特許拒絶査定不服審判
2023-002821
アライメント方法及び装置
- 審判番号
- 2023-002821
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-557908外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年02月20日
- 審決日
- 2024年02月15日
- 公報発行日
- 2024年08月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
- 【請求人代理人】稲葉 良幸
- 【請求人代理人】大貫 敏史
- 【請求人代理人】江口 昭彦
- 【請求人代理人】内藤 和彦
- 分類
- P18 .113-Z (G03F) / P18 .121-Z (G03F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-557908号「アライメント方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔令和元年10月31日国際公開、WO2019/206579号、令和3年8月26日国内公表、特表2021-521485号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2019年(平成31年)4月2日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2018年4月26日、欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年12月15日 :手続補正書、上申書の提出
令和3年10月14日付け:拒絶理由通知書
令和4年 1月20日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 5月10日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和4年 8月16日 :意見書の提出
令和4年10月18日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和5年 2月20日 :審判請求書の提出
第2 本願発明
本願の請求項1~17に係る発明は、令和4年1月20日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~17に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1の記載は以下のとおりである(以下、請求項1に係る発明を「本願発明」という。)。
「【請求項1】
物体上のフィーチャの位置を決定する方法であって、
前記フィーチャの位置を示し、第1の技法を用いて決定できる第1の位置と、前記フィーチャの位置を示し、前記第1の技法と異なる第2の技法を用いて決定できる第2の位置との差の測度であるオフセットパラメータを決定することと、
前記第2の位置を決定することと、
前記第2の位置及び前記オフセットパラメータから前記第1の位置を決定することであって、マークの位置は前記第1の位置である、前記第1の位置を決定することと、
を含む方法。」
第3 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、以下の理由を含むものである。
1 (新規性)本願発明は、その優先権主張の日(以下「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2 (進歩性)本願発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である引用文献1に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特開2000-228356号公報
第4 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である引用文献1には、次の事項が記載されている。
1 引用文献1の記載事項
引用文献1には、以下の記載がある(下線は当審が付した。)。
「【請求項1】 物体上のマークの位置検出方法で、前記物体上のマーク形成部の表層膜形成後の位置検出オフセット値の取得と、前記膜を形成されたマークの位置検出を行ない、該位置検出は前記位置検出オフセット値を用いて実行されることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】 前記位置検出オフセット値は前記マーク形成部の表面情報を膜形成前と膜形成後のそれぞれ、或は少なくとも一方で計測することにより得られることを特徴とする請求項1記載の位置検出装置。」(特許請求の範囲)
「【0064】事前計測においてはレジスト塗布前と後の表面形状を例えばAFM等により計測し、レジストとウエハー上のアライメントマークとの3次元的な相対位置関係を、前記位置合わせ装置の検出系の信号に合う様にオフセットとして算出する。算出されたオフセット値を使用して露光装置側で位置合わせを行えば、前述のプロセスによるアライメントマーク形状の非対称性による精度劣化を解消することができる。
【0065】また、以下に述べる位置合わせ方法及び位置合わせ装置を用いた露光装置では、トータルオーバーレー精度を向上させるため、レチクルとウエハーの相対位置合わせを行う位置合わせ検出系を持ち、該検出系によりウエハー上のアライメントマークを検出する時、予め該検出より前にウエハー上の複数のパターンあるいはマークの形状を露光装置内または外において光を利用しない原子間力顕微鏡AFM等の計測系で計測して事前に決定し、該複数のパターンあるいはマーク間の相対位置関係をオフセット量として使用する。
【0066】該複数のパターンあるいはマークとは半導体製造上で重ね合せ精度を最も必要とする複数の形状のパターンと、アライメントマークと、重ね合せ検査装置用マーク等のことを意味している。予め得られた計測から得られるオフセット値を利用して、レチクルとウエハーの重ね合せ、露光を行うとともに、ウエハーを現像後、重ね合せ検査装置で検査する時も、前記オフセット値を反映した重ね合せ結果として判断を行うことにより、高精度なトータルオーバーレー精度を達成することができる。」
「【0069】図1は本発明の実施形態1の位置合わせ装置を適用した露光装置におけるウエハーの位置情報の流れを示した図である。
【0070】なお、以下の説明では露光装置をステッパー、露光装置に搭載されている位置合わせ装置の位置合わせ検出系をアライメントスコープとし、該位置合わせ装置外において、ウエハーを事前計測する装置をオフセットアナライザーと呼ぶこととする。オフセットアナライザーではレジスト塗布前後の表面形状を計測し、計測したレジストとウエハーマークの3次元的な相対位置関係から位置合わせ装置の位置合わせ検出系の信号に合う様にオフセットを算出する。
【0071】オフセットアナライザーの検出には勿論光学式のものも用いることができるが、特許公報2735632号公報に示した様な走査型トンネル顕微鏡や、特開平5-217861号公報に示されている様な原子間力顕微鏡(AFM)等の分解能の高い方式を用いることもできる。AFMの検出は従来露光装置に組み込まれた形での実施形態も知られているが、本実施形態では、以下、分解能の高いことを利用したAFMを用いた形態を代表とする。
【0072】次いで図1のウエハーと情報の流れについて説明する。
【0073】ウエハーWはまず1○(当審注:1○は丸付き数字1を意味する。以下同様。)で示す様に、レジストを塗布する前にオフセットアナライザーOAに運ばれ、塗布前のウエハー上のアライメントマークの形状をAFMで計測する。
【0074】次に2○でウエハーはコーターCTに運ばれてレジストが塗布され、3○で再度オフセットアナライザーOAに運ばれてアライメントマークの上のレジスト形状を再びAFMで計測する。
【0075】ウエハーは次に4○でステッパーSTに運ばれてアライメントスコープによりアライメントマークの信号が検出され、5○でステッパーSTからアライメントマークの信号情報をオフセットアナライザーOAに送る。
【0076】続く6○では、予めオフセットアナライザーOAでレジスト塗布前後で求めたレジストとウエハーマークとの3次元的な相対位置関係より、アライメントスコープにより得られたアライメントマーク信号とウエハーマーク位置との関係を求めてアライメント計測のオフセットを算出し、ステッパーSTに送る。ステッパーSTでは送られてきたオフセットをもとにアライメントして露光を行ない、全てのショットの露光終了後、ウエハーは現像のためデベロッパーDVへ搬送される。現像後、いくつかの処理を経て回路を形成し、最終的に半導体デバイスを得る手法については周知の差、説明は省略する。」
「【0092】次いでオフセットアナライザーにおいて、アライメントマークのレジスト無しと有りの形状からオフセットを算出するシミュレータについて説明する。
【0095】Maxwellの方程式を解いて得られた信号から各種信号処理、例えば前述のFFT(高速フーリエ変換)処理を行い、得られた位相から、アライメントマークAMの位置を検出する。この信号処理は、実際のステッパーでの処理アルゴリズムと同じものにする必要がある。ここで得られた検出位置と、実際のアライメントマークの位置との差がオフセットとなる。」
図1
「【図1】
[図:0001412816000001.jpg]
」
2 上記1に基づいて当業者が把握できる事項
(1)引用文献1の請求項1の記載によれば、当該請求項1に係る「位置検出装置」は「物体上のマークの位置検出」を行っていることから、当業者は、当該記載に基づいて、引用文献1には、物体上のマークの位置検出方法が記載されていることを把握できるといえる。
そして、当該請求項1及びそれを引用する請求項2の記載によれば、上記の「物体上のマークの位置検出方法」において、位置検出オフセット値が、前記マーク形成部の表面情報を膜形成前と膜形成後のそれぞれで計測することにより得られるものであることを把握できるといえる。
(2)次に、上記(1)の「物体上のマークの位置検出方法」が、実施形態1の位置合わせ装置においてどのように具体化されているかをみると、「事前計測においてはレジスト塗布前と後の表面形状を例えばAFM等により計測し、レジストとウエハー上のアライメントマークとの3次元的な相対位置関係を、前記位置合わせ装置の検出系の信号に合う様にオフセットとして算出する。」(【0064】)との記載によれば、当該「物体上のマークの位置検出方法」における「物体」及び「マーク」は、実施形態1において、それぞれ「ウエハー」及び「アライメントマーク」として具体化されているといえる。
(3)【0065】及び【0066】の記載からみて、【0076】における「ウエハーマーク」は、引用文献1記載の位置合わせ方法において、ウエハー上の複数のパターンあるいはマークの形状を露光装置内または外において光を利用しない原子間力顕微鏡AFM等の計測系で計測する際の計測対象であり、該複数のパターンあるいはマークとは半導体製造上で重ね合せ精度を最も必要とする複数の形状のパターンと、アライメントマークと、重ね合せ検査装置用マーク等のことを意味しているから、「ウエハーマーク」は「ウエハー上のアライメントマーク」を含むことが把握できる。
3 引用発明の認定
上記1及び2からみて、引用文献1には、実施形態1において具体化された「物体上のマークの位置検出方法」について、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(なお、参考までに引用発明の認定に用いた段落番号等を括弧内に記載してある。)。
「ウエハー上のアライメントマークの位置検出方法であって、
ウエハー上のマーク形成部の表層膜形成後の位置検出オフセット値の取得と、前記膜を形成されたアライメントマークの位置検出を行ない、該位置検出は前記位置検出オフセット値を用いて実行されるものであり、
前記位置検出オフセット値は前記マーク形成部の表面情報を膜形成前と膜形成後のそれぞれで計測することにより得られるウエハー上のアライメントマークの位置検出方法において、(上記2)
ウエハーはまず、レジストを塗布する前にオフセットアナライザー(露光装置(ステッパー)に搭載されている位置合わせ装置の外において、ウエハーを事前計測する装置)に運ばれ、塗布前のウエハー上のアライメントマークの形状を原子間力顕微鏡(AFM)で計測し、(【0070】・【0071】・【0073】)
次に、前記ウエハーはコーターに運ばれてレジストが塗布され、再度オフセットアナライザーに運ばれてアライメントマークの上のレジスト形状を再び原子間力顕微鏡(AFM)で計測し、(【0074】)
前記ウエハーは次にステッパーに運ばれてアライメントスコープ(露光装置(ステッパー)に搭載されている位置合わせ装置の位置合わせ検出系)によりアライメントマークの信号が検出され、ステッパーからアライメントマークの信号情報をオフセットアナライザーに送り、(【0070】・【0075】)
続いて、予めオフセットアナライザーでレジスト塗布前後で求めたレジストとウエハーマークとの3次元的な相対位置関係より、アライメントスコープにより得られたアライメントマーク信号とウエハーマーク位置との関係を求めてアライメント計測のオフセットを算出するものであり、当該オフセットの算出は、オフセットアナライザーにおいて、アライメントマークのレジスト無しと有りの形状からオフセットを算出するシミュレータを用いるものであって、Maxwell の方程式を解いて得られた信号から各種信号処理を行い、得られた位相から、アライメントマークAMの位置を検出し、ここで得られた検出位置と、実際のアライメントマークの位置との差がオフセットとなるものであり、(【0076】、【0092】、【0095】)
ステッパーSTでは送られてきたオフセットをもとにアライメントして露光を行なうものである、(【0076】)
物体上のマークの位置検出方法。」
第5 対比・判断
1 対比
(1)本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりとなる。
ア 「物体上のフィーチャの位置を決定する方法であって、」「を含む方法。」との発明特定事項について
本願発明の「フィーチャ」の意味についてみると、本願の発明の詳細な説明及び図面(以下「本願明細書等」という。)の「本発明は、物体上のフィーチャの位置を決定する方法及びこれらの方法を実行するための関連付けられた装置に関する。物体は基板(例えばシリコンウェーハ)とすることができ、フィーチャはマーク(例えばアライメントマーク)とすることができる。」(【0002】)との記載に照らして、「フィーチャ」は「マーク」と同じ意味であってよいといえるから、引用発明の「アライメントマーク」は、本願発明の「フィーチャ」に相当する。
また、引用発明の「ウエハー上のアライメントマーク」は、本願発明の「物体上のフィーチャ」に相当する。
さらに、引用発明の「ウエハー上のアライメントマークの位置」は、本願発明の「物体上のフィーチャの位置」に相当する。
そして、位置を検出することは、位置を決定することであるといえるから、引用発明の「物体上のマークの位置検出方法」は、本願発明の「物体上のフィーチャの位置を決定する方法」に相当する。
したがって、引用発明は本願発明の上記発明特定事項を備える。
イ 「前記フィーチャの位置を示し、第1の技法を用いて決定できる第1の位置」との発明特定事項について
(ア)引用発明は、「塗布前のウエハー上のアライメントマークの形状」と「アライメントマークの上のレジスト形状」をオフセットアナライザーに備えられた「原子間力顕微鏡(AFM)」により「計測」しているところ、当該「原子間力顕微鏡(AFM)」による「計測」は、本願発明の「第1の技法」に相当する。
(イ)引用発明においてオフセットアナライザーが計測するウエハー上のマークはアライメントマークであるとともに、上記第4の2(3)のとおり、ウエハーマークはアライメントマークを含むことを踏まえれば、引用発明のオフセットアナライザーが、アライメントマークのレジスト無しと有りの形状からオフセットを算出するシミュレータを用いて、アライメントマークAMの位置を検出することは、本願発明の「前記フィーチャの位置を示し、第1の技法を用いて決定できる第1の位置」を決定することに相当し、上記シミュレータを用いて検出されたアライメントマークAMの位置は、本願発明の「前記フィーチャの位置を示し、第1の技法を用いて決定できる第1の位置」に相当する。
ウ 「前記フィーチャの位置を示し、前記第1の技法と異なる第2の技法を用いて決定できる第2の位置」との発明特定事項について
(ア)引用発明の「原子間力顕微鏡(AFM)」と「アライメントスコープ」は別異のものであるから、「アライメントスコープ」は、本願発明の「前記第1の技法と異なる第2の技法」に相当する。
(イ)アライメントマークが、露光装置において位置を検出される対象であること、及び、アライメントスコープがアライメントマークの位置情報を検出するための装置であることは技術常識であるから、引用発明における「アライメントスコープにより得られたアライメントマーク信号」は、本願発明の「前記第1の技法と異なる第2の技法を用いて決定できる第2の位置」に相当する。
エ 「前記フィーチャの位置を示し、第1の技法を用いて決定できる第1の位置と、前記フィーチャの位置を示し、前記第1の技法と異なる第2の技法を用いて決定できる第2の位置との差の測度であるオフセットパラメータを決定すること」との発明特定事項について
(ア)引用発明においては、オフセットの算出は、オフセットアナライザーにおいて、アライメントマークのレジスト無しと有りの形状からオフセットを算出するシミュレータを用いることによるものであって、Maxwell の方程式を解いて得られた信号から各種信号処理を行い、得られた位相から、アライメントマークAMの位置、すなわちレジスト有りのアライメントマークの位置を検出し、ここで得られた検出位置と、実際のアライメントマークの位置、すなわちレジスト無しのアライメントマークの位置との差がオフセットとなるといえる。
(イ)そして、上記「オフセット」は、オフセットアナライザーのAFMにより計測された「レジスト有りのアライメントマークの位置」と、「レジスト無しのアライメントマークの位置」との差の測度であるといえる。
(ウ)引用発明においては、予めオフセットアナライザーでレジスト塗布前後で求めたレジストとウエハーマークとの3次元的な相対位置関係より、アライメントスコープにより得られたアライメントマーク信号とウエハーマーク位置との関係を求めてアライメント計測のオフセットを算出するものであるから、オフセットアナライザーにより求めたレジストとウエハーマークとの相対位置関係と、アライメントスコープにより得られたアライメントマーク信号とウエハーマーク位置との関係の間に、相当の対応関係があることを前提としていることは明らかである。
(エ)そして、上記(ア)~(ウ)、上記イ及びウの検討を踏まえれば、引用発明において、予めオフセットアナライザーでレジスト塗布前後で求めたレジストとウエハーマークとの3次元的な相対位置関係より、アライメントスコープにより得られたアライメントマーク信号とウエハーマーク位置との関係を求めてアライメント計測のオフセットを算出することは、本願発明の「前記フィーチャの位置を示し、第1の技法を用いて決定できる第1の位置と、前記フィーチャの位置を示し、前記第1の技法と異なる第2の技法を用いて決定できる第2の位置との差の測度であるオフセットパラメータを決定すること」に相当する。
オ 「前記第2の位置を決定することと、前記第2の位置及び前記オフセットパラメータから前記第1の位置を決定することであって、マークの位置は前記第1の位置である、前記第1の位置を決定すること」との発明特定事項について
上記イ~エの説示を踏まえると、引用発明において「アライメントスコープにより」「アライメントマークの信号」を検出し、「予めオフセットアナライザーでレジスト塗布前後で求めたレジストとウエハーマークとの3次元的な相対位置関係より、アライメントスコープにより得られたアライメントマーク信号とウエハーマーク位置との関係を求めてアライメント計測のオフセットを算出」して、「ステッパーSTでは送られてきたオフセットをもとにアライメント」することは、ステッパーがアライメントをする際にアライメントに必要なアライメントマークAMの位置を決定していることは明らかであることからすれば、引用発明が上記アライメントをして、「「ウエハー上のアライメントマークの位置検出」を行うことは、本願発明の「前記第2の位置及び前記オフセットパラメータから前記第1の位置を決定することであって、マークの位置は前記第1の位置である、前記第1の位置を決定すること」に相当する。
(2)一致点及び相違点
以上によれば、本願発明と引用発明は、以下の点において一致し、両者の間に相違点はない。
「物体上のフィーチャの位置を決定する方法であって、
前記フィーチャの位置を示し、第1の技法を用いて決定できる第1の位置と、前記フィーチャの位置を示し、前記第1の技法と異なる第2の技法を用いて決定できる第2の位置との差の測度であるオフセットパラメータを決定することと、
前記第2の位置を決定することと、
前記第2の位置及び前記オフセットパラメータから前記第1の位置を決定することであって、マークの位置は前記第1の位置である、前記第1の位置を決定することと、
を含む方法。」
2 判断
(1)以上のとおり、本願発明と引用発明との間に相違点ではなく、引用発明は本願発明の構成をすべて備えている。
よって、本願発明は引用発明である。
(2)また、以上の検討を踏まえれば、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
3 請求人の主張について
(1)請求人の主張
請求人は、審判請求書において、概略、下記のとおり主張する。
ア オフセットアナライザーのオフセットからステッパーがアライメントマークの位置を決定することについて、引用文献1には何ら記載されておらず、アライメント信号に基づくマークの位置からウエハマークの位置を決定することについて、引用文献1には何ら記載されていないから、引用発明が、本願発明の「前記第2の位置及び前記オフセットパラメータから前記第1の位置を決定することであって、マークの位置は前記第1の位置である、前記第1の位置を決定すること」の構成を備えるとの認定は、引用発明を誤って認定したものである。
イ 引用発明のAFMは、レジストが供給される前後の表面形状を計測しており、位置を計測していない。
(2)当審の判断
しかしながら、上記1で説示したとおりであって、上記(1)の主張は採用できない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条第1項の規定により特許を受けることができず、また、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-002821