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商標取消審判

2023-300458

スーパースキャンツール、スキャンツール、エックスヨンヒャクサンジューイチ、エックスヨンサンイチ

審判番号
2023-300458
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2006-004007
登録番号
4991500
請求日
2023年06月29日
審決日
2024年07月10日
公報発行日
2024年09月27日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】深▲せん▼市元征科技股▲ふん▼有限公司
  • 【請求人代理人】TRY国際弁理士法人
  • 【被請求人】株式会社 ローンチオートマーケティング
  • 【被請求人代理人】広瀬 文彦
  • 【被請求人代理人】末岡 秀文
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 大山 健
  • 審判官 鈴木 雅也
分類
T131 .1 -Z (Y09)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第1号、商標法第50条第1項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第4991500号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第4991500号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第4991500号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、長方形の赤地の中に、白色の縁取りの赤字で、やや図案化され、その一部が長方形から突出した「X」の文字及び黒字で「-431」の文字を配し、その上に「Super Scan Tool」の文字を配してなり、平成18年1月20日に登録出願、第9類「自動車用電子制御装置,その他の電子応用機械器具及びその部品,耳栓,加工ガラス(建築用のものを除く。),アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,オゾン発生器,電解槽,検卵器,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,自動販売機,ガソリンステーション用装置,駐車場用硬貨作動式ゲート,救命用具,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,保安用ヘルメット,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,潜水用機械器具,業務用テレビゲーム機,電動式扉自動開閉装置,乗物運転技能訓練用シミュレーター,運動技能訓練用シミュレーター,理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,磁心,抵抗線,電極,消防艇,ロケット,消防車,自動車用シガーライター,事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服,眼鏡,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,計算尺,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品として、同年9月29日に設定登録がされ、同28年10月11日に、存続期間の更新登録がされた。また、本件商標は、平成28年12月27日に、株式会社ランチテックジャパンから株式会社ローンチテックジャパンに商標権者の名称が変更され、さらに同日に特定継承により被請求人に移転されている。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和5年7月21日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(2020年(令和2年)7月21日~2023年(令和5年)7月20日)を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品(以下「取消請求商品」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 弁駁の理由 (1)答弁書及び答弁書で示された証拠方法(乙1~乙3)によっては、本件商標が要証期間に日本国内において、その請求に係る指定商品について使用されていた事実を証明していない。以下、弁駁する。 (2)本件商標と乙各号証に示された商標との比較 乙第1号証ないし乙第3号証に示された商標は、本件商標と全く構成を異にするものであることから、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標とは認められない。 したがって、乙第1号証ないし乙第3号証は、本件商標の使用を証明するものとはいえない。 (3)乙第1号証ないし乙第3号証が、本件商標の使用を証明するものではないこと ア 乙第1号証 乙第1号証には日付を確認できる記載がないことから、要証期間の使用であることは認められない。また、乙第1号証には被請求人の社名や住所が記載されていない。さらに、乙第1号証が、誰に対して、どこで、どのように、何部頒布されたのか不明である。 イ 乙第2号証 乙第2号証の2葉目の右下には「2015/June」との記載が確認できることから、フライヤー(乙2)は要証期間外の2015年6月に制作及び頒布されたと考えられる。また、乙第2号証の3葉目の中段部左側には、「本格運用が開始される2015年末からはさらなる充実が図られます・・・。」との記載があり、また、4葉目の上段部右側には「golo CarCare/※2015年中発売予定(iOS/Android用)」との記載があり、これらの記載も、フライヤー(乙2)が2015年6月に制作されたものであることを示している。したがって、答弁書における「乙第2号証が2021年8月15日に配布された」との被請求人の主張は虚偽の可能性が高い。 さらに、乙第2号証の2葉目下段部左側には、発売元として「株式会社ランチテックジャパン」と記載されているところ、被請求人は、答弁書において、株式会社ランチテックジャパンは2006年に社名を株式会社ローンチテックジャパンに変更したと主張しているが、当該主張は、被請求人がフライヤー(乙2)を、2021年8月15日に配布したとの主張と整合しない。加えて、フライヤー(乙2)を、誰に対して、どこで、どのように何部頒布されたのか明らかにされていない。 ウ 乙第3号証 乙第3号証には日付が明示されていないため、要証期間における使用を認められない。また、乙第3号証には被請求人の社名、住所も記載されていない。さらに、メルカリとは、インターネット上で主に個人間での物品の売買を行うことを可能にするサービスの名称と解されるところ、乙第3号証は当該サービスに出品された商品の写真と思われ、本件商標に係る商品の広告に該当しない。加えて、乙第3号証の商品を出品したのが被請求人であることを示す証拠も提出されておらず、誰が、いつ、どのような目的で出品したのか不明である。 (4)請求人と被請求人の関係 本件商標は、元々は請求人が創作したものであって、被請求人が本件商標を日本で出願する前から、請求人は本件商標を継続して使用していた。また、被請求人は、請求人より本件商標に係る商品を購入し、これを日本において販売しており、両者は取引関係にあったが、販売代理店契約を締結した事実はない。 また、被請求人は、2006年1月20日付けで本件商標の出願を行ったが、これは請求人の許可を得ることなく無断で行われたものである。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由、及び合議体の暫定的な見解と弁駁に対する回答を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出した。 1 答弁の理由 (1)使用の証明 被請求人は、本件商標を、要証期間に、取消請求商品中、第9類「測定機械器具」について使用している。被請求人は、本件商標と同一又は社会通念上同一の商標を、第9類「測定機械器具」に属する車両用診断装置に使用しており、使用を証明するため、ポスター広告(乙1)、フライヤー(乙2)及びメルカリにおける広告(乙3)を提出する。 乙第1号証は、自動車の稼働状態を記録するための測定装置である車両用診断装置の販売に関するポスター広告であり、2020年10月20日には宣伝に使用していた。 乙第2号証は、フライヤーであり、2021年8月15日に配布された。 乙第3号証は、メルカリに2023年3月25日に掲載した広告である。 (2)商標権の推移 本件商標権は商標登録原簿からも明らかなとおり、平成18年(2006年)に株式会社ランチテックジャパンが出願し、同年9月26日に設定登録になり、同年12月に権利者は社名を株式会社ローンチテックジャパンに変更し、さらに、本件商標権を株式会社ローンチオートマーケティングに移転した。 長年にわたる商標権の使用と所有者の変更(移転)により、本件商標の使用者の名称に変更がある。 (3)本件商標の特定 本件商標は「Super Scan Tool」の英文字とその直下に赤の地色の中に、ロゴ化して細い白の縁取りを施した「X」の文字を構成する左下から右上に伸びるクロス線で構成された特徴ある「X」の大文字と、「小さなハイフン」と数字の「431」とを黒文字で配した特異な構成からなる。この中で、「Super Scan Tool」は装置の一般名称を表す部分で、赤の部分は地色と評価される部分で、本件商標の主要部は、大文字の「X」で左下から右上に伸びのある赤字の「X」とそれに続く「431」の数字の結合にある。 (4)商標権者の業務 商標権者は自動車の稼働状態を測定する装置の販売に25年以上の長きにわたって従事している会社であり、本件商標に係る商品の営業販売実績は2003年度の開始より約20年に及ぶ。 取扱商品の一つである自動車の稼働状態を記録する装置は、主に車両の走行による4輪のホイールアラインメントを適宜に測定するもので、較正(キャリブレーション)を行うための前段階としての4輪のホイールアラインメントの測定に主眼がある。メインの取扱商品(測定装置)の一つである「X-431」の製品は製造元から輸入して日本での販売を手掛けている製品で、17年前に商標登録をしているが、それ以前より、自ら資本を投資して日本市場の開拓に当たっていたものである。製造元は、日本での市場開拓又は本件商標の保護、登録に一切の資金を提供する意向がなかったもので、販売代理店である商標権者が商標管理及び真正品の輸入等の責務を負っていたものである。また、商標登録から10年後の2016年の更新の際にも資金等の補助がないままに商標権者の名義で更新登録が完了している。この間、本件商標権の存在について請求人が存在を認識していたことは明確であるが、商標権者にその管理を専ら任せて、金銭的負担を負うことはなかった。 (5)審判請求人の業務 請求人は2018年頃に本件商標と同一の「X-431」からなる商標を、日本において第42類の指定役務について2件登録している。登録は5年前に申請された商標登録第6099081号「X-431」と、同第6172527号「X-431 AIT」であり、それぞれ、2018年と2019年に登録になっている。この時点では、本件商標に対する審判請求はされていなかった。 その後、請求人は、本件審判を請求するとともに、商願2023-72429商標「X-431」を出願しており、この出願の商標が本件商標と同一であることは明らかである。 (6)本件商標と乙号証に示された商標との社会通念上の同一性 本件商標は、特に赤の地色の中に細い白の縁取りを施した「X」の大文字と、黒字の「-431」を浮かび上がらせて表記している点が特徴となっているが、被請求人が使用している商標の態様はその特徴を正確に表している。赤の地色の部分は区画されることなく一面に広がっているが、本質的な部分ではない。 本件商標はその登録以来、長年にわたって使用されており、被請求人が使用している商標は登録時の本件商標と付記的な部分で変更があるものの、基本となる「X-431」の部分に変更はない。 また、本件商標の「X」の文字は赤で構成されているが、赤の部分の色彩を黒に変更した態様でも、その要部の態様に変更はないから、社会通念上同一の商標に該当する。 (7)要証期間における使用 乙第1号証ないし乙第3号証による本件商標の使用である2020年10月20日、2021年8月15日及び2023年3月25日は、いずれも要証期間である。 (8)使用行為 被請求人が、本件商標を、乙第1号証ないし乙第3号証に示すようにインターネット上の掲示に付して使用する行為は、商品に関する広告に標章を付して展示する行為、すなわち商標法第2条第3項第8号に該当する。 (9)不使用取消審判の趣旨 不使用取消審判の趣旨は、使用している形跡もない名目だけの登録商標を整理して取り消すことにある。 一方、商標権者が現実に商品に使用している商標は本件商標との多少の相違点があるとしても主要部分を継続的に使用している以上、その登録を取り消すことは問題を生じることになり、制度本来の趣旨と異なるものである。 2 合議体の暫定的な見解と弁駁に対する回答 合議体が令和6年3月11日付け審尋で示した暫定的な見解、及び請求人の弁駁(上記第2の2)に対して、被請求人は、令和6年4月15日付けで回答書を提出し、要旨以下の主張をした。 (1)新たな証拠の提出 被請求人は、本件商標と社会通念上同一の商標が付された、被請求人が使用しているステッカー(乙4)、及び令和5年1月25日付け請求明細書(乙5)を提出する。 また、要証期間外であるが、本件商標が付された商品が現実に販売された事実を示す写真(乙6)、及び該商品の商品説明を示す画面キャプチャ(乙7)を提出する。 (2)乙第4号証について 乙第4号証は、被請求人が継続して使用するステッカーであり、店舗のレジやガラスなど、需要者が視認する位置に目立つように貼付して使用する広告である。このステッカーには、赤い下地の上部の白線を引いた上に製造者又は被請求人を示す「LAUNCH」の欧文字を配置し、中央に大きく「X-431」の文字を配置し、下段に片仮名で「スーパースキャンツール」の文字が配置されている。また、「X-431」の左上に「設置登録店」の文字、右上に「A new Scan tool advent」(新型スキャン機器登場)の文字、右下に「車輛電子システム総合故障診断器」の文字を配置し、その下に「車輛電子応用技術とインフォーメーションネットワーク技術が統合した」との記載を配置した構成となっている。なお、ステッカー(乙4)は、2004年11月に被請求人の前身である、株式会社ランチテックジャパン(2016年5月に「株式会社ローンチテックジャパン」に社名変更後、「株式会社ローンチオートマーケティング」に社名変更。)が製作した上で、商品説明及び広告として使用していたものであり、被請求人も引き続き広告として使用しているものであり、製品を販売する際にも、製品に付して送付し、製品を購入した各店舗が、導入した検査機器の利用又は再販を促すように店舗壁面に貼付する広告媒体である。 ステッカー(乙4)の各構成のうち、「LAUNCH」は別の商標と認識されるものである。また、「設置登録店」は乙第4号証がステッカー状の広告であることを示す用語であり、「A new Scan tool advent」、「車輛電子システム総合故障診断器」及び「車輛電子応用技術とインフォーメーションネットワーク技術が統合した」は、文字の大きさ、配置及びそれらの意味合いから、需要者は説明的又は補足的要素と認識し、商標を構成する顕著性のある用語とは認識しない。すなわち、ステッカー(乙4)で商標と認識されるのは「LAUNCH」以外では、二段書きされた「X-431」と「スーパースキャンツール」であり、これらの文字の配置及び下地の若干の相違は、外観において同視される図形と評価されるから、本件商標と社会通念上同一の商標に該当する。 (3)乙第5号証について 乙第5号証は請求明細書であり、差出人の欄には、被請求人が表示されている。また、商品コード/商品名の欄には、本件商標を構成する「X431」の用語が記載されている。さらに、請求明細書(乙5)の日付は令和5年1月25日であり、要証期間に発行されたものである。すなわち、請求明細書(乙5)は、本件商標が付された商品が、要証期間に販売されていたことを証明する。 (4)本件商標の使用 被請求人は、ステッカー(乙4)を販促用の広告として配布し、店舗掲示して、販売活動を行っていたものである。また、この広告の結果として、請求明細書(乙5)に表示されているとおり、本件商標を付した商品が販売されたものである。 なお、請求明細書(乙5)の商品コード/商品名の欄には、「スーパースキャンツール」の文字列は表示されていないが、請求明細書に製品の名称全てが表示されることはまれであり、商品を特定可能な文字が表示されていれば十分である。また、「LAUNCH」は製造者又は被請求人を示すものであり、「PAD JV」は型番を表す用語と評価されるものであるから、ステッカー(乙4)を販促用の広告として配布し、要証期間に現実的に販売された事実を左右する要素ではない。 (5)乙第6号証及び乙第7号証について 乙第6号証は、「X431」が付された商品が現実的に販売された事実を開示する。この販売は、要証期間外になるが、被請求人が現実的に販売行為を継続して行っている証左である。また、乙第7号証は、商品説明であり、被請求人が、「Super Scan Tool X-431」を販売している事実を開示する。すなわち、被請求人は、長きにわたり、ステッカー(乙4)を用いて広告しながら、製品の販売を継続しているものであり、要証期間においても、広告しながら現実的に販売していたことは明らかである。すなわち、被請求人による本件商標の使用は、商標法第2条第3項第1号、同項第2号及び同項第8号に該当する。 第4 当審の判断 1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。 (1)請求明細書(乙5) 乙第5号証は、令和5年1月25日付けで、被請求人が株式会社くるまやに宛てた請求明細書であるところ、「日付/伝票番号」「商品コード/商品名」「数量」「単位」「単価」「金額」を項目とする表に、「日付/伝票番号 令和05/01/25・・・」「商品コード/商品名 ・・・/LAUNCH X431 PAD JV」「数量 1」「単価 500,000」「金額 500,000」の記載があり、「消費税」について「金額 50,000」の記載がある。 (2)フライヤー(乙2) 乙第2号証は、フライヤーであり、その2葉目の下部に、「販売元/株式会社ランチテックジャパン」、「2015/June」の記載がある。 そして、フライヤー(乙2)の1葉目に、別掲2のとおり、「X」の文字がやや図案化された、「SCAN TOOL X-431 PRO JP」の文字が表示されている。また、フライヤー(乙2)の1葉目には、別掲3のとおり、「X」の文字がやや図案化された、「X-431 PRO JP」の文字が表示されている。 さらに、フライヤー(乙2)の3葉目には、「X-431 PRO JP」のタイトル下、「情報収集力が車両診断を変える/X-431 タブレット/・・・」の記載があり、4葉目には、「X-431PRO JPの遠隔機能」、「X-431PRO JPの主な機能」などの記載がある。 (3)ステッカー(乙4) 乙第4号証は、ステッカーとされるものを撮影した画像であるところ、ステッカーの中央に、「X」の文字がやや図案化された「X-431」の文字が表示されている。また、当該ステッカー(乙4)には、「LAUNCH」、「設置登録店」、「A new Scan tool advent」、「車輛電子システム総合故障診断器」、「車輛電子応用技術とインフォーメーションネットワーク技術が統合した」及び「スーパースキャンツール」の記載もある。 他方、ステッカー(乙4)には、その作成日や配布日を確認できる記載は見当たらない。 (4)その他の証拠 乙第1号証は、ポスターを撮影した画像であるところ、当該ポスターにおいて「LAUNCH/X-431」の表示は確認できるものの、これを作成、頒布又は展示した日付は確認できない。 乙第3号証は、商品「LAUNCH 日本正規版 X431クラシック」がメルカリで出品されたことを示す画面の出力物(乙3)であるところ、当該商品「LAUNCH 日本正規版 X431クラシック」が「ランチテックジャパン公式アウトレット製品」である旨の記載はあるものの、出品者や出品した日付は確認できない。 乙第6号証及び乙第7号証は、いずれも被請求人が要証期間外の証拠であると認めているものである。 (5)上記(1)ないし(4)から以下の事実が認められる。 ア 請求明細書(乙5)から、被請求人が、株式会社くるまやに対して、要証期間である令和5年1月25日に、商品「LAUNCH X431 PAD JV」1個について、55,000円を請求したことが認められる。 イ 2015年6月頃に、商品「X-431 PRO JP」について、「X」の文字がやや図案化された「SCAN TOOL X-431 PRO JP」の文字(別掲2)、及び「X」の文字がやや図案化された「X-431 PRO JP」の文字(別掲3)を表示した株式会社ランチテックジャパンのフライヤー(乙2)が存在したことは推認できる。 2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。 (1)商品「LAUNCH X431 PAD JV」について(乙5) 請求明細書(乙5)から、被請求人が、株式会社くるまやに対して、要証期間である令和5年1月25日に、商品「LAUNCH X431 PAD JV」(以下「使用商品1」という。)を1個引き渡したことはうかがえるものの、使用商品1がどのような商品であるのか不明であるから、使用商品1が取消請求商品の範ちゅうに属する商品であると認めることはできない。 また、使用商品1又はその包装に、本件商標(社会通念上同一を含む。)が付されていることが確認できるような証拠は見当たらないから、使用商品1について商標法第2条第3項第1号及び同項第2号に規定される使用行為を行ったことは認められない。 さらに、請求明細書(乙5)に、「LAUNCH X431 PAD JV」の表示はあるものの、当該表示は、明細書の「商品コード/商品名」の項目内に記載された商品名の表示にすぎないものであり、自他商品を識別するものと認識される態様で使用されているものとはいえないから、使用商品1について商標法第2条第3項第8号に規定される使用行為を行ったことも認められない。 以上から、使用商品1(商品「LAUNCH X431 PAD JV」)に基づいて、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一を含む。)を使用したと認めることはできない。 (2)商品「X-431 PRO JP」について(乙2) 株式会社ランチテックジャパンが、2015年6月頃に、「X」の文字がやや図案化された、「SCAN TOOL X-431 PRO JP」の文字(別掲2。以下「使用商標1」という。)、及び「X」の文字がやや図案化された、「X-431 PRO JP」の文字(別掲3。以下「使用商標2」という。)を付したフライヤー(乙2)を配布して、商品「X-431PRO JP」(以下「使用商品2」という。)の広告をしたことはうかがえるものの、当該日付は要証期間外であり、当該使用商品2が要証期間においても販売や広告がされていたと認めることはできない。 また、使用商標1及び使用商標2は、少なくとも「PRO JP」の文字の有無で、本件商標と相違するところ、フライヤー(乙2)の「X-431PRO JPの遠隔機能」、「X-431PRO JPの主な機能」などの記載に鑑みれば、「X-431 PRO JP」は一連一体で、車両診断を行う装置(商品)の名称として認識されるものと解されるから、使用商標1及び使用商標2において「PRO JP」を分離して、「X-431」の部分のみが自他商品識別力を発揮する要部であると認めることはできず、常に一体の商標として機能するものというのが相当である。 さらに、本件商標と、使用商標1及び使用商標2とは、「Super」の文字又は「Super Scan TOOL」の文字の有無においても相違する。 よって、使用商標1及び使用商標2は、本件商標とはその構成が明らかに異なるものであるから、いずれの使用商標も本件商標と社会通念上同一ということはできない。 以上から、使用商品2(商品「X431 PRO JP」)に基づいて、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に、本件商標(社会通念上同一を含む。)を使用したと認めることもできない。 (3)被請求人の主張について 被請求人は、ステッカー(乙4)は、2004年11月に被請求人の前身である、株式会社ランチテックジャパンが製作した上で、商品説明及び広告として使用していたものであり、被請求人も引き続き広告として使用しているものであり、製品を販売する際にも、製品に付して送付し、製品を購入した各店舗が、導入した検査機器の利用又は再販を促すように店舗壁面に貼付する広告媒体である旨を主張している。 しかしながら、ステッカー(乙4)には、日付が確認できるような記載や、当該ステッカーが要証期間に使用されていた(店舗に貼付等されていた。)ことを示すような記載は見当たらない。さらに、ステッカー(乙4)には「LAUNCH」の表示はあるものの、被請求人の名称を示す記載は見当たらない。 また、被請求人は、ステッカー(乙4)を販促用の広告として配布し、店舗掲示して、販売活動を行い、この広告の結果として、請求明細書(乙5)に表示されているとおり、本件商標を付した商品が販売された旨の主張もしているが、ステッカー(乙4)には使用商品1(商品「LAUNCH X431 PAD JV」)についての記載も、被請求人の名称を示す記載がなく、ステッカー(乙4)による広告の結果として要証期間に使用商品1が販売されたと認めることもできない。 以上から、上記被請求人の主張は採用できない。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。 また、被請求人は、本件審判の請求に係る取消請求商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-300458

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