特許異議申立
2023-700241
画像処理サーバ、画像処理システム、画像処理方法、及びプログラム
- 審判番号
- 2023-700241
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-020594
- 登録番号
- 7131727
- 請求日
- 2023年03月02日
- 審決日
- 2023年11月30日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】TOPPANホールディングス株式会社
- 【権利者代理人】松沼 泰史
- 【権利者代理人】鈴木 史朗
- 【権利者代理人】清水 雄一郎
- 【権利者代理人】大槻 真紀子
- 【異議申立人】藤江 桂子
- 審判長/審判官
- 審判長 畑中 高行
- 審判官 渡辺 努
- 審判官 千葉 輝久
- 分類
- P1651.112-YAA(H04N) / P1651.121-YAA(H04N) / P1651.537-YAA(H04N) / P1651.851-YAA(H04N) / P1651.853-YAA(H04N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7131727号発明「画像処理サーバ、画像処理システム、画像処理方法、及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7131727号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕、7、8について訂正することを認める。
特許第7131727号の請求項1、3~8に係る特許を維持する。
特許第7131727号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7131727号の請求項1~8に係る特許についての出願は、令和4年2月14日に出願され、令和4年8月29日にその特許権の設定登録がされ、令和4年9月6日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和5年 3月 2日 : 特許異議申立人藤江桂子(以下「申立人」という。)による請求項1~8に係る特許に対する特許異議の申立て、証拠として甲第1号証から甲第13号証を提出
令和5年 7月11日付け: 取消理由通知書
令和5年 9月11日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
なお、令和5年9月11日に提出された特許権者による意見書及び訂正請求書に対する申立人からの意見書の提出はなかった。
第2 本件訂正について1 請求の趣旨及び訂正の内容
令和5年9月11日に特許権者が行った訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)は、特許第7131727号の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8について訂正することを求めるものである。
そして、本件訂正請求についての訂正の内容は、以下のとおりである。
なお、下線は、訂正箇所である。
(1)訂正事項1
請求項1を
「チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部と、
前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり、
前記チャートが撮像されたチャート画像を取得する取得部と、
前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記チャート画像の画像情報とを用いて第1色変換テーブルを生成する生成部と、
前記第1色変換テーブル、及び色を変換した画像を出力する出力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブルを用いて、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換する色変換部と、
を備え、
前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正する第1補正部を更に備え、
前記取得部は、前記黒色画像を取得し、前記取得した黒色画像を前記第1補正部に出力し、
前記生成部は、前記第1補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する、画像処理サーバ。」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項3~6も同様に訂正する。)
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
(3)訂正事項3
請求項3を
「前記撮像環境にて白色平面が撮像された白色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における照明ムラを補正する第2補正部を更に備え、
前記取得部は、前記白色画像を取得し、前記取得した白色画像を前記第2補正部に出力し、
前記生成部は、前記第2補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する、
請求項1に記載の画像処理サーバ。」に訂正する。(請求項3の記載を引用する請求項4~6も同様に訂正する。)
(4)訂正事項4
請求項4を
「前記チャートは、製品のパッケージ、又は刊行物に印刷される、
請求項1および請求項3のいずれか一項に記載の画像処理サーバ。」に訂正する。(請求項4の記載を引用する請求項5~6も同様に訂正する。)
(5)訂正事項5
請求項5を
「請求項1、請求項3、請求項4のいずれか一項に記載の画像処理サーバと、
チャート画像及び対象物画像を前記画像処理サーバに送信する撮像端末と、
を備え、
前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり、
前記対象物画像は、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された画像である、
画像処理システム。」に訂正する。(請求項5の記載を引用する請求項6も同様に訂正する。)
(6)訂正事項6
請求項7を
「チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部を備える画像処理サーバであるコンピュータが行う画像処理方法であって、
前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり、
取得部が、前記チャートが撮像されたチャート画像を取得し、
第1補正部が、前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正し、
生成部が、前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記補正された前記チャート画像の画像情報とを用いて第1色変換テーブルを生成し、
色変換部が、前記第1色変換テーブル、及び色を変換した画像を出力する出力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブルを用いて、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換する、
画像処理方法。」に訂正する。
(7)訂正事項7
請求項8を
「チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部を備える画像処理サーバであるコンピュータに、
前記チャートが撮像されたチャート画像を取得させ、
前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を取得させ、前記チャート画像における光沢を補正させ、
前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記補正された前記チャート画像の画像情報とを用いて第1色変換テーブルを生成させ、
前記第1色変換テーブル、及び色を変換した画像を出力する出力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブルを用いて、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換させ 、
前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物である、
プログラム。」に訂正する。
2 訂正の適否についての判断(1)請求項1~6についてア 一群の請求項について
訂正前の請求項1~6について、請求項2~6は、請求項1を直接または間接に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1~6に対応する訂正後の請求項1~6は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
イ 訂正事項1について(ア)訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1における画像処理サーバが「前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正する第1補正部を更に備え」る構成に限定し、取得部及び生成部が「前記取得部は、前記黒色画像を取得し、前記取得した黒色画像を前記第1補正部に出力し、前記生成部は、前記第1補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する」構成に限定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)新規事項の追加について
訂正事項1に係る構成は、訂正前の請求項2及び【0061】に記載されているので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
(ウ)特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項1の訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。
ウ 訂正事項2について
訂正の目的、新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。
エ 訂正事項3について
訂正の目的、新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項3は、訂正事項2により訂正前の請求項2が削除されたことに伴い、訂正前の請求項3が引用する請求項から請求項2を削除するものであって、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。
オ 訂正事項4について
訂正の目的、新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項4は、訂正事項2により訂正前の請求項2が削除されたことに伴い、訂正前の請求項4が引用する請求項から請求項2を削除するものであって、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。
カ 訂正事項5について
訂正の目的、新規事項の追加、特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項5は、訂正事項2により訂正前の請求項2が削除されたことに伴い、訂正前の請求項5が引用する請求項から請求項2を削除するものであって、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。
(2)請求項7についてア 訂正事項6について(ア)訂正の目的について
訂正事項6は、訂正前の請求項7における画像処理方法が「第1補正部が、前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正」する構成に限定し、生成部が用いる前記チャート画像が「前記補正された前記チャート画像」である構成に限定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)新規事項の追加について
訂正事項6に係る構成は、【0061】に記載されているので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
(ウ)特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項6の訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。
(3)請求項8についてア 訂正事項7について(ア)訂正の目的について
訂正事項7は、訂正前の請求項8におけるプログラムが「前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を取得させ、前記チャート画像における光沢を補正させ」る構成に限定し、第1色変換テーブルを生成させる際に用いる前記チャート画像が「前記補正された前記チャート画像」である構成に限定するものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)新規事項の追加について
訂正事項7に係る構成は、【0061】に記載されているので、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
(ウ)特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項7の訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、特許請求の範囲の拡張・変更をするものではない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、訂正事項1、2、6、7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
また、訂正事項3~5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合する。
そして、申立人による特許異議申立ては、訂正前の請求項1~8の全てに対してなされているので、同条第7項の独立特許要件は課されない。
したがって、本件訂正は適法なものであり、本件特許の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕、7、8について訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2より、本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~8に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明8」という。)は、次のとおりのものである。
なお、説明のために、本件発明1における各構成にA~Iの符号を当審で付した。以下、「構成A」~「構成I」という。)。
【請求項1】
A チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部と、
B 前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり、
C 前記チャートが撮像されたチャート画像を取得する取得部と、
D 前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記チャート画像の画像情報とを用いて第1色変換テーブルを生成する生成部と、
E 前記第1色変換テーブル、及び色を変換した画像を出力する出力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブルを用いて、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換する色変換部と、
を備え、
F 前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正する第1補正部を更に備え、
G 前記取得部は、前記黒色画像を取得し、前記取得した黒色画像を前記第1補正部に出力し、
H 前記生成部は、前記第1補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する、
I 画像処理サーバ。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
前記撮像環境にて白色平面が撮像された白色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における照明ムラを補正する第2補正部を更に備え、
前記取得部は、前記白色画像を取得し、前記取得した白色画像を前記第2補正部に出力し、
前記生成部は、前記第2補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する、
請求項1に記載の画像処理サーバ。
【請求項4】
前記チャートは、製品のパッケージ、又は刊行物に印刷される、
請求項1および請求項3のいずれか一項に記載の画像処理サーバ。
【請求項5】
請求項1、請求項3、請求項4のいずれか一項に記載の画像処理サーバと、
チャート画像及び対象物画像を前記画像処理サーバに送信する撮像端末と、
を備え、
前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり、
前記対象物画像は、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された画像である、
画像処理システム。
【請求項6】
前記画像処理サーバは、前記撮像端末に対して行われた操作に応じて前記撮像端末の表示部に操作領域を表示させ、
前記撮像端末は、前記操作領域に対してドラッグアンドドロップ操作されることにより前記操作領域に入力された画像の画像情報を取得し、前記取得した画像情報を前記画像処理サーバに送信する、
請求項5に記載の画像処理システム。
【請求項7】
チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部を備える画像処理サーバであるコンピュータが行う画像処理方法であって、
前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり、
取得部が、前記チャートが撮像されたチャート画像を取得し、
第1補正部が、前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正し、
生成部が、前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記補正された前記チャート画像の画像情報とを用いて第1色変換テーブルを生成し、
色変換部が、前記第1色変換テーブル、及び色を変換した画像を出力する出力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブルを用いて、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換する、
画像処理方法。
【請求項8】
チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部を備える画像処理サーバであるコンピュータに、
前記チャートが撮像されたチャート画像を取得させ、
前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を取得させ、前記チャート画像における光沢を補正させ、
前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記補正された前記チャート画像の画像情報とを用いて第1色変換テーブルを生成させ、
前記第1色変換テーブル、及び色を変換した画像を出力する出力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブルを用いて、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換させ 、
前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物である、
プログラム。
第4 取消理由通知に記載した取消理由について1 取消理由の概要
訂正前の請求項1~8に係る特許に対して、当審が令和5年7月11日に特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
理由1(進歩性)下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
記
●理由1(進歩性)について
引用文献1を主引例とした場合
・請求項1、7、8に対して、引用文献1、4~6
・請求項3に対して、引用文献1、3~6
・請求項4、5に対して、引用文献1~7
・請求項6に対して、引用文献1~9
引用文献2を主引例とした場合
・請求項1、7、8に対して、引用文献2、4~6
・請求項3~5に対して、引用文献2~6
・請求項6に対して、引用文献2~6、8、9
<引用文献等一覧>
1.特表2010-521098号公報(甲第1号証)
2.特開2004-30138号公報(甲第2号証)
3.特開2007-81580号公報(甲第4号証)
4.特開2001-258044号公報(甲第6号証)
5.特開2002-77954号公報(甲第7号証)
6.特開2002-135605号公報(甲第8号証)
7.再公表特許WO2020/162478号(甲第9号証)
8.登録実用新案第3227091号公報(甲第10号証)
9.特開2020-19237号公報(甲第11号証)
2 取消理由通知で採用した引用文献1~9について(1)引用文献1(特表2010-521098号公報)(甲第1号証)ア 引用文献1に記載された事項
引用文献1には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。
【0001】
本発明の実施の形態は、被写体の色を正確にキャプチャして伝達することに関する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態による被写体のトゥルーカラーを伝達するための方法100のフローチャートである。
図1のステップ110において、少なくとも1つの基準色を含む画像化基準色セットがアクセスされる。本発明の実施形態では、一組の基準色を含む画像がキャプチャされる。画像化基準色セットは、キャプチャ画像における唯一の物体の場合もあるし、被写体のキャプチャ画像に存在する場合もある。
本発明の実施形態では、被写体は、その画像がキャプチャされ得る任意の人、場所、又は物とすることができる。
【0015】
図1のステップ120において、少なくとも1つの基準色に対応する少なくとも1つの制御色を含む制御基準色セットがアクセスされる。
本発明の実施形態では、トゥルーカラー空間は、画像化基準色セットの1つ又は複数の色と一致する1つ又は複数の色を含む制御基準色セットによって表される。
制御基準色セットは、実際の物理的なエンティティではなく、キャプチャ画像における基準色セットのスペクトル反射及び色信号値がアクセスされる論理的な基準色セットを含むことができることが理解される。
【0016】
図1のステップ130において、少なくとも1つの基準色と、対応する制御色との間の相違を取り除く色補正関数が生成される。
制御基準色セットの特性を、画像においてキャプチャされた画像化基準色セットの特性と比較することによって、本発明の実施形態は、画像化基準色セットの特性と制御基準色セットの特性との間の相違を考慮する変換、すなわち「色補正関数」を求めることができる。
この色補正関数は、部屋のアンビエント照明及び取得カメラの色変換の複合的影響を直接補償する。
【0017】
この基準変換を求めることを容易にするために、本発明の実施形態は、画像内の画像化基準色セットを検出し、画像化基準色セットの観測された特性を測定する。
本発明の実施形態は、次に、画像化基準色セットの色記述を、制御基準色セットの色値に近づける色補正関数を求める。
次に、この色補正関数をキャプチャ画像に適用することができる。すなわち、この色補正関数は、その後、画像における色が被写体のトゥルーカラーをより正確に伝達するようにキャプチャ画像に適用することができる。
【0019】
図2Aは、本発明の実施形態と共に使用される例示的な画像キャプチャシステム200を示す。
本発明の実施形態では、システム200は、画像キャプチャ装置201、画像化基準色セット202、制御基準色セット203、及び色補正コンポーネント204を備える。
図2Aの実施形態では、画像化基準色セット202は、少なくとも1つの基準色202a及び一意の識別情報202bをさらに備える。
さらに、制御基準色セット203は、少なくとも1つの基準色202aと一致する少なくとも1つの制御色203a、及び、一意の識別情報202bと一致する対応する識別情報203bをさらに備える。
【0020】
本発明の実施形態では、色補正コンポーネント204は、画像化基準色セット202及び制御基準色セット203にアクセスするためのものである。
より具体的には、色補正コンポーネント204は、基準色202aを制御色203aと比較して、画像化基準色セット202の色が、アンビエント照明条件及び画像キャプチャ装置201の画像処理パラメータに起因してどのように変換されたのかを判断する。
色補正コンポーネント204は、次に、基準色202aと制御色203aとの間の相違が存在する場合、その相違を取り除く色補正関数(例えば、210)を生成する。
【0021】
本発明の実施形態では、システム200は、色補正コンポーネント204と連結される適用器205をさらに備える。
本発明の実施形態では、適用器205は、色補正コンポーネント204によって生成された色補正関数210を画像(例えば、206)に適用して、修正画像207を作成する。
その際、画像206がキャプチャされたロケーションのアンビエント照明条件並びに画像キャプチャ装置201の装置特性及び画像処理能力の複合的影響が、修正画像207から取り除かれる。
その結果、被写体(例えば、211)のトゥルーカラーが、修正画像207で伝達される。
本発明の目的上、「取り除かれる」という用語は、(例えば、修正画像207の)画像化基準色セット202の基準色と制御基準色セット203との間の差が、システム200の検出パラメータ外にあるか又は許容される変動値内にあるかのいずれかであることを意味することに留意されたい。
【0022】
上記で説明したように、本発明の実施形態では、画像化基準色セット202は、被写体211と同じ画像206にキャプチャされ得る。
別の実施形態では、画像化基準色セット202は、被写体211がキャプチャされる画像206とは別個の画像にキャプチャされ得る。
これは、被写体211と同じ画像に画像化基準色セット202を示すことが望まれていない可能性のある状況で有利となり得る。
例えば、スタジオ写真撮影セッションでは、カメラマンは、画像化基準色セット202が被写体211のポートレートに見えてほしくない場合がある。
したがって、カメラマンは、色補正関数210を求める際に使用される画像化基準色セット202の第1の画像をキャプチャする場合がある。
その後、被写体211のキャプチャ画像が、色補正コンポーネント204によって事前に生成された色補正関数210を使用して処理される。
一実施形態では、システム200は、色補正関数210及び1つ又は複数の画像(例えば、画像206、修正画像207等)を記憶するためのデータ記憶装置208をさらに備える。
本発明の実施形態では、アンビエント照明条件及び別個の画像をキャプチャする画像処理能力は、正確な色補正関数210を導出するために実質的に同じであるべきであることに留意されたい。
【0023】
図2Aのシステム200の構成は例示であること、及び、コンポーネントの他の構成が本発明の実施形態に従って可能であることに留意されたい。
例えば、色補正コンポーネント204、適用器205、及びデータ記憶装置208は、別個の色補正システムとして実施され得るし、通信可能に連結されたコンポーネントのネットワークとして実施され得る。
本発明の実施形態では、色補正コンポーネント204の機能、適用器205の機能、及びデータ記憶装置208の機能は、サードパーティのサービスプロバイダ又はネットワーク209のプロバイダによるサービスとして実行され得る。
代替的に、色補正コンポーネント204、適用器205、及びデータ記憶装置208は、画像キャプチャ装置201のコンポーネントとして実施され得る。
別の実施形態では、適用器205は、色補正コンポーネント204及びデータ記憶装置208と通信可能に連結される画像キャプチャ装置201上に配置される。
したがって、画像キャプチャ装置201は、ネットワーク209を介して色補正関数210を受信し、それを画像207に適用して修正画像207を作成する。
別の実施形態では、色補正コンポーネント204、適用器205、及び制御基準色セット203は、スマートカード又は他の着脱可能データ記憶装置等の着脱可能媒体を使用する(例えば、画像キャプチャ装置201の)着脱可能コンポーネントとして実施され得る。
【0024】
本発明の実施形態では、画像キャプチャ装置201は、画像206をキャプチャするときに、制御されたインフラストラクチャを必要としない。
例えば、画像キャプチャ装置201は、被写体のパーソナルコンピュータシステム、デジタルカメラ、又は写真を生成できる携帯電話(例えば、ここでは「ピクチャーホン」と呼ぶ)であり得る。
したがって、本発明の実施形態は、較正された機器(例えば、較正されたカメラ及び較正された照明)に依拠するのではなく、被写体のパーソナル機器を利用して画像206をキャプチャすることができる。
さらに、アンビエント照明条件が色補正コンポーネント204の画像の処理に十分である限り、アンビエント照明条件が知られているか又は制御される環境で画像206をキャプチャする必要もない。
その結果、例えば、屋外又は被写体211の自宅を含むさまざまな環境にあっても画像206をキャプチャすることができる。
【0040】
図3に示すように、画像化基準色セット202は、それぞれが8つの色パッチから成る3つの行に配列されている複数の色パッチ(例えば、301~324)を備える。
色パッチ301~324は、図2A、図2B及び図2Cを参照して上記で説明した基準色(複数可)202aを備える。
本発明の実施形態では、色パッチ301~324は、白の縁340及び黒の縁350によって縁取りされた黒の背景330を背景にして設定される。
本発明の実施形態では、色補正コンポーネント204は、検出アルゴリズムを使用して、黒の背景330を白の縁340で縁取ることによって生成されるパターンと整合するパターンを識別する。
黒の縁350は、白の縁340を識別することを容易にするために使用される。
本発明の実施形態は、このタイプのパターンのみに限定されるものではないこと、及び、パターンが画像206に存在するときに色補正コンポーネント204がパターンを検出できるという条件で、任意の検出可能な基準パターン配置が使用され得ることに留意されたい。
例えば、画像化基準色セット202には、チェックボードパターン、ストライプ、又は色パッチ301~324によって表される色が壁紙、壁掛け、敷物等の中に組み込まれている背景が含まれ得る。
別の実施形態では、画像化基準色セット202は、或る範囲(spectrum)の色又は虹色等の所望の色範囲にわたる連続的な色変動を含むことができる。
連続的な範囲からの色のサンプリングには、その色範囲全体をサンプリングすること、又は連続的な範囲の離散的な領域をサンプリングすることが含まれ得る。
加えて、図3は、長方形のアレイを示しているが、色パッチ301~324は、円形パターン、三角形パターン、正方形パターン等にも同様に配置され得る。
【0042】
図3に示すように、画像化基準色セット202は、一意の識別情報202bを含む。
本発明の実施形態では、一意の識別情報202bには、画像キャプチャ装置201が認識可能な任意の記号、文字、語、パターン、数字、バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ等が含まれ得る。
【0043】
基準色セットを一意に識別することによって、本発明の実施形態は、その色特性が色パッチ301~324と一致する制御基準色セット203を識別することを容易にする。
これは、画像化基準色セット202と一致する制御基準色データに(たとえば、画像キャプチャ装置201により)リモートでアクセスする際に有利である。
したがって、画像キャプチャ装置201又は表示装置220が色補正コンポーネント204を備える場合、画像化基準色セット202と一致する制御基準色セット203は、対応する識別情報203bを使用して識別され得るし、ダウンロードされ得る。
同様に、キャリア又はサービスプロバイダが、特定の画像化基準色セット202と一致する色特性を素早く識別することもできる。
【0048】
本発明の実施形態では、画像化基準色セット202が有効なコピーであると判断されると、色補正コンポーネント204は、次に、画像化基準色セット202の色空間と制御基準色セット203との間の「変換関数」とも呼ばれる色変換を推定して色補正関数210を求める。
本発明の一実施形態では、最小二乗推定が使用されて、画像化基準色セット204からの(例えば、色パッチ301~324の1つ又は複数からの)測定されたパッチ平均色Mを制御基準色セット203の対応する制御色値Rにマッピングする3×4行列の形態の色補正関数Fが導出される。
他の実施形態では、測定されたパッチ平均色値を、逆ガンマ関数を通じて処理して、装置非線形コントラスト調整の影響を除去することができる。
この行列は、3×3色変換行列に付加的な色成分当たりのオフセットを加えた変換関数Fとなる。
本発明の実施形態では、最小二乗推定を行う前に、少なくとも1つの飽和成分を有するパッチ平均色が除外され、sRGB色成分関数が、M及びRの双方について反転される。
他の実施形態では、測定されたパッチ平均色値を、逆ガンマ関数を通じて処理して、装置非線形コントラスト調整の影響を除去することができる。
しかしながら、3×4行列は、色補正関数を求めるのに使用され得るが、本発明の実施形態は、この関数を求めるのに、線形代数に限定されるものではない。
換言すれば、色補正関数210は、任意の関数形態を取ることができる。
【図2A】
[図:0001407824000001.jpg]
イ 引用文献1に記載された発明
【図2A】より、画像キャプチャ装置201でキャプチャされた画像206は、ネットワーク209を介して送信されることが見て取れる。
以上より、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。
なお、記号1a~1qは分説するために当審にて付した。以下、「構成1a」~「構成1q」という。また、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連する記載の段落番号や図番号である。
(引用発明1)
1a 被写体の色を正確にキャプチャして伝達することに関して、(【0001】)
1b 少なくとも1つの基準色を含む画像化基準色セットがアクセスされ、一組の基準色を含む画像がキャプチャされ、(【0013】)
1c 少なくとも1つの基準色に対応する少なくとも1つの制御色を含む制御基準色セットがアクセスされ、(【0015】)
1d 少なくとも1つの基準色と、対応する制御色との間の相違を取り除く色補正関数が生成され、(【0016】)
1e 次に、この色補正関数をキャプチャ画像に適用するものであって、(【0017】)
1f システム200は、画像キャプチャ装置201、画像化基準色セット202、制御基準色セット203、色補正コンポーネント204、色補正コンポーネント204と連結される適用器205を備え、(【0019】、【0021】)
1g 画像化基準色セット202は、少なくとも1つの基準色202a及び一意の識別情報202bを備え、(【0019】)
1h 制御基準色セット203は、少なくとも1つの基準色202aと一致する少なくとも1つの制御色203a、及び、一意の識別情報202bと一致する対応する識別情報203bを備え、(【0019】)
1i 色補正コンポーネント204は、基準色202aと制御色203aとの間の相違が存在する場合、その相違を取り除く色補正関数(例えば、210)を生成し、(【0020】)
1j 適用器205は、色補正コンポーネント204によって生成された色補正関数210を画像(例えば、206)に適用して、修正画像207を作成し、(【0021】)
1k その際、画像206がキャプチャされたロケーションのアンビエント照明条件並びに画像キャプチャ装置201の装置特性及び画像処理能力の複合的影響が、修正画像207から取り除かれ、被写体(例えば、211)のトゥルーカラーが、修正画像207で伝達され、(【0021】)
1l 画像化基準色セット202は、被写体211と同じ画像206にキャプチャされ、(【0022】)
1m 制御基準色セット203は、着脱可能データ記憶装置等の着脱可能媒体を使用し、(【0023】)
1n 画像キャプチャ装置201は、被写体のパーソナルコンピュータシステム、デジタルカメラ、又は写真を生成できる携帯電話であり、画像キャプチャ装置201でキャプチャされた画像206は、ネットワーク209を介して送信され、(【0024】、【図2A】)
1o 画像化基準色セット202は、それぞれが8つの色パッチから成る3つの行に配列されている複数の色パッチ(例えば、301~324)を備え、一意の識別情報202bを含み、色パッチ301~324は、基準色202aを備え、一意の識別情報202bにはバーコードが含まれ得、基準色セットを一意に識別することによって、その色特性が色パッチ301~324と一致する制御基準色セット203を識別することを容易にし、画像化基準色セット202と一致する制御基準色セット203は、対応する識別情報203bを使用して識別され、(【0040】、【0042】、【0043】)
1p 画像化基準色セット202が有効なコピーであると判断されると、色補正コンポーネント204は、画像化基準色セット202の色空間と制御基準色セット203との間の「変換関数」とも呼ばれる色変換を推定して色補正関数210を求める(【0048】)
1q 画像キャプチャシステム200。(【0019】)
(2)引用文献2(特開2004-30138号公報)(甲第2号証)ア 引用文献2に記載された事項
引用文献2には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、多くの利用者それぞれに適切な化粧情報を提供するための方法および装置に関し、詳しくは、画像データの送受による擬似的対面状態の下で提供情報を選択する技術に関する。
【0019】
【第1実施例】
本発明の化粧情報提供方法に用いる化粧情報提供装置の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、(a)がスターターキットの斜視図、(b)が化粧情報提供装置等の概要構成図である。
【0020】
スターターキット2は(図1(a)参照)、色の異なる化粧品を少量ずつと筆等の化粧用具とを並べて保持するパレット2a(化粧用品)に、赤・緑・青の3原色をほぼ等分に並べて印刷した一枚のキャリブレーションスタンダード2b(色調調整紙、基準色着色物)を添付して、配布しやすいよう包装や箱等で纏めたものである。キャリブレーションスタンダード2bが使用説明書を兼ねる場合には、撮像の仕方や送信先のメールアドレス等が記載され、通信販売での購入申込書を兼ねる場合には葉書としても容易に利用できるよう裏面に宛先等が予め印刷されている。
【0021】
化粧情報提供装置には、画像データの送受信先を動的に確立するためにインターネット接続可能なコンピュータからなるサーバ12が採用され、これには、表示画像を表示するためにディスプレイ11が付設され、多数の化粧情報を選択可能に保持したハードディスクが内蔵されている。サーバ12は、インターネットを介して受信した受信画像について基準色領域を抽出し、それから、その基準色領域を参照して受信画像に色調調整を施して、表示画像を生成するようになっている。また、化粧情報のうちから何れかが選択されると、それを受信画像の送信元に送信するようにもプログラムされている。
【0023】
化粧情報提供に際して、予め、即ち情報提供開始に先だって又は開始後でも以後の利用に備えて随時、キャリブレーションスタンダード2bの色調測定と、スターターキット2の配布とが行われる。色調測定にて得られた基準色の既知データはサーバ12に入力されて後の色調調整に供される。具体的には、色調を(赤成分値,緑成分値,青成分値)からなるRGBの組で表し、それぞれの成分値が“0”~“255”に範囲に納まる場合、キャリブレーションスタンダード2bに標準光源を照射して色調測定を行うと、理想的な印刷状態であれば基準色の既知データとして、赤部分は(255,0,0)、緑部分は(0,255,0)、青部分は(0,0,255)といった値が得られる。
【0024】
そうして色調の判明したキャリブレーションスタンダード2bを組み込んだスターターキット2は、大抵、店頭販売や自動販売機等を利用した有償譲渡にて、時には販売促進のための無償譲渡にて、ユーザー20(情報利用者)に配布される。そして、インターネット接続可能な携帯電話機21を用いて、ユーザー20が自分の顔を撮った画像を指定のメールアドレス宛に送信し、それがサーバ12(情報提供側)に届いて受信されると、その画像がディスプレイ11に表示され、アドバイザー10(情報提供者)がユーザー20の顔を見ることができる状態になる。その際、サーバ12の画像処理によって受信画像3に対しその中の基準色領域を参照して基準色の既知データとの比較に基づいて色調調整が施され、そうして出来上がった表示画像4が表示される。
【0025】
具体的には、受信画像3について中心部の顔領域3aから左下など所定部分を分けて、そこから基準色領域3bすなわちキャリブレーションスタンダード2bの像を抽出する。そして、受信画像3中の基準色領域3bにおける各色の色調が上述した基準色の既知データと一致していれば受信画像3をそのまま表示画像4とし、異なるときには差分を加減して一致させる。例えば、基準色領域3bの色調が赤部分(200,0,0),緑部分(0,205,0),青部分(0,0,216)のとき、差分(55,50,39)を加える。これにより、基準色領域4bの色調が既知データに一致する。同時に、受信画像3中の顔領域3aも例えば顔色(197,150,50)から適切な顔色(252,200,89)に調整され、これが表示画像4中の顔領域4aの色となる。
【0044】
【第4実施例】
本発明の第4実施例について、図面を引用して説明する。図5は、(a)が配布用キャリブレーションスタンダード、(b)が配布用ポケットティッシュ、(c)が配布用化粧品容器の斜視図、(d)がハードディスクの記憶データの概要ブロック図である。
この化粧情報提供方法および化粧情報提供装置が上述した第1~第3実施例のものと相違するのは、基準色に加えて印刷番号50も印刷されている点と、それに対応してハードディスク13にデータが追加され、サーバ12のプログラムが一部改造されている点である。
【0045】
印刷番号50は、OCRフォント等の文字列や(図5(a),(b)参照)、バーコード等の符号で(図5(c)参照)、キャリブレーションスタンダード2bそのものに又は基準色着色部32,44と一緒に撮像しやすいところに印刷されている。印刷番号50には一般に製造番号(図5(a)参照)やロット番号(図5(b)参照)等が採用されるが、印刷番号50は、印刷物または印刷組を識別可能であれば連続していなくても数字だけでなくても良い。すなわち、印刷番号50は、配布用の基準色着色物に基準色を印刷するとき、ロット単位など印刷状態の揃った組ごとに異なる値が割り付けられ、ロット等の印刷組を識別しうるようになっている。
【0046】
ハードディスク13には(図5(d)参照)、上述した化粧情報14やその他の情報に加えて、色調補正表51が記憶保持される。色調補正表51には、複数・多数の補正表が含まれ、印刷番号50に基づいて検索すると、対応する一つの補正表が選出されるようになっている。それぞれの補正表は、基準色領域を参照した色調調整に必要な基準色の既知データからなり、そのデータは、該当ロットから一枚または一個の基準色着色物を抜き出し、それに標準光源を照射して、その色調を測定したものであり、補正演算に使い易いよう配列等の表形式に纏められている。印刷のロットが切り替わる度に、印刷番号50に新たな値が採用されるとともに、それに対応して新たな補正表も作成されるので、色調補正表51は補正表を追加しうるようにもなっている。
【0047】
サーバ12は、受信画像から基準色領域を抽出するとき、それに加えて印刷番号50の領域も抽出してその値を読み取る。そして、この印刷番号50に基づいて色調調整の内容を変更するようになっている。その内容変更は、色調調整に用いる基準色の既知データを択一的に切り替えるようになっている。具体的には、受信画像から読み取った印刷番号50をキーにして色調補正表51の検索を行い、それで選出された補正表を基準色の既知データとして色調調整を行うようになっている。
【0048】
この場合、配布されたキャリブレーションスタンダード2bや,ポケットティッシュ30,化粧品容器41には、基準色着色面の一部に又は基準色着色部32,44に加えて印刷番号50も印刷され、それがユーザー20の顔と共に撮像される。そして、情報提供側では、印刷番号50に対応した補正表が選出され、それに基づいて最適の色調調整が行われる。
こうして、印刷のロット等によって基準色が変わってしまうのを、ロット管理等によって、サーバ側で補正することができる。しかも、ロット等の異なる基準色着色物が、地域的に入り交じって配布されていても、時期的に前後して用いられても、印刷番号での識別によって確実に而も自動的に、最適な補正が行われる。
イ 引用文献2に記載された発明
【0044】、【0046】の記載から、第4実施例は、第1実施例において、基準色に加えて印刷番号50も印刷され、それに対応してハードディスク13に色調補正表51が記憶保持されている構成である。
したがって、第1実施例に、【0044】~【0049】に示された第4実施例を含めたものを、引用文献2に記載された発明とする。
引用文献2には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。
なお、記号2a~2lは分説するために当審にて付した。以下、「構成2a」~「構成2l」という。また、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連
する記載の段落番号である。
(引用発明2)
2a 多くの利用者それぞれに適切な化粧情報を提供するための装置に関し、(【0001】)
2b スターターキット2は、色の異なる化粧品を少量ずつと筆等の化粧用具とを並べて保持するパレット2aに、赤・緑・青の3原色をほぼ等分に並べて印刷した一枚のキャリブレーションスタンダード2b(基準色着色物)を添付して、配布しやすいよう包装や箱等で纏めたものであり、(【0020】)
2c 基準色に加えて印刷番号50も印刷され、印刷番号50は、バーコード等の符号で、キャリブレーションスタンダード2bそのものに又は基準色着色部32,44と一緒に撮像しやすいところに印刷され、(【0044】、【0045】)
2d 画像データの送受信先を動的に確立するためにインターネット接続可能なコンピュータからなるサーバ12が採用され、これには、表示画像を表示するためにディスプレイ11が付設され、多数の化粧情報を選択可能に保持したハードディスクが内蔵され、サーバ12は、インターネットを介して受信した受信画像について基準色領域を抽出し、その基準色領域を参照して受信画像に色調調整を施して、表示画像を生成し、(【0021】)
2e キャリブレーションスタンダード2bの色調測定と、スターターキット2の配布とが行われ、色調測定にて得られた基準色の既知データはサーバ12に入力されて後の色調調整に供され、具体的には、色調を(赤成分値,緑成分値,青成分値)からなるRGBの組で表し、それぞれの成分値が“0”~“255”に範囲に納まる場合、キャリブレーションスタンダード2bに標準光源を照射して色調測定を行うと、理想的な印刷状態であれば基準色の既知データとして、赤部分は(255,0,0)、緑部分は(0,255,0)、青部分は(0,0,255)といった値が得られ、(【0023】)
2f キャリブレーションスタンダード2bを組み込んだスターターキット2は、ユーザー20(情報利用者)に配布され、(【0024】)
2g インターネット接続可能な携帯電話機21を用いて、ユーザー20が自分の顔を撮った画像を指定のメールアドレス宛に送信し、それがサーバ12(情報提供側)に届いて受信されると、サーバ12の画像処理によって受信画像3に対しその中の基準色領域を参照して基準色の既知データとの比較に基づいて色調調整が施され、そうして出来上がった表示画像4が表示され、(【0024】)
2h 具体的には、受信画像3について基準色領域3bすなわちキャリブレーションスタンダード2bの像を抽出し、受信画像3中の基準色領域3bにおける各色の色調が上述した基準色の既知データと異なるときには差分を加減して一致させ、例えば、基準色領域3bの色調が赤部分(200,0,0),緑部分(0,205,0),青部分(0,0,216)のとき、差分(55,50,39)を加えることにより、基準色領域4bの色調が既知データに一致し、受信画像3中の顔領域3aも例えば顔色(197,150,50)から適切な顔色(252,200,89)に調整され、これが表示画像4中の顔領域4aの色となり、(【0025】)
2i ハードディスク13には、色調補正表51が記憶保持され、印刷番号50に基づいて検索すると、対応する一つの補正表が選出されるようになっており、それぞれの補正表は、基準色領域を参照した色調調整に必要な基準色の既知データからなり、補正演算に使い易いよう配列等の表形式に纏められ、(【0046】)
2j サーバ12は、受信画像から基準色領域を抽出するとき、それに加えて印刷番号50の領域も抽出してその値を読み取り、印刷番号50に基づいて色調調整の内容を変更するようになっており、その内容変更は、色調調整に用いる基準色の既知データを択一的に切り替えるようになっており、具体的には、受信画像から読み取った印刷番号50をキーにして色調補正表51の検索を行い、それで選出された補正表を基準色の既知データとして色調調整を行うようになっており、(【0047】)
2k この場合、配布されたキャリブレーションスタンダード2bや,ポケットティッシュ30,化粧品容器41には、基準色着色面の一部に又は基準色着色部32,44に加えて印刷番号50も印刷され、それがユーザー20の顔と共に撮像され、情報提供側では、印刷番号50に対応した補正表が選出され、それに基づいて最適の色調調整が行われる(【0048】)
2l 化粧情報提供装置。(【0019】)
(3)引用文献3(特開2007-81580号公報)(甲第4号証)ア 引用文献3に記載された事項
引用文献3には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。
【0019】
図5は、本実施形態でデジタルカメラ1で撮像される照明ムラ補正用チャート4の一例を示す図である。照明ムラ補正用チャート4は、均一な白色チャート、例えばグレタグマクベス社特注のN8均一ホワイトチャート等を使用するとよい。
【0022】
まず、色処理パラメータ編集装置(画像処理装置)2は、画像入出力部201を介して画像データを読み込む(ステップS11)。尚、当該読み込み処理は、ケーブル等を介してデジタルカメラ1から直接読み込んでも良いし、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の記憶体から読み込むようにしても良い。ステップS11で読み込まれる画像データは、色票3及び照明ムラ補正用チャート4を同一照明下で撮像した画像である。
【0023】
次いで、平均値算出部203において読み込んだ上記2つの画像のそれぞれについて各パッチのRGB平均値を求める(ステップS12)。そして、補正部204においてステップS12で求めた各パッチのRGB平均値を補正する(ステップS13)。本実施形態では、次のような補正処理を行う。
【0024】
まず、色票3の任意のパッチのRGB平均値をRorg、Gorg、Borgとする。また、色票3の任意のパッチと同じ範囲の照明ムラ補正用チャート4上のパッチのRGB平均値をRw、Gw、Bwとする。さらに、照明ムラ補正用チャート4上の測定したRGB平均値の最大値をRmax、Gmax、Bmaxとする。そして、式(1)を用いて補正後のRGB平均値Raft、Gaft、Baftを算出する。
【0025】
【数1】
Raft=Rorg*Rmax/Rw
Gaft=Gorg*Gmax/Gw ・・・(1)
Baft=Borg*Bmax/Bw
【0026】
ステップS13での補正処理後、入力データを算出する(ステップS14)。本実施形態では、画像処理部202において予め色処理パラメータ保持部206に設定されている色処理パラメータを使用して、先に補正したRGB平均値に対して色処理を行うようにする。ここで、色処理パラメータは、3×3のマトリックス、3×9のマトリックス、或いは3×19のマトリックス等が考えられる。そして、処理後のRGBデータをIEC61966-2-1で規定されるsRGBと仮定し、CIELABに変換したものを入力データとする。
【0045】
また、前述した実施形態においては、照明ムラ補正用チャートを1枚使用していたが、明度の異なる複数の照明ムラ補正用チャートを使用しても良い。この場合、例えば白、灰、黒の3枚のチャートを用意し、色票3と同一照明下で撮像する。そして、補正の際に色票3の任意のパッチのRGB平均値をRorg、Gorg、Borgとする。また、照明ムラ補正用チャート4上の色票3の任意のパッチと同じ範囲のRGB平均値を
Rw、Gw、Bw(白)、
Rg、Gg、Bg(灰)、
Rk、Gk、Bk(黒)とする。さらに、照明ムラ補正用チャート4上の測定したRGB平均値の最大値を
Rwm、Gwm、Bwm(白)、
Rgm、Ggm、Bgm(灰)、
Rkm、Gkm、Bkm(黒)とする。さらにまた、補正後のRGB平均値をRaft、Gaft、Baftとし、以下の式(17)~(21)を用いて算出する。
イ 引用文献3に記載された技術
引用文献3には、以下の技術(以下、「引用技術3」という。)が記載されている。なお、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連する記載の段落番号である。
(引用技術3)
色処理パラメータ編集装置(画像処理装置)2が、画像入出力部201を介して、色票3及び照明ムラ補正用チャート4を同一照明下で撮像した画像の画像データを読み込み、(【0022】)
平均値算出部203において読み込んだ上記2つの画像のそれぞれについて各パッチのRGB平均値を求め、補正部204において、求めた各パッチのRGB平均値を補正し、(【0023】)
補正処理は、色票3の任意のパッチのRGB平均値をRorg、Gorg、Borg、色票3の任意のパッチと同じ範囲の照明ムラ補正用チャート4上のパッチのRGB平均値をRw、Gw、Bw、照明ムラ補正用チャート4上の測定したRGB平均値の最大値をRmax、Gmax、Bmaxとしたとき、(【0024】)
補正後のRGB平均値Raft、Gaft、Baftが、Rorg*Rmax/Rw、Gorg*Gmax/Gw、Borg*Bmax/Bwと算出され、(【0024】、【0025】)
予め色処理パラメータ保持部206に設定されている色処理パラメータを使用して、先に補正したRGB平均値に対して色処理を行う際に用いられ、(【0026】)
均一な白色チャートを使用するが、明度の異なる複数のチャート(例えば白、灰、黒の3枚のチャート)でも良い(【0019】、【0045】)
照明ムラ補正用チャート4。
(4)引用文献4(特開2001-258044号公報)(甲第6号証)
引用文献4には、以下の記載がある。
【請求項1】 患部を撮影する撮影手段と、撮影した画像を前記撮影手段の色特性に基づいてデバイス及び照明条件に依存しない画像に変換する入力画像処理手段と、前記デバイス及び照明条件に依存しない画像に変換された患部画像を可視表示する出力手段の周囲照明条件と色特性を用いて、前記患部を所望の照明下で見た色で再現した出力用画像に変換する出力画像処理手段と、を具備したことを特徴とする医療用画像処理装置。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子カルテあるいは遠隔医療の用途において、撮影装置で撮影した患者の患部の画像の色をディスプレイやプリンタで精度よく再現する医療用画像処理装置に関するものである。
【0019】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、電子カルテあるいは遠隔医療の用途において、撮影した患者の患部の画像の色をディスプレイやプリンタで精度よく再現する医療用画像処理装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、撮影装置により撮影した患部の画像を撮影手段の色特性に基づいてデバイス及び照明条件に依存しない画像に変換し、このデバイス及び照明条件に依存しない画像に変換された患部画像に適切な強調処理を施してから、可視表示する出力装置の色特性及び周囲照明条件とを用いて、この変換後の患部画像を患部状態のわかりやすい色再現の出力用画像に変換する構成を採る。
【0021】これにより、撮影装置により撮影した患部画像の色を精度よく出力装置で再現することができる。
【0053】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形態1について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる医療用画像処理装置のブロック構成図である。
【0054】実施の形態1にかかる医療用画像処理装置には、被写体である患者の患部101a、101bを撮影する撮影する撮影装置102及び筐体付き撮影装置103が設けられている。また、患者の患部101aの近傍には、患者の患部101aを照明する照明撮影104が設けられている。
【0056】送信元画像処理部128は、撮影装置102及び筐体付き撮影装置103の色特性を保持する撮影装置色特性保持部105と、撮影した患者の患部101a、101bの画像をデバイス及び照明に依存しない画像データに変換する入力画像処理部106と、デバイス及び照明に依存しない画像データを強調処理する際に使用する強調処理名を選択する画像強調処理選択部108とから構成されている。撮影装置色特性保持部105、入力画像処理部106及び画像強調処理選択部108については、後程詳細に説明する。
【0060】送信先画像処理部129は、入力されてきた画像をディスプレイ118用に強調するディスプレイ用画像強調処理部111と、ディスプレイ118の色特性を保持するディスプレイ色特性保持部113と、ディスプレイ用画像強調処理部111から送られてきた画像をディスプレイ118用の出力画像に変換するディスプレイ用出力画像処理部115と、入力されてきた画像をプリンタ126用に強調するプリンタ用画像強調処理部119と、プリンタ126の色特性を保持するプリンタ色特性保持部121と、プリンタ用画像強調処理部121から送られてきた画像をプリンタ126用の出力画像に変換するプリンタ用出力画像処理部123とから構成されている。ディスプレイ用画像強調処理部111と、ディスプレイ色特性保持部113と、ディスプレイ用出力画像処理部115と、プリンタ用画像強調処理部119と、プリンタ色特性保持部121と、プリンタ用出力画像処理部123については、後程詳細に説明する。
【0071】このようにして得られた入力画像データは、送信元画像処理部128に設けられた入力画像処理部106に送られる。入力画像処理部106は、撮影装置色特性保持部105に保持されている撮影装置102及び筐体付き撮影装置103の色特性と照明装置104及びリング照明202の照明条件によって、送られてきた入力画像をデバイス及び照明に依存しない画像データに変換する。
【0082】まず、撮影装置の色特性として、あるチャートを撮影装置で撮影し、そのRGB出力値と撮影照明下でのXYZ三刺激値の対応をルックアップテーブルとしたものを用いる。あるいは、ルックアップテーブルではなく、RGB出力値と撮影照明下のXYZ三刺激値を対応付ける多項式やマトリクスとすることもできる。
【0085】次に、第2の場合の、ディスプレイ118に表示される患部の色とプリンタ126から出力されるハードコピー上の患部の色を、患部をディスプレイ118とその周囲照明下で見た場合の色及びハードコピーを観察する照明装置127と同じ照明下で見た場合の色として再現する方法を説明する。
【0087】撮影装置の色特性として、あるチャートを撮影装置で撮影し、そのRGB出力値と撮影照明下でのXYZ三刺激値の対応をルックアップテーブルとしたものを用いる。あるいは、ルックアップテーブルではなく、RGB出力値と撮影照明下のXYZ三刺激値を対応付ける多項式やマトリクスとすることもできる。
【0133】その後、ディスプレイ用画像処理部115は、ディスプレイ色特性保持部113から、現在設定されているディスプレイ118のブライトネス設定に対応する色特性を読出し、ディスプレイ118の色温度下におけるXYZ三刺激値をディスプレイのRGBデータに変換する。色特性はディスプレイの色温度下におけるXYZ三刺激値からディスプレイのRGBデータをひくルックアップテーブルであるか、あるいは、ディスプレイの色温度下におけるXYZ三刺激値からディスプレイのRGBデータを算出する3×3の行列となっている。
【0157】次に、送信されてきたデバイス及び照明に依存しない画像データ107をハードコピーとして観察するために、プリンタ出力画像データ(CMYK信号)125に変換する方法について説明する。
【0161】その後、プリンタ色特性保持部121から、現在の照明の照度に対応する色特性を読出し、照明装置127下におけるXYZ三刺激値をプリンタ126のCMYKデータに変換する。プリンタ色特性は照明装置127下におけるXYZ三刺激値からCMYK信号をひくルックアップテーブルとなっている。以下、ルックアップテーブルの作成方法について説明する。
(5)引用文献5(特開2002-77954号公報)(甲第7号証)
引用文献5には、以下の記載がある。
【請求項1】 撮像対象物をモニタに表示する撮像データ表示システムにおいて、
標準状態においてカラーチャートに示された各色を測色することによって生成された基準色彩値データを格納する基準色彩値データ格納手段と、
予め設定された複数の基準色をそれぞれ前記モニタに表示させたときに、各表示色を測色することによって生成されたモニタ特性データを格納するモニタ特性データ格納手段と、
撮像対象物をカラーチャートと共に撮像することによって撮像データを生成する撮像データ生成処理手段と、
前記撮像データの中からカラーチャートに示された各色の色彩値を撮像色彩値データとして取得する撮像色彩値データ取得処理手段と、
前記撮像色彩値データ、前記基準色彩値データ及び前記モニタ特性データに基づき得た補正関数によって前記撮像データを補正する撮像データ補正処理手段と、
前記撮像データ補正処理手段が補正した撮像データを前記モニタに表示する表示処理手段と、
を有し、撮像データを前記モニタに表示する際に、当該モニタの色表示特性を用いて色補正を行うことを特徴とする撮像データ表示システム。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、競売品などの撮像対象物をモニタに表示する際に、現物と遜色のない色で表示させるための撮像データ表示システム及びネットワーク競売システムに関する。
【0006】本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、撮像対象物を原色と遜色のない色で端末装置に表示させることのできる撮像データ表示システムを提供することにある。
【0007】また、競売品を原色と遜色のない色で買参人が使用する競売用端末装置に表示させることのできるネットワーク競売システムを提供することにある。
【0018】競売用端末装置2は、モニタ8の色表示特性を示したデータ(以下、「モニタ特性データ」)を格納するモニタ特性データ格納部9と、画像処理装置1によって生成された撮像データを後述する色補正係数行列により補正する補正処理部10と、補正した撮像データを格納する補正済撮像データ格納部11と、補正済撮像データをモニタ8に表示する表示処理部12とを有している。
【0019】競売用コンピュータ3は、画像処理装置1によって生成された撮像データ及び撮像色彩値データをそれぞれ格納する撮像データ格納部13及び撮像色彩値データ格納部14と、モニタ8のモニタ特性データを格納するモニタ特性データ格納部15と、標準状態におけるカラーチャートに示された各色を測色することによって生成された基準色彩値データを格納する基準色彩値データ格納部16とを有している。各格納部13,14には、競売品を提供する各生産地等から送られてきた全ての撮像データ及び撮像色彩値データが格納される。モニタ特性データ格納部15には、本システムが実施する競売に参加する買参人が使用する全競売用端末装置2に対するモニタ特性データが登録されている。モニタ特性データ格納部15に格納される各モニタ特性データは、各競売用端末装置2がそれぞれ保持するモニタ特性データと同じである。競売用コンピュータ3は、更に撮像色彩値データ、基準色彩値データ及びモニタ特性データに基づきモニタ8の色補正係数行列を補正関数として算出する補正関数生成処理部17を有している。補正関数生成処理部17には、本実施の形態における画像処理装置1から送られてくる撮像色彩値データはRGBデータなので、そのデータを三刺激値に変換するデータ変換処理部18と、モニタ8の色補正係数行列を補正関数として算出する色補正係数行列算出処理部19を有している。変換後色彩値データ格納部20は、データ変換処理部18が変換した三刺激値データを格納し、色補正係数行列格納部21は、色補正係数行列算出処理部19が算出した色補正係数行列を格納する。補正関数生成処理部17は、競売用端末装置2に設けられた補正処理部10と共に本発明に係る撮像データ補正処理手段を形成する。
【0028】競売者側では、撮像データ及び撮像色彩値データが送られてくると、データ変換処理部18は、モニタ特性データに基づくモニタ特性式を用いてRGBデータである撮像色彩値データをXYZデータである三刺激値に変換する(ステップ103)。後段の色補正係数行列を算出するためである。なお、この変換処理は、必要なモニタ特性データを生産地側にダウンロードして生産地側で行うようにしてもよい。続いて、色補正係数行列算出処理部19は、三刺激値に変換した撮像色彩値データと基準色彩値データを用いて重回帰分析を行い、色補正 係数行列Mを算出し、その結果を色補正係数行列格納部21に保存する(ステップ104)。なお、色補正係数行列の算出方法は、一般的な重回帰分析手法を用いればよい。本実施の形態の場合、重回帰分析を行った結果生じる残差を上記Mに付加した結果を新たに色補正係数行列Mと定義する。この結果、本実施の形態で得られる色補正係数行列Mは、3×4行列となる。
【0029】買参人側では、競売用コンピュータ3から表示したい花卉に対応した撮像データと色補正係数行列が送られてくると、補正処理部10は、モニタ特性データに基づくモニタ特性式を用いてRGBデータである撮像データを1画素ずつ三刺激値へ変換し、色補正係数行列を用いて色補正を行う(ステップ105)。更に、変換後の三刺激値を、モニタ特性式を逆方向に適用してディジタル値(RGBデータ値)に変換した後、補正済撮像データ格納部11へ格納する(ステップ106)。表示処理部12は、補正済撮像データ格納部11から読み出した撮像データをモニタ8に表示する(ステップ107)。
(6)引用文献6(特開2002-135605号公報)(甲第8号証)
引用文献6には、以下の記載がある。
【請求項1】 入力機器を用いて得られたカラー画像の画像データを提供するネットワークサーバと、
ネットワークを介して前記ネットワークサーバから画像データを受け取り、カラー画像を再現可能な出力機器に画像データを出力するネットワーク端末とを備えるネットワークシステムにおいて、
前記ネットワーク端末は、
前記出力機器固有の色再現特性と基準色再現特性との間の変換データを備える出力機用プロファイルを記憶する記憶手段を備え、
前記ネットワークサーバは、
前記入力機器固有の色再現特性と基準色再現特性との間を換算補正するための変換データを備える入力機用プロファイルを記憶する記憶手段と、
前記ネットワーク端末の記憶手段から前記出力機用プロファイルを受け取る受信手段と、
前記記憶された入力機用プロファイルと前記受け取った出力機用プロファイルとを用いて、前記入力機器を用いて得られた画像データに対して色補正処理を行なう色補正手段と、
前記色補正処理済みの画像データを前記ネットワーク端末に送信する送信手段とを備え、さらに、
前記ネットワークサーバは、
所定の条件が成立したときに、前記色補正手段の実行を禁止して、前記送信手段に、前記色補正処理が行なわれていない前記画像データと共に前記入力機用プロファイルを送信させる制御手段を備え、
前記ネットワーク端末は、
前記所定の条件が成立したときに、前記ネットワークサーバから送られてくる入力機用プロファイルと前記記憶手段に記憶された出力機用プロファイルとを用いて、前記ネットワークサーバから送られてくる画像データに対して色補正処理を行なうことで、前記出力機器に出力するための画像データを作成する色補正手段を備えたことを特徴とするカラーマネジメントを行なうネットワークシステム。
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ネットワークサーバとネットワーク端末とが接続されるネットワークにおいてカラー画像をカラーマネージメントを行なうための技術に関する。
【0053】1.システム全体の構成:この一実施例のネットワークシステムは、インターネットを利用したものである。図1は、一実施例としてのネットワークシステムの全体構成を示す説明図である。図示するように、本実施例のネットワークシステムは、インターネット10に接続されるWWW(World Wide Web)サーバ20と画像サーバ30とを備える。また、インターネット10に接続可能なネットワーク端末(以下、クライアントと呼ぶ)としてのパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと呼ぶ)40とゲーム機50とを備える。
【0056】パソコン40は、CPU、ROM、RAM、ハードディスクドライブ(HDD)、ネットワーク制御回路等を備える周知のコンピュータから構成されるもので、周辺装置であるCRTディスプレイ(以下、単にディスプレイと呼ぶ)41とプリンタ42が接続されている。上記HDDには、Webブラウザのコンピュータソフトウェアが格納されている。パソコン40は、そのWebブラウザのコンピュータソフトウェアを実行して、そのWebブラウザから上記ショッピングモールのWebサイトのURLを指定することで、上記WWWサーバ20にアクセスする。そして、WWWサーバ20から提供される表示用のデータと画像サーバ30から提供される商品についての画像データとから示される画像をディスプレイ41に表示する。
【0059】画像サーバ30は、WWWサーバ20から送られてくる商品画像提
供リクエストを受け取ると、このリクエストにより指定される商品の画像データをパソコン40に提供する。なお、商品画像提供リクエストの数が複数である場合には、各リクエストによりそれぞれ指定される複数の商品の画像データを提供する。画像サーバ30は、この商品の画像データを提供する機能を実現するために、画像データ記憶部31、入力機用プロファイル記憶部32および第1送信部33を備える。画像データ記憶部31には、図示しないデジタルカメラにより得られた上記商品の画像データが予め記憶されている。入力機用プロファイル記憶部32には、プロファイル(以下、これを入力機用プロファイルと呼ぶ)と呼ぶデータの集合体が予め記憶されている。この入力機用プロファイルは、デジタルカメラ、およびそのデジタルカメラを用いた撮影と同じ照明条件に固有のカラースペース(色空間)から標準カラースペースへの変換テーブルを備えるものである。両記憶部31,32に記憶されている画像データと入力機用プロファイルを、第1送信部33によりインターネット10を介してパソコン40に送信する。
【0060】パソコン40は、上記画像サーバ30から提供される画像データを表示する機能を実現するために、第1受信部45、第1出力機用プロファイル記憶部46、カラーマッチング部47および第1出力部48を備える。第1受信部45は、画像サーバ30から送られてくる画像データと入力機用のプロファイルとを受信する。第1出力機用プロファイル記憶部46により、プロファイル(以下、これを第1出力機用プロファイルと呼ぶ)が記憶される。この第1出力機用プロファイルは、標準カラースペースからディスプレイ41に固有のカラースペースへの変換テーブルを備えるものである。この第1出力機用プロファイルと第1受信部45により受信した入力機用プロファイルとを用いて、同じく受信した画像データに対して、カラーマッチング部47により色補正処理(すなわち、カラーマッチング処理)を行なう。その後、そのカラーマッチング処理済みの画像データを、第1出力部48によりディスプレイ41に出力する。
【0069】図4は、入力機用プロファイルを作成する手順を示すフローチャートである。図示するように、まず最初に、デジタルカメラ、光源およびカラーチャートを用意する(工程S1)。カラーチャートは、例えば、ANSI(米国標準協会)の技術委員会IT8 SC4で標準化されたIT8と呼ばれるものを用いる。次いで、デジタルカメラでカラーチャートを撮影する(工程S2)。なお、この撮影は、Webサイトに含まれる商品の撮影時と同じ照明条件でカラーチャートを撮影する。次いで、その撮影したカラーチャートの画像の中から、カラーチャートの各カラーパッチ部分の色情報(RGB値)を取得する(工程S3)。
【0070】上記カラーチャートにおいては、カラーバッチの本来の色情報(標準色情報)が予めメーカから用意されていることから、次いで、この標準色情報を取得する(工程S4)。工程S3およびS4の結果、画像サーバ30のRAMには、工程S3で取得された色情報と工程S4で収得された標準色情報についてのRGBの各色毎の色情報(RGB値)が格納されることになる。次いで、工程S3で取得された色情報とこの本来の色情報との間の対応関係を示すデータを作成する(工程S5)。なお、IT8の場合、カラーパッチの色数である928色分の対応関係の情報しか得られないことから、この工程S5では、色間の補間演算によって、カラーパッチにない部分の色の値を推定して、十分な色数についての対応関係を示すデータを作成している。その後、その対応関係を示すデータから、デジタルカメラ、およびこのデジタルカメラによる撮影の照明条件と固有のカラースペースから標準のカラースペースへの変換を示すルックアップテーブルを作成する(工程S6)。
【0080】クライアントのCPUは、画像サーバ30から送られてくるCookieを受信して(ステップS104)、出力機用プロファイルを作成する処理を行なう(ステップS106)。この出力機用プロファイルは、クライアント(パソコン40またはゲーム機50)に接続される出力機器(ここで言う出力機器は、画像を表示する表示装置であり、ディスプレイ41またはテレビモニタ51である)に固有のカラースペースから標準カラースペースへの変換テーブルを備えるものであり、クライアントがパソコン40の場合には、上記第1出力機用プロファイルに該当し、クライアントがゲーム機50の場合には、上記第2出力機用プロファイルに該当する。
(7)引用文献7(再公表特許WO2020/162478号)(甲第9号証)
引用文献7には、以下の記載がある。
【請求項1】
照明環境に対応する情報であり、前記照明環境における物体の色を示す色情報と、当該物体の色特性を示す色特性情報との各々を相互に変換させる情報である色変換情報を生成する色変換情報生成方法であり、
前記色特性情報が既知である色見本を決定するための色見本情報をユーザに提供する色見本情報提供過程と、
前記照明環境において、前記色見本情報によって決定される色見本が撮像された画像である撮像画像を前記ユーザから受信する撮像画像受信過程と、
前記撮像画像と、前記色見本情報によって決定される前記色見本の前記色特性情報とから、前記ユーザに対応付けて前記照明環境に対応する前記色変換情報を生成する色変換情報生成過程と
を含む色変換情報生成方法。
【請求項4】
前記色見本が前記色見本情報によって決定される、前記色特性情報が既知である色で印刷された文字、図形及びカラーチャートのいずれかあるいは組み合わせを含む印刷物である、
請求項3に記載の色変換情報生成方法。
【請求項6】
前記印刷物が、
前記ユーザが所定の団体へのユーザ登録において、当該ユーザが前記団体から受領する、前記色見本が印刷された他の物体である、
である請求項4に記載の色変換情報生成方法。
【0001】
本発明は、色変換情報生成方法、色変換情報生成システム及びプログラムに関する。
本願は、2019年2月5日に、日本に出願された特願2019-019028号と、2019年8月26日に、日本に出願された特願2019-153871号とに基づき、優先権を主張し、これらの内容をここに援用する。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、カラーマネージメントの知識を持たない一般のユーザに対して、このユーザの撮像環境で撮像された物体の画像、または観察環境で視認される物体の画像である物体画像が実物の物体の色と同様と視認できるようにするため、撮像環境及び観察環境(照明環境)の各々に対応した、物体の実物の色と、ユーザの各々の照明環境下で視認される色とを相互に変換する色変換情報を生成する色変換情報生成方法、色変換情報生成システム及びプログラムを提供する。
【0048】
商品販売支援システム1は、例えば、商品販売支援サイトの運営会社Aに設けられており、各ECサイトが販売する商品(例えば、本実施形態においては服飾品)の商品画像を、ユーザ端末3の各々の表示画面に対し、ユーザが商品を観察する観察環境(例えば、ユーザの観察する場所の光源下)で観察した際、実物の商品の色と同様に視認できる表示色により表示させ、正確に商品の形態を提供することで商品の販売支援を行なう。
【0051】
・処理F1
処理F1は、色変換情報の生成が行なわれる処理である。この処理F1は、ECサイトに登録したユーザの環境情報を取得する処理と、取得した環境情報から色変換情報を求める処理とが行なわれる。
すなわち、処理F1は、商品販売支援サイトが、ECサイトに登録したユーザに対してチャートの提供を行い、このチャートを撮像したチャート撮像画像と、撮影情報とを取得する。上記チャート(第1色見本)は、所定の異なる色特性の色の複数の色票が配列されて、所定の媒体に印刷された色見本である。これらの色の色特性情報は既知であり、商品販売支援システム1が有している。
【0052】
ここで、撮影情報とは、撮像したカメラのカメラ特性を取得するためのカメラ機種(あるいはデバイス機種)などの情報、撮影した際のカメラの設定情報、撮影した撮影場所を示す位置情報(カメラに設けられた装置が取得したGPS情報、あるいはユーザ指定(住所、部屋名)など)、日時情報などである。この撮影情報は、ECサイトに登録した時点に、ECサイトを介して商品販売支援サイトが取得しておいても良い。
そして、チャートの分光反射率、または1つ以上の環境(光源や観察感度)を規定した測色値である色特性情報と、チャート撮像画像及びカメラ特性とにより、色特性情報を、上記チャートを撮像した撮像環境における測色値である色情報に変換する色変換情報を生成する。
【0053】
また、ユーザが色変換情報を用いて商品表示画像を提供するサービスに登録しておらず、ECサイトからユーザがすでに物品を購入している場合、チャートとして用いる色見本をこのユーザが購入した物品のいずれか、あるいは組合せ、または全てを用いても良く、この物品の撮像画像をチャート撮像画像として、撮影情報とともに商品販売支援システム1に送信する構成としてもよい。
【0054】
・処理F2
商品販売支援システム1は、上記色変換情報により、ECサイトが販売する商品の画像の色を、ユーザが商品を観察する環境の光源に対応した、すなわちユーザが自身の環境で商品を観察した際に視認する色に変換した商品画像データを生成する。
そして、商品販売支援システム1は、ユーザ端末3に対して上記商品表示画像を供給する。
ユーザは、ユーザ端末3の表示画面において商品表示画像を観察し、当該商品を気にいった場合に購入の処理を行なう。
【0055】
・処理F3
商品販売支援システム1は、ユーザからの購入の処理に伴い、ECサイトに対してユーザとこのユーザが購入した商品の販売情報を通知する。
これにより、ECサイトの運営会社Bは、ユーザに対して、当該ユーザが購入した商品を出荷して、ユーザに配送する。
また、商品販売支援サイトの運営会社Aは、上記商品が運営会社Bから出荷された際、商品を購入したユーザに対して追加チャートの情報(追加チャート情報)を提供する。
【0056】
そして、ユーザは、商品及び追加チャート情報を受領し、追加チャート情報に従い、追加チャートを撮像(チャートを撮像した際と同様の環境における撮像)して、追加チャート撮像画像及び撮影情報を、ユーザ端末3により商品販売支援システム1に送信する。
商品販売支援システム1は、既に取得している色変換情報を更新する新たな追加チャートの撮像画像及び撮影情報を取得する。
【0057】
・処理F4
商品販売支援システム1は、ユーザから供給された追加チャート撮像画像及び撮影情報の各々により、すでに取得しているこのユーザの色変換情報を変更する。
その後、処理F2から処理F4が繰り返される毎に、ユーザの色変換情報の変更が行なわれ、より実物の商品に近い色を視認できる商品表示画像が生成されるようになる。
【0093】
また、本実施形態においては、チャート設計情報により予め設計されたチャートを、ユーザの観察環境における色変換情報の推定に用いている。しかしながら、このチャート以外に、チャート情報として、一般的に流通している商品のパッケージを撮像する指示を提供しても良い。ユーザはパッケージを撮像して、上述したステップFF104の処理と同様に、ユーザ端末3から商品販売支援サイトに送信する。汎用的なパッケージであれば、印刷された所定の領域の色特性情報が容易に得られるため、色変換情報を演算することが可能である。
また、本実施形態においては、チャートがユーザの観察環境(物品を観察する時間範囲や、観察する場所の情報など)に基づいて、チャートを送付する登録を行なうユーザと異なる、観察環境が類似した他のユーザの色変換情報を用いて、当該ユーザに送付するチャートを作成しても良い。
【0130】
追加チャート(第2色見本)は、ECサイトで購入した商品の付帯物であり、例えば商品の包装紙、商品が封入された箱、納品書、納品書が封入された封筒などを用いてもよい。
この場合、追加チャート情報は、色見本指定情報として見本として用いる上記付帯物をユーザが特定することができる情報であり、例えば、物品の商品名、製品番号や物品を撮像した画像データなどの商品のデータに加え、付帯物の名称、当該付帯物の色見本として用いる所定の箇所を示す情報である。
商品の付帯物を色見本として用いる効果としては、商品とともにユーザに配送される物品であるため、ユーザが新たに第2色見本として追加チャートを入手する手間を省くことができる。
また、追加チャート情報として、一つの物品を指定する色見本指定情報ではなく、複数の種類の物品、例えば配送された商品とこの商品の付帯物とを第2色見本とすることを指定する構成としてもよい。
【0132】
追加チャート(第2色見本)は、民生品としての物品が一般に流通している、商品が封止あるいは封入されたパッケージであり、例えば洗剤、化粧品、医薬品などのパッケージを用いてもよい。
この場合、追加チャート情報は、色見本指定情報として見本として用いる上記パッケージを利用した物品を特定することができる情報であり、例えば、物品の商品名、製品番号や物品を撮像した画像データである。
パッケージを色見本として用いる効果としては、パッケージの配色における色特性が製造工程により高い精度で管理されていることが多く、色特性のずれが少なく、精度の高い色見本として用いることができる。
また、パッケージを色見本として用いる効果としては、比較的に配色に用いられる色特性の種類が多く、色変換情報を高い精度で生成する色見本として用いることができる。
また、パッケージを色見本として用いる効果としては、一般的であるほど、ユーザが所有している可能性が高く、所有しておらずとも容易に入手できる。
【0200】
また、チャートは、雑誌の広告、ポスターやチラシなどに印刷された、運営会社AのサイトやECサイトにアクセスするためのURL(uniform resource locator )などを示した文字や図形(バーコードや2次元コードなど)でもよい。
また、上記URLの文字あるいは図形を撮像して、撮像画像として添付して送付して応募することにより、何らかのプレゼントが当たったり、あるいは登録料金の割引、商品価格の割引、何らかのサービスの料金の割引や、換金可能あるいは商品と引き替え可能なポイントを付与するなどのインセンティブを与えてもよい。
この場合、カラーマネージメント管理センターは、サイトにアクセスして応募した時点で、観察環境及び撮像環境などの照明環境の情報を得ることができる。
(8)引用文献8(登録実用新案第3227091号公報)(甲第10号証)
引用文献8には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。
【請求項3】
前記クラウドコンピュータは、Webサイト上に操作画面を表示して、前記情報処理装置で前記表示部に表示される前記操作画面上に前記画像ファイルがドラッグアンドドロップ操作されたとき、前記食品ラベルを前記操作画面上の画像表示エリアに表示する請求項2に記載の正誤確認システム。
【0033】
情報処理装置1において、図7に模式的に示すように、記憶部8に保存されている画像ファイルF1をドラッグアンドドロップ操作で画像表示エリアD1に置くと(ステップS3)、クラウドコンピュータ3は、Web画面表示制御部10によって食品ラベルの画像を画像表示エリアD1上に表示する(ステップS4)。
(9)引用文献9(特開2020-19237号公報)(甲第11号証)
引用文献9には、以下の記載がある。
【請求項7】
前記第1操作画面は、前記フォルダに印刷対象ファイルを格納する操作を受け付けるための表示領域を含み、
前記フォルダに印刷対象ファイルを格納する操作は、前記表示領域へのドラッグアンドドロップ操作である
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【0010】
本発明によれば、画像形成装置から外部装置へ提供された操作画面を介して、印刷設定が対応付けられたフォルダへファイルを格納する操作により印刷指示を受け付けた際に、印刷の実行に関してユーザに確認を促すことが可能になる。これにより、ユーザの操作ミスに起因して意図しない印刷が行われることを未然に防止できる。
【0013】
<印刷システムの構成>
以下では、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る印刷システムの構成を説明する。本実施形態では画像形成装置の一例として複合機101(MFP:Multifunction Peripheral)を、情報処理装置であるクライアント装置の一例としてPC、携帯端末を例に説明する。複合機101とPC102,103は、ネットワーク100を介して通信可能に接続されている。PC102及びPC103は、異なるオペレーティングシステムによって動作するシステムであっても構わない。或いは、同一オペレーティングシステムの異なるバージョンによるシステムであっても構わない。本実施形態では、このような、クライアント装置のアプリケーション実行環境の種別が混在した印刷システム環境を想定している。
【0029】
S220で、ブラウザアプリ部302は、ユーザ326がUI部301に表示されたフォルダ画面を介して操作した、印刷指示操作を受け付ける。当該操作は、フォルダ画面における所定の表示領域(例えば、例えば図7-1に示すフォルダ種別表示領域908)にファイルをドラッグアンドドロップする操作である。
3 取消理由通知で採用しなかった甲号証について(1)甲第3号証ア 甲第3号証に記載された事項
甲第3号証には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。
【0001】
本発明は色変換テーブル作成装置及び方法、色変換装置、並びにプログラムに係り、特に印刷装置による色再現に適用される画像データの色変換技術に関する。
【0058】
《印刷システムの構成例の概要》
図1は、本発明の実施形態に係る色変換テーブル作成装置を含んだ印刷システムのシステム構成例を示すブロック図である。印刷システム10は、画像編集装置12と、印刷制御装置14と、印刷部16とを備える。画像編集装置12は、実施形態に係る色変換テーブル作成装置としての役割を果たし、印刷部16による色再現に必要な色変換テーブルの作成処理を行う。また、画像編集装置12は、色変換テーブルを使用した色変換処理の他、画像データの加工などの画像処理を行う装置である。画像データの加工は、画像編集の概念に含まれる。画像編集装置12で生成された印刷画像データは、印刷制御装置14に送られる。
【0059】
印刷制御装置14は、画像編集装置12により生成された印刷画像データに基づき、印刷部16による印刷動作を制御する。印刷制御装置14は、連続調画像データから2値又は多値の網点画像のデータに変換するハーフトーン処理部を含むことができる。本実施形態では、画像編集装置12と印刷制御装置14とを別々の構成として図示しているが、印刷制御装置14の機能を画像編集装置12に搭載する構成も可能である。例えば、1台のコンピュータを画像編集装置12及び印刷制御装置14として機能させる構成が可能である。
【0064】
画像編集装置12は、画像データ入力部20と、画像データ記憶部22と、画像処理部24と、制御部26と、を備える。また、画像編集装置12は、画像読取部30と、表示部34と、入力装置36と、を備える。画像編集装置12は、コンピュータのハードウェアとソフトウェアの組み合わせによって実現することができる。ソフトウェアは、「プログラム」と同義である。画像編集装置12は、RIP(Raster Image Processor)装置の一機能として実現することができる。
【0066】
目標印刷物42は、再現すべき目標色の色見本印刷物であり、現物の色見本として与えられるものである。原稿画像データ40は、印刷しようとする画像内容を表すデジタル画像データである。本例の場合、原稿画像データ40は、目標印刷物42の原稿画像の絵柄を示す画像データである。原稿画像データ40と目標印刷物42は、印刷の依頼者(クライアント)から提供される。原稿画像データ40は、目標印刷物42の印刷面における全体の画像内容を示す全体画像のデータであってもよいし、印刷面に記録される画像の一部としての画像部品(原稿部品)のデータであってもよい。
【0068】
画像データ記憶部22は、画像データ入力部20を介して取得された原稿画像データ40を記憶しておく手段である。画像データ入力部20から取り込まれた原稿画像データ40は、画像データ記憶部22に記憶される。画像データ記憶部22は、例えば、画像編集装置12として機能するコンピュータに内蔵された主記憶装置であるメモリ、副記憶装置であるハードディスクドライブ、若しくは、ソリッドステートドライブ、若しくは、コンピュータに接続された外部記憶装置、又は、これらの組み合わせであってもよい。
【0070】
画像読取部30は、目標印刷物42や印刷物50などの読取対象物を撮像して画像情報を示す電気信号に変換する撮像デバイスを含む。撮像デバイスとして、カラーCCDリニアイメージセンサを用いることができる。CCDは、Charge-Coupled Deviceの略語であり、電荷結合素子を指す。カラーCCDリニアイメージセンサはR(赤),G(緑),B(青)各色のカラーフィルタを備えた受光素子が直線状に配列したイメージセンサである。なお、カラーCCDリニアイメージセンサに代えて、カラーCMOSリニアイメージセンサを用いることもできる。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductorの略語であり、相補型金属酸化膜半導体を指す。画像読取部30は、撮像デバイスの他、読取対象物を照明する照明光学系及び撮像デバイスから得られる信号を処理してデジタル画像データを生成する信号処理回路を含んでよい。
【0074】
画像処理部24は、画像読取部30から取得した読取画像データと原稿画像データ40を基に色変換テーブルの作成処理を行う。また、画像処理部24は、原稿画像データ40に対して色変換テーブルを用いた色変換処理を行い、印刷装置18に受け渡すための画像データを生成する機能を有する。画像処理部24は、必要に応じて、原稿画像データ40や読取画像データに対して解像度変換や階調変換などの処理を行う機能を備える。画像処理部24における処理内容の詳細は後述する。
【0080】
図2は、印刷システム10の全体概要を示したブロック図である。図2中、図1で説明した要素と同一の要素には同一の符号を付した。本例の印刷システム10は、与えられた目標印刷物42と原稿画像データ40とを基に、印刷装置18によって目標印刷物42と同等の色を再現した印刷物50が得られるように色合わせを行う機能を備える。「同等の色」とは、依頼者が許容できる色の差の範囲で実質的に同等なものとして満足できる許容範囲を含むものである。
【0081】
このような色合わせを実現するために、印刷システム10は、画像読取部30を備えており、更に、図2に示すように、画像読取部30から得られる読取画像データと原稿画像データ40の位置合わせの処理を行う画像対応付け部62と、読取画像データに対して色変換処理を行う第1の色変換部64と、第1の色変換部64による色変換処理を経た色変換後読取画像データと原稿画像データ40の対応関係から目標プロファイルの色変換テーブルを作成する目標プロファイル作成部66と、を備えている。
【0082】
第1の色変換部64は、デバイス依存色空間の色成分の信号値(本例ではRGB)で表される読取画像データから、デバイス非依存色空間の色成分の信号値(本例ではLab)で表される色変換後読取画像データに変換する処理を行う。
【0084】
画像対応付け部62、第1の色変換部64、及び目標プロファイル作成部66の各部は、図1で説明した画像編集装置12の画像処理部24に含まれる。
【0085】
また、画像処理部24には、図2に示すように、原稿画像データ40の色変換を行う第2の色変換部80と、第2のプロファイル補正部82と、差分色度値演算部84と、が含まれる。
【0086】
第2の色変換部80は、ICCプロファイルの形式に則した目標プロファイル92と、プリンタプロファイル94とを用いて、原稿画像データ40の変換処理を行い、印刷装置18に適したデータ形式の画像信号を生成する。ここでは、印刷装置18に適したデータ形式の画像信号として、CMYK信号の形式による出力デバイス信号を生成する例を述べる。
【0087】
目標プロファイル92は、入力プロファイルとも呼ばれる。目標プロファイル92の色変換テーブル(「入力色変換テーブル」という。)は、原稿画像データ40のCMYK信号のターゲットカラー(目標色)をデバイス非依存色空間(ここではLab空間)で定義したCMYK→Labの変換関係を記述した色変換テーブルである。原稿画像データ40の色空間(ここではCMYK色空間)が「第3の色空間」に相当する。
【0088】
プリンタプロファイル94は、出力プロファイルとも呼ばれる。プリンタプロファイル94の色変換テーブル(「出力色変換テーブル」という。)は、印刷装置18に出力するCMYK信号と印刷装置18による出力色のLab値との対応関係を規定した色変換テーブルである。出力色変換テーブルは、再現すべきLab値に対応する出力CMYK値への変換関係(Lab→CMYK)を記述したテーブルとなっている。
【0089】
差分色度値演算部84は、目標印刷物42の読取画像データから第1の色変換部64で色変換して生成された目標色度値(目標印刷物42のLab値)と、印刷物50の読取画像データから生成された印刷色度値(印刷物50のLab値)の差を表す差分色度値(Lab差分)を計算する演算部である。
【0308】
<カラーチャートを利用する例>
まず、カラーチャートを利用する方法について、以下、詳細な例を説明する。印刷システム10における目標プロファイルを作成する仕組みを利用してプリンタプロファイルを作成する方法の1つとして、カラーチャートの画像データを原稿画像データとして用い、印刷装置18にカラーチャートの画像データを与えて印刷装置18によってカラーチャートを印刷し、得られたカラーチャート印刷物を画像読取部30によって読み取ることにより、プリンタプロファイルを作成することができる。カラーチャートは「第1の画像」の一例に相当する。
【0312】
図18の例において、カラーチャート画像データ44は、CMYKの画像データとして説明するが、発明の実施に際して、カラーチャート画像データ44の色空間はこの例に限らない。カラーチャート画像データ44は、RGB画像データでもよいし、CMY画像データでもよく、また、CMYK信号と特色信号とが組み合わされた画像データであってもよい。カラーチャート画像データ44は「第1の画像データ」の一例に相当する。
【0314】
図19のステップS302において、色変換テーブル作成装置12Aは、カラーチャート画像データ44を取得する。カラーチャート画像データ44は、複数色の各色のカラーパッチを含むカラーチャートの画像データである。カラーチャート画像データ44は、色変換テーブル作成装置12Aとして機能する画像編集装置12(図1参照)に内蔵された図示せぬ記憶部に予め保持されていてもよいし、画像編集装置12の通信インターフェース、若しくは、メディアインターフェースなどを介して画像編集装置12の外部から取り込まれてもよい。また、カラーチャート画像データ44は、印刷装置18の印刷制御装置14に内蔵された図示せぬ記憶部に予め保持されていてもよい。
【0315】
カラーチャート画像データ44は、印刷装置18に提供される。また、カラーチャート画像データ44は、画像対応付け部62に送られる。
【0316】
図19のステップS304において、印刷装置18は、カラーチャート画像データ44を基に、カラーチャートを印刷する。ステップS304の実行により、カラーチャート印刷物54が得られる。カラーチャート印刷物54は「第1の印刷物」の一例に相当する。
【0317】
ステップS306において、色変換テーブル作成装置12Aは、画像読取部30を用いてカラーチャート印刷物54を読み取り、カラーチャート印刷物54の読取画像であるカラーチャート読取画像データを取得する。本例ではカラーチャート読取画像データとしてRGB画像が得られるものとする。
【0318】
次いで、ステップS308において、画像対応付け部62は、カラーチャート読取画像データとカラーチャート画像データ44との位置関係の対応付けを行う処理を行う。画像対応付け部62においてカラーチャート画像とカラーチャート読取画像の画素位置の対応関係が特定され、カラーチャート画像データの信号値(CMYK値)とカラーチャート読取画像データの信号値(RGB値)との対応関係を示すデータ(「カラーチャート画像とカラーチャート読取画像の対応関係データ」)が得られる。ステップS308の処理は「第2の画像対応付け処理」の一例に相当する。カラーチャート読取画像は「第1の印刷物読取画像」の一例に相当し、カラーチャート読取画像データは「第1の印刷物読取画像データ」の一例に相当する。
【0319】
ステップS310において、第1の色変換部64は、第1の色変換テーブル68Aを用い、カラーチャート読取画像データのRGB値をLab値に変換する処理を行う(「第1の色変換工程」の一例)。
【0320】
画像対応付け部62による処理及び第1の色変換部64による処理を経て、カラーチャート画像信号と色度値の対応関係データが得られる。カラーチャート画像信号とは、カラーチャート画像データの信号値を意味する。すなわち、図19のステップS308及びステップS310の処理を経て、カラーチャート画像データの信号値と、カラーチャート読取画像の色度値との対応関係を示すデータが得られる。この対応関係を示すデータは、カラーチャート読取画像の色度値と、カラーチャート画像データの信号値との対応関係を示すデータと理解することができる。
【0321】
ステップS312において、第2の色変換テーブル作成部66Aは、カラーチャート画像信号と色度値の対応関係データを基に、出力デバイス色変換テーブル94Aを作成する。第2の色変換テーブル作成部66Aは、カラーチャート画像信号と色度値の対応関係データを基に、補間演算及び/又は補外演算などを行うことにより、ICCプロファイルの形式に準拠したLab→CMYKの変換関係を規定する色変換テーブルを作成することができる。出力デバイス色変換テーブル94Aは、印刷装置18の色特性を示すLab-CMYKの多次元の対応関係を表す色変換テーブルである。
【0340】
[カラーチャートの具体例1]
図22は、カラーチャートの一例を示す図である。ここでは、説明を簡単にするために、RGB8ビットシステムを例に説明する。図22及び図23に示す具体例も同様である。RGB8ビットシステムとは、RGB各色8ビットの画像データを取り扱うシステムを指す。RGB8ビットシステムに適用するカラーチャートとして、例えば、図21に示すような、9×9×9個のカラーパッチを含んだカラーチャート46を用いることができる。9×9×9のカラーチャート46は、RGBの各色成分の信号値を0,32,64,96,・・・255という具合に「32」の刻みで9段階に変化させた色の組み合わせからなる9×9×9色のカラーパッチ47を含んで構成される。
イ 甲第3号証に記載された発明
甲第3号証には、以下の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されている。
なお、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連する記載の段落番号である。
(甲3発明)
印刷装置による色再現に適用される画像データの色変換技術に関する色変換テーブル作成装置を含んだ印刷システムであって、(【0001】、【0058】)
印刷システム10は、画像編集装置12と、印刷制御装置14と、印刷部16とを備え、(【0058】)
画像編集装置12は、実施形態に係る色変換テーブル作成装置としての役割を果たし、印刷部16による色再現に必要な色変換テーブルの作成処理を行い、色変換テーブルを使用した色変換処理の他、画像データの加工などの画像処理を行う装置であり、(【0058】)
印刷制御装置14は、画像編集装置12により生成された印刷画像データに基づき、印刷部16による印刷動作を制御する装置であり、(【0059】)
画像編集装置12は、画像データ入力部20と、画像データ記憶部22と、画像処理部24と、制御部26と、画像読取部30と、表示部34と、入力装置36と、を備え、(【0064】)
目標印刷物42は、再現すべき目標色の色見本印刷物であり、(【0066】)
原稿画像データ40は、目標印刷物42の原稿画像の絵柄を示す画像データであり、(【0066】)
原稿画像データ40と目標印刷物42は、印刷の依頼者(クライアント)から提供され、(【0066】)
原稿画像データ40は、目標印刷物42の印刷面における全体の画像内容を示す全体画像のデータであってもよいし、印刷面に記録される画像の一部としての画像部品(原稿部品)のデータであってもよく、(【0066】)
画像データ記憶部22は、原稿画像データ40を記憶しておく手段であり、(【0068】)
画像読取部30は、目標印刷物42や印刷物50などの読取対象物を撮像して画像情報を示す電気信号に変換する撮像デバイスを含み、(【0070】)
画像処理部24は、画像読取部30から取得した読取画像データと原稿画像データ40を基に色変換テーブルの作成処理を行い、(【0074】)
印刷システム10は、与えられた目標印刷物42と原稿画像データ40とを基に、印刷装置18によって目標印刷物42と同等の色を再現した印刷物50が得られるように色合わせを行う機能を備え、(【0080】)
画像編集装置12の画像処理部24には、(【0084】)
画像読取部30から得られる読取画像データと原稿画像データ40の位置合わせの処理を行う画像対応付け部62と、(【0081】)
読取画像データに対して、デバイス依存色空間の色成分の信号値(RGB)で表される読取画像データから、デバイス非依存色空間の色成分の信号値(Lab)で表される色変換後読取画像データに変換する色変換処理を行い、印刷装置18に適したデータ形式の画像信号を生成する第1の色変換部64と、(【0081】、【0082】)
第1の色変換部64による色変換処理を経た色変換後読取画像データと原稿画像データ40の対応関係から目標プロファイルの色変換テーブルを作成する目標プロファイル作成部66と、(【0081】)
目標プロファイル92とプリンタプロファイル94とを用いて原稿画像データ40の色変換を行う第2の色変換部80と、(【0085】、【0086】)
第2のプロファイル補正部82と、(【0085】)
目標印刷物42の読取画像データから第1の色変換部64で色変換して生成された目標色度値(目標印刷物42のLab値)と印刷物50の読取画像データから生成された印刷色度値(印刷物50のLab値)の差を表す差分色度値(Lab差分)を計算する演算部である差分色度値演算部84と、(【0085】、【0089】)
が含まれ、(【0084】、【0085】)
目標プロファイル92の色変換テーブル(「入力色変換テーブル」)は、原稿画像データ40のCMYK信号のターゲットカラー(目標色)をデバイス非依存色空間(Lab空間)で定義したCMYK→Labの変換関係を記述した色変換テーブルであり、(【0087】)
プリンタプロファイル94の色変換テーブル(「出力色変換テーブル」)は、印刷装置18に出力するCMYK信号と印刷装置18による出力色のLab値との対応関係を規定した色変換テーブルであり、再現すべきLab値に対応する出力CMYK値への変換関係(Lab→CMYK)を記述したテーブルとなっており、(【0088】)
カラーチャートの画像データを原稿画像データとして用い、印刷装置18にカラーチャートの画像データを与えて印刷装置18によってカラーチャートを印刷し、得られたカラーチャート印刷物を画像読取部30によって読み取ることにより、プリンタプロファイルを作成することができ、(【0310】)
カラーチャート画像データ44は、RGB画像データでもよいし、CMY画像データでもよいし、CMYK信号と特色信号とが組み合わされた画像データであってもよく、(【0312】)
色変換テーブル作成装置12Aは、複数色の各色のカラーパッチを含むカラーチャートの画像データであるカラーチャート画像データ44を取得し、(【0314】)
カラーチャート画像データ44は、印刷装置18に提供され、画像対応付け部62に送られ、(【0315】)
印刷装置18は、カラーチャート画像データ44を基に、カラーチャートを印刷し、カラーチャート印刷物54が得られ、(【0316】)
色変換テーブル作成装置12Aは、画像読取部30を用いてカラーチャート印刷物54を読み取り、カラーチャート印刷物54の読取画像であるカラーチャート読取画像データ(RGB画像)を取得し、(【0317】)
画像対応付け部62は、カラーチャート読取画像データとカラーチャート画像データ44との位置関係の対応付けを行う処理を行い、カラーチャート画像とカラーチャート読取画像の画素位置の対応関係が特定され、カラーチャート画像データの信号値(CMYK値)とカラーチャート読取画像データの信号値(RGB値)との対応関係を示すデータ(「カラーチャート画像とカラーチャート読取画像の対応関係データ」)が得られ(【0318】)
第1の色変換部64は、第1の色変換テーブル68Aを用い、カラーチャート読取画像データのRGB値をLab値に変換する処理を行い、(【0319】)
画像対応付け部62による処理及び第1の色変換部64による処理を経て、カラーチャート画像信号と、カラーチャート読取画像の色度値との対応関係を示すデータが得られ、(【0320】)
第2の色変換テーブル作成部66Aは、カラーチャート画像信号と色度値の対応関係データを基に、補間演算及び/又は補外演算などを行うことにより、Lab→CMYKの変換関係を規定する色変換テーブルを作成することができ、(【0321】)
9×9×9のカラーチャート46は、「32」の刻みで9段階に変化させた色の組み合わせからなる9×9×9色のカラーパッチ47を含んで構成される(【0340】)
印刷システム。
(2)甲第5号証ア 甲第5号証に記載された事項
甲第5号証には、以下の記載がある。なお、下線は、当審にて付した。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被検体の体腔内にスコープを挿入して被写体を撮像し診断に供する内視鏡装置に係り、特に、画面に表示される色が好適となるように調整する色調整方法に関する。
【0015】次に、図2に示したフローチャートを参照しながら本実施例の動作について説明する。まず、図1の符号19に示す如くの白チャートをスコープ1の前方に配置し、光源8をオンとしてこの白チャート19をCCD4にて撮像する(ステップST1)。この白チャート19は一定の反射率を持つ紙等で構成されており、外部から光が侵入しないように図3(a)に示す如く密閉されたチャートボックス16の中に配置される。そして、同図(b)に示すように、穴22からスコープ1を挿入し、白チャート19を撮像する。この際、白チャート19は全面が白でも良いし、反射率の異なる白紙を貼り合わせたグレースケールチャートを利用しても良い。
【0016】次いで、CCD4からの出力信号が所定値となるように光源8からの照射光量またはCCD4の電子シャッタ値を制御して、撮像時の明るさ設定を行う(ステップST2)。この方法としては、システムコントローラ14がCCU12またはフレームメモリ13内の輝度データを読取り、輝度が所定値となるように光源8、または電子シャッタパルスを制御することによって行うことができる。また、他の方法として、CCU12、またはフレームメモリ13の輝度データを第1の制御部14が読み出して、観察モニタ16上にグラフ化して表示し、手動で光量設定をしても良い。
【0017】次に、白チャート撮像によるホワイトバランス調整を行う(ステップST3)。ここでは、フレームメモリ13上の1画面分の色差データ(R-Y,B-Y信号)の各々を積算し、その値が0±α(αは許容誤差)となるようにCCU12内のRゲイン,Bゲインを調整する。以上の動作はホワイトバランス調整開始スイッチ(不図示)を押すことにより第1の制御部14が自動的に行うものであり、調整の完了はメッセージ表示またはビープ音にて操作者に通知される。
【0018】次いで、ステップST1にて使用した白チャート19をカラーチャートに置き換えて撮像を行う(ステップST4)。このカラーチャートは図4に示すように白、黄色、シアン、緑、マゼンダ、赤、青、(R-Y)等である。また、チャートの左右、上下には白が配置されており、撮像時のシェーディング(明るさ不均一の度合い)の状態を知ることができるので、これを用いて明るさの調整を行う(ステップST5)。ここでは、4か所の白の輝度値が輝度標準出力の90%±5%となるよう、スコープ1の向きをアングル操作によって調整する。換言すれば、チャートにまんべんなく照明して撮像することである。この際、チャートからの直接反射がないようにチャートをスコープ1に対して傾けた状態で行う。
【0019】こうして明るさが調整されると、次に色バランスの調整が行われる(ステップST6)。体腔内は赤系の色が主であり、また赤の差異が忠実に再現されることが重要であるのでR,Ye,Mg,R-Yの色に着目して色調整が行なわれる。使用するカラーチャートは一定の色管理のもとで製造及び管理がなされている。このためこのカラーチャートを撮像したときの目標調整値(CCU12内での色差信号データ値)はある値に決まっており、実際に撮像した色での色差値がある許容値に入る様色差ゲイン及び色相調整部が自動調整される。また、4つの色の色差値又はベクトルがモニタに表示される様にしておけば手動でも調整ができる。
【0020】以上により光源の情報(光源内に色再現に影響する赤外カットフィルタがある)を含めスコープ1~CCU12までの色調整が終了となる。また後述する調整のため本色調整後の色差データ値をメモリに記憶しておく。
【0021】次に、エンコーダ9~モニタ16,17,18までの調整を行う。まず、チャート記憶部15に記憶されている白黒チャートを観察モニタ16上に表示する(ステップST7)。この白黒チャートは例えば白が20%または75%相当のものを使用する。
【0022】次いで、モニタ上の白黒チャート部分をスコープにて撮像する(ステップST8)。このとき光源8はオフで、かつ、図5(a),(b) に示すように外光が入らぬ様おわん状のTVモニタ撮像治具16を用いて行なう。この際、既にステップST1~ST6によりスコープ1からCCU12までの調整が完了しているのでこの系を利用して、観察モニタの輝度/ホワイトバランス調整を行なう(ステップST9)。即ち、内蔵白黒チャートを撮像したときの目標輝度/色差値になる様、モニタ16のRGBバイアス調整とRGBゲイン調整を行なう。本調整も、スコープ1で撮像した輝度/色差データ値をTVモニタの撮像部外に表示することで可能である。
【0023】次に、スコープ1~観察モニタ16までの系で残っているエンコーダ9の調整を行なう(ステップST10,ST11)。まず、ステップST6にて記憶したカラーチャート撮像データを観察モニタ16上に表示する。その後、この表示した部分をスコープ1にて撮像する。そして、記憶しておいた撮像データをDmemory、エンコーダの変換関数をfenc 、モニタの変換関数をfmonitor とするとスコープで撮像したデータはfmonitor *fenc *Dmemoryとなり演算で計算できる。この演算推定値と実際のモニタ16をスコープ1で撮像したときの差異がエンコーダ9の調整誤差と考えることができる。従ってこの差異が許容範囲内に入る様エンコーダ9のRGBゲインを調整する。
イ 甲第5号証に記載された技術
甲第5号証には、以下の技術(以下、「甲5技術」という。)が記載されている。なお、各構成の末尾の括弧内は、上記アで摘出した関連する記載の段落番号である。
(甲5技術)
被写体を撮像し診断に供する内視鏡装置に係り、特に、画面に表示される色が好適となるように調整する色調整方法に関する技術であって、(【0001】)
一定の反射率を持つ紙等で構成されている白チャート19をCCD4にて撮像し、白チャート19は全面が白でも良く、反射率の異なる白紙を貼り合わせたグレースケールチャートを利用しても良く、(【0015】)
撮像時の明るさ設定を行い、(【0016】)
白チャート撮像によるホワイトバランス調整を行い、(【0017】)
白チャート19をカラーチャートに置き換えて撮像を行い、これを用いて明るさの調整を行い、(【0018】)
色バランスの調整を行い、(【0019】)
色調整後の色差データ値をメモリに記憶し、(【0020】)
チャート記憶部15に記憶されている白が20%または75%相当の白黒チャートを観察モニタ16上に表示し、(【0021】)
モニタ上の白黒チャート部分をスコープにて撮像し、観察モニタの輝度/ホワイトバランス調整を行い、(【0022】)
エンコーダ9のRGBゲインを調整する技術。(【0023】)
(3)甲第12号証
甲第12号証には、以下の記載がある。
【請求項1】
第1の色域をもち、対象物を測色して第1の測色値を出力する汎用の画像入力機器と、
前記第1の測色値が入力される入力部と、
前記第1の測色値を第2の測色値に変換する変換部と、
前記第2の測色値を評価する色評価部と、を備え、
前記変換部は、
前記画像入力機器によって測色する際に用いる測定光源毎の色情報を有する第1測色値テーブルと、
第2の色域をもつ基準とする専用測色機器によって測色する際に用いる測定光源毎の色情報を有する第2測色値テーブルと、を保存するとともに、
前記第1測色値テーブルの測色値と前記第2測色値テーブルの測色値とを対応させることで、前記第1の測色値を、前記第2の測色値に変換し、
前記画像入力機器は、基準画像と、この基準画像と比較する比較画像とを測色し、
前記変換部は、前記基準画像の第1の測色値を第2の測色値に変換し、前記比較画像の第1の測色値を第2の測色値に変換し、
前記色評価部は、前記基準画像と前記比較画像の画素レベルでの比較個所の前記第2の測色値の差を評価する
色変換システム。
【0001】
本発明は、各種照明条件の下、各種媒体及び各種色材毎の特定色チャートを使って、一方の(スキャナ等の)各種入力機器による測色値をL*a*b*値に変換し、同様に、各種媒体及び各種色材毎の特定色チャートを使って、必要な照明条件で、もう一方の専用測色機器単独の測色したL*a*b*値、或は複数の専用測色機器の基準値で測色したL*a*b*値に変換し、両者の測色値テーブルを保存し、必要な入力とターゲットの測色値テーブルの選択と色値の変換を行う色変換エンジンを使って、各種入力機器の測色値を専用測色機器の測色値に変換することで、RGB入力機器に依存しないRGB画像の生成や、異なる照明条件で要求される色再現をRGBやCMYK画像で可能にする色変換システム、色変換装置及び色変換方法に関する。
【0031】
本発明は、各種媒体及び各種色材毎の特定色チャートを、RGBスキャナ等を用いて、入力機器に依存する値であった各種入力機器で取得した画像の測色値を、一旦L*a*b*値の測色値に変換し、各種媒体及び各種色材を、基準の分光光度計により測色した同じ表色系(Color System)の測色値として色変換を行う。これにより、異なる測色機器であっても専用測色機器のL*a*b*測色値への色変換が容易に行える。また色評価を行う際の照明環境を、色変換条件に加えることが可能である。
【0057】
図4は、本発明に係る、色変換システムの概要を説明するブロック図である。図4に示すように、本発明に係る色変換システム(カラーコンバージョンシステム:以下、CCSという)は、各種入力機器から出力される第1の測色値が入力される測色値テーブル作成部、第1の測色値を、第2の測色値に変換する測色値保存部及び色変換部(カラーコンバージョンエンジン、以下、CCEと略す)、及び第2の特定色チャート測色値のカラーテーブルを保存するカラーテーブル保存部と、を有する。カラーテーブル保存部は、各種入力機器によって測色する際に用いる測定光源(色温度、照明スペクトル)毎の色情報を有する入力カラーテーブルと、基準とする専用測色機器によって測色する際に用いる光源毎の色情報を有するターゲットカラーテーブルと、を有する。さらに、入力カラーテーブルと、ターゲットカラーテーブルとを保存するとともに、入力カラーテーブルの色値と、ターゲットカラーテーブルの色値と対応させるテーブル値対応調整部を有し、データベース化する。色変換システムは、この測色値テーブルを参照することで、第1の測色値を、第2の測色値に変換する。
【0073】
(4)図8に示すように、これら入力カラーテーブルとターゲットカラーテーブルの2つのカラーテーブルをCCSにセットすることで、測色対象の媒体と色材及び環境光に合わせて色変換を行うスキャナ等でRGB入力した印刷見本の画像のL*a*b*変換値(L1*a1*b1*RGB)を、専用測色機器による測色値(L2*a2*b2*CIEXYZ)に変換を行うことである。これで、スキャナ等の入力画像を測色したときに基準とする分光光度計等の専用測色機器の測色値が得られる。
【0075】
図9は、照明環境が異なるもの同士の色比較を表す「異なる照明・媒体・色材」での測色値を比較するフローである。スキャナを入力用の測色機器にする場合は、スキャナの照明は同じであるため、そのままL*a*b*変換した入力カラーテーブルや印刷見本等の測色物を含め、両者とも同じ値を示すが、ターゲットカラーテーブルに異なる蛍光灯とLED照明によるスペクトルデータを用い分光光度計等で測色した値を用いることで、容易にそれぞれの環境での測色物の色再現の違いを数値化することが可能である。
【0175】
次に、本発明の色変換システム(CCS)を、広域ネットワークやLANを活用して使用する実施の形態について説明する。A地点にある少数特定色チャートを設定したスキャナ等で測色し、そのデータをB地点或は測色サーバに送信する。B地点では例えば多数特定色チャートを測色し、保存或は測色サーバに送信する。B地点のCCSでは、測色サーバに同一Job名の測色データが揃ったら、入力カラーテーブルまたはターゲットカラーテーブル作成のための照明環境や媒体、色材などの条件テーブルを選択して、測色値やRGB画像をL*a*b*値に変換する。このとき、別のCCSサーバにネット接続して、出力目的のターゲットカラーテーブルを選択して、ダウンロードさせて使用してもよい。また、別のCCSサーバに、出力目的のターゲットカラーテーブルを選択して、同時に自社の入力カラーテーブルと、画像データをCCSサーバに送信して、色変換処理を行い(依頼し)、処理済みの画像データを受け取って、それを使用してもよい。
【0216】
図27は、上記の説明の概念を表したものであるが、スマートフォンの内蔵カメラのようにユーザーが色管理を行うことは容易とは言えず、また高精度の色管理は行えない。従って基本的にはこれらの多種のターゲットカラーテーブルと入力カラーテーブルをペアにしたものをCCEのデータベースに保存しておき、ユーザーは簡易な基準色チャートを使うことで、スマートフォン内で照明光を分析する。
CCEでは、GPSによる緯度地域と季節と天候を含めた基準色チャートの色再現を表す各種のカラーテーブルをデータベース化しておくことにより、スマートフォン側では、実際のターゲットカラーテーブルと入力カラーテーブルをネットに接続されたクラウドなどのデータベースから自動的に目的の入力カラーテーブル及びターゲットカラーテーブルを探し出し、色変換を行うことで撮影条件に合った最適な色のRGB画像を保存することが可能となる。この場合、カメラの撮影条件を記録して色再現の変化を補正できるようにするために白色平板や、ポケット型の色チャートを同時に撮影しておくと良い。
【0217】
このように、CCEをカメラやスマートフォンに応用すれば、例えば店内で見た衣服等の色が屋外表の太陽光の下ではどのように見えるかを確認することが可能となり、商品をインターネットで購入する際にも利用することで、色のトラブルを削減することが可能である。
(4)甲第13号証
甲第13号証には、以下の記載がある。
【請求項1】
記録媒体の紙白部、および前記記録媒体上に形成されたプロセスカラーの複数の階調パターンについての読取部による読取値を取得する取得部と、
前記記録媒体の紙白部の読取値に基づいて、デバイス非依存の絶対色値を予測する予測部と、
前記複数の階調パターンの読取値をデバイス非依存の色値に変換する変換部と、
前記変換部により変換された前記色値を、前記予測部により予測された絶対色値に基づいてデバイス非依存の絶対色に補正する補正部と、
を備えた画像処理装置。
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
【0007】
本発明によれば、分光測色計を用いずに異なる記録媒体に対応したカラー画像の画像形成に対する色校正を行うことができる。
【0024】
(画像処理装置が実行する処理)
図2は、第1の実施形態に係る画像処理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図2を参照しながら、本実施形態に係る画像処理装置1が実行する処理の流れについて説明する。
【0025】
まず、画像処理部10の補正制御点設定部11は、デバイス依存の第1色空間(例えばCMYK色空間)における補正制御点を設定する(ステップS11)。
【0026】
次に、画像処理部10のカラーチャート生成部12は、補正制御点設定部11により設定された補正制御点に基いて、補正用カラーチャート60を生成し(ステップS12)、補正用カラーチャート60のデータをコントローラ30へ出力する。この補正用カラーチャート60の生成処理(カラーチャート生成処理)については、後述の図5~図7で詳述する。
【0027】
次に、画像形成部40は、コントローラ30から受信した補正用カラーチャート60のデータに基づいて、補正用カラーチャート60を印刷出力する(ステップS13)。
【0028】
次いで、測色計50は、画像形成部40により印刷出力された補正用カラーチャート60の画像について測色する(ステップS14)。
【0029】
次いで、画像処理部10の補正パラメータ生成部13は、補正制御点設定部11により設定された補正制御点、カラーチャート生成部12により生成された補正用カラーチャート60のパッチ構成、測色計50により測色された補正用カラーチャート60の測色値、および出力プロファイル21に基づいて、出力プロファイル21を補正するための補正パラメータを生成する(ステップS15)。この補正パラメータの生成処理(補正パラメータ生成処理)については、後述の図8~図10で詳述する。
【0030】
次いで、画像処理部10のプロファイル補正部14は、補正パラメータ生成部13により生成された補正パラメータを用いて、出力プロファイル21を補正する(ステップS16)。
【0093】
本実施形態において、白色予測部54は、紙白のRGB読取値に基づいて、色相領域判定を行い、マスキング係数を切換えて色変換(紙白の色予測)する。上述のRGB読取値に対する色相の分割は、図13に示すように3次元のRGB色空間に対し、無彩色軸(Dr=Dg=Db)を中心として放射状に拡がる平面で分割を行う。上述の無彩色軸の定義としては、例えば、予め定めた標準記録紙(基準記録媒体の一例)とK(ブラック)で形成した出力パッチのRGB読取値および分光測色計による実測値から、D測色計50等の標準光源下でのL*a*b*色空間におけるa*=b*=0のグレー軸がR=G=Bになるように近似して、図12に示すスキャナ補正部51によるスキャナ補正で1次元ルックアップテーブル変換によるγ補正を実施することで調整する。さらに、白色予測部54による紙白に対する色予測に適用する場合は、図13における設定色を、以下のように設定する。
【0094】
色1:基準白色(例えば、予め定めたD測色計50標準光源下におけるL*=95で、a*=b*=0となる白色点)
色2:紙白の最低明度(例えば、予め定めた紙白として扱う最低明度L*=85で、a*=b*=0となる無彩色)
色3:紙種A(例えば標準記録紙)の紙白
色4:紙種B(例えば蛍光増白紙)の紙白
4 当審の判断(1)本件発明1についてア 引用文献1を主引例とした場合(ア)引用発明1との対比a 構成Aについて
構成1b、1c、1g、1h、1mより、引用発明1の「制御基準色セット」は、画像化基準色セットの基準色及び一意の識別情報に一致する制御色及び識別情報を備え、着脱可能データ記憶装置を使用して記憶されているものといえる。
ここで、引用発明1の「画像化基準色セット」は、本件発明1の「チャート」に相当することから、引用発明1の「一意の識別情報」と「基準色」は、それぞれ、本件発明1の「チャートの識別情報」と「チャートの色情報」に相当する。
そうすると、引用発明1の「制御基準色セット」は、画像化基準色セットの基準色及び一意の識別情報に一致する制御色及び識別情報を備えることから、本件発明1の「チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報」に相当し、「制御基準色セット」は、着脱可能データ記憶装置に記憶されていることから、引用発明1は、本件発明1の「チャート情報を記憶する記憶部」を有するものである。
したがって、引用発明1は、本件発明1の構成Aに相当する構成を有するものである。
b 構成Bについて
構成1o、1pより、引用発明1の「画像化基準色セット」は、色パッチを備え、バーコードが含まれ得る一意の識別情報を含んでいるコピーである。
引用発明1の「画像化基準色セット」、「色パッチ」、「バーコードが含まれ得る一意の識別情報」は、それぞれ、構成Bの「前記チャート」、「色パッチ」、「前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像」に相当する。
また、引用発明1の「画像化基準色セット」は、コピーであるから、本件発明1のように「印刷された出力物」であるといえる。
したがって、引用発明1は、本件発明1の構成Bに相当する構成を有するものである。
c 構成Cについて
構成1bより、引用発明1は、画像化基準色セットがアクセスされ、一組の基準色を含む画像がキャプチャされるものであるから、引用発明1の構成1bは、本件発明1の構成Cに相当する。
d 構成Dについて
構成1o、1d、1iより、引用発明1は、画像化基準色セットの一意の識別情報により、一致する制御基準色セットを識別し、基準色と対応する制御色との間の相違を取り除く色補正関数を生成するものである。
また、上記aで検討したように、引用発明1の制御基準色セットは、着脱可能データ記憶装置に記憶されていることから、一致する制御基準色セットを識別し、基準色と対応する制御色との間の相違を取り除く色補正関数を生成する際には、着脱可能データ記憶装置から制御基準色セットの制御色を取得し、取得した制御色と画像化基準色セットの基準色とを用いて色補正関数を生成するものであるといえる。
そうすると、引用発明1と本件発明1の構成Dとは、「前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記チャート画像の画像情報とを用いて色変換情報を生成する生成部」という点で共通する。
しかし、色変換情報に関して、本件発明1は「第1色変換テーブル」であるのに対し、引用発明1は「色補正関数」である点で相違する。
e 構成Eについて
構成1e、1jより、引用発明1は、色補正関数をキャプチャ画像に適用して、修正画像を作成するものである。
また、構成1lより、引用発明1は、画像化基準色セットと被写体は同じ画像にキャプチャされるものであるから、画像化基準色セットと被写体の撮像環境は同じであるといえる。
以上より、引用発明1は、色補正関数を用いて、画像化基準色セットがキャプチャされた撮像環境にて被写体がキャプチャされ、キャプチャされた画像の色を修正するものといえる。
そうすると、引用発明1と本件発明1の構成Eとは、「前記色変換情報を用いて、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換する色変換部」という点で共通する。
しかし、上記dで検討したように、色変換情報に関して、本件発明1は「第1色変換テーブル」であるのに対し、引用発明1は「色補正関数」である点で相違する。
また、色を変換するに際して、本件発明1は、「色を変換した画像を出力する出力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブル」も用いるのに対し、引用発明1は、そのような色変換テーブルを用いるものではない点で相違する。
f 構成F~Hについて
本件発明1は、「前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正する第1補正部を更に備え、前記取得部は、前記黒色画像を取得し、前記取得した黒色画像を前記第1補正部に出力し、前記生成部は、前記第1補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する」構成であるのに対し、引用発明1は、そのような構成を有するものではない点で相違する。
g 構成Iについて
構成1f、1i、1jより、引用発明1の画像キャプチャシステムは、色補正コンポーネント及び適用器により、基準色と制御色との間の相違を取り除く色補正関数を生成し、生成された色補正関数を画像に適用して、修正画像を作成する構成すなわち画像処理を行う構成を有しているといえる。
そうすると、引用発明1と、構成Iとは、「画像処理を行う構成」である点で共通する。
しかし、画像処理を行う構成が、本件発明1は、「画像処理サーバ」であるのに対し、引用発明1は、画像処理サーバであるか否か限定されていない点で相違する。
(イ)一致点・相違点
以上より、本件発明1と引用発明1とは以下の点で一致ないし相違する。
(一致点)
A チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部と、
B 前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり、
C 前記チャートが撮像されたチャート画像を取得する取得部と、
D’前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記チャート画像の画像情報とを用いて色変換情報を生成する生成部と、
E’前記色変換情報を用いて、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換する色変換部と、
I’を備える画像処理を行う構成。
(相違点1)
色変換情報に関して、その表現形式が、本件発明1は「第1色変換テーブル」であるのに対し、引用発明1は「色補正関数」である点。
(相違点2)
色を変換するに際して、本件発明1は、「色を変換した画像を出力する出力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブル」も用いるのに対し、引用発明1は、そのような色変換テーブルを用いるものではない点。
(相違点3)
画像処理を行う構成が、本件発明1は、「画像処理サーバ」であるのに対し、引用発明1は、画像処理サーバであるか否か限定されていない点。
(相違点4)
本件発明1は、「前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正する第1補正部を更に備え、前記取得部は、前記黒色画像を取得し、前記取得した黒色画像を前記第1補正部に出力し、前記生成部は、前記第1補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する」構成であるのに対し、引用発明1は、そのような構成を有するものではない点。
(ウ)相違点についての検討
事案に鑑み、相違点4について検討する。
相違点4は、黒色画像を用いてチャート画像における光沢を補正することに限定された構成であるが、光沢について何ら記載も示唆もない引用発明1において、相違点4に係る構成にしようとする動機付けがない。
なお、訂正前の特許請求の範囲において、上記相違点4に係る構成は、請求項2に記載された構成であり、申立人は、特許異議申立書において、訂正前の請求項2に係る発明に関して以下の主張をしている。
「他方で、本件第2発明で追加的に特定された事項は、従来周知の技術である。
例えば、甲4(中略)ことが記載されており(段落19、22、23、26、45、図1)、当該補正用チャートは照明に応じた光沢を反射する。
甲5(中略)ことが記載されており(請求項3)、当該白黒の基準チャートは撮像環境に応じた光沢を反射する。
よって、本件第2発明は、本件第1発明と同様に、甲1及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到しえた発明である。」(特許異議申立書39頁22行~40頁6行)
しかし、上記2(3)イ及び上記3(2)イで示した引用技術3、甲5技術をみても、引用技術3は、照明ムラを補正するための技術であり、甲5技術は、輝度やホワイトバランスを調整する際に、白チャートやグレースケールチャートを利用する技術であって、いずれも、黒色画像を用いて光沢を補正する技術であると認めることができず、これらの文献から相違点4に係る構成が周知技術であるとはいえない。
したがって、申立人の訂正前の請求項2に係る発明(相違点4に係る構成)に関する主張を採用することはできない。
(エ)まとめ
したがって、相違点1~3について検討するまでもなく、請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。
イ 引用文献2を主引例とした場合(ア)引用発明2との対比a 構成Aについて
構成2e、2i、2jより、引用発明2は、基準色の既知データからなる色調補正表がサーバのハードディスクに記憶保持され、色調補正表は、印刷番号の領域を含むものである。
ここで、引用発明2の「印刷番号」、「基準色の既知データ」、「色調補正表」、「ハードディスク」は、それぞれ、本願発明1の構成Aの「チャートの識別情報」、「チャートの色情報」、「チャート情報」、「記憶部」に相当する。
したがって、引用発明2は、本件発明1の構成Aに相当する構成を有するものである。
b 構成Bについて
構成2b、2cより、引用発明2のキャリブレーションスタンダードは印刷されたものであり、基準色が着色され、その印刷番号はバーコード等の符号で印刷されている。
そして、引用発明2の「キャリブレーションスタンダード」、「基準色」、「バーコード」は、本件発明2の構成Bの「チャート」、「色パッチ」、「チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像」に相当する。
また、引用発明2の「キャリブレーションスタンダード」は印刷されたものであることから、本件発明2の構成Bの「印刷された出力物」に相当する。
したがって、引用発明2は、本件発明1の構成Bに相当する構成を有するものである。
c 構成Cについて
構成2g、2hより、引用発明2は、携帯電話機を用いて自分の顔を撮った画像を送信し、サーバは、受信画像について基準色領域(キャリブレーションスタンダード)を抽出するものである。
そうすると、受信画像内に基準色領域(キャリブレーションスタンダード)が含まれていることから、サーバは、基準色領域(キャリブレーションスタンダード)が撮像された画像を取得しているといえる。
したがって、引用発明2は、本件発明1の構成Cに相当する構成を有するものである。
d 構成D、構成Eについて
構成2j、2dより、引用発明2は、受信画像から読み取った印刷番号をキーにして色調補正表の検索を行い、それで選出された補正表を基準色の既知データとして、受信画像に色調調整(構成2hより、受信画像中の基準色領域における各色の色調が基準色の既知データと異なるときには差分を加減して一致させるようにしている。)を施して表示画像を生成するものである。
ここで、引用発明2の「受信画像から読み取った印刷番号」は、本件発明1の構成Dの「前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報」に相当する。
また、上記aの検討より、引用発明2は、基準色の既知データからなる色調補正表がサーバのハードディスクに記憶保持され、引用発明2の「基準色の既知データ」は、本件発明1の「チャートの色情報」に相当する。
さらに、上記cの検討より、受信画像は自分の顔を撮った画像と基準色領域(キャリブレーションスタンダード)が含まれていることから、撮られた自分の顔と基準色領域(キャリブレーションスタンダード)の撮像環境は同じであるといえ、引用発明2の「自分の顔を撮った画像」は、本件発明2の構成Dの「前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像」に相当する。
そうすると、引用発明2と本件発明1の構成D、Eとは、「前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記チャート画像の画像情報とを用いて、前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換する」という点で共通する。
しかし、対象物画像の色を変換することに関して、本件発明1は、「第1色変換テーブルを生成」し、「前記第1色変換テーブル、及び色を変換した画像を出力する出力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブルを用いて、」変換するのに対し、引用発明2は、そのような構成を有するものではない点で相違する。
e 構成F~Hについて
本件発明1は、「前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正する第1補正部を更に備え、前記取得部は、前記黒色画像を取得し、前記取得した黒色画像を前記第1補正部に出力し、前記生成部は、前記第1補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する」構成であるのに対し、引用発明2は、そのような構成を有するものではない点で相違する。
f 構成Iについて
引用発明2の「サーバ」は、構成Fの「画像処理サーバ」に相当する。
(イ)一致点・相違点
以上より、本件発明1と引用発明2とは以下の点で一致ないし相違する。
(一致点)
A チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部と、
B 前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり、
C 前記チャートが撮像されたチャート画像を取得する取得部と、
D’前記チャート画像に撮像された前記チャートの識別情報に基づいて前記記憶部から前記チャートの色情報を取得し、取得した色情報と前記チャート画像の画像情報とを用いて
E’前記チャート画像が撮像された撮像環境にて対象物が撮像された対象物画像の色を変換する色変換部と、
I を備える画像処理サーバ。
(相違点5)
対象物画像の色を変換することに関して、本件発明1は、「第1色変換テーブ
ルを生成」し、「前記第1色変換テーブル、及び色を変換した画像を出力する出
力先に対応して予め記憶された第2色変換テーブルを用いて、」変換するのに対
し、引用発明2は、そのような構成を有するものではない点。
(相違点6)
本件発明1は、「前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正する第1補正部を更に備え、前記取得部は、前記黒色画像を取得し、前記取得した黒色画像を前記第1補正部に出力し、前記生成部は、前記第1補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する」構成であるのに対し、引用発明2は、そのような構成を有するものではない点。
(ウ)相違点についての検討
事案に鑑み、相違点6について検討する。
上記ア(ウ)の検討と同様に、光沢について何ら記載も示唆もない引用発明2において、相違点6に係る構成にしようとする動機付けがない。
また、申立人の訂正前の請求項2に係る発明(相違点6に係る構成)に関する主張を採用することはできない。
(エ)まとめ
したがって、相違点5について検討するまでもなく、請求項1に係る発明は、引用文献2に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。
(2)本件発明2について
訂正により、請求項2は削除された。
(3)本件発明3~6について
上記(1)のとおり、本件発明1が進歩性を有するものである以上、本件発明1を直接若しくは間接に引用する本件発明3~6は、進歩性を有するものである。
(4)本件発明7について
本件発明7に関して、引用発明1もしくは引用発明2と対比するに、少なくとも、本件発明7は、「第1補正部が、前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正」する構成であるのに対し、引用発明1もしくは引用発明2は、そのような構成を有するものではない点で相違する。
上記相違点に関して、上記ア(ウ)の検討と同様に、光沢について何ら記載も示唆もない引用発明1もしくは引用発明2において、相違点に係る構成にしようとする動機付けがない。
また、申立人の訂正前の請求項2に係る発明(相違点に係る構成)に関する主張を採用することはできない。
(5)本件発明8について
本件発明8に関して、引用発明1もしくは引用発明2と対比するに、少なくとも、本件発明8は、「前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を取得させ、前記チャート画像における光沢を補正」させる構成であるのに対し、引用発明1もしくは引用発明2は、そのような構成を有するものではない点で相違する。
上記相違点に関して、上記ア(ウ)の検討と同様に、光沢について何ら記載も示唆もない引用発明1もしくは引用発明2において、相違点に係る構成にしようとする動機付けがない。
また、申立人の訂正前の請求項2に係る発明(相違点に係る構成)に関する主張を採用することはできない。
5 取消理由についてのまとめ
したがって、取消理由通知書に記載した取消理由により、請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。
第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について1 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由の概要(1)新規性
請求項1、4、5、7、8に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、4、5、7、8に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
(2)進歩性
請求項1~8に係る発明は、甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(3)サポート要件
申立人は、特許異議申立書において、サポート要件について以下のような主張をしている。
「本件第1発明の課題は、高価なカラーチャートを用いなくとも、画像の色を精度良く変換することができる画像処理サーバを提供することにある(段落5)
他方で、本件第1発明は、単に「前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり」と特定するのみで、上記課題を解決するための解決手段を特定していない。
よって、本件第1発明は、発明の課題を達成しえない構成を包含しており、発明の詳細な説明に記載された発明を請求している。
本件第2~8発明についても同様である。」(特許異議申立書90頁3~11行)
(4)明確性
申立人は、特許異議申立書において、明確性について以下のような主張をしている。
「(i)本件第1発明は「前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり」と特定し、本件第4発明は「前記チャートは、製品のパッケージ、又は刊行物に印刷される」と特定しているが、当該特定事項は、画像処理サーバの構成ではなく、「画像処理サーバ」の発明であることと矛盾している。
本件第2、3、5、6発明についても同様である。」(特許異議申立書90頁14~19行)(以下、「明確性主張1」という。)
「(ii)本件第1発明は、
「チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部」、及び
「前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり」
と特定しているが、両者は矛盾している。
すなわち、前者では、チャートは記憶部に記憶されており、後者では、チャートは出力物であり、両チャートが何を意味しているのか不明確である。
本件第2~8発明についても同様である。」(特許異議申立書90頁21~29行)(以下、「明確性主張2」という。)
「(iii)本件第5発明は「前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり」と特定しているが、当該発明特定事項と、本件第1発明における同内容の発明特定事項との関係が不明確である。
本件第6発明についても同様である。」(特許異議申立書91頁1~5行)(以下、「明確性主張3」という。)
2 当審の判断(1)新規性について
上記第4の4(1)ア(イ)より、本件発明1と引用発明1とを対比すると相違点を有するものであるから、請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明ではない。
(2)進歩性についてア 本件発明1について
本件発明1に関して、甲3発明と対比するに、少なくとも、本件発明1は、「前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正する第1補正部を更に備え、前記取得部は、前記黒色画像を取得し、前記取得した黒色画像を前記第1補正部に出力し、前記生成部は、前記第1補正部によって補正された前記チャート画像の画像情報を用いて前記第1色変換テーブルを生成する」構成であるのに対し、甲3発明は、そのような構成を有するものではない点で相違する。
上記第4の4(1)ア(ウ)の検討と同様に、光沢について何ら記載も示唆もない甲3発明において、相違点に係る構成にしようとする動機付けがない。
また、申立人の訂正前の請求項2に係る発明(相違点に係る構成)に関する主張を採用することはできない。
したがって、その余の相違点について検討するまでもなく、請求項1に係る発明は、甲第3号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。
イ 本件発明2について
訂正により、請求項2は削除された。
ウ 本件発明3~6について
上記アのとおり、本件発明1が進歩性を有するものである以上、本件発明1を直接若しくは間接に引用する本件発明3~6は、進歩性を有するものである。
エ 本件発明7について
本件発明7に関して、甲3発明と対比するに、少なくとも、本件発明7は、「第1補正部が、前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を用いて、前記チャート画像における光沢を補正」する構成であるのに対し、甲3発明は、そのような構成を有するものではない点で相違する。
上記相違点に関して、上記アの検討と同様に、光沢について何ら記載も示唆もない甲3発明において、相違点に係る構成にしようとする動機付けがない。
また、申立人の訂正前の請求項2に係る発明(相違点に係る構成)に関する主張を採用することはできない。
オ 本件発明8について
本件発明8に関して、甲3発明と対比するに、少なくとも、本件発明8は、「前記撮像環境にて光沢を有する黒色平面が撮像された黒色画像の画像情報を取得させ、前記チャート画像における光沢を補正」させる構成であるのに対し、甲3発明は、そのような構成を有するものではない点で相違する。
上記相違点に関して、上記アの検討と同様に、光沢について何ら記載も示唆もない甲3発明において、相違点に係る構成にしようとする動機付けがない。
また、申立人の訂正前の請求項2に係る発明(相違点に係る構成)に関する主張を採用することはできない。
カ 進歩性についてのまとめ
したがって、請求項1~8に係る発明は、甲第3号証に記載された発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえない。
(3)サポート要件について
本件発明1の「前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物」に関連して、明細書には以下のような記載がある。(下線は、当審にて付与。)
「【0017】
例えば、チャートCHは、印刷媒体である印刷用紙に、色パッチCPとコードCDとが印刷された印刷物である。例えば、チャートCHは、汎用のインクジェットプリンタで、安価な印刷用紙に色パッチCPとコードCDとが印刷された印刷物である。チャートCHは、例えばDDCP(Direct Digital Color Proofer)から出力された印刷物(以下、「出力物」ともいう)である。例えば、チャートCHは1枚あたり10円程度の低価格で生成可能な印刷物である。これにより、気軽にチャートCHを配布することができるようにする。また、粉塵環境にてチャートCHを用いた撮像を行う場合など、チャートCHに粉塵等が付着してしまうためにチャートCHが数回しか使えないような場合であっても、チャートCHを消耗品として1回ないし数回使用した後に廃棄するような、いわゆる使い捨て感覚にてチャートCHを用いることも可能となる。」
すなわち、本件発明1において、チャートとして用いられる「色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物」は、【0017】に例示されているように、汎用のインクジェットプリンタで、安価(1枚あたり10円程度)な印刷用紙に印刷される印刷物を想定しているものであって、高価なカラーチャートとは異なるものである。
したがって、本件発明1により、【0005】に記載されたように、高価なカラーチャートを用いなくとも、画像の色を精度よく変換することができる画像処理サーバが提供されるものであって、サポート要件に関する申立人の主張を採用することはできない。
(4)明確性についてア 明確性主張1について
本件発明1の「前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり」、及び、本件発明4の「前記チャートは、製品のパッケージ、又は刊行物に印刷される」との記載は、画像処理サーバで使用されるチャートを説明する記載であって、当該記載自体は明確である以上、当該記載により、発明が明確でないとはいえない。
したがって、明確性主張1を採用することはできない。
イ 明確性主張2について
記憶部に記憶されるのは、「チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報」であって、出力物である「チャート」が記憶されるものではない。
したがって、「チャートの識別情報と当該チャートの色情報とが対応づけられたチャート情報を記憶する記憶部」、及び「前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり」との記載は明確であって、明確性主張2を採用することはできない。
ウ 明確性主張3について
本件発明1の「前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり」と、本件発明5の「前記チャートは、色パッチと前記チャートの識別情報が埋め込まれたコード画像とが印刷された出力物であり」は、同じ内容の記載ではあるが、当該記載により、発明が明確でないとはいえない。
したがって、明確性主張3を採用することはできない。
エ 明確性についてのまとめ
したがって、明確性に関する申立人の主張を採用することはできない。
(5)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由についてのまとめ
以上より、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由を採用することはできない。
第6 むすび
以上より、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、請求項1、3~8に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1、3~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、請求項2に係る特許は、訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項2に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-700241