスの気流が発生する。その気流は、吸着器23のポート26Aから吸着筒24の乾燥流路に流入し、乾燥流路を通過して、吸着器23のポート27Aから第2供給管路37に流出する。気流が乾燥流路を通過する際、その気流に含まれる水分が吸着筒24に吸着され、乾燥流路を通過した気流は、低露点の乾燥ガスの気流となる。第2供給管路37に流出した気流の一部は、第1還流管路38に流入し、吸着器23のポート27Bから冷却流路に流入し、冷却流路を通過して、吸着器23のポート26Bから第2還流管路39に流入する。気流が冷却流路を通過する際、吸着器23の再生領域にて後述の再生エアで加熱され高温化した箇所を冷却する。これにより、吸着器23を次の乾燥領域で水分が吸着可能な温度に戻すことができる。 【0042】 第2供給管路37を流れる乾燥ガスは、乾燥ヒータ19により加熱され、加熱された乾燥ガスとなって、乾燥ホッパ11内に供給される。乾燥ガスの温度は、たとえば、60~180℃である。第2供給管路37の他端から吹き出す乾燥ガスは、乾燥ホッパ11内に貯留されている粉粒体の間を通り、その貯留されている粉粒体の上方に抜ける。これにより、乾燥ガスに粉粒体の水分が奪われて、粉粒体が乾燥する。粉粒体から水分を奪った乾燥ガスは、エア排出管14を通して排出管路21に排出され、排出管路21を乾燥ブロワ17に向けて流れる。 【0043】 その一方で、再生ブロワ31が駆動される。再生ブロワ31が駆動されると、再生ブロワ31の吸込口に、外気が再生フィルタ33を通して吸い込まれる。そして、その外気が再生ブロワ31の吹出口から再生ライン34の再生管路35に吹き出され、再生管路35に吸着部18に向かう気流が発生する。その気流(外気)は、アフタクーラ16および再生ヒータ32を順に経由した後、吸着器23のポート26Cから吸着筒24の再生流路に流入し、再生流路を通過して、吸着器23のポート27Cから再生ライン34の排気管路36に排出される。アフタクーラ16では、再生ライン34を流れる外気と排出管路21を流れる乾燥ガスとの間で熱交換が行われて、再生ライン34を流れる外気が昇温し、排出管路21を流れる乾燥ガスが降温する。再生ライン34を流れる外気は、再生ヒータ32でさらに加熱されることにより再生ガスとなり、その再生ガスが吸着筒24の再生流路を通過する。一方、吸着筒24における乾燥領域で乾燥ガスから水分を吸着した部分は、回転機構28による吸着筒24の回転に伴って、再生領域に移動する。これにより、吸着筒24に吸着された水分が吸着筒24から脱離し、吸着筒24が低湿状態に再生される。再生ガスの温度は、吸着筒24から水分を脱離させるため、たとえば、180~250℃に設定される。」 エ 「【0055】 粉粒体の添加剤にVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)が含まれている場合、そのVOCが粉粒体の乾燥に伴って揮発するので、乾燥ライン13を循環する乾燥ガスには、粉粒体から揮発したVOCが含まれる。乾燥ライン13を循環する乾燥ガスに含まれるVOCの一部が吸着部18の吸着筒24(吸着材)に付着するため、吸着器23のポート27Cから再生ライン34の排気管路36に排出される再生ガスにも、VOCが含まれる。なお、吸着筒24に用いられる吸着材は、通常の水分用の吸着材であっても臭気成分を吸脱着することが可能であるが、通常の水分用の吸着材を除去対象のVOCに適した吸着材に変えたり、VOCに適した吸着材と通常の水分用の吸着材とを併用したりしてもよい。これにより、臭気成分であるVOCを再生ライン34から効率的に排出することができる。 【0056】 <脱臭装置> 粉粒体処理装置1には、脱臭装置91が組み込まれている。脱臭装置91は、再生ライン34の排気管路36の下流端に接続されており、排気管路36を流れる再生ガスを外気に排気するガス処理部として機能し、再生ガスからVOCを除去するための脱臭処理を行い、脱臭処理後の再生ガス(排気)を外気に排出する。 【0057】 具体的には、脱臭装置91は、排気管路36が接続されて、排気管路36と連通する脱臭ライン92を備えている。脱臭装置91では、脱臭処理の方法として触媒分解法が採用されており、脱臭ライン92には、触媒ヒータ93および低温触媒94が排気管路36側からこの順に介装されている。排気管路36から脱臭ライン92に流入する再生ガスは、触媒ヒータ93により加熱されて、200~300℃に昇温した後、低温触媒94に接触しつつ、低温触媒94を通過する。その際、再生ガスに含まれるVOCの化学分解が生じ、脱臭ライン92を流れる再生ガスからVOCが除去される。なお、VOCには、その特性により比較的低温域でも分解可能なものがあり、この場合は、触媒ヒータ93が省略されてもよい。このとき、再生ガスが再生ヒータ32で180℃以上に加熱されていることにより、低温触媒94内でのVOCの分解が促進する。すなわち、再生ヒータ32を低温触媒94に流入する再生ガスを加熱する触媒ヒータとして兼用することができる。 【0058】 また、脱臭装置91は、アフタクーラ95を備えている。脱臭ライン92は、低温触媒94よりも下流側において、アフタクーラ95を経由している。一方、アフタクーラ95には、再生ライン34の再生管路35がアフタクーラ16と再生ヒータ32との間において経由している。アフタクーラ95では、再生ライン34を流れる外気(再生ガス)と脱臭ライン92を流れる排気(再生ガス)との間で熱交換が行われて、再生ライン34を流れる外気が昇温し、脱臭ライン92を流れる排気が降温する。その結果、脱臭ライン92を流れる排気は、110℃以下、たとえば、92~93℃に低下した状態で外気に排出される。」 オ 「【図1】 [図:0001422392000001.jpg] 」 (2)甲2に記載された発明 前記(1)ア~オで摘記した記載から、甲2には、請求項1に係る発明の一実施形態である粉粒体処理装置1に関して、次の発明が記載されていると認められる。(参考までに認定の根拠とした段落番号を括弧書きで示した。) 「乾燥ガスが流れる乾燥ライン13と、再生ガスが流れる再生ライン34と、乾燥ライン13に設けられ、粉粒体を収容する収容部と、乾燥ライン13を収容部に向けて流れる乾燥ガスを加熱する加熱部19と、乾燥ライン13を収容部に向けて流れる乾燥ガスが通過する乾燥領域及び再生ライン34を流れる再生ガスが通過する再生領域が設定され、乾燥領域を通過する乾燥ガスに含まれる水分を吸着材に吸着し、再生領域にて吸着材から再生ガスに水分が奪われることにより吸着材が再生する吸着部18と、再生ライン47の下流端に接続され、再生ライン47からの再生ガスを分解処理した後に排気するガス処理部とを含む、粉粒体処理装置1であって、(請求項1) 前記吸着部18は、吸着器23を備え、前記吸着器23は、略円筒状の吸着筒24の両端に蓋体25が設けられた構成を有し、前記吸着筒24は、その中心線方向に延びる多数のエア流路を有し、当該エア流路の内面は、水分を吸着する吸着材で形成されており、前記吸着筒24が存在する領域には、乾燥領域、冷却領域及び再生領域が設定され、前記吸着筒24のエア流路には、乾燥領域に存在するエア流路である乾燥流路と、冷却領域に存在するエア流路である冷却流路と、再生領域に存在するエア流路である再生流路とが含まれ、前記吸着器23の一端の蓋体25には、乾燥流路と連通するポート26A、冷却流路と連通するポート26Bと、再生流路と連通するポート26Cとが設けられ、前記吸着器23の他端の蓋体25には、乾燥流路と連通するポート27Aと、冷却流路と連通するポート27Bと、再生流路と連通するポート27Cとが設けられ、前記吸着部18は、吸着筒24をその中心線まわりに回転させる回転機構28を備え、(【0038】) 前記吸着部18は、再生ブロワ31及び再生ヒータ32を備え、前記再生ブロワ31の吸込口は再生フィルタ33を通して大気に開放され、前記再生ブロワ31の吹出口には、前記再生ライン34が接続され、前記再生ライン34には、再生管路35及び排気管路36が含まれ、前記再生管路35の一端は、前記再生ブロワ31の吹出口に接続され、前記再生管路35は、途中部がアフタクーラ16及び前記再生ヒータ32を順に経由して、他端が前記吸着器23のポート26Cに接続され、前記吸着器23のポート27Cには、前記排気管路36の一端が接続されていて、これにより、前記再生ライン34は、前記吸着筒24の再生流路と連通しており、(【0039】) 前記収容部は、乾燥ホッパ11により構成され、プラスチック製品の原料となる粉粒体が、ローダホッパ12から当該乾燥ホッパ11に供給されて、乾燥ホッパ11内に収容された状態で乾燥された後、乾燥ホッパ11から成形機に輸送されるよう構成されており、(【0035】) 前記乾燥ライン13は、一端が乾燥ブロワ17の吸込口に接続され、他端が前記乾燥ホッパ11の上壁を貫通して設けられたエア排出管14に接続され、途中部に乾燥フィルタ15が介装され、前記乾燥フィルタ15と前記乾燥ブロワ17との間において、前記アフタクーラ16を経由する排出管路21と、一端が前記乾燥ブロワ17の吹出口に接続され、他端が前記吸着器23のポート26Aに接続されて、前記乾燥流路と連通する第1供給管路22と、一端が前記吸着器23のポート27Aに接続され、途中部が前記乾燥ヒータ19を経由し、前記乾燥ホッパ11の側壁を貫通して、他端が前記乾燥ホッパ11の内部に配置された第2供給管路37とを含み、前記第2供給管路37には、前記吸着部18と前記乾燥ヒータ19との間において、第1還流管路38が分岐して接続され、当該第1還流管路38は、前記吸着器23のポート27Bに接続されて、前記吸着筒24の冷却流路と連通し、前記冷却流路と連通する他方のポート26Bには、第2還流管路39の一端が接続され、当該第2還流管路39の他端は、前記乾燥フィルタ15と前記アフタクーラ16との間において、前記排出管路21に分岐して接続されており、(【0036】、【0037】、【0040】) 前記ガス処理部として機能する脱臭装置91が設けられ、当該脱臭装置91は、排気管路36が接続されて、前記排気管路36と連通する脱臭ライン92を備え、当該脱臭ライン92には、触媒ヒータ93及び低温触媒94が前記排気管路36側からこの順に介装され、前記排気管路36から前記脱臭ライン92に流入する再生ガスは、前記触媒ヒータ93により加熱されて、200~300℃に昇温した後、前記低温触媒94に接触しつつ、当該低温触媒94を通過し、その際、再生ガスに含まれるVOCの化学分解が生じ、前記脱臭ライン92を流れる再生ガスからVOCが除去されるよう構成されるとともに、前記脱臭装置91は、アフタクーラ95を備え、前記脱臭ライン92は、前記低温触媒94よりも下流側において、前記アフタクーラ95を経由する一方、当該アフタクーラ95には、前記再生ライン34の再生管路35が前記アフタクーラ16と前記再生ヒータ32との間において経由しており、前記アフタクーラ95では、前記再生ライン34を流れる外気(再生ガス)と前記脱臭ライン92を流れる排気(再生ガス)との間で熱交換が行われて、前記再生ライン34を流れる外気が昇温し、前記脱臭ライン92を流れる排気が降温した状態で外気に排出されるよう構成され、(【0056】~【0058】) 前記乾燥ブロワ17が駆動されると、前記乾燥ブロワ17の吹出口から前記第1供給管路22にエアが吹き出されて、前記第1供給管路22に前記吸着部18に向かう乾燥ガスの気流が発生し、その気流は、前記吸着器23のポート26Aから前記乾燥流路に流入し、前記乾燥流路を通過して、前記吸着器23のポート27Aから前記第2供給管路37に流出し、気流が前記乾燥流路を通過する際、その気流に含まれる水分が前記吸着筒24に吸着され、前記乾燥流路を通過した気流は、低露点の乾燥ガスの気流となり、前記第2供給管路37に流出した気流の一部は、前記第1還流管路38に流入し、前記吸着器23のポート27Bから前記冷却流路に流入し、前記冷却流路を通過して、前記吸着器23のポート26Bから前記第2還流管路39に流入し、気流が前記冷却流路を通過する際、前記再生領域にて再生エアで加熱され高温化した箇所を冷却し、これにより、前記吸着器23を次の乾燥領域で水分が吸着可能な温度に戻すことができ、前記第2供給管路37を流れる乾燥ガスは、前記乾燥ヒータ19により加熱され、加熱された乾燥ガスとなって、前記乾燥ホッパ11内に供給され、前記第2供給管路37の他端から吹き出す乾燥ガスは、前記乾燥ホッパ11内に貯留されている粉粒体の間を通り、その貯留されている粉粒体の上方に抜け、これにより、乾燥ガスに粉粒体の水分が奪われて、粉粒体が乾燥し、粉粒体から水分を奪った乾燥ガスは、前記エア排出管14を通して前記排出管路21に排出され、前記排出管路21を前記乾燥ブロワ17に向けて流れる一方で、前記再生ブロワ31が駆動されて、前記再生ブロワ31の吸込口に、外気が再生フィルタ33を通して吸い込まれ、その外気が前記再生ブロワ31の吹出口から前記再生ライン34の前記再生管路35に吹き出され、前記再生管路35に前記吸着部18に向かう気流が発生し、その気流は、前記アフタクーラ16及び前記再生ヒータ32を順に経由した後、前記吸着器23のポート26Cから前記吸着筒24の再生流路に流入し、前記再生流路を通過して、前記吸着器23のポート27Cから前記再生ライン34の排気管路36に排出され、前記アフタクーラ16では、前記再生ライン34を流れる外気と前記排出管路21を流れる乾燥ガスとの間で熱交換が行われて、前記再生ライン34を流れる外気が昇温し、前記排出管路21を流れる乾燥ガスが降温し、前記再生ライン34を流れる外気は、前記再生ヒータ32でさらに加熱されることにより再生ガスとなり、その再生ガスが前記吸着筒24の再生流路を通過する一方、前記吸着筒24における乾燥領域で乾燥ガスから水分を吸着した部分は、前記回転機構28による前記吸着筒24の回転に伴って、再生領域に移動し、これにより、前記吸着筒24に吸着された水分が前記吸着筒24から脱離し、前記吸着筒24が低湿状態に再生されるよう構成された、(【0041】~【0043】) 粉粒体処理装置1。」(以下「甲2発明」)という。 2 甲7 (1)甲7の記載 甲7は、本件特許出願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであるところ、次の記載がある(下線は、後述する甲7技術事項の認定に用いた箇所等を示すために、当合議体が付したものである。)。 ア 「【請求項1】 製膜用、繊維用、光学(太陽光パネル、TV等)用としてのポリエステルチップ等の粒状合成樹脂材料の結晶乾燥に使用される圧力、風量及び露点の変動の無い低温乾燥の除湿エアーを供給することにより、ポリエステルの溶融粘度の変化、COOH及びOHの増加、IV変化の無い短時間乾燥が可能な循環エアー用に開発された省エネ構造の高圧用低露点除湿エアー発生装置であって、 ・・・(中略)・・・吸着筒とを備え、 ・・・(中略)・・・乾燥ゾーン・・・(中略)・・・再生ゾーン・・・(中略)・・・冷却ゾーンを形成し、 前記乾燥ゾーンを通過したエアーが低露点の乾燥エアーであり、 ・・・(中略)・・・再生ゾーンを通過するエアーが、当該ハニカムに吸着した水分を含む不純物を除去して当該ハニカムを再生させる再生エアーであり、 ・・・(中略)・・・冷却ゾーンを通過するエアーが、当該ハニカムを冷却及び乾燥させる冷却エアーであり、 ・・・(中略)・・・ことを特徴とする高圧用低露点除湿エアー発生装置。 ・・・(中略)・・・ 【請求項4】 再生エアーの流れは除湿エアーの流れと逆の方向からとし、再生ゾーンにおいて、再生エアーの高温部で、除湿エアーの出口であった個所に近いハニカムから賦活を行うことで、当該出口の低水分の捕集力をあげ、 再生エアーは、外気のみの循環で供給し、その一部を排出し、その排出した一部に対して外気の一部を取り入れ、その外気エアーは再生エアーの循環ラインからの戻りエアーと混合して、混合後のエアーは元の循環ラインに戻して再生エアーとして使用することで、外気の全量の使用や、除湿エアーの使用をしないことにより省エネルギー構造とし、湿度が60~100%の外気を導入した再生エアーの循環で、入り口温度200℃前後に設定し、再生ゾーンにおける出口温度が3分前後でほぼ150℃に達して10分後に再生は終わり、吸着筒は60°ずつの間欠回転を1時間で1回転である360°の回転をし、 冷却エアーは冷却ゾーン冷却後の戻りエアーを循環使用することで無駄にしない省エネルギー構造である ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の高圧用低露点除湿エアー発生装置。」 イ 「【技術分野】 【0001】 本発明は、高圧用低露点除湿エアー発生装置に関し、特に、回転ボックスプレート内の6等分のボックス内に分散板を設けて、乱流域のエアーを、ハニカム吸着剤を6等分に分壁に仕切り、分割された、各分割部の吸着剤への流れと、ハニカム内のエアーの流れの均一化を図る高圧用低露点除湿エアー発生装置に関する。」 ウ 「【0033】 再生エアーは除湿エアーの流れの逆の方向から、吸着剤は賦活される。高温部で、エアーの出口に近い吸着剤から賦活を行うことで、出口の低水分の捕集力をあげる。再生エアーは、外気のみの循環で供給する。一部排出して一部外気を取り入れる。冷却エアーは循環ラインの戻りエアーを使用して、冷却後のエアーは元のラインに戻して負荷のエアーを冷却しすぎる場合の不具合をなくし、省エネ構造とする。湿度が60℃100%前後までの外気を導入した再生エアーの循環で、入り口温度200℃前後に設定する。6分割の扇の一筒の出口温度がほぼ150℃に達して3分前後で10分後に再生は終わり(回転をする。上記数値は目安とする。)、約6s回転時間/600s休止1時間で1回転行うことが一例である。外気は一部導入して一部破棄をする。」 エ 「【図1】 [図:0001422392000002.jpg] 」 (2)甲7に記載された技術事項 前記(1)ア~エで摘記した記載から、甲7には次の技術事項が記載されていると認められる。 「ポリエステルチップ等の粒状合成樹脂材料の乾燥を行う装置において、 ハニカムに吸着した水分を含む不純物を除去して当該ハニカムを再生させる再生エアーについて、外気のみの循環で供給し、その一部を排出し、その排出した一部に対して外気の一部を取り入れ、その外気エアーは再生エアーの循環ラインからの戻りエアーと混合して、混合後のエアーは元の循環ラインに戻して再生エアーとして使用することで、外気の全量の使用や、除湿エアーの使用をしないことにより省エネルギー構造とする技術。」(以下「甲7技術事項」という。) 第6 当合議体の判断 1 取消理由1(明確性要件違反)について 本件訂正によって、請求項5、6が引用する請求項から請求項2が削除されたことに伴い、請求項2の記載を引用する形式で記載された請求項5、6に係る発明が、いかなる構成を有するものであるのか明確に特定することができないとされた取消理由1(明確性要件違反)は解消した。 よって、取消理由1(明確性要件違反)によって、本件訂正発明5、6に係る特許を取り消すことはできない。 2 取消理由2(新規性・進歩性欠如)について (1)本件訂正発明1について ア 対比 (ア)本件訂正発明1の発明特定事項と甲2発明の構成との対応関係 本件訂正発明1と甲2発明を対比すると、技術的にみて、甲2発明の「プラスチック製品の原料となる粉粒体」、「乾燥ホッパ11」、「乾燥ガス」、「吸着器23」、「第2供給管路37」、「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」、「『排出管路21』及び『第1供給管路22』」、「アフタクーラ16」、「吸着材」、「『吸着筒24の再生流路に流入』する『再生ガス』」、「粉粒体処理装置1」、「『再生管路35』のうち『アフタクーラ16』と『吸着器23のポート26C』の間の部分」、「再生ヒータ32」、「『吸着器23のポート27C』から『再生ライン34の排気管路36』に排出される『再生ガス』」、「『排気管路36』及び『脱臭ライン92』」並びに「アフタクーラ95」は、本件訂正発明1の「合成樹脂成形材料」、「乾燥ホッパー」、「乾燥空気」、「除湿装置」、「乾燥空気流路」、「加湿空気」、「加湿空気流路」、「冷却器」、「吸着剤」、「再生ガス」、「除湿乾燥システム」、「再生ガス流路」、「第1の加熱器」、「再生処理済ガス」、「再生処理済ガス流路」並びに「予熱器」に、それぞれ対応する。 (イ)乾燥ホッパーについて 甲2発明は、「プラスチック製品の原料となる粉粒体」(本件訂正発明1の「合成樹脂成形材料」に対応する。以下、カギ括弧で囲まれた甲2発明の構成の後の丸括弧内の文言は、当該甲2発明の構成に対応する本件訂正発明1の発明特定事項を表す。)が、ローダホッパ12から「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)に供給されて、「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)内に収容された状態で乾燥された後、「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)から成形機に輸送されるよう構成されているから、甲2発明が備える「乾燥ホッパ11」は、「粉粒体」(合成樹脂成形材料)を内部に貯留するものといえる。 したがって、本件訂正発明1が備える「乾燥ホッパー」と甲2発明が備える「乾燥ホッパ11」は、「合成樹脂成形材料を内部に貯留する」ものである点で一致する。 (ウ)除湿装置について 甲2発明が備える「吸着器23」(除湿装置)は、気流が乾燥流路を通過する際に、その気流に含まれる水分を吸着筒24に吸着して、前記乾燥流路を通過した気流を、低露点の乾燥ガスの気流として、「第2供給管路37」(乾燥空気流路)に流出させる機能を有しており、「第2供給管路37」(乾燥空気流路)を流れる乾燥ガスが、乾燥ヒータ19により加熱され、加熱された「乾燥ガス」(乾燥空気)となって、「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)内に供給され、「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)内に貯留されている「粉粒体」(合成樹脂成形材料)を乾燥させるよう構成されているから、甲2発明が備える「吸着器23」は、「粉粒体」(合成樹脂成形材料)を乾燥するために「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)に供給される「乾燥ガス」(乾燥空気)を生成するものといえる。 したがって、本件訂正発明1が備える「除湿装置」と甲2発明が備える「吸着器23」は、「合成樹脂成形材料を乾燥するために乾燥ホッパーに供給される乾燥空気を生成する」ものである点で一致する。 (エ)乾燥空気流路について 甲2発明は、「吸着器23」(除湿装置)の乾燥流路を通過する際に水分が吸着筒24に吸着された「乾燥ガス」(乾燥空気)が、「吸着器23」(除湿装置)のポート27Aから「第2供給管路37」(乾燥空気流路)に流出し、「第2供給管路37」(乾燥空気流路)を流れる「乾燥ガス」(乾燥空気)が、乾燥ヒータ19により加熱され、加熱された乾燥ガスとなって、「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)内に供給されるよう構成されているから、甲2発明が備える「第2供給管路37」は、「吸着器23」(除湿装置)から「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)に「乾燥ガス」(乾燥空気)を移送するためのものといえる。 したがって、本件訂正発明1が備える「乾燥空気流路」と甲2発明が備える「第2供給管路37」は、「除湿装置から乾燥ホッパーに乾燥空気を移送するための」ものである点で一致する。 (オ)加湿空気流路について 甲2発明が備える「排出管路21」は、一端が乾燥ブロワ17の吸込口に接続され、他端が「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)の上壁を貫通して設けられたエア排出管14に接続されていて、「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)を、「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)から乾燥ブロワ17に移送するためのものといえ、甲2発明が備える「第1供給管路22」は、一端が乾燥ブロワ17の吹出口に接続され、他端が「吸着器23」(除湿装置)のポート26Aに接続されていて、「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)を、乾燥ブロワ17から「吸着器23」(除湿装置)に移送するためのものといえるから、甲2発明が備える「『排出管路21』及び『第1供給管路22』」は、「乾燥ホッパ11」(乾燥ホッパー)から排出される「粉粒体」(合成樹脂成形材料)を乾燥した後の「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)を「吸着器23」(除湿装置)に移送するためのものといえる。 したがって、本件訂正発明1が備える「加湿空気流路」と甲2発明が備える「『排出管路21』及び『第1供給管路22』」は、「乾燥ホッパーから排出される合成樹脂成形材料を乾燥した後の加湿空気を除湿装置に移送するための」ものである点で一致する。 (カ)冷却器について 甲2発明において、「排出管路21」が「アフタクーラ16」(冷却器)を経由しており、「アフタクーラ16」(冷却器)では、再生ライン34を流れる外気と「排出管路21」を流れる「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)との間で熱交換が行われて、「排出管路21」を流れる「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)が降温するから、甲2発明が備える「アフタクーラ16」は、「『排出管路21』及び『第1供給管路22』」(加湿空気流路)に設けられ、「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)を冷却するものであり、かつ再生ライン34を流れる外気との熱交換により「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)を冷却するように構成されているといえる。 したがって、本件訂正発明1が備える「冷却器」と甲2発明が備える「アフタクーラ16」は、「加湿空気流路に設けられ、加湿空気を冷却する」ものである点、及び「外気との熱交換により加湿空気を冷却するように構成され」ている点で一致する。 (キ)除湿装置について 甲2発明においては、「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)が、「第1供給管路22」から「吸着器23」(除湿装置)のポート26Aを経由して乾燥流路に流入し、乾燥流路を通過する際、水分が吸着筒24の乾燥流路内面の「吸着材」(吸着剤)に吸着され、「吸着器23」(除湿装置)のポート27Aから乾燥ガスが「第2供給管路37」(乾燥空気流路)に流出するとともに、再生ヒータ32で加熱された再生ガスが、「吸着器23」(除湿装置)のポート26Cから再生流路に流入し、再生流路を通過する際、吸着筒24の再生流路内面の「吸着材」(吸着剤)に吸着された水分を「吸着材」(吸着剤)から脱離するように構成されているから、甲2発明が備える「吸着器23」は、「吸着材」(吸着剤)を含んでおり、「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)に含まれる水分を「吸着材」(吸着剤)による吸着により「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)から除去して「乾燥ガス」(乾燥空気)を生成し、かつ、「吸着材」(吸着剤)が吸着した水分を「再生ガス」(再生ガス)による脱着により「吸着材」(吸着剤)から除去して「吸着材」(吸着剤)を再生するように構成されたものといえる。 したがって、本件訂正発明1が備える「除湿装置」と甲2発明が備える「吸着器23」は、「吸着剤を含んでおり、加湿空気に含まれる水分を吸着剤による吸着により加湿空気から除去して乾燥空気を生成し、かつ、吸着剤が吸着した水分を再生ガスによる脱着により吸着剤から除去して吸着剤を再生するように構成された」ものである点で一致する。 (ク)再生ガス流路について 甲2発明が備える「再生管路35」のうち「アフタクーラ16」(冷却器)と「吸着器23」(除湿装置)のポート26Cの間の部分は、「アフタクーラ16」(冷却器)から排出される「粉粒体から水分を奪った乾燥ガス」(加湿空気)との熱交換により昇温した再生ライン34を流れる外気を「再生ヒータ32」(第1の加熱器)でさらに加熱して「再生ガス」として「吸着器23」(除湿装置)に移送するためのものであるから、本件訂正発明1が備える「再生ガス流路」と甲2発明が備える「『再生管路35』のうち『アフタクーラ16』と『吸着器23のポート26C』の間の部分」は、「冷却器から排出される加湿空気との熱交換により昇温した外気を再生ガスとして除湿装置に移送するための」ものである点で一致する。 (ケ)第1の加熱器について 甲2発明が備える「再生ヒータ32」(第1の加熱器)は、「『再生管路35』のうち『アフタクーラ16』と『吸着器23のポート26C』の間の部分」(再生ガス流路)に設けられ、「アフタクーラ16」(冷却器)から排出された再生ライン34を流れる外気を加熱するものである。 したがって、本件訂正発明1が備える「第1の加熱器」と甲2発明が備える「再生ヒータ」は、「再生ガス流路に設けられ、冷却器から排出される外気を加熱する」ものである点で一致する。 (コ)再生処理済ガス流路について 甲2発明では、再生領域にて「吸着材」(吸着剤)から水分を奪った再生ガスが「吸着器23」(除湿装置)のポート27Cから「排気管路36」に排出され、「排気管路36」と連通する「脱臭ライン92」を流れる排気が降温した状態で外気に排出されるよう構成されているから、甲2発明が備える「『排出管路21』及び『第1供給管路22』」(再生処理済ガス流路)は、「吸着器23」(除湿装置)で「吸着材」(吸着剤)を再生した後に「吸着器23」(除湿装置)から排出される再生処理済ガスを系外に移送するためのものといえる。 したがって、本件訂正発明1が備える「再生処理済ガス流路」と甲2発明が備える「『排気管路36』及び『脱臭ライン92』」は、「除湿装置で吸着剤を再生した後に除湿装置から排出される再生処理済ガスを系外に移送するための」ものである点で一致する。 (サ)予熱器について 甲2発明が備える「アフタクーラ95」(予熱器)は、再生ライン34の再生管路35における「アフタクーラ16」(冷却器)と「再生ヒータ32」(第1の加熱器)との間に設けられていることから、再生管路35における「アフタクーラ95」(予熱器)の位置は、「『アフタクーラ16』と『吸着器23のポート26C』の間」(再生ガス流路)であって、「再生ヒータ32」(第1の加熱器)よりも上流側であり、当該「アフタクーラ95」(予熱器)では、「アフタクーラ16」(冷却器)から流れてくる外気と、脱臭ライン92を流れる排気すなわち「『吸着器23のポート27C』から『再生ライン34の排気管路36』に排出される『再生ガス』」(再生処理済ガス)との間で熱交換が行われ、「アフタクーラ16」(冷却器)から流れてくる外気が昇温することから、甲2発明が備える「アフタクーラ95」(予熱器)は、「再生ガス流路において加熱器よりも上流側に設けられた」ものであり、「再生処理済ガスとの熱交換により、冷却器から排出される外気を予熱するように構成されている」といえる。 したがって、本件訂正発明1が備える「予熱器」と甲2発明が備える「アフタクーラ95」は、「再生ガス流路において加熱器よりも上流側に設けられた」点、及び「再生処理済ガスとの熱交換により、冷却器から排出される外気を予熱するように構成されている」点で一致する。 (シ)合成樹脂成形材料の除湿乾燥システムについて 甲2発明の「粉粒体処理装置1」(除湿乾燥システム)は、「プラスチック製品の原料となる粉粒体」(合成樹脂成形材料)の水分を奪って、乾燥させる装置であるから、「合成樹脂成形材料の除湿乾燥システム」といえる。 したがって、本件訂正発明1と甲2発明は、「合成樹脂成形材料の除湿乾燥システム」である点で一致する。 (ス)一致点及び相違点 前記(ア)~(シ)に照らせば、本件訂正発明1と甲2発明は、 「合成樹脂成形材料を内部に貯留する乾燥ホッパーと、 前記合成樹脂成形材料を乾燥するために前記乾燥ホッパーに供給される乾燥空気を生成する除湿装置と、 前記除湿装置から前記乾燥ホッパーに前記乾燥空気を移送するための乾燥空気流路と、 前記乾燥ホッパーから排出される前記合成樹脂成形材料を乾燥した後の加湿空気を前記除湿装置に移送するための加湿空気流路と、 前記加湿空気流路に設けられ、前記加湿空気を冷却する冷却器と、を備え、 前記除湿装置は、吸着剤を含んでおり、前記加湿空気に含まれる水分を前記吸着剤による吸着により前記加湿空気から除去して前記乾燥空気を生成し、かつ、前記吸着剤が吸着した水分を再生ガスによる脱着により前記吸着剤から除去して前記吸着剤を再生するように構成された、合成樹脂成形材料の除湿乾燥システムであって、 前記冷却器は、外気との熱交換により前記加湿空気を冷却するように構成され、 該除湿乾燥システムは、 前記冷却器から排出される前記加湿空気との熱交換により昇温した前記外気を前記再生ガスとして前記除湿装置に移送するための再生ガス流路と、 前記再生ガス流路に設けられ、前記冷却器から排出される前記外気を加熱する第1の加熱器と、 前記除湿装置で前記吸着剤を再生した後に前記除湿装置から排出される再生処理済ガスを系外に移送するための再生処理済ガス流路と、 前記再生ガス流路において前記第1の加熱器よりも上流側に設けられた予熱器と、 をさらに備え、 前記予熱器は、前記再生処理済ガス流路を流れる前記再生処理済ガスとの熱交換により、前記冷却器から排出される前記外気を予熱するように構成された、除湿乾燥システム。」 である点で一致し、次の点で相違する。 相違点1: 本件訂正発明1は、再生処理済ガス流路における予熱器の上流側に送風機を備えるのに対して、 甲2発明では、「『排気管路36』及び『脱臭ライン92』」には送風機が設けられていない点。 相違点2: 本件訂正発明1は、送風機と予熱器との間から、再生ガス流路の第1の加熱器と予熱器との間に、再生処理済ガス流路を流れる再生処理済ガスの一部を混合するための循環流路を備えるのに対して、 甲2発明は、そのような循環流路を備えていない点。 イ 新規性欠如について 前記ア(ス)で述べたとおり、本件訂正発明1と甲2発明は、相違点1及び相違点2で相違するところ、当該相違点1及び相違点2は実質的な相違点である。 よって、本件訂正発明1は甲2発明ではなく、特許法29条1項3号に該当しない。 ウ 進歩性欠如について 事案に鑑み、相違点2について判断する。 甲2の【0002】~【0007】等の記載からみて、甲2発明が解決しようとする課題は、VOC(揮発性有機化合物)を含む添加剤がプラスチック材料に混合されていると、予備乾燥の工程で、プラスチック材料からVOCが揮発し、臭気を発するだけでなく、通過する管路内に析出して付着し、管路内を汚染することがあるので、従来、プラスチック材料から水分を奪ったエアが流通する乾燥ラインに脱臭装置を設けて、そのエアに含まれるVOCなどの臭気成分を脱臭装置で除去する構成が提案されていたが、乾燥ライン以外にガスが流通するガスラインを備える装置では、その乾燥ライン以外のガスラインからの排気がそのまま外気に放出されるものが多く、環境の悪化が懸念されていることと解される。 そして、甲2の記載からは、甲2発明は、前記課題を解決するために、専ら、再生ライン47からの再生ガスを分解処理した後に排気するガス処理部として機能する触媒ヒータ93及び低温触媒94を、再生ライン47における吸着器23とアフタークーラ16の間に設けるという構成を採用したものであって、当該構成によって、吸着器23の吸着材から水分及び臭気成分を奪った再生ガスは、分解処理された後に排気されることとなり、乾燥ラインの有機成分を有効に除去するとともに、再生ガスが流れる再生ラインからの排気による環境の悪化を抑制することができることを理解することができる。 ここで、甲2発明において、吸着器23のポート27Cからアフタクーラ95までの排気管路36及び脱臭ライン92のいずれかの地点と、アフタクーラ95から再生ヒータ32までの再生管路35のいずれかの地点とをつなぐ循環経路を設け、吸着材から水分及び臭気成分を奪ったままの再生ガス又は分解処理された再生ガスの一部を、アフタクーラ95による分解処理された再生ガスとの間の熱交換により昇温された外気(再生ガス)と混合するように構成した場合、脱臭装置91による分解処理前又は分解後の再生ガスの少なくとも一部が、循環経路の出口から再生ヒータ32までの再生管路35、吸着器23のポート27Cから循環経路の入口までの排気管路36及び脱臭ライン92、並びに循環経路を繰り返し通過することとなって、仮に循環させるのが脱臭装置91による分解処理前の再生ガスであれば、当該再生ガスが繰り返し通過する前述の経路における管路内へのVOCの析出の増加が懸念されるし、循環させるのが脱臭装置91による分解処理後の再生ガスであれば、せっかく外気に排出できるまでに分解処理した再生ガスを分解処理前の再生ガスと混合して、脱臭装置91による分解処理を行うこととなって、処理効率の低下等が懸念される。 そうすると、乾燥ライン以外のガスラインからの排気による環境の悪化を抑制することを課題とする甲2発明において、たとえ甲7技術事項が存在するとしても、当業者は、吸着器23のポート27Cからアフタクーラ95までの排気管路36及び脱臭ライン92のいずれかの地点と、アフタクーラ95から再生ヒータ32までの再生管路35のいずれかの地点とをつなぐ循環経路を設けるような構成の変更を加えることはないというべきである。 以上の点については、申立人が提出した他の証拠方法を検討しても、何ら変わるところはない。 よって、甲2発明において、相違点2に係る本件訂正発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たことでないから、相違点1について検討するまでもなく、本件訂正発明1は、甲2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件訂正発明5、6について 本件訂正後の請求項5、6は、請求項1の記載を引用する形式で記載されたものであって、本件訂正発明5、6は、本件訂正発明1の全発明特定事項を有し、これに限定を加えたものに該当するところ、本件訂正発明1が甲2発明でなく、甲2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでない以上、本件訂正発明5、6も甲2発明でなく、甲2発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものでない。 (3)小括 以上のとおりであるから、取消理由2(新規性・進歩性欠如)によって、本件訂正発明1、5、6に係る特許を取り消すことはできない。 第7 むすび 前記第6 1及び2で述べたとおりであるから、取消理由通知に記載された取消理由によって、本件訂正発明1、5、6に係る特許を取り消すことはできない。 また、請求項2~4は、前記第2で述べたとおり、訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てのうち請求項2~4に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法120条の8第1項で準用する同法135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-701098

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