特許異議申立
2023-700567
ドローンシステム、ドローン、管制装置、およびドローンシステムの制御方法
- 審判番号
- 2023-700567
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-571283
- 登録番号
- 7184385
- 請求日
- 2023年06月01日
- 審決日
- 2023年10月03日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社ナイルワークス
- 【権利者代理人】粕川 敏夫
- 【権利者代理人】栗原 潔
- 【権利者代理人】清水 喜幹
- 【権利者代理人】狩生 咲
- 【異議申立人】臼井 富二夫
- 審判長/審判官
- 審判長 山本 信平
- 審判官 河端 賢
- 審判官 倉橋 紀夫
- 分類
- P1652.121-Y (G08G)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7184385号発明「ドローンシステム、ドローン、管制装置、およびドローンシステムの制御方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7184385号の請求項1、7及び8に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7184385号の請求項1-8に係る特許についての出願は、2020年(令和2年)2月7日(優先権主張 平成31年2月8日)を国際出願日として出願され、令和4年11月28日にその特許権の設定登録がされ、令和4年12月6日に特許掲載公報が発行された。その後、令和5年6月1日に特許異議申立人 臼井 富二夫(以下、「申立人」という。)により、請求項1、7及び8に係る特許に対して特許異議の申立てがされた。
第2 本件発明
請求項1、7及び8に係る発明(以下、請求項1、7及び8に係る発明をそれぞれ「本件発明1」、「本件発明7」、「本件発明8」といい、請求項1、7及び8に係る発明をまとめて「本件発明」ということがある。)は、請求項1、7及び8に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
【請求項1】
作業エリア内を飛行して作業を遂行する複数のドローンと、
前記複数のドローンの動作を管制する管制装置と、
を少なくとも含むドローンシステムであって、
前記複数のドローンは、着陸時に資源が補充可能なものであり、
前記管制装置は、前記資源の補充計画を管制する補充管制部を有し、
前記ドローンの発着台は、前記ドローンに補充する資源を収容可能であり、
前記補充管制部は、
前記発着台から前記ドローンへの補充が計画されている前記資源の量を取得する補充計画取得部と、
前記発着台に収容されている前記資源の量を取得する移動体資源取得部と、を備え、
前記計画されている前記資源の量が、前記収容されている前記資源の量を上回るとき、その旨を発報する、
ドローンシステム。
【請求項7】
作業エリア内を飛行して作業を遂行し、着陸時に資源を補充可能な複数のドローンと接続され、
前記複数のドローンに関する情報に基づいて、前記複数のドローンに対する前記資源の補充計画を管制する管制装置であって、
前記ドローンが発着台に着陸している際に前記発着台に収容された資源を前記ドローンに補充する補充計画を管制する補充管制部を有し、
前記補充管制部は、
前記発着台から前記ドローンへの補充が計画されている前記資源の量を取得する補充計画取得部と、
前記発着台に収容されている前記資源の量を取得する移動体資源取得部と、を備え、
前記計画されている前記資源の量が、前記収容されている前記資源の量を上回るとき、その旨を発報する、管制装置。
【請求項8】
作業エリア内を飛行して作業を遂行し、着陸時に資源を補充可能な複数のドローンと、
前記ドローンが発着台に着陸している際に前記発着台に収容された資源を前記ドローンに補充する補充計画を管制する管制装置と、を少なくとも含むドローンシステムの制御方法であって、
前記発着台から前記ドローンへの補充が計画されている前記資源の量を取得するステップと、
前記発着台に収容されている前記資源の量を取得するステップと、
前記計画されている前記資源の量が、前記収容されている前記資源の量を上回るとき、その旨を発報するステップと、を備える、ドローンシステムの制御方法。
第3 申立理由について
申立理由の概要は以下のとおりである。
◎ 申立理由(進歩性)
1 請求項1、7及び8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、7及び8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
2 請求項1、7及び8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明並びに甲第3号証及び第4号証にて例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、7及び8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
◎甲号証
甲第1号証:特開2018-135084号公報
甲第2号証:特表2016-514026号公報
甲第3号証:特開2017-121127号公報[周知技術を示す文献]
甲第4号証:特開2018-154185号公報[周知技術を示す文献]
第4 引用文献の記載
1 甲第1号証:特開2018-135084号公報
(1)甲第1号証の記載事項(下線は当審で付した。以下同様。)
ア「【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システム及び方法に関し、より具体的には、液体を養蜂箱に配送する方法及びシステムに関する。」
イ「【0007】
本発明の何らかの実施形態において、液体を調達して配送するための無人航空機(UAV)を備えることができる。本発明の何らかの実施形態において、液体を第1のステーションつまり基地ステーションから1又は複数の受け入れステーションに配送するためのUAV及びシステムを備えることができる。本発明の何らかの実施形態において、受け入れステーションの1又は2以上は、養蜂箱と関連づけることができる。本発明の何らかの実施形態において、液体は、ミツバチ用の餌を含むことができる。本発明の何らかの実施形態において、液体は、ミツバチ用の薬物、例えば、ノゼマ病、バロア病、又はその両方を処置する薬物を含むことができる。」
ウ「【0011】
図1は、本発明のシステム21の1つの実施形態を示す。システム21は、任意の数の基地ステーション22を含むことができ、各基地ステーションは、任意の数の基地ステーションドック23を含む。各基地ステーションは、第1のステーションと呼ぶことができる。図1において、例えば、システム21は、複数の基地ステーションドック23、より具体的には3つの基地ステーションドックを有する単一の基地ステーション22を有するように示されている。システム21は、任意の数の養蜂箱ドック24をさらに含むことができ、養蜂箱ドック24は、基地ステーション22によってサポートすることができる。各養蜂箱ドックは、第2のステーションと呼ぶことができる。養蜂箱ドック24は、任意の数の場所に存在することができる。図1において、例えば、システム21は、第1の場所26に位置する単一の養蜂箱ドック24と、第1の場所26から離間して第1の場所26から遠く離れた第2の場所27に位置する、複数の(より具体的には3つの)他の養蜂箱ドック24とを含む。システム21は、基地ステーション22から1又は2以上の養蜂箱ドック24に供給を行う任意の数の無人航空機つまりUAV31をさらに含むことができる。何らかの実施形態において、UAV31の各々は、例えば、UAV31の数が基地ステーションドック23の数に等しいように基地ステーションドック23とペアにすることができる。図1に示すように、例えば、UAV31は、基地ステーション22の基地ステーションドック23の1つから提供され、現在、当該養蜂箱ドック24とのドッキングに備えて第1の場所26での養蜂箱ドック24の上方でホバリングしている。図1に示すように、第2のUAV31は、例えば、当該養蜂箱ドック24の補充を行うために第2の場所27での養蜂箱ドック24の1つとドッキングしている。図1に示すように、第3のUAV31は、例えば、補充、再充填を行うか又は任意の数の他の機能を基地ステーション22において実行するために基地ステーションドック23の1つにドッキングしている。任意の数の基地ステーションドック23が任意の数のUAV31をサポートできることが想定されている。
【0012】
基地ステーション22は、液体又は他の配送製品を適切なUAV輸送手段31に供給するために設けることができる。何らかの実施形態において、配送される液体は、養蜂箱のミツバチ群のための餌、又は薬物、又はその両方である。このような薬物としては、ノゼマ病、バロア病、又はその両方を処置する薬物を挙げることができる。簡単にするために、以下の多くの実例において、液体は、餌と呼ぶこととする。何らかの実施形態において、基地ステーションは、餌ミキサー32を含むことができ、餌ミキサー32は、例えば、ミキサー32に接続された1又は2以上の容器又はタンク33に貯蔵された粉材料の餌を自動的に混合する。例えば図2に示ように、餌ミキサー32は、例えば1又は2以上の容器又はタンク33に貯蔵された餌に薬物を追加することができる。何らかの実施形態において、基地ステーション22は、養蜂場サイトにある。
【0013】
基地ステーション22は、例えば、図1に概略的に又は単純に示すように、もしくは図2に詳細に示すように、何らかの適切な形式とすることができる。何らかの実施形態において、基地ステーション22は、適切なUAV輸送手段31を自動的に受け入れるドッキング受け部23を含むことができる。基地ステーションドック、UAVドック、UAV受け部、又は前記の任意の組み合わせで呼ぶこともできる当該ドッキング受け部23は、基地ステーション22に又はその近くに設けることができ、1又は2以上のUAV31に供給するための基地ステーションからのペイロードの受け入れに対応することができる。基地ステーション22は、任意の数のUAV輸送手段31に同時に又は順次に対応する任意の数のドッキング受け部23を含むことができる。各ドッキング受け部23は、何らかの適切な形式とすることができ、UAV輸送手段31に取り外し可能に接続する何らかの適切な形式のドッキングポート34を含むことができる。
【0014】
何れの実施形態も、基地ステーション22は、液体又は他の製品をUAV輸送手段31に供給する適切なリザーバ又は容器35を含むことができる。1つのこのようなリザーバ又は容器は、例えば図2に示される液体餌供給タンク35とラベル付けされた液体餌供給タンク又は供給タンクである。液体供給タンク35はミキサー32に接続することができ、ミキサー32によって処理された液体を受け入れるようになっている。基地ステーション22にはセンサ36を設けることができ、例えばリザーバ容器35と連通してリザーバ又は容器35内の餌のレベル又は量を監視するようになっている。また、供給タンク35、供給容器33、又はその任意の組み合わせにおける餌の量を記録するために(時間の関数とすることを含めて)、データログ37は、基地ステーション22又はシステムの他の場所に保持することがきる。データログ37は、何らかの適切な形式の、例えば、コンピュータメモリ又は他の記憶装置とすることができる。何らかの実施形態において、液体を基地ステーション22の供給タンク35から各ドッキング受け部23に供給するポンプ、バルブ、又は他の適切な制御送給機構38、又はその任意の数を設けることができる。何らかの実施形態において、ポンプなどの複数の制御送給機構38を備えることができ、例えば、当該機構38の1つを基地ステーションドック23の各々に設けることができる。機構38は、何らかの適切な方法で、例えば、連続的に(図2に示すように)、並列に、又は前記の任意の組み合わせで容器35とドック23との間に結合することができる。」
エ「【0017】
各基地ステーション22は、制御装置を含むこと、又は制御装置61、例えば電子制御装置に接続することができる。制御装置61は、基地ステーションの作動を自動的に制御することができ、例えば何らかの実施形態において、基地ステーション22は人間の介在なしに作動することができる。この点に関して、制御装置22は、各ドッキング受け部23、基地ステーションの各ポンプ又は他の制御送給機構38、基地ステーションの各UAV充電器41、餌ミキサー32、液体供給タンク35、液体供給タンク又は容器のセンサ36、データログ37、データ転送インターフェース及び機構43、又は前記の任意の組み合わせに対して電気的に接続することができる。電子制御装置61は、例えば、マイクロプロセッサ、メモリ、又は他の適切な記憶装置、及びユーザーインターフェース62を有する何らかの適切な形式のコンピュータとすることができる。制御装置61に電力を供給するバッテリ(図示せず)を設けること、又は、制御装置には任意の他の適切な手段によって電力を供給することができる。制御装置61は、例えば、ファームウェア、ソフトウェア、又はその両方でプログラムすることができ、供給タンク23内の餌の適切なレベルの維持、補充中のドックポンプ又はバルブ38の作動、UAV充電器41の電源オン及びオフ、及びUAV輸送手段31のドッキング受け部23とのドッキングの支援を含む、基地ステーション22の機能を制御するようになっている。何らかの実施形態において、制御装置61は、基地ステーション22及びシステム21の他の構成要素の何れか又は全てから遠く離れて位置することができ、又は、一部は基地ステーション22と一緒に、一部は遠隔に位置することができる。何らかの実施形態において、制御装置61は、部分的に又は全体的にクラウド内に位置することができる。
【0018】
何れの実施形態も、制御装置61は、例えば、1又は2以上のUAV輸送手段31への液体又は他の供給製品の配給を管理するスケジューラ63の機能を果たすか又はこれを含むことができる。スケジューラ63は、各養蜂箱の状態及び各養蜂箱の配給プランを追跡するスケジューリングシステムを含むことができる。餌又は薬物の配給が必要とされる場合、スケジューラは、例えば、餌ミキサー32又は基地ステーション22の何らかの他の場所において特殊配合でのペイロードのオンデマンド混合を開始し、ペイロードを所要の目的地に配送するために1又は2以上のUAV輸送手段31への指示又は割り当てを開始することができる。何らかの実施形態において、このような割り当ては、UAV輸送手段31の基地ステーション22とのドッキング中に達成することができる。何らかの実施形態において、割り当て又は他の情報は、飛行中に無線でUAV輸送手段31に伝達される。制御装置及びスケジューラ61は、餌の調合法、日付及び量、及び目的の養蜂箱などの情報を養蜂家、ユーザー、又はオペレータ66から受信するようにプログラムすることができる。何らかの実施形態において、制御装置及びスケジューラ61は、遠隔制御することができる。例えば、養蜂家は、スケジューラ63を介して全体システム21をインターネット経由で遠隔操作によって管理することができる。
【0019】
制御装置に電気的に又は無線で接続することができる、制御装置61のユーザーインターフェース62は、何らかの適切な形式とすることができる。何らかの実施形態において、養蜂家、ユーザー、又は他のオペレータ66は、ユーザーインターフェース62を利用して、供給スケジュール情報を指定することができる。インターフェース62は、従来型のコンピュータGUI、ウェブベースのアプリケーション、携帯又はスマートフォンアプリケーション、又は前記の任意の組み合わせを含むことができる。何らかの実施形態において、インターフェース62を使用して、配送完了、配送中、又はその両方を監視すること、並びにUAVイベント及び配送前に個々の養蜂箱から報告された餌レベルなどのログ情報を再検討することができる。
【0020】
基地ステーション22は、例えば、1又は2以上のUAV輸送手段、1又は2以上の養蜂箱ドック24、又は前記の任意の組み合わせと通信する適切な無線送信器及び受信器を含むことができる。無線送信器及び受信器は、データ転送インターフェース及び機構43を含み、何らかの適切な手段によって制御装置61に電気的に接続することができる。何らかの実施形態において、制御装置は、各養蜂箱ドック24での餌の量を含む情報をシステム21の養蜂箱ドック24から受信し、供給タンク35内の十分な餌の形成、及び餌を必要とする養蜂箱ドック24において餌を補給するために1又は2以上のUAV輸送手段31による配送を調整する。受信又は収集された情報は、周期的に、連続的に、もしくは基地ステーション22又は養蜂箱ドック24が必要とするときに送信することができる。」
オ「【0043】
本発明のシステムは、何らかの適切な方法で作動することができるが、UAV輸送手段31に関する本発明の自動システムを作動させる何らかの方法は、以下の通りである。
1.スケジューラ63は、自動運転もために、例えば本明細書に記載のように餌及び薬物の養蜂箱要件で、養蜂家66によって、又はその両方でプログラムすることができる。スケジューラは、ペイロードの準備を1又は2以上のUAV輸送手段31に関して自動的に又はコマンドで開始することができ、1又は2以上のUAV輸送手段の配送に十分な餌の準備を含むことができる。
2.例えば、図7の装荷ステップ201に示すように、UAV輸送手段31は、基地ステーション22と自動的にドッキングすることができ、基地ステーション22は第1のステーションと呼ぶことができる。何らかの実施形態において、輸送部31のバッテリは、基地ステーションでのドッキング中に充電することができる。第2のステーションの場所と、第1のステーションから第2のステーションに送給される液体の量とを含むコンピュータ命令は、UAV輸送手段が基地ステーション22にドッキングしている間にUAV輸送手段31に伝達することができる。例えば、配送ログデータ及び1又は2以上の目標養蜂箱は、UAV輸送手段31に制御装置61又はスケジューラ63によって無線で又は電気的に伝達することができる。制御装置又はスケジューラは、基地ステーション22に、適切な量の餌を、例えば、UAV輸送手段の指示された配送を達成するのに少なくとも十分な餌を自動的にUAV輸送手段に充填するように指示することができる。このような餌は、例えば、餌タンク35から供給することができる。
3.例えば、図7の捕捉ステップ202に示すように、UAV輸送手段31は、第1の予定された目的地又は目標、例えば、養蜂箱ドック24の付近に自動的に移動することができる。目的地又は目標は、第2のステーションと呼ぶことができる。
4.例えば、図7の除荷ステップ203に示すように、UAV輸送手段31は、ターゲット養蜂箱ドック24と自動的にドッキングし、指示されたペイロードを養蜂箱ドックに自動的に送給し、養蜂箱に特有のデータを養蜂箱ドックから受信することができる。指示されたペイロードは、UAV輸送手段31が運ぶ液体つまりペイロード全体の一部とすることができる。何らかの実施形態において、随意的に、UAV31は、餌又は他の液体がUAV輸送手段から餌リザーバに自動的に補給される前に養蜂箱ドック24の餌リザーバ126の自動フラッシングを開始することができる。UAV輸送手段31は、第2のステーションからドッキング解除し、第3のステーションの付近まで飛行し、第3のステーションとドッキングして、少なくとも残留液体の一部をUAV輸送手段31から第3のステーションに送給することができる。例えば、基地ステーション22に自動的に戻るか、もしくは任務を完了する前に、UAV輸送手段31は移動して複数の養蜂箱ドック24とドッキングすることができる。この点に関して、さらなる配送が必要とされる場合、UAV輸送手段は、自動的にドッキング解除して、例えば、図7の取得するステップ202を繰り返すことによって次の目標養蜂箱ドック24に移動することができる。
5.例えば、図7の帰還ステップ204に示すように、UAV輸送手段31は、ペイロード全体が配送される、ペイロード格納容器が空になる、又は配送スケジュールが完了するまで、図7の捕捉ステップ及び除荷ステップを繰り返すことができる。その後、UAV輸送手段31は、例えば、別の任務のために基地ステーション22に戻ることができる。例えば、UAV輸送手段31は、第3のステーションからドッキング解除し、第1の又は基地ステーション22の付近まで飛行し、第1のステーションとドッキングして、第1の又は基地ステーション22から追加的な液体を供給されることになる。」
カ「【0053】
本発明のシステム及び方法は、特定の領域内の任意の数の養蜂箱への液体餌及び医薬用餌の配給を自動化することができ、養蜂家がより多数の養蜂箱をより少ない労力でより集中的に管理することを可能にすることができる。本発明のシステム及び方法は、結果的により健全なミツバチ及び年間の養蜂箱低損失率が得られるので、養蜂業務の経済的側面を向上させることができる。」
キ「【図1】
[図:0001403681000001.jpg]
」
ク「【図2】
[図:0001403681000002.jpg]
」
ケ 上記エの段落【0018】からみて、基地ステーションドック23からUAV31へ配給される餌の量を、養蜂家、ユーザー、又はオペレータ66から制御装置及びスケジューラ61が受信し、該制御装置及びスケジューラ61のスケジューラは1又は2以上のUAV輸送手段31への餌を含む液体又は他の供給製品の配給を管理し各養蜂箱の配給プランを追跡するスケジューリングシステムを含むことができるものであることから、該基地ステーションドック23からUAV31へ配給される餌の量は、スケジュールされているものであると認められる。
(2)甲第1号証に記載された発明
甲第1号証には、上記(1)からみて、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「 養蜂箱ドック24の上方を飛行して餌の補充を行う複数のUAV31と、
複数のUAV31の配送を調整する基地ステーション22と、
を少なくとも含むシステム21であって、
複数のUAV31は、ドッキングして餌が補充できるものであり、
基地ステーション22は、配給する餌の調合法、日付及び量を管理する制御装置及びスケジューラ61を有し、
UAV31の基地ステーションドック23は、UAV31に配給する餌を受け入れるリザーバ又は容器35を含み、
制御装置及びスケジューラ61は、
基地ステーションドック23からUAV31への配給がスケジュールされている餌の量を受信するようプログラムされており、
基地ステーションドック23のリザーバ又は容器35が受け入れている餌の量を監視するセンサ36及び制御装置61、を備える、
システム21。」
2 甲第2号証:特表2016-514026号公報
甲第2号証(段落【0003】、【0013】等)には、以下の技術的事項(以下、「甲2技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
「必要とされる時間の間、エンジンを動かす燃料の量に対して、エンジンに利用可能な燃料の量が不十分であるとき、通知すること。」
3 甲第3号証:特開2017-121127号公報
甲第3号証(段落【0017】、【0084】等)は、以下の技術的事項(以下、「甲3技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
「飛行消費電力量FCPが示す電力量が、電力容量情報BTが示す電力の容量より大きい場合、観測制御情報ΟPGを生成すること。」
4 甲第4号証:特開2018-154185号公報
甲第4号証(段落【0088】等)には、以下の技術的事項(以下、「甲4技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
「バッテリー4への充電が完了していないとき、ステーションSからの離脱を制限する第2離脱制限指令を送信すること。」
第5 当審の判断
1 申立理由(進歩性)について
(1)本件発明1について
ア 甲第1号証に記載された発明との対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
(ア)甲1発明における「養蜂箱ドック24」は、本件発明1における「作業エリア」に相当し、同様に、「養蜂箱ドック24の上方」は「作業エリア内」に相当する。また、甲1発明における「飛行して」は、本件発明1における「飛行して」に相当し、同様に、「餌の補充を行う」ことは「作業を遂行する」ことに相当する。
そうすると、甲1発明における「複数のUAV31」は本件発明1における「複数のドローン」に相当する。
(イ)甲1発明における「配送」は、本件発明1における「動作」に相当し、同様に、「調整する」は「管制する」に相当する。
そうすると、甲1発明における「基地ステーション22」は本件発明1における「管制装置」に相当する。
(ウ)甲1発明における「ドッキングして」は本件発明1における「着陸時に」に相当し、同様に、「餌」は「資源」に、「補充できる」は「補充可能な」に、それぞれ相当する。
(エ)甲1発明における「配給する餌の調合法、日付及び量」は本件発明1における「資源の補充計画」に相当し、同様に、「管理する」は「管制する」に相当する。
そうすると、甲1発明における「制御装置及びスケジューラ61」は本件発明1における「補充管制部」に相当する。
(オ)甲1発明における「基地ステーションドック23」は、本件発明1における「発着台」に相当し、同様に、「配給する」は「補充する」に、「を受け入れるリザーバ又は容器35を含み」は「を収容可能であり」に、それぞれ相当する。
(カ)甲1発明における「スケジュールされている」は本件発明1における「計画されている」に相当し、同様に、「餌の量」は「資源の量」に、「受信する」は「取得する」に、それぞれ相当する。
そうすると、甲1発明における「基地ステーションドック23からUAV31への配給がスケジュールされている餌の量を受信するようプログラムされて」いることは本件発明1における「発着台からドローンへの補充が計画されている資源の量を取得する補充計画取得部」に相当する機能を有するものである。
(キ)甲1発明における「基地ステーションドック23のリザーバ又は容器35が受け入れている」ことは、本件発明1における「発着台に収容されている」ことに相当し、同様に、「監視する」は「取得する」に相当する。
そうすると、甲1発明における「センサ36及び制御装置61」は本件発明1における「移動体資源取得部」に相当する。
(ク)甲1発明における「システム21」は本件発明1における「ドローンシステム」に相当する。
(ケ)一致点、相違点
したがって、本件発明1と甲1発明とは、以下のaの点で一致し、bの点で相違する。
a 一致点
「 作業エリア内を飛行して作業を遂行する複数のドローンと、
複数のドローンの動作を管制する管制装置と、
を少なくとも含むドローンシステムであって、
複数のドローンは、着陸時に資源が補充可能なものであり、
管制装置は、資源の補充計画を管制する補充管制部を有し、
ドローンの発着台は、ドローンに補充する資源を収容可能であり、
補充管制部は、
発着台からドローンへの補充が計画されている資源の量を取得する補充計画取得部と、
発着台に収容されている資源の量を取得する移動体資源取得部と、を備える、
ドローンシステム。」
b 相違点
本件発明1は、発着台からドローンへの補充が「計画されている資源の量」が、発着台に「収容されている資源の量を上回るとき、その旨を発報する」ものであるのに対し、甲1発明では、そのような特定がない点。
イ 判断
相違点について検討する。
(ア)甲2技術的事項、甲3技術的事項及び甲4技術的事項は、上記第4の2ないし4のとおりである。
(イ)これらいずれの技術的事項においても、相違点に係る本件発明1の発明特定事項のように、発着台からドローンへの補充が「計画されている資源の量」が、発着台に「収容されている資源の量を上回るとき、その旨を発報する」ことを開示ないし示唆するものとは認められない。
(ウ)そうすると、たとえ、甲2技術的事項、甲3技術的事項または甲4技術的事項を、甲1に記載された発明に組み合わせたとしても相違点に係る本件発明1の発明特定事項には想到し得ないものである。
ウ 小括
したがって、相違点に係る本件発明1の特定事項には当業者が容易に想到し得るものではないことから、本件発明1は、申立理由のように、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基いて、または、甲第1号証に記載された発明並びに甲第3号証及び第4号証にて例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明7及び8について
本件発明7及び8は、それぞれ、本件発明1と実質的に同様な発明特定事項を備えた管制装置及びドローンシステムの制御方法の発明であり、本件発明1と同様に、本件発明7及び8は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基いて、または、甲第1号証に記載された発明並びに甲第3号証及び第4号証にて例示される周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないものである。
(3) まとめ
以上のとおりであるから、申立理由によっては、請求項1、7及び8に係る特許を取り消すことはできない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1、7及び8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1、7及び8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-700567