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特許異議申立

2023-700130

姿勢解析装置、姿勢解析方法、及びプログラム

審判番号
2023-700130
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-183406
登録番号
7138931
請求日
2023年02月08日
審決日
2024年03月26日
公報発行日
2024年07月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社AXIVE
  • 【権利者代理人】雨宮 康仁
  • 【異議申立人】田中 貞嗣
  • 【異議申立人】小山 卓志
審判長/審判官
  • 審判長 畑中 高行
  • 審判官 樫本 剛
  • 審判官 五十嵐 努
分類
P1651.113-YAA(G06T) / P1651.121-YAA(G06T) / P1651.537-YAA(G06T)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9号、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7138931号発明「姿勢解析装置、姿勢解析方法、及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7138931号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕、6、7について訂正することを認める。 特許第7138931号の請求項1、3~7に係る特許を維持する。 特許第7138931号の請求項2に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7138931号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~7に係る特許についての出願は、平成30年9月28日に出願され、令和4年9月9日にその特許権の設定登録がされ、令和4年9月20日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和5年2月8日に特許異議申立人田中貞嗣及び小山卓志により特許異議の申立てがされた。 その後の経緯は次のとおりである。 令和5年 5月 8日付け 取消理由通知書 同年 7月11日 意見書の提出 同年10月24日付け 取消理由通知書(決定の予告) 同年12月22日 意見書、訂正請求書の提出 令和6年 1月30日 手続補正書(方式、対象:令和5年12月 22日付け訂正請求書)の提出 同年 3月 4日 意見書の提出(特許異議申立人) なお、特許権者による同年7月11日提出の訂正請求書に係る手続は、取消理由通知書で指定された期間の経過後になされた手続として同年8月22日付けで却下理由が通知され、これに対して特許権者から弁明書が提出されなかったため、同年9月29日付けで当該手続を却下する決定がなされた。 第2 訂正の適否についての判断 1 請求の趣旨、訂正の内容 (1)請求の趣旨 令和5年12月22日に特許権者により行われた、願書に添付した特許請求の範囲の訂正(以下「本件訂正」という。)の請求の趣旨は、特許第7138931号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~7について訂正することを求める、というものである。 (2)訂正の内容 本件訂正の内容は、以下ア~キのとおりである。 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「見守り対象者の撮像画像より検出される該見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出手段と、前記角度算出手段によって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定手段と、を備える姿勢解析装置。」と記載されているのを、「見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の撮像画像を送信することなく、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信手段と、前記骨格信号受信手段によって受信した前記骨格信号が示す前記見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出手段と、前記角度算出手段によって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定手段と、を備える姿勢解析装置。」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項3から5も同様に訂正する。) イ 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 ウ 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項6に「見守り対象者の撮像画像より検出される該見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出ステップと、前記角度算出ステップによって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定ステップと、を備える姿勢解析方法。」と記載されているのを、「見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の撮像画像を送信することなく、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信ステップと、前記骨格信号受信ステップによって受信した前記骨格信号が示す前記見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出ステップと、前記角度算出ステップによって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定ステップと、を備える姿勢解析方法。」に訂正する。 エ 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項7に「コンピュータに、見守り対象者の撮像画像より検出される該見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出手順と、前記角度算出手順によって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定手順と、を実行させるためのプログラム。」と記載されているのを、「コンピュータに、見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の撮像画像を送信することなく、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信手順と、前記骨格信号受信手順によって受信した前記骨格信号が示す前記見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出手順と、前記角度算出手順によって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定手順と、を実行させるためのプログラム。」に訂正する。 オ 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は2に記載」と記載されているのを、「請求項1に記載」に訂正する。(請求項3の記載を引用する請求項4及び5も同様に訂正する。) カ 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項4に「請求項1,2,又は3に記載」と記載されているのを、「請求項1又は3に記載」に訂正する。(請求項4の記載を引用する請求項5も同様に訂正する。) キ 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項5に「請求項1乃至4のいずれか1項に記載」と記載されているのを、「請求項1,3,又は4に記載」に訂正する。 2 一群の請求項について 訂正前の請求項1~5について、請求項2~4は請求項1を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~5に対応する訂正後の請求項1~5は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 3 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の請求項1の姿勢解析装置について「見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の撮像画像を送信することなく、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信手段」を備えることを特定し、さらに「該見守り対象者の骨格の形状」について「前記骨格信号受信手段によって受信した前記骨格信号が示す」ものであることを特定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項について 明細書の発明の詳細な説明には、姿勢解析装置が「見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出する骨格検出器がネットワークを介して送信した該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を受信する骨格信号受信手段」を備えること(【0007】)、及び、骨格検出器が「見守り対象者の撮像画像を送信しないようにすること」(【0064】)について記載されているから、訂正事項1は、特許法第120条の5第9号において準用する同法第126条第5項に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張・変更について 上記(1)のとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張や変更するものではないから、特許法第120条の5第9号において準用する同法第126条第6項に適合するものである。 4 訂正事項2について (1)訂正の目的、新規事項、特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項2は、本件特許の請求項2を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正(特許法第120条の5第9号において準用する同法第126条第5項に適合するもの)であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない(特許法第120条の5第9号において準用する同法第126条第6項に適合する)ものである。 5 訂正事項3について (1)訂正の目的について 訂正事項3は、訂正前の請求項3の姿勢解析方法について「見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の撮像画像を送信することなく、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信ステップ」を備えることを特定し、さらに「該見守り対象者の骨格の形状」について「前記骨格信号受信ステップによって受信した前記骨格信号が示す」ものであることを特定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項、特許請求の範囲の拡張・変更について 上記3(2)、(3)と同様であり、訂正事項3は、特許法第120条の5第9号において準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 6 訂正事項4について (1)訂正の目的について 訂正事項4は、訂正前の請求項4のプログラムについて「見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の撮像画像を送信することなく、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信手順」を実行させることを特定し、さらに「該見守り対象者の骨格の形状」について「前記骨格信号受信手順によって受信した前記骨格信号が示す」ものであることを特定するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項、特許請求の範囲の拡張・変更について 上記3(2)、(3)と同様であり、訂正事項4は、特許法第120条の5第9号において準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 7 訂正事項5について (1)訂正の目的について 訂正事項5は、訂正前の請求項3が、請求項1又は2の記載を引用するものから請求項1の記載を引用するものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項、特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項5は、特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張や変更するものではないから、特許法第120条の5第9号において準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 8 訂正事項6について (1)訂正の目的について 訂正事項6は、訂正前の請求項4が、請求項1、2又は3の記載を引用するものから請求項1又は3の記載を引用するものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項、特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項6は、特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張や変更するものではないから、特許法第120条の5第9号において準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 9 訂正事項7について (1)訂正の目的について 訂正事項7は、訂正前の請求項3が、請求項1乃至4のいずれか1項の記載を引用するものから請求項1、3又は4の記載を引用するものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)新規事項、特許請求の範囲の拡張・変更について 訂正事項7は、特許請求の範囲を減縮するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張や変更するものではないから、特許法第120条の5第9号において準用する同法第126条第5項及び第6項に適合するものである。 10 訂正の適否についてのまとめ 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項において(読み替えて)準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~5〕、6、7について訂正することを認める。 第3 本件訂正発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~7に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明7」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~7に記載された次の事項に特定されるとおりのものである。 〔本件発明1〕【請求項1】 見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の撮像画像を送信することなく、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信手段と、 前記骨格信号受信手段によって受信した前記骨格信号が示す前記見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出手段と、 前記角度算出手段によって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定手段と、 を備える姿勢解析装置。 〔本件発明2〕【請求項2】 (削除) 〔本件発明3〕【請求項3】 前記角度算出手段は、前記撮像画像毎に、前記見守り対象者の関節の角度を算出し、 前記姿勢特定手段は、連続する複数の前記撮像画像における見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する、 請求項1に記載の姿勢解析装置。 〔本件発明4〕【請求項4】 前記関節の角度の変化パターンと前記姿勢とを対応付けて登録する姿勢登録手段をさらに備え、 前記姿勢特定手段は、前記角度算出手段によって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンに対応する前記姿勢を、前記姿勢登録手段から検出することにより、該見守り対象者の姿勢を特定する、 請求項1又は3に記載の姿勢解析装置。 〔本件発明5〕【請求項5】 前記姿勢と該姿勢の危険度とを対応付けて登録する姿勢登録手段と、 前記姿勢特定手段によって特定した前記見守り対象者の姿勢に対応する危険度を前記姿勢登録手段から特定する危険度特定手段と、 前記危険度特定手段によって特定した前記危険度が所定の閾値以上である場合、前記見守り対象者を見守る見守り者が保持する見守り者端末に、所定のアラート信号をネットワークを介して送信するアラート信号送信手段と、 をさらに備える請求項1,3,又は4に記載の姿勢解析装置。 〔本件発明6〕【請求項6】 見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の撮像画像を送信することなく、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信ステップと、 前記骨格信号受信ステップによって受信した前記骨格信号が示す前記見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出ステップと、 前記角度算出ステップによって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定ステップと、 を備える姿勢解析方法。 〔本件発明7〕【請求項7】 コンピュータに、 見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の撮像画像を送信することなく、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信手順と、 前記骨格信号受信手順によって受信した前記骨格信号が示す前記見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出手順と、 前記角度算出手順によって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定手順と、 を実行させるためのプログラム。 第4 取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由について 請求項1~7に係る特許に対して、令和5年10月24日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。 (進歩性) 本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2項の規定により取り消されるべきものである。 記 甲第1号証:特開2013-206069号公報(主引用例) 甲第2号証:特開2012-66026号公報 甲第4号証:特開2018-143338号公報 甲第5号証:特開2015-103042号公報 第5 甲号証 1 甲第1号証 (1)記載事項 甲第1号証には次の記載がある。 なお、以降の下線は当審において付されたものである。 「【発明が解決しようとする課題】 【0008】 上記したようにモニタにより高齢者の撮像画像を監視するシステムにあっては,常時モニタ画像を監視することが必要であり,多くの高齢者に対応して常時モニタ画像の監視を行うことは,多くの監視者が必要となり現実的でない。 【0009】 また,特許文献1に記載のシステムにあっては,トイレという特定の狭い空間における高齢者の存否の時間に基づく監視であり,高齢者がどのような姿勢になっているか,即ちいかなる緊急状態であるかの情報を得ることはできない。 【0010】 さらに,特許文献2に記載のシステムにあっては,特殊な杖を高齢者に保持させることが必須である。 【0011】 よって,かかる従来の技術に鑑みて,本発明の目的は,特殊なデバイスを装着することなく高齢者の日常の動作を読み取り,異常状態を容易に検知することを可能とする被写体見守りシステムを提供することにある。 【0012】 上記課題を達成する本発明に伴う被写体見守りシステムの第1の側面は、 被写体の撮像画像データと、仮想三次元空間画像における前記被写体のスケルトン(骨格)モデル情報、及び前記仮想三次元空間画像の各画素のZ軸方向の大きさである深度情報を生成する深度情報付き撮像装置と、前記深度情報付き撮像装置で生成される前記スケルトン(骨格)モデル情報、及び深度情報に基づき、それぞれ前記被写体の行動パターン、及び前記被写体の形態を求める情報処理(スケルトントラッキングと言う)する装置を有し、前記情報処理装置は、前記被写体の行動パターン、及び被写体の形態に基づき、前記被写体の生活パターンを判定し、更に前記判定される生活パターンが緊急性を有する場合に、対応の予め設定されている通知先に通報する。」 「【0021】 被写体見守りシステムの基本的構成は,高齢者などの一人の被写体3に対応して一又は複数台の深度情報付撮像装置1(1a,1b)有する。一台の深度情報付撮像装置1は,観察範囲が例えば,0.5~4m程度であると,一の居住空間であっても,被写体3の移動範囲を考慮して複数台が設けることが必要となる。また,異なる居住空間に移動する場合,例えば,居間から寝室,トイレへ移動する等考慮すると,それぞれの居住空間に対応して深度情報付撮像装置1を複数台設けることが望ましい。 【0022】 被写体見守りシステムは,更に深度情報付撮像装置1の出力情報を解析する情報処理装置2を有して構成される。 【0023】 深度情報付撮像装置1は,一定周期(フレーム毎)に深度情報付撮像装置1を識別する情報とともに,撮影画像と,撮影画像の各ピクセルにおける深度情報(Z方向の大きさ)と,被写体,ここでは被写体3のスケルトン(骨格)モデル情報を出力する。深度情報は、深度情報付撮像装置1の撮像面の法線方向の距離をあらわし、スケルトン(骨格)モデル情報は、深度情報から推定して得られる三次元の情報であり、推定情報であるという意味で仮想三次元空間上の情報である。 【0024】 かかる出力情報を生成する既存装置の一例として,米国Microsoft Corporationのゲーム端末Xbox 360(登録商標)に使用される入力端末機器であるKinect(登録商標)を用いることができる。 【0025】 情報処理装置2は,一般的なパーソナルコンピュータ相当の機能を有する処理装置である。主処理部として,CPU20を有する。CPU20は,HDD等の記憶装置21に格納されるOS(オペレーションシステム)に基づき,本発明に対応するプログラム(同様に記憶装置21に格納されている)を実行する。 【0026】 先の深度情報付撮像装置1からの一定周期(フレーム毎)の撮影画像データと,画像のピクセル対応の深度情報と,被写体のスケルトン(骨格)モデル情報を,インタフェース22を通して入力する。その際,情報処理装置2は,先に説明した深度情報付撮像装置1を識別する情報により,複数の深度情報付撮像装置1(1a,1b)のいずれからの情報であるかを特定できる。 【0027】 情報処理装置2は,入力された撮影画像及びスケルトン(骨格)モデル情報をビデオ信号に変換して,ビデオメモリ23に描画し,ディスプレイ24に表示する。深度情報とスケルトン(骨格)モデル情報は,同時にRAM25に保存される。 【0028】 図2は,一定周期(フレーム毎)に撮影画像と,画像のピクセル対応の深度情報と,被写体の骨格モデル情報を出力する上記米国Microsoft Corporationの端末装置Kinect(登録商標)に類似の深度情報付撮像装置1の概念構成ブロック図を示す図である。 【0029】 図2において,撮像カメラ10は,被写体3を含む所定範囲の像を撮像する撮像部である。制御部13の制御により赤外線放射部11より赤外線を放射し,被写体3から反射される赤外線を赤外線検知部12で検知する。撮像カメラ10からの撮像画像データ,及び赤外線検知部12で検知する反射赤外線は,制御部13に入力される。 【0030】 制御部13は,メモリ14に格納される制御プログラムを実行することにより,撮像カメラ10からの撮像画像データ,及び赤外線検知部12で検知される反射赤外線に基づき,仮想の三次元空間を生成し,一定周期(一フレーム)毎に撮像画角内で仮想三次元空間画像の各ピクセル対応に,距離(深度)情報(Z軸方向の大きさ)を生成する。さらに,深度情報から撮像画角に対応する仮想三次元空間における被写体像を所定のスケルトン(骨格)モデルに当てはめたスケルトン(骨格)情報を生成する。 (当審注:ここでの「スケルトン(骨格)情報」は、上記【0012】に「被写体のスケルトン(骨格)モデル情報・・・を生成する深度情報付き撮像装置」と記載されていることからして、「スケルトン(骨格)モデル情報」の誤記と認める。以降についても同様である。) 【0031】 図3は,かかるスケルトン(骨格)モデルの一例を示す図であり,複数の構成要素と接続部で表されている。すなわち,人体を構成する体幹,上肢を概念する構成要素をバー29,30等で表し,構成要素であるバー29,30等を接続する黒丸の接続部31を関節などに概念して表している。 【0032】 例えば,構成要素として,バー29,30は,それぞれ前腕部と上腕部に対応付けし,接続部31は,バー29,30即ち,前腕部と上腕部を繋ぐ関節(肘関節)に対応付けされている。 【0033】 そして,被写体の大きさに対応して,接続部31間のバー29,30等の長さが変えられスケルトン(骨格)が特定される。 【0034】 それぞれの接続部31は,仮想3次元空間における三次元座標(X,Y,Z)を有し,被写体が動くとそれぞれの接続部31の三次元座標(X,Y,Z)が変更される。同時に,それぞれの構成要素(前腕部に対応するバー29,上腕部に対応するバー30等)は特定された長さを有し,両端の接続部31の三次元座標(X,Y,Z)の変化に対応して,仮想3次元空間における構成要素の位置及び角度が変化する。 【0035】 図4は,かかる図1に示す構成の情報処理装置2により実行される処理フローである。 【0036】 まず,深度情報付撮像装置1で生成され,インタフェース22を通してRAM25に一旦保持された深度情報とスケルトン(骨格)情報を一フレーム毎に取得する(ステップS1)。 次いで,得られたスケルトン(骨格)情報に基づき,スケルトン(骨格)情報解析処理を行う(ステップS2)。 【0037】 図5は,スケルトン(骨格)情報解析処理(ステップS2)の詳細を示す処理フローである。図5において,所定の仮想3次元空間画像範囲内に骨格情報が存在しているかを判定する(ステップS21)。骨格情報は,骨格モデルを構成する各骨部30を特定する識別子と,対応する接続部31の三次元座標情報を含んでいる。したがって,CPU20は,プログラムに従って,各バーを特定する識別子の有無により,画像範囲内にスケルトン(骨格)情報が存在するか否かを判定できる。 【0038】 当該フレームにおいて,スケルトン(骨格)情報が存在していなければ(ステップS21,No),次のフレーム(ステップS22)に移行する。 【0039】 画像範囲内にスケルトン(骨格)情報が存在する場合は(ステップS21,Yes),前の複数フレームのスケルトン(骨格)構成要素(バー29,30等)の3次元位置座標と比較して位置変化を全てのスケルトン構成要素について求める(ステップS23)。 【0040】 次いで,求められた全てのスケルトン構成要素各部の位置変化を予めパターン分けした基準データ(スケルトン(骨格)動作判定基準データ)と比較して状態判定を行う(ステップS24)。ここで,スケルトン(骨格)動作判定基準データは,データベース26(図1)に予め保存されている。 【0041】 かかるスケルトン(骨格)動作判定基準データは,就寝中、ベッド起床動作中、ベッド着座中、ベッド立上中、歩行中、静止中、椅子着座中、椅子立上中、床着座中、床立上中、床横臥中に対応してスケルトン(骨格)モデルを構成する複数のスケルトン(骨部)構成要素(バー29,30等)の位置変化が設定されているデータである。 【0042】 したがって,上記の求められた全てのスケルトン(骨部)構成要素の位置変化を,スケルトン(骨部)動作判定基準データと比較して,近似する被写体の行動パターン,即ち,就寝中、ベッド起床動作中、ベッド着座中、ベッド立上中、歩行中、静止中、椅子着座中、椅子立上中、床着座中、床立上中、床横臥中のいずれの行動パターンが対応するかの判定を行う。」 「【0053】 さらに,図4に戻り,スケルトン(骨格)情報解析処理(ステップS2)と深度情報解析処理(ステップS3)の後に,高齢者生活パターン判定処理(ステップS4)を実行する。 【0054】 高齢者生活パターン判定処理(ステップS4)においては,先に1フレーム毎のスケルトン(骨格)情報解析(ステップS2)と深度情報解析処理(ステップS3)によりデータベース26に格納された被写体の行動パターンと被写体の形状の組合せに基づき,被写体(高齢者)の転倒(歩行中の転倒,ベット立上がり中の転倒,椅子からの転倒),高齢者の意識障害(床に横たわって一定時間動きがない,椅子に座って一定時間動きがない)を判定することができる。 【0055】 このように判定された高齢者生活パターン判定について,緊急通知を必要とする生活パターンが発生したかを判定する(ステップS5)。即ち,上記のような高齢者の転倒あるいは,一定期間動きのない意識障害状態である場合は,緊急の対応部署への通知が必要である。 【0056】 この時は,図1において,情報処理装置2の音源処理部27を通して,スピーカ28でアラーム音を鳴らし監視者に警告する。同時に,通信機能部29により,予め登録されている通知先にメール手段,電話通信手段により連絡を行う(ステップS6)。 【0057】 図8は,被写体見守りシステムの他の実施例概念図である。 【0058】 図1の実施例構成においては,深度情報付撮像装置1と,深度情報付撮像装置1の出力情報を解析する情報処理装置2が1対1の関係にある場合であるが,情報処理装置2の機能を高め,センターに置かれる情報処理装置100とすることができる。 【0059】 これにより,かかるセンターに置かれる情報処理装置100は,それぞれ一の高齢者に対応する複数の深度情報付撮像装置1からの撮影画像データ,画像のピクセル対応の深度情報と,被写体のスケルトン(骨格)モデル情報を有線もしくは無線通信回線を通して受信する。」 (2)甲1発明 上記(1)の記載事項から、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 なお、各構成の符号(a)~(e3)は、説明のために当審で付したものであり、以下、「構成a」~「構成e3」という。また、各構成の末尾括弧内に、対応する記載箇所を示した。 〔甲1発明〕 (a)モニタにより高齢者の撮像画像を監視するシステムにあっては、常時モニタ画像を監視することが必要であり、多くの高齢者に対応して常時モニタ画像の監視を行うことは、多くの監視者が必要となり現実的でないことなどに鑑みて、異常状態を容易に検知することを可能とする被写体見守りシステムを提供することを目的として、(【0008】~【0011】) (b)深度情報付撮像装置1の出力情報を解析する情報処理装置2であって、(【0022】) (b1)前記深度情報付撮像装置1は、制御部13において、撮像カメラ10からの撮像画像データ、及び赤外線検知部12で検知される反射赤外線に基づき、仮想の三次元空間を生成し、一定周期(一フレーム)毎に撮像画角内で仮想三次元空間画像の各ピクセル対応に、距離(深度)情報(Z軸方向の大きさ)を生成し、さらに、深度情報から撮像画角に対応する仮想三次元空間における被写体像を所定のスケルトン(骨格)モデルに当てはめたスケルトン(骨格)モデル情報を生成するものであり、(【0028】、【0030】) (b11)かかるスケルトン(骨格)モデルは、人体を構成する体幹、上肢を概念する構成要素をバー29、30等で表し、構成要素であるバー29、30等を接続する黒丸の接続部31を関節などに概念して表しているものであり、(【0031】) (b12)それぞれの接続部31は、仮想三次元空間における三次元座標(X,Y,Z)を有し、被写体が動くとそれぞれの接続部31の三次元座標(X,Y,Z)が変更され、同時に、それぞれの構成要素(前腕部に対応するバー29、上腕部に対応するバー30等)は特定された長さを有し、両端の接続部31の三次元座標(X,Y,Z)の変化に対応して、仮想三次元空間における構成要素の位置及び角度が変化するものであり、(【0034】) (c)前記情報処理装置2は、深度情報付撮像装置1からの一定周期(フレーム毎)の撮影画像データと、画像のピクセル対応の深度情報と、被写体のスケルトン(骨格)モデル情報を有線もしくは無線通信回線、インタフェース22を通して入力するものであり、(【0025】、【0026】、【0059】) (d)前記情報処理装置2は、入力された撮影画像及びスケルトン(骨格)モデル情報をビデオ信号に変換して、ビデオメモリ23に描画し、ディスプレイ24に表示するものであり、(【0027】) (e)情報処理装置2により実行される処理フローは、(【0035】) (e1)得られたスケルトン(骨格)モデル情報に基づき、スケルトン(骨格)モデル情報解析処理を行うものを含み、(【0036】) (e11)前記骨格モデル情報は、骨格モデルを構成する各骨部30を特定する識別子と、対応する接続部31の三次元座標情報を含んでおり、(【0037】) (e2)詳細な処理フローは、(【0037】) (e21)画像範囲内にスケルトン(骨格)モデル情報が存在する場合は、前の複数フレームのスケルトン(骨格)構成要素(バー29、30等)の三次元位置座標と比較して位置変化を全てのスケルトン構成要素について求め、(【0039】) (e22)次いで、求められた全てのスケルトン構成要素各部の位置変化を予めパターン分けした基準データ(スケルトン(骨格)動作判定基準データ)と比較して状態判定を行い、ここで、スケルトン(骨格)動作判定基準データは、データベース26に予め保存されており、(【0040】) (e221)かかるスケルトン(骨格)動作判定基準データは、就寝中、ベッド起床動作中、ベッド着座中、ベッド立上中、歩行中、静止中、椅子着座中、椅子立上中、床着座中、床立上中、床横臥中に対応してスケルトン(骨格)モデルを構成する複数のスケルトン(骨部)構成要素(バー29、30等)の位置変化が設定されているデータであり、(【0041】) (e222)したがって、上記の求められた全てのスケルトン(骨部)構成要素の位置変化を、スケルトン(骨部)動作判定基準データと比較して、近似する被写体の行動パターン、即ち、就寝中、ベッド起床動作中、ベッド着座中、ベッド立上中、歩行中、静止中、椅子着座中、椅子立上中、床着座中、床立上中、床横臥中のいずれの行動パターンが対応するかの判定を行う、(【0042】) というものを含み、 (e3)被写体の行動パターンと被写体の形状の組合せに基づき、緊急通知を必要とする生活パターンが発生したかを判定し、情報処理装置2の音源処理部27を通して、スピーカ28でアラーム音を鳴らし監視者に警告し、同時に、通信機能部29により、予め登録されている通知先にメール手段、電話通信手段により連絡を行う(【0054】~【0056】) (b)情報処理装置2。 2 甲第2号証 (1)記載事項 甲第2号証には次の記載がある。 「【0030】 動作姿勢評価支援部16は、カメラ2から供給される画像データに基づいて、ユーザの動作や姿勢を検出して評価し、ユーザの動作や姿勢が正しいものとなるように支援する処理を実行する。また、動作姿勢評価支援部16は、その評価結果を制御部13に供給する。 【0031】 動作姿勢評価支援部16は、画像取得部21、動作姿勢認識部22、動作姿勢評価部23、基準動作姿勢データベース24、及び支援画面生成部25から構成される。」 「【0063】 ここで、図5のフローチャートを参照して、図4のステップS32に対応する動作姿勢認識処理について説明する。 【0064】 ステップS51において、動作姿勢認識部22は、画像取得部21から順次入力される画像データから、人が含まれている人領域を検出する。そして、動作姿勢認識部22は、検出された人領域から、その人の向いている方向を推定し(ステップS52)、さらに、例えば手足や首などの人の身体の所定の部位(パーツ)を検出する(ステップS53)。 【0065】 ステップS54において、動作姿勢認識部22は、推定された人の方向と検出された各部位に基づいて、例えばGPLVM(Gaussian Process Latent Variable Model)を用いた動きの事前情報から、3次元の関節角を推定する。」 「【0070】 以上のようにして、動作姿勢認識処理が実行され、画像取得部21から順次入力される画像データから、各部位ごとの関節角が時系列で求められると、処理は、図4のフローチャートに戻り、ステップS33以降の処理が実行される。 【0071】 ステップS33において、動作姿勢評価部23は、動作姿勢認識部22から供給される各部位ごとの関節角(入力動作の関節角)と、基準動作姿勢データベース24から読み出された各部位ごとの関節角(基準動作の関節角)とを比較することで、動作姿勢評価処理を実行する。 【0072】 ここで、図6のフローチャートを参照して、図4のステップS33に対応する動作姿勢評価処理の詳細について説明する。 【0073】 ステップS71において、動作姿勢評価部23は、基準動作姿勢データベース24に格納された基準動作の中から、動作姿勢認識部22により認識された各部位ごとの関節角から推定される入力動作と同一又は類似する基準動作を検索して、対象となる基準動作を特定する。 【0074】 この基準動作の特定方法としては、例えば、図2の基準動作姿勢データベース24に格納された基準動作1乃至nの関節角の中から、入力動作の関節角の時間的な変化と同一又は類似した変化をする基準動作の関節角を検索して、その基準動作を、対象となる基準動作として特定する。ただし、類似する基準動作が複数存在する場合には、最も類似した基準動作の関節角を、対象となる基準動作として特定すればよい。」 (2)甲2技術 上記(1)の記載事項から、甲第2号証には、次の技術(以下、「甲2技術」という。)が記載されている。なお、各構成の末尾括弧内に、対応する記載箇所を示した。 〔甲2技術〕 カメラから供給される画像データに基づいて、ユーザの動作や姿勢を検出する技術であって、(【0030】) 画像取得部から順次入力される画像データから、例えば手足や首などの人の身体の所定の部位(パーツ)を検出し、検出された各部位に基づいて、三次元の関節角を推定し、(【0064】、【0065】) 各部位ごとの関節角が時系列で求められると、基準動作姿勢データベースに格納された基準動作1乃至nの関節角の中から、入力動作の関節角の時間的な変化と同一又は類似した変化をする基準動作の関節角を検索して、その基準動作を、対象となる基準動作として特定する(【0070】、【0074】) 技術。 3 甲第3号証 (1)記載事項 特許異議申立書とともに提出された甲第3号証である特開2011-113398号公報には次の記載がある。 「【0001】 本発明は、画像に写った人物の姿勢を推定する姿勢推定装置に関する。」 「【0050】 姿勢推定部77は、部位形状推定部76により決定された各部位の関節の角度に基づいて、監視画像に写っている人物の姿勢を推定する。 本実施形態では、姿勢推定部77は、人物の姿勢ごとに対応する各部位の関節の角度範囲を関連付けた姿勢判定テーブルを参照する。 【0051】 図8は、姿勢判定テーブルの一例を示す図である。姿勢判定テーブル800において、左の列から順番に、各列には、それぞれ、人物全体の姿勢を一意に識別するための識別番号801、人物全体の姿勢に対応する各部位の関節の角度範囲802、人物全体の姿勢の名称803、及びその姿勢が正常か異常かを表す判定フラグ804が表される。また各関節の角度範囲802は、四肢ごとに4個の角度パラメータの範囲、すなわち、合計16個の角度パラメータの範囲を示す。 姿勢推定部77は、姿勢の識別番号で特定される姿勢ごとに、各部位の関節の角度パラメータが、それぞれの関節ごとに定められた角度範囲に含まれるか否か判定する。そして姿勢推定部77は、全ての角度パラメータが関節ごとに定められた対応する角度範囲に含まれる場合、監視領域に写っている人物の姿勢は、その角度範囲に対応する識別番号で表される姿勢であると推定する。 姿勢推定部77は、推定された姿勢の識別番号を判定部78へ渡す。」 4 甲第4号証 (1)記載事項 甲第4号証には次の記載がある。 「【0001】 本発明は、ベッド上の対象者の見守りを支援するための技術に関する。」 「【0020】 情報処理装置11は、撮像装置10から取り込まれる画像データをリアルタイムに分析し、ベッド20上の対象者21に異常がないか(危険な状態にないか)を自動で検知する機能を備える装置である。情報処理装置11は、具体的な機能として、画像取得部110、検出部111、状態認識部112、判定部113、出力部114、領域設定部115、記憶部116を有している。本実施形態の情報処理装置11は、CPU(プロセッサ)、メモリ、ストレージ(HDD、SSDなど)、入力デバイス(キーボード、マウス、タッチパネルなど)、出力デバイス(ディスプレイ、スピーカなど)、通信インタフェースなどを具備する汎用のコンピュータにより構成され、上述した情報処理装置11の各機能は、ストレージ又はメモリに格納されたプログラムをCPUが実行することにより実現される。ただし、情報処理装置11の構成はこの例に限られない。例えば、複数台のコンピュータによる分散コンピューティングを行ってもよいし、上記機能の一部をクラウドサーバにより実行してもよいし、上記機能の一部をASICやFPGAのような回路で実行してもよい。」 「【0026】 判定部113は、検出部111及び状態認識部112の結果に基づき、対象者21の状態が安全な状態であるか危険な状態であるかを判定する機能である。具体的には、判定部113は、危険な状態を評価・判定するための「判定基準」を用いて、状態認識部112で認識された頭部22の状態(向き、移動速度、移動方向、移動ベクトルの少なくともいずれか)の「危険度合い」を判定する処理を行う。危険度合いの判定は、安全/危険の2段階判定でもよいし、危険度合い=0,1,2,・・・のような多段階判定でもよい。本実施形態では、記憶部116内の判定基準記憶部に複数の判定基準があらかじめ設定されており、判定部113が、対象者21(の頭部22)が検出された位置に応じて、用いる判定基準を切り替える点に特徴を有する。この特徴については後ほど詳しく説明する。 【0027】 出力部114は、判定部113により判定された危険度合いに応じた通知を行う機能である。出力部114は、危険度合いに応じて、通知の要否(例えば、危険な状態の場合のみ通知を行う)、通知の内容(例えばメッセージの内容)、通知手段(例えば音声、メール、ブザー、警告灯)、通知先(例えば看護師、医師)、通知の頻度などを切り替えることができる。」 5 甲第5号証 (1)記載事項 甲第5号証には次の記載がある。 「【0001】 本発明は、対象者がベッドから転落する危険度を算出する転落危険度算出システム及びこの転落危険度算出システムを備えた通報システムに関する。」 「【0040】 [実施形態1] 次に、転落危険度算出システムの実施形態について図3及び図4を用いて詳しく説明する。図3は、実施形態1における転落危険度算出システム100の機能を示したブロック図である。また、図4は、実施形態1における危険度算出システム100のフローチャートである。この転落危険度算出システム100は、姿勢情報取得手段110、危険度算出手段120及び出力手段130を備えている。 【0041】 姿勢情報取得手段110は、具体的には図1及び図2で説明したモーションセンサ11により構成されている。このモーションセンサ11は、患者Aの胸部に1つ、足首にそれぞれ1つずつ取り付けられている。姿勢情報取得手段110は、モーションセンサ11によりX軸、Y軸、Z軸の3軸、それぞれの加速度を計測することで、患者Aの姿勢情報を取得する。なお、本実施形態では、姿勢情報取得手段110は、モーションセンサ11によって、静加速度の計測を行っている。そして、姿勢情報取得手段110は、モーションセンサ11により0.1s毎に計測を行っており、その都度、モーションセンサ11の通信部を介して姿勢情報をサーバ20へ送信する。 【0042】 危険度算出手段120は、具体的には図1で説明した制御部12、記憶部13や、図2のサーバ20によって構成されている。危険度算出手段120は、姿勢情報取得手段110により姿勢情報を取得すると(ステップ1101)、取得された姿勢情報をもとにして、患者Aの姿勢における危険度を、記憶部13に予め記憶されている危険度算出モデルを用いて、算出する(ステップ1102)。なお、この危険度算出モデルの具体例は後述するが、対象者である患者Aの姿勢情報に基づいて危険度が算出できるのであれば、どのような算出モデルでも構わない。 【0043】 出力手段130は、具体的には図1で説明した出力部15や、図2の端末装置40によって構成されている。出力手段130は、危険度算出手段120によって、患者Aの危険度が算出されと、その危険度を端末装置40の表示部41に表示する(ステップ1103)。 【0044】 なお、出力手段130によって表示部41に出力される危険度は、例えば、危険度80%、危険度30%のような百分率表示や、危険度大、危険度小のような程度表示や、危険度によって異なる色により表すことができる。また、音声出力部43を用いて、音声によって表すこともできる。」 第6 当審の判断 1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明を対比する。 甲1発明における深度情報付撮像装置1は、制御部13において、撮像カメラ10からの撮像画像データ、及び赤外線検知部12で検知される反射赤外線に基づき、仮想の三次元空間を生成し、一定周期(一フレーム)毎に撮像画角内で仮想三次元空間画像の各ピクセル対応に、距離(深度)情報(Z軸方向の大きさ)を生成し、さらに、深度情報から撮像画角に対応する仮想三次元空間における被写体像を所定のスケルトン(骨格)モデルに当てはめたスケルトン(骨格)モデル情報を生成するもの(構成b1)である。前記被写体像が当てはめられた「スケルトン(骨格)モデル」は、対応する骨格モデル情報が、骨格モデルを構成する各骨部30を特定する識別子と、対応する接続部31の三次元座標情報を含むもの(構成e11)であるから、本件発明1の「見守り対象者の骨格の形状」に相当する。そして、「被写体像を所定のスケルトン(骨格)モデルに当てはめ」ることは、本件発明1の「見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出」することに相当する。 また、甲1発明における情報処理装置2が、深度情報付撮像装置1からの一定周期(フレーム毎)の撮影画像データと、画像のピクセル対応の深度情報と、被写体のスケルトン(骨格)モデル情報を有線もしくは無線通信回線、インタフェース22を通して入力する(構成c)ことは、深度情報付撮像装置1が、一定周期(フレーム毎)の撮影画像データと、画像のピクセル対応の深度情報と、被写体のスケルトン(骨格)モデル情報を有線もしくは無線通信回線を通して情報処理装置2に送信することに対応する。前記送信される「被写体のスケルトン(骨格)モデル情報」は、被写体像を所定のスケルトン(骨格)モデルに当てはめた情報(構成b1)であるから、本件発明1の「見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号」に相当する。 以上から、甲1発明における深度情報付撮像装置1、及び、情報処理装置2におけるインタフェース22は、「見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器」、及び、「見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信手段」といえるものである点で、本件発明1の骨格検出器及び骨格信号受信手段と共通する。 しかしながら、前記骨格信号の送信元である骨格検出器が、本件発明1では、見守り対象者の撮像画像を送信することなく骨格信号を送信するものであるのに対し、甲1発明では、撮影画像データと被写体のスケルトン(骨格)モデル情報を送信するものである点で、両者は相違する。 甲1発明における、スケルトン(骨格)モデル情報(骨格モデルを構成する各骨部30に対応する接続部31の三次元座標情報を含む(構成e11))を、前の複数フレームのスケルトン(骨格)構成要素(バー29、30等)の三次元位置座標と比較して求められる全てのスケルトン(骨部)構成要素についての位置変化(構成e21)は、「骨格に係る変化パターン」である点で、本件発明1における「関節の角度の変化パターン」と共通する。 本件発明1の「見守り対象者の姿勢」について、本件明細書の発明の詳細な説明の【0032】には、「見守り対象者の姿勢(「臥位」、「起き上り」、「端座位」、「はみ出し」、「立位」、「転倒・転落」、及び「無人」等)」と記載されており、本件発明1の「見守り対象者の姿勢」には、前記各例等を含むものと認められる。 そして、甲1発明の情報処理装置2(構成b)は、被写体の求められた全てのスケルトン(骨部)構成要素の位置変化を、スケルトン(骨部)動作判定基準データと比較して、近似する被写体の行動パターン、即ち、就寝中、ベッド起床動作中、ベッド着座中、ベッド立上中、歩行中、静止中、椅子着座中、椅子立上中、床着座中、床立上中、床横臥中のいずれの行動パターンが対応するかの判定を行うもの(構成e222)であるから、「見守り対象者の骨格に係る変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定手段を備える姿勢解析装置」である点で、本件発明1の姿勢解析装置と共通する。 しかしながら、本件発明1は、姿勢解析装置が「前記骨格信号受信手段によって受信した前記骨格信号が示す前記見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出手段」を備え、かつ、姿勢特定手段において該見守り対象者の姿勢を特定する際に用いられる「骨格に係る変化パターン」が「前記角度算出手段によって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターン」であるのに対し、甲1発明は、情報処理装置2(姿勢解析装置)が当該角度算出手段を備えておらず、かつ、当該「骨格に係る変化パターン」が、スケルトン(骨格)モデル情報(三次元座標情報)を前の複数フレームのスケルトン(骨格)構成要素(バー29、30等)の三次元位置座標と比較して求められる全てのスケルトン(骨部)構成要素についての位置変化(構成e21)である点で、両者は相違する。 以上から、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 〔一致点〕 見守り対象者の撮像画像より該見守り対象者の骨格の形状を検出して、該見守り対象者の骨格の形状を示す骨格信号を送信する骨格検出器からネットワークを介して該骨格信号を受信する骨格信号受信手段と、 見守り対象者の骨格に係る変化パターンから、該見守り対象者の姿勢を特定する姿勢特定手段と、 を備える姿勢解析装置。 〔相違点1〕 前記骨格信号の送信元である骨格検出器が、本件発明1では、見守り対象者の撮像画像を送信することなく骨格信号を送信するものであるのに対し、甲1発明では、撮影画像データと被写体のスケルトン(骨格)モデル情報を送信するものである点。 〔相違点2〕 姿勢解析装置が「前記骨格信号受信手段によって受信した前記骨格信号が示す前記見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出手段」を備え、かつ、姿勢特定手段において該見守り対象者の姿勢を特定する際に用いられる「骨格に係る変化パターン」が「前記角度算出手段によって算出した前記見守り対象者の関節の角度の変化パターン」であるのに対し、甲1発明は、情報処理装置2(姿勢解析装置)が当該角度算出手段を備えておらず、かつ、当該「骨格に係る変化パターン」が、スケルトン(骨格)モデル情報(三次元座標情報)を前の複数フレームのスケルトン(骨格)構成要素(バー29、30等)の三次元位置座標と比較して求められる全てのスケルトン(骨部)構成要素についての位置変化である点。 (2)判断 上記相違点について検討する。 ア 相違点2について まず、甲2技術について検討する。甲2技術の、画像取得部から順次入力される画像データから、例えば手足や首などの人の身体の所定の部位(パーツ)を検出し、検出された各部位に基づいて、三次元の関節角を推定することは、本件発明1の「対象者の撮像画像より検出される該対象者の骨格の形状から、該対象者の関節の角度を算出する角度算出手段」を備えることに実質的に対応するといえる。 そして、甲2技術の、ユーザの動作や姿勢を検出する際に用いられる「関節角の時間的な変化」は、本件発明1の対象者の姿勢を特定する際に用いられる「関節の角度の変化パターン」に相当する。 また、甲1発明は、前腕部に対応するバー29、上腕部に対応するバー30等の位置及び角度の変化が、当該バーの両端の接続部31(関節などに概念して表しているもの(構成b11))の三次元座標(X,Y,Z)の変化に対応するものとし(構成b12)、前の複数フレームのスケルトン(骨格)構成要素(バー29、30等)の三次元位置座標と比較して位置変化を全てのスケルトン構成要素について求め(構成e21)、行動パターンを判定する(姿勢を特定する)もの(構成e222)であるが、前腕部と上腕部等の角度の変化を関節角の時間的な変化(関節の角度の変化パターン)により特定することは、甲2技術のように、当業者によく知られている技術と認められる。 そうすると、甲1発明の、前腕部と上腕部等の角度の変化を特定する際に用いる情報として、甲2技術の、順次入力される画像データから検出された人の身体の所定の部位(パーツ)に基づいて推定される関節角の時間的な変化(関節の角度の変化パターン)を採用すること、すなわち、「前記骨格信号受信手段によって受信した前記骨格信号が示す前記該見守り対象者の骨格の形状から、該見守り対象者の関節の角度を算出する角度算出手段」を備えるとともに、姿勢特定手段において該見守り対象者の姿勢を特定する際に用いられる情報として「関節の角度の変化パターン」を採用して、上記相違点2に係る本件発明1に相当する構成とすることは、当業者であれば容易に想到しうることである。 イ 相違点1について 甲1発明は、モニタにより高齢者の撮像画像を監視するシステムにあっては、常時モニタ画像を監視することが必要であり、多くの高齢者に対応して常時モニタ画像の監視を行うことは、多くの監視者が必要となり現実的でないことなどに鑑みて、異常状態を容易に検知することを可能とする被写体見守りシステムを提供することを目的とするもの(構成a)であって、 前記情報処理装置2は、入力された撮影画像及びスケルトン(骨格)モデル情報をビデオ信号に変換して、ビデオメモリ23に描画し、ディスプレイ24に表示する構成(構成d)を備え、 被写体の行動パターンと被写体の形状の組合せに基づき、緊急通知を必要とする生活パターンが発生したかを判定し、情報処理装置2の音源処理部27を通して、スピーカ28でアラーム音を鳴らし監視者に警告するようにしたもの(構成e3)である。 以上から、甲1発明は、常時モニタ画像(撮影画像)の監視を行う多くの監視者は必要とせず、異常状態を監視者に警告するようにして多くない監視者でモニタ画像(撮影画像)の監視を行うようにしたものと認められるから、モニタ画像(撮影画像)の監視は甲1発明の前提として不可欠のものである。 そうすると、撮影画像データとスケルトン(骨格)モデル情報(骨格信号)の送信元である深度情報付撮像装置1(骨格検出器)が、本件発明1のように撮影画像データを送信しないものとすると、甲1発明の上記前提(モニタ画像(撮影画像)の監視)を欠くことになるから、撮影画像データを送信しないようにすることは、阻害要因がある。 したがって、本件発明1は、甲1発明を主引用発明としたものから当業者が容易に発明をすることができたものではない。 2 本件発明3~5について 本件発明3~5は、本件発明1の構成を備えるものであるから、上記1と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本件発明6及び7について 本件発明6及び7は、本件発明1と同様の構成を備えるものであり、上記1と同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 小括 以上のとおり、本件発明1、3~7は、甲第1~5号証の記載に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第7 取消理由において採用しなかった特許異議申立理由について 1 特許法第29条第1項第3号について 特許異議申立人は、特許異議申立書において、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1~4、6~7に係る発明に関し、甲第1号証に記載された発明と同一である旨を主張する。 しかしながら、本件訂正後の特許請求の範囲の各請求項に係る発明は、上記第6の1(1)に示したとおり、甲第1号証に記載された発明との間に相違点を有している。 したがって、特許異議申立人のかかる主張は、採用することができない。 2 特許法第36条第6項第2号について 発明が明確であるか否かは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願当時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。 特許異議申立人は、特許異議申立書において、訂正前の特許請求の範囲の請求項1~7に係る発明が明確ではない旨を主張する。具体的には次のとおりである。 「請求項1に記載の「関節の角度の変化パターン」については、例えば、関節の角度がどのような状態からどのような状態になった場合の変化について、どのようなデータとして登録されたものまでが当該「変化パターン」に含まれるのかが明確でない。この点については、本件特許明細書及び図面にも具体的な記載がなく、また、技術常識を参酌しても明確ではない。 請求項1を直接又は間接的に引用する請求項3については、「関節の角度の変化パターン」が、「連続する複数の前記撮像画像における見守り対象者の関節の角度の変化パターン」である旨が特定されているが、依然として、具体的に、連続する複数の前記撮像画像から得られるどのような「変化パターン」までが請求項3の「変化パターン」に含まれるかが、不明である。 請求項1又は請求項3を直接又は間接的に引用する請求項2、請求項4~5の記載、請求項1に係る姿勢解析装置の発明に対応する方法の発明に係る請求項であって請求項1との差異がカテゴリーの相違に基づく単なる表現上の差異である請求項6の記載、及び、請求項1に記載された姿勢解析装置に対応するプログラムの発明に係る請求項であって請求項1の記載との差異が装置かプログラムかの相違に基づく単なる表現上の差異である請求項7の記載についても同様である。したがって、本件特許発明1~7は、明確ではない。」 しかしながら、本件発明1~7は姿勢解析に係る発明であって、【0032】には、見守り対象者の姿勢として「起き上り」や「転倒・転落」等が例示されているところ、これらの姿勢が関節の角度の変化によって特定され得るものであることは、当業者に明らかな事項といえる。 そうすると、「関節の角度の変化パターン」の内容は明確に特定できるものであり、特許請求の範囲の記載が第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確とはいえない。 したがって、特許異議申立人のかかる主張は、採用することができない。 第8 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件請求項1、3~7に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、3~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 上記第2のとおり、本件特許の請求項2に係る特許は、訂正により削除された。 これにより、本件特許の請求項2に係る特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700130

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