商標拒絶査定不服審判
2023-006446
フユーチャー、ヒューチャー
- 審判番号
- 2023-006446
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2022-013406
- 請求日
- 2023年04月19日
- 審決日
- 2023年12月26日
- 公報発行日
- 2024年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】公立大学法人北九州市立大学
- 【請求人代理人】中前 富士男
- 【請求人代理人】▲高▼津 一也
- 審判長/審判官
- 審判長 冨澤 武志
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 中島 光
- 分類
- T18 .261-Z (W4142) / T18 .262-Z (W4142) / T18 .263-Z (W4142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2022-13406拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和4年2月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年7月15日付け:拒絶理由通知書
令和5年2月6日付け:拒絶査定
令和5年4月19日:審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1の構成よりなり、第16類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、前記1の手続補正書により、第41類「大学における教授,大学院における教授」及び第42類「理学・工学・その他の自然科学に関する試験・検査又は研究,理学・工学・その他の自然科学に関する試験・検査又は研究に関する助言,理学・工学・その他の自然科学に関する試験・検査又は研究に関する情報の提供,情報技術・通信技術に関する試験・研究・調査又はこれらに関する助言,情報技術・通信技術に関する試験・研究・調査に関する情報の提供,土木・建築又は都市計画に関する研究及びこれらに関する助言,土木・建築又は都市計画に関する研究及びこれらに関する情報の提供,受託による研究開発,技術的課題の研究,デザインの考案」と補正されたものである(以下、前記補正後の本願指定役務を「補正後指定役務」という。)。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、以下の(1)ないし(3)の商標権は現に有効に存続しているものである。
なお、以下の(4)の商標権は、国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿の記載によれば、令和4年10月11日存続期間満了により抹消されている。
(1)登録第3155648号(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:別掲2のとおり
登録出願日:平成4年10月26日
設定登録日:平成8年5月31日
最新更新登録日:平成28年4月26日
指定商品:第16類「新聞,雑誌」
(2)登録第5464480号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:「Future」(標準文字)
登録出願日:平成23年6月8日
設定登録日:平成24年1月20日
最新更新登録日:令和4年1月13日
指定商品及び指定役務:別掲4のとおり
(3)登録第5464481号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:別掲3のとおり
登録出願日:平成23年6月8日
設定登録日:平成24年1月20日
最新更新登録日:令和4年1月13日
指定商品及び指定役務:別掲4のとおり
(4)国際登録第791398号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:別掲5のとおり
国際登録日:2002年(平成14年)10月11日
設定登録日:平成16年10月29日
最新更新登録日:平成24年11月8日
指定商品:第16類「Special papers for printing purposes, copying papers, writing papers.」
4 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は、引用商標と同一又は類似の商標であって、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
5 当審の判断
(1)引用商標1及び引用商標4について
本願の指定商品は、前記2のとおり補正された結果、引用商標1及び引用商標4の指定商品と類似の商品はすべて削除されたものと認められる。
その結果、本願の指定役務は、引用商標1及び引用商標4の指定商品と類似しないものになった。
なお、前記3のとおり、引用商標4の商標権は、国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿の記載によれば、令和4年10月11日存続期間満了により抹消されている。
(2)引用商標2及び引用商標3について
ア 結合商標の類否判断について
複数の構成部分を組み合わせた結合商標については、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されないが、取引の実際においては、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものと認められない商標は、必ずしも常に構成部分全体によって称呼、観念されるとは限らず、その構成部分の一部だけによって称呼、観念されることがあることに鑑みると、商標の構成部分の一部が需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合などには、商標の構成部分の一部を要部として取り出し、これと他人の商標とを比較して商標そのものの類否を判断することも、許されると解するのが相当である(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
イ 本願商標について
(ア)本願商標は、別掲1のとおり、内部に、小さな円形と、そこから外周に向けて広がる、複数の色彩からなる三角形を組み合わせた図形を有する円形図形を上段に表し、下段に、黒塗りの三角形からなる図形と、その右側に「Future」の文字を配してなるものである。
そして、上段の円形図形部分及び下段左側の図形部分は、直ちに特定の事物を想起させないから、これよりは特定の称呼及び観念は生じないものである。
また、本願商標の構成中の、「Future」の文字は、「未来」を意味する平易な英語であるから(「ジーニアス英和辞典 第5版」株式会社大修館書店)、本願商標の文字部分よりは、「Future」の語に相応して、「フューチャー」の称呼及び「未来」の観念を生じるものである。
(イ)本願商標は、上記アのとおり、各図形部分と文字部分とは、重なることなく、間隔を空けて配置されていることから、視覚上、分離して看取、把握され得るものであり、構成上からは、各図形部分と文字部分とが、それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している事情は見いだせない。また、図形部分は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念的にも密接な関連性を見いだすことはできない。
そうすると、本願商標は、その構成中の各図形部分と文字部分とが、それぞれ独立して需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。
以上から、本願商標の構成中、顕著に表された「Future」の文字部分を要部(以下「本願要部」という。)として抽出し、これを他人の商標と比較して商標の類否を判断することができるというべきである。
(ウ)したがって、本願商標からは、本願要部に相応して、「フューチャー」の称呼及び「未来」の観念が生じるものである。
ウ 引用商標2及び引用商標3について
引用商標2は、「Future」の文字を標準文字で表してなるところ、これよりは、「フューチャー」の称呼及び「未来」の観念が生じるものである。
引用商標3は、別掲3のとおり、手描き風に若干のデザイン化が施された、「FuTure」の文字を大きく表し、当該文字の上部に、内部に十六分音符と思われる図形を白抜きで表してなる黒塗りの半円図形を配してなるところ、構成上からは、重なることなく、間隔を空けて配置されていることからすると、文字部分と図形部分とが、それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合している事情は見いだせない。また、図形部分から特定の観念を生じないものであるから、文字部分と図形部分とは、観念的に密接な関連性を見いだすことはできない。
そうすると、引用商標3は、その構成中の図形部分と文字部分とが、それぞれ独立して需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえるから、これよりは、要部となる「FuTure」の文字に相応して、「フューチャー」の称呼及び「未来」の観念が生じるものである。
エ 本願商標と引用商標2及び引用商標3の類否について
本願要部と引用商標2及び引用商標3を比較すると、外観について、全体の構成との比較においては相違するものの、本願要部である「Future」の文字部分と、引用商標2の「Future」の文字及び引用商標3の要部である「FuTure」の文字との比較においては、文字の書体や太さ、一部構成文字における大文字と小文字等の相違があるとしても、それぞれの構成中の欧文字6文字全てが、同じ綴りからなるものであり、両者は外観上、近似した印象を与えるというのが相当である。
そして、称呼については、「フューチャー」の称呼を共通にするものである。
また、観念については、「未来」の観念を共通にするものである。
したがって、本願要部と引用商標2並びに本願要部と引用商標3の要部とは、「フューチャー」の称呼及び「未来」の観念を共通にし、外観上近似した印象を与えるため、これらの外観、称呼及び観念によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に考察すれば、本願商標と引用商標2及び引用商標3は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(5)本願商標の指定役務と引用商標2及び引用商標3の指定役務の類否について
本願商標の指定役務は、引用商標2及び引用商標3の指定商品及び指定役務中、第41類「俳優・歌手その他の実演家・作詞家及び作曲家の発掘・育成並びにマネージメントのための教育,俳優・歌手その他の実演家・作詞家・作曲家その他のアーティスト・タレントその他の芸能人の育成教育,俳優・歌手その他の実演家・作詞家・作曲家その他のアーティスト・タレントその他の芸能人の育成教育に関する情報の提供,技芸・スポーツ又は知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授に関する情報の提供」と同一又は類似の役務を含むものである。
(6)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標2及び引用商標3と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標2及び引用商標3の指定役務と同一又は類似の役務を含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
6 請求人の主張について
請求人は、本願商標は外観上、上段の図形部分が他の部分と比較して強く支配的なものである旨及び「Future」の語が平易な英語で、生活の中で目にする機会の多い、我が国において非常に親しまれている、特別感のないありふれたものであり、かつ、補正後指定役務と、「Future」の語より想起される観念とは結びつきが極めて強い旨を述べ、これにより、本願商標の文字部分が支配的な印象を与えることはないと主張する。
また、請求人は、過去における登録例(登録第5487965号商標)を挙げ、この登録例にかかる商標は、図形部分が出所識別標識の要部として認定され、本件の引用商標2及び引用商標3とは非類似と判断されて登録されたものと考えられるため、これらの事情を総合すれば、本願商標と引用商標2及び引用商標3とは非類似と認定されるべきであると主張する。
しかしながら、本願商標の各図形部分と文字部分は、いずれもそれぞれが独立して役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものといえ、加えて、「Future」の文字は、補正後指定役務との関係において、役務の普通名称を表示する等の格別な事情は見いだせない。そうすると、「Future」の文字は、自他役務の出所識別標識としての機能を十分に果たすものであるから、本願商標の文字部分を要部として抽出し、他の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきものであることは、上記5(2)のとおりである。
さらに、請求人の主張にかかる登録第5487965号商標は令和4年4月20日に存続期間満了により消滅しており、かつ、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録例と本願商標とは、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものである。
したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
7 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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