商標取消審判
2024-300267
ココ
- 審判番号
- 2024-300267
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1971-021294
- 登録番号
- 1094477
- 請求日
- 2024年04月26日
- 審決日
- 2025年07月02日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】チェン チェン
- 【請求人代理人】弁理士法人南青山国際特許事務所
- 【被請求人】富士フイルムビジネスイノベーション 株式会社
- 【被請求人代理人】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 大山 健
- 分類
- T132 .1 -Z (Y09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第1094477号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第1094477号商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池」についての登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第1094477号商標(以下「本件商標」という。)は、「COCO」の欧文字を書してなり、昭和46年3月10日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同49年11月1日に設定登録がされ、その後、指定商品については、平成17年7月6日に、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池」を含む第7類及び第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年5月16日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間(2021年(令和3年)5月16日~2024年(令和6年)5月15日)を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その請求の理由を要旨次のように述べた。また、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池」(以下「取消請求商品」という。)について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
第3 被請求人の主張
1 答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を、答弁書において、要旨以下のとおり述べるとともに、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を、要証期間に、取消請求商品である「電子応用機械器具及びその部品」について使用している。
(2)被請求人は、1962年に富士写真フイルムと英国ランク・ゼロックス社との合弁により富士ゼロックス株式会社として設立され、オフィスソリューション事業、グラフィックコミュニケーション事業、ビジネスソリューション事業を主たる事業とする法人であるところ、2021年に社名を現在の富士フイルムビジネスイノベーション株式会社に変更している(乙3、乙4)。
被請求人は、被請求人の2024年3月7日付けニュースリリース(乙5)に示すように、2020年2月から個室型ワークスペース「CocoDesk」(ココデスク)の提供を開始し、東京メトロの駅構内やオフィスビルを中心に設置してきたところ、2024年3月には都営地下鉄の駅構内にも設置することとなり、同月12日時点では「CocoDesk」の設置台数を125台に拡大している。
また、被請求人作成の宣伝ポスター(東京メトロ版)(乙6)に示すように、「CocoDesk」には、無線LAN、電源・USBコンセント、モニターが設置されており、全室にエアコンが完備されるとともに、防音仕様で駅中でも静かな環境を提供しており、Web商談、オンラインセミナー、Web会議など様々な用途に使用されている。
そして、乙第6号証に、「東京メトロのココ(Coco)でミーティング!」及び「東京メトロにある“ココ(Coco)”の設備」と記載されているように、「CocoDesk」は「Coco」の略称でも宣伝広告がなされており、「Coco」は本件商標と社会通念上同一の商標である。
さらに、東洋経済オンラインの2020年11月7日付けウェブページ「富士ゼロックスが個室シェアオフィス参入の訳」(乙7)に示すように、「CocoDesk」の予約は「専用アプリ」を通じて行われることから、「電子応用機械器具及びその部品」に包含される「電子計算機用プログラム」の一種である「専用アプリ」の提供に当たって「CocoDesk」及びその略称である「Coco」が使用されていることは明らかである。
なお、「将(shou)の日記~同行無人日和~」と題する2023年8月10日付けの個人のブログ記事(乙8)には、東京メトロ三ノ輪駅構内の写真が掲載されており、この写真には宣伝ポスター(乙6)が実際に東京メトロ三ノ輪駅構内に掲示されている状態が写されている。この写真から、宣伝ポスター(乙6)は要証期間である2023年8月10日時点で東京メトロ三ノ輪駅構内に実際に掲示されていた。
また、宣伝ポスター(乙6)は東京メトロの駅構内に掲示されたものであるが、宣伝ポスター(乙9)に示すように、「Coco」の宣伝ポスターは都営地下鉄用のものも存在しており、乙第5号証に示すように、「CocoDesk」は2024年3月から都営地下鉄の駅構内にも設置が開始されていることから、都営地下鉄版の宣伝ポスター(乙9)も要証期間である2024年3月から都営地下鉄の駅構内に実際に掲示されていることは明らかである。
(3)以上のとおり、被請求人は、要証期間に、取消請求商品中、「電子応用機械器具及びその部品」に包含される「電子計算機用プログラム」の一種である「専用アプリ」について、本件商標と社会通念上同一の商標である「Coco」を使用していたことは明白である。
2 合議体の暫定的見解及び弁駁に対する応答
合議体は、令和6年12月23日付けで審尋を通知し、相当の期間を指定して、合議体の暫定的見解に対する被請求人の意見を求めたが、応答はなかった。
第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)「CocoDesk」及び「ココ(Coco)」の表示について(乙5、乙6、乙8、乙9)
ア ポスター(乙6、乙8、乙9)
乙第6号証はポスターであり、「FUJIFILM」、「“I’m@”/CocoDesk/プライベートオフィス・サービス ココデスク」、「東京メトロの/ココ(Coco)で/ミーティング!」、「今日はココ(Coco)で商談します!」、「今日はココ(Coco)で勉強します!」、「今日はココ(Coco)から直帰します!」、「東京メトロにある“ココ(Coco)”の設備/■無線LAN、電源・USBコンセント、モニター/・・・」、「ご利用料金[275円(税込)/15分]登録無料!」などの記載がある。
そして、乙第8号証の中央の画像から、ポスター(乙6)が、要証期間である2023年8月10日頃に東京メトロの三ノ輪駅構内に掲示されていたことが確認できる。
また、乙第9号証も、「FUJIFILM」、「“I’m@”/CocoDesk/プライベートオフィス・サービス ココデスク」、「都営地下鉄の/ココ(Coco)で/ミーティング!」、「ご利用料金[275円(税込)/15分]登録無料!」などの記載があるポスターであるが、その作成日や、掲示日に関する記載は見当たらない。
イ 被請求人のウェブサイトの記事(乙5)
乙第5号証は、「個室型ワークスペース「CocoDesk」 都営地下鉄駅構内に初設置」と題する2024年3月7日付けニュース記事が掲載された、被請求人のウェブサイトの出力物である。
乙第5号証の1葉目には、「富士フイルムビジネスイノベーション株式会社・・・は、個室型ワークスペース「CocoDesk」を都営地下鉄の駅構内に初めて設置します。」、「尚、「CocoDesk」の総設置台数は、現在、東京メトロの駅構内およびオフィスビルにて増設している台数も含めると、125台(3月12日時点)となります。」、「当社は、2020年2月に「CocoDesk」の提供を開始して以来、東京メトロの駅構内やオフィスビルを中心に「CocoDesk」を設置してきました。」などの記載がある。
(2)東洋経済オンラインの記事(乙7)
乙第7号証は、「富士ゼロックスが個室シェアオフィス参入の訳/テレワーク普及を逆手に事業多角化を推進」と題する2020年11月7日付けの記事が掲載された、東洋経済オンラインの出力物である。
乙第7号証の1葉目には、「複合機大手の富士ゼロックスが東京メトロとタッグを組んで開始したボックス型の個室シェアオフィス「CocoDesk(ココデスク)」サービスが好調だ。」、「富士ゼロックスのココデスクは・・・机や椅子、電源、通信環境などテレワークに必要なツールのほか、空調も整っている。予約は専用アプリで行い、料金も15分250円からと手頃だ。」との記載がある。
(3)上記(1)及び(2)から以下の事実が認められる。
商標権者が、2020年2月以降東京メトロの駅構内やオフィスビルを中心に個室型ワークスペースの設備を設置しプライベートオフィス・サービスを提供していたこと、及び要証期間である2023年8月10日に、東京メトロの三ノ輪駅に「CocoDesk」及び「ココ(Coco)」の表示(以下「使用商標」という。)を付したポスター(乙6)を掲示して、被請求人が提供するプライベートオフィス・サービスを広告したことは認められる。
また、商標権者が提供するプライベートオフィス・サービスが専用アプリを用いるものであることは推認できる。
2 上記1からすれば、次のとおり判断できる。
(1)商品について
被請求人の提出した証拠方法により、商標権者が、2020年2月以降東京メトロの駅構内やオフィスビルを中心に個室型ワークスペースの設備を設置しプライベートオフィス・サービスを提供していたこと、及び要証期間である2023年8月10日に、東京メトロの三ノ輪駅に使用商標(「CocoDesk」及び「ココ(Coco)」の表示)を付したポスター(乙6)を掲示して、当該プライベートオフィス・サービスを広告したことは認められる。
しかしながら、プライベートオフィス・サービスは、「役務」であって「商品」ではないから、商標権者が使用商標を用いて自社の提供するプライベートオフィス・サービスを広告したことにより、使用商標を取消請求商品について使用したと認めることはできない。
そして、被請求人が提供するプライベートオフィス・サービスが専用アプリを用いるものであることが推認できるとしても、この専用アプリは商標権者が提供するプライベートオフィス・サービスに付随するものであって、この専用アプリ自体が独立して「商品」として流通していたことや、この専用アプリが使用商標を付して広告されていた事実は確認できないから、この専用アプリによって、商標権者が「電子応用機械器具及びその部品」(電子計算機用プログラム)について、使用商標を使用したと認めることもできない。
(2)小括
したがって、被請求人提出の証拠方法により、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において、取消請求商品について、本件商標の使用をしていたものと認めることはできない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中、取消請求商品(第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池」)についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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