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特許拒絶査定不服審判

2023-002965

画像形成装置

審判番号
2023-002965
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-014115
請求日
2023年02月21日
審決日
2024年04月30日
公報発行日
2024年07月26日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】コニカミノルタ株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人深見特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 殿川 雅也
  • 審判官 藤本 義仁
  • 審判官 嵯峨根 多美
分類
P18 .121-Z (B41J) / P18 .55 -Z (B41J) / P18 .56 -Z (B41J)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019- 14115「画像形成装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 8月13日出願公開、特開2020-121452〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成31年1月30日の出願であって、令和4年8月26日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月18日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年11月17日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、令和5年2月21日付けで拒絶査定に対する不服審判請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 令和5年2月21日に提出された手続補正書による手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年2月21日に提出された手続補正書による手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、令和4年10月18日に提出された手続補正書により補正された)特許請求の範囲の請求項1乃至8を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1乃至8へと補正するものである。 (1)本件補正前の特許請求の範囲 「【請求項1】 画像形成装置であって、 ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、 前記画像形成装置への指示を音声にて受け付ける音声受付手段と、 前記音声受付手段で受け付けた音声から音声レベルを検出する検出手段と、 前記画像形成装置を構成する複数の機器が稼働時に発するノイズレベルを記憶した記憶手段と、 前記検出手段で検出した音声レベルと、前記画像形成装置で実行するジョブに対応して前記記憶手段から読み出したノイズレベルとを比較する比較手段と、 前記比較手段の比較結果に基づき、音声の指示を受け付ける処理と、前記画像形成装置でジョブを実行する処理とのいずれを優先して処理するのかを制御する制御手段とを備える、画像形成装置。 【請求項2】 前記比較手段は、所定の設定に基づいて実行されるジョブで稼働される前記複数の機器の各々から発する複数のノイズレベルの合計値を算出し、 前記比較手段は、前記検出手段で検出した音声レベルと、前記比較手段により算出された前記合計値とを比較する、請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項3】 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、当該ジョブで稼働される前記複数の機器の各々から発する複数のノイズレベルを前記記憶手段から読み出し、読み出したノイズレベルとあらかじめ定めた優先閾値とを比較し、 前記制御手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、前記優先閾値より大きいノイズレベルを発する機器の稼働をジョブが含む場合、前記音声受付手段の前記音声の受け付けを優先して実行し、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止する、請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項4】 前記制御手段は、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行において、前記優先閾値より大きいノイズレベルを発する機器の稼働のみを一時停止する、請求項3に記載の画像形成装置。 【請求項5】 前記比較手段は、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブを実行中に、前記音声受付手段で音声を受け付けた場合、前記音声受付手段で音声の受け付けを許可するあらかじめ定めた許可閾値と、前記比較手段が算出した前記合計値とを比較し、 前記制御手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記音声受付手段での音声の受け付けを一時停止する、請求項2に記載の画像形成装置。 【請求項6】 前記制御手段は、前記複数の機器の動作を通常動作よりも低下させて、前記通常動作のノイズレベルよりもノイズレベルが小さい静音動作に切換える切換手段を含み、 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、前記音声受付手段で音声の受け付けを許可するあらかじめ定めた許可閾値と、前記比較手段が算出した前記合計値とを比較し、 前記切換手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記複数の機器の動作を前記静音動作に切換え、 前記制御手段は、前記切換手段で前記静音動作に切換えて前記比較手段で算出した前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止する、請求項2に記載の画像形成装置。 【請求項7】 前記記憶手段は、ジョブの実行により前記複数の機器の各々から発するノイズレベルの開始時間および終了時間を記憶し、 前記比較手段は、前記記憶手段に記憶した前記開始時間および前記終了時間に基づいて、ジョブの実行により前記複数の機器の各々から発するノイズレベルを時間毎に前記合計値を算出し、 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、前記許可閾値と前記合計値とを時間毎に比較し、 前記切換手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、時間毎に前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記複数の機器の動作を前記静音動作に切換え、 前記制御手段は、時間毎に前記切換手段で前記静音動作に切換えて前記比較手段で算出した前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、時間毎に前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止する、請求項6に記載の画像形成装置。 【請求項8】 画像形成装置であって、 ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、 前記画像形成装置への指示を音声にて受け付ける音声受付手段と、 前記音声受付手段で受け付けた音声から音声レベルを検出する検出手段と、 前記画像形成装置を構成する複数の機器が稼働時に発するノイズレベルを記憶した記憶手段と、 前記検出手段で検出した音声レベルと、前記画像形成装置で実行するジョブに対応して前記記憶手段から読み出したノイズレベルとを比較する比較手段と、 前記比較手段の比較結果に基づき、音声の指示を受け付ける処理と、前記画像形成装置でジョブを実行する処理とのいずれを優先して処理するのかを制御する制御手段とを備え、 前記比較手段は、所定の設定に基づいて実行されるジョブで稼働される前記複数の機器の各々から発する複数のノイズレベルの合計値を算出し、 前記比較手段は、前記検出手段で検出した音声レベルと、前記比較手段により算出された前記合計値とを比較し、 前記制御手段は、前記複数の機器の動作を通常動作よりも低下させて、前記通常動作のノイズレベルよりもノイズレベルが小さい静音動作に切換える切換手段を含み、 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、前記音声受付手段で音声の受け付けを許可するあらかじめ定めた許可閾値と、前記比較手段が算出した前記合計値とを比較し、 前記切換手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記複数の機器の動作を前記静音動作に切換え、 前記制御手段は、前記切換手段で前記静音動作に切換えて前記比較手段で算出した前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止し、 前記記憶手段は、ジョブの実行により前記複数の機器の各々から発するノイズレベルの開始時間および終了時間を記憶し、 前記比較手段は、前記記憶手段に記憶した前記開始時間および前記終了時間に基づいて、ジョブの実行により前記複数の機器の各々から発するノイズレベルを時間毎に前記合計値を算出し、 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、前記許可閾値と前記合計値とを時間毎に比較し、 前記切換手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、時間毎に前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記複数の機器の動作を前記静音動作に切換え、 前記制御手段は、時間毎に前記切換手段で前記静音動作に切換えて前記比較手段で算出した前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、時間毎に前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止する、画像形成装置。」 (2)本件補正後の特許請求の範囲 「【請求項1】 画像形成装置であって、 ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、 前記画像形成装置への指示を音声にて受け付ける音声受付手段と、 前記音声受付手段で受け付けた音声から音声レベルを検出する検出手段と、 前記画像形成装置を構成する複数の機器が稼働時に発するノイズレベルを記憶した記憶手段と、 ジョブの実行中に前記検出手段で検出した音声レベルと、前記画像形成装置で実行中のジョブに対応して前記記憶手段から読み出したノイズレベルとを比較する比較手段と、 前記比較手段の比較結果に基づき、音声の指示を受け付ける処理と、前記画像形成装置でジョブを実行する処理とのいずれを優先して処理するのかを制御する制御手段とを備える、画像形成装置。 【請求項2】 前記比較手段は、所定の設定に基づいて実行されるジョブで稼働される前記複数の機器の各々から発する複数のノイズレベルの合計値を算出し、 前記比較手段は、前記検出手段で検出した音声レベルと、前記比較手段により算出された前記合計値とを比較する、請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項3】 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、当該ジョブで稼働される前記複数の機器の各々から発する複数のノイズレベルを前記記憶手段から読み出し、読み出したノイズレベルとあらかじめ定めた優先閾値とを比較し、 前記制御手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、前記優先閾値より大きいノイズレベルを発する機器の稼働をジョブが含む場合、前記音声受付手段の前記音声の受け付けを優先して実行し、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止する、請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項4】 前記制御手段は、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行において、前記優先閾値より大きいノイズレベルを発する機器の稼働のみを一時停止する、請求項3に記載の画像形成装置。 【請求項5】 前記比較手段は、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブを実行中に、前記音声受付手段で音声を受け付けた場合、前記音声受付手段で音声の受け付けを許可するあらかじめ定めた許可閾値と、前記比較手段が算出した前記合計値とを比較し、 前記制御手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記音声受付手段での音声の受け付けを一時停止する、請求項2に記載の画像形成装置。 【請求項6】 前記制御手段は、前記複数の機器の動作を通常動作よりも低下させて、前記通常動作のノイズレベルよりもノイズレベルが小さい静音動作に切換える切換手段を含み、 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、前記音声受付手段で音声の受け付けを許可するあらかじめ定めた許可閾値と、前記比較手段が算出した前記合計値とを比較し、 前記切換手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記複数の機器の動作を前記静音動作に切換え、 前記制御手段は、前記切換手段で前記静音動作に切換えて前記比較手段で算出した前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止する、請求項2に記載の画像形成装置。 【請求項7】 前記記憶手段は、ジョブの実行により前記複数の機器の各々から発するノイズレベルの開始時間および終了時間を記憶し、 前記比較手段は、前記記憶手段に記憶した前記開始時間および前記終了時間に基づいて、ジョブの実行により前記複数の機器の各々から発するノイズレベルを時間毎に前記合計値を算出し、 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、前記許可閾値と前記合計値とを時間毎に比較し、 前記切換手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、時間毎に前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記複数の機器の動作を前記静音動作に切換え、 前記制御手段は、時間毎に前記切換手段で前記静音動作に切換えて前記比較手段で算出した前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、時間毎に前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止する、請求項6に記載の画像形成装置。 【請求項8】 画像形成装置であって、 ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、 前記画像形成装置への指示を音声にて受け付ける音声受付手段と、 前記音声受付手段で受け付けた音声から音声レベルを検出する検出手段と、 前記画像形成装置を構成する複数の機器が稼働時に発するノイズレベルを記憶した記憶手段と、 前記検出手段で検出した音声レベルと、前記画像形成装置で実行するジョブに対応して前記記憶手段から読み出したノイズレベルとを比較する比較手段と、 前記比較手段の比較結果に基づき、音声の指示を受け付ける処理と、前記画像形成装置でジョブを実行する処理とのいずれを優先して処理するのかを制御する制御手段とを備え、 前記比較手段は、所定の設定に基づいて実行されるジョブで稼働される前記複数の機器の各々から発する複数のノイズレベルの合計値を算出し、 前記比較手段は、前記検出手段で検出した音声レベルと、前記比較手段により算出された前記合計値とを比較し、 前記制御手段は、前記複数の機器の動作を通常動作よりも低下させて、前記通常動作のノイズレベルよりもノイズレベルが小さい静音動作に切換える切換手段を含み、 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、前記音声受付手段で音声の受け付けを許可するあらかじめ定めた許可閾値と、前記比較手段が算出した前記合計値とを比較し、 前記切換手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記複数の機器の動作を前記静音動作に切換え、 前記制御手段は、前記切換手段で前記静音動作に切換えて前記比較手段で算出した前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止し、 前記記憶手段は、ジョブの実行により前記複数の機器の各々から発するノイズレベルの開始時間および終了時間を記憶し、 前記比較手段は、前記記憶手段に記憶した前記開始時間および前記終了時間に基づいて、ジョブの実行により前記複数の機器の各々から発するノイズレベルを時間毎に前記合計値を算出し、 前記比較手段は、前記音声受付手段で音声を受け付け中に、前記ジョブ受付手段でジョブを受け付けた場合、前記許可閾値と前記合計値とを時間毎に比較し、 前記切換手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、時間毎に前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、前記複数の機器の動作を前記静音動作に切換え、 前記制御手段は、時間毎に前記切換手段で前記静音動作に切換えて前記比較手段で算出した前記合計値が前記許可閾値より大きい場合、時間毎に前記ジョブ受付手段で受け付けたジョブの実行を一時停止する、画像形成装置。」(下線部は補正箇所であり、審決で付した。) 2 補正の適否 (1)新規事項の追加について ア 本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「比較手段」が比較する「音声レベル」と「ノイズレベル」について、それぞれ、「ジョブの実行中に前記検出手段で検出した音声レベル」と「前記画像形成装置で実行中のジョブに対応して前記記憶手段から読み出したノイズレベル」と補正するもの(以下、「補正事項」という。)である。 イ 上記補正事項に関連して、本願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)には、以下の記載がある。 「【0038】 <C.比較処理の流れ> 次に、音声操作を受け付ける場合に画像形成装置1で実行される処理の最適化を図るため、CPU101において実行される音声レベルとROM102に格納されているノイズレベルとの比較処理について説明する。図3は、ノイズレベルの比較処理の流れを示すブロック図である。画像形成装置1は、ノイズレベルの比較処理を行うため、検出部1011、比較部1012、制御部1013、記憶部1021、ジョブ受付部1601、および音声受付部1801の機能を有している。 【0039】 図3に示す音声受付部1801は、ユーザによる画像形成装置1への指示を音声にて受け付ける。つまり、音声受付部1801は、ユーザの発声により生じた音声を図1に示すマイク180で受け付け、音声信号に変換し当該音声信号から画像形成装置1への指示を認識する。具体的に、音声受付部1801は、たとえばユーザが「コピー」と発声した場合、「コピー」の音声をマイク180で「コピー」の音声信号に変換し、「コピー」の音声信号から画像形成装置1への「コピー」の指示として認識する。なお、音声受付部1801は、話し言葉を文字列に変換して人間の音声をコンピュータに認識させる音声認識技術を採用している。 【0040】 検出部1011は、音声受付部1801で受け付けた音声から音声レベルを検出する。つまり、検出部1011は、音声受付部1801で変換した音声信号が入力されると、予め定められた基準に基づき音量レベルに変換し、当該音量レベルを音声レベルとして検出する。音声信号は、ユーザが発声した指示の内容によって音の振幅(大きさ)が変動する。そのため、検出部1011は、ユーザが発声した音声のうち、音の振幅が最大となる音量を基準に基づいて音量レベルに変換しても、ユーザが発声した音声の平均や最頻の音量を基準に基づいて音量レベルに変換してもよい。なお、検出部1011において音量レベルに変換するための基準は、たとえば、音声認識処理を行うために必要な音量(入力閾値)としてもよい。もちろん、当該基準は、画像形成装置1が設置される環境に応じて、ユーザが自由に設定してもよい。 【0041】 図3に示すジョブ受付部1601は、画像形成装置1に入力されたジョブを受け付ける。ジョブ受付部1601では、さまざまな種類の入力装置からのジョブを受け付けることが可能である。たとえば、ジョブ受付部1601は、図1に示す操作パネル装置10に表示された操作スイッチ190からジョブを受け付ける。具体的に、操作スイッチ190から受け付けるジョブには、ユーザが操作スイッチ190を押下することで原稿をコピーするジョブなどがある。また、ジョブ受付部1601は、スマートフォンよりWirelessI/F170を介してジョブを受け付けることも可能である。具体的に、WirelessI/F170を介して受け付けるジョブには、スマートフォンに記憶されている写真を印刷するジョブなどがある。また、ジョブ受付部1601は、PCよりネットワークI/F160を介してジョブを受け付けることも可能である。具体的に、ネットワークI/F160を介して受け付けるジョブには、PC内のファイルをFAXとして他の電話機などに送信するジョブがある。 【0042】 ここでジョブとは、画像形成装置1に入力される指示であり、当該指示に沿って画像形成装置1で実行される処理内容である。具体的なジョブの内容は、ユーザが入力した指示の内容により異なる。たとえば、ユーザが操作パネル装置10でA4用紙を選択して画像読取装置110にセットした原稿をコピーする操作スイッチ190を押下してジョブを入力した場合、当該ジョブには、画像読取装置110で原稿を読み取る処理と、プリントエンジン6で用紙に原稿の画像を形成する処理、画像を形成した用紙をトレー8に排紙される処理とが含まれる。ユーザがスマートフォンを操作して写真を印刷するジョブを入力した場合、当該ジョブには、プリントエンジン6で用紙に写真の画像を形成する処理、画像を形成した用紙をトレー8に排紙される処理が含まれる。ユーザがPCを操作してFAXを送信するジョブを入力した場合、当該ジョブには、画像形成装置1に接続された電話回線を介して他の電話機へFAX送信を行う処理が含まれる。 【0043】 ジョブ受付部1601がジョブを受け付け、ジョブに含まれる処理を実行することで、画像形成装置1を構成する複数の機器が稼働し、それぞれの機器が動作音を発することになる。本実施の形態にかかる画像形成装置1では、それぞれの機器が稼動した場合の動作音を測定してその都度ノイズレベルを求めているのではなく、それぞれの機器が稼動した場合に発するノイズレベルを予め記憶部1021に格納してある。 【0044】 図4は、記憶部1021に格納された機器毎のノイズレベルの例を概略的に示す図である。図4には、画像形成装置1を構成する複数の機器ごとに、それらの機器が発するノイズレベルが記載されている。具体的に、図1に示すフィーダ4であるADF(Auto Document Feeder)が稼動するノイズレベルが「1」と、画像を読み取る画像読取装置110であるImage Readerが稼動するノイズレベルが「2」として記憶部1021にそれぞれ格納されている。また、用紙に画像を形成するプリントエンジン6が稼動するノイズレベルが「4」と、画像を形成した用紙を排紙するフィニッシャーが稼動するノイズレベルが「3」として記憶部1021にそれぞれ格納されている。 【0045】 ここで、機器が発するノイズレベルは、音声信号を音量レベルに変換した基準と同じ基準に基づいて動作音を変換した音量レベルである。そのため、比較部1012では、検出部1011が検出した音声レベルと、記憶部1021に格納されているノイズレベルとを直接比較することが可能である。なお、ノイズレベルは、機器が発する動作音のうち、音の振幅が最大となる音量を基準に基づいてノイズレベルを設定しても、機器が発する動作音の平均や最頻の音量をノイズレベルに設定してもよい。 【0046】 比較部1012は、検出部1011で検出した音声レベルと、画像形成装置1で実行するジョブに対応して記憶部1021から読み出したノイズレベルとを比較する。比較部1012では、検出部1011で検出した音声レベルを、画像形成装置1を構成する機器が発するノイズレベルと比較するのではなく、ジョブ受付部1601で受け付けたジョブが発するノイズレベルと比較する。ジョブが発するノイズレベルとは、ジョブにより実行される処理において稼動する各々の機器のノイズレベルの総和である。そのため、比較部1012は、ジョブに対応する複数の機器のノイズレベルを記憶部1021から読み出し、各々の機器のイズレベルを合計して、ジョブが発するノイズレベルを求める。なお、ジョブが発するノイズレベルは、所定の設定(たとえば、給紙速度を通常速度にする設定など)に基づいて実行されるジョブで稼働される複数の機器の各々から発する複数のノイズレベルの合計値である。 【0047】 図5は、比較部1012にてジョブ毎に計算されたノイズレベルの合計値を示す図である。たとえば、画像読取装置110で読み取った原稿をA4用紙にコピーするジョブを実行する場合、フィーダ4であるADFを使用するためADFが稼動するノイズレベルの「1」と、原稿を読み取るためにImage Readerが稼動するノイズレベルの「2」と、用紙に原稿の画像を形成するためにエンジンが稼動するノイズレベルの「4」と、画像を形成した用紙を排紙するためにフィニッシャーが稼動するノイズレベルの「3」とが発される。したがって、ADF、Image Reader、エンジン、フィニッシャーの4種の機器が同時に稼動した場合に最大音量となるので、「コピー」のジョブが発するノイズレベルは、各々のノイズレベルを合計した値「10」となる。次に、PCより送信されたファイルを用紙にプリントするジョブを実行する場合、用紙にファイルの画像を形成するためにエンジンが動作するノイズレベルの「4」と、画像を形成した用紙を排紙するためにフィニッシャーが稼動するノイズレベルの「3」とが発される。したがって、エンジン、フィニッシャーの2種の機器が同時に稼動した場合に最大音量となるので、「プリント」のジョブが発するノイズレベルは、各々のノイズレベルを合計した値「7」となる。 【0048】 比較部1012では、ジョブ受付部1601で受け付けたジョブの情報に基づいて、記憶部1021から図4に示す機器が発するノイズレベルを読み出す。さらに、比較部1012は、記憶部1021から読み出した機器が発するノイズレベルに基づき、図5に示すようなジョブが発するノイズレベルを求める。 【0049】 また、比較部1012は、ユーザの発声した音声レベルを検出部1011より受信する。比較部1012では、ジョブが発するノイズレベルと音声レベルとを比較し、比較結果を制御部1013に出力する。比較部1012では、ユーザが音声操作を行っているときに、ジョブ受付部1601で新たに受け付けたジョブを実行した場合、当該ジョブが発するノイズレベルが音声操作の受付の妨げとなるか否かの判断を行っている。そのため、比較部1012では、ジョブ受付部1601で新たに受け付けたジョブにより複数の機器が同時に稼動した場合の最大音量をジョブが発するノイズレベルとして、音声レベルと比較している。しかし、比較部1012は、ジョブにより複数の機器が同時に稼動するとは限らないため、稼動する複数の機器のうち最大音量を発する機器のノイズレベルを、ジョブが発するノイズレベルとして、音声レベルと比較してもよい。さらに、比較部1012は、稼動する機器のノイズレベルの平均値や最頻値をジョブが発するノイズレベルとして、音声レベルと比較してもよい。 【0050】 制御部1013は、比較部1012の比較結果に基づき、音声操作を受け付ける処理と、画像形成装置1でのジョブ処理とのいずれを優先して処理するのかを制御する。具体的に、制御部1013は、ノイズレベルが音声レベルより大きくなる比較結果の場合、音声操作の受付を優先するため新たに受け付けたジョブの実行を一時停止、または受け付けたジョブを静音モード(静音動作)で実行する。なお、ジョブを静音モードで実行する場合、ジョブにより稼動する機器は、通常モードより低速で稼動することになる。そのため、静音モードでのジョブの実行は、ジョブが発するノイズレベルを低減することができ、音声操作を受け付ける処理を優先する制御となる。もちろん、制御部1013は、静音モードでのジョブを実行してもノイズレベルが音声レベルより大きくなる比較結果の場合、音声操作の受付を優先するため新たに受け付けたジョブの実行を一時停止する。なお、制御部1013は、ジョブを実行するモードを通常モードから静音モードに切り換える制御を行っている。つまり、制御部1013は、通常モードと静音モードとのモードを切り換える切換手段(図示せず)を含んでいる。 【0051】 一方、制御部1013は、ノイズレベルが音声レベル以下となる比較結果の場合、ジョブ受付部1601で新たに受け付けたジョブの実行が音声操作の受け付けに妨げとならないため、画像形成装置1でのジョブ処理を通常モードで実行する。」 「【0055】 <D.比較処理を含む全体処理> 前述の説明では、音声操作を受け付けているときに、後から新たにジョブを受け付ける場合について説明したが、既にジョブを受け付けているときに、後から音声操作を受け付ける場合もある。そのため、ジョブの受付前後を含めた、音声操作の受付処理の全体について説明する。図6は、全体処理を示すフローチャートである。図6を参照して、まず、画像形成装置1は、音声操作を認識する(ステップS1)。具体的には、ユーザが図1に示すマイク180に音声操作によって指示を入力する。続いて、画像形成装置1は、ユーザが音声操作によって指示を入力した時点において、既にジョブが実行されているか否かを判断する(ステップS2)。例えば、PCから画像形成装置1に、ファイルを用紙にプリントするジョブが送信されている場合、画像形成装置1は、既にジョブが実行されていると判断する。既にジョブが実行されている場合(ステップS2においてYESの場合)、画像形成装置1は、続いて比較処理を行う(ステップS3)。 【0056】 ここで、波線で囲まれた領域Aは、ジョブと音声操作の前後関係においてジョブが先に実行されていて後に音声操作が受け付けられた場合の処理内容を示す。ステップS3では、図3に示す比較部1012にて算出したジョブが発するノイズレベルと、あらかじめ定めた音声操作の入力を許可するか否かの閾値(以下、許可閾値ともいう。)とを比較する。ここで、許可閾値とは、画像形成装置1が音声操作を受け付ける場合に、音声操作の入力として許可することができる音量レベルである。つまり、ユーザが画像形成装置1に対して音声操作を行う場合に、当該許可閾値より大きい音量レベルの音声を発する必要がある。そのため、比較部1012は、許可閾値より大きいノイズレベルがジョブによって発生するのであれば音声操作の妨げになると判断することができる。許可閾値は、実際に騒音の中で音声操作をする実験に基づいて定められてもよいし、人間の発声の音量レベルの平均値に基づいて算出してもよい。 【0057】 当該実行中のジョブが発するノイズレベルが許可閾値以下の場合(ステップS3においてNOの場合)、画像形成装置1は、当該ジョブ処理が音声操作の処理に影響を与えないとして、両処理を同時に処理し、全体処理を終了する(ステップS4)。これに対して、当該実行中のジョブが発するノイズレベルが許可閾値より大きい場合(ステップS3においてYESの場合)は、画像形成装置1は、当該ジョブ処理が音声操作の処理に影響を与えることとなるとして、当該ジョブ処理が終了するまで音声操作受付を停止する(ステップS5)。画像形成装置1は、当該ジョブ処理が終了後(ステップS6)、音声操作受付をする(ステップS7)。 【0058】 ジョブが存在せず、音声操作受付がなされた場合(ステップS2においてNOの場合)画像形成装置1は、音声操作受付中に新たなジョブが発生したか否かの判断をする(ステップS8)。音声操作受付中に新たなジョブが発生しなかった場合(ステップS8においてNOの場合)、画像形成装置1は、音声操作受付を処理(ステップS9)し、全体処理を終了する。音声操作受付中に新たなジョブが発生した場合(ステップS8においてYESの場合)、画像形成装置1は、続いて比較処理を行う(ステップS10)。波線で囲まれた領域Bは、ジョブと音声操作の前後関係において音声操作が先に受け付けられていて後にジョブが受け付けられる場合の処理内容を示す。 【0059】 ステップS10では、当該新たに受け付けたジョブが発するノイズレベルと、音声操作の受け付けを優先する基準となる閾値(以下、優先閾値ともいう。)とを比較する。当該新たに受け付けたジョブが発するノイズレベルは、図3に示す比較部1012が算出する。優先閾値とは、音声操作の受付を優先するか否かを判断するための基準となる音量レベルである。この値は、実際に騒音の中で音声操作をする実験に基づいて定められてもよいし、人間の声の音量レベルの平均値に基づいて算出してもよい。当該新たに受け付けたジョブが発するノイズレベルが優先閾値より大きい場合(ステップS10において、YESの場合)、画像形成装置1は、音声操作受付を優先する処理を行う(ステップS11)。具体的には、画像形成装置1は、新たに受け付けたジョブの実行を一時的に停止する。また、好ましくは記憶部1021で格納する図4のテーブルに基づいて優先閾値より大きいノイズレベルを発する機器のみの実行を一時的に停止する。画像形成装置1は、このようにジョブの実行を一時的に停止しておき、その間に音声操作受付を優先して処理し、処理終了後に当該ジョブの処理を開始する(ステップS12)。ジョブの処理終了後、全体処理が終了となる。 【0060】 これに対して、当該ノイズレベルが優先閾値以下の場合(ステップS10において、NOの場合)、画像形成装置1は、さらに比較処理を行う(ステップS13)。ここでは、ステップS10と同様のノイズレベルと前述に示した許可閾値との比較を行う。当該ノイズレベルが許可閾値以下の場合(ステップS13において、NOの場合)、画像形成装置1は、当該ジョブ処理が音声操作の処理に影響を与えないとして、両処理を同時に処理(ステップS4)し、全体処理を終了する。これに対して、当該ノイズレベルが許可閾値より大きい場合(ステップS13において、YESの場合)、画像形成装置1は、受け付けたジョブを静音モードで実行する(ステップS14)。ジョブにより稼動する機器は、動作を通常モードより低下(低速)させて稼動し、ジョブが発するノイズレベルを低減することができる。ここで優先閾値と許可閾値との関係について、優先閾値は、許可閾値よりも大きい値に設定されている。つまり、画像形成装置1は、ジョブが発するノイズレベルが優先閾値よりも大きいレベルであるか、優先閾値以下で許可閾値より大きいレベルであるか、許可閾値以下のレベルあるかに応じて異なる処理を行う。 【0061】 その後、画像形成装置1は、静音モードに切り換えた後に実行されるジョブの静音モードでのノイズレベルを比較部1012にて算出し、許可閾値との比較を再度行う(ステップS15)。なお、図4のテーブルには、通常モードで機器を駆動した場合に発するノイズレベルが記載されている例を示したが、静音モードで機器を駆動した場合に発するノイズレベルを図示していないが、記憶部1021に記憶されている。静音モードで実行することによって、ノイズレベルが許可閾値以下の場合(ステップS15において、NOの場合)、画像形成装置1は、両処理を同時に処理(ステップS4)し、全体処理を終了する。これに対して、静音モードに切り換えたとしてもノイズレベルが許可閾値より大きいままである場合(ステップS15において、YESの場合)、画像形成装置1は、音声操作受付を優先する為ジョブを停止(ステップS16)し、その後ジョブの処理を行う(ステップS12)。」 ウ 上記イの段落【0038】乃至【0051】には、音声操作を受け付けているときに、後から新たにジョブを受け付ける場合(【0055】参照。)であって、音声受付部1801が「ユーザによる画像形成装置1への指示」を「音声」にて受け付け、音声レベルを検出し、ジョブ受付部1601は、画像形成装置1に入力されたジョブを受け付け、比較部1012は、検出部1011で検出した音声レベルと、画像形成装置1で実行するジョブに対応して、機器毎のノイズレベルが格納された記憶部1021から読み出したノイズレベルと、を比較する、すなわち、比較部1012では、検出部1011で検出した音声レベルを、画像形成装置1を構成する機器が発するノイズレベルと比較するのではなく、ジョブ受付部1601で受け付けたジョブが発するノイズレベルと比較する実施例が記載されている。 エ また、上記イの段落【0055】乃至【0061】には、既にジョブを受け付けているときに、後から音声操作を受け付ける場合であって、比較部1012は、既にジョブが実行されているジョブが発するノイズレベルと、あらかじめ定めた音声操作の入力を許可するか否かの閾値(許可閾値)とを比較する実施例、及び新たに受け付けたジョブが発するノイズレベルと、音声操作の受け付けを優先する基準となる閾値(優先閾値)とを比較する実施例が記載されている。 オ しかし、既にジョブを受け付けているときに、音声受付部1801が「ユーザによる画像形成装置1への指示」を「音声」にて受け付け、音声レベルと、機器毎のノイズレベルが格納された記憶部1021から読み出したノイズレベルと、を比較する比較部1012は、当初明細書等には記載されていないし、示唆もされていない。 カ そうすると、上記補正事項の「ジョブの実行中に前記検出手段で検出した音声レベルと、前記画像形成装置で実行中のジョブに対応して前記記憶手段から読み出したノイズレベルとを比較する比較手段」との構成は、当初明細書等から自明な事項や技術常識から導かれる事項でもないため、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものである。 以上のとおりであるから、本件補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内においてするものとはいえず、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 3 まとめ 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項に違反するものであるから、本件補正は、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1乃至8に係る発明は、令和4年10月18日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1乃至8に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1(1)の【請求項1】に記載のとおりのものである。 第4 原査定における拒絶の理由 原査定の理由とされた、令和4年8月26日付け拒絶理由通知書に記載した理由の概要は、以下の通りのものである。 (進歩性)この出願の請求項1乃至6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された特開2018-157370号公報に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第5 引用文献等 本願の出願前である平成30年10月4日に頒布された特開2018-157370号公報(以下「引用例」という。)には、次の事項が記載されている。 1 「【技術分野】 【0001】 本発明は、情報処理装置、制御方法及びプログラムに関する。」 2 「【背景技術】 【0002】 従来、情報処理装置がマイクを有し、マイクによって音声を認識する、いわゆる音声認識技術が知られている。 【0003】 そして、音声認識において、画像形成装置が、画像読み取り動作又は画像プリント動作を一時停止させる。このようにして、音声認識において機器が発するノイズの影響を減らし、音声認識の認識率を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献1等参照)。 【0004】 さらに、音声認識において、まず、画像形成装置が、ジョブ実行中に動作する可動部の動作をシミュレーションしてノイズデータを生成する。次に、画像形成装置は、受け付けた音声データからノイズデータを消去する。このようにして、ノイズを除去し、ジョブ実行中に受け付ける音声の認識率を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献2等参照)。 【0005】 他にも、音声認識において、家電が、各動作の緊急性を判定する。そして、家電は、緊急性がないと判定された動作を所定期間抑制又は停止する。このようにして、音を生じる動作を抑制又は停止することによって、音声の認識率を向上させる方法が知られている(例えば、特許文献3等参照)。【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、従来の方法では、音声認識における認識率が低いという課題がある。【0007】 本発明は、上記課題に鑑み、音声認識における認識率を向上させることを目的とする。」 3 「【0046】 <全体処理例> 図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置による全体処理例を示すフローチャートである。【0047】 <処理音の入力例>(ステップSA) ステップSAでは、画像形成装置100は、処理音を入力する。例えば、ステップSAは、以下のような処理である。 【0048】 図4は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置による処理音の入力例を示すフローチャートである。まず、画像形成装置100には、実行可能な処理を示すデータ(以下「処理リスト」という。)があらかじめ入力されるとする。例えば、処理リストは、画像形成装置100が工場から出荷される際等に入力される。そして、処理リストには、画像形成装置100が実行可能な処理を特定できる処理名等のパラメータがリスト化されているとする。具体的には、処理リストは、例えば、下記(表1)に示すリストである。 【0049】 【表1】 [図:0001411866000001.jpg] 以下、上記(表1)に示す各処理を画像形成装置100が実行可能とする。また、上記(表1)に示す各処理のうち、例えば、「プリント処理(天板使用)」と、「プリント処理(ADF使用)」とは、いずれかの処理が排他的に実行される。同様に、「プリント処理(両面、高速)」と、「プリント処理(両面、中速)」と、「プリント処理(両面、低速)」ともいずれかの処理が排他的に実行される。 【0050】 <処理リストの読み出し例>(ステップSA01) ステップSA01では、画像形成装置100は、処理リストを読み出す。そして、処理リストが読み出されると、画像形成装置100は、実行可能な処理を把握できる。以下、処理リストに複数の処理が入力され、各処理には、処理番号が設定されているとする。 【0051】 <各処理の実行例>(ステップSA02) ステップSA02では、画像形成装置100は、各所定の処理を実行する。例えば、画像形成装置100は、処理番号の順に各処理を実行する。なお、所定の処理は、例えば、記録媒体に対して画像形成を行う処理、いわゆる印刷処理等である。他にも、処理は、記録媒体に画像形成されている画像を読み取る処理、いわゆるスキャン処理等である。なお、処理の種類は、印刷処理及びスキャン処理等に限られない。 【0052】 所定の処理は、画像形成装置100の仕様等に基づいて、様々な種類が含まれる。例えば、所定の処理は、あらかじめ設定される。 【0053】 また、ステップSA03以降の処理は、ステップSA02によって処理が実行された状態等で行われるとする。したがって、ステップSA03以降の処理は、ステップSA02によって行われた処理ごとに行われる。 【0054】 <処理音の入力例>(ステップSA03) ステップSA03では、画像形成装置100は、処理音を入力する。すなわち、ステップSA03では、画像形成装置100は、ステップSA02によって処理が実行されると発生する処理音を入力する。このようにすると、画像形成装置100は、画像形成装置100が使用される環境下で、所定の処理を行うと発生する処理音を入力できる。したがって、工場等であらかじめ入力する場合等と比較して、画像形成装置100が使用される環境に応じた処理音を入力できる。 【0055】 処理音は、音声認識においては、ノイズとなる場合が多い。したがって、処理音が発生している状態では、処理音によるノイズが発生する。 【0056】 <音声認識が可能か否かの判定例>(ステップSA04) ステップSA04では、画像形成装置100は、音声認識が可能か否かを判定する。例えば、画像形成装置100は、あらかじめマッチング用の音声データを記憶する。そして、画像形成装置100は、画像形成装置100に対してユーザが発する音声と、音声データが示す音声との相関を取ることによって音声認識を実現する。 【0057】 このように、判定は、画像形成装置100が使用される環境下で、かつ、所定の処理が実行中に入力されるユーザからの音声に基づいて行われるのが望ましい。このように判定が行われると、画像形成装置100は、所定の環境下において、処理が実行中には、音声認識が可能か否かを把握できる。そのため、画像形成装置100は、音声認識の認識率を向上させることができる。 【0058】 なお、音声認識方法は、この方法に限られない。例えば、画像形成装置100は、画像形成装置100に対してユーザが発する音声からノイズを除去してもよい。そして、画像形成装置100は、ノイズを除去した後の音声と、音声データが示す音声との相関を取る等によって音声認識を実現してもよい。 【0059】 判定は、例えば、まず、音声認識用に、あらかじめ入力される音声データと同一の言葉を画像形成装置100がユーザに対して表示する。次に、ユーザは、画像形成装置100が表示する言葉を発声する。続いて、画像形成装置100は、発せられた音声があらかじめ入力される音声データが示す音声のように認識できるか否かを判定する。このようにして、画像形成装置100は、ステップSA02によって実行される所定の処理が行われている間に、音声認識が可能か否かを判定する。 【0060】 なお、判定は、この方法に限られない。判定は、例えば、まず、所定の処理が行われていない間に、ユーザが発声し、画像形成装置100が発声された音声を音声データとして記憶する。次に、画像形成装置100は、スピーカ等から、ユーザが発声した音声と同じ音声をあらかじめ入力される音声データから選んで再生する。続いて、画像形成装置100は、スピーカによって再生された音声を音声データとして記憶する。さらに、画像形成装置100は、記憶する2つの音声データのパラメータを比較する。例えば、比較されるパラメータは、音圧及び周波数特性等である。そして、比較によって、画像形成装置100は、差分値を算出する。このようにして、得られる差分値が所定の値以下であれば、画像形成装置100は、音声認識が可能であると判定する。 【0061】 他にも、あらかじめ画像形成装置100に入力される音声データは、ユーザによる音声の音声データのパラメータを補正したデータ等でもよい。 【0062】 また、スピーカから出力される音声と、人が発声した音声との相関を取り、相関を考慮した音声がスピーカから出力して、画像形成装置100は、判定を行ってもよい。このようにすると、人が何度も発声しなくても、画像形成装置100は、判定を行うことができる。 【0063】 <判定結果の記憶例>(ステップSA05) ステップSA05では、画像形成装置100は、判定結果を記憶する。例えば、画像形成装置100は、処理リストにおいて判定結果を記憶する。すなわち、ステップSA02乃至ステップSA04は、処理リストにあらかじめ入力される処理ごとに行われる。したがって、ステップSA04による判定結果は、処理ごとに求まる。そして、ステップSA05では、画像形成装置100は、各判定結果を処理リストにおいて、各処理に関連付けして記憶する。 【0064】 <全処理が完了したか否かの判断例>(ステップSA06) ステップSA06では、画像形成装置100は、全処理が完了したか否かを判断する。すなわち、ステップSA06では、画像形成装置100は、処理リストが示す全処理をすべてステップSA04によって判定したか否かを判断する。具体的には、処理リストに処理番号が「1」から「10」まである場合には、画像形成装置100は、処理番号が「1」から「10」の所定の処理に対して、ステップSA02乃至ステップSA05が行われたか否かを判断する。 【0065】 次に、全処理が完了していると画像形成装置100が判断すると(ステップSA06でYES)、画像形成装置100は、図4に示す処理を完了する。一方で、全処理が完了していないと画像形成装置100が判断すると(ステップSA06でNO)、画像形成装置100は、ステップSA02に進む。」 4 「【0070】 図6は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置が表示する設定画面の一例を示す図である。画像形成装置100は、例えば、図示するような設定画面PNLを表示する。なお、設定画面PNLは、タッチパネル上に表示されるとする。したがって、以下の説明では、ユーザは、設定画面PNLが表示するボタンを押すと、ボタンが示す各操作を入力できるとする。 【0071】 図示するように、この例では、画像形成装置100は、設定画面PNL上に処理リストLIを表示する。図示するように、処理リストLIは、例えば、優先度の値が低い順に、処理を上記(表1)に示すリストに基づいて並べて表示する。なお、処理リストLIは、優先度データの例である。したがって、優先度データは、リスト形式でなく、他の形式でもよい。 【0072】 設定画面PNLにおいて「優先度」は、ユーザによって設定された優先度又は初期値等である。以下の説明では、「優先度」の値が低い処理から順に、後段の制御によって変更対象となる。したがって、図示する例では、「優先度」が「1」である「スキャン処理(天板使用)」が最初に変更される処理である。 【0073】 例えば、「優先度」は、優先度変更ボタンBTN2等によって設定される。例えば、図示する例は、「優先度」が「2」となる処理が選択されている例である。そして、優先度変更ボタンBTN2が押されると、「優先度」が「2」の処理は、「優先度」が変更される。具体的には、優先度変更ボタンBTN2が押されると、画像形成装置100は、選択中の処理を上へ移動させる。すなわち、図示する例において、優先度変更ボタンBTN2が押されると、画像形成装置100は、「優先度」が「2」となる処理と、「優先度」が「1」となる処理とが入れ替わる。例えば、優先度は、以上のように、優先度変更ボタンBTN2等のGUI(Graphical User Interface)によって設定される。 【0074】 なお、優先度の設定方法は、図示する方法に限られない。例えば、優先度は、数値等で設定されてもよい。 【0075】 「処理名」は、各処理を特定できる各処理の名称である。 【0076】 「処理音レベル」は、各所定の処理が実行されると発声する処理音の音量である。すなわち、「処理音レベル」は、ステップSA03が行われると生成される音声データを解析する等して入力される。 【0077】 「判定結果」は、ステップSA04による判定結果である。すなわち、「判定結果」は、「処理名」が示す処理が実行されている間に、画像形成装置100が音声認識を行えるか否かを示す。 【0078】 「処理中の音声認識の実施」は、各処理が実行されている間に、音声認識を実行するか否かの設定である。例えば、「実施」とするか「非実施」とするかは、実施設定ボタンBTN1等によって設定される。「実施」と設定されると、所定の処理が実行されている間に、音声認識が実行される。一方で、「非実施」と設定されると、所定の処理が実行されている間は、音声認識が実行されない。この例では、実施設定ボタンBTN1が押されると、「実施」と「非実施」とが切り替わる。」 5 「【0080】 <制御例>(ステップSC) 図3に戻り、ステップSCでは、画像形成装置100は、処理を制御する。例えば、ステップSCは、以下のような処理である。 【0081】 図7は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置による制御例を示すフローチャートである。 【0082】 <音声認識を行うか否かの判断例>(ステップSC01) ステップSC01では、画像形成装置100は、音声認識を行うか否かを判断する。例えば、ユーザが音声認識を行うように設定すると、画像形成装置100は、音声認識を行うと判断する。例えば、画像形成装置100には、「音声認識」という単語が、音声認識開始用の言葉としてあらかじめ設定される。このような場合には、「音声認識」という音声が入力されると、画像形成装置100は、音声認識を行う。なお、音声認識の開始は、ボタン等によって設定されてもよい。 【0083】 このように、音声認識を開始させる言葉が設定されていると、画像形成装置100は、音声認識を開始させる言葉を認識しやすい。例えば、画像形成装置100は、起動の際には、様々な機器を初期設定する等のため、比較的、処理音を多く発生させる場合がある。このように、処理音が多く発生する状況であっても、音声認識を開始させる言葉が設定されていると、画像形成装置100は、音声認識を開始させる言葉を精度良く認識しやすい。 【0084】 なお、画像形成装置100がセンサ等を有する場合には、センサによって人を検出できる状態であると、画像形成装置100は、音声認識を行うと判断する。このようにすると、人が検出されない間は、画像形成装置100は、音声認識等を停止できるため、消費電力を少なくすることができる。 【0085】 次に、音声認識を行うと画像形成装置100が判断すると(ステップSC01でYES)、画像形成装置100は、ステップSC02に進む。一方で、音声認識を行わないと画像形成装置100が判断すると(ステップSC01でNO)、画像形成装置100は、ステップSC01に進む。 【0086】 <処理リストの読み出し及び実行中の処理の特定例>(ステップSC02) ステップSC02では、画像形成装置100は、処理リストの読み出し及び実行中の処理を特定する。まず、画像形成装置100は、図6等による設定が反映された処理リストLIを読み出す。したがって、画像形成装置100は、処理リストLIに基づいて、各処理の「判定結果」及び「処理中の音声認識の実施」等の設定を把握できる。 【0087】 また、画像形成装置100は、実行中の処理を特定する。例えば、ユーザの操作等に基づいて、処理リストLIが示す処理のうち、いずれかの処理が実行中の場合がある。このような状態の処理がどの処理であるか等を、画像形成装置100は、特定する。 【0088】 <実行中の処理に「非実施」の処理があるか否かの判断例>(ステップSC03) ステップSC03では、画像形成装置100は、実行中の処理に「非実施」の処理があるか否かを判断する。まず、実行中の処理は、ステップSC02によって特定できる。そして、特定された各実行中の処理が、「非実施」の処理であるかは、ステップSC02によって読み出した処理リストLIにある「処理中の音声認識の実施」が「非実施」と設定されているか否かによって判断できる。 【0089】 次に、「非実施」の処理があると画像形成装置100が判断すると(ステップSC03でYES)、画像形成装置100は、ステップSC04に進む。一方で、「非実施」の処理がないと画像形成装置100が判断すると(ステップSC03でNO)、画像形成装置100は、ステップSC05に進む。 【0090】 <処理完了の待機例>(ステップSC04) ステップSC04では、画像形成装置100は、処理が完了するのを待機する。例えば、画像形成装置100は、出力装置等によって、「音声認識を開始するまで少しお待ちください。」等のメッセージをユーザに出力する。 【0091】 ステップSC04が行われるのは、処理が実行中に音声認識を実行させないように設定した「非実施」の処理が、実行中である場合(ステップSC03でNO)である。又は、ステップSC04が行われるのは、処理を途中で停止させることができない処理が、実行中である場合(ステップSC08でNO)である。したがって、ステップSC04では、画像形成装置100は、「非実施」の処理又は中断できない処理が完了するのを待機する。 【0092】 <実行中の処理に「不可」の処理があるか否かの判断例>(ステップSC05) ステップSC05では、画像形成装置100は、実行中の処理に「不可」の処理があるか否かを判断する。すなわち、画像形成装置100は、実行中の処理に、「判定結果」が「不可」と判定された処理があるか否かを判断する。 【0093】 「判定結果」が「不可」の処理が実行中であると、音声認識は、ノイズ等によって実行できなかったり、又は、認識率が低かったりする場合が多い。したがって、ステップSC05では、画像形成装置100は、このように、音声認識が実行不可の状態であるか否かを判断する。 【0094】 次に、実行中の処理に「不可」の処理があると画像形成装置100が判断すると(ステップSC05でYES)、画像形成装置100は、ステップSC06に進む。一方で、実行中の処理に「不可」の処理がないと画像形成装置100が判断すると(ステップSC05でNO)、画像形成装置100は、ステップSC11に進む。 【0095】 以下、ステップSC06乃至ステップSC09に、処理を変更する制御例を示す。【0096】 <動作速度等を変更可能か否かの判断例>(ステップSC06) ステップSC06では、画像形成装置100は、動作速度等が変更可能か否かを判断する。所定の処理には、印刷処理等のように、処理を段階的に変更できる処理がある。一方で、所定の処理には、処理を行うか否か、すなわち、処理の状態が2択の処理がある。そこで、ステップSC06では、対象となる処理が、段階的に変更できる処理であるか否かを判断する。 【0097】 例えば、動作速度は、図6に示すプリント処理の処理速度等である。したがって、プリント処理の動作速度は、例えば、「高速」、「中速」、「低速」及び「停止」のように、段階的に変更できる。なお、このように段階的に変更できる対象は、動作速度に限られない。すなわち、図6のように、段階的に変更できる対象は、処理音レベルが変わるパラメータであれば、動作速度以外の項目でもよい。 【0098】 次に、動作速度等を変更可能と画像形成装置100が判断すると(ステップSC06でYES)、画像形成装置100は、ステップSC07に進む。一方で、動作速度等を変更できないと画像形成装置100が判断すると(ステップSC06でNO)、画像形成装置100は、ステップSC08に進む。 【0099】 <動作速度等の変更例>(ステップSC07) ステップSC07では、画像形成装置100は、動作速度等を変更する。例えば、図6に示す例において、プリント処理が「高速」で実行中である場合には、画像形成装置100は、動作速度を「高速」から「低速」に変更する。なお、変更は、「処理音レベル」が低くなるように変更する。また、変更は、この例における「中速」のように、「非実施」の処理を飛ばして行われる。 【0100】 <処理を停止させる変更が可能か否かの判断例>(ステップSC08) ステップSC08では、画像形成装置100は、処理を停止させる変更が可能か否かを判断する。例えば、停止可能な処理であるか否かは、あらかじめ画像形成装置100に設定されるとする。そして、画像形成装置100は、対象となる処理が、停止できると設定された処理であるか否かを判断する。 【0101】 次に、停止できる処理であると画像形成装置100が判断すると(ステップSC08でYES)、画像形成装置100は、ステップSC09に進む。一方で、停止できる処理でないと画像形成装置100が判断すると(ステップSC08でNO)、画像形成装置100は、ステップSC04に進む。 【0102】 <停止させるタイミングの検出及び処理を停止させる変更例>(ステップSC09) ステップSC09では、画像形成装置100は、処理を停止させるタイミングを検出し、処理を停止させる変更を行う。 【0103】 まず、画像形成装置100は、停止させるタイミングを検出する。例えば、記録媒体に画像形成された画像を読み取るスキャン処理等の読取処理、記録媒体に対して画像形成を行うプリント処理等の画像形成処理又は両方の処理が行われる場合がステップSC09の対象となる処理であるとする。読取処理又は画像形成処理では、複数のページが処理される場合がある。このような場合には、画像形成装置100は、処理において、ページに対する完了するタイミングを検出するのが望ましい。 【0104】 つまり、画像形成装置100は、処理を停止させるタイミングをページの区切り等で行うようにする。このようにすると、画像形成装置100は、読取処理又は画像形成処理がページの途中で停止するのを防ぐことができる。ゆえに、読取処理又は画像形成処理において、画像形成装置100は、ページに対する処理が完了するタイミングで処理が変更されると、画像形成又は画像読取の品質を向上させることができる。 【0105】 次に、画像形成装置100は、検出されたタイミングで処理を停止させる。」 6 「【0108】 <実行中の処理に「可」の処理が複数あるか否かの判断例>(ステップSC11) ステップSC11では、画像形成装置100は、実行中の処理に「可」の処理が複数あるか否かを判断する。各所定の処理は、並行して実行される場合がある。したがって、実行中の処理は、複数の場合もある。このように、ステップSC11では、画像形成装置100は、複数処理が並行して行われているか否かを判断する。 【0109】 次に、実行中の処理に「可」の処理が複数あると画像形成装置100が判断すると(ステップSC11でYES)、画像形成装置100は、ステップSC12に進む。一方で、実行中の処理に「可」の処理が複数ないと画像形成装置100が判断すると(ステップSC11でNO)、画像形成装置100は、ステップSC14に進む。 【0110】 <処理音レベルの合計が閾値以下であるか否かの判断例>(ステップSC12) ステップSC12では、画像形成装置100は、処理音レベルの合計が閾値以下であるか否かを判断する。すなわち、複数の処理が実行中である場合には、画像形成装置100は、各実行中の処理の「処理音レベル」(図6)を合計する。また、処理音レベルの合計は、電力量に変換されて合計されるのが望ましい。例えば、電力量への変換は、下記(1)式に基づいて行われる。 電力量 = 10 × log10(P2/P1)・・・(1) P1:基準値(1mW) P2:「処理音レベル」(図6) 例えば、「処理音レベル」が「60(dB)」と、「50(dB)」の2つの処理が実行中であるとする。この場合には、上記(1)式に基づいて、まず、「60(dB)」は、「1000(mW)」に変換される。同様に、「50(dB)」は、「100(mW)」に変換される。したがって、電力量の合計値は、「1000+100=1100(mW)」となる。そして、「1100(mW)」が「60.41(dB)」に変換される。 【0111】 また、閾値には、例えば、「判定結果」が「可」である「処理音レベル」のうち、最大値等が設定される。 【0112】 なお、判断は、周波数特性等を利用してもよい。具体的には、判断は、横軸を周波数、かつ、縦軸を音圧レベルとし、グラフの相関を比較する等でもよい。 【0113】 このように、処理音の合計に基づいて、処理を変更すると、画像形成装置100は、音声認識の認識率を向上させることができる。 【0114】 <優先度に基づく変更例>(ステップSC13) ステップSC13では、画像形成装置100は、優先度に基づいて、処理を変更する。すなわち、ステップSC13では、画像形成装置100は、複数の処理のうち、あらかじめ設定される「優先度」に基づいて、「優先度」の数値が低い処理から順に変更する。 【0115】 例えば、画像形成装置100は、実行中の処理のうち、優先順位が最も低い処理を停止するように変更する。なお、処理を停止させる際に、画像形成装置100は、他の処理を監視して、例えば、ジョブが完了した際に安全に処理を停止させる。また、動作速度等を変更可能であれば、画像形成装置100は、動作速度等を変更してもよい。 【0116】 図示するように、ステップSC12及びステップSC13によって、音声認識が可能、すなわち、閾値以下となるように、「優先度」に基づいて、画像形成装置100は、処理を変更する。 【0117】 <音声認識例>(ステップSC14) ステップSC14では、画像形成装置100は、音声認識を行う。すなわち、画像形成装置100は、ユーザが発する音声認識用の音声を入力する。例えば、画像形成装置100は、あらかじめ音声認識用の音声データを記憶する、いわゆるテンプレートマッチング方式等によって音声認識を実現する。」 7 上記2より、画像形成装置は、ユーザからの音声によって動作するものと認められる。 8 上記6より、「判定結果」が「不可」の処理が実行中であると画像形成装置100が判断すると、処理速度の変更を含め処理を実行、もしくは、処理を停止して音声認識を行う、一方、実行中の処理に「不可」の処理がないと画像形成装置100が判断すると、画像形成装置100は、音声認識を行うものと認められる。 そうすると、上記記載事項1乃至6、並びに認定事項7及び8より、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「ユーザからの音声によって動作する画像形成装置であって、 画像形成装置には、処理が実行されると発生する処理音が入力され、 ユーザからの音声に基づいて音声認識が可能か否かの判定が行われ、「判定結果」は、画像形成装置に記憶され、 「判定結果」には、各所定の処理が実行されると発生する処理音の音量である「処理音レベル」と、 「処理名」が示す処理が実行されている間に、画像形成装置100が音声認識を行えるか否かが、示され、 「判定結果」が「不可」の処理が実行中であると、音声認識は、ノイズ等によって実行できなかったり、又は、認識率が低かったりする場合が多いため、音声認識が実行不可の状態であるか否かを判断し、 「判定結果」が「不可」の処理が実行中であると判断すると、処理速度の変更を含め処理を実行、もしくは、処理を停止して音声認識を行い、一方、実行中の処理に「不可」の処理がないと判断すると、音声認識を行う、 画像形成装置。」 第6 対比・判断 1 本願発明と引用発明との対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)後者の「画像形成装置」、「処理」、「音声」、「処理音レベル」は、前者の「画像形成装置」、「ジョブ」、「音声」、「ノイズレベル」に相当する。 (2)後者の「画像形成装置」は、処理を実行するものであって、処理を受け付けていることは明らかであるから、後者の「画像形成装置」が、ジョブを受け付けるジョブ受付手段を備えていることは明らかである。 (3)後者の「画像形成装置」は、ユーザからの音声によって動作するものであるから、後者の「画像形成装置」が、当該画像形成装置への指示を音声にて受け付ける音声受付手段を備えていることは明らかである。 (4)後者の「『判定結果』」は、ユーザからの音声に基づいて音声認識が可能か否かの判定が行われた結果であるから、「音声」に関するパラメータを検出する検出手段を備えていることは明らかである。 (5)後者の「『判定結果』」には、各所定の処理が実行されると発声する処理音の音量である「処理音レベル」が示され、画像形成装置に記憶されているから、後者の「画像形成装置」が、画像形成装置を構成する複数の機器が稼働時に発するノイズレベルを記憶した記憶手段を備えていることは明らかである。 (6)後者の「『判定結果』」には、「処理名」が示す処理が実行されている間に、画像形成装置が音声認識を行えるか否かが示されれているから、後者の「画像形成装置」が、検出手段で検出した音声と、前記画像形成装置で実行する処理に対応した「処理音レベル」とを比較する比較手段を備えていることは明らかである。 (7)後者の「画像形成装置」は、「判定結果」が「不可」の処理が実行中であると判断すると、処理速度の変更を含め処理を実行、もしくは、処理を停止して音声認識を行い、一方、実行中の処理に「不可」の処理がないと判断すると、音声認識を行うものであるから、後者の「画像形成装置」が、比較手段の比較結果に基づき、ユーザからの音声による動作指示と、画像形成装置で実行される処理とのいずれを優先して処理するのかを制御する制御手段を備えていることは明らかである。 2 本願発明と引用発明の一致点と相違点について 上記1の対比を踏まえると,本願発明と引用発明とは,つぎの一致点で一致し,相違点において相違する。 [一致点] 「画像形成装置であって、 ジョブを受け付けるジョブ受付手段と、 前記画像形成装置への指示を音声にて受け付ける音声受付手段と、 前記音声受付手段で受け付けた音声から音声に関するパラメータを検出する検出手段と、 前記画像形成装置を構成する複数の機器が稼働時に発するノイズレベルを記憶した記憶手段と、 前記検出手段で検出した音声と、前記画像形成装置で実行するジョブに対応して前記記憶手段から読み出したノイズレベルとを比較する比較手段と、 前記比較手段の比較結果に基づき、音声の指示を受け付ける処理と、前記画像形成装置でジョブを実行する処理とのいずれを優先して処理するのかを制御する制御手段とを備える、画像形成装置。」 [相違点] 本願発明の検出手段は音声「レベル」を検出し、比較手段は音声「レベル」とノイズレベルとを比較するものであるのに対し、引用発明は、音声を認識し、音声と処理音レベルとを比較しているものの、音声のレベルか否かが明らかでない点。 3 上記相違点についての検討 引用発明の「判定結果」には、各所定の処理が実行されると発生する処理音の音量である「処理音レベル」と、「処理名」が示す処理が実行されている間に、画像形成装置100が音声認識を行えるか否かが、示されているところ、「処理音レベル」との比較に基づいて音声認識を行えるか否かが判定されているといえるのであるから、比較対象である「処理音レベル」と音声とは同じ尺度のパラメータであると推認できる。 そうすると、引用発明の処理音レベルと比較する音声とは、処理音レベルと同じ音量であると推認できるのであるから、本願発明の音声「レベル」に相当するか、少なくとも、引用発明の音声を音の尺度として一般的な音量という処理音レベルと同じ尺度で比較することは、当業者が適宜なし得るものである。 よって、上記相違点に係る構成は、当業者が容易に想到し得るものである。 そして、本願発明の効果も、引用発明から、当業者が予測し得る程度のものといえる。 4 請求人の主張について 請求人は、上記意見書において、以下のとおり主張する。 (1)「引用文献1において、処理音レベルの比較対象は、ステップSC12における閾値です。一方で、本願発明において、ノイズレベルの比較対象は、検出手段で検出した音声レベルです。 引用文献1の段落[0111]には、処理音レベルの比較対象である閾値に関して、「閾値には、例えば、「判定結果」が「可」である「処理音レベル」のうち、最大値等が設定される。」と記載されており、当該閾値がユーザの発する音声レベルに基づいて定められることについては記載も示唆もされておりません。」と主張する。(スペースは、改行を意味する。以下、同様。) (2)「また、引用文献1の段落[0120]等にはマイクについて記載がされておりますが、当該マイクで受け付けた音声から音声レベルを検出することは記載されていないため、引用文献1には「前記音声受付手段で受け付けた音声から音声レベルを検出する検出手段」という構成についても記載されておりません。」と主張する。 (3)「独立請求項1に係る本願発明は、検出手段で検出した音声レベルと複数の機器が稼働時に発するノイズレベルとを比較し、比較結果を用いてジョブの実行態様を決定します(段落[0050])。これにより、独立請求項1に係る本願発明は、音声操作を受け付ける場合に画像形成装置で実行される処理の最適化を図る(段落[0007])、という特有の効果を奏しております。」と主張する。 (1)について、【0076】には、「「処理音レベル」は、各所定の処理が実行されると発声する処理音の音量である。すなわち、「処理音レベル」は、ステップSA03が行われると生成される音声データを解析する等して入力される。」と、【0111】には、「また、閾値には、例えば、「判定結果」が「可」である「処理音レベル」のうち、最大値等が設定される。」と記載されていることからすると、閾値とは、処理音のレベル、すなわち、処理音の音量であって、音声認識を行えるか否かに基づいて(ユーザの発する音声レベルに基づいて)定められているものと認められる。 (2)について、上記3の通り、処理音レベル(ノイズレベル)と比較して音声認識できるか否かを判定していることを鑑みれば、音声レベルを検出するようにすることは、当業者が容易になし得るものである。 (3)について、引用発明においても、音声認識を行えるか否かに基づいて、処理を優先するか、音声認識を優先するか、といった処理の最適化を図っているのであるから、本願発明が、引用発明に比して、格別な効果を奏するものとは認められない。 よって、上記請求人の主張は、いずれも採用し得ない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、本願出願の出願前に頒布された引用文献に記載された発明(引用発明)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項については検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2023-002965

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