特許異議申立
2023-700992
照明器具
- 審判番号
- 2023-700992
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-183065
- 登録番号
- 7242230
- 請求日
- 2023年09月20日
- 審決日
- 2024年05月09日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】コイズミ照明株式会社
- 【権利者代理人】前井 宏之
- 【異議申立人】天野井 輝章
- 審判長/審判官
- 審判長 一ノ瀬 覚
- 審判官 北中 忠
- 審判官 中村 則夫
- 分類
- P1651.121-YAA(F21S)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7242230号発明「照明器具」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7242230号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~12〕について訂正することを認める。
特許第7242230号の請求項1~3、5~12に係る特許を維持する。
特許第7242230号の請求項4に係る特許に対する特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7242230号(以下「本件特許」という。)の請求項1~12に係る特許についての出願は、平成30年9月28日に出願され、令和5年3月10日にその特許権の設定登録がされ、令和5年3月20日に特許掲載公報が発行された。
本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和5年 9月20日 :特許異議申立人天野井輝章(以下「申立人」という。)による請求項1~12に係る特許に対する特許異議の申立て
同年12月19日付け:取消理由通知書
令和6年 2月19日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
同年 3月 5日付け:通知書(訂正請求があった旨の通知)
なお、当審が、上記通知書(訂正請求があった旨の通知)において、申立人に期間を指定して意見を求めたところ、申立人から意見等の提出はなかった。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」といい、本件訂正の請求を「本件訂正請求」という。)の内容は、以下のとおりである(当審注:下線は訂正箇所を示す。)。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「前記第1被係合部は、係合孔を含む、」の次の位置に、「前記第1被係合部は、前記装着面よりも突出する凸部を有し、前記凸部は、前記第2保持面とは反対側へ向けて突出し、前記係合孔は、前記凸部に設けられる、」を追加する訂正をする(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2、3、5~12も同様に訂正する)。また、上述の訂正を行うために、特許請求の範囲の請求項1に「前記第1被係合部は、係合孔を含む」と記載されているのを、「前記第1被係合部は、係合孔を含み」に訂正する(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2、3、5~12も同様に訂正する)。
(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5の「請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の照明器具」を「請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の照明器具」に訂正する。
(4) 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6の「請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の照明器具」を「請求項1~請求項3及び請求項5のいずれか1項に記載の照明器具」に訂正する。
(5) 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項7の「請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の照明器具」を「請求項1~請求項3、請求項5及び請求項6のいずれか1項に記載の照明器具」に訂正する。
(6) 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項8の「請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の照明器具」を「請求項1~請求項3、及び請求項5~請求項7のいずれか1項に記載の照明器具」に訂正する。
(7) 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項9の「請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の照明器具」を「請求項1~請求項3、及び請求項5~請求項8のいずれか1項に記載の照明器具」に訂正する。
(8) 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項11の「請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の照明器具」を「請求項1~請求項3、及び請求項5~請求項10のいずれか1項に記載の照明器具」に訂正する。
2 一群の請求項
訂正前の請求項1~12において、請求項2~12は、それぞれ、請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。従って、訂正後の請求項1~12は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1) 訂正事項1について
ア 訂正の目的
(ア) 訂正事項1のうち、「第1被係合部」について「前記第1被係合部は、前記装着面よりも突出する凸部を有し、前記凸部は、前記第2保持面とは反対側へ向けて突出し、」と特定することは、訂正前の「第1被係合部」の構成を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ) 訂正事項1のうち、「係合孔」について「前記係合孔は、前記凸部に設けられる、」と特定することは、訂正前の「係合孔」の構成を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
(ア) 訂正事項1のうち、「前記第1被係合部は、前記装着面よりも突出する凸部を有し、」との特定に関し、願書に添付された明細書及び図面(以下「明細書等」という。)の段落【0166】には「第1被係合部631は、図11(a)及び図11(b)を参照して説明した第1係合部51と係合する。第1被係合部631は、係合孔631h及び凸部631tを有する。」(下線部は当審が付与した。以下同じ。)と、【0168】には「凸部631tは、装着面63sから突出する。詳しくは、凸部631tは、装着面63sから上方へ突出する。より具体的には、凸部631tは、本体シャーシ61の第2保持面61b側に形成された凹部によって構成される。係合孔631hは、凸部631tの頂点に設けられる。本実施形態において、凸部631tは、平面視略円形形状であり、係合孔631hに対して同心円状に形成される。」と記載されている。よって、上記特定は、明細書等に記載されたものである。
(イ) 訂正事項1のうち、「前記凸部は、前記第2保持面とは反対側へ向けて突出し、」との特定に関し、明細書等の段落【0168】には「凸部631tは、装着面63sから突出する。詳しくは、凸部631tは、装着面63sから上方へ突出する。より具体的には、凸部631tは、本体シャーシ61の第2保持面61b側に形成された凹部によって構成される。係合孔631hは、凸部631tの頂点に設けられる。本実施形態において、凸部631tは、平面視略円形形状であり、係合孔631hに対して同心円状に形成される。」と、【0039】には「本体シャーシ61は、第1保持面61a及び第1保持面61aとは反対側の第2保持面61bを有する。第1保持面61aと第2保持面61bとは平行である。本実施形態において、第1保持面61aは、本体シャーシ61の上面を構成し、第2保持面61bは、本体シャーシ61の下面を構成する。」と記載され、【図24】(a)の図示内容から、凸部631tが第2保持面61bとは反対側へ向けて突出していることは明らかである。よって、上記特定は、明細書等に記載されたものである。
(ウ) 訂正事項1のうち、「前記係合孔は、前記凸部に設けられる、」との特定に関し、明細書等の段落【0168】には「凸部631tは、装着面63sから突出する。詳しくは、凸部631tは、装着面63sから上方へ突出する。より具体的には、凸部631tは、本体シャーシ61の第2保持面61b側に形成された凹部によって構成される。係合孔631hは、凸部631tの頂点に設けられる。本実施形態において、凸部631tは、平面視略円形形状であり、係合孔631hに対して同心円状に形成される。」と記載されている。よって、上記特定は、明細書等に記載されたものである。
(エ) したがって、訂正事項1は、明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2) 訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項を追加するものではないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3) 訂正事項3~8について
訂正事項3~8は、訂正事項2による請求項4の削除に伴い、請求項5~9、11において、当該請求項4を引用しないとするものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項を追加するものではないし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
4 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~12〕について訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2で説示したように本件訂正請求は認められるから、本件訂正請求により訂正された訂正後の請求項1~3、5~12に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」・・・「本件発明12」ともいう。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~3、5~12に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源が配置される光源基板と、
前記光源基板を覆い、前記光源から出射される前記光を拡散させる光源カバーと、
電波を受信するアンテナを有する無線通信部と、
前記無線通信部を支持する支持部材と、
前記光源基板と前記支持部材とを保持する保持部材と
を備え、
前記保持部材は、少なくとも保持部材本体を含み、
前記保持部材本体は、金属を材料として含み、
前記保持部材本体は、第1保持面と、前記第1保持面とは反対側の第2保持面とを有し、
前記第1保持面には、前記支持部材が配置され、
前記第2保持面には、前記光源基板が配置され、
前記保持部材は、前記支持部材が装着される装着部を有し、
前記装着部は、装着面を有し、
前記装着面は、前記第1保持面と同一平面であり、
前記支持部材は、対向壁を含み、
前記対向壁は、前記装着面と対向する第1対向面を有し、
前記無線通信部は、前記電波を介した無線通信の動作を制御する通信制御回路を更に有し、
前記支持部材は、壁部と、前記壁部によって構成される収容空間とを有し、
前記壁部は、前記対向壁に接続し、前記第1対向面に交差する方向に延びる周壁を更に含み、
前記支持部材は、前記通信制御回路が前記収容空間に配置されることにより前記無線通信部を支持し、
前記無線通信部は、前記通信制御回路が配置される側の第1被支持面及び前記第1被支持面とは反対側の第2被支持面を含み、
前記壁部は、前記第1対向面と交差する方向に前記対向壁から延びる立壁を更に含み、
前記支持部材は、前記立壁が前記第1被支持面に接触することにより、前記無線通信部を前記第1対向面から離れた位置で支持し、
前記支持部材は、前記装着部と係合する第1係合部を有し、
前記第1係合部は、前記周壁から前記第1対向面に沿って延びる第1延伸部を有し、
前記装着部は、前記第1延伸部と係合する第1被係合部を有し、
前記第1被係合部は、係合孔を含み、
前記第1被係合部は、前記装着面よりも突出する凸部を有し、
前記凸部は、前記第2保持面とは反対側へ向けて突出し、
前記係合孔は、前記凸部に設けられる、照明器具。
【請求項2】
前記光源基板は、
前記無線通信部と対向する第1光源基板と、
前記保持部材本体を挟んで前記無線通信部と対向する第2光源基板と
を含み、
前記第1光源基板及び前記第2光源基板の各々は、第1基板面と、前記第1基板面とは反対側の第2基板面を有し、
前記第1光源基板の前記第2基板面及び前記第2光源基板の前記第2基板面は、前記第2保持面と接触する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
複数の前記光源が前記第1光源基板の前記第1基板面に配置され、
複数の前記光源が前記第2光源基板の前記第1基板面に配置される、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】(削除)
【請求項5】
前記第1係合部は、前記第1延伸部から前記装着面に向けて突出する突起部を有し、
前記突起部は、前記係合孔に嵌る、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記支持部材は、前記装着部と係合する第2係合部を更に有し、
前記第2係合部は、前記周壁から前記第1対向面に沿って延びる第2延伸部を有し、
前記装着部は、前記第2延伸部と係合する第2被係合部を有し、
前記第2被係合部は、前記装着面に沿って設けられる係合溝を含む、請求項1~請求項3及び請求項5のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記無線通信部は、前記第1被支持面と前記第2被支持面とに接続する接触面を更に含み、
前記支持部材は、留め部を更に有し、
前記留め部は、前記対向壁と対向する第2対向面を有し、
前記支持部材は、前記第2対向面が前記第2被支持面と接触し、前記周壁が前記接触面に接触することにより前記無線通信部を支持する、請求項1~請求項3、請求項5及び請求項6のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記周壁は、前記対向壁と接続する側とは反対側の端面を有し、
前記第2被支持面は、前記端面よりも前記対向壁に近い、請求項1~請求項3、及び請求項5~請求項7のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記保持部材は、前記アンテナと対向するアンテナ対向部を更に有し、
前記アンテナ対向部は、前記保持部材本体を貫通する本体貫通孔を含む、請求項1~請求項3、及び請求項5~請求項8のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記支持部材は、前記装着部と係合する第3係合部を更に有し、
前記第3係合部は、前記対向壁から前記周壁が延びる方向とは反対側に突出する突出部を含み、
前記突出部は、前記本体貫通孔に嵌る、請求項9に記載の照明器具。
【請求項11】
前記収容空間は、第1収容空間、及び前記第1収容空間に連通する第2収容空間を有し、
前記第1収容空間には、前記アンテナが収容され、
前記第2収容空間には、前記通信制御回路が収容される、請求項1~請求項3、及び請求項5~請求項10のいずれか1項に記載の照明器具。
【請求項12】
前記アンテナは、前記周壁との間に隙間を形成するように前記第1収容空間に収容される、請求項11に記載の照明器具。」
第4 取消理由通知で通知した取消理由の概要
取消理由通知で通知した取消理由の概要は次のとおりである。
(進歩性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
記 (引用文献については引用文献一覧参照)
・請求項 1~3、5~12
・引用文献 1~6
<引用文献一覧>
引用文献1:特開2017-63010号公報(申立人が提出した甲第1号証)
引用文献2:特開2017-195121号公報(申立人が提出した甲第2号証)
引用文献3:特開2015-220093号公報(申立人が提出した甲第3号証)
引用文献4:特開2018-56011号公報(申立人が提出した甲第4号証)
引用文献5:特開2017-33708号公報(申立人が提出した甲第5号証)
引用文献6:特開2017-37728号公報
第5 引用文献1の記載等
1 引用文献1の認定事項
引用文献1の段落【0060】に「実施の形態2にかかる照明用通信ユニット130は、図35~図49を参照して説明するアンテナ導体625~685が設けられた回路基板620~680を備える点で、実施の形態1にかかる照明用通信ユニット30とは異なっている。」との記載があり、実施の形態2は、当該照明用通信ユニットを除けば、実施の形態1と同様の構成を有するものと認められる。
2 引用発明
実施の形態2に着目すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認める。なお、括弧内は主な参照箇所を示す。また、実施の形態1と共通する構成については、実施の形態1の用語、符号を用いた。
「発光する固体発光素子15と、(段落【0048】)
前記固体発光素子15が実装される光源基板14と、(段落【0048】)
前記光源基板14を覆う光源カバー12と、(段落【0048】)
電波を受信するアンテナ導体625を有する回路基板620と、(段落【0065】)
前記回路基板620を置き、脚部334を備えるボトムケース630と、(段落【0063】、【0065】)
前記光源基板14が取り付けられ、前記ボトムケース630を嵌め込み固定する取付部材120と(段落【0028】、【0047】)
を備え、
前記取付部材120は、底板部21を含み、(段落【0061】)
前記底板部21は、板金を材料として含み、(段落【0044】)
前記底板部21は、裏面21bと、前記裏面21bとは反対側の表面21aと
を有し、(段落【0061】)
前記裏面21bには、前記脚部334を備える前記ボトムケース630が配置され、(段落【0036】、【0063】、【図34】)
前記表面21aには、前記光源基板14が配置され、(段落【0066】、【図34】)
前記取付部材120は、前記ボトムケース630が装着され、(【図34】)
前記取付部材120は、前記裏面21bを有し、(段落【0036】、【図34】)
前記ボトムケース630は、下面630aを構成する部分を含み、(段落【0063】、【図32】)
前記ボトムケース630の前記下面630aを構成する部分は、前記裏面21bと対向する前記下面630aを有し、(段落【0036】、【図34】)
前記回路基板620は、前記電波を介した無線通信の動作を制御する無線通信回路モジュール322を更に有し、(段落【0041】)
前記ボトムケース630は、前記下面630aを構成する部分及び側壁3302と、前記下面630aを構成する部分及び前記側壁3302によって構成される収納空間とを有し、(段落【0063】、【図32】)
前記側壁3302は、前記下面630aを構成する部分に接続し、前記下面630aに交差する方向に延び、(段落【0063】、【図32】)
前記ボトムケース630は、前記無線通信回路モジュール322が前記収納空間に配置されることにより前記回路基板620を置き、(段落【0063】、【図32】)
前記回路基板620は、前記無線通信回路モジュール322が配置される側の基板裏面321b及び基板裏面321bとは反対側の基板表面321aを含み、(段落【0041】、【0064】、【0067】、【図33】)
前記ボトムケース630は、前記回路基板620を前記下面630aから離れた位置で置き、(【図33】)
前記ボトムケース630は、前記取付部材120と係合する嵌合ツメ333を有し、(段落【0034】、【0045】~【0047】、【0057】、【図33】)
嵌合ツメ333は、前記側壁3302から前記下面630aに沿って延び、(段落【0034】、【0045】~【0047】、【図33】)
前記取付部材120は、前記嵌合ツメ333と係合する嵌合凹部22aを有する、(段落【0034】、【0045】~【0047】、【0057】、【図33】)
照明器具1。(段落【0060】)」
第6 当審の判断
1 本件発明1の進歩性について
(1) 本件発明1と引用発明との相違点
本件発明1と引用発明とを対比すると、両者は少なくとも次の点で相違する。
[相違点]
第1延伸部と係合する第1被係合部に関して、本件発明1は、「前記第1被係合部は、係合孔を含み、前記第1被係合部は、前記装着面よりも突出する凸部を有し、前記凸部は、前記第2保持面とは反対側へ向けて突出し、前記係合孔は、前記凸部に設けられる」のに対して、引用発明は、嵌合ツメ333と係合する嵌合凹部22aが係合孔も凸部も有していない点。
(2) 相違点についての判断
引用文献1の段落【0057】には、嵌合ツメ333と嵌合凹部22aによる係合の例に加え、「図示しないが、ケース嵌合部をピン状突起とし、器具嵌合部に設けた穴にきつく差し込むようにする固定構造でもかまわない」と記載されているものの、上記相違点に係る、取付部材120に凸部を設け、嵌合凹部22aから代えた穴をその凸部に設ける構成までは開示されていない。また、申立人が提出したいずれの証拠にも、上記相違点に係る本件発明1の構成は、記載も示唆もされていない。したがって、引用発明において、相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことでない。
(3) 小括
よって、その余の点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 本件発明2、3、5~12の進歩性について
本件発明2、3、5~12は、本件発明1の発明特定事項を全て含む発明であるから、上記1と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由並びに特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及び証拠によっては、請求項1~3、5~12に係る特許を取り消すことはできない。さらに、他に請求項1~3、5~12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、請求項4は、本件訂正により削除されたため、請求項4に係る特許についての申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったので、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-700992