商標取消審判
2024-300386
ネクサス
- 審判番号
- 2024-300386
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1980-048860
- 登録番号
- 1578402
- 請求日
- 2024年06月14日
- 審決日
- 2025年03月31日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ハイト コーポレーション
- 【請求人代理人】佐藤 淳
- 【被請求人】富士フイルム 株式会社
- 【被請求人代理人】弁理士法人栄光事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 大山 健
- 分類
- T132 .1 -Y (Y09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の商標登録第1578402号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第1578402号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「NEXUS」の文字を書してなり、昭和55年6月13日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)、電気材料」を指定商品として、同58年3月28日に設定登録され、平成15年11月26日(申請日は同年8月13日)に指定商品を、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」とする指定商品の書換登録がされ、その後、同16年6月21日に、指定商品中、「回転電気機械,配電用または制御用機械器具,電池」についての登録を取り消すべき旨の審決がなされ、同年8月9日に同審決が確定した。
そして、本件審判請求の登録日は、令和6年7月1日であり、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、令和3年(2021年)7月1日ないし同6年(2024年)6月30日である(以下「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第9類「電子応用機械器具及びその部品」(以下「取消請求商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。また、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、取消請求商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)通常使用権者が使用をしている商品について
被請求人の通常使用権者が本件商標の使用をしている商品は、「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」とのことである。
当該「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」は、以下に述べるように、医院又は病院で専ら使用され、かつ、医療従事者を需要者とする第10類「医療用機械器具」に属する商品である。
(2)「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」の需要者
生理検査システム「NEXUS」のウェブサイト(乙1)によれば、画面に「このコンテンツは医療従事者向けの内容です」の文字が青色で目立つように表示されている。
実際、当該ウェブサイトにアクセスすると、「医療従事者向け情報 本ページのコンテンツは医療従事者の方を対象としており、一般の方への情報提供を目的としたものでありません。あなたは医療従事者ですか?」の文字とともに、「はい」と「いいえ」の文字が表示され、いずれかをクリックすることが要求される。「はい」をクリックすれば、乙第1号証のコンテンツにアクセスすることができるが、「いいえ」をクリックすると当該コンテンツにアクセスすることができない(甲3)。
また、内視鏡情報管理システム「NEXUS」のウェブサイト(乙2)も、同様の手法でコンテンツの閲覧対象を医療従事者に限定している(甲4)。
よって、当該「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」は、専ら医療従事者を需要者とする商品であるということができる。
(3)「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」の概要
「生理検査システム」について、乙第13号証の2葉目の本文では、「総合生理検査システムNEXUSは電子カルテと各種生理検査ME機器やファイリングシステムを結び、検査のオーダー・受付から検査状況、さらに検査結果データまで一元管理。」と記載されている。ここで、「生理検査」とは、医院又は病院において診断機器を使って身体の情報を調べる検査で、心電図、超音波、脳波、肺機能等の検査を指す(甲5)。また、生理検査ME機器とは、生理検査用の医用電子装置ということができ、具体的には、心電図、超音波、脳波、肺機能等の検査で用いられる診断用の医用電子機械器具であると解される(甲6)。また、「システム」とは、ソフトウェアやハードウェアを連携して構築された体系的なものということができる(甲7)。
この点、被請求人は答弁書の5頁及び6頁において、「生理検査システム」が、主に、心電計や脳波計、呼吸機能検査装置等の検査結果の一元管理等を可能とするシステムであり、コンピュータ端末にあらかじめプリインストールして販売されるソフトウェアである、と述べているが、当該「生理検査システム」は、ソフトウェア単体の商品ではなく、ハードウェア資源と連携して構築された医療用のシステムの商品又はその専用部品であると解するのが妥当である。
実際、乙第1号証の2葉目に示された「生理検査システム」導入後の図を見ると、同システムは、心電図、脳波筋電計、呼吸機能検査装置等の診断用の医用電子機械器具を主たる構成要素とし、これらの診断用の医用電子機械器具と接続されている。
次に、「内視鏡情報管理システム」を検討すると、乙第14号証の2葉目に「NEXUSは内視鏡検査に関連する業務を情報化することで効率的に行うためのシステムです」との記載があり、同3葉目のワークフロー図の「NEXUSの領域」の枠内の「○2 検査」(「○2」は「2」を丸囲いしたもの。)段階の図において、内視鏡スコープの操作部とみられる器具を手にした医療従事者と思しき人物が検査を行う様子を描いた絵が示すところによれば、「内視鏡情報管理システム」は内視鏡と連携したものである。この絵の下には、「撮影と同時に画像を自動的にサーバに保存します」との記載があることから、ハードウェア資源であるサーバも「内視鏡情報管理システム」と連携していることがうかがえる。
そして、「内視鏡」とは、病院又は医院において用いられる体内にある空間を観察するための機器で、この機器を用いた検査が内視鏡検査であり、それによる診断を内視鏡診断といい、現在、内視鏡は診断のみならず治療にも広く用いられる(甲8)。
そして、当該「内視鏡情報管理システム」もソフトウェア単体の商品ではなく、内視鏡を主たる構成要素とするハードウェア資源と連携して構築された医療用のシステムの商品又はその専用部品とみられるものである。
実際、当該「内視鏡情報管理システム」の商品構成をうかがわせる病院の「NeXUS内視鏡情報管理システム(富士フィルムメディカル社製)保守点検業務仕様書」(甲9)には、「1 対象機器」として「NeXUS内視鏡情報管理システム」の記載があり、2葉目の付表からすると、当該「内視鏡情報管理システム」とは、ソフトウェア単体の商品ではなく、ハードウェアを構成要素とする文字どおり「システム」の商品であるといえる。さらに、この付表中の「NeXUS Client」について、「Client(クライアント)」とは、サーバに処理要求を送るコンピュータやソフトウェアのことで、サーバはこれに応じて処理を行って結果を返答する、という形で一連の処理が進められるものであり(甲10)、「NeXUS Sif315(BC)ハードウェア」について、インターネット情報によれば、「画像入力専用装置」とのハードウェア製品である(甲11)。
(4)「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」の所属
被請求人は答弁書の6頁において、「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」についての商標の使用は、「電子応用機械器具及びその部品」の下位概念である「電子計算機用プログラム」についての使用であると述べている。
「医療用機械器具」は、医院又は病院で専ら使用される機械器具をいい、電子を応用した商品であっても医療用のものが属するから、換言すれば、電子応用機械器具及びその下位概念である電子計算機用プログラムであっても医療用のものは、第10類「医療用機械器具」に該当する(甲12、甲13)。
そうすると、当該「生理検査システム」は、心電図、超音波、脳波、肺機能等の検査で用いられる診断用の機械器具を利用して行う生理検査のデータの分析等を一元管理するものであって、専ら病院又は医院で用いられる診断用の医用電子機械器具又はソフトウェアであるから、第10類「医療用機械器具」の下位概念である「診断用機械器具」と用途を同じくし、この範ちゅうに属する商品である(甲14)。
また、当該「内視鏡情報管理システム」も、消化器等の検査で用いられる診断用の機械器具を利用して行う内視鏡検査の画像診断等、内視鏡検査に関連する業務を情報化するものであって、専ら病院又は医院で用いられる診断用の機械器具又はソフトウェアであるから、第10類「医療用機械器具」の下位概念である「診断用機械器具」と用途を同じくし、この範ちゅうに属する商品である。
仮に、当該「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」が、被請求人が述べるように、コンピュータ端末にあらかじめプリインストールして販売されるソフトウェアであるとしても、事業組織の事務処理等に用いられるような汎用品ではなく、商品名称が示すように、専ら病院又は医院で行われる「生理検査」又は「内視鏡検査」で使用される電子を応用した医療用の商品であるから、第10類「医療用機械器具」に該当することは明白である。
(5)本件商標に係る登録時の指定商品について
本件商標は、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)、電気材料」を指定商品として、昭和55年6月13日付けで登録出願され(甲15)、同58年3月28日付けで設定登録され、その後、平成15年11月26日付けで指定商品について書換登録されたものであるから(甲16)、本件商標は、出願時及び登録時において「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」を指定商品に含むものであった。
本件商標については、出願人が自己の意思により、願書において指定商品として、「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」と記載して出願し、登録に至ったことから、指定商品の範囲からは「電子応用機械器具」の範ちゅうに属するものであっても「医療機械器具に属するもの」は明示して除外されており、当該願書の記載をもって出願及び登録されたものと解すべきである。したがって、当該「電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」の書換登録後の対応商品表記が「電子応用機械器具及びその部品」であったとしても、本件商標の出願経過に鑑みれば、当該書換登録後の指定商品の範囲は、医療機械器具に属するものを除外して解釈すべきである。よって、当該「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」が「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに属すると仮定した場合でも、医療機械器具又はその専用部品に属するものであるから、取消請求商品には含まれない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。
1 本件商標の使用について
被請求人は、要証期間において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、商品「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」について使用している事実がある。
(1)使用の方法及び商品について
ア ウェブサイト
被請求人は、ウェブサイトに、生理検査システム「NEXUS」を掲載し、商品説明、及び生理検査システムの実行により表示される画像とともに商標「NEXUS」を使用している(乙1)。
また、被請求人は、ウェブサイトに、内視鏡情報管理システム「NEXUS」を掲載し、商品説明、及び内視鏡情報管理システムの実行により表示される画像とともに商標「NEXUS」を使用している(乙2)。
よって、被請求人は、商品「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」に本件商標を付して、又は広告に本件商標を付して電磁的方法により提供しているものであり、商標法第2条第3項第1号又は同項第8号に規定する商標の使用に当たる。
イ 展示
被請求人は、「第107回日本消化器内視鏡学会総会(JGES2024)」にて、内視鏡情報管理システム「NEXUS」を展示しており(乙3)、商品の展示とともに商標「NEXUS」を使用している。
また、被請求人は、「第92回日本消化器内視鏡技師学会」にて、内視鏡情報管理システム「NEXUS」を出展しており(乙4)、商品の展示とともに商標「NEXUS」を使用している。
さらに、被請求人は、「ITEM2024 国際医用画像総合展」にて、生理検査システム「NEXUS」を出展しており(乙5)、商品の展示とともに商標「NEXUS」を使用している。
よって、被請求人は、本件商標を商品「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」に付して、譲渡のために展示したものであり、商標法第2条第3項第1号又は同項第2号に規定する商標の使用に当たる。
ウ 広告
「PRTIMES」のウェブサイトに、「富士フイルムメディカルの内視鏡情報管理システム「NEXUS」」、「NEXUSは内視鏡部門におけるITシステムです。」及び「NEXUSは富士フイルムメディカル社の製品ですが、どのメーカーの内視鏡装置でも高画質での保存を可能とし、ワークフローを変える必要のないマルチモダリティに対応した製品です。」の記載があり、富士フイルムメディカル株式会社が、商品「内視鏡情報管理システム」に、商標「NEXUS」を使用していることが確認できる(乙6)。富士フイルムメディカル株式会社は、被請求人である富士フイルム株式会社の完全子会社であり、被請求人製品の販売会社であるから(乙11、乙12)、過去の裁判例からも、被請求人から黙示の商標使用許諾を受けた通常使用権者と考えられる。
エ 商品
被請求人の商品「生理検査システム」は、主に、心電計や脳波計、呼吸機能検査装置等の検査結果の一元管理等を可能とするシステムであり、コンピュータ端末にあらかじめプリインストールして販売されるソフトウェアである(乙13)。
また、被請求人の商品「内視鏡情報管理システム」は、検査前処置に用いられる薬剤情報を記録・蓄積する機能や、医療機器により取得された画像やその他検査結果情報をサーバに記録する機能、医療機器の洗浄消毒に関する情報を記録・蓄積して、データベース管理しそれら情報を帳票出力する機能等を備えるシステムであり、コンピュータ端末にあらかじめプリインストールして販売されるソフトウェアである(乙14)。
これらの商品への商標の使用は、「電子応用機械器具及びその部品」の下位概念である「電子計算機用プログラム」についての使用と認められる。
(2)使用の時期について
ア ウェブサイト
生理検査システム「NEXUS」のウェブサイトのインターネットアーカイブの日付は、2021年12月4日(乙7)及び2022年6月27日(乙8)であるが、同ウェブサイトはその後現在にいたるまで、被請求人のウェブサイト(乙1)に掲載されている。
また、内視鏡情報管理システム「NEXUS」のウェブサイトのインターネットアーカイブの日付は、2022年5月16日(乙9)及び同月27日(乙10)であるが、同ウェブサイトはその後現在にいたるまで、被請求人のウェブサイト(乙2)に掲載されている。
イ 展示
「第107回日本消化器内視鏡学会総会(JGES2024)」出展に関するウェブサイト(乙3)からは、当該学会の開催期間が、2024年5月30日ないし同年6月1日であることが確認できる。
また、「第92回日本消化器内視鏡技師学会」出展に関するウェブサイト(乙4)からは、当該学会の開催日が、2024年6月1日であることが確認できる。
また、「ITEM2024 国際医用画像総合展」の出展に関するウェブサイト(乙5)からは、当該展示会の開催期間が、2024年5月21日ないし同年6月30日であることが確認できる。
ウ 広告
PRTIMESのウェブサイトにおいて、NEXUSに関するインターネット記事(乙6)の掲載日が、2022年11月8日であることが確認できる。
(3)使用している商標と本件商標の同一性について
乙第1号証ないし乙第10号証において被請求人が使用している商標は「NEXUS」であるが、本件商標とは、単に書体のみに変更を加えたにすぎず、社会通念上同一の商標と認められるものである。
(4)出所識別標識としての使用について
商標「NEXUS」は商品「生理検査システム」及び「内視鏡情報管理システム」との関係において、商品の品質等を示すものではないから、出所識別標識としての機能を有する。
2 むすび
以上述べたとおり、要証期間において、被請求人又は通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を、第9類「電子応用機械器具及びその部品」の下位概念である「電子計算機用プログラム」に使用したといえる。
第4 当審の判断
1 被請求人提出の乙各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(1)被請求人のウェブサイトのアーカイブ(乙7、乙9)
ア 内視鏡情報管理システム(乙9)
乙第9号証は、内視鏡情報管理システムについての被請求人のウェブサイトの2022年5月16日付けアーカイブの出力物であるところ、その上部に「FUJIFILM 日本」の記載及び同日を示す表示があり、下部に「○C 富士フイルム株式会社」(「○C」は、「C」の文字を丸囲みしたもの。以下同様。)の記載がある。
そして、乙第9号証には、モニターを模した図形の内部に、「X」の文字がやや図案化された「NEXUS」の文字を付した画像に隣接して、「内視鏡情報管理システム/NEXUS」の表示があり、その下に「依頼情報確認から画像入力、レポート作成まで、幅広い機能を統合した内視鏡情報管理システム。」との記載がある。
また、その下に、「○i このコンテンツは医療従事者向けの内容です。」(「○i」は、「i」の文字を丸囲みしたもの。以下同様。)との記載がある。
さらに、その下に、「全国約600施設で稼働実績のある「NEXUS」/内視鏡部門内のさまざまな運用を電子化し効率化することは勿論、放射線部門システムや病理部門システムなど内視鏡が関与する他部門ネットワークシステムとの接続が可能です。NEXUSは内視鏡部門を中心に「つながる医療」を実現しています。」、「NEXUSで記載した内容は、そのまま病理オーダーとして電子カルテを経由し、病理システム側に送信できます。」、「「NEXUS」は受付から会計実施までを電子カルテと連携するだけでなく、病理依頼など院内のさまざまなシステムと連携し、ハイクオリティな“つながる医療”を実現します。」、「NEXUSの場合/・タッチパネルなので運用が簡単/・・・/・一次洗浄の履歴管理もタッチパネルで/・・・」などの記載がある。
イ 総合生理検査システム(乙7)
乙第7号証は、総合生理検査システムについての被請求人のウェブサイトの2021年12月4日付けアーカイブの出力物であるところ、その上部に「FUJIFILM 日本」の記載及び同日を示す表示があり、下部に「○C 富士フイルム株式会社」の記載がある。
そして、乙第7号証には、モニターを模した図形の内部に、「X」の文字がやや図案化された「NEXUS」の文字を付した画像に隣接して、「総合生理検査システム/NEXUS」の表示があり、その下に「電子カルテと各種生理検査機器やファイリングシステムを結び、オーダーから検査結果までをトータルで管理。」との記載がある。
また、その下に、「○i このコンテンツは医療従事者向けの内容です。」との記載がある。
さらに、その下に、「生理機能検査に必要な情報を一元管理/・・・総合生理検査システムNEXUSは電子カルテと各種生理検査ME機器やファイリングシステムを結び、患者のオーダー・受付から検査状況、さらに検査結果データまで一元管理、もちろん電子カルテへの配信にも対応します。・・・」、「NEXUSは電子カルテとの接続インターフェースを一本化し、検査結果や会計実施などを一元的に管理することが可能です。」、「NEXUSは、各種生理検査ME機器や、波形ファイリングシステム、解析ワークステーションをメーカーを問わず接続し、一元管理することが可能。・・・」などの記載がある。
(2)上記(1)から、以下の事実が認められる。
被請求人は、要証期間である2022年5月16日時点において、自社のウェブサイトに「NEXUS」の文字(別掲2。以下「使用商標」という。)を付して、自社が製造及び販売する内視鏡情報管理システム(以下「使用商品1」という。)を宣伝した(乙9)。
また、被請求人は、要証期間である2021年12月4日時点において、自社のウェブサイトに使用商標(「NEXUS」の文字)を付して、自社が製造及び販売する総合生理検査システム(以下「使用商品2」という。)を宣伝した(乙7)。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商品について
ア 内視鏡情報管理システム(使用商品1)について
被請求人が製造及び販売する商品である内視鏡情報管理システム(使用商品1)は、字義に照らせば、内視鏡に係る情報を管理するシステムであるところ、被請求人が提出した証拠から、依頼情報確認、画像入力、レポート作成などの幅広い機能を統合したシステムであり、内視鏡部門を放射線部門システムや病理部門システムなどの他部門ネットワークシステムと接続することでつながる医療を実現するものであり、さらには、タッチパネルを備え、タッチパネルなどからの入力を受け付け、情報を処理し、病理システム側などに送信できるものであるから、当該内視鏡情報管理システム(使用商品1)は、入力を受け付け、情報を処理して、外部に出力する、電子計算機であるとみて差し支えない。
したがって、使用商品1は、取消請求商品(第9類「電子応用機械器具及びその部品」)の範ちゅうに含まれる「電子計算機」であると認められる。
イ 総合生理検査システム(使用商品2)について
被請求人が製造及び販売する商品である総合生理検査システム(使用商品2)は、電子カルテと各種生理検査ME機器やファイリングシステムを結び、検査状況、検査結果データや会計実施を一元管理し、電子カルテとの接続インターフェースを一本化して電子カルテへの配信に対応するものであるから、当該総合生理検査システム(使用商品2)も、入力を受け付け、情報を処理して、外部に出力する、電子計算機であるとみて差し支えない。
したがって、使用商品2も、取消請求商品(第9類「電子応用機械器具及びその部品」)の範ちゅうに含まれる「電子計算機」であると認められる。
ウ 請求人の主張について
請求人は、「内視鏡情報管理システム」及び「生理検査システム」は、第10類「医療用機械器具」の下位概念である「診断用機械器具」と用途を同じくし、この範ちゅうに属する商品である旨、及び本件商標の出願経過に鑑みれば書換登録後の指定商品は医療機械器具に属するものを除外して解釈すべきであると主張する。
しかしながら、上述したとおり、内視鏡情報管理システム(使用商品1)及び総合生理検査システム(使用商品2)は、いずれも、入力を受け付け、情報を処理して、外部に出力する、電子計算機であると認められるものである。
また、商標法施行規則別表の第10類によれば、「一 医療用機械器具」として、「(一)診断用機械器具」及び「(八)医療用X線装置」が掲載され、「(一)診断用機械器具」には「胃鏡 核磁気共鳴CT装置 角膜検査用器具 眼圧測定器」等が、「(八)医療用X線装置」には「X線CT装置」が例示されている。一方、当該別表の第9類によれば、「十五 電子応用機械器具及びその部品」として、「(一)電子応用機械器具」及び「(五)電子計算機用プログラム」が掲載され、「(一)電子応用機械器具」には「電子計算機」等が例示されている。
そうすると、「医療用機械器具」に属する商品とは、例えば「診断用機械器具」であれば、診断それ自体を行うことを目的とした商品であるように、医療行為それ自体を行うことを目的とした商品が該当するというべきであり、診断や治療などの医療行為の結果等のデータを管理する電子計算機と認められる商品については、「医療用機械器具」に属するものではなく、第9類「電子応用機械器具及びその部品」の範ちゅうに含まれる商品であると解するのが相当である。
してみると、たとえ、使用商品1及び使用商品2が「診断用機械器具」と用途を同じくする面があり、また、本件商標の設定登録時の指定商品において、医療機械器具に属するものが除かれているとしても、使用商品1及び使用商品2は、そもそも「医療用機械器具」に属するものではなく、取消請求商品に含まれるものというべきである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
(2)使用商標について
使用商標(別掲2)は「NEXUS」の文字からなるものであるところ、本件商標と文字構成を同じくするものであるから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標とみて差し支えない。
(3)使用行為、使用時期、使用者について
被請求人が提出した証拠から、被請求人が、要証期間である2022年5月16日時点において、自社のウェブサイトに使用商標を付して、自社が製造及び販売する使用商品1(内視鏡情報管理システム)を宣伝したことは認められる。
また、被請求人は、要証期間である2021年12月4日時点において、自社のウェブサイトに使用商標を付して、自社が製造及び販売する使用商品2(総合生理検査システム)を宣伝したことも認められる。
以上から、被請求人である商標権者が、要証期間に、自社のウェブサイトに使用商標を付して、自社が製造及び販売する使用商品1及び使用商品2を宣伝したこと、すなわち商標法第2条第3項第8号に規定する使用行為を行ったと認めることができる。
(4)小括
上記(1)ないし(3)からすれば、商標権者が、要証期間に、日本国内において、自社のウェブサイトに、使用商標を付して、取消請求商品(第9類「電子応用機械器具及びその部品」)の範ちゅうに含まれる「電子計算機」である使用商品1及び使用商品2を掲載し宣伝した(商標法第2条第3項第8号に該当。)と認めることができる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、その審判請求に係る指定商品について本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしていたことを証明したといわなければならない。
したがって、本件商標の取消請求商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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