2023-014869
空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システム
- 審判番号
- 2023-014869
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-011101外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年09月05日
- 審決日
- 2024年10月17日
- 公報発行日
- 2025年01月31日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .561-Z (F24F) / P18 .113-Z (F24F) / P18 .121-Z (F24F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、2017年(平成29年)8月30日を出願日とする特願2017-165652号の一部を、令和4年1月27日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和5年9月5日提出の手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正後の特許請求の範囲の記載は、次のとおりである(下線は、補正箇所を示す。)。
「 【請求項1】高伝熱材料からなる放射パネル片を第1の方向へ複数配列した空調用放射パネルであって、前記放射パネル片は、前記第1の方向に沿って延びる放熱部と、続きを表示(全15行)前記放熱部の一方の面側に前記放熱部と一体的に形成され、冷温媒が流れる冷温媒配管と嵌合する嵌合保持部と、を備え、前記放熱部の他方の面は、前記第1の方向全体にわたって略平坦面であり、複数の前記放射パネル片は、前記第1の方向において、5mm以上の間隔を隔てて、前記放熱部どうしが隣り合う空調用放射パネル。【請求項2】前記複数の放射パネル片を連結して保持するための連結保持部材を備えている請求項1に記載の空調用放射パネル。【請求項3】前記放射パネル片は、前記連結保持部材と係合する係合部を複数有する請求項2に記載の空調用放射パネル。【請求項4】前記第1の方向に隣り合う前記放熱部の間隔は、10mm以上25mm以下とする請求項1から3のいずれか一項に記載の空調用放射パネル。【請求項5】請求項1から4のいずれか1項に記載の空調用放射パネルを天井部の一部に組み込んで構成されている天井放射型空調システム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和4年1月27日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。
「 【請求項1】高伝熱材料からなる放射パネル片を第1の方向へ複数配列した空調用放射パネルであって、前記放射パネル片は、前記第1の方向に沿って延びる放熱部と、続きを表示(全14行)前記放熱部と一体的に形成され、冷温媒が流れる冷温媒配管と嵌合する嵌合保持部と、を備え、複数の前記放射パネル片は、前記第1の方向において、5mm以上の間隔を隔てて、前記放熱部どうしが隣り合う空調用放射パネル。【請求項2】前記複数の放射パネル片を連結して保持するための連結保持部材を備えている請求項1に記載の空調用放射パネル。【請求項3】前記放射パネル片は、前記連結保持部材と係合する係合部を複数有する請求項2に記載の空調用放射パネル。【請求項4】前記第1方向に隣り合う前記放熱部の間隔は、10mm以上25mm以下とする請求項1から3のいずれか一項に記載の空調用放射パネル。【請求項5】請求項1から4のいずれか1項に記載の空調用放射パネルを天井部の一部に組み込んで構成されている天井放射型空調システム。」
2.本件補正の適否
特許請求の範囲等の補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならない。上記の「最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項」とは、当業者によって、明細書、特許請求の範囲又は図面の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項を意味し、当該補正が、このようにして導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるときは、当該補正は、「明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において」するものということができる(知財高裁平成18年(行ケ)第10563号同20年5月30日特別部判決・判例タイムズ1290号224頁参照)。
そこで、本件補正について検討する。
(1) 本件補正により、請求項1において、嵌合保持部が「前記放熱部の一方の面側に」形成され、「前記放熱部の他方の面は、前記第1の方向全体にわたって略平坦面であ」るとする発明特定事項が追加された。
ここで、「第1の方向」について検討すると、「第1の方向」とは、「放射パネル片」が「複数配列した」方向であって、「放射パネル片」の「放熱部」が「第1の方向に沿って延びる」方向であるから、図2のX2-X2線矢視図である図4の幅(左右)方向、すなわち放射パネル片の断面視幅方向を意味する。
また、「略平坦面」について検討すると、「平坦」「面」とは、「平坦な面」と解されるところ、「平坦」とは、「土地の平らかなこと。 また、そのようなさま。[広辞苑第六版 2521ページ]」、「土地が平らな様子。〔じゃま・妨げなどが無く、物事の進行がスムーズに行われる意にも用いられる。〕」(新明解国語辞典第五版 1261ページ)とされている。
そして、同様に「平ら」とは、「高低のないさま。傾斜のないさま。凹凸のないさま。ひらたいさま。」[広辞苑第六版 1700ページ]であるから、「平坦」「面」とは、平らな面であること、すなわち、凹凸のない面であると理解することができる。
してみると、本件補正により請求項1に追加された「前記放熱部の他方の面は、前記第1の方向にわたって略平坦面であ」るとする発明特定事項は、「放熱部の他方の面」すなわち「嵌合保持部」が存在する面の反対側の面が、放射パネル片の断面視幅方向において、平らな面、凹凸のない面であることを意味するといえる。
(2) 一方、「放熱部」に関して、当初明細書等には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】本発明は、空調用放射パネル及びこれを備えた天井放射型空調システムに関する。」
イ 「【発明が解決しようとする課題】【0007】しかしながら、上記従来の天井放射型の空調システムにおいては、例えば、放射パネルが配管、天井パネル、天井パネルと配管内の冷温媒との伝熱を促進させるためのヒートシンクからなり、天井部全体を形成するように放射パネルを敷設して構成されている。このため、テナントオフィスビルなどに適用する場合には、間仕切への対応など居室部の設えの可変性に柔軟に対応することが難しい。【0008】また、従来の放射パネルは高価である上、例えば冷却能力が60~80W/m 2(室温:26℃、冷温媒(冷水)温度:17℃)程度であり、大きなパネルでないと高負荷への対応が困難であった。【0009】このため、汎用性の向上、コストの低減を図り、例えば、グリッド天井相当の性能にして天井輻射冷暖房を行えるようにすることが強く望まれていた。【0010】本発明は、上記事情に鑑み、従来と比較し、汎用性の向上、コストの低減を可能にする空調用放射パネル及び天井放射型空調システムを提供することを目的とする。」
ウ 「【0024】本実施形態の天井放射型空調システム1は、例えば、図1に示すように、熱交換器ユニット(熱交換器)3と、グリッド天井などの天井部5の一部を形成するように設けられた放射パネル(空調用放射パネル)10と、熱源(例えば、空冷ヒートポンプ)に接続された第1冷温水配管2と、熱交換ユニット3を介して放射パネル10に接続される第2冷温媒配管(冷温媒配管)4とを備えて構成されている。【0025】この天井放射型の空調システム1では、熱交換器ユニット3で第1冷温媒配管2内を流通する冷温媒の水と第2冷温媒配管4内を流通する冷温媒の水とで熱交換を行い、第2冷温媒配管4の冷温媒が所定の温度に調製される。【0026】一方、本実施形態の放射パネル10は、図2から図4(図1)に示すように、アルミニウムなどの高伝熱材料を用いて形成されるとともに、アルミニウム三層管などの第2冷温媒配管4をその外周面が面接触するように嵌合させて保持する嵌合保持部11、及び嵌合保持部11と一体に繋がって天井面を形成する放熱部12を有する放射パネル本体13とを備えて構成されている。【0027】また、本実施形態の放射パネル10は、放射パネル本体13が嵌合保持部11及び放熱部12を有する平面視矩形状で同形同大の複数の放射パネル片14を、嵌合保持部11の延設方向に沿う長手方向を同方向に合わせ、且つ長手方向の一端部同士、他端部同士の位置を合わせて並設し、これら複数の放射パネル片14を連結保持部材15で一体に連結保持して形成されている。【0028】さらに、隣り合う放射パネル片14の間に例えば10mmの隙間Hを設けて放射パネル10が形成されている。」
エ 「【0030】これに対し、本実施形態の放射パネル10は、放射パネル本体(天井パネル)13に直接第2冷温媒配管4を取り付け、従来の放射パネルのヒートシンクを不要にしている。これにより、第2冷温媒配管4を流通する冷温媒と放射パネル本体13の間で効率的に熱交換が行われ、放射パネル10の伝熱性能を向上させることができる。」
オ 「[図:0001418043000001.jpg][図:0001418043000002.jpg][図:0001418043000003.jpg][図:0001418043000004.jpg]」(図1ないし図4)
(3) 上記オの図4から、天井面を形成する放射パネル片14の下面には、放射パネル片14の断面視幅方向に複数の凹凸が形成されていることが看取できる。
そして、上記(2)ウから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)には、放射パネル10が嵌合保持部11及び放熱部12を有する放射パネル片14で構成されており、放射パネル片14の放熱部12は、放射パネル片14における嵌合保持部11が設けられた面(上面)とは反対側の面(下面)備え、嵌合保持部11が設けられた面(上面)とは反対側の面(下面)には、放射パネル片14の断面視幅方向に複数の凹凸が形成されているものといえる。
そして、上記の構成を備えることにより、「従来と比較し、汎用性の向上、コストの低減を可能にする空調用放射パネル及び天井放射型空調システム」を提供できるものと解される。
してみると、当初明細書等には、放熱部における嵌合保持部が存在する面とは反対側の面を、放射パネル片の断面視幅方向において、平らな面、凹凸のない面とすることは記載されておらず、技術常識を参酌しても、自明な事項ということはできない。
(4) 請求人は 、令和5年9月5日提出の審判請求書の2.本願発明が特許されるべき理由(2)補正の根拠の明示において、「前記放熱部の他方の面は、前記第1の方向全体にわたって略平坦面であり」なる補正事項は、出願当初の図3、図4の記載に基づくものである。」と主張している。
しかしながら、当初明細書等の図3、図4には、放熱部12の嵌合保持部11が形成された面とは他方の面(以下、「他方の面」という。)には、第1の方向に向かって、凹凸のある面が形成されていることが看取できるのみであり、図3、図4に「前記放熱部の他方の面は、前記第1の方向全体にわたって略平坦面であ」ることは示唆されておらず、図3、図4に示された放熱部12の第1の方向に向かって凹凸のある面が形成された他方の面を、略平坦面であると理解することはできないから、「前記放熱部の他方の面は、前記第1の方向全体にわたって略平坦面であ」ることはいえない。
(5) したがって、本件補正により補正された請求項1における、「前記放熱部の他方の面」に関し、「前記第1の方向全体にわたって略平坦面であ」ることを追加する補正は、明細書、特許請求の範囲又は図面の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものではないといわざるを得ない。
3.本件補正についてのむすび
上記2.のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
上記「第2 補正の却下の決定」のとおり、令和5年9月5日提出の手続補正書による手続補正は、却下された。
よって、本願の請求項1ないし5に係る発明は、令和4年1月27日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものと認める。
「 【請求項1】高伝熱材料からなる放射パネル片を第1の方向へ複数配列した空調用放射パネルであって、前記放射パネル片は、前記第1の方向に沿って延びる放熱部と、前記放熱部と一体的に形成され、冷温媒が流れる冷温媒配管と嵌合する嵌合保持部と、を備え、複数の前記放射パネル片は、前記第1の方向において、5mm以上の間隔を隔てて、前記放熱部どうしが隣り合う空調用放射パネル。」
第4 原査定の概要
原査定の概要は、次のとおりである。
理由1(新規性)
本願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
理由2(進歩性)
本願の請求項1~5に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
<引用文献等一覧>
引用文献1.特開平10-232035号公報
第5 引用文献1について
1.引用文献1について
(1)引用文献1の記載事項、図示事項及び認定事項
折りたたみ中(クリックで表示)
引用文献1には、以下の記載事項、図示事項及び認定事項がある。
ア 「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1個の細長い水平な空調パネルが、加熱媒体流または冷却媒体流を案内するガイドを備えている、天井を加熱および冷却するための天井要素に関する。」
イ 「【0008】【発明の実施の形態】次に、図を参照して、本発明を一層詳細に説明する。図は代表的な実施の形態を示しているに過ぎない。本発明による天井要素は、多数の平行な空調パネル1を備えている。この空調パネルは互いに離隔され、同じ種類のものであり、そしてウェブ2によって連結されている。このウェブは空調パネル1の端部において横方向に延びている。ウェブ2は空調パネル1にリベット止めされた内側に突出するフランジ3を支持している。【0009】各空調パネル1はアルミニウムから押し出され、その全長にわたって一定の横断面を有する。空調パネルは上側の中央に縦方向の溝4を備えている。この溝は平行な2個のウェブによって境界をつけられ、円形横断面を有し、そしてパイプ5のためのガイドとしての働きをする。このパイプはガイドに嵌められ、好ましくは銅からなり、そして熱搬送媒体、例えば塩水を搬送する働きをする。空調パネル1は更に、比較的に薄い、好ましくは約1.5mmの厚さの長方形パネルとして形成されている。このパネルの上側は縁領域において、下方に曲がっている丸い肩部6に合体している。この肩部の横断面は約15mmの半径を有する4分の1円を描いている。すなわち、肩部は空調パネル1の縁で垂直方向下方に向くように曲がっている。縦方向溝4の境界をつけるウェブの外側は同様に、凹形区間を介して、空調パネル1の上側の隣接領域に滑らかに合体している。空調パネル1の幅は約120mmである。」
ウ 「【0011】隣接する2個の空調パネル1の側方の縁の間の間隔は約17mmである。従って、この側方の縁は17mmの幅を有する空隙7を形成している。空調パネルの上側で冷却された空気は、この空隙を通って、下方へ流れることができる。上側の縁領域を凸形に丸く形成したことにより、安定した遅い流れをそこに生じる。この流れは天井要素の下方の狭い領域にわたって迅速に分散する。従って、噴出して空調室の下側位置まで比較的に集中して達する低温空気の蓄積が防止される。」
エ 「【0014】本発明により天井要素の部屋内での配置についてはいろいろな方法がある。天井要素は好ましくは天井の下方につり下げられている。その結果、天井要素はその下方の部屋および部屋内の物と、輻射によって熱を交換し、この熱交換は直接的におよび天井を介して行われる。要求されれば更に、対流によって付加的に冷却することができる。この場合、疑似の天井または穴のあいた疑似の天井を、例えば16~60%の比率で分配することができる。これに加えて更に、本発明による天井要素について、上記構造または他の構造の疑似天井の下方につり下げることができ、また上記疑似天井の1個または複数の要素と置換されるように、各天井要素を疑似天井に挿入することができる。」
オ 「[図:0001418043000005.jpg]」(図1)
カ 「[図:0001418043000006.jpg]」(図2)
キ 図1の空調パネル1の端部においてウェブ2が延びる横方向に対して、上記イの「天井要素は、多数の平行な空調パネル1を備えている。この空調パネルは互いに離隔され、同じ種類のものであり、そしてウェブ2によって連結されている」との記載と図1とから、天井要素は、空調パネル1を横方向へ多数連結されているものであることが把握される。
ク 上記エの「天井要素はその下方の部屋および部屋内の物と、輻射によって熱を交換し」との記載及び図1における天井要素の配列から、空調パネル1は、横方向に沿って延びる輻射によって熱を交換する部材であると把握される。
ケ 上記ウの「隣接する2個の空調パネル1の側方の縁の間の間隔は約17mmである」との記載から、空調パネル1は、横方向において、17mmの間隔を隔てて隣接していることが把握される。
(2)引用発明
上記(1)を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
[引用発明]
「アルミニウムから押し出された空調パネル1を横方向へ多数連結した、輻射によって熱を交換する天井要素であって、空調パネル1は、横方向に沿って延びる、輻射によって熱を交換する部材であり、空調パネルの上側の中央に備えられ、加熱媒体及び冷却媒体を搬送するパイプ5が嵌められる溝4を備え、多数の空調パネル1は、横方向において、17mmの間隔を隔てて隣接している天井要素。」
第6 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「アルミニウムから押し出された」ことは、アルミニウムが熱伝導率の高い金属であることが技術常識であるから、本願発明の「高伝熱材料からなる」ことに相当する。
以下同様に、「空調パネル1」は「放射パネル片」に、「多数」は「複数」に、「連結した」は「配列した」にそれぞれ相当する。
そして、引用発明1の「横方向」は、ウェブ2により多数の空調パネル1を連結した方向であるから、本願発明1の「第1の方向」に相当する。
引用発明の「天井要素」は、空調パネル1が連結したものであり、輻射によって熱を交換するものであるから、本願発明の「空調用放射パネル」に相当する。
そうすると、引用発明の「アルミニウムから押し出された空調パネル1を横方向へ多数連結した、輻射によって熱を交換する天井要素」は、本願発明の「高伝熱材料からなる放射パネル片を第1の方向へ複数配列した空調用放射パネル」に相当する。
イ 引用発明の「輻射によって熱を交換する部材」は、本願発明の「放熱部」に相当する。
そうすると、引用発明の「横方向に沿って延びる輻射によって熱を交換する部材」は、本願発明の「前記第1の方向に沿って延びる放熱部」に相当する。
ウ 引用発明の「空調パネルの上側の中央に備えられ」ることは、空調パネルの上側の中央に備えられた溝4が、空調パネル製造時に空調パネルと一体的にアルミニウムから押し出されて形成されているから、本願発明の「前記放熱部と一体的に形成され」ることに相当する。
以下同様に、「加熱媒体及び冷却媒体」は「冷温媒」に、「搬送する」は「流れる」に、「パイプ5」は「冷温媒配管」に、「嵌められる」は「嵌合する」に、「溝4」は「嵌合保持部」にそれぞれ相当する。
そうすると、引用発明の「空調パネルの上側の中央に備えられ、加熱媒体及び冷却媒体を搬送するパイプ5が嵌められる溝4」は、本願発明の「前記放熱部と一体的に形成され、冷温媒が流れる冷温媒配管と嵌合する嵌合保持部」に相当する。
エ 引用発明の「17mmの間隔」は、本願発明の「5mm以上の間隔」に相当する。
引用発明の「多数の空調パネル1は」「隣接している」ことは、引用発明の「空調パネル1」が「輻射によって熱を交換する部材」であって、本願発明の「放熱部」にも相当するものであるから、本願発明の「前記放熱部どうしが隣り合う」ことに相当する。
そうすると、引用発明の「多数の空調パネル1は、横方向において、17mmの間隔を隔てて隣接している」ことは、本願発明の「複数の前記放射パネル片は、前記第1の方向において、5mm以上の間隔を隔てて、前記放熱部どうしが隣り合う」ことに相当する。
してみると、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、相違点は存在しない。
(一致点)
「 高伝熱材料からなる放射パネル片を第1の方向へ複数配列した空調用放射パネルであって、前記放射パネル片は、前記第1の方向に沿って延びる放熱部と、前記放熱部と一体的に形成され、冷温媒が流れる冷温媒配管と嵌合する嵌合保持部と、を備え、複数の前記放射パネル片は、前記第1の方向において、5mm以上の間隔を隔てて、前記放熱部どうしが隣り合う空調用放射パネル。」
以上のとおりであるから、本願発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当する。
また、仮に、相違する点があるとしても、本願発明は、引用発明から、当業者が容易に想到し得たものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号の発明に該当するか、または同法同条第2項の規定により特許を受けることができない発明であるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2023-014869