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特許異議申立

2023-700264

めっき皮膜の製造方法。

審判番号
2023-700264
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-082348
登録番号
7141780
請求日
2023年03月10日
審決日
2024年05月17日
公報発行日
2024年08月30日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】奥野製薬工業株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
  • 【異議申立人】永井 望
審判長/審判官
  • 審判長 粟野 正明
  • 審判官 土屋 知久
  • 審判官 佐藤 陽一
分類
P1651.537-YAA(C25D) / P1651.536-YAA(C25D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第4項第1号、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7141780号発明「めっき皮膜の製造方法。」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7141780号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕について訂正することを認める。 特許第7141780号の請求項1、2、4ないし6に係る特許を維持する。 特許第7141780号の請求項3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7141780号の請求項1~6に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、令和4年5月19日の出願であって、同年9月14日にその特許権の設定登録がなされ、同年9月26日に特許掲載公報が発行された。 本件は、その後、令和5年3月10日に特許異議申立人永井望(以下、「申立人」という。)により請求項1~6(全請求項)に係る特許に対してなされた特許異議申立事件であって、同年6月30日付けで取消理由が通知され、これに対し、同年8月31日に意見書が提出されるとともに訂正請求(以下、「前回訂正請求」という。)がなされ、同年11月6日に申立人より意見書が提出され、その後、令和6年1月26日付けで取消理由(決定の予告)が通知され、これに対し、同年3月28日に意見書が提出されるとともに訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)がなされたものである。 なお、本件訂正請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、前回訂正請求に係る訂正の内容と全く同じであり、かつ、前回訂正請求後に申立人に対して意見を求めているため、迅速かつ効率的な審理の観点から、本件訂正請求後には申立人に意見を求めなかった。 第2 訂正請求について 1 訂正請求の趣旨、及び、訂正の内容 本件訂正請求は、特許第7141780号の特許請求の範囲を、本件訂正請求に係る訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は以下のとおりである。 なお、前回訂正請求は、本件訂正請求がなされたため、取り下げられたものとみなす。また、訂正箇所には、当審で下線を付した。 (1)訂正事項1 請求項1について、本件訂正前の「前記電解3価クロムめっき皮膜の厚みは、5μm以上である」を「前記電解3価クロムめっき皮膜の厚みは、5μm以上100μm以下である」に訂正する。 請求項1を直接または間接的に引用する請求項2、4~6も同様に訂正する。 (2)訂正事項2 請求項3を削除する。 2 当審の判断 2-1 訂正の目的、特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否、及び、新規事項追加の有無 (1)訂正事項1 訂正事項1は、本件特許の願書に添付された明細書(以下、「本件明細書」という。)【0093】を根拠として、請求項1の発明特定事項である「電解3価クロムめっき皮膜の厚み」について、本件訂正前の「5μm以上」を「5μm以上100μm以下」とするものである。 そうすると、訂正事項1は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないし、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正である。 (2)訂正事項2 訂正事項2は、請求項3を削除するものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しないし、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内の訂正である。 2-2 独立特許要件について 本件訂正請求に係る請求項はいずれも特許異議の申立てがなされているので、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないとの、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定される要件は課されない。 3 一群の請求項について 本件訂正前の請求項2~6は、請求項1を引用するものであって、請求項1の訂正に連動して訂正されるものであるから、本件訂正前の請求項1~6は一群の請求項であり、本件訂正請求は、特許法第120条の5第4項の規定に適合するものである。 そして、本件訂正は、特定の請求項に係る訂正事項について別の訂正単位とする求めがないから、本件訂正請求は、訂正後の請求項〔1~6〕を訂正単位とする訂正の請求をするものである。 4 訂正請求についてのむすび 以上のとおりであるから、令和6年3月28日に特許権者が行った訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1~6〕についての訂正を認める。 第3 特許異議の申立てについて 1 本件発明 令和6年3月28日に特許権者が行った請求項1~6についての訂正は、上記第2で検討したとおり適法なものであるから、本件特許の特許請求の範囲の請求項1~6に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明6」という。また、これらをまとめて「本件発明」という。)は、本件訂正請求に係る訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~6に記載された、次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 電解ニッケルめっき皮膜を形成する工程1、及び、 前記電解ニッケルめっき皮膜上に、電解3価クロムめっき皮膜を形成する工程2を有し、 前記電解ニッケルめっき皮膜は、圧縮応力が0~100MPaであり、 前記電解3価クロムめっき皮膜は、引張応力が0~50MPaであり、 前記電解3価クロムめっき皮膜の厚みは、5μm以上100μm以下である ことを特徴とするめっき皮膜の製造方法。 【請求項2】 前記電解3価クロムめっき皮膜の算術平均粗さRaは、0.080μm以下である、請求項1に記載の製造方法。 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 前記電解3価クロムめっき皮膜のビッカース硬度は、750HV以上である、請求項1又は2に記載の製造方法。 【請求項5】 前記工程2は、断続的に電解3価クロムめっき皮膜を形成する工程である、請求項1又は2に記載の製造方法。 【請求項6】 前記電解ニッケルめっき皮膜の厚みは、5μm以上50μm以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。」 2 特許異議申立理由、及び、取消理由 (1)申立人は、証拠方法として次の甲第1号証~甲第3号証(以下、「甲1」などという。)を提出し、以下の申立理由1、2により、請求項1~6に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。 なお、甲2、甲3は、追加の証拠方法として、令和5年11月6日提出の意見書とともに提出されたものである。 (証拠方法) 甲1:森河務「環境リスク低減に向けたクロムめっき」表面技術,Vol.69,No.6,(2018),p212-218 甲2:表面技術,Vol.61,No.2,2010,p190-192 甲3:小林裕一、「クラックフリークロムめっき技術」、表面技術, Vol.56,No.6,2005,p334-341 ア 申立理由1(サポート要件) 本件特許は、次の(ア)、(イ)の理由により特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 (ア)本件明細書には、電解3価クロムめっき皮膜の引張応力の測定値について具体的な値が記載されていないから、本件発明は課題を解決し得るとはいえない。 (イ)本件明細書の実施例には、電解3価クロムめっき皮膜の厚みについて8μmのみが記載されているだけであるから、本件発明は課題を解決し得ない発明を含むものである。 イ 申立理由2(実施可能要件) 本件明細書には、電解3価クロムめっき皮膜の引張応力の測定方法及び引張応力を調整する方法が記載されていないから、本件特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)令和5年6月30日付けで通知した取消理由 ア 当審において、上記(1)の申立理由1、2を全て採用し、令和5年6月30日付けで取消理由として通知した。 (3)令和6年1月26日付けで通知した取消理由(決定の予告) ア 当審において、上記(1)の申立理由のうち、申立理由1の(ア)及び申立理由2が未だ解消されていないと判断し、令和6年1月26日付けで取消理由(決定の予告)として通知した。 3 当審の判断 当審では、次に示すとおり、上記2の特許異議申立理由及び取消理由によっては、本件請求項1~6に係る特許を取り消すことはできないと判断する。 3-1 特許法第36条第6項第1号について (1)「電解3価クロムめっき皮膜の引張応力」について(申立理由1の(ア)) ア 本件発明の解決しようとする課題は、本件明細書の発明の詳細な説明の記載によれば、「3価クロムめっき皮膜が形成された被めっき物に優れた耐食性を付与することができ、且つ、光沢性に優れた3価クロムめっき皮膜を形成することができるめっき皮膜の製造方法を付与すること」(【0007】)であると認める。 イ そして、本件明細書【0100】~【0119】に記載された実施例において、次の条件(ア)~(ウ)を満たす場合に、表面粗さRaが0.041~0.080μmであり、かつ、塩水噴霧試験(200時間)による評価に問題ないもの(○、△)が得られている(【0114】の表2参照。)。すなわち、上記アの課題である、「優れた耐食性を付与することができ、且つ、光沢性に優れた」ものが得られている。 (条件) (ア)電解ニッケルめっき皮膜上に、電解3価クロムめっき皮膜を有する(【0110】参照。)。 (イ)電解ニッケルめっきが4.8~67.1MPaの圧縮応力である(【0114】の表2参照。)。 (ウ)電解3価クロムめっき皮膜の膜厚が8μmである(【0110】参照。)。 ウ しかしながら、本件発明1は、上記1で示したとおり、「電解3価クロムめっき皮膜は、引張応力が0~50MPaであ」ることが特定されているところ、本件明細書の実施例には、電解3価クロムめっき皮膜の引張応力の値が記載されていない。すなわち、一見すると、実施例1~10の「めっき皮膜の製造方法」は、本件発明1に含まれるものか否か不明である。 エ この点について、特許権者は、令和6年3月28日付けの意見書において、添付書類として実験成績証明書である乙第1号証を提出して、次のとおり、実施例1~10の「電解3価クロムめっき皮膜」の「引張応力」はいずれも5.2MPaであると主張をしている。 「特許権者は、特許第7141780号明細書の実施例1~10を行い、電解3価クロムめっき皮膜の引張応力を、特許第7141780号明細書の[0107]に記載のニッケルめっき皮膜の電着応力測定の測定方法により測定致しました。[0088]には、電解3価クロムめっき皮膜引張応力は、実施例に記載の測定方法により測定されることが記載されており、当該実施例には、[0107]にニッケルめっき皮膜の電着応力の測定方法として電着応力の測定方法が記載されています。3価クロムめっき皮膜の引張応力も、めっき皮膜の電着応力であるので、当該[0107]に記載のニッケルめっき皮膜の電着応力測定の測定方法により測定されることは明らかであるというべきです。 別途提出致します実験成績証明書において、結果を示します。当該結果から、実施例1~10において、電解3価クロムめっき皮膜の引張応力が5.2MPaであることが明らかです。当該事項は、令和5年8月31日付意見書において述べた通り、特許第7141780号明細書の表2から算出可能であり、当該明細書から明らかな事項であるというべきです。」(意見書第3頁第17行~第4頁第3行) オ そこで、本件発明の「電解3価クロムめっき皮膜」の「引張応力」について、以下検討する。 カ 本件発明1は、上記1で示したとおり、「電解ニッケルめっき皮膜を形成する工程1、及び、前記電解ニッケルめっき皮膜上に、電解3価クロムめっき皮膜を形成する工程2を有し、」「前記電解3価クロムめっき皮膜は、引張応力が0~50MPaであ」るところ、本件特許の特許請求の範囲の記載によれば、この「引張応力が0~50MPaであ」る「前記電解3価クロムめっき皮膜」とは、「電解ニッケルめっき皮膜を形成する工程1、及び、前記電解ニッケルめっき皮膜上に、電解3価クロムめっき皮膜を形成する工程2」を経たものであると解する余地がある。 キ すなわち、本件発明1の「電解3価クロムめっき皮膜」の「引張応力」は、電解ニッケルめっき皮膜上に形成された「電解3価クロムめっき皮膜」の「引張応力」であると解する余地がある。 ク 一方、本件明細書には、次の記載がある。 「【0011】 本発明のめっき皮膜の製造方法は、電解ニッケルめっき皮膜を形成する工程1、及び、前記電解ニッケルめっき皮膜上に、電解3価クロムめっき皮膜を形成する工程2を有し、電解ニッケルめっき皮膜は、圧縮応力が0~100MPaであることを特徴とする。本発明の製造方法では、下地の電解ニッケルめっき皮膜の電着応力が圧縮応力であり、当該圧縮応力が0~100MPaであるので、電解3価クロムめっき皮膜の電着応力が引張応力であることにより、電着応力が緩和され、クラックの発生が抑制されて、3価クロムめっき皮膜が形成された被めっき物に優れた耐食性を付与することができる。また、本発明の製造方法によれば、上述のようにめっき皮膜のクラックの発生が抑制されることにより、光沢性に優れた電解3価クロムめっき皮膜を製造することができる。すなわち、本発明の製造方法は、上記工程1及び工程2を有すること、及び、電解ニッケルめっき皮膜の圧縮応力が0~100MPaであることがあいまって、電解3価クロムめっき皮膜が形成された被めっき物に優れた耐食性を付与することができ、且つ、光沢性に優れた電解3価クロムめっき皮膜を製造することができる。」 「【0087】 本発明の製造方法において、工程2により形成される電解3価クロムめっき皮膜は、引張応力が0~50MPaであることが好ましく、0~30MPaであることがより好ましい。電解3価クロムめっき皮膜の電着応力が引張応力であり、当該引張応力が上記範囲であることにより、上記工程1で形成された電解ニッケルめっき皮膜の電着応力が圧縮応力であるため、電着応力がより緩和されて、クラックの発生がより抑制され、3価クロムめっき皮膜が形成された被めっき物により優れた耐食性を付与することができる。」 ケ 上記クの記載によれば、本件発明の「めっき皮膜の製造方法」は、下地の電解ニッケルめっき皮膜の電着応力が圧縮応力であるのに対し、電解3価クロムめっき皮膜の電着応力が引張応力であることにより、電着応力が緩和され、クラックの発生が抑制され、被めっき物に優れた耐食性を付与することができる。そして、その際の、電解3価クロムめっき皮膜の引張応力が0~50MPaであることが好ましく、0~30MPaであることがより好ましいとのことである。 コ そうすると、上記クの記載において、「電解3価クロムめっき皮膜」の「引張応力」とは、電解3価クロムめっき皮膜単独の引張応力であって、電解ニッケルめっき皮膜上に形成された電解3価クロムめっき皮膜の引張応力ではないと解される。 サ すなわち、本件発明の課題に照らせば、本件発明1の「電解3価クロムめっき皮膜」の「引張応力」は、電解3価クロムめっき皮膜単独の引張応力であると解するのが相当である。 シ これは、乙第1号証の実験成績証明書において、実施例1~10の3価Crめっきの引張応力が全て5.2MPaであること(表2-3参照。)とも符合する。 ス そうすると、本件明細書に記載された実施例1~10の「電解3価クロムめっき皮膜」の「引張応力」は、全て5.2MPaであるといえるから、この点に加えて上記イの(ア)~(ウ)の条件も満たす実施例1~10の「めっき皮膜の製造方法」は、上記アの課題を解決し得るものである。 セ よって、請求項1及びそれを引用する請求項2、4~6に係る発明は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。 (2)電解3価クロムめっき皮膜の厚みについて ア 本件発明の解決しようとする課題は、上記(1)のアで示したとおりである。 イ そして、本件明細書【0011】には、次のとおり記載されている。 「本発明の製造方法では、下地の電解ニッケルめっき皮膜の電着応力が圧縮応力であり、当該圧縮応力が0~100MPaであるので、電解3価クロムめっき皮膜の電着応力が引張応力であることにより、電着応力が緩和され、クラックの発生が抑制されて、3価クロムめっき皮膜が形成された被めっき物に優れた耐食性を付与することができる。また、本発明の製造方法によれば、上述のようにめっき皮膜のクラックの発生が抑制されることにより、光沢性に優れた電解3価クロムめっき皮膜を製造することができる 。」 ウ 上記イより、本件発明は、圧縮応力を有する下地の電解ニッケルめっき皮膜上に、引張応力を有する3価クロムめっき皮膜を形成することにより、応力が緩和され、上記(1)のアで示した課題を解決するものである。 エ そして、本件訂正前の請求項1に係る発明は、電解3価クロムめっき皮膜の厚みの上限が特定されていなかったため、上記アの課題を解決し得ない発明を含むものであった。 オ しかしながら、本件訂正により、本件発明1は、電解3価クロムめっき皮膜の厚みの上限が100μmであることが特定されたため、上記アの課題を解決するものとなった。 カ よって、請求項1及びそれを引用する請求項2、4~6に係る発明は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載されたものである。 3-2 特許法第36条第4項第1号について (1)引張応力の測定方法及び引張応力を調整する手段について ア 本件発明1は、「電解3価クロムめっき皮膜は、引張応力が0~50MPaであ」るとの発明特定事項を含むものである。 イ そして、上記3-1の(1)で検討したとおり、本件明細書に記載された実施例1~10の「電解3価クロムめっき皮膜」の「引張応力」は、全て5.2MPaであるから、この点に加えて上記イの(ア)~(ウ)の条件も満たす実施例1~10の「めっき皮膜の製造方法」は、本件発明1の一実施形態である。 ウ すなわち、本件明細書【0100】~【0106】、【0109】~【0110】に記載された手順によれば、本件発明1の「めっき皮膜の製造方法」を実施可能である。 エ よって、本件明細書の発明の詳細な説明は、請求項1及びそれを引用する請求項2、4~6に係る発明について、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件特許の請求項1、2、4~6に係る特許は、令和5年6月30日付け取消理由通知書に記載した取消理由、令和6年1月26日付け取消理由通知書に記載した取消理由(決定の予告)、及び、特許異議申立書に記載された特許異議の申立ての理由によっては、取り消すことはできず、また、他に本件の請求項1、2、4~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、本件特許の請求項3は、本件訂正により削除されたから、本件特許の請求項3に係る特許に対して、申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700264

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