特許異議申立
2023-700656
衣類処理装置
- 審判番号
- 2023-700656
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-037530
- 登録番号
- 7198117
- 請求日
- 2023年06月21日
- 審決日
- 2024年10月09日
- 公報発行日
- 2025年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】東芝ライフスタイル株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人サトー
- 【異議申立人】本田 史樹
- 審判長/審判官
- 審判長 柿崎 拓
- 審判官 北村 英隆
- 審判官 米倉 秀明
- 分類
- P1651.113-YAA(D06F) / P1651.121-YAA(D06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7198117号発明「衣類処理装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7198117号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕について訂正することを認める。
特許第7198117号の請求項1~3、5~7に係る特許を維持する。
特許第7198117号の請求項4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続等の経緯
特許第7198117号の請求項1~7に係る特許(以下、それぞれ「本件特許1」~「本件特許7」といい、総称して「本件特許」という。)についての出願は、平成31年3月1日の出願であって、令和4年12月20日に特許権の設定がされたものである。
本件特許について、令和4年12月28日に特許掲載公報が発行されたところ、発行の日から6月以内である令和5年6月21日に、本件特許1~7に対し、特許異議申立人本田史樹(以下「異議申立人」という。)から、特許異議の申立てがされた。
特許異議の申立ての、その後の手続等の概要は以下のとおりである。
令和5年11月13日付け 取消理由通知書
令和6年 1月15日 意見書(特許権者)及び訂正請求書の提出
令和6年 2月16日付け 通知書(訂正請求があった旨の通知)
令和6年 3月18日 意見書(異議申立人)
令和6年 6月 5日付け 取消理由通知書
令和6年 7月19日 意見書(特許権者)及び訂正請求書の提出
なお、令和6年1月15日にされた訂正の請求は、その後、令和6年7月19日に訂正の請求がされたことにより、取り下げられたものとみなされる(特許法第120条の5第7項)。
第2 本件訂正の適否
1 本件訂正の内容
「特許第7198117号の明細書、特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~7について訂正することを求める。」というものであって、その訂正の内容は、以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記衣類処理槽、前記タンク、前記自動投入部、前記手動投入部は、前記筐体内に設けられており、前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、前記手動投入部は、前記タンクの下面よりも低い位置に設けられている衣類処理装置。」とあるのを、「前記衣類処理槽、前記タンク、前記自動投入部、前記手動投入部、前記タンクが収容されるタンク収容部は、前記筐体内に設けられており、前記タンク収容部の上部から前記タンクが着脱可能であり、前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、前記手動投入部は、前記タンクの下面よりも低い位置に設けられており、前記タンクの前方に電装部品を備える衣類処理装置。」に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に「前記電装部品として、前記タンク内の衣類処理剤の残量を検知する残量検知手段を備える請求項4に記載の衣類処理装置。」とあるのを、「前記電装部品として、前記タンク内の衣類処理剤の残量を検知する残量検知手段を備える請求項1に記載の衣類処理装置。」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6に「前記自動投入部は、前記タンク内の衣類処理剤を、前記手動投入部を経由して前記衣類処理槽内に投入する請求項1から5の何れか1項に記載の衣類処理装置。」とあるのを、「前記自動投入部は、前記タンク内の衣類処理剤を、前記手動投入部を経由して前記衣類処理槽内に投入する請求項1から3,5の何れか1項に記載の衣類処理装置。」に訂正する。
(5)訂正事項5
本件明細書の段落【0006】を以下の通り訂正する。
「本実施形態に係る衣類処理装置は、外郭を構成する筐体と、衣類を収容する衣類処理槽と、衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンクと、前記タンクに貯留されている衣類処理剤を前記衣類処理槽内に投入する自動投入部と、使用者による手動により衣類処理剤が投入される手動投入部と、を備えている。前記衣類処理槽、前記タンク、前記自動投入部、前記手動投入部、前記タンクが収容されるタンク収容部は、前記筐体内に設けられており、前記タンク収容部の上部から前記タンクが着脱可能であり、前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、前記手動投入部は、前記タンクの下面よりも低い位置に設けられており、前記タンクの前方に電装部品を備える。」
2 本件訂正の適否について
(1)訂正事項1による訂正について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1における発明特定事項である「前記衣類処理槽、前記タンク、前記自動投入部、前記手動投入部は、前記筐体内に設けられており、前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、前記手動投入部は、前記タンクの下面よりも低い位置に設けられている衣類処理装置。」を「前記衣類処理槽、前記タンク、前記自動投入部、前記手動投入部前記タンクが収容されるタンク収容部は、前記筐体内に設けられており、前記タンク収容部の上部から前記タンクが着脱可能であり、前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、前記手動投入部は、前記タンクの下面よりも低い位置に設けられており、前記タンクの前方に電装部品を備える衣類処理装置。」に限定するものである。
よって、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、上記アのとおり、発明特定事項を限定するものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の追加の有無
訂正事項1における「前記タンクが収容されるタンク収容部」という事項、「前記タンク収容部の上部から前記タンクが着脱可能であり」という事項については、願書に添付した明細書の段落【0014】に記載された事項であり、また、「前記タンクの前方に電装部品を備える」という事項は、願書に添付した特許請求の範囲の請求項4に記載された事項である。
そうすると、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(2)訂正事項2による訂正について
ア 訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の請求項4を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の追加の有無
訂正事項2は、請求項を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、新規事項を追加するものではないことは、明らかである。
(3)訂正事項3による訂正について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、訂正前の請求項5における発明特定事項である「前記電装部品として、前記タンク内の衣類処理剤の残量を検知する残量検知手段を備える請求項4に記載の衣類処理装置。」を「前記電装部品として、前記タンク内の衣類処理剤の残量を検知する残量検知手段を備える請求項1に記載の衣類処理装置。」とするものであり、訂正事項2に係る訂正に伴い引用関係の整合をとるものである。
よって、訂正事項3は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明をするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の追加の有無
訂正事項3は、訂正事項2に係る訂正に伴い引用関係の整合をとるものであるから、本件明細書等の関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(4)訂正事項4による訂正について
ア 訂正の目的
訂正事項4は、訂正前の請求項6に「請求項1から5の何れか1項に記載の衣類処理装置。」とあるのを「請求項1から3、5の何れか1項に記載の衣類処理装置。」とするものであり、訂正事項2に係る訂正に伴い発生する引用関係の不整合の解消を図るために行うものである。よって、訂正事項4は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項4は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明をするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の追加の有無
訂正事項4は、訂正事項2に係る訂正に伴い引用関係の整合をとるものであるから、本件明細書等の関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(5)訂正事項5による訂正について
ア 訂正の目的
訂正事項5は、訂正事項1に係る訂正に伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合をとるために明細書の記載を訂正するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項5は、上記アのとおり、明瞭でない記載の釈明をするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 新規事項の追加の有無
訂正事項5は、上記アのとおり、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合をとるものであるから、本件明細書等の関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(6)独立特許要件について
本件においては、本件訂正前の請求項1~7について特許異議の申立てがされているので、本件訂正後の請求項1~7に係る発明に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
(7)一群の請求項について
本件訂正前の請求項2~7は、請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する関係であるから、請求項1~7は、一群の請求項である。そして、本件訂正は、請求項1~7について訂正することを求めるものであるから、特許法第120条の5第4項で規定する一群の請求項ごとに訂正の請求をするものである。
(8)以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、本件訂正後の請求項〔1~7〕について訂正することを認める。
第3 本件発明
本件訂正後の請求項1~7に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明7」といい、総称して「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
外郭を構成する筐体と、
衣類を収容する衣類処理槽と、
衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンクと、
前記タンクに貯留されている衣類処理剤を前記衣類処理槽内に投入する自動投入部と、
使用者による手動により衣類処理剤が投入される手動投入部と、
を備え、
前記衣類処理槽、前記タンク、前記自動投入部、前記手動投入部、前記タンクが収容されるタンク収容部は、前記筐体内に設けられており、
前記タンク収容部の上部から前記タンクが着脱可能であり、
前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、
前記手動投入部は、前記タンクの下面よりも低い位置に設けられており、
前記タンクの前方に電装部品を備える衣類処理装置。
【請求項2】
前記手動投入部は、前記タンクの下方に並設されている請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記タンクと前記手動投入部との間に、前記手動投入部に水を注ぐ注水経路を備える請求項1または2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】(削除)
【請求項5】
前記電装部品として、前記タンク内の衣類処理剤の残量を検知する残量検知手段を備える請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記自動投入部は、前記タンク内の衣類処理剤を、前記手動投入部を経由して前記衣類処理槽内に投入する請求項1から3、5の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記自動投入部は、前記タンク内の衣類処理剤を前記手動投入部に供給する供給口を備え、
前記供給口は、前記手動投入部の底面に近接している請求項6に記載の衣類処理装置。」
第4 取消理由通知に記載した取消理由について
当審が令和6年6月5日付けで特許権者に通知した取消理由は、請求項6に「・・・請求項1から3、5、6の何れか1項に記載の衣類処理装置。」と記載されているため、請求項6を引用する請求項6についての発明は明確でなく、本件特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないというものであるが、本件訂正により、請求項6の記載が「・・・請求項1から3、5の何れか1項に記載の衣類処理装置。」に訂正されたから、この取消理由は解消された。
本件訂正前の請求項1~7に係る特許に対して、当審が令和5年11月13日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
1 理由1-1(進歩性)
(1)本件発明1乃至4は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第1号証に記載された発明に基いて、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許1乃至4は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(2)本件発明5乃至7は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第1号証に記載された発明及び周知技術(甲4号証及び甲6号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許5乃至7は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
2 理由1-2(進歩性)
(1)本件発明1及び2は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許1及び2は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(2)本件発明3は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第2号証に記載された発明及び甲1号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許3は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(3)本件発明4は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第2号証に記載された発明、甲1号証に記載された発明及び甲第5号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許4は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(4)本件発明5は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第2号証に記載された発明、甲第1号証に記載された発明、甲第5号証に記載された発明及び甲第6号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許5は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(5)本件発明6及び7は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第2号証に記載された発明、甲第1号証に記載された発明、甲第5号証に記載された発明、甲第6号証に記載された発明、甲第3号証に記載された発明及び甲第4号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許6及び7は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
<甲号証一覧>
甲第1号証:韓国公開特許第10-2007-0090399号公報
甲第2号証:米国特許出願公開第2013/0175293号明細書
甲第3号証:米国特許出願公開第2009/0293556号明細書
甲第4号証:特開2016-067810号公報
甲第5号証:特開2004-313234号公報
甲第6号証:特開2006-334204号公報
以下、甲第1号証~甲第6号証を、甲1~甲6という。
なお、令和6年3月18日付け意見書において以下の甲号証が追加された。
甲第7号証:特開2018-11618号公報
甲第8号証:韓国10-2013-0025673号公報
甲第9号証:米国特許出願公開第2017/0342635号明細書
甲第10号証:韓国10-2006-0128397号公報
甲第11号証:米国特許出願公開第2016/0273150号明細書
以下、甲第7号証~甲第11号証を、甲7~甲11という。
第5 甲各号証
1 甲各号証の記載
(1)甲1について(訳文は当審による。)
ア 甲1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審にて付与した。以下同様。)。
(ア)(段落47)
「本実施例による自動洗剤投入機を有する洗濯機は、図1及び図2に図示されたように、外見を形成して布出入口(2)が形成されたキャビネット(10)と、前記キャビネット(10)の内部に設置されて洗濯水が入れられるタブ(14)と、前記タブ(14)の内部に回転可能に配置されて洗濯物が収容されるドラム(20)と、前記ドラム(20)を回転駆動させるモーター(30)と、前記タブ(14)に連結された給水装置(40)と、前記タブ(14)内の洗濯水を排水する排水装置(50)と、洗剤を自動で投入する自動洗剤投入機(60)を含んで構成される。」
(イ)「【図1】
[図:0001418200000001.jpg]
【図2】
[図:0001418200000002.jpg]
」
(ウ)(段落59)
「前記自動洗剤投入機(60)は前記キャビネット(10)の内部に設置されることも可能で、前記キャビネット(10)の前面に設置されることも可能であり、前記キャビネット(10)の上面に設置されることも可能であり、以下洗剤の投入が容易なようにキャビネット(10)の上面に設置されたことに限定して説明する。」
(エ)(段落63)
「図3及び図4に図示された自動洗剤投入機(60)は、洗剤が入れられて片側に洗剤排出口(62)が形成された洗剤カップ(64)と;前記洗剤カップ(64)の洗剤排出口(62)で落下された洗剤が入れられて洗剤排出口(80)が形成された洗剤筒(70:以下自動洗剤容器と称す)と;前記自動洗剤容器(70)に落下された洗剤を前記自動洗剤容器(70)の洗剤排出口(66)(当審注:(80)の誤記と思われる)で供給するように前記自動洗剤容器(70)に回転可能に配置されたローター(90)と;前記ローター(90)を回転させるローター回転機構(100)を含んで構成される。」
(オ)「【図3】
[図:0001418200000003.jpg]
【図4】
[図:0001418200000004.jpg]
」
(カ)(段落80)
「前記ケーシング(110)は、前記洗剤カップ(64)の上部、すなわち上面部に洗剤が投入される投入口(112)が形成される。」(キ)(段落83)
「前記自動洗剤投入機(60)は前記操作部(120)の操作によって前記ローター回転機構(110)を制御する制御部(130)をさらに含んで構成される。」
(ク)(段落85-86)
「自動洗剤投入器(60)は、洗剤排出口(80)に排出される洗剤をガイドする洗剤ガイド部材(140)が更に含んで構成され、洗剤ガイド部材(140)は、下端が、手動洗剤箱(42)に接続され」
(ケ)(段落96)
「前記上部筒(72)に積もっていた洗剤特に、前記開口部(71)の上側に積もっていた洗剤は前記開口部(71)の下側の空間に落下されて複数個のブレードの中で他の一つ(94)とまた他の一つ(95)の間に満たされて、前記のような洗剤の移動及び満たされることが続きながら前記自動洗剤容器(70)に入れられた洗剤は前記洗剤収容空間(S)のおおよそ2倍程度が前記自動洗剤容器(70)特に、下部筒(80)の洗剤排出口(82)で排出される。」
(コ)(段落97)
「前記下部筒(80)の排出口(82)で排出された洗剤は前記洗剤案内部材(140)を通過して前記給水装置(40)特に、手動洗剤箱(42)に案内され、手動洗剤箱(42)に供給される。」
(サ)(段落105)
「前記手動洗剤箱(42)で洗剤と混合した水は前記洗剤箱ハウジング(41)と給水ベローズ(47)を順に通過した後、前記タブ(14)の内側下部に入れられて、以後洗濯工程の時洗濯物を洗浄させる。」
(シ)上記(エ)、(ケ)~(サ)を参照すると、洗剤カップ(64)に入れられている洗剤を、その後、タブ(14)に入れ、最終的にドラム(20)へと投入することとなる、自動洗剤容器(70)の構成が看て取れる。
(ス)図4において、洗剤カップ(64)および手動洗剤箱(42)は、キャビネット(10)の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、手動洗剤箱(42)は、洗剤カップ(64)の下面よりも低い位置に設けられることが看て取れる。
(セ)上記(キ)には、自動洗剤投入器(60)は、制御部(130)を有することが記載されており、また、図4において、洗剤カップ(64)の前方に制御部(130)を備えることが看て取れる。
イ 甲1に記載された発明
以上、ア(ア)~(セ)の記載から、甲1には以下の発明(以下、「甲1発明」という)が記載されていると認められる。
(甲1発明)
「キャビネット(10)と、
洗濯物が収容されるドラム(20)と、
洗剤が入れられて片側に洗剤排出口(62)が形成された洗剤カップ(64)と
洗剤カップ(64)に入れられている洗剤を最終的にドラム(20)へと投入する自動洗剤容器(70)と、
手動洗剤箱(42)と、
を備え、
前記ドラム(20)、手動洗剤箱(42)は、前記キャビネット(10)内に設けられており、前記洗剤カップ(64)、前記自動洗剤容器(70)、前記洗剤カップ(64)が収容される自動洗剤投入機(60)は、前記キャビネット(10)上に設けられており
前記洗剤カップ(64)及び前記手動洗剤箱(42)は、キャビネット(10)の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、
前記手動洗剤箱(42)は、前記洗剤カップ(64)の下面よりも低い位置に設けられており、
前記洗剤カップ(64)の前方に制御部(130)を備える洗濯機。」
(2)甲2について(訳文は当審による。)
ア 甲2には、図面とともに次の事項が記載されている。
(ア)「このように、物質と接触する可能性をユーザに要求することなく、洗濯機の中に適当な時間に特定の物質の適切な量を分与するシステムに対する切実な必要性が存在している。さらに、洗浄サイクル中の適切な時間に洗濯機に複数の物質を自動的に分配するシステムが必要である。」(段落[0006])
(イ)「複数の、好ましくは、異なるサイズまたは形状のカートリッジが洗濯機に取り外し可能な引き出し内に配置されている。また、カートリッジには、既存の洗濯機に購入し、後から取り付けることができるスタンドアロンのユニットに格納することができる。」(段落[0007])
(ウ)「ポンプがカートリッジから物質を吸引し、洗濯機の洗濯槽に流入させる。」(段落[0007])
(エ)「カートリッジ20は、洗濯機90の上に配置された分配システム10に組み込まれている。分配システム10は、ヒンジにより接続されるカバー11を有している。」(段落[0029])
(オ)「分配システム10は、洗剤カートリッジ20、生地柔軟剤カートリッジ21、漂白剤カートリッジ22のようなカートリッジを受け入れる。」(段落[0029])
(カ)「それぞれのカートリッジからの流体は、送達チューブ35を通って分配チューブ37に分注され、分配チューブ37は、洗濯機の洗浄物質引き出し91の適切な領域に流体を収容させる。洗浄物質引き出し91は、洗剤領域91(当審注:図2の符号92を指すものと推認される)、生地柔軟剤領域93、および漂白剤領域94を有することができる。」(段落[0031])
(キ)「さらに、重力または圧縮ポンプは、カートリッジに収容される流体物質を移動させるために用いることができる。」(段落[0052])
(ク)図1から、洗濯機90が外郭を構成する筐体を有することが看て取れる。
(ケ)図1から、洗濯槽、洗浄物質引き出し91が、筐体内に設けられていることが看て取れる。
(コ)図1には、洗濯機の上方に、カートリッジ20が設置される設置部が示されている。
(サ)上記(ウ)、(カ)及び(キ)からみて、それぞれのカートリッジからの流体は、圧縮ポンプにより送達チューブ35から分配チューブ37を通って洗濯機の洗浄物質引き出し91に収容され、洗濯槽に流入する構成となっているといえる。
(シ)図1には、カートリッジ20及び洗浄物質引き出し91が、筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されていることが示されており、洗浄物質引き出し91がカートリッジ20の下面よりも低い位置に設けられていることが看て取れる。
(ス)上記(イ)及び図1より、「カートリッジ20」は、「カートリッジ20が設置される設置部」の上部から着脱できることが看て取れる。
(セ)「【図1】、【図3】
[図:0001418200000005.jpg]
【図2】
[図:0001418200000006.jpg]
」
イ 甲2に記載された発明
以上、ア(ア)~(セ)の記載から、甲2には以下の発明(以下、「甲2発明」という)が記載されていると認められる。
(甲2発明)
「外郭を構成する筺体と、
洗濯槽と、
カートリッジ20と、
圧縮ポンプ、送達チューブ35及び分配チューブ37と、
洗浄物質引き出し91と、
を備え、
洗濯槽、洗浄物質引き出し91が筐体内に設けられており、
洗濯機の上方には、カートリッジ20が設置される設置部が設けられており、
カートリッジ20は、カートリッジ20が設置される設置部の上部から着脱でき、
カートリッジ20及び洗浄物質引き出し91は、筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、
洗浄物質引き出し91は、カートリッジ20の下面よりも低い位置に設けられる、
洗濯機90。」
(3)甲3について
ア 甲3には、図面とともに次の事項が記載されている。
(ア)「洗剤入口194と洗剤混合部186との間には、洗剤ボトル200から所定量の液体洗剤が洗剤混合部186に供給されるように補助混合部191が設けられる。補助混合部191の容量は、150cc未満であることが好ましい。補助混合部191は、液体洗剤を洗剤混合部186に向けて流す洗剤流出口195を有する。」(段落[0055])
(イ)「【図7】
[図:0001418200000007.jpg]
」
(4)甲4について
ア 甲4には、図面と共に次の事項が記載されている。
「ケース57内の後寄り部分には、液体洗剤を収容(貯留)する液体洗剤収容部としてのタンク61が設けられ、このタンク61の下端部(出口部)からU字状に延びるように洗剤供給路62が設けられている。洗剤供給路62の途中部には開閉弁63が設けられていると共に、洗剤供給路62の先端部は前記アスピレータ27の吸込部27cに接続されている。前記洗剤供給路62には、液体洗剤の有無を検知するための洗剤検知センサ37が設けられている。」(段落【0052】)
(5)甲5について
ア 甲5には、図面と共に次の事項が記載されている。
(ア)「上記構成において動作を説明する。洗剤タンク16内に液体洗剤15を収容し、この洗剤タンク16を上部枠体20内に取り付けておき、洗濯兼脱水槽1内に洗濯物を投入し、運転を開始すると、洗濯兼脱水槽1内に投入された衣類等の洗濯物の量に適した水量を給水弁11から給水経路12を通して外槽3に給水すると同時に、制御装置10は洗剤投入装置19を駆動し、洗剤タンク16内の液体洗剤15を洗濯兼脱水槽1内に所定の量だけ投入する。その後、制御装置10によりモータ4、給水弁11などの動作を制御し、洗濯物を洗濯した後、すすぎ、脱水する。」(段落【0026】)
(イ)「【図1】
[図:0001418200000008.jpg]
」
(6)甲6について
ア 甲6には、図面と共に次の事項が記載されている。
「46は、容器40内に設けたサーミスタ44と、電子回路45からなり、容器40内の液体洗剤41の液位が所定量、本実施の形態においては、容器40の底から15mmの高さまで達しているか否かを検知する液位検知手段である。」(段落【0023】)
(7)甲7について
ア 甲7には、図面と共に次の事項が記載されている。
(ア)「洗濯機本体4の上面には、詳細は後述する洗濯処理液自動投入手段30が設けられ、そ の上面には開閉式のタンク蓋体31が設けられている。」(【0025】)
(イ)「タンク蓋体31を開いた状態においては、タンク蓋体31を開いた開口から洗剤タンク32と柔軟剤タンク33とを上方に引き抜くことができ、また再度セットすることができる。」(【0026】)
(ウ)「
[図:0001418200000009.jpg]
」
(8)甲8について
ア 甲8には、図面と共に次の事項が記載されている(訳文は令和6年3月18日提出の意見書による。)。
(ア)「図2ないし図3を参照すると、本実施例による洗濯装置は外見を形成する上板(112)、前面カバー(114)と側面カバー(115)などで成り立ったキャビネット(110)と、キャビネット(110)内部に具備されて洗濯水を保存するタブ(120)と、タブ(120)内部に回転可能に装着されるドラム(130)と、ドラム(130)を駆動する駆動を提供するモーター(140)及びタブ(120)を緩衝可能に支持するスプリング(未図示)及びダンパ(122)などを含む。」(段落0039)
(イ)「キャビネット(110)の前面上部には洗濯ないし乾燥などの行程を実行する特定コースを入力するコントロールパネル(116)が設置される。」(段落0040)
(ウ)「図4ないし図5を参照すると、本発明による洗浄ディスペンサー(200)はキャビネット(110)の上板(112)の下部に設置されて、供給される液状洗剤及び溶解された粉末洗剤が移動される経路を形成する筐体形状のディスペンサーハウジング(210)と、ディスペンサーハウジング(210)着脱可能に着座されて液状洗剤、粉末洗剤、柔軟剤、補助洗剤などが投入される洗剤投入トレー(220)及び洗剤投入トレー(220)にスライド可能に装着されて液状洗剤が投入される液状洗剤タンク(240)を具備する。」(段落0051)
(エ)「柔軟剤タンク(260)は柔軟剤投入部(250)の上層方向に分離可能に設けられている。」(段落0068)
(オ)「補助洗剤タンク(280)は補助洗剤投入部(270)の上層方向に分離可能に設けられる。」(段落0071)
(9)甲9について
ア 甲9には、図面と共に次の事項が記載されている(訳文は令和6年3月18日提出の意見書による。)。
(ア)「図1、2に示されるように、ドラム式洗濯機1は、洗剤や柔軟剤等の液体添加剤を貯留可能な液体添加剤供給装置10を備えている。液体添加剤供給装置10は、洗濯機1の前部上部されてもよい。液体添加剤供給装置、カバーを用いて選択的に開閉可能である。」(段落0025)
(イ)「液体添加剤供給装置またはリザーバ10は、洗濯物を洗濯するために使用される液体添加剤を保持することができる。液体添加剤は、水と混合されてドラム5に供給されてもよい。いくつかの実施形態によれば、複数の液体添加剤供給装置が洗濯機1内に配置される。例えば、液体添加剤供給装置10は、液体液剤、粉末洗剤、及び柔軟剤を別々に保管するための区画に分割されてもよい。」(段落0031)
(ウ)「リザーバタンク100は、洗剤や柔軟剤などの液体添加剤を貯蔵するために、洗剤ディスペンサ70の内部空間71内に取り外し可能に配置され得る。」(段落0034)
(エ)「洗濯機1を使用する場合、使用者は洗濯物を洗濯機1に投入し、液体添加剤の種類を選択して選択を開始する。液体添加剤が選択されて選択動作が開始されると(例えば、洗濯機1の外面に設けられた選択キーの操作により)、槽に水が供給される際にポンプ(例えば、吸引ポンプ)が駆動される。これにより、リザーバタンク100に貯留された液体添加剤がタブ5に供給される。」(段落0039)
(オ)「
[図:0001418200000010.jpg]
」
(10)甲10について
ア 甲10には、図面と共に次の事項が記載されている(訳文は令和6年3月18日提出の意見書による。)。
(ア)「図1と図2を参照すると、本発明の望ましい実施例によるドラム洗濯機(A)はキャビネット(10)と、キャビネット(10)の上部に設置される天板(16)と、キャビネット(10)の前面に設置されるフロントカバー(20)で外見を成す。外見を成すキャビネット(10)の内部には洗濯水が収容されるタブ(30)が設置されて、タブ(30)の内部には洗濯空間を提供するドラム(36)が回転可能に設置されて、タブ(30)の内部には洗濯空間を提供するドラム(36)が回転可能に設置されて、タブ(30)の下段にはドラム(36)を回転させる駆動モータ(40)が設置される。天板(16)の上面には開口部(17)が長手方向に形成開口部(17)には後述する洗剤カバー(57)が回動可能に結合される。図2と図3を参照すると、天板(16)の下部には洗剤が投入保存される洗剤ボックス(50)が設置される。」(段落0018~0021)
(イ)「洗剤ボックス(50)は四角形状に形成内部には収納室(51)が提供される。収納室(51)には洗濯のための洗剤が保管される。」(段落0022)
(ウ)「前カバー(20)上部には各種洗濯情報を使用者に提供することと合わせて使用者の操作を誘導するように多数のボタンが具備されたコントロールパネル(26)が設置されて、前方にはドア(46)が開閉可能に設置される。」(段落0024)
(エ)「キャビネットの上部に結合されて、開口部が形成された天板と、前記天板の下部に設置されて、内部に収納室が提供されて、上面には洗剤投入口が形成されて、片側上端部には吸水口が形成されて、底面には洗剤排出口が形成された洗剤ボックスと、前記天板の開口部に回動可能に結合されて、前記洗剤ボックスの洗剤投入口を洗剤カバーと、前記吸水口と冷却水の供給を制御する給水弁に連結されて冷却水を前記洗剤ボックスの収納室に案内するための給水ホース前記洗剤排出口に連結されて冷却水の洗剤の混合によって溶解された洗剤液をドラム内部に供給するための洗剤液供給ホースを含むことを特徴とする、洗濯機の洗剤自動投入装置。」(請求項1)
(11)甲11について
ア 甲11には、図面と共に次の事項が記載されている(訳文は令和6年3月18日提出の意見書による。)。
(ア)好ましくは実質的に円筒形のベルの中空洗濯槽3は、ケーシング内部に配置され、その開口部または口が、ケーシング2の前壁4に形成された開口部(図示せず)を介して洗濯物を出し入れする方向に直接面している。」(段落0049)
(イ)「図1~図4に示すように、洗濯機1はさらに、洗濯物の搬入出開口部の上方で、ケーシング2の上部ワークトップまたは上壁9の下方の前壁4に、好ましくは手動で引き抜き可能な方法で取り付け/挿入される引き出し上支持構造を備える。機器制御パネル8は、引き出し支持構造16の前面側に組み込まれているが、自動投入洗剤ディスペンサ10は、機器制御パネル8の後方で、この引き出し状支持構造16内に少なくとも部分的に位置/収容されている。」(段落0066)
(ウ)「図5を参照して、自動投入洗剤ディスペンサ10のさらなる実施形態によれば、洗剤リザーバ18は、手動で取り外し可能な方法で引き出し状の支持構造16内に収容される。好ましくは、この実施形態では、自動投入洗剤ディスペンサ10の各電動洗剤供給ポンプ24は、さらに、対応する洗剤リザーバ18とともに引き出し状支持構造16から手動で取り外し可能であるように、対応する洗剤リザーバ18に収容または組み込まれる。」(段落0117)
(エ)「
[図:0001418200000011.jpg]
」
第6 当審の判断
1 理由1(進歩性)について
(1)本件発明1について
ア 本件発明1と甲1発明の対比
(ア)甲1発明の「キャビネット(10)」、「洗濯物が収容されるドラム(20)」、「洗剤が入れられて片側に洗剤排出口(62)が形成された洗剤カップ(64)」及び「前記洗剤カップ(64)が収容される自動洗剤投入機(60)」は、それぞれ本件発明1の「外郭を構成する筐体」、「衣類を収容する衣類処理槽」、「衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンク」及び「前記タンクが収容されるタンク収容部」に相当する。
(イ)甲1発明における、洗剤カップ(64)に入れられている洗剤を最終的にドラム(20)へと投入する構成を備える「自動洗剤容器(70)」は、本件発明1の、「タンクに貯留されている衣類処理剤を前記衣類処理槽内に投入する自動投入部」に相当する。
(ウ)甲1発明の「手動洗剤箱(42)」は、本件発明1の「使用者による手動により衣類処理剤が投入される手動投入部」に相当する。
(エ)甲1発明の「前記ドラム(20)及び手動洗剤箱(42)は、前記キャビネット(10)内に設けられ」ている構成は、本件発明1の「前記衣類処理槽、前記手動投入部は、前記筐体内に設けられ」る構成に限って相当する。
(オ)甲1発明における、「前記洗剤カップ(64)及び前記手動洗剤箱(42)は、キャビネット(10)の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置」されている構成は、本件発明1の「前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置」される構成に相当する。
また、甲1発明の「前記手動洗剤箱(42)は、前記洗剤カップ(64)の下面よりも低い位置に設けられている」構成は、本件発明1の「前記手動投入部は、前記タンクの下面よりも低い位置」に設けられる構成に相当する。
(カ)甲1発明における「前記洗浄カップ(64)の前方に制御部(130)を備える洗濯機」は、本件発明1の「前記タンクの前方に電装部品を備える衣類処理装置」に相当する。
そうしてみると、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は以下のとおりである。
(一致点)
「外郭を構成する筐体と、
衣類を収容する衣類処理槽と、
衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンクと、
前記タンクに貯留されている衣類処理剤を前記衣類処理槽内に投入する自動投入部と、
使用者による手動により衣類処理剤が投入される手動投入部と、
を備え、
前記衣類処理槽、前記手動投入部は、前記筐体内に設けられており、
前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、
前記手動投入部は、前記タンクの下面よりも低い位置に設けられており、
前記タンクの前方に電装部品を備える衣類処理装置。」
(相違点1) 本件発明1の「前記衣類処理槽、前記タンク、前記自動投入部、前記手動投入部、前記タンクが収容されるタンク収容部」は筐体内に設けられ、「前記タンク収容部の上部から前記タンクが着脱可能」であるのに対して、甲1発明における「洗剤カップ(64)」、「自動洗剤容器(70)」、「前記洗剤カップ(64)が収容される自動洗剤投入機(60)」は、「キャビネット(10)」上に設けられており、「前記洗剤カップ(64)が収容される自動洗剤投入機(60)」の上部から「前記洗剤カップ(64)」が着脱可能であるかは不明である点。
イ 判断
(ア)上記相違点1について検討する。
本件発明1は、「前記衣類処理槽、前記タンク、前記自動投入部、前記手動投入部、前記タンクが収容されるタンク収容部」が筐体内に設けられる構成を有している。そして、本件発明1について、発明の詳細な説明を参照すると、「洗濯機の筐体内という限られたスペース内において、自動投入部および手動投入部の双方をコンパクトに収めることが要求され、その際、比較的に構成が簡素である手動投入部が小型化される傾向がある。しかしながら、このように小型化された手動投入部では、使用者が手動により衣類処理剤を投入する投入口が小さくなるため、その投入作業が困難となる。」(段落【0004】)という課題に対して、「本実施形態は、自動投入部および手動投入部の双方を備える構成において、手動投入部の小型化を抑制することができる衣類処理装置を提供」(段落【0005】)するものである。そして、本件発明1の構成のようにすることにより「洗濯機1によれば、手動投入部28は、少なくとも、洗剤タンク25の下面よりも低い位置に設けられている。この構成によれば、洗剤タンク25の下方のスペースを利用して手動投入部28を配置することができ、従って、洗剤自動投入部22および手動投入部28の双方を備える構成において、手動投入部28の小型化を抑制することができる。」(段落【0020】)と記載されている。つまり、タンク、自動投入部、手動投入部、前記タンクが収容されるタンク収容部の配置を本件発明1の構成とすることで、手動投入部の小型化を抑制し、自動投入部および手動投入部の双方を筐体内にコンパクトに納めたものといえる。
一方、甲1発明は「前記洗剤カップ(64)、前記自動洗剤箱(70)、前記洗剤カップ(64)が収容される自動洗剤投入機(60)」をキャビネット(10)上に設ける構成を備えている。甲1発明の課題について、甲1の発明の詳細な説明を参照すると、従来は使用者が洗剤を投入しなければならないこと、ドラムの内部に洗剤を直接投入する煩わしさがあり、洗剤の過不足が発生するという問題があったことが挙げられており(段落28)、甲1発明は、これら問題点を解決するために発明されたものであるため、甲1には、手動洗剤箱(42)の小型化を抑制しながら、自動洗剤箱(70)や手動洗剤箱(42)等をキャビネット(10)内にコンパクトに収めようとする課題は記載も示唆もされていない。
また、甲1の発明の詳細な説明には「前記自動洗剤投入機(60)は前記キャビネット(10)の内部に設置されることも可能で、前記キャビネット(10)の前面に設置されることも可能であり、前記キャビネット(10)の上面に設置されることも可能であり、以下洗剤の投入が容易なようにキャビネット(10)の上面に設置されたことに限定して説明する」(段落59)と記載されていることから、自動洗剤投入機(60)をキャビネット(10)内に設置することの示唆がされているといえるものの、自動洗剤投入機(60)をキャビネット(10)内に設置する際の具体的な構成は、何ら示されていない。したがって、キャビネット(10)内に自動洗剤投入機(60)を配置するとしても、キャビネット(10)内の空間的に余裕のある箇所に、自動洗剤投入機(60)を配置することが自然であり、甲1に、自動洗剤投入機(60)と手動洗剤箱(42)について様々な配置の実施例(図4乃至6参照)が示されていることも踏まえると、甲1発明の「洗剤カップ(64)」と「手動洗剤箱(42)」を、キャビネット(10)の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置し、手動洗剤箱(42)を洗剤カップ(64)の下面よりも低い位置に設ける構成を維持しながら、自動洗剤投入機(60)をキャビネット(10)内に設けるとは必ずしもいえない。
また、甲4乃至甲11を参照しても、「前記洗剤カップ(64)、前記自動洗剤容器(70)、前記洗剤カップ(64)が収容される自動洗剤投入機(60)」すべてをキャビネット(10)内に設け、「洗剤カップ(64)」と「手動洗剤箱(42)」を上下方向に見て少なくとも一部が重なるよう配置する構成について示唆する記載はないといえる。
そして、自動洗剤投入機(60)をキャビネット(10)内に設けるとしても、甲1発明の自動洗剤投入機(60)には、洗剤を投入するための投入口(112)が設けられていることが示されているのみといえることから、さらに着脱可能とする動機付けがあるとまではいえない。
また、周知技術である甲第4号証乃至甲第11号証においても、そのような課題、動機付け等を示唆する記載はないといえる。
(イ)したがって、本件発明1は、甲1発明及び周知技術である甲第4号証乃至甲第11号証に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(2)本件発明2、3、5~7について
本件発明1を直接的又は間接的に引用する本件発明2、3、5~7は、本件発明1を特定するための事項をすべて含み、本件発明1をさらに減縮したものである。したがって、本件発明2、3、5~7と、甲1発明とをそれぞれ対比すると、両者は、少なくとも上記で示した相違点1で相違する。
そして、上記で検討したとおり、甲1発明において、相違点1に係る構成は容易に想到し得たものでない。
以上によれば、その余の点について検討するまでもなく、本件発明2、3、5~7は、当業者であっても、甲1発明及び周知技術である甲4乃至甲11号証に基いて容易に発明することができたものではない。
2 理由2(進歩性)について
(1)本件発明1について
ア 本件発明1と甲2発明の対比
(ア)甲2発明の「洗濯槽」及び「洗浄物質引き出し91」は、本件発明1の「衣類を収容する衣類処理槽」及び「使用者による手動により衣類処理剤が投入される手動投入部」に相当する。
(イ)甲2発明の「カートリッジ20」は、洗剤等を貯留する容器であるから、本件発明1の「衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンク」に相当する。
(ウ)甲2発明の「圧縮ポンプ」、「送達チューブ35」及び「分配チューブ37」は、カートリッジ20からの流体を洗濯槽へと流入させることから、本件発明1の「自動投入部22」に相当する。
(エ)甲2発明の「カートリッジ20は、カートリッジ20が設置される設置部の上部から着脱でき」との構成は、本件発明1の「前記タンク収容部の上部から前記タンクが着脱可能であり」に相当する。
そうしてみると、本件発明1と甲2発明との一致点及び相違点は以下のとおりである。
(一致点)
「外郭を構成する筐体と、
衣類を収容する衣類処理槽と、
衣類を処理する衣類処理剤を貯留するタンクと、
前記タンクに貯留されている衣類処理剤を前記衣類処理槽内に投入する自動投入部と、
使用者による手動により衣類処理剤が投入される手動投入部と、
を備え、
前記衣類処理槽、前記手動投入部、は、前記筐体内に設けられており、
前記タンク収容部の上部から前記タンクが着脱可能であり、
前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており、
前記手動投入部は、前記タンクの下面よりも低い位置に設けられており、
衣類処理装置。」
(相違点2)
本件発明1の「前記衣類処理槽、前記タンク、前記自動投入部、前記タンクが収容されるタンク収容部は、前記筐体内に設けられ」、又「前記タンクの前方に電装部品を備え」ているのに対し、甲2発明では、「カートリッジ20」、「カートリッジ20が設置される設置部」が「洗濯機」の上方に配置されているとともに、「圧縮ポンプ、送達チューブ35及び分配チューブ37」からなる構成の配置が明記されておらず、又「カートリッジ20」の前方に「電装部品を備え」ていない点。
イ 判断
(ア)上記相違点2について検討する。
本件発明1については、上記1(1)イ(ア)に記載したとおりである。
一方、甲2発明は、洗濯機90に複数の洗剤を自動的に分配するものであって、「カートリッジ20」及び「カートリッジ20が設置される設置部」を備えることにより、適切な時間に、適切な量の洗剤量を自動的に供給し、また、カートリッジ20を取り外し可能とした構成を備えるものである。そうすると、甲2発明において、洗濯機90の上方に設けられている「カートリッジ20」及び「カートリッジ20が設置される設置部」について、その取り出しのし易さの観点からも筐体内に設けるという課題を有していない。
そして、「カートリッジ20」及び「洗浄物質引き出し91」の配置を維持しながら、「カートリッジ20が設置される設置部」と共に洗濯機90の筐体内に設けるためには予め筐体内におけるスペースが必要であるとともに、筐体内に設けて、かつ「カートリッジ20が設置される設置部」の上部から「カートリッジ20が着脱可能」である構成とする動機付けはないといえる(カートリッジ20を上部から着脱可能とするのであれば、そもそも筐体内へ設けようとは思わないのが普通である。)。
さらに、甲2の図1を参照すると、カートリッジ20の前面が接する板状部材は、カートリッジ20を取り出し易くさせるために設けられていると推察させる切欠き部を有している形状からなることが看て取れる。そうすると、取り外し可能とされているカートリッジ20を筐体内に設け、その前方に電装部品を備えることは、甲2に示唆されているとはいえず、当業者であっても容易に想到するものとはいえない。
また、周知技術である甲第1号証、甲第3号証乃至甲第11号証においても、そのような課題、動機付け等の示唆は記載されていないといえる。
したがって、本件発明1は、当業者であっても、甲2発明及び甲第1号証、甲第3号証乃至甲第11号証に記載された周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(2)本件発明2、3、5~7について
本件発明1を直接的又は間接的に引用する本件発明2、3、5~7は、本件発明1を特定するための事項をすべて含み、本件発明1をさらに減縮したものである。したがって、本件発明2、3、5~7と、甲2発明とをそれぞれ対比すると、両者は、少なくとも上記で示した相違点2で相違する。
そして、上記で検討したとおり、甲2発明において、相違点2に係る構成は容易に想到し得たものでない。
以上によれば、その余の点について検討するまでもなく、本件発明2、3、5~7は、当業者であっても、甲2発明及び甲第1号証、甲第3号証乃至甲第11号証に記載された周知技術に基いて容易に発明することができたものではない。
第7 令和6年3月18日付け意見書における異議申立人の主張について
異議申立人の進歩性についての主張
(1)理由1(甲1を主引例とする場合)について(なお、意見書において同一の構成に対して「手動洗剤箱42」及び「手動洗剤容器42」と異なる名称が混在して用いられているが、以下、特許異議申立書において用いられている「手動洗剤箱42」に統一して記載する。)
ア 異議申立人は、「甲第1号証の図4に示すように、自動洗剤箱70内の洗剤が重力を利用して、手動洗剤箱42に供給されるため、甲第1号証に接した当業者であれば、自動洗剤箱70と手動洗剤箱42との上下の位置関係を維持したまま、自動洗剤投入機60をキャビネット10内に配するのが自然であるし、また、敢えて、上下方向に重ならない状態に設計変更する動機付けもありません」と主張する。
しかし、甲1の図5、6には、洗剤ガイド部材140´、140´´の取り付け位置によって自動洗剤投入機の位置が異なる構造が示されており、当該構造においては洗剤カップ64と手動洗剤箱42とが上下方向に見て全く重ならなくても機能する構造が示唆されているといえる。そして、甲1において開示された実施例(例えば図2を参照)において、洗剤カップ64と手動洗剤箱42をキャビネット内に配置した場合の位置関係について具体的に示されていない。
そうすると、甲1発明において、「洗剤カップ64」及び「手動洗剤箱42」が上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置され、「前記手動洗剤箱42」が「前記洗剤カップ64」よりも低い位置に設けられた「洗剤カップ64」及び「手動洗剤箱42」をキャビネット10内に設けることの課題及び動機付けはなく、提示された周知技術を参照してもそのような動機付け、課題は示されていない。
したがって、甲1発明において当該構成のようにすることは、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。
イ 異議申立人は、自動洗剤投入機60をキャビネット10内に配するに際し、キャビネット10に合わせて自動洗剤投入機60や手動洗剤箱42のサイズを変更すればよいと主張する。
しかし、甲1発明において、サイズを変更してまで積極的にキャビネット10内に配置する動機付けはなく、仮にキャビネット内に配置するとした場合、サイズを変更することで性能を低下させるよりも、「洗浄カップ64」及び「手動洗剤箱42」の配置を適宜工夫することを行うのが通常であると思われる。
ウ したがって、異議申立人の主張を採用することはできない。
(2)理由2(甲2号証を主引例とする場合)について
異議申立人は、「本件訂正発明は、甲2号証に記載された発明及び甲5号証~甲11号証に例示される周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。」と主張する。
また、「カバーを有する投入システムが洗濯機とは無関係に存在するという特許権者の主張には根拠が無く、洗濯機の必須の構成要素ではないという主張は失当である。」、「段落0029の記載と図4とから、カバー11は、ヒンジによって投入システム10の背面に接続されていることが看取でき、このことから、カバー11は、洗濯機の上部に備える投入システム10(カートリッジ20)を上方から覆うための部材であることは当業者であれば十分に理解できる。なお、洗濯機の技術分野の当業者が図4を見ると、カバー11が洗濯機上部を覆うものであり、カバー11により覆われた状態の洗濯機を考えると、カバー11は洗濯機の筐体の一部であるとするのが一般的である。したがって、「本件訂正発明では、衣類処理槽、タンク、自動投入部、手動投入部、タンクが収容されるタンク収容部が筐体に内部に設けられているのに対し、甲2発明では、衣類処理槽、手動投入部が筐体の内部に設けられ、タンク、自動投入部、タンクが収容されるタンク収容部がカバーの下に設けられている点」(相違点2a)において相違するが、当該相違点は、甲第2号証に基づいて当業者が容易に想到し得たことである」と主張する。
しかし、筐体とは、「機器をおさめているはこ」(広辞苑第6版)を意味するものであり、洗濯機90を示すものと認められる。そして、カバー11は洗濯機90のうえに配置された分配システム10に接続されたものであり、洗濯機の筐体の一部と言うことはできないことから、異議申立人の主張は前提において誤っており、認められない。
以上によれば、異議申立人の主張を採用することはできない。
第8 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
異議申立人は、本件特許発明1のGの補正は、新たな技術的事項を導入するものであり、新規事項を追加する補正である旨主張する。
構成要件Gは、「前記タンクおよび前記手動投入部は、前記筐体の上下方向に見て少なくとも一部が重なるように配置されており」と規定するものであり、「前記タンク」とは「衣類処理剤を貯留する」ものであり、また「手動投入部」は「使用者による手動により衣類処理剤が投入される」ものである。これら構成が新たな技術的事項を導入するものであるか、以下において検討する。
本願の発明の詳細な説明には「図3に例示するように、洗濯機1の内部においては、例えば、洗浄槽3の上部の左側に位置して、洗剤タンク25および手動投入部28が上下方向に並設された構成となっている。」(【0019】)、「図5に例示するように、第3実施形態に係る洗濯機1においては、給水部4は、上述した給水経路24aに代えて、洗剤供給経路24dを備えている。洗剤供給経路24dは、洗剤タンク25の下面から下方に向かって直線状に延びている。また、洗剤供給経路24dの先端部、この場合、下端部は、手動投入部28の内部まで延び、当該手動投入部28の底面から若干離間した位置まで近接している。」(【0028】)等の記載があり、図3、図5を参照すると、筐体の上下方向に見て、タンクの一部が手動投入部に重なるように配置される構成が図示されている。
したがって、当該補正は当初明細書等に記載された事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものといえず、新規事項を追加する補正とはいえない。
なお、異議申立人は、異議申立書において5つの形態を挙げ、「これらの形態は、本件明細書や図面に記載されていないし、これらの形態を示唆するような記載もない。」(54頁~55頁)旨主張しているが、上記のとおり、当該補正は、当初明細書等の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項であると判断できることから、新たな技術的事項を導入するものとはいえない。
第9 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1~3、5~7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1~3、5~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、前記第2に示すとおり、本件訂正により請求項4が削除され、本件請求項4に係る特許についての特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により、本件請求項4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2023-700656