特許訂正審判
2019-390080
自動改札装置
- 審判番号
- 2019-390080
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2011-206824
- 登録番号
- 特許第5752543号(P5752543)
- 請求日
- 2019年07月03日
- 審決日
- 2019年08月19日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 東芝
- 【請求人代理人】蔵田 昌俊
- 【請求人代理人】井上 正
- 【請求人代理人】宮田 良子
- 審判長/審判官
- 審判長 藤井 昇
- 審判官 中村 泰二郎
- 審判官 出口 昌哉
- 分類
- P141 .852-Y (G07B) / P141 .841-Y (G07B) / P141 .854-Y (G07B) / P141 .855-Y (G07B) / P141 .856-Y (G07B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5752543号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5752543号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり、訂正後の請求項〔1~2〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件特許第5752543号は、平成23年9月22日に出願されたものであって、その請求項1~2に係る発明について平成27年5月29日に特許権の設定登録がされ、その後、令和元年7月3日に訂正審判の請求(以下「本件請求」という。)がなされた。
第2 本件請求の趣旨及び訂正の内容
本件請求の趣旨は、本件特許第5752543号の願書に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面(以下それぞれ「明細書」、「特許請求の範囲」及び「図面」という。)を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおりに訂正すること、すなわち以下の訂正事項に係る訂正(以下「本件訂正」という。)を求めるものである(下線は訂正箇所を示す。)。
1 訂正事項1
(1)特許請求の範囲の請求項1において
「装置本体の改札通路に沿って配列される通行位置検知用の位置検知センサ群及び前記装置本体の入口近傍、中央部及び出口近傍にそれぞれ設置される大人検知用の高さ検知センサと、
前記各高さ検知センサの設置位置と特定の前記位置検知センサとの対応関係を規定する大人判定位置データ記憶手段と、
利用客が前記特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定し、その判定結果から大人であり、かつ提示された媒体の不正、媒体の不提示などに基づき、無礼な大人の利用客であるかを判定する処理制御部とを備え、
前記処理制御部は、所定のサンプリング周期ごとの前記位置検知センサの出力変化から利用客の通行を検知するともに、当該利用客が前記各特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定する大人判定手段と、大人の利用客と判定され、かつ当該利用客が提示された媒体の不正、媒体の不提示などに対して予め定めた無礼な判定ポイントに到達したとき、無礼な大人の利用客である判定する無礼客判定処理手段と、この無礼客判定処理手段で無礼な大人の利用客と判定されたとき、何れの前記高さ検知センサの出力から大人と判定されたかを確認し、出口側ドアの開閉制御を行うドア動作処理制御手段とを備え、
前記ドア動作処理制御手段は、前記入口近傍、前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無礼な大人の利用客と判定されたとき前記出口側ドアを閉制御し、前記入口近傍及び前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無礼な大人の利用客と判定されずに前記出口近傍の前記高さ検知センサの出力から無礼な大人の利用客と判定されたとき、出口側ドアを閉めずに無礼な大人の利用客であることを報知する報知手段をさらに設けた自動改札装置。」と記載されているのを、
「装置本体の改札通路に沿って配列される通行位置検知用の位置検知センサ群及び前記装置本体の入口近傍、中央部及び出口近傍にそれぞれ設置される大人検知用の高さ検知センサと、
前記各高さ検知センサの設置位置と特定の前記位置検知センサとの対応関係を規定する大人判定位置データ記憶手段と、
利用客が前記特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定し、その判定結果から大人であり、かつ提示された媒体の不正、媒体の不提示などに基づき、無札な大人の利用客であるかを判定する処理制御部とを備え、
前記処理制御部は、所定のサンプリング周期ごとの前記位置検知センサの出力変化から利用客の通行を検知するともに、当該利用客が前記各特定の位置検知センサの設置位置を通過したとき、前記大人判定位置データ記憶手段に規定する対応関係を有する各高さ検知センサの出力から大人であるかを判定する大人判定手段と、大人の利用客と判定され、かつ当該利用客が提示された媒体の不正、媒体の不提示などに対して予め定めた無札な判定ポイントに到達したとき、無札な大人の利用客である判定する無札客判定処理手段と、この無札客判定処理手段で無札な大人の利用客と判定されたとき、何れの前記高さ検知センサの出力から大人と判定されたかを確認し、出口側ドアの開閉制御を行うドア動作処理制御手段とを備え、
前記ドア動作処理制御手段は、前記入口近傍、前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されたとき前記出口側ドアを閉制御し、前記入口近傍及び前記中央部に設置される前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されずに前記出口近傍の前記高さ検知センサの出力から無札な大人の利用客と判定されたとき、出口側ドアを閉めずに無札な大人の利用客であることを報知する報知手段をさらに設けた自動改札装置。」に訂正する。
(2)特許請求の範囲の請求項2において
「請求項1に記載の自動改札装置において、
前記報知手段は、下記の何れか1種類以上により無礼な大人の利用客であることを報知する自動改札装置。
(1) 予め定めた警報メッセージを音声発生器から出力する。
(2) 白色ランプまたは赤色ランプを点滅制御する。
(3) 状態表示部に不正者であることを表示する。」と記載されているのを、
「請求項1に記載の自動改札装置において、
前記報知手段は、下記の何れか1種類以上により無札な大人の利用客であることを報知する自動改札装置。
(1) 予め定めた警報メッセージを音声発生器から出力する。
(2) 白色ランプまたは赤色ランプを点滅制御する。
(3) 状態表示部に不正者であることを表示する。」に訂正する。
2 訂正事項2
明細書の段落【0007】~【0009】,【0026】,【0028】~【0030】,【0032】,【0037】,【0050】,【0052】~【0056】,【0060】,【0063】~【0065】,【0067】,【0069】~【0070】において「無礼」との記載を、「無札」に訂正する。
3 訂正事項3
図面の図3,6,8において「無礼」との記載を、「無札」に訂正する。
なお、訂正前の請求項1~2は一群の請求項に該当するから、訂正事項1に係る請求項1~2についての訂正は、一群の請求項である請求項〔1~2〕について請求されている。
また、訂正事項2に係る明細書についての訂正及び訂正事項3に係る図面についての訂正は、一群の請求項である請求項〔1~2〕について請求されている。
よって、本件訂正は、一群の請求項〔1~2〕について請求されている。
第3 当審の判断
1 訂正の目的について
明細書の段落【0007】~【0009】,【0026】,【0028】~【0030】,【0032】,【0037】,【0050】,【0052】~【0056】,【0060】,【0063】~【0065】,【0067】,【0069】~【0070】、特許請求の範囲の請求項1~2及び図面の図3,6,8には「無礼」という記載がある。
しかしながら、明細書の段落【0050】の「無礼客判定処理手段51bは、無礼客判定処理が開始すると、無礼な大人の利用客か否かを判定する。ここで、無礼な利用客とは、例えば利用客が媒体Cを提示しない狭義の無礼客や提示された媒体Cが利用できない不正な媒体である無効客が考えられる。」という記載において「無礼な利用客」とは、「媒体C」すなわち「磁気式乗車券や無線式カード」(段落【0013】の「磁気式乗車券や無線式カードを媒体と総称する。」記載参照)を提示しない利用客や不正な媒体をもつ利用客を指すのであって、「無礼客判定処理手段51b」はそのような「磁気式乗車券や無線式カード」を提示しない又は不正な媒体をもつ「大人の利用客」であるか否か判定するものであること、「無札」とは「客が切符を持たないこと。」(広辞苑第7版)を意味すること、及び図面の図7に「無札判定処理開始」及び「無札検知位置に到達か?」と記載されていることを踏まえると、明細書、特許請求の範囲及び図面における「無礼」という記載が「無札」の誤記であることは明らかである(下線は当審で付した。以下同様。)。
してみると、訂正事項1~3に係る本件訂正は、明細書、特許請求の範囲及び図面のそれぞれにおいて「無礼」という誤記を「無札」に訂正するものなので、誤記の訂正を目的とするものといえる。
したがって、訂正事項1~3に係る本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものに該当する。
2 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項1~3に係る本件訂正は、願書に最初に添付した図面の図7に「無札判定処理開始」及び「無札検知位置に到達か?」という記載等(上記「1」参照)に基づいて、明細書、特許請求の範囲及び図面のそれぞれにおける「無礼」という誤記を「無札」に訂正するものなので、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものといえ、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて
訂正事項1~3に係る本件訂正は、上記「1」で述べたように明細書、特許請求の範囲及び図面のそれぞれにおいて「無礼」という誤記を「無札」に訂正する、誤記の訂正を目的とするものにすぎないから、訂正事項1~3に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かについて
訂正事項1~3に係る本件訂正は、上記「1」で述べたように明細書、特許請求の範囲及び図面のそれぞれにおいて「無礼」という誤記を「無札」に訂正する、誤記の訂正を目的とするものにすぎないから、本件訂正後の請求項1~2に係る特許に対して、特許出願の際独立して特許を受けることができなくなるような特段の事情は存在しない。
したがって、訂正事項1~3に係る本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1~3に係る本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項乃至第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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